JP2015188994A - 歯車形削盤及び歯車加工装置設計方法 - Google Patents

歯車形削盤及び歯車加工装置設計方法 Download PDF

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Hiroyuki Kanazawa
宏幸 金澤
哲平 小林
Teppei Kobayashi
哲平 小林
高 渋谷
Takashi Shibuya
高 渋谷
小松 直隆
Naotaka Komatsu
直隆 小松
浩久 一幡
Hirohisa Ichihata
浩久 一幡
寿真 菊池
Hisamasa Kikuchi
寿真 菊池
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Abstract

【課題】工具の挙動をより安定することができる歯車形削盤及び歯車加工装置設計方法を提供する。【解決手段】加工対象物を切削する工具と、工具と接続された主軸と、主軸を延在方向に移動自在な状態で支持するカッタヘッドと、カッタヘッドを回動自在に支持するヘッド旋回軸と、カッタヘッドを支持する構造体と、主軸をカッタヘッドに沿って、主軸の軸方向に移動させる直動動作機構と、ヘッド旋回軸を軸としてカッタヘッドを回動させる回避動作機構と、ヘッド旋回軸と重ならない位置に配置され、カッタヘッドの振動を減衰させる減衰機構と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、歯車の加工に用いる歯車形削盤及び歯車加工装置設計方法に関する。
加工対象物であるワークから歯車を製造する場合、円盤状の端面を切削し、歯を形成する歯車形削盤(特許文献1参照)や、形成された歯を研磨し仕上げ加工を行う装置(特許文献2、3)等の歯車加工装置が用いられる。特許文献1に記載の歯車加工装置は、工具を上下動させる機構を有し、工具を下降させる際にワークを切削し、工具を上昇させる際に工具をワークから離した状態とする。また、歯車加工装置は、工具を上昇させる際に工具をワークから離した状態とするために、工具をワークに対して逃がす回避動作機構を備え、回避動作機構で工具をワークから離している。また、工具を上昇させる際にワークを周方向に回転させることで、ワークの次の歯の部分を工具と対面させる。歯車加工装置は、上記処理を繰り返すことで、ワークに歯を形成する。
特開昭60−85823号公報 特開平2−152719号公報 特開2013−180349号公報
このような歯車加工装置は、意図していないタイミングで、例えば歯車形削盤では工具を上昇させる際に、工具とワークが接触するとワーク加工面の傷、加工精度低下、工具の破損が発生する。
本発明は上述した課題を解決するものであり、工具の挙動をより安定することができる歯車形削盤及び歯車加工装置設計方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、加工対象物を切削する工具と、前記工具と接続された主軸と、前記主軸を延在方向に移動自在な状態で支持するカッタヘッドと、前記カッタヘッドを回動自在に支持するヘッド旋回軸と、前記カッタヘッドを支持する構造体と、前記主軸を前記カッタヘッドに沿って、前記主軸の軸方向に移動させる直動動作機構と、前記ヘッド旋回軸を軸として前記カッタヘッドを回動させる回避動作機構と、前記ヘッド旋回軸と重ならない位置に配置され、前記カッタヘッドの振動を減衰させる減衰機構と、を備える。
また、前記カッタヘッドは、カッタヘッドボディと、前記カッタヘッドボディの前記ヘッド旋回軸から離れた位置に連結された附属品とを有することが好ましい。
また、前記附属品は、前記主軸を回転させる回転動作機構であり、前記回転動作機構は、前記主軸の軸方向に対してずれた位置の前記カッタヘッドに配置されたモータを、前記モータの回転軸の回転力を主軸に伝達する伝達要素と、を有することが好ましい。
また、前記減衰機構は、前記カッタヘッドを支持する構造体と前記カッタヘッドとに連結されていることが好ましい。
また、前記カッタヘッドを支持する構造体に設置されたリブを有し、前記減衰機構は、前記リブと前記カッタヘッドとに連結されていることが好ましい。
また、前記減衰機構は、前記カッタヘッドを支持する構造体と前記附属品又は前記カッタヘッドボディとに連結されていることが好ましい。
また、前記カッタヘッドを支持する構造体に設置されたリブを有し、前記減衰機構は、前記リブと前記附属品又は前記カッタヘッドボディとに連結されていることが好ましい。
また、前記減衰機構は、防振ゴムまたはダッシュポットであることが好ましい。
また、前記減衰機構は、前記回避動作機構が前記カッタヘッドを回動させる際に発生する前記工具の振動を減衰することが好ましい。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、加工対象物を工具で加工し歯車を製造する歯車加工装置を設計する歯車加工装置設計方法であって、前記歯車加工装置を複数の要素に分割し、接触する要素間を機械系運動方程式で接続した解析モデルを作成するモデル作成ステップと、前記解析モデルの前記機械系運動方程式のパラメータを同定する同定ステップと、運転条件を設定する条件設定ステップと、設定した運転条件と、パラメータを同定した前記解析モデルを用いて、前記工具の振動を解析する解析ステップと、解析結果を用いて、前記工具の振動を減衰する減衰機構を設計するステップと、を有する。
本発明によれば、ヘッド旋回軸と重ならない位置に減衰機構を配置することで、工具の発生する振動を抑制することができる。これにより、工具の挙動をより安定させることができる。
