JP2015187069A - セリウム含有溶液及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルカリ性領域においても安定な溶液状態を維持することができ,しかも,高濃度であっても析出物が生じにくい4価のセリウム含有溶液及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のセリウム含有溶液は,炭酸イオン,一価のカチオン,4価のセリウムイオン及び酸化剤を含む。このセリウム含有溶液は,酸化剤の作用により,弱アルカリ性もしくはアルカリ性領域であっても析出物が生じにくく,安定な溶液の状態を維持することが可能である。また,セリウム含有溶液の濃度が高くても,析出物が生じにくい。
【選択図】図1

Description

本発明は,各種有機・無機化合物を製造する際に使用され得る4価のセリウムを含有する溶液及びその製造方法に関する。
希土類元素は,長周期型周期表の第3族に属するスカンジウム(Sc),イットリウム(Y)及びランタノイド元素の総称であり,セリウム(Ce)も希土類元素として知られている。このセリウムは,特にランタノイド元素に属する元素であるが,セリウムの他,ランタン(La),プラセオジウム(Pr),ネオジム(Nd),サマリウム(Sm),ユーロピウム(Eu),ガドリニウム(Gd),テルビニウム(Tb),ジスプロシウム(Dy),ホルミウム(Ho),エルビウム(Er),ツリウム(Tm),イッテルビウム(Yb),ルテチウム(Lu)等もランタノイド元素に属する。
希土類元素は化学的性質が互いに類似することが特徴の1つに挙げられる。希土類元素に属する元素のうち,性質が若干異なるスカンジウム等以外の元素は,イオン吸着鉱等の同じ鉱石中に共存している。そして,前述の通りこれらの元素は化学的性質が似ていることから,各々を単体として分離することが大変難しく,混合物の状態で利用されることも多い。
セリウムは希土類元素の中でも異質であり,水溶液中では3価と4価の原子価をとる。水溶液中における4価のセリウムから3価のセリウムへの還元反応に関する還元電位は約1.6〜1.7Vと非常に大きいことが知られている。このため,4価のセリウムの水溶液は強力な酸化試薬として,有機合成を始めとした様々な分野において利用されている。また,近年では,水分子から水素・酸素ガスを生成させるような触媒反応の研究においても,金属触媒を活性化させるための強力な酸化剤として4価のセリウム水溶液が多用されている。このように4価のセリウム水溶液は多分野にわたって有用な原料であり,その利用価値は非常に高いものである。
4価のセリウムを含有する溶液としては,4価のセリウムの硫酸塩水溶液や硝酸塩水溶液等が知られている。これらの水溶液においては,4価の状態を安定的に維持させるために,水溶液のpHを4以下,好ましくは2以下に保つ必要がある。pHを所定の範囲に保つための簡便な方法としては,適量過剰の硝酸や硫酸を水溶液中に存在させることが知られている。水溶液のpHが4より大きくなって塩基性側に寄ると,水酸化セリウムなどの固形物が析出しやすくなるため,工業的規模で4価のセリウム塩水溶液をpH4以上で扱うには注意が必要である。また,セリウムイオンを含む溶液を調製するにあたっては,セリウム塩の希薄溶液を別の原料液に所定量添加してセリウムイオンを含む溶液を調製することが行われている。しかし,酸性領域のセリウムイオンを含む溶液を水で希釈すると,pHが塩基性側に近づくため,これにより,水酸化セリウムなどが析出することがあり,均一な溶液が得られないという問題もある。特に,セリウムイオンを含む溶液を加熱する場合は,その析出が促進されるので注意を要する。
セリウムイオンを含む溶液やその製造方法についてはこれまでにも種々提案されている。例えば,特許文献1には,4価のセリウム化合物を含む水溶液にアンモニア水を添加することにより溶液を中性又はアルカリ性に調整し,これを熱処理して得た固形分を水に分散させることで酸化セリウム研磨剤を調製することが開示されている。この製造方法では,4価のセリウム化合物として,硫酸セリウム,硫酸アンモニウムセリウム,硝酸アンモニウムセリウムなどのセリウム塩を用いており,これらを溶解することで4価のセリウムイオンを含む溶液を調製している。
