JP6694359B2 - 車両の操舵制御装置 - Google Patents

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本発明は、目標コースを設定し、該目標コースに沿って追従走行するように制御する車両の操舵制御装置に関する。
近年、車両においては、自動運転やドライバの運転支援の技術として、設定した目標コースに沿って走行するように操舵制御する様々な技術が提案され、実用化されている。例えば、特開2015−20604号公報(以下、特許文献1)では、設定した目標コースに沿って自車両を追従させるレーンキープ制御において、目標舵角と実際の舵角との偏差を算出し、該偏差に比例した比例値を算出し、該偏差を積分した積分値を算出し、該偏差を微分した微分値を算出し、これら比例値と積分値と微分値を加算して電動パワーステアリングモータに対する追従指令を算出する電動パワーステアリングモータ制御装置の技術が開示されている。
特開2015−20604号公報
ところで、上述の特許文献1に開示される電動パワーステアリングモータ制御装置のように、目標値(目標舵角)と実際値(実舵角)との偏差を無くすために、追従指令に偏差の積分項を設けることは一般的に行われる。しかしながら、車両停止時は、タイヤの転舵に対する摩擦等の抵抗が大きいため、目標舵角と実舵角の偏差がゼロに収束しない、もしくは長時間を要するので偏差の積分項が大きくなり、追従指令が過剰に大きくなるという課題がある。また同時に、自車両を目標コースに追従させるために目標コースと自車との位置偏差を積分し、これを目標舵角に加えることが一般的であるが、車両停止時は、車両位置が変化しないため、位置偏差はゼロとならず、積分が増加し続けることによって目標舵角が過剰に大きくなるという課題がある。そしてこのような追従指令、および目標舵角のまま車両が発進すると、操舵制御により転舵が急激に行われ、意図しない操舵がなされてしまう虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、車両の運転状態を適切に判断し、車両の実舵角を目標舵角に精度良く、安定して近づけて目標コースに沿って適切に走行することが可能な車両の操舵制御装置を提供することを目的としている。
本発明の車両の操舵制御装置の一態様は、自車両の前方環境情報と走行情報に基づいて目標コースを設定し、自車両が前記目標コースに沿って走行するのに必要な目標舵角を少なくとも積分処理を行う第1の積分項を含む演算により算出する目標舵角算出手段と、自車両の実際の舵角が前記目標舵角になるように少なくとも積分処理を行う第2の積分項を含む演算により舵角制御する舵角制御手段とを備えた車両の操舵制御装置であって、自車両の停止状態を検出した際、前記目標舵角算出手段は、前記目標舵角の算出に用いる前記第1の積分項の加算を停止し保持すると共に、前記舵角制御手段は、前記舵角制御に用いる前記第2の積分項の加算を停止し保持する。また、本発明の車両の操舵制御装置の他の一態様は、自車両の前方環境情報と走行情報に基づいて目標コースを設定し、自車両が前記目標コースに沿って走行するのに必要な目標舵角を少なくとも積分処理を行う第1の積分項を含む演算により算出する目標舵角算出手段と、自車両の実際の舵角が前記目標舵角になるように少なくとも積分処理を行う第2の積分項を含む演算により舵角制御する舵角制御手段とを備えた車両の操舵制御装置であって、自車両の停止状態からの発進を検出した際、前記目標舵角算出手段は、前記目標舵角を、そのときの自車両の実際の舵角に設定すると共に、前記舵角制御手段は、前記舵角制御に用いる前記第2の積分項をリセットする。