図1は、本実施形態に係る歯車加工装置の概略構成を示す斜視図である。 図2は、図1に示すワーク台の概略構成を示す正面図である。 図3は、図1に示すカッタ駆動ユニットの概略構成を示す側面図である。 図4Aは、カッタ駆動ユニットの他の例の概略構成を示す側面図である。 図4Bは、カッタ駆動ユニットの他の例の概略構成を示す側面図である。 図4Cは、カッタ駆動ユニットの他の例の概略構成を示す側面図である。 図4Dは、カッタ駆動ユニットの他の例の概略構成を示す側面図である。 図5は、工具の振動の測定結果を示すグラフである。 図6は、本実施形態に係る歯車加工装置設計装置の概略構成を示すブロック図である。 図7は、解析モデルの一例を示す模式図である。 図8は、歯車加工装置設計装置の処理動作を説明するためのフローチャートである。 図9は、歯車加工装置設計装置の処理動作を説明するための説明図である。 図10は、歯車加工装置設計装置の処理動作を説明するための説明図である。 図11は、歯車加工装置の他の例の概略構成を示す斜視図である。 図12は、歯車加工装置の他の例の概略構成を示す斜視図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
図1から図3を用いて、歯車加工装置10について説明する。図1は、本実施形態に係る歯車加工装置の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1に示すワーク台の概略構成を示す正面図である。図3は、図1に示すカッタ駆動ユニットの概略構成を示す側面図である。
歯車加工装置10は、加工対象物であるワークの外周面に複数の歯を一定周期で形成する歯車形削盤である。なお、加工対象物であるワークは、外周面が円形となる円板形状である。つまり本実施形態は、歯車加工装置10によってワークに外歯を形成する場合として説明する。なお、ワークの形状はこれに限定されない。
歯車加工装置10は、ベッド12と、コラム14と、カッタ駆動ユニット16と、X軸移動機構18と、Z軸移動機構20と、ワーク台22と、を有する。歯車加工装置10は、カッタ駆動ユニット16により保持され操作されるカッタ(工具)42で、ワーク台22に支持されたワーク(加工対象物)24を加工する。本実施形態の歯車加工装置10は、さらに歯車加工装置10の各部の動作を制御する制御装置を備えていてもよい。
本実施形態では、水平面をX軸方向とX軸に直交するY軸方向を含むXY平面とし、水平面に直交する方向をZ軸方向とする。本実施形態では、X軸方向がカッタ42でワーク24を加工する切り込み方向となる。
ベッド12は、歯車加工装置10の土台であり、地面、基礎等の設置面に固定されている。ベッド12には、コラム14とワーク台22とが設置されている。コラム14は、ベッド12上に設置されており、ワーク台22が設置されている面側にカッタ駆動ユニット16が設置されている。カッタ駆動ユニット16は、カッタ(工具)42を保持している。カッタ駆動ユニット16は、矢印Aの方向(Z軸方向)、矢印Bの方向(所定の位置を基点とした、XZ平面における回動方向)、矢印Cの方向(Z軸周りの回転方向)にカッタ42を移動させる機構を備えている。カッタ駆動ユニット16の構造については、後述する。
X軸移動機構18は、ベッド12とコラム14との間に配置され、X軸方向に延在するレールと、レールに沿って移動するX軸移動部材と、を有する。X軸移動機構18は、レールがベッド12に固定され、X軸移動部材がコラム14に固定されている。X軸移動機構18は、レールに沿ってX軸移動部材をX軸方向に移動させることで、ベッド12に対してコラム14を矢印30の方向に移動させる。X軸移動機構18は、ベッド12に対してコラム14を矢印30の方向に移動させることで、ワーク24に対してカッタ42を矢印30の方向に移動させることができる。X軸移動機構18は、X軸移動部材をX軸方向に移動させる機構として、種々の機構を用いることができる。例えば、X軸移動部材にボールねじを挿入し、ボールねじをモータ等で回転させる機構や、リニアモータ機構、ベルト機構等を用いることができる。
Z軸移動機構20は、コラム14とサドル38との間にカッタ駆動ユニット16の間に配置され、Z軸方向に延在するレールと、レールに沿って移動するZ軸移動部材と、を有する。Z軸移動機構20は、レールがコラム14に固定され、Z軸移動部材がカッタ駆動ユニット16に固定されている。Z軸移動機構20は、レールに沿ってZ軸移動部材をZ軸方向に移動させることで、コラム14に対してカッタ駆動ユニット16を矢印32の方向に移動させる。Z軸移動機構20は、コラム14に対してカッタ駆動ユニット16を矢印32の方向に移動させることで、ワーク24に対してカッタ42を矢印32の方向に移動させることができる。Z軸移動機構20と、Z軸移動部材をZ軸方向に移動させる機構として、X軸移動機構18と同様に種々の機構を用いることができる。
図2に示すように、歯車加工装置10のベッド12には、ワーク台22が配置されている。ワーク台22は、図2に示すように、ワークテーブル22aが回転自在(Z軸周り)に支持さている。ワークテーブル22aは、ウォームホイール22b及びウォーム22cを介してモータ22dによって、矢印Dの方向(Z軸周りの方向)に回転される。
歯車加工装置10は、X軸移動機構18とZ軸移動機構20を用いて、ワーク24とカッタ42との相対位置を移動させることで、加工を行う前にワーク24とカッタ42との相対位置を調整する。また、歯車加工装置10は、加工時にカッタ駆動ユニット16によりカッタ42を矢印A、矢印B、矢印Cの方向に移動させ、ワーク台22でワーク24を矢印D方向に移動させ、ワーク24とカッタ42との相対位置を移動させることで、ワーク24の各位置をカッタ42で加工する。ワーク24とカッタ42とをY軸方向に移動させる移動機構を備えていてもよい。この場合、ワーク24とカッタ42とをY軸方向に移動させる移動機構としては、ワーク台22をベッド12に対してY軸方向に移動させる機構や、カッタ駆動ユニット16をコラム14に対してY軸方向に移動させる機構を用いることができる。
次に、カッタ駆動ユニット16について説明する。カッタ駆動ユニット16は、図3に示すように、サドル38と、カッタヘッド40と、カッタ42と、直動動作機構44と、回避動作機構46と、回転動作機構48と、主軸52と、減衰機構90と、を有する。主軸52は、Z軸方向に延在する棒状の部材であり、カッタヘッドボディ41に挿入されている。主軸52は、ベッド12側の端部にカッタ42が固定され、反対側の端部に直動用軸が挿入されている。