また,特許文献2には,0.05〜0.2mol/Lの3価セリウム塩水溶液を所定の温度で撹拌しつつ,尿素水溶液を添加して反応させることで,塩基性炭酸セリウムを製造することが開示されている。
さらに,特許文献3には,セリウム(III)化合物と,3個以上の配位部位を持つ還元性有機酸とを反応させる工程により,3価セリウム塩を製造する方法が開示されている。そして,この特許文献3には,酢酸セリウム(III)のような3価のセリウムイオンを有する水溶液を調製すると,比較的短時間のうちに3価のセリウムイオンが4価のセリウムイオンに酸化されることが開示されている。
特許文献4には,3価のセリウムイオンと,酸性域で還元作用を有する非有機酸物質とを含有する3価のセリウムイオン含有溶液が開示されている。
特開平9−270402号公報 特開2000−159521号公報 特開2004−307343号公報 特開2006−327839号公報
上記のように,セリウムイオンを含むセリウム溶液やその製造方法について開発が盛んに行われているものの,4価のセリウム溶液を弱アルカリ性又はアルカリ性領域で安定して存在させる技術の開発はなされていない。上記特許文献のように,安定性に優れるセリウムイオン含有溶液については種々提案されているものの,いずれも水溶液をアルカリ性にすると酸化セリウム粒子の白色沈殿が生じる。これは,特許文献3にも開示されているように,水溶液中において4価のセリウムイオンは,水と容易に反応して水酸化セリウム(IV)又は酸化セリウム(IV)に変化して不溶化するからである。
また,4価のセリウム溶液は,従来,アルカリ領域では不安定であるので,これを原料として使用する場合や長期間にわたって貯蔵する場合などには,pH等の管理には充分に注意を払う必要があった。このように4価のセリウム溶液はアルカリ領域での安定性が悪いために,その濃度を高くすることもできず,工業的に汎用できるような濃度にも至っていなかった。以上のように,4価のセリウム溶液は種々の分野で利用価値が高いが,工業的に汎用できる濃度においてアルカリ性領域でも安定な溶液状態を維持できる4価のセリウム溶液の開発はなされていないのが現状である。
本発明は,上記に鑑みてなされたものであり,アルカリ性領域においても安定な溶液状態を維持することができ,しかも,高濃度であっても析出物が生じにくい4価のセリウム含有溶液及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は,上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果,セリウム含有溶液に酸化剤を共存させることにより,上記目的を達成できることを見出し,本発明を完成するに至った。
即ち,本発明は,下記のセリウム含有溶液及びその製造方法に関する。
1.炭酸イオン,一価のカチオン,4価のセリウムイオン及び酸化剤を含むことを特徴とするセリウム含有溶液。
2.前記一価のカチオンがアンモニウムイオンを含む,上記項1に記載するセリウム含有溶液。
3.pHが7以上である,上記項1又は2に記載のセリウム含有溶液。
4.前記4価のセリウムイオンが酸化物換算で0.5重量%以上含まれる,上記項1〜3のいずれか1項に記載のセリウム含有溶液。
5.前記酸化剤が過酸化水素,無機過酸化物,過酸塩及びハロゲン原子を含む酸化性の化合物の群から選択される少なくとも1種又は2種以上である,上記項1〜4のいずれか1項に記載のセリウム含有溶液。
6.前記酸化剤が過酸化水素,ペルオキソホウ酸ナトリウム及びペルオキソ炭酸ナトリウムの群から少なくとも1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする上記項5に記載のセリウム含有溶液。
7.以下の(1)〜(5)の工程:
(1)アンモニウムイオン含有アルカリ水溶液及び水の少なくとも一方と,セリウム化合物とを含む原料液を調製する第1工程,
(2)前記第1工程で調製した原料液と,炭酸塩及び炭酸水素塩の少なくとも一方とを混合して混合液を調製する第2工程,
(3)前記第2工程で調製した混合液を10〜50℃で10〜60分間にわたって撹拌する第3工程,
(4)前記第3工程において加熱した混合液に酸化剤を配合する第4工程,
(5)前記第4工程で調製した溶液を30〜50℃で30分〜15時間にわたってエージングすることでセリウム含有溶液を得る第5工程,
を備えることを特徴とする上記項1〜6のいずれか1項に記載のセリウム含有溶液の製造方法。
本発明に係るセリウム含有溶液によれば,弱アルカリ性もしくはアルカリ性領域であっても析出物が生じにくく,安定な溶液の状態を維持することができる。また,本発明に係るセリウム含有溶液によれば,セリウム含有溶液のセリウムイオンの濃度が高くても,析出物が生じにくく,均質な溶液状態を維持できる。そのため,従来では4価のセリウム溶液を使用するにあたって,酸性又は中性領域に溶液を調整しなければならなかったのに対し,本発明のセリウム含有溶液では溶液安定性を維持するためのpH調整が不要となり,工業的汎用性が格段に広がる。
また,本発明に係るセリウム含有溶液の製造方法によれば,弱アルカリ性もしくはアルカリ性領域でも溶液の安定性に優れ,しかも,濃度が高くても,析出物が生じにくいセリウム含有溶液を容易に製造することができる。
本発明のセリウム含有溶液を製造する工程の一例を説明するための概略フローシートである。
以下,本発明の実施形態について詳細に説明する。尚,本明細書における「%」は,特段の断りがない場合,「重量%(又は質量%)」のことを示す。
1.セリウム含有溶液
本発明のセリウム含有溶液は,炭酸イオン,一価のカチオン,4価のセリウムイオン及び酸化剤を含む。このような各成分を含有するセリウム含有溶液は,弱アルカリ性もしくはアルカリ性領域であっても水酸化セリウム(IV)や酸化セリウム(IV)等の析出物が生じにくく,安定な溶液の状態を維持することができる。また,セリウム含有溶液の濃度が高くても,上記の析出物等が生じにくく,均質な溶液状態を維持できる。
セリウム含有溶液の溶媒は限定的ではなく,工業的には水やエタノールが一般的であるが,その他のアルコールや有機溶媒であってもよいし,水とその他の溶媒の混合溶媒であってもよい。
炭酸イオンをセリウム含有溶液に導入するための原料としては,通常,溶媒に溶解して炭酸イオンに電離する化合物又はその水溶液が挙げられる。このような炭酸イオン源となる原料としては,例えば,炭酸塩や炭酸水素塩が挙げられ,具体的には,炭酸アンモニウム,炭酸水素アンモニウム(重炭酸アンモニウム),炭酸ナトリウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸セシウム及びこれらの水溶液からなる群より選択される1種又は2種以上が例示される。
一価のカチオンは特に限定されないが,アンモニウムイオン(NH ),ナトリウムイオン(Na),カリウムイオン(K),リチウムイオン(Li),銀イオン(Ag),銅(I)イオン(Cu),ルビジウムイオン(Rb),セシウムイオン(Cs)等が例示されるが,これらに限定されない。これらの中でもアンモニウムイオン,ナトリウムイオン,カリウムイオン,ルビジウムイオン,セシウムイオンが好ましい。
セリウム含有溶液に含まれる一価のカチオンは,1種のみであってもよいし,2種以上であってもよい。一価のカチオンがセリウム含有溶液に2種以上含まれる場合,その組み合わせは特に限定されないが,例えば,ナトリウムイオンとアンモニウムイオンとの組み合わせが挙げられる。
一価のカチオンをセリウム含有溶液に導入するための原料としては,通常,溶媒に溶解して一価のカチオンに電離する化合物又はその水溶液が挙げられる。このような一価のカチオン源となる原料としては,例えば,上述した炭酸塩や炭酸水素塩が挙げられ,その他,塩化物,過塩素酸塩,硫酸塩,硝酸塩及びこれらの水溶液等からなる群より選択される1種又は2種以上が例示される。