更に、本発明の車両の操舵制御装置の他の異なる一態様は、自車両の前方環境情報と走行情報に基づいて目標コースを設定し、自車両が前記目標コースに沿って走行するのに必要な目標舵角を少なくとも積分処理を行う第1の積分項を含む演算により算出する目標舵角算出手段と、自車両の実際の舵角が前記目標舵角になるように少なくとも積分処理を行う第2の積分項を含む演算により舵角制御する舵角制御手段とを備えた車両の操舵制御装置であって、自車両の停止状態を検出した際、前記目標舵角算出手段は、前記目標舵角の算出に用いる前記第1の積分項の加算を停止し保持すると共に、前記舵角制御手段は、前記舵角制御に用いる前記第2の積分項の加算を停止し保持する一方、自車両の停止状態からの発進を検出した際、前記目標舵角算出手段は、前記目標舵角を、そのときの自車両の実際の舵角に設定すると共に、前記舵角制御手段は、前記舵角制御に用いる前記第2の積分項をリセットする。
本発明による車両の操舵制御装置によれば、車両の運転状態を適切に判断し、車両の実舵角を目標舵角に精度良く、安定して近づけて目標コースに沿って適切に走行することが可能となる。
本発明の実施の一形態に係る、車両の操舵系の構成説明図である。 本発明の実施の一形態に係る、操舵制御部の機能ブロック図である。 本発明の実施の一形態に係る、車両状態判定処理プログラムのフローチャートである。 本発明の実施の一形態に係る、目標舵角制御ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の一形態に係る、車線の各曲率成分の説明図である。 本発明の実施の一形態に係る、自車両の推定される車両軌跡と目標コースの車幅方向における位置のズレ量の説明図である。 本発明の実施の一形態に係る、目標コースに対するヨー角の説明図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1において、符号1は操舵角をドライバ入力と独立して設定自在な電動パワーステアリング装置を示し、この電動パワーステアリング装置1は、ステアリング軸2が、図示しない車体フレームにステアリングコラム3を介して回動自在に支持されており、その一端が運転席側へ延出され、他端がエンジンルーム側へ延出されている。ステアリング軸2の運転席側端部には、ステアリングホイール4が固設され、また、エンジンルーム側へ延出する端部には、ピニオン軸5が連設されている。
エンジンルームには、車幅方向へ延出するステアリングギヤボックス6が配設されており、このステアリングギヤボックス6にラック軸7が往復移動自在に挿通支持されている。このラック軸7に形成されたラック(図示せず)に、ピニオン軸5に形成されたピニオンが噛合されて、ラックアンドピニオン式のステアリングギヤ機構が形成されている。
また、ラック軸7の左右両端はステアリングギヤボックス6の端部から各々突出されており、その端部に、タイロッド8を介してフロントナックル9が連設されている。このフロントナックル9は、操舵輪としての左右輪10L,10Rを回動自在に支持すると共に、車体フレームに転舵自在に支持されている。従って、ステアリングホイール4を操作し、ステアリング軸2、ピニオン軸5を回転させると、このピニオン軸5の回転によりラック軸7が左右方向へ移動し、その移動によりフロントナックル9がキングピン軸(図示せず)を中心に回動して、左右輪10L,10Rが左右方向へ転舵される。
また、ピニオン軸5にアシスト伝達機構11を介して、電動パワーステアリングモータ(電動モータ)12が連設されており、この電動モータ12にてステアリングホイール4に加える操舵トルクのアシスト、及び、設定された目標舵角δtとなるような操舵トルク(指示トルク)の付加が行われる。電動モータ12は、後述する操舵制御部20から制御量(制御トルク)Tpがモータ駆動部21に出力されてモータ駆動部21により駆動される。
操舵制御部20には、車両の前方環境を認識して前方環境情報を取得する前方環境認識装置31、車速Vを検出する車速センサ32、操舵角(実舵角)δrを検出する操舵角センサ33等が接続されている。