サドル38は、Z軸移動機構20を介してコラム14に支持される部材である。サドル38は、Z軸移動機構20により、コラム14に対してZ軸方向に移動される。サドル38は、カッタヘッドボディ41と、直動動作機構44と、回避動作機構46と、を支持している。
カッタヘッド40は、カッタヘッドボディ41と、回転動作機構48のモータ70と、を有する。モータ70については後述する。カッタヘッドボディ41は、主軸52が挿入され、回避動作機構46に連結されている。カッタヘッドボディ41は、内部が空洞の位置によって径が変わる略円筒の形状である。カッタヘッドボディ41は、円筒の軸がZ軸に沿った方向に延在する形状であり、内部に主軸52が挿入されている。カッタヘッドボディ41は、主軸52をZ軸方向に移動可能、かつZ軸周りに回転自在な状態で支持している。また、カッタヘッドボディ41は、回転動作機構48の動力伝達用の機構が内蔵されている。また、カッタヘッドボディ41は、回転動作機構48のモータ70が固定されている。
カッタヘッドボディ41は、ヘッド旋回軸50が設けられサドル38に設置された軸受に回動自在な状態で支持されている。これにより、カッタヘッドボディ41は、ヘッド旋回軸50を軸としてY軸周りに回動可能な状態でサドル38の所定位置に支持される。カッタヘッドボディ41は、ヘッド旋回軸50から離れた位置にリリービング用軸が回動自在な状態で挿入されている。リリービング用軸は、回避動作機構46に連結されている。ヘッド旋回軸50とリリービング用軸と回避動作機構46によるカッタヘッドボディ41の移動については、後述する。
カッタ42は、カッタヘッドボディ41に挿入された主軸52のベッド12側の端部に固定されている。カッタ42は、カッタ駆動ユニット16により位置を移動され、ワーク24に接触することで、ワーク24を切削する。カッタ42は、主軸52に対して着脱可能であることが好ましい。
直動動作機構44は、主軸52を矢印A方向に往復移動させることで、カッタ42を矢印A方向に往復移動させる機構である。直動動作機構44は、モータ(主軸モータ)60と、クランク機構64と、連結杵66と、球面軸受68と、を有する。直動動作機構44は、主軸52の上端部は球面軸受68を介して連結杆66の下端に連結され、連結杆66の上端部はクランク機構64に支持されている。クランク機構64は、モータ60の駆動により回転駆動され、クランク機構64の回転駆動により主軸52が連結杆66を介して上下方向(矢印A方向)に往復動される。直動動作機構44は、主軸52を矢印A方向に往復移動させることで、カッタ42を矢印A方向に往復移動させる。
回避動作機構46は、カッタヘッドボディ41を矢印B方向に回動させることで、カッタ42を矢印B方向に移動させる機構である。回避動作機構46は、カム機構69を有し、主軸モータ60の駆動力が、カム機構69に伝達され、主軸モータ60の駆動状態に応じて、即ち、主軸52の上下方向の往復動の状態に応じて、カッタヘッド18がカム機構69を介して揺動する。回避動作機構46は、モータ60によりカム機構69を作動させることで、カッタヘッドボディ41のリリービング用軸を矢印36の方向に往復運動させる。これにより、カッタヘッドボディ41には、矢印38に示す方向の力が作用し、カッタヘッドボディ41が矢印B方向に往復移動(回動)する。回避動作機構46は、カッタヘッドボディ41を矢印B方向に往復移動させることで、カッタ42を矢印B方向に往復移動させ、カッタ42をX軸方向に移動させ、ワーク24に近づけたり、離したりする。
回転動作機構48は、主軸52を矢印C方向に回動させることで、カッタ42を矢印C方向に回動させる機構である。回転動作機構48は、カッタヘッドボディ41に支持されている。回転動作機構48は、モータ70と、駆動ギヤ78と、従動ギヤ79と、を有する。モータ70は、主軸52を矢印C方向に回動させる力を発生させる駆動源である。モータ70は、回転軸70が主軸52の軸方向と同じ向きとなる方向で配置されている。モータ70としては、双方向回転可能なサーボモータを用いることが好ましい。モータ70は、回転軸70が主軸52の軸方向から離れた位置となる位置に配置されている。駆動ギヤ78は、モータ70の回転軸に設けられている。従動ギヤ79は、主軸52に設けられ、駆動ギヤ78とかみ合っている。なお、本実施形態では、駆動ギヤ78と従動ギヤ79とが直接かみ合っている構造としたが、複数の中間ギヤを介してかみ合って(連結して)いてもよい。回転動作機構48は、モータ70により駆動ギヤ78を回転させて、従動ギヤ79を回動させることで、主軸52を矢印C方向に回動させる。回転動作機構48は、主軸52を矢印C方向に回動させることで、カッタ42を矢印C方向に回動させる。
回転動作機構48は、モータ70により、歯車素材に対する同期回転と歯車素材のねじれ角に応じた回転とが同時に合成されて行なわれるようになっている。モータ70による主軸52の複合回転は制御装置によって制御されている。制御装置では、複合回転時の主軸52の回転軌跡が演算されてモータ70に駆動指令が出力される。
減衰機構90は、一方の端部がモータ70の筐体に固定され、他方の端部がサドル38に固定されている。減衰機構90としては、防振ゴム、ダッシュポット等を用いることができる。減衰機構90は、カッタヘッドボディ41とカッタヘッドボディ41を支持する機構、本実施形態ではサドル38との間に設けられ、カッタヘッドボディ41の振動を減衰することで、カッタの振動を減衰する機構である。具体的には、減衰機構90は、カッタヘッドボディ41が回避動作機構46で矢印B方向に移動される際、より具体的には、カッタ42をワークから離れる方向に移動させる際に、カッタに生じる振動を低減する。減衰機構90は、カッタをワークから離れる方向に移動させる際にカッタに生じる振動の固有値と振動モードを特定し、特定した固有値で振動モードの振動を低減する特性を備えている。
歯車加工装置10は、以上のような構成であり、X軸移動機構18と、Z軸移動機構20で、ワーク24とカッタ42の相対位置を移動させ、カッタ42をワーク24の外周面に近接させる。その後、歯車加工装置10は、直動動作機構44によるカッタ42の矢印A方向の移動と、回避動作機構46によるカッタ42の矢印B方向の移動と、回転動作機構48によるカッタ42の矢印C方向の移動と、ワーク台22によるワーク24の矢印D方向の移動とを連動させることで、カッタ42によりワーク24を加工し、ワーク24の外周面に歯を形成する。