例えば,一価のカチオンが,アンモニウムイオン(NH )であれば,塩化アンモニウム,過塩素酸アンモニウム,硫酸アンモニウム,硝酸アンモニウム,炭酸アンモニウム,アンモニア及びこれらの水溶液等からなる群より選択される1種又は2種以上が例示される。
4価のセリウムイオンをセリウム含有溶液に導入するための原料としては,各種のセリウム化合物又はこれらのセリウム化合物の水溶液等が挙げられる。セリウム化合物としては,炭酸セリウム,硫酸セリウム,硫酸アンモニウムセリウム及び硝酸セリウム等からなる群より選択される1種又は2種以上が例示される。
酸化剤は,試薬用や工業用として市販されているものが使用され得る。好ましい酸化剤としては,過酸化水素,無機過酸化物,過酸塩及びハロゲン原子を含む酸化性の化合物の群から選択される少なくとも1種又は2種以上が例示される。
上記無機過酸化物としては,過酸化リチウム,過酸化ナトリウム,過酸化バリウム,過酸化カルシウム,過酸化ジルコニウム等が例示される。上記過酸塩としては,ペルオキシホウ酸塩,過硫酸塩,過炭酸塩,過リン酸塩,次過塩素酸塩,過酢酸塩等が例示される。上記ハロゲン原子を含む酸化性の化合物としては,次亜ハロゲン酸塩,亜ハロゲン酸塩,ハロゲン酸塩等の化合物が例示され,特に,次亜塩酸ナトリウム,亜塩酸ナトリウム等が例示される。上記列挙した酸化剤は,粉末,顆粒等の固体の状態で使用してもよいし,水等の溶媒に溶解した溶液の状態で使用してもよい。
さらに好ましい酸化剤としては,過酸化水素,ペルオキソホウ酸ナトリウム及びペルオキソ炭酸ナトリウムからなる群より選択される1種又は2種以上が例示される。このような酸化剤がセリウム含有溶液に含まれる場合は,セリウム含有溶液に析出物等が発生するのをより防止しやすい。
セリウム含有溶液は,室温において幅広いpH領域に調整することができる。特に,室温においてセリウム含有溶液のpHが7以上であることが好ましく,このようなpH領域においてセリウム含有溶液は安定に存在する。すなわち,長期間にわたってセリウム含有溶液を貯蔵したとしても,セリウム含有溶液に析出物が生じにくく,均一な溶液の状態が維持される。セリウム含有溶液の室温におけるpHは8以上であることが特に好ましい。
セリウム含有溶液に含まれる4価のセリウムイオンは,酸化物換算でセリウム含有溶液の全量に対し0.5重量%以上であることが好ましい。ここでいう酸化物換算は,酸化セリウム換算である。4価のセリウムイオンが上記含有量であれば,溶液中に4価のセリウムイオンが充分な量で含まれているので,セリウム含有溶液は有機化合物の合成用の原料等に使用してもその機能を充分に発揮させることができる。特に,セリウム含有溶液に含まれる4価のセリウムイオンは,セリウム含有溶液の全量に対し,酸化物換算で1.0重量%以上がより好ましく,3.0重量%以上であることがさらに好ましい。セリウム含有溶液に含まれる4価のセリウムイオンの含有量の上限値は特に限定的ではなく,酸化物換算で12重量%で飽和状態となるが,セリウム含有溶液の安定性を維持する観点から酸化物換算で5重量%であることが好ましい。
上記のようにセリウム含有溶液は一価のカチオン,炭酸イオン及び酸化剤を少なくとも含んでいる。酸化剤の作用により炭酸セリウム等の3価のセリウムイオンが4価となる。そして,この4価のセリウムイオンと,アンモニウムイオン及び炭酸イオンとが錯体を形成して安定化され,セリウムイオンが水酸化セリウム(IV)又は酸化セリウム(IV)に化学変化することが抑制されると考えられる。そのため,従来のセリウム含有溶液であれば上記化学変化により,溶液中に水酸化セリウム(IV)又は酸化セリウム(IV)等が沈殿物として析出していたのに対し,本発明のセリウム含有溶液では,上記化学変化が抑制されるので,その析出物が発生しにくい。特に,従来は析出物の発生を防止することが困難であった弱アルカリ性もしくはアルカリ性領域においても析出物が生じにくい。