前方環境認識装置31は、例えば、車室内の天井前方に一定の間隔をもって取り付けられ、車外の対象を異なる視点からステレオ撮像する1組のカメラと、このカメラからの画像データを処理する画像処理装置とから構成されている。
前方環境認識装置31のステレオ画像処理装置における、カメラからの画像データの処理は、例えば以下のように行われる。まず、カメラで撮像した自車両の進行方向の1組のステレオ画像対に対し、対応する位置のずれ量から距離情報を求め、距離画像を生成する。
白線等の車線区画線のデータの認識では、車線区画線は道路面と比較して高輝度であるという知得に基づき、道路の幅方向の輝度変化を評価して、画像平面における左右の車線区画線の位置を画像平面上で特定する。この車線区画線の実空間上の位置(x,y,z)は、画像平面上の位置(i,j)とこの位置に関して算出された視差とに基づいて、すなわち、距離情報に基づいて、周知の座標変換式より算出される。自車両の位置を基準に設定された実空間の座標系は、本実施の形態では、例えば、図6に示すように、カメラの中央真下の道路面を原点として、車幅方向をx軸、車高方向をy軸、車長方向(距離方向)をz軸とする。このとき、x−z平面(y=0)は、道路が平坦な場合、道路面と一致する。道路モデルは、道路上の自車両の走行レーンを距離方向に複数区間に分割し、各区間における左右の車線区画線を所定に近似して連結することによって表現される。尚、本実施の形態では、走行路の形状を1組のカメラからの画像を基に認識する例で説明したが、他に、単眼カメラ、カラーカメラからの画像情報を基に求めるものであっても良い。
そして、操舵制御部20は、上述の各入力信号に基づき、自車両の前方環境情報と走行情報に基づいて目標コースを設定し、自車両が目標コースに沿って走行するのに必要な目標舵角δtを少なくとも積分処理を行う第1の積分項を含む演算により算出して、実舵角δrが目標舵角δtになるように少なくとも積分処理を行う第2の積分項を含む演算により舵角制御する。この際、自車両の停止状態を検出した際は、目標舵角δtの算出に用いる第1の積分項の加算を停止し保持すると共に、舵角制御に用いる第2の積分項の加算を停止し保持する一方、自車両の停止状態からの発進を検出した際には、目標舵角δtを、そのときの自車両の実舵角δrに設定すると共に、舵角制御に用いる第2の積分項をリセットする。
このため、操舵制御部20は、図2に示すように、車両状態判定部20aと目標舵角制御部20bとから構成され、更に、この目標舵角制御部20bは、目標舵角算出部20mと舵角制御部20nとから主要に構成されている。
車両状態判定部20aは、車速センサ32から車速Vが入力される。そして、車速V、及び、この車速Vから算出される前後加速度の値等から、車両の運転状態が停止状態か、停止からの発進状態か、その他の状態かを判定する。
具体的には、図3のフローチャートに示すように、まず、ステップ(以下、「S」と略称)101で、車速Vが0の場合には、車両は停止状態と判定し、S102に進み、車両状態判定フラグFLを1(FL=1)に設定する。
また、S101の判定の結果、車両は停止状態ではないと判定されるとS103に進み、例えば、車速Vが予め設定しておいた閾値以下で、かつ、前後加速度が予め設定しておいた閾値以上であり、車両は停止からの発進状態か否か判定する。尚、このS103の車両の発進判定には、他に、アクセル開度が閾値以上であることや、ブレーキスイッチがOFFとなっていること等を判定の条件として加えても良い。
S103の判定の結果、車両は停止からの発進状態と判定されるとS104に進み、車両状態判定フラグFLを2(FL=2)に設定する。
また、S103の判定の結果、車両は停止からの発進状態ではないと判定されると、S105に進み、車両状態判定フラグFLを0(FL=0)に設定する。
こうして、S102、S104、或いは、S105で車両状態判定フラグFLを設定した後は、S106に進み、車両状態判定フラグFLを、目標舵角制御部20bの目標舵角算出部20mと舵角制御部20nに出力してルーチンを抜ける。