具体的には、歯車加工装置10は、回避動作機構46によって、X方向においてカッタ42をワーク24に近づけた状態で、直動動作機構44によりカッタ42を下降させることで、ワーク24とカッタ42とが重なる領域のワーク24をカッタ42で切削する。次に、歯車加工装置10は、回避動作機構46によって、X方向においてカッタ42をワーク24から離した状態(リリービングした状態)で、直動動作機構44によりカッタ42を上昇させることで、カッタ42がワーク24と接触することを抑制しつつ、カッタ42をワーク24よりも鉛直方向上側に移動させる。歯車加工装置10は、カッタ42をワーク24よりも鉛直方向上側に移動させたら、ワーク台22でワーク24を回転させ、ワーク24の次の歯を形成する部分をカッタ42と対面する位置に移動させる。歯車加工装置10は、このような動作を繰り返すことで、ワーク24の外周面に歯を形成する。また、歯車加工装置10は、X軸移動機構18で、ワーク24が一周するごとにまたは一定の速度で、カッタ42をワーク24に近づく方向に移動させることで、カッタ42でワーク24と切削する位置をワーク24の回転中心側に徐々に近づける。
また、歯車加工装置10は、直動動作機構44によりカッタ42を下降させる際に、回転動作機構48で、カッタ42を回転させることで、歯の溝の方向をZ軸に対して傾けることができる。これにより、はす歯歯車、ねじ歯車等のヘリカルギヤを製造することもできる。また、歯車加工装置10は、回転動作機構48で回転させかつワーク台22でワーク24を回転させた状態で上記加工を行ってもよい。
歯車加工装置10は、カッタ駆動ユニット16に減衰機構90を設けることで、カッタ42の振動を低減することができる。具体的には、カッタヘッドボディ41が回避動作機構46で矢印B方向に移動される際、カッタ42に生じる振動を低減することができる。これにより、工具の振動を低減することができ、カッタ42の挙動を安定させることができる。特に、本実施形態の歯車加工装置10のようにカッタ42が設置されているカッタヘッドボディ41に附属品が設置され、振動が大きくなりやすい構造でであっても、カッタの振動を抑制することができる。附属品とは、カッタヘッドボディのヘッド旋回軸50周りの重量バランスを不均一にする構成である。本実施形態では、回転動作機構48のモータ70が附属品の1つとなる。
ここで、減衰機構90を設ける位置は、図3に示す位置に限定されあない。図4Aから図4Dは、それぞれカッタ駆動ユニットの他の例の概略構成を示す側面図である。歯車加工装置10は、カッタヘッドボディ41とカッタヘッドボディ41を支持する各種部材との間の種々の位置に減衰機構を設けることができる。
図4Aに示す減衰機構90Aは、サドル38のモータ70側に突出した部分と、モータ70の駆動ギヤ78側との間に配置されている。
図4Bに示す減衰機構90Bは、モータ70の駆動ギヤ78側の部分と、サドル38に固定され、モータ70側に突出した追加リブ92と、との間に配置されている。追加リブ92は、モータ70のサドル38と対面していない側の端部まで延在している。減衰機構90Bは、モータ70のサドル38と対面していない側の面と、追加リブ92のモータ70よりもサドル38から遠い部分との間に配置されている。
図4Cに示す減衰機構90Cは、カッタヘッドボディ41と、サドル38に固定され、モータ70側に突出した追加リブ94と、の間に配置されている。追加リブ94は、カッタヘッドボディ41のサドル38と対面していない側の端部まで延在している。減衰機構90Cは、カッタヘッドボディ41のサドル38と対面していない側の面と、追加リブ94のカッタヘッドボディ41よりもサドル38から遠い部分との間に配置されている。
図4Dに示す減衰機構90Dは、主軸52と、サドル38に固定され、モータ70側に突出した追加リブ96と、の間に配置されている。追加リブ96は、主軸52のサドル38と対面していない側の端部まで延在している。減衰機構90Dは、主軸52のサドル38と対面していない側の面と、追加リブ96の主軸52よりもサドル38から遠い部分との間に配置されている。減衰機構90Dは、主軸52の移動に合わせ接触位置が摺動する状態で接している。
このように、歯車加工装置10は、カッタ42と一体で振動する部分と、カッタヘッドを支持する部分との間に減衰機構を設けることで、カッタ42の振動を減衰することができる。なお、上記実施形態では、いずれもサドル38に設置した場合として説明したが、コラム12とカッタヘッド40との間に減衰機構を設けてもよい。本実施形態では、サドル38とコラム12が減衰機構の一方を支持する構造体となる。
図5は、工具の振動の測定結果を示すグラフである。図5は、横軸を時間とし、縦軸をカッタ(工具)の先端位置の変位とした。図5に示すように、減衰機構を設置していない場合の振動の大きさ(振動している間における波形のピークからピークまでの距離)がd1に対して、減衰機構を設置した場合の振動の大きさがd2となり、振動を小さくすることができる。このように、カッタ駆動ユニット16に減衰機構90を設けることでカッタの振動を抑制することができる。
歯車加工装置10は、カッタ42の振動を抑制できることで、回避動作機構46によるカッタ42の移動量を小さくすることができ、また、直動動作機構44によるカッタ42の移動速度を早くすることができる。これにより、歯車加工装置10は、精度を低下させずに、加工をより高速にすることができる。
ここで、上記実施形態では、減衰機構90をモータ70とサドル38等の構造物との両方に連結した構造としたがこれに限定されない。減衰機構90は、ヘッド旋回軸50と重ならない位置に配置され、カッタヘッド40の振動を減衰させる構造であればよい。より具体的には、回避動作機構46によるカッタヘッド40の矢印38方向の移動で生じるカッタ(工具)42の振動を低減できる位置に配置されていればよい。
次に、減衰機構90を備えるカッタヘッド、及びこれを備える歯車加工装置を設計する歯車加工装置設計装置について説明する。