従って,セリウム含有溶液を長期にわたって貯蔵したり,あるいは,この溶液を加熱や希釈したりする際に,従来のように酸性領域へのpH調整を行わなくても,セリウム含有溶液を均一な状態に維持することができる。また,セリウム含有溶液の安定性が高いことで,4価のセリウムイオンの濃度が高くても,溶液中に上記析出物が発生しにくい。そのため,高濃度の4価のセリウムイオン含有溶液を調製することも可能であり,工業的汎用性が格段に広がる。
本発明のセリウム含有溶液は,強力な酸化試薬として,各種の有機合成において利用することができ,酸化セリウムおよびセリウム含有複合酸化物の製造原料(例えば,排ガス浄化自動車触媒の助触媒や研磨剤用途など),セリウムゾル及びセリウム含有ゾルの製造原料,セリウム含有無機及び有機化合物の製造原料,その他,酸化試薬等として好適に利用することができる。
尚,セリウム含有溶液には,上記効果が阻害されない程度であれば,その他の添加剤等が含まれていてもよい。
2.セリウム含有溶液の製造方法
上記セリウム含有溶液は,以下の(1)〜(5)に記載の第1工程〜第5工程を有する工程を経ることで製造することができる。
(1)アンモニウムイオン含有アルカリ水溶液及び水の少なくとも一方と,セリウム化合物とを含む原料液を調製する第1工程,
(2)前記第1工程で調製した原料液と,炭酸塩及び炭酸水素塩の少なくとも一方とを混合して混合液を調製する第2工程,
(3)前記第2工程で調製した混合液を10〜50℃で10〜60分間にわたって撹拌する第3工程,
(4)前記第3工程において加熱した混合液に酸化剤を配合する第4工程,
(5)前記第4工程で調製した溶液を30〜50℃で30分〜15時間にわたってエージングすることでセリウム含有溶液を得る第5工程。
図1には,セリウム含有溶液を製造する工程の一例を説明するための概略フローシートを示している。
第1工程では,アンモニウムイオン含有アルカリ水溶液及び水の少なくとも一方(以下「媒体」と略記する)と,セリウム化合物とを含む原料液を調製する。
上記アンモニウムイオン含有アルカリ水溶液としては,特に制限はされないが,例えば,アンモニア水,炭酸アンモニウム水溶液,炭酸水素アンモニウム水溶液等が例示され,これらは1種又は2種以上を併用することが可能である。アンモニウムイオン含有アルカリ水溶液の濃度は特に制限はないが,例えば,10〜30%とすることができる。
上記水としては,純水,イオン交換水,蒸留水,各種精製水等を使用できる。
第1工程でアンモニウムイオン含有アルカリ水溶液を使用する場合,生成するセリウム含有溶液に含まれる一価のカチオンはアンモニウムイオンを含有する。
上記セリウム化合物としては,上述した4価のセリウムイオン源となる各種のセリウム化合物と同様の化合物を使用することができる。
第1工程において,上記媒体とセリウム化合物とを配合するにあたっては,例えば,上記媒体を撹拌しながらセリウム化合物を添加することができる。上記媒体を撹拌するための撹拌機や撹拌回転数等は特に限定されない。
上記第1工程で得られた原料液は,上記媒体中にセリウム化合物が分散している。この原料液においてセリウム化合物の固形分濃度は,上記媒体とセリウム化合物の全量に対し,5〜50%にすることが好ましく,15〜40%にすることがより好ましく,20%〜35%にすることが特に好ましい。原料液の固形分濃度が15%以上であれば,セリウム溶液を得る効率の低下を防止しやすい。また,原料液の固形分濃度が40%以下であれば,撹拌が困難となりにくく,均一な分散液を調製しやすい。
第2工程では,前記第1工程で調製した原料液と,炭酸塩及び炭酸水素塩の少なくとも一方(以下「炭酸イオン含有アルカリ化合物」略記する)とを混合して混合液を調製する。
上記炭酸イオン含有アルカリ化合物としては,炭酸アンモニウム,炭酸水素アンモニウム,炭酸ナトリウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸ルビジウム,炭酸セシウム等からなる群より選択される1種又は2種以上が好ましい。また,これらの化合物は,固体状態で用いてもよいし,水溶液の状態で用いてもよい。
