JP2015189409A - 車両の車線逸脱防止制御装置 - Google Patents

車両の車線逸脱防止制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】積分制御による外乱補償を適切に行ってドライバに違和感を与えることがなく、確実に車線からの逸脱を防止することができる車両の車線逸脱防止制御装置を提供する。【解決手段】目標ヨーレートγtと実ヨーレートγとの差を積算する積分制御を含むフィードバック制御に基づいて自車両に付加する目標ヨーモーメントMztを算出する車線逸脱防止制御において、目標ヨーレートγtと実ヨーレートγとの差の積算値に乗算する積分ゲインKiを車両の操舵系に及ぼす外乱情報に応じて可変設定する。【選択図】図2

Description

本発明は、自車両が走行車線から逸脱しそうな場合に、アクチュエータを作動させることにより、車両にヨーモーメントを付与させることで車線からの逸脱を防止する制御を行う車線逸脱防止制御装置に関する。
近年、車両においては、運転を支援する様々な装置が開発、実用化されており、車線からの逸脱を防止する車線逸脱防止制御装置もそのような装置の一つである。例えば、特開平7−105498号公報(以下、特許文献1)では、自車両の推定進行路と車線の側縁との交点までの距離と、交点における推定進行路と側縁とのなす角度とに基づき、車線からの逸脱状態を予測し、該予測に基づいて逸脱を防止すべく自動的な修正操舵を行う自動車の走行状態判定装置の技術が開示されている。
ところで、この種の車線逸脱防止制御装置において、目標ヨーモーメント(目標操舵トルク)等の目標旋回制御量を設定する際には、一般に、目標ヨーレート等の目標旋回量が設定され、さらに、車両挙動を目標旋回量に追従させるべく所謂PID制御等のフィードバック制御が行われる(例えば、特許文献2参照)。このようなPID制御では、目標旋回量と実旋回量との差を積分制御によって補償することにより、特に、路面の横断勾配(カント)等による外乱の影響を抑制することが可能となる。
特開平7−105498号公報 特開2004−26031号公報
しかしながら、単に、目標旋回量と実旋回量との差を積分して目標旋回制御量を設定する方法では、例えば、車両が大きな横断勾配を下り方向に逸脱する場合や、曲率若しくはクロソイドが大きい曲線路を旋回方向外側に逸脱する場合等において、外乱補償が追従できず、その結果、十分な車線逸脱防止機能を実現することが困難となる虞がある。
また、逆に、車両が大きな横断勾配を上り方向に逸脱する場合や、曲率若しくはクロソイドが大きい曲線路を旋回方向内側に逸脱する場合等において、外乱補償が制御を過剰に助長する方向に作用してしまい、ドライバに違和感を与える虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、積分制御による外乱補償を適切に行ってドライバに違和感を与えることがなく、確実に車線からの逸脱を防止することができる車両の車線逸脱防止制御装置を提供することを目的としている。
本発明の車両の車線逸脱防止制御装置の一態様は、車両が走行している車線を検出する車線検出手段と、上記車線おける車両の位置情報と走行状態に基づき上記車線からの逸脱の予想を行う逸脱予想手段と、上記車線からの逸脱予想に基づいて上記車線からの逸脱を防止するのに必要な目標旋回量を算出する目標旋回量算出手段と、車両に発生する実旋回量を取得する実旋回量取得手段と、上記目標旋回量と上記実旋回量との差を積算する積分制御を含むフィードバック制御に基づいて車両に付加する目標旋回制御量を算出する目標旋回制御量算出手段と、上記積分制御において上記目標旋回量と上記実旋回量との差の積算値に乗算する積分ゲインを車両に作用する外乱情報に応じて可変設定するゲイン設定手段と、を備えたものである。
本発明による車両の車線逸脱防止制御装置によれば、積分制御による外乱補償を適切に行ってドライバに違和感を与えることがなく、確実に車線からの逸脱を防止することが可能となる。
