JP2015190003A - 希土類元素と鉄の分離回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶融温度が低く、希土類元素を含むスラグ相と鉄を含む合金相が容易に分離し、効率よく希土類元素と鉄を分離して回収できる方法を提供する。
【解決手段】希土類元素と鉄を含む原料を、FeリッチのFe−Si合金とアルカリ金属酸化物−シリカ系スラグの混合物に加え、不活性雰囲気下ないし還元雰囲気下で、1250℃〜1550℃に加熱溶融することによって希土類元素をスラグに移行させ、鉄をFeリッチのFe−Si溶融合金に移行させて分離することを特徴とする希土類元素と鉄の分離回収方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、希土類磁石のように希土類元素と鉄を含む原料から希土類元素と鉄を効率よく分離回収する方法に関する。
希土類元素は生産量が少ないので希土類元素を含有するスクラップなどから希土類元素を回収して再利用することが求められている。例えば、希土類磁石には希土類元素が多く含まれている。一方、希土類磁石には希土類と共に鉄が含まれており、このような希土類元素と鉄の合金から希土類元素を選択的に回収するには、共存する鉄を効率よく分離する必要がある。
このような希土類磁石スクラップなどから希土類元素を回収する方法として、従来、以下のような方法が知られている。
(イ)希土類元素とFeを含む遷移金属とを含有する混合物原料を黒鉛坩堝内で不活性雰囲気下、1350℃〜1700℃に加熱して溶融し、希土類元素を主成分とする酸化物相(Nd-Dy-Pr酸化物等)と遷移金属を含む金属相(Fe-Co合金等)とに分離させてこれらを回収する方法(特許文献1)。
(ロ)希土類元素と鉄を含む処理対象物を酸化し、さらに窒化ホウ素の存在下、1200℃以上に加熱して希土類元素酸化物相(Nd-Dy-Pr酸化物等)と鉄系溶融相(Fe-M-O相、MはB、Cu、Ni)に分離する回収方法(特許文献2)。
(ハ)希土類元素と鉄族元素を含む処理対象物を、酸化処理した後に、または酸化処理せずに、炭素存在下で1150℃以上(例えば1450℃)に加熱して、希土類元素酸化物相(Nd-Dy-Pr酸化物等)と鉄合金相(Fe-C合金等)に分離する回収方法(特許文献3)
(ホ)希土類元素含有物質を酸化ホウ素フラックスの共存下で加熱溶融し、酸化ホウ素相と、その下方の希土類元素富化相とを形成し、1150〜1600℃で10〜360分保持した後に冷却してこれらを分離する希土類元素濃縮方法(特許文献4)。
(ヘ)鉄、銅と希土類元素を含有する物質を融点降下剤および酸化ホウ素の共存下で加熱溶融し、酸化ホウ素相(B2O3相)と、その下方の希土類元素富化相(Nd2O3- B2O3相)と、その下方の鉄富化相(Fe-C合金相)と、その下方の銅富化相(Cu合金相)とを形成し、1150〜1600℃で10〜360分保持した後に冷却してこれらを分離する希土類元素濃縮方法(特許文献5)。
(ニ)希土類−鉄−ボロン系磁石スクラップを酸化処理した後に該スクラップをアルミニウムまたはアルミニウム合金と混合し、該混合物に着火してテルミット反応によってフェロボロンを生成させ、スラグと分離して回収する方法(特許文献6)。
(ト)ネオジム磁石(Nd2Fe14B)スクラップをCaO−SiO2−Al2O3又はCaO−CaF2系スラグと混合し、不活性ガス雰囲気下で1500℃に加熱して、磁石含有希土類元素(Nd、Pr、Tb)を上記スラグに移行させ、Fe富化合金から分離回収する方法(非特許文献1)。
特許第5273241号公報 特開2013−204095号公報 特許第5327409号公報 特開2013−199698号公報 特開2013−227639号公報 特許第5149164号公報
Y. Yang, S. Abrahami, and Y. Xiao: Proceedings of the 3rd International Slag Valorisation Symposium, Leuven (2013), 249-252.