上記炭酸イオン含有アルカリ化合物を使用することで,生成するセリウム含有溶液に一価のカチオンを導入することができる。例えば,炭酸イオン含有アルカリ化合物として炭酸アンモニウムを使用すれば,生成するセリウム含有溶液は一価のカチオンとしてアンモニウムイオンを含有し,炭酸イオン含有アルカリ化合物として炭酸水素ナトリウムを使用すれば,生成するセリウム含有溶液は一価のカチオンとしてナトリウムイオンを含有する。
上記炭酸イオン含有アルカリ化合物は,第1工程で得た原料液を撹拌した状態で添加することができる。使用する撹拌機や撹拌回転数等は特に限定されない。炭酸イオン含有アルカリ化合物を添加するにあたっての原料液の温度は10〜40℃に保持することが好ましい。この温度範囲であれば,次の第3工程に速やかに移ることができ,また,原料液の温度が40℃を超えなければ,二酸化炭素及びアンモニアの外気放出や水分量の減少による濃度変化のおそれがないので,原料液に悪影響を及ぼすおそれもない。上記温度は,25〜35℃であればより好ましい。
上記原料液に対する炭酸イオン含有アルカリ化合物の配合量は特に限定されないが,第1工程で得た原料液100重量部に対し,炭酸イオン含有アルカリ化合物を10〜150重量部とすることができ,好ましくは50〜100重量部とすることができる。
第3工程では,上記の第2工程で調製した混合液を10〜50℃で10〜60分間にわたって撹拌する。この撹拌によって混合液中に均一に炭酸イオン含有アルカリ化合物が分散される。
第3工程における加熱温度が10℃未満であると,炭酸イオン含有アルカリ化合物が充分に分散されずに均一な混合物が得にくくなり,50℃を超過すると,第2工程で調製した混合液のイオン濃度が変化し,溶液の安定性が低下するおそれがある。特に,加熱温度は20℃〜40℃がより好ましく,この場合,沈殿物の残存や溶液の濃度変化をより抑制しやすくなる。特に好ましい加熱温度は25〜35℃である。
また,第3工程における撹拌処理の時間が10分未満であると,第2工程で調製した混合液と,炭酸イオン含有アルカリ化合物とが均一に混ざらず,以降の工程において不溶解物が析出する場合がある。また,撹拌の時間が60分を超過すると,水分等の蒸発により混合液のイオン濃度が変化して溶液の安定性が低下するなど,所望の物性のセリウム含有溶液が得られない場合がある。撹拌の時間は15〜40分であることがより好ましく,この場合,上記の沈殿物の析出及び物性の変化をさらに抑制できる。特に好ましい撹拌の時間は15〜20分である。
第4工程では,上記の第3工程において加熱した混合液に酸化剤を配合させる。この工程により,酸化剤を含有する溶液が調製される。第4工程における酸化剤の添加により炭酸セリウム中の3価のセリウムが4価のセリウムとなる。この4価のセリウムは,アンモニウムイオン及び炭酸イオンと反応して別の水溶性の物質(例えば,炭酸ジルコニウムアンモニウムのような錯体)になると推測される。
酸化剤としては特に限定されないが,上述したように,過酸化水素,無機過酸化物,過酸塩及びハロゲン原子を含む酸化性の化合物の群から選択される少なくとも1種又は2種以上であることが好ましい。酸化剤は,例えば,過酸化水素水のように水溶液の状態として添加することができる。
酸化剤を配合するにあたっては,溶液を撹拌した状態で酸化剤を添加することが好ましい。このときに使用する撹拌機や撹拌回転数等は特に限定されない。また,酸化剤を溶液に添加する際,溶液を30〜60℃に加温してその状態で保持しておくことが好ましい。溶液を30℃以上としておけば,溶液中に沈殿物等が発生するのを抑制しやすく,また,60℃以下としておけば,溶液の水分が蒸発して溶液の物性が変化するのを抑制しやすくなる。溶液の温度は40〜50℃に保持しておくことがより好ましい。
酸化剤の配合量は特に制限されないが,例えば,第3工程で得た溶液100重量部に対し,酸化剤を0.1〜25重量部とすることができる。
第5工程では,前記第4工程で調製した溶液を30〜50℃で30分〜15時間にわたってエージングする。この工程を経ることでセリウム含有溶液を得られる。