本発明の実施の一形態に係る車両の操舵系の構成説明図である。 本発明の実施の一形態に係る車線逸脱防止制御プログラムのフローチャートである。 本発明の実施の一形態に係る積分ゲイン設定サブルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の一形態に係るX−Z座標上における自車両及び車線と各パラメータの説明図である。 本発明の実施の一形態に係る車速感応ゲインの特性の一例を示す説明図である。 本発明の実施の一形態に係る曲率感応ゲインの特性の一例を示し、図6(a)はカーブ外側に逸脱する場合の特性の一例を示し、図6(b)はカーブ内側に逸脱する場合の特性の一例を示す。 本発明の実施の一形態に係るカント感応ゲインの特性の一例を示し、図7(a)は車両がカント下り方法に逸脱する場合の特性の一例を示し、図7(b)は車両がカント登り方向に逸脱する場合の特性の一例を示す。 本発明の実施の一形態に係る図6の説明図である。 本発明の実施の一形態に係る図7の説明図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1において、符号1は操舵角をドライバ入力と独立して設定自在な電動パワーステアリング装置を示し、この電動パワーステアリング装置1は、ステアリング軸2が、図示しない車体フレームにステアリングコラム3を介して回動自在に支持されており、その一端が運転席側へ延出され、他端がエンジンルーム側へ延出されている。ステアリング軸2の運転席側端部には、ステアリングホイール4が固設され、また、エンジンルーム側へ延出する端部には、ピニオン軸5が連設されている。
エンジンルームには、車幅方向へ延出するステアリングギヤボックス6が配設されており、このステアリングギヤボックス6にラック軸7が往復移動自在に挿通支持されている。このラック軸7に形成されたラック(図示せず)に、ピニオン軸5に形成されたピニオンが噛合されて、ラックアンドピニオン式のステアリングギヤ機構が形成されている。
また、ラック軸7の左右両端はステアリングギヤボックス6の端部から各々突出されており、その端部に、タイロッド8を介してフロントナックル9が連設されている。このフロントナックル9は、操舵輪としての左右輪10L,10Rを回動自在に支持すると共に、車体フレームに転舵自在に支持されている。従って、ステアリングホイール4を操作し、ステアリング軸2、ピニオン軸5を回転させると、このピニオン軸5の回転によりラック軸7が左右方向へ移動し、その移動によりフロントナックル9がキングピン軸(図示せず)を中心に回動して、左右輪10L,10Rが左右方向へ転舵される。
また、ピニオン軸5にアシスト伝達機構11を介して、電動パワーステアリングモータ(電動モータ)12が連設されており、この電動モータ12にてステアリングホイール4に加える操舵トルクのアシスト、及び、設定された目標旋回量(例えば、目標ヨーレート)となるような操舵トルクの付加が行われる。電動モータ12は、後述する操舵制御部20から制御出力値としての目標操舵トルクTpがモータ駆動部21に出力されてモータ駆動部21により駆動される。
操舵制御部20は、ドライバの操舵力を補助する電動パワーステアリング制御機能、車両を目標進行路に沿って走行させるレーンキープ制御機能、車線の車線区画線(左右白線)からの逸脱を防止する車線逸脱防止制御機能等を有して構成され、本実施の形態では、車線逸脱防止制御機能の構成について説明する。
操舵制御部20には、車線区画線(左右白線)を検出し、これら車線区画線から車線情報と、車線に対する車両の姿勢角・位置情報を取得する車線検出手段としての前方認識装置31が接続され、車速Vを検出する車速センサ32、操舵角(実舵角)θpを検出する操舵角センサ33、車両に発生する実旋回量としてヨーレートγを検出する実旋回量取得手段としてのヨーレートセンサ34、車線のカント角θcaを検出するカント角検出センサ35が接続されている。
前方認識装置31は、例えば、車室内の天井前方に一定の間隔をもって取り付けられ、車外の対象を異なる視点からステレオ撮像する1組のCCDカメラと、このCCDカメラからの画像データを処理するステレオ画像処理装置とから構成されている。