図6は、本実施形態に係る歯車加工装置設計装置の概略構成を示すブロック図である。図6に示すように、歯車加工装置設計装置100は、表示部111と、入力部112と、通信部113と、媒体読取部114と、制御部115と、記憶部116とを備える。
表示部111は、液晶ディスプレイ(LED)や有機ELディスプレイ(OELD)等の表示装置を有し、制御部115から送信される制御信号に基づいて、文字や図形等の各種情報を表示する。入力部112は、キーボード等の入力装置を有し、利用者が入力装置に対して行う操作に対応する信号を制御部115へ出力する。通信部113は、所定の通信プロトコルに基づいて、他の装置との間での情報の送受信を制御する。通信部113は、無線、有線の各種通信方法で他の装置との間で通信を行う。歯車加工装置設計装置100は、通信部113により歯車加工装置10と情報の送受信を行うこともできる。媒体読取部114は、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカード等の記憶媒体からプログラムやデータを読み取る。
制御部115は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)151と、記憶手段であるメモリ152とを備え、これらのハードウェア資源を用いてプログラムを実行することによって各種の機能を実現する。具体的には、制御部115は、記憶部116に記憶されているプログラムを読み出してメモリ152に展開し、メモリ152に展開されたプログラムに含まれる命令をCPU151に実行させる。そして、制御部115は、CPU151による命令の実行結果に応じて、メモリ152および記憶部116に対してデータの読み書きを行ったり、通信部113等の動作を制御したりする。
記憶部116は、磁気記憶装置や半導体記憶装置等の不揮発性を有する記憶装置からなり、各種のプログラムおよびデータを記憶する。記憶部116に記憶されるデータには、構成情報160と、減衰機構情報161と、評価量情報162と、が含まれる。記憶部116に記憶されるプログラムには、歯車加工装置設計プログラム170が含まれる。また、歯車加工装置設計プログラム170には、歯車加工評価プログラム171が含まれる。
なお、図6において記憶部116が記憶していることとしたプログラムおよびデータの全体または一部は、媒体読取部114が読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。また、図6において記憶部116が記憶していることとしたプログラムおよびデータの全体または一部は、通信部113による通信によって他の装置から取得されてもよい。
構成情報160は、歯車加工装置10の構成、各部の形状、性能等の情報を保持する。具体的には、構成情報160は、カッタ42の種類、大きさ、形状のデータ、ワーク24の種類、大きさ、形状のデータ、ワーク24から形成する歯車の種類、大きさ、形状のデータ、直動動作機構44、回避動作機構46、回転動作機構48、ワーク台22により、移動可能な範囲、移動速度、調整できるパラメータの情報等を保持している。構成情報160は、1つの歯車加工装置10の情報のみを保持していてもよいし、複数の歯車加工装置10の情報を保持していてもよい。
減衰機構情報161は、設置する対象の減衰機構の形状、大きさ、特性、設置できる場所の条件の情報が含まれている。評価量情報162は、歯車加工装置10の振動及び減衰機構の性能を評価する指標の情報である。評価量としては、振動のモード、固有値等が含まれる。
歯車加工装置設計プログラム170は、歯車加工装置10を設計するための機能を提供する。歯車加工装置設計プログラム170は、歯車加工評価プログラム171と、減衰機構設計部172と、減衰評価部174と、を有する。なお、歯車加工装置設計プログラム170は、歯車加工評価プログラム171と、減衰機構設計部172と、減衰評価部174、を別々のプログラムとしてもよいし、1つのプログラムとしてもよい。
歯車加工評価プログラム171は、歯車加工装置10による加工を評価するための機能を提供する。歯車加工評価プログラム171は、モデル作成部171aと、パラメータ同定部171bと、評価部171cと、を含む。歯車加工評価プログラム171は、MBD(Multi-Body-Dynamics、多体動力学、機構解析)を用い、歯車加工装置10を動的に解析して、評価する。これにより、歯車加工評価プログラム171は、回避動作機構46でカッタ42をワーク24から離す位置に移動させている状態でのカッタ42とワーク24との関係、つまり、リリービング干渉計算時に動力学を考慮した評価を行うことができ、実運転実施前に、工具の振動等を予測した状態で、カッタの挙動を評価することができる。
モデル作成部171aは、歯車加工装置10を解析するための解析モデルを作成する機能を提供する。解析モデルは、MBDの解析に用いるモデルであり、動力学を考慮したモデルである。モデル作成部171aは、歯車加工装置10を複数の要素に分割する。次に、モデル作成部171aは、分割した要素間の関係で、接触している要素の間は、機械系運動方程式で接続する。具体的には、要素と要素との間にばねます系の境界条件を与え、装置全体の境界条件(部品の変形、ガタ、油膜などの反力要素)を模擬した解析モデルを構築する。
図7は、解析モデルの一例を示す模式図である。モデル作成部171aは、例えば、図7に示す解析モデル210を作成する。解析モデル210は、カッタ(工具)とワーク(加工対象物)とが要素と要素間を繋げる機械系運動方程式とを介して繋がっているモデルである。解析モデル210は、設置面要素211と、ベッド要素212と、コラム要素214と、ワーク台要素222と、ワーク要素224と、サドル要素240と、カッタヘッドボディ要素241と、工具要素242と、附属品要素270と、ばね要素280、282、284、286、288、290、292、294と、を含む。解析モデル210は、歯車加工装置10をベッド要素212と、コラム要素214と、ワーク台要素222と、ワーク要素224と、サドル要素240と、カッタヘッドボディ要素241と、工具要素242と、附属品要素270と、に分割し、それぞれの要素をばね要素280、282、284、286、288、290、292、294とで接続している。ばね要素280、282、284、286、288、290、292、294は、2つの要素の間の境界条件であり、機械系運動方程式が割り当てられる。また、解析モデルでは、ばね要素としたが、弾性だけではなく減衰(ダンパ)も含むようにしてもよい。解析モデル210の附属品要素270は、カッタヘッドボディ41に接続されている部材であり、本実施形態では回転動作機構48のモータ70を含む。また、解析モデル210は、ベッド12が設置される設置面の要素も設置面要素211としてモデルに含む。