特許文献1、2の回収方法はフラックスを使用しないので、希土類元素の混合酸化物は固体であるため希土類元素と鉄との分離は不完全であり、鉄系合金と希土類元素の混合酸化物の分離作業に手間取る。特許文献2、3の回収方法は鉄と希土類元素を分離する前に、希土類元素を含む原料を酸化焙焼することが必要であるので、工程は複雑になる。また、特許文献4、5の希土類元素濃縮方法では酸化ホウ素系フラックスが蒸発する。さらに、希土類元素を含む原料を加熱溶融する温度は、特許文献1の実施例では1550℃(1823K)、特許文献2および特許文献3の実施例では1450℃(1723K)、非特許文献1の方法では1500℃であり、何れも1450℃以上の高温であるので、エネルギーコストが大きい。
本発明の方法は、従来方法の上記問題を克服した回収方法であり、従来方法よりも溶融温度が低く、エネルギーコストを低減することができ、希土類元素を含むスラグ相と鉄を含む合金相が容易に分離し、効率よく希土類元素と鉄を分離して回収できる方法を提供する。
本発明は以下の構成を有する希土類元素と鉄の分離回収方法に関する。
〔1〕希土類元素と鉄を含む原料を、FeリッチのFe−Si合金とアルカリ金属酸化物−シリカ系スラグの混合物に加え、不活性雰囲気下ないし還元雰囲気下で、1250℃〜1550℃に加熱溶融することによって希土類元素をスラグに移行させ、鉄をFeリッチのFe−Si溶融合金に移行させて分離することを特徴とする希土類元素と鉄の分離回収方法。
〔2〕原料溶融用のFe−Si合金として、Feを65〜90wt%含むFe−Si合金を用いる上記[1]に記載する希土類元素と鉄の分離回収方法。
〔3〕原料溶融用のアルカリ金属酸化物−シリカ系スラグとして、Na2O−SiO2系スラグ、またはCaO−Na2O−SiO2系スラグを用いる上記[1]〜上記[2]の何れかに記載する希土類元素と鉄の分離回収方法。
〔4〕原料に含まれる鉄が移行したFe−Si合金を回収し、このFeリッチのFe−Si合金にシリコンを添加してFe−Si比を調整し、これを原料溶融用のFe−Si合金として再利用する上記[1]〜上記[3]の何れかに記載する希土類元素と鉄の分離回収方法。
〔5〕希土類元素を含むアルカリ金属酸化物−シリカ系スラグを回収し、該スラグを水や酸に溶解して希土類元素を浸出させ、残渣のシリカを回収し、該シリカにアルカリ金属酸化物を添加してアルカリ金属酸化物−シリカ比を調整し、これを原料溶融用のアルカリ金属酸化物−シリカ系スラグとして再利用する上記[1]〜上記[4]の何れかに記載する希土類元素と鉄の分離回収方法。
〔6〕希土類元素と鉄を含む原料として希土類磁石のスクラップを用いる上記[1]〜上記[5]の何れかに記載する希土類元素と鉄の分離回収方法。
〔具体的な説明〕
本発明の回収方法は、希土類元素と鉄を含む原料を、FeリッチのFe−Si合金とアルカリ金属酸化物−シリカ系スラグの混合物に加え、不活性雰囲気下ないし還元雰囲気下で、1250℃〜1550℃に加熱溶融することによって希土類元素をスラグに移行させ、鉄をFeリッチのFe−Si溶融合金に移行させて分離することを特徴とする希土類元素と鉄の分離回収方法である。
本発明に係る分離回収方法の概略を図1に示す。
本発明の回収方法において、希土類元素と鉄を含む原料としては希土類磁石のスクラップを用いることができる。また、希土類元素は水素吸蔵合金、固体レーザー、各種の電子機器部品、燃料電池等にも含まれているので、これらのスクラップなども用いることができる。
本発明の回収方法は、1250℃〜1550℃で溶融するFeリッチのFe−Si合金を用いる。なお、SiリッチのFe−Si合金も上記温度下で溶融するが、合金中に取り込まれた希土類元素が合金中に残留して鉄とうまく分離できないので好ましくない。
図2のFe−Si系状態図に示すように、1250℃〜1550℃で溶融するFeリッチのFe−Si合金の組成は、例えば、Fe65〜90wt%の範囲である。原料に含まれる鉄をできるだけ多く受け入れるためには、Fe量が65wt%に近いものが好ましく、Fe量が90wt%に近づくと鉄を受け入れるキャパシティーが乏しくなる。