前方認識装置31のステレオ画像処理装置における、CCDカメラからの画像データの処理は、例えば以下のように行われる。まず、CCDカメラで撮像した自車両の進行方向の1組のステレオ画像対に対し、対応する位置のずれ量から距離情報を求め、距離画像を生成する。
白線データの認識では、白線は道路面と比較して高輝度であるという知得に基づき、道路の幅方向の輝度変化を評価して、画像平面における左右の白線の位置を画像平面上で特定する。この白線の実空間上の位置(x,y,z)は、画像平面上の位置(i,j)とこの位置に関して算出された視差とに基づいて、すなわち、距離情報に基づいて、周知の座標変換式より算出される。自車両の位置を基準に設定された実空間の座標系は、本実施の形態では、例えば、図4に示すように、ステレオカメラの中央真下の道路面を原点として、車幅方向をX軸(左方向を「+」)、車高方向をY軸(上方向を「+」)、車長方向(距離方向)をZ軸(前方向を「+」)とする。このとき、X−Z平面(Y=0)は、道路が平坦な場合、道路面と一致する。道路モデルは、道路上の自車両の車線を距離方向に複数区間に分割し、各区間における左右の白線を所定に近似して連結することによって表現される。尚、本実施の形態では、車線の形状を1組のCCDカメラからの画像を基に認識する例で説明したが、他に、単眼カメラ、カラーカメラからの画像情報を基に求めるものであっても良い。
また、カント角検出センサ35は、例えば、以下の(1)式により、カント角θcaを算出するようになっている。
θca=sin−1((G’−G)/g) …(1)
ここで、Gは横加速度センサ(図示せず)で検出した横加速度値で、G’は、例えば、以下の(2)式により算出される計算横加速度値で、gは重力加速度である。
G’=(1/(1+As・V))・(V/Lw)・θp …(2)
ここで、Asは車両固有のスタビリティファクタで、Lwはホイールベースである。
尚、カント角θcaは、他に、図示しないナビゲーションシステムの地図情報等から得られるものであっても良い。
そして、操舵制御部20は、上述の車線区画線位置情報、各センサ信号を基に、車線の幅方向の車両位置(車線幅方向車両横位置)xvを算出し、車線に対する車両のヨー角θyawを算出し、車線幅方向車両横位置xvとヨー角θyawと車速Vに基づいて車線(車線区画線)から逸脱する車線逸脱予想時間Tttlcを算出し、ヨー角θyawと車線逸脱予想時間Tttlcとに基づいて車線からの逸脱を防止する目標旋回量としての目標ヨーレートγtを算出し、該目標ヨーレートγtと実際のヨーレートγを基に車線からの逸脱を防止するのに必要な車両に付加する目標旋回制御量としての目標ヨーモーメントMztを算出し、この目標ヨーモーメントMztを基に目標操舵トルクTpを算出してモータ駆動部21に出力する。また、車線逸脱予想時間Tttlcは、警報制御装置40に対しても出力され、警報制御装置40で、車線逸脱予想時間Tttlcと予め設定しておいた閾値とが比較され、車線逸脱予想時間Tttlcが閾値より短くなった場合には、音声、チャイム音等の聴覚的な警報や、モニタ表示等の視覚的な警報により、ドライバに対して車線逸脱警報が発せられる。ここで、目標ヨーモーメントMztの算出に際し、操舵制御部20は、PID制御等のフィードバック制御を用い、このフィードバック制御において、目標ヨーレートγtと実ヨーレートγとの差(γt−γ)を積算する積分制御を行うことでカント等の外乱に対する補償を行う。この積分制御において、操舵制御部20は、目標ヨーレートγtと実ヨーレートγとの差(γt−γ)の積算値に乗算するゲイン(積分ゲインKi)を、車両に及ぼす外乱情報に応じて可変設定する。なお、本実施形態において、外乱情報として、例えば、車速V(すなわち、車速Vに応じて発生するセルフアライニンングトルク等の走行路情報)、車線曲率κ、横断勾配θca等が積分ゲインKiの算出に用いられる。このように、操舵制御部20は、逸脱予想手段、目標旋回量算出手段、目標旋回制御量算出手段、ゲイン設定手段の機能を有して構成されている。