解析モデル210は、設置面要素211とベッド要素212とがばね要素280で接続され、ベッド要素212とコラム要素214とがばね要素282で接続され、コラム要素214とサドル要素240とがばね要素284で接続され、サドル要素240とカッタヘッドボディ要素241とがばね要素286で接続され、カッタヘッドボディ要素241と附属品要素270とがばね要素288で接続され、カッタヘッドボディ要素241と、工具要素242とがばね要素290で接続され、ベッド要素212とワーク台要素222とがばね要素292で接続され、ワーク台要素222とワーク要素224とがばね要素294で接続されている。したがって、解析モデル210は、ワーク要素224と工具要素242とが、ばね要素292、ワーク台要素222、ばね要素292、ベッド要素212、ばね要素282、コラム要素214、ばね要素284、サドル要素240、ばね要素286、カッタヘッドボディ要素241、ばね要素290を介して繋がっている。モデル作成部171aは、構成情報160に記憶された情報や媒体読取部114で読み取った情報、入力部112から入力された指示に基づいて、図7に示すような解析モデル210を作成する。モデル作成部171aは、例えばCADデータ等や材料の情報等に基づいてモデルを作成する。
詳しくは後述するが、減衰機構を設計する場合、解析モデル210に減衰機構を設置する位置に対応する位置に減衰要素299を加え、解析を行うことで設計した減衰機構の性能を評価する。
パラメータ同定部171bは、モデル作成部171aで作成した解析モデルのパラメータを同定する。具体的には、各要素間の運動方程式(境界条件)の係数を同定する機能を提供する。パラメータ同定部171bは、解析モデル210を所定の運転条件で運転した条件で解析を行い、解析した結果と、所定の運転条件で運転した実際の結果とを比較し、解析した結果と運転した実際の結果とが一致するように、パラメータを調整した繰り返し計算を行うことで、パラメータを同定する。パラメータ同定部171bは、解析により、要素間の相対位置や加速度、各要素の振動周波数、動剛性の少なくとも1つを算出し、算出した結果を実際の結果と比較する。
評価部171cは、パラメータ同定部171bでパラメータを同定した解析モデルに対して運転条件、具体的には上述した制御因子を含む設定可能な各部の動作条件、加工条件を設定し、MBD(Multi-Body-Dynamics、多体動力学、機構解析)による解析を実行し、各要素の挙動、特にワーク要素と工具要素の挙動を算出する機能を提供する。評価部171cは、解析した結果を評価量情報162に設定されている評価量に基づいて評価する。本実施形態の評価部171cは、解析対象の動作においてカッタ42に生じる振動を解析し、評価する。
減衰機構設計部172は、減衰機構を設計する機能を提供する。例えば、減衰機構設計部172は、減衰機構情報161と評価部171cで算出した評価結果に基づいて、減衰機構を設置する位置、形状、特性等を設計する。
減衰評価部174は、減衰機構設計部172で設計された減衰機構を有する解析モデルを作成し、種運転条件を設定して解析を行い、解析した結果を評価量情報162に設定されている評価量に基づいて評価する。
次に、図8を参照しながら、歯車加工装置設計装置100が実行する歯車加工装置設計処理の処理手順の一例について説明する。図8は、歯車加工装置設計装置の処理動作を説明するためのフローチャートである。図8に示す処理手順は、制御部115が歯車加工装置設計プログラム170を実行することによって実現される。
制御部115は、解析モデルを作成する(ステップS12)。解析モデルは、上述したように、CADデータに基づいて、要素を抽出し、CADデータ等と材料の情報等に基づいて、各要素の重心や慣性モーメントを算出する。また、CADデータ等と材料の情報等に基づいて要素間を繋げる要素、つまり運動方程式のパラメータを算出する。具体的には、形状、材料の情報を用い材料力学に基づいて計算したり、FEM(Finite Element Method、有限要素法)を用いた解析から剛性を求めたりして、パラメータを設定する。また、制御部115は、実測データを用いて算出した結果を用いてパラメータを設定してもよい。
制御部115は、解析モデルを作成したら、作成した解析モデルのパラメータを同定する(ステップS14)。具体的には、実測したデータと、実測データと同じ運転条件で解析した結果とを比較して、両者が一致するようにパラメータを調整する。
制御部115は、パラメータを同定したら、解析したい運転条件を設定し(ステップS16)、運転条件に基づいて解析、具体的には振動解析を実行する(ステップS18)。制御部115は、振動解析を行うことで、対象の運転条件における歯車加工装置10の動的挙動を解析する。具体的には、カッタ42の挙動を解析する。制御部115は、歯車加工装置10の動的解析を実行することで、リリービング時のカッタとワークとの相対位置の動的変化(Z軸方向の位置による変化)を解析することができる。制御部115は、解析を実行したら、解析結果に基づいてカッタの振動を検出する(ステップS20)。つまり評価結果として、カッタの振動を検出する。カッタの振動としてカッタの振動の大きさ、振動モード、固有値等を検出する。また、制御部115は、カッタの振動の原因となる要素(部品)を特定する。制御部115は、カッタの振動の原因となる要素(部品)を特定するために一部の要素を取り外したモデルで同様の解析を行い、振動が低減したか否かを検出し、振動が低減した場合、取り外した要素をカッタの振動の原因として特定する。