目標舵角制御部20bの目標舵角算出部20mは、前方環境認識装置31から車両の前方環境情報が入力され、車速センサ32から車速が入力され、操舵角センサ33から実舵角δrが入力され、車両状態判定部20aから車両状態を示す車両状態判定フラグFLが入力される。
目標舵角算出部20mは、自車両の前方環境情報と走行情報に基づいて目標コース(本実施の形態では車線中央)を設定し、自車両が目標コースに沿って走行するのに必要な目標舵角δtを少なくとも積分処理を行う第1の積分項を含む演算により算出する。
具体的には、目標舵角算出部20mは、車両状態が停止状態でもなく発進状態でもない場合(FL=0の場合)には、目標舵角δtを、例えば、以下(1)式により算出する。本実施形態では、この(1)式により算出される目標舵角δtを第1の目標舵角とする。
δt=(Gθff・κ)+(Gθfb・Δx)
+(Gθ1i・∫(Δx)dt)
+(Gθfby・(θtl+θtr)/2)
+(Gθ1d・d((θtl+θtr)/2)/dt)
…(1)
ここで、上述の(1)式における「(Gθff・κ)」の演算項において、κは、例えば、以下の(2)式で示すような、前方環境情報を基に算出するカーブ曲率を示す。
κ=(κl+κr)/2 …(2)
この(2)式において、κlは左車線区画線による曲率成分であり、κrは右車線区画線による曲率成分である。これら、左右の車線区画線の曲率成分κl,κrは、具体的には、図5に示すような、左右の車線区画線のそれぞれを構成する点に関して、二次の最小自乗法によって計算された二次項の係数を用いることによって定められる。例えば、x=A・z+B・z+Cの二次式で車線区画線を近似した場合、2・Aの値が曲率成分として用いられる。尚、これら車線区画線の曲率成分κl、κrは、それぞれの車線区画線の曲率そのものでも良い。また、「(Gθff・κ)」の演算項におけるGθffは、予め実験・演算等により設定しておいたフィードフォワードゲインを示す。
また、上述の(1)式における「(Gθfb・Δx)」の演算項において、Gθfbは、予め実験・演算等により設定しておいたフィードバックゲインであり、Δxは、図6に示すように、以下の(3)式により算出される。
Δx=(xl+xr)/2−xv …(3)
この(3)式において、xvは車両の前方注視点(位置)(0,zv)のz座標における推定車両軌跡のx座標であり、前方注視点(0,zv)の前方注視距離(z座標)であるzvは、本実施の形態では、zv=tc・Vで算出される。ここで、tcは予め設定しておいた予見時間であり、例えば、1.2secに設定されている。
従って、xvは、車両の走行状態に基づいて車両の諸元や車両固有のスタビリティファクタAs等を用いる場合には、例えば、以下の(4)式で算出することができる。
xv=(1/2)・(1/(1+As・V))・(δr/Lw)
・(tc・V) …(4)
ここで、Lwはホイールベースである。また、(3)式における、xlは前方注視点(0,zv)のz座標における左車線区画線のx座標であり、xrは前方注視点(0,zv)のz座標における右車線区画線のx座標である。
尚、上述のxvは、車速Vやヨーレートγを用いて、以下の(5)式で算出することもでき、或いは、画像情報を基に、以下の(6)式で算出することもできる。
xv=(1/2)・(γ/V)・(V・tc) …(5)
xv=(1/2)・κ・(V・tc) …(6)
尚、tcをゼロに設定した場合、Δxはxiと同値になる。この場合はΔxを、例えば画像情報で得られる車線区画線の各点に対して、二次の最小二乗法によって計算された、定数項(すなわち、車線区画線を、x=A・z+B・z+Cの式で近似した際のCの値)から算出しても良い。
更に、上述の(1)式における「(Gθ1i・∫(Δx)dt)」の演算項において、Gθ1iは、予め実験、計算等により設定しておいたゲインであり、「∫(Δx)dt」は、自車両の推定される車両軌跡と前記目標コースの車幅方向における位置のズレ量(すなわち、Δx)の積分項(第1の積分項)で、例えば、走行路のカントや横風等の外乱に起因する目標舵角の設定誤差を補償するための演算項となっている。