以下、図2のフローチャートを基に、操舵制御部20で実行される車線逸脱防止制御を説明する。
まず、ステップ(以下、「S」と略称)101で、前方認識装置31で取得した左右白線の近似処理を実行する。
自車両の左側の白線は最小自乗法により、以下の(3)式により近似される。
x=AL・z+BL・z+CL …(3)
また、自車両の右側の白線は最小自乗法により、以下の(4)式により近似される。
x=AR・z+BR・z+CR …(4)
ここで、上述の(3)式、(4)式における、「AL」と「AR」は、それぞれの曲線における曲率を示し、左側の白線の曲率κは、2・ALであり、右側の白線の曲率κは、2・ARである。また、(3)式、(4)式における、「BL」と「BR」は、それぞれの曲線の自車両の幅方向における傾きを示し、「CL」と「CR」は、それぞれの曲線の自車両の幅方向における位置を示す(図4参照)。
次いで、S102に進み、自車両の対車線ヨー角θyawを、以下の(5)式により算出する。
θyaw=(BL+BR)/2 …(5)
次に、S103に進み、車線の中央からの自車両位置である車線幅方向車両横位置xvを、以下の(6)式により算出する。
xv=(CL+CR)/2 …(6)
次いで、S104に進み、車線車両間距離Lを、以下の(7)式により算出する。
L=((CL−CR)−TR)/2−xv …(7)
ここで、TRは車両のトレッドであり、本発明の実施の形態では、タイヤ位置を車線逸脱判定の基準に用いるものとする。
次に、S105に進み、車線から逸脱する車線逸脱予想時間Tttlcを、例えば、以下の(8)式により算出する。
Tttlc=L/(V・sin(θyaw)) …(8)
そして、S106に進み、上述の車線逸脱予想時間Tttlcが警報制御装置40に出力され、この警報制御装置40で、車線逸脱予想時間Tttlcと予め設定しておいた閾値とが比較され、車線逸脱予想時間Tttlcが閾値より短くなった場合には、音声、チャイム音等の聴覚的な警報や、モニタ表示等の視覚的な警報により、ドライバに対して車線逸脱警報が発せられる。
次に、S107に進み、車線からの逸脱を防止する目標ヨーレートγtを、以下の(9)式により算出する。
γt=−θyaw/Tttlc …(9)
次いで、S108に進み、上述のS107で算出した目標ヨーレートγtを基に、車線からの逸脱を防止するのに必要な車両に付加する目標旋回量としての目標ヨーモーメントMztを算出するに先立ち、PID制御の積分ゲインKiを算出する。
この積分ゲインKiの算出は、例えば、図3に示す積分ゲイン算出サブルーチンのフローチャートに従って行われるものであり、このサブルーチンがスタートすると、先ず、S201〜S203において、車速感応ゲインGv、曲率感応ゲインGκ、及び、カント感応ゲインGcaをそれぞれ算出する。
ここで、各ゲインGv,Gκ,Gcaは、実験、演算等により予め設定しておいた特性マップから読み込んで設定されるもので、以下、各ゲインGv,Gκ,Gcaの特性について説明する。
車速感応ゲインGvの特性は、例えば、図5に示すように、車速Vが高いほど高い値に設定されている。これは、車速Vが高くなると、セルフアライニングトルクが大きくなり、車両の操舵系に対して外乱を増加させる方向に作用することに対し、積分項を用いた外乱補償の影響を高めて早い操舵を許容し、車線からの逸脱防止を確実に図るためである。
また、曲率感応ゲインGκの特性は、例えば、図6に示すように、カーブ外側に逸脱する場合(図6(a)参照)と、カーブ内側に逸脱する場合(図6(b)参照)に分けて設定されている。すなわち、図8の走行軌跡Aに示すように、カーブ外側に逸脱する場合は、カーブ形状(路面情報)は車両の操舵系に対して外乱を増加させる方向に作用し、曲率κ(=(2・AL+2・AR)/2)の大きな車線では、この曲率κの大きな車線から逸脱しないように走行するには大きな目標ヨーモーメントMztが必要になる。このような目標ヨーモーメントMztの車両への付加を的確に実行できるようにするため、図6(a)に示すように、曲率感応ゲインGκは、曲率κが大きな値になるほど大きな値に設定される。逆に、図8の走行軌跡Bに示すように、カーブ内側に逸脱する場合は、カーブ形状(路面情報)は車両の操舵系に対して外乱を逆方向に増加させるよう作用し、曲率κの大きな車線では、車線の曲率κに沿って制御するよりも小さな目標ヨーモーメントMztで走行する方が滑らかな制御となって、ドライバに与える違和感も少なく、安定した制御が行える。従って、図6(b)に示すように、曲率感応ゲインGκは、曲率κが大きな値になるほど小さな値に設定される。