制御部115は、カッタの振動を検出したら、検出したカッタの振動に基づいて、減衰機構を設計する(ステップS22)。制御部115は、減衰機構を設置する位置、大きさ、特性等を設計する。
図9は、歯車加工装置設計装置の処理動作を説明するための説明図である。制御部115は、図9に示すように、振動モードがヘッド旋回軸250を軸とした回転である場合、矢印302、矢印304等の矢印先端の位置を設置可能な位置として抽出する。矢印306のように、工具要素242とワーク要素224との間は、物理的に配置が困難な場所であるため、設置不可能な位置とする。また、振動モードがヘッド旋回軸250を軸とした回転である場合、ヘッド旋回軸250から遠い位置を適切な位置として抽出する。具体的には、矢印302の位置を適切な位置として抽出する。また、図9に示す例では、減衰機構を矢印302、304の方向に力を作用させる特性とする。減衰機構として防振ゴム等のゴムダンパを用いる場合、複素弾性率、損失係数等のゴム特性、表面積、厚み等のゴムの形状を設計し、所望の減衰係数を有するゴムダンパを選定する。
図10は、歯車加工装置設計装置の処理動作を説明するための説明図である。制御部115は、図10に示すように、振動モードがカッタヘッドと附属品と工具は並行な方向に移動する並進である場合、矢印312、矢印314、矢印316、矢印318等の矢印先端の位置を設置可能な位置として抽出する。矢印320のように、工具要素242とワーク要素224との間は、物理的に配置が困難な場所であるため、設置不可能な位置とする。また、振動モードが並進である場合、ヘッド旋回軸250を通る方向に力を作用させる位置を適切な位置として抽出する。具体的には、矢印316の位置を適切な位置として抽出する。矢印316の位置とすることで、減衰機構が、回転モードの振動に与える影響を少なくすることができる。
制御部115は、減衰機構を設計したら、減衰機構を含むモデルを作成し、減衰機構のパラメータを設定する(ステップS24)。減衰機構のパラメータは、設計した減衰機構のデータに基づいて設定する。また、モデルの減衰機構以外の要素については、ステップS14で同定したパラメータを用いる。制御部115は、モデルを作成し、パラメータを設定した解析を実行し(ステップS26)、解析結果に基づいて、カッタの振動を検出する(ステップS28)。
制御部115は、カッタの振動を検出したら、カッタの振動≦閾値があるかを判定する(ステップS30)。ここで、閾値は、評価値情報として設定しておけばよい。制御部115は、カッタの振動>閾値である(ステップS30でNo)と判定した場合、ステップS22に戻り、減衰機構の設計を再度実行する。
制御部115は、カッタの振動≦閾値である(ステップS30でYes)と判定した場合、選定した減衰機構を有する歯車加工装置を検証運転する(ステップS38)。つまり歯車加工装置に減衰機構を設けて、実際に加工を行う。制御部115は、検証運転した結果、カッタの振動≦閾値があるかを判定する(ステップS40)。
制御部115は、カッタの振動>閾値である(ステップS40でNo)と判定した場合、ステップS22に戻り、減衰機構の設計を再度実行する。制御部115は、カッタの振動≦閾値である(ステップS40でYes)と判定した場合、選定した減衰機構を有する歯車加工装置を設計した歯車加工装置に選定する(ステップS42)。
このように、歯車加工装置設計装置100は、歯車加工装置10から動的解析が可能な解析モデルを作成し、解析モデルに基づいて動的解析を行い、カッタ等の振動を検出することで、カッタとワークの挙動をより高い精度、つまり実際の挙動に近い結果で算出することができる。さらに、その結果に基づいて、減衰機構を設計することで、カッタの振動が低減されたカッタヘッド及び歯車加工装置を設計することができる。これにより、例えば、歯車加工装置設計装置100は、回避動作機構46によるカッタのリリービング動作時に生じるカッタの振動を評価することができ、リリービング動作時のカッタの振動が低減されたカッタヘッド及び歯車加工装置を設計することができる。特に本実施形態の歯車加工装置10のようにカッタ42が設置されているカッタヘッドボディ41に附属品要素、具体的には、カッタヘッドボディ41のヘッド旋回軸50周りの重量バランスを不均一にする要素があり、予期せぬ振動等が発生する場合であっても、リリービング動作時のカッタの振動が低減されたカッタヘッド及び歯車加工装置を設計することができる。以上より、歯車加工装置設計装置100は、より高い性能のカッタヘッド及び歯車加工装置10を設計することができる。
また、ステップS38及びステップS40の検証試験とその結果の判定処理は実行しなくてもよい。
また、歯車加工装置設計装置100は、カッタに加工されるワークとワークを加工するカッタの歯に加え、当該部分に隣接する部分も解析し、評価することが好ましい。つまり、ワークの複数の歯とそれに対応するカッタの部分を解析することが好ましい。これにより、ワークとカッタとが接触する可能性をより低減することができる。
また、ワークとカッタの関係の解析の精度が高くなるため、本実施形態のように解析モデルをカッタとワークとが、要素と要素間を繋げる機械系運動方程式とを介して繋がっているモデルであることが好ましいが、これに限定されない。解析モデルを要素と要素間を繋げる機械系運動方程式とを介して繋がっているモデルとし、動的解析を行うことで、静的解析では評価できない振動等を評価できる。これにより、カッタの振動を抑制できる減衰装置を備えるカッタヘッド、さらにカッタヘッドを有する歯車加工装置を設計することができる。