また、上述の(1)式における「(Gθfby・(θtl+θtr)/2)」の演算項は、車両のヨー角を目標コースに沿ったヨー角にフィードバック制御する演算項であり、Gθfbyは、予め実験・演算等により設定しておいたゲインで、θtlは前方環境認識装置31からの画像情報による左車線区画線に対する自車両の傾き、θtrは前方環境認識装置31からの画像情報による右車線区画線に対する自車両の傾きである(図7参照)。尚、これら、θtl、θtrは、例えば、画像情報で得られる車線区画線の各点に対して、二次の最小二乗法によって計算された、一次項の係数(すなわち、車線区画線を、x=A・z+B・z+Cの式で近似した際のBの値)から算出しても良い。
更に、上述の(1)式における「(Gθ1d・d((θtl+θtr)/2)/dt)」の演算項は、Gθ1dは予め実験・演算等により設定しておいたゲインで、車両のヨー角を目標コースに沿ったヨー角にフィードバック制御するにあたり、車両のヨー角を目標コースの方向に収束させる制御性を向上させるための微分演算項である。
また、目標舵角算出部20mは、車両状態が停止状態の場合(FL=1の場合)には、目標舵角δtを、例えば、前述の(1)式における第1の積分項、すなわち、「(Gθ1i・∫(Δx)dt)」の第1の積分項の加算を停止し保持して目標舵角δtを算出する。本実施形態では、この第1の積分項の加算を停止し保持して算出される目標舵角δtを第2の目標舵角とする。
更に、目標舵角算出部20mは、車両状態が停止からの発進状態の場合(FL=2の場合)には、目標舵角δtを、そのときの自車両の実舵角δrに設定する(δt=δr)。本実施形態では、車両状態が停止からの発進状態の場合に設定される目標舵角δtを第3の目標舵角とする。
こうして、目標舵角算出部20mで設定される目標舵角δtは、舵角制御部20nに出力される。このように、目標舵角算出部20mは、目標舵角算出手段として設けられている。
舵角制御部20nは、操舵角センサ33から実舵角δrが入力され、車両状態判定部20aから車両状態を示す車両状態判定フラグFLが入力され、目標舵角算出部20mから目標舵角δtが入力される。そして、実舵角δrが目標舵角δtになるように(目標舵角δtと実舵角δrとの偏差が0になるように)、少なくとも積分処理を行う第2の積分項を含む演算により舵角制御する(本実施の形態では、所謂、公知のPID制御を採用する)。
具体的には、舵角制御部20nは、車両状態が停止状態でもなく発進状態でもない場合(FL=0の場合)には、例えば、以下の(7)式により、制御量(制御トルク)Tpを算出してモータ駆動部21に出力する。本実施形態では、この(7)式により制御量(制御トルク)Tpを算出・出力する舵角制御を第1の舵角制御とする。
Tp=G2p・(δt−δr)+G2i・∫(δt−δr)dt
+G2d・d(δt−δr)/dt …(7)
ここで、G2p、G2i、G2dは、予め実験、計算等により設定しておいた、比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインを示す。
この(7)式における「G2i・∫(δt−δr)dt」の演算項が、第2の積分項である。
また、舵角制御部20nは、車両状態が停止状態の場合(FL=1の場合)には、制御量(制御トルク)Tpを、例えば、前述の(7)式における第2の積分項、すなわち、「G2i・∫(δt−δr)dt」の第2の積分項の加算を停止し保持して算出する。本実施形態では、この第2の積分項の加算を停止し保持して算出する舵角制御を第2の舵角制御とする。