溶融状態になるFe−Si合金のFe/Si比は加熱温度によって異なり、例えば、1300℃では、Fe(75wt%)-Si(25wt%)合金は溶融状態を保ち、加熱温度が高くなるとこれよりFe量が多くても溶融状態を維持する。一方、Fe量が90wt%以上のFe−Si合金は概ね1550℃において鉄を受け入れるキャパシティーが殆どないので、本発明のFeリッチFe−Si合金としては、Fe65〜90wt%のFe−Si合金が好ましい。
Fe(75wt%)-Si(25wt%)合金は処理温度1300℃において溶融状態であり、原料の希土類磁石中のFeがこのFe−Si合金へ溶け込んでFe量が増しても、加熱温度を高めると溶融状態を保つので、鉄に対する合金のキャパシティーが充分大きく、原料の鉄を取込んで希土類元素と鉄の分離を促進することができる。
このFe−Si合金は、粗粉砕した鉄とシリコンを黒鉛ルツボに入れ、不活性雰囲気下(例えば、アルゴン雰囲気)で1300℃以上に加熱溶融して得ることができる。
本発明の回収方法において、原料溶融用のアルカリ金属酸化物−シリカ系スラグは、例えば、Na2O−SiO2系スラグ(Na2O:35〜50wt%)が好ましい。このスラグは、例えば、アルカリ金属源(炭酸ナトリウム等)とシリカの混合物を白金ルツボに入れ、大気下で1100℃以上に加熱溶融することによって得ることができる。Na2O−SiO2系スラグは融点と粘性が低く、本発明の回収方法における加熱温度で安定であり、数時間程度の加熱でもスラグ成分の蒸発がわずかである。
Na2O−SiO2系スラグとしては、具体的には、Na2O・2SiO2スラグを用いることができる。また、カルシウムを含む三元系スラグ、例えばCaO−Na2O−SiO2(SiO2:90wt%以下)でもよい。CaO−Na2O−SiO2スラグは、その粘性がNa2O・2SiO2スラグに比べてさらに低く、熔融状態でFe合金との分離がさらに良くなる。
本発明の回収方法は、希土類元素と鉄を含む原料を、FeリッチのFe−Si合金とアルカリ金属酸化物−シリカ系スラグの混合物と共にルツボに入れ、この原料混合物を不活性雰囲気下ないし還元雰囲気下で、1250℃〜1550℃、好ましくは1250℃〜1450℃に加熱して溶融する。ルツボは黒鉛ルツボやセラミックス系ルツボ(アルミナ、マグネシア、ジルコニアなど)を使用することができる。原料混合物が溶融するまで加熱する。概ね5〜15時間、好ましくは5時間程度でよい。
加熱温度が1250℃未満になると、Fe−Si合金の鉄のキャパシティーが小さくなり、原料に含まれる鉄がFe−Si合金相へ溶け込めなくなる。一方、加熱温度が1550℃を超えると、Fe−Si合金を使用して加熱温度を下げる利点が失われる。低融点のFe−Si合金を使用することによって溶融温度を下げ、好ましくは鉄の融点(約1538℃)よりも低い1450℃以下の加熱温度で原料混合物を溶融させることによって、低コストで希土類元素と鉄を分離することができる。
原料混合物が不活性雰囲気下ないし還元雰囲気下で上記温度に加熱されて溶融すると、Fe−Si溶融合金中のシリコンとアルカリ金属酸化物−シリカ系溶融スラグ中のSiO2の反応で所定の酸素ポテンシャルが維持され、その酸素ポテンシャルで希土類元素が酸化され、希土類元素酸化物がスラグ相に移行し、原料に含まれる鉄はFe−Si合金に移行する。Fe−Si溶融合金とNa2O−SiO2系スラグは比重差が大きいので、スラグ相と合金相は自然に分離する。
分離したFeリッチのFe−Si合金を回収し、このFeリッチのFe−Si合金にシリコンを添加してFe−Si比を上記範囲(例えば、Fe75wt%−Si25wt%)に調整し、これを原料溶融用のFe−Si合金として再利用することができる。また、回収した鉄リッチのFe−Si合金はフェロシリコン製造などの原料として用いることができる。
分離した希土類元素を含むスラグを回収する。このスラグを水や酸に溶解して希土類元素を浸出させ、固液分離して希土類元素を含む溶液を得ることができる。
固液分離した残渣にはシリカが含まれているので、このシリカを回収してアルカリ金属酸化物を添加し、アルカリ金属酸化物−シリカ比を調整し、これを原料溶融用のアルカリ金属酸化物−シリカ系スラグとして再利用することができる。例えば、回収したシリカにNa2Oを添加してNa2O:35〜50wt%のNa2O−SiO2系スラグを調製し、これを原料溶融用スラグとして再利用する。