図11は、歯車加工装置の動作を説明するための説明図である。上記実施形態では、ワークに外歯を形成する場合としたが、歯車加工装置は、内歯を歯切り可能となっている。歯車加工装置設計装置100は、歯車加工装置10が図11に示すように、内歯が形成されたワーク424をカッタ442で加工する場合も同様に解析を行うことができる。また、ワーク424から内歯歯車を加工する場合、カッタ442に矢印470に示すような振動が生じると、加工を行っている歯450に隣接する歯452が、ワーク424に接触する場合がある。歯車加工装置設計装置100は、上述したように、カッタに加工されるワークとワークを加工するカッタの歯に加え、当該部分に隣接する部分も解析することで、高い精度でワークとカッタとの接触を予測することができる。これにより、加工時に接触が生じることをより確実に抑制することができる、より適切な減衰機構を有するカッタヘッド及びこれを有する歯車加工装置を設計することができる。
また、本実施形態の歯車加工装置のように、カッタ42が設置されているカッタヘッドボディに附属品、具体的には、カッタヘッドボディのヘッド旋回軸50周りの重量バランスを不均一にする要素、特に本実施形態のようにモータ70が主軸からずれた位置に配置されている場合、より減衰効果が大きくなり好適に用いることができるようになるが、これに限定されない。
図11は、歯車加工装置の他の例の概略構成を示す斜視図である。図11に示す歯車加工装置510は、カッタヘッドボディ541を有する。カッタヘッドボディ541は、回転動作機構としてモータが設けられていない。このようなカッタヘッドボディ541の場合も、ヘッド旋回軸周りで荷重が不均一となる位置に減衰機構590a、590bを設けることで、カッタ542の振動を低減することができる。
図12は、歯車加工装置の他の例の概略構成を示す斜視図である。図12に示す歯車加工装置610は、カッタヘッドボディ641を有する。カッタヘッドボディ641は、回転動作機構648が主軸652の周りに配置されている。つまり、回転動作機構648は、主軸652と同軸で配置されている。このようなカッタヘッドボディ641の場合も、ヘッド旋回軸650周りで荷重が不均一となる位置に減衰機構690を設けることで、カッタ642の振動を低減することができる。
10 歯車加工装置
12 ベッド
14 コラム
16 カッタヘッド
18 X軸移動機構
20 Z軸移動機構
22 ワーク台
24 ワーク
30、32 矢印
38 サドル
40 カッタヘッド
41 カッタヘッドボディ
42 カッタ(工具)
44 直動動作機構
46 回避動作機構
48 回転動作機構
50 ヘッド旋回軸
52 主軸
60、70 モータ
78 駆動ギヤ
79 従動ギヤ
100 歯車加工装置設計装置
111 表示部
112 入力部
113 通信部
114 媒体読取部
115 制御部
116 記憶部
151 CPU
152 メモリ
160 構成情報
161 減衰因子情報
162 評価量情報
170 歯車加工装置設計プログラム
171 歯車加工評価プログラム
171a モデル作成部
171b パラメータ同定部
171c 評価部
172 減衰機構設計部
174 減衰評価部
210 解析モデル
211 設置面要素
212 ベッド要素
214 コラム要素
222 ワーク台要素
224 ワーク要素
240 サドル要素
241 カッタヘッドボディ要素
242 工具要素
270 附属品要素
280、282、284、286、288、290、292、294 ばね要素
A、B、C、D 矢印

Claims (10)

  1. 加工対象物を切削する工具と、
    前記工具と接続された主軸と、
    前記主軸を延在方向に移動自在な状態で支持するカッタヘッドと、
    前記カッタヘッドを回動自在に支持するヘッド旋回軸と、
    前記カッタヘッドを支持する構造体と、
    前記主軸を前記カッタヘッドに沿って、前記主軸の軸方向に移動させる直動動作機構と、
    前記ヘッド旋回軸を軸として前記カッタヘッドを回動させる回避動作機構と、
    前記ヘッド旋回軸と重ならない位置に配置され、前記カッタヘッドの振動を減衰させる減衰機構と、を備える歯車形削盤。
  2. 前記カッタヘッドは、カッタヘッドボディと、前記カッタヘッドボディの前記ヘッド旋回軸から離れた位置に連結された附属品とを有する請求項1に記載の歯車形削盤。
  3. 前記附属品は、前記主軸を回転させる回転動作機構であり、
    前記回転動作機構は、前記主軸の軸方向に対してずれた位置の前記カッタヘッドに配置されたモータを、前記モータの回転軸の回転力を主軸に伝達する伝達要素と、を有する請求項2に記載の歯車形削盤。
  4. 前記減衰機構は、前記カッタヘッドを支持する構造体と前記カッタヘッドとに連結されている請求項1から3のいずれか一項に記載の歯車形削盤。
  5. 前記カッタヘッドを支持する構造体に設置されたリブを有し、
    前記減衰機構は、前記リブと前記カッタヘッドとに連結されている請求項1から3のいずれか一項に記載の歯車形削盤。
  6. 前記減衰機構は、前記カッタヘッドを支持する構造体と前記附属品又は前記カッタヘッドボディとに連結されている請求項2または3に記載の歯車形削盤。
  7. 前記カッタヘッドを支持する構造体に設置されたリブを有し、
    前記減衰機構は、前記リブと前記附属品又は前記カッタヘッドボディとに連結されている請求項2または3に記載の歯車形削盤。
  8. 前記減衰機構は、防振ゴムまたはダッシュポットである請求項1から7のいずれか一項に記載の歯車形削盤。
  9. 前記減衰機構は、前記回避動作機構が前記カッタヘッドを回動させる際に発生する前記工具の振動を減衰する請求項1から8のいずれか一項に記載の歯車形削盤。
  10. 加工対象物を工具で加工し歯車を製造する歯車加工装置を設計する歯車加工装置設計方法であって、
    前記歯車加工装置を複数の要素に分割し、接触する要素間を機械系運動方程式で接続した解析モデルを作成するモデル作成ステップと、
    前記解析モデルの前記機械系運動方程式のパラメータを同定する同定ステップと、
    運転条件を設定する条件設定ステップと、
    設定した運転条件と、パラメータを同定した前記解析モデルを用いて、前記工具の振動を解析する解析ステップと、
    解析結果を用いて、前記工具の振動を減衰する減衰機構を設計するステップと、を有する歯車加工装置設計方法。
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