更に、カント感応ゲインGcaの特性は、例えば、図7に示すように、車両がカントを下って走行していく場合(図7(a)参照)と、カントを登って走行していく場合(図7(b)参照)に分けて設定されている。すなわち、図9の下り方向の軌跡に示すように、カントを下って走行していく場合は、車体には、車線を逸脱しないように作用する目標ヨーモーメントMztとは逆方向に、路面のカントにより発生する力が作用する。換言すれば、下り方向のカント(路面情報)は、車両の操舵系に対して外乱を増加させる方向に作用する。このような路面のカントにより発生する力を相殺して確実に車線からの逸脱防止ができるように、図7(a)に示すように、カント感応ゲインGcaは、カント角θcaが大きくなるほど大きな値になるように設定される。逆に、図9の登り方向の軌跡に示すように、カントを登って走行していく場合は、車体には、車線を逸脱しないように作用する目標ヨーモーメントMztとは同じ方向に、路面のカントにより発生する力が作用する。換言すれば、登り方向のカント(路面情報)は、車両の操舵系に対して外乱を逆方向に増加させるよう作用する。従って、このような目標ヨーモーメントMztと同じ方向に目標ヨーモーメントMztを付加してしまうと、急な制御となってドライバに違和感を与える虞があるため、図7(b)に示すように、カント感応ゲインGcaは、カント角θcaが大きくなるほど小さな値になるように設定される。
そして、S204に進むと、上述のS201〜S203で算出した各ゲインGv,Gκ,Gcaを用いて、以下の(10)式により、積分ゲイン補正値ΔKiを算出する。
ΔKi=Gv×Gκ×Gca (10)
さらに、S205において、以下の(11)式により積分ゲインKiを算出した後、サブルーチンを抜ける。
Ki=Ki0×ΔKi (11)
ここで、(11)式においてKi0は、積分ゲインの基準値であり、予め実験や演算等に基づいて設定されるものである。
図2のメインルーチンにおいて、S108からS109に進むと、上述の積分ゲインKiを用いて、目標ヨーモーメントMztを以下の(12)式により算出する。
Mzt=Kp・(γt−γ)+Ki・∫(γt−γ)
+Kd・d(γt−γ)/dt …(12)
ここで、Kpは比例ゲイン、Kdは微分ゲインである。
そして、S110に進んで、以下の(13)式により目標操舵トルクTpを算出してモータ駆動部21に出力する。
Tp=K・Mzt …(13)
ここで、Kは予め設定しておいたトルク変換ゲインである。
このような本実施形態によれば、目標ヨーレートγtと実ヨーレートγとの差を積算する積分制御を含むフィードバック制御に基づいて自車両に付加する目標ヨーモーメントMztを算出する車線逸脱防止制御において、目標ヨーレートγtと実ヨーレートγとの差の積算値に乗算する積分ゲインKiを車両の操舵系に及ぼす外乱情報に応じて可変設定することにより、積分制御による外乱補償を適切に行ってドライバに違和感を与えることなく、確実に車線からの逸脱を防止することができる。
この場合において、車速Vが高いほど車速感応ゲインGvを増加させて積分ゲインKiを大きな値に設定することにより、早い操舵を許容し、車線からの逸脱防止を確実に図ることができる。
また、車線のカーブ外側に車両が逸脱する場合は、車線曲率κが大きくなるほど曲率感応ゲインGκを増加させて積分ゲインKiを大きな値に設定することにより、カーブ走行時の目標ヨーモーメントMzt(目標操舵トルクTp)の不足を補償して、ドライバに違和感を与えることなく、確実に車線からの逸脱を防止することができる。一方、車線のカーブ内側に車両が逸脱する場合は、車線曲率κが大きくなるほど曲率感応ゲインGκを減少させて積分ゲインKiを小さな値に設定することにより、カーブ走行時の目標ヨーモーメントMztの超過を補償して、ドライバに違和感を与えることなく、確実に車線からの逸脱を防止することができる。