本発明の分離回収方法は、従来方法よりも低い温度で原料混合物を溶融させることができるのでエネルギーコストを低減することができる。また、溶融温度下でスラグが安定であり、スラグ成分が蒸発せずに希土類元素の溶解度が高い。さらに、希土類元素はスラグ相に移行し、鉄は合金相に移行し、この希土類元素を含むスラグ相と鉄を含む合金相の比重差が大きいので、スラグ相と合金相が自然に分離し、効率よく希土類元素と鉄を分離して回収することができる。具体的には、スラグ相に混入する鉄は1%未満なので希土類元素を選択的に回収することができる。
本発明に係る分離回収方法の概略を示す工程図。 Fe−Si系状態図
本発明の実施例を以下に示す。Fe−Si合金の組成は、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)とXRF法(X-ray Fluorescence Spectrometry)によって定性と定量分析を行った。スラグ組成は、XRF法で定性し、化学分析とICP−AES法(Inductively Coupled Plasma−Atomic Emission Spectrometry)によって定量分析を行った。
〔実施例1〕
(1)Fe−Si合金調製
鉄粉と粗粉砕したシリコンを、Fe75wt%、Si25wt%になるように混合した後、黒鉛ルツボに装入し、電気炉内、アルゴン雰囲気下で、1400℃にて1時間保持した。その後、試料を急冷しFe−Si合金を回収した。
(2)Na 2 O−SiO 2 スラグ調製
Na2CO3とSiO2の混合物(Na2O:35wt%、SiO2:65wt%)を白金るつぼに装入し、電気炉を用い、大気中で1100℃にて加熱溶融してNa2O−SiO2スラグを調製した。1時間後に試料を取り出し、ルツボ内の溶融スラグを鉄板上に注ぎ回収した。
(3)希土類磁石の溶融処理
表1に示す希土類磁石(約6g)を粉砕し、上記(1)で調製したFe−Si合金(約24g)と、上記(2)で調製したNa2O−SiO2スラグ(約15g)と、上記希土類磁石粉砕物とを混合して黒鉛ルツボに装入し、アルゴンガスを300mL/minで炉内導入しながら1300℃で5時間保持した。処理後、坩堝を電気炉から取り出し、水急冷し、スラグ相(約18g)と合金相(約28g)を回収した。
(4)結果
処理前と処理後の合金相とスラグ相の組成をおのおの表2、表3に示す。表2、表3に示すように、原料の希土類磁石に含まれている希土類元素の約90%はスラグへ移行した。このスラグの鉄品位は1%以下であり、鉄と希土類元素とが良好に分離された。
Figure 2015190003
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〔実施例2〕
Na2OとSiO2が同量のNa2O−SiO2スラグ(Na2O:50wt%、SiO2:50wt%)を用い、それ以外は実施例1と同様の条件で希土類磁石粉末(約2.4g)とFe−Si合金(約9.6g)およびNa2O−SiO2スラグ(約6g)の混合物を加熱溶融し、スラグ相と合金相を回収した。原料の希土類磁石粉末を表4に示す。処理前と処理後の合金相とスラグ相の組成をおのおの表5、表6に示す。原料の希土類磁石に含まれている希土類元素の約100%がスラグに移行し、このスラグに含まれる鉄の含有率は1%以下であった。
Figure 2015190003
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〔実施例3〕
鉄粉とシリコン塊の混合物(Fe:75wt%、Si:25wt%、約15g)を粉砕し、黒鉛ルツボに装入して不活性雰囲気下で1300℃にて60分保持し、Fe−Si溶融合金を形成した。次いで、Na2O−SiO2スラグ(Na2O:35wt%、SiO2:65wt%、約30g)をFe−Si溶融合金上に装入して大気下で1300℃にて30分保持して溶解させた。その後、粗粉砕した希土類磁石粉末(約15g)をFe−Si合金・スラグ上に装入し、不活性雰囲気下で1300℃にて5時間保持して溶融した後に、スラグ相と合金相を回収した。