更に、舵角制御部20nは、車両状態が停止からの発進状態の場合(FL=2の場合)には、制御量(制御トルク)Tpを、前述の(7)式における第2の積分項、すなわち、「G2i・∫(δt−δr)dt」をリセット(=0)して算出する。本実施形態では、この第2の積分項の加算をリセットして算出する舵角制御を第3の舵角制御とする。
こうして、舵角制御部20nで算出された制御量(制御トルク)Tpは、モータ駆動部21に出力される。このように、舵角制御部20nは、舵角制御手段として設けられている。
次に、目標舵角制御部20bで実行される目標舵角制御を図4のフローチャートで説明する。
まず、S201で、車両状態判定部20aから判定した車両状態を示す車両状態判定フラグFLの結果を読み込む。
次いで、S202に進み、車両状態判定フラグFLが0(FL=0)で、車両状態が停止状態でもなく、かつ、発進状態でもないか判定する。
この判定の結果、FL=0の場合は、S203に進み、目標舵角算出部20mは、前述の(1)式による第1の目標舵角を目標舵角δtとして算出する。
次いで、S204に進み、舵角制御部20nは、前述の(7)式による第1の舵角制御を実行して制御量(制御トルク)Tpを算出する。
また、前述のS202で、FL=0ではないと判定された場合は、S205に進み、FL=1で車両状態が停止状態か否か判定する。
この判定の結果、FL=1の場合は、S206に進み、目標舵角算出部20mは、前述の(1)式における第1の積分項、すなわち、「(Gθ1i・∫(Δx)dt)」の第1の積分項の加算を停止し保持して算出した第2の目標舵角を目標舵角δtとする。
次いで、S207に進み、舵角制御部20nは、前述の(7)式における第2の積分項、すなわち、「G2i・∫(δt−δr)dt」の第2の積分項の加算を停止し保持して第2の舵角制御を実行して制御量(制御トルク)Tpを算出する。
更に、前述のS205で、FL=1ではないと判定された場合は、FL=2、すなわち、車両状態が停止からの発進状態の場合であるのでS208に進み、目標舵角算出部20mは、そのときの自車両の実舵角δrを目標舵角δtとして算出する(第3の目標舵角を目標舵角δtとする)。
次いで、S209に進み、舵角制御部20nは、前述の(7)式における第2の積分項、すなわち、「G2i・∫(δt−δr)dt」をリセットする第3の舵角制御を実行して制御量(制御トルク)Tpを算出する。
そして、S204、S207、S209の何れかで制御量(制御トルク)Tpを算出した後は、S210に進み、該制御量(制御トルク)Tpをモータ駆動部21に出力してルーチンを抜ける。
このように本実施の形態によれば、自車両の前方環境情報と走行情報に基づいて目標コースを設定し、自車両が目標コースに沿って走行するのに必要な目標舵角δtを少なくとも積分処理を行う第1の積分項を含む演算により算出して、実舵角δrが目標舵角δtになるように少なくとも積分処理を行う第2の積分項を含む演算により舵角制御する。この際、自車両の停止状態を検出した際は、目標舵角δtの算出に用いる第1の積分項の加算を停止し保持すると共に、舵角制御に用いる第2の積分項の加算を停止し保持する一方、自車両の停止状態からの発進を検出した際には、目標舵角δtを、そのときの自車両の実舵角δrに設定すると共に、舵角制御に用いる第2の積分項をリセットする。このため、積分処理が走行状況(停止状態、停止からの発進状態に)によって、適切に処理されるので、制御に用いる積分処理の誤差や誤動作によりステアリングホイールが不自然に動作することが防止でき、車両の実舵角を目標舵角に精度良く、自然な制御で安定して近づけて目標コースに沿って適切に走行することが可能となる。
尚、本発明の実施の形態では、カメラからの画像データに基づき車線に沿って走行する目標コースを設定し、この目標コースに追従制御する場合を例に説明したが、ナビゲーションシステム、地図情報、自車位置情報に基づき車線に沿って走行する目標コースを設定し、この目標コースに追従制御する場合であっても本発明が適用できることは言うまでもない。また、カメラからの画像情報、レーザレーダ、ミリ波レーダ、ソナー等で先行車を認識し、認識した先行車に追従する進路を目標コースとして設定し、この目標コースに追従制御する場合であっても本発明は適用できる。更に、カメラ、ナビゲーションシステム、地図情報、自車位置情報により自車両の走行車線を認識し、認識した走行車線からの逸脱を防止する進路を目標コースとして設定し、この目標コースに追従制御する場合であっても本発明は適用できる。