また、車両がカント下り方向に逸脱する場合は、カントθcaが大きくなるほどカント感応ゲインGcaを増加させて積分ゲインKiを大きな値に設定することにより、横断勾配路を走行時の目標ヨーモーメントMzt(目標操舵トルクTp)の不足を補償して、ドライバに違和感を与えることなく、確実に車線からの逸脱を防止することができる。一方、車両が感度登り方向に逸脱する場合は、カントθcaが大きくなるほどカント感応ゲインGcaを減少させて積分ゲインKiを小さな値に設定することにより、横断勾配路を走行時の目標ヨーモーメントMztの超過を補償して、ドライバに違和感を与えることなく、確実に車線からの逸脱を防止することができる。
なお、上述の実施形態においては、積分ゲインKiを設定するための外乱情報として、車速V、カーブでの逸脱方向と車線曲率κ、及び、車線のカント(横断勾配)θcaを用いた一例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらの外乱情報の何れか1つ、或いは、何れか2つを用いて積分ゲインKiを設定するものであっても良い。
1 電動パワーステアリング装置
2 ステアリング軸
4 ステアリングホイール
5 ピニオン軸
10L、10R 車輪
12 電動モータ
20 操舵制御部(逸脱予想手段、目標旋回量算出手段、目標旋回制御量算出手段、ゲイン設定手段)
21 モータ駆動部
31 前方認識装置(車線検出手段)
32 車速センサ
33 操舵角センサ
34 ヨーレートセンサ(実旋回量取得手段)
35 カント角検出センサ
40 警報制御装置

Claims (4)

  1. 車両が走行している車線を検出する車線検出手段と、
    上記車線おける車両の位置情報と走行状態に基づき上記車線からの逸脱の予想を行う逸脱予想手段と、
    上記車線からの逸脱予想に基づいて上記車線からの逸脱を防止するのに必要な目標旋回量を算出する目標旋回量算出手段と、
    車両に発生する実旋回量を取得する実旋回量取得手段と、
    上記目標旋回量と上記実旋回量との差を積算する積分制御を含むフィードバック制御に基づいて車両に付加する目標旋回制御量を算出する目標旋回制御量算出手段と、
    上記積分制御において上記目標旋回量と上記実旋回量との差の積算値に乗算する積分ゲインを車両に作用する外乱情報に応じて可変設定するゲイン設定手段と、
    を備えたことを特徴とする車両の車線逸脱防止制御装置。
  2. 上記積分ゲインは、少なくとも車速に応じて可変設定されるものであって、車速が高いほど大きな値に設定されることを特徴とする請求項1に記載の車両の車線逸脱防止制御装置。
  3. 上記積分ゲインは、少なくとも上記車線のカーブでの逸脱方向と車線曲率とに応じて可変設定されるものであって、上記車線のカーブ外側に逸脱する場合は、車線曲率が大きくなるほど上記積分ゲインを大きな値に設定する一方、上記車線のカーブ内側に逸脱する場合は、車線曲率が大きくなるほど上記積分ゲインを小さな値に設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両の車線逸脱防止制御装置。
  4. 上記積分ゲインは、少なくとも上記車線の横断勾配に応じて可変設定されるものであって、車両が上記横断勾配の下り方向に逸脱する場合は、上記横断勾配が大きくなるほど上記積分ゲインを大きな値に設定する一方、上記横断勾配の登り方向に逸脱する場合は、上記横断勾配が大きくなるほど上記積分ゲインを小さな値に設定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の車両の車線逸脱防止制御装置。
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