原料の希土類磁石粉末を表7に示す。処理前と処理後の合金相とスラグ相の組成をおのおの表8、表9に示す。原料の希土類磁石に含まれている希土類元素の約100%がスラグに移行し、このスラグ中の鉄は検出されなかった。
Figure 2015190003
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〔実施例4〕
CaO−Na2O−SiO2スラグ(CaO:5wt%、Na2O:33wt%、SiO2:62wt%、約6g)を用いた以外は実施例1と同様の条件で希土類磁石粉末(約2.4g)とFe−Si合金(約9.6g)の混合物を加熱溶融し、スラグ相と合金相を回収した。処理後の合金相の組成を表10に示す。処理前と処理後のスラグ相の組成を表11に示す。なお、希土類磁石粉末の組成は表4と同じ、処理前のFe−Si合金相の組成は表5と同じである。原料の希土類磁石に含まれている希土類元素の約55%がスラグに移行し、残り約45%は酸化物(Nd2O3-Dy2O3)を形成して合金相中に分散していた。処理後のスラグに含まれる鉄の含有率は1%以下であった。
Figure 2015190003
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〔比較例1〕
鉄粉とシリコン塊の混合物(Fe:34wt%、Si:66wt%、約24g)を粉砕し、黒鉛ルツボに装入して不活性雰囲気下で1300℃にて60分保持した後、試料を急冷しFe−Si合金を回収した。このFe−Si合金を用いた以外は実施例1と同様の条件で希土類磁石粉末(約6g)とNa2O−SiO2スラグ(約15g)の混合物を加熱溶融し、スラグ相と合金相を回収した。処理前と処理後のスラグ相を表12に示す。処理後の合金相の組成を表13に示す。なお、希土類磁石粉末の組成は表4と同じ、処理前のスラグ相の組成は表5と同じである。原料の稀土類磁石に含まれている希土類元素の一部は金属として、他の一部は酸化物(Nd23とDy23)の状態で合金中に残留し、スラグで回収できなかった。
Figure 2015190003
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希土類元素が濃縮されるスラグは、希土類元素を精製する原料として利用できる。処理後のFe−Si(フェロシリコン)合金は商品価値が高く再利用できる可能性は大きい。

Claims (6)

  1. 希土類元素と鉄を含む原料を、FeリッチのFe−Si合金とアルカリ金属酸化物−シリカ系スラグの混合物に加え、不活性雰囲気下ないし還元雰囲気下で、1250℃〜1550℃に加熱溶融することによって希土類元素をスラグに移行させ、鉄をFeリッチのFe−Si溶融合金に移行させて分離することを特徴とする希土類元素と鉄の分離回収方法。
  2. 原料溶融用のFe−Si合金として、Feを65〜90wt%含むFe−Si合金を用いる請求項1に記載する希土類元素と鉄の分離回収方法。
  3. 原料溶融用のアルカリ金属酸化物−シリカ系スラグとして、Na2O−SiO2系スラグ、またはCaO−Na2O−SiO2系スラグを用いる請求項1〜請求項2の何れかに記載する希土類元素と鉄の分離回収方法。
  4. 原料に含まれる鉄が移行したFe−Si合金を回収し、このFeリッチのFe−Si合金にシリコンを添加してFe−Si比を調整し、これを原料溶融用のFe−Si合金として再利用する請求項1〜請求項3の何れかに記載する希土類元素と鉄の分離回収方法。
  5. 希土類元素を含むアルカリ金属酸化物−シリカ系スラグを回収し、該スラグを水や酸に溶解して希土類元素を浸出させ、残渣のシリカを回収し、該シリカにアルカリ金属酸化物を添加してアルカリ金属酸化物−シリカ比を調整し、これを原料溶融用のアルカリ金属酸化物−シリカ系スラグとして再利用する請求項1〜請求項4の何れかに記載する希土類元素と鉄の分離回収方法。
  6. 希土類元素と鉄を含む原料として希土類磁石のスクラップを用いる請求項1〜請求項5の何れかに記載する希土類元素と鉄の分離回収方法。
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