1 電動パワーステアリング装置
2 ステアリング軸
4 ステアリングホイール
5 ピニオン軸
10L、10R 車輪
12 電動モータ
20 操舵制御部
20a 車両状態判定部
20b 目標舵角制御部
20m 目標舵角算出部(目標舵角算出手段)
20n 舵角制御部(舵角制御手段)
21 モータ駆動部
31 前方環境認識装置
32 車速センサ
33 操舵角センサ

Claims (5)

  1. 自車両の前方環境情報と走行情報に基づいて目標コースを設定し、自車両が前記目標コースに沿って走行するのに必要な目標舵角を少なくとも積分処理を行う第1の積分項を含む演算により算出する目標舵角算出手段と、
    自車両の実際の舵角が前記目標舵角になるように少なくとも積分処理を行う第2の積分項を含む演算により舵角制御する舵角制御手段とを備えた車両の操舵制御装置であって、
    自車両の停止状態を検出した際、前記目標舵角算出手段は、前記目標舵角の算出に用いる前記第1の積分項の加算を停止し保持すると共に、前記舵角制御手段は、前記舵角制御に用いる前記第2の積分項の加算を停止し保持することを特徴とする車両の操舵制御装置。
  2. 自車両の前方環境情報と走行情報に基づいて目標コースを設定し、自車両が前記目標コースに沿って走行するのに必要な目標舵角を少なくとも積分処理を行う第1の積分項を含む演算により算出する目標舵角算出手段と、
    自車両の実際の舵角が前記目標舵角になるように少なくとも積分処理を行う第2の積分項を含む演算により舵角制御する舵角制御手段とを備えた車両の操舵制御装置であって、
    自車両の停止状態からの発進を検出した際、前記目標舵角算出手段は、前記目標舵角を、そのときの自車両の実際の舵角に設定すると共に、前記舵角制御手段は、前記舵角制御に用いる前記第2の積分項をリセットすることを特徴とする車両の操舵制御装置。
  3. 自車両の前方環境情報と走行情報に基づいて目標コースを設定し、自車両が前記目標コースに沿って走行するのに必要な目標舵角を少なくとも積分処理を行う第1の積分項を含む演算により算出する目標舵角算出手段と、
    自車両の実際の舵角が前記目標舵角になるように少なくとも積分処理を行う第2の積分項を含む演算により舵角制御する舵角制御手段とを備えた車両の操舵制御装置であって、
    自車両の停止状態を検出した際、前記目標舵角算出手段は、前記目標舵角の算出に用いる前記第1の積分項の加算を停止し保持すると共に、前記舵角制御手段は、前記舵角制御に用いる前記第2の積分項の加算を停止し保持する一方、
    自車両の停止状態からの発進を検出した際、前記目標舵角算出手段は、前記目標舵角を、そのときの自車両の実際の舵角に設定すると共に、前記舵角制御手段は、前記舵角制御に用いる前記第2の積分項をリセットすることを特徴とする車両の操舵制御装置。
  4. 前記目標舵角の算出に用いる前記第1の積分項は、自車両の推定される車両軌跡と前記目標コースの車幅方向における位置のズレ量の積分項であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の車両の操舵制御装置。
  5. 前記舵角制御に用いる前記第2の積分項は、前記目標舵角と前記実際の舵角の偏差の積分項であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の車両の操舵制御装置。
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