第5工程において,溶液温度を30℃未満にしてエージングを行うと,使用する炭酸セリウム化合物の粒子径等によっては酸化剤を添加した際に反応が充分に進行せず未溶解残渣ができる。また,50℃を超過してエージングを行うと,過度にエージングが進む結果,二酸化炭素やアンモニアガスの放出により反応物が分解され,酸化セリウムや水酸化セリウムに変化することがあるので,安定した4価のセリウム含有溶液を得ることができない。エージングを行う際の溶液の温度は35〜45℃であることがより好ましく,この場合,沈殿物の発生や過度のエージングの進行をさらに抑制できる。
また,第5工程において,エージングを行う時間が30分未満であると,使用する炭酸セリウム化合物の粒子径等によっては酸化剤を添加した際に反応が充分に進行せず未溶解残渣ができる。また,エージングを行う時間が15時間以上であると水分,アンモニア成分及び二酸化炭素が溶液から外気に放出され,安定な4価のセリウム溶液を得ることができない。エージングを行う時間は,30分〜10時間であることがより好ましい。
上記のようにセリウム含有溶液は,第1工程〜第5工程を具備する工程を経ることによって製造することができる。このような製造方法によれば,セリウム含有溶液を簡便に製造することができる。しかも,4価のセリウムイオンを溶液中に析出させないように製造することが可能となるので,セリウム含有溶液の収率が高く,生産効率に優れる製造方法である。そして,上記のような方法で製造されたセリウム含有溶液は,弱アルカリ性もしくはアルカリ性領域でも溶液の安定性に優れ,しかも,濃度が高くても,析出物が生じにくい。従って,上記方法で製造されたセリウム含有溶液は,強力な酸化試薬として,各種の有機合成において利用することができ,特に,酸化セリウムおよびセリウム含有複合酸化物の製造原料(例えば,排ガス浄化自動車触媒の助触媒や研磨剤用途など),セリウムゾル及びセリウム含有ゾルの製造原料,セリウム含有無機及び有機化合物の製造原料,その他,酸化試薬等として好適に利用することができる。
以下,実施例により本発明をより具体的に説明するが,本発明はこれら実施例の態様に限定されるものではない。
(実施例1)
後掲の表1に示す配合割合にてセリウム含有溶液を製造した。まず,水100重量部と,25%濃度のアンモニア水(和光純薬工業株式会社製)100重量部とを混合してアンモニウムイオン含有アルカリ水溶液を調製した。このアルカリ水溶液を撹拌しながら,3価の炭酸セリウム(第一稀元素化学工業株式会社製)100重量部を添加し,アルカリ水溶液中に炭酸セリウムが分散してなる原料液を調製した。
次に,上記原料液を25℃に保持して撹拌しながら,炭酸イオン含有アルカリ化合物である重炭酸アンモニウム(日産化学工業社製)を150重量部添加することにより混合液を調製し(第2工程),その後30℃で20分間にわたって撹拌を続けた(第3工程)。
次いで,上記のように調製した混合液を撹拌しながら,混合液の温度が45℃になるまで加熱をし,この温度で20分間保持した。その後,混合液の温度を45℃に保持しつつ,酸化剤である30%過酸化水素水(和光純薬工業株式会社製)を50重量部添加してさらに撹拌を続けた(第4工程)。
次に,上記のように過酸化水素水を添加した溶液を撹拌しながら35℃に保持し,この温度にて180分間保持することにより溶液をエージング処理して(第5工程),セリウム含有溶液を得た。
(実施例2)
水,アンモニア水,炭酸セリウム,重炭酸アンモニウム及び酸化剤の配合量を後掲の表1のようにし,第3工程において20℃で40分間にわたって攪拌を続けたこと以外は,実施例1と同様の方法でセリウム含有溶液を得た。
(実施例3〜11,比較例1)
水,アンモニア水,炭酸セリウム,重炭酸アンモニウム及び酸化剤の配合量を後掲の表1のようにしたこと以外は,実施例1と同様の方法でセリウム含有溶液を得た。尚,実施例10では,酸化剤を過酸化水素水でなくペルオキソホウ酸ナトリウムとし,実施例11では,酸化剤を過酸化水素水でなくペルオキソ炭酸ナトリウムとした。また,比較例1では,酸化剤を使用せずにセリウム含有溶液を得た。
(実施例12)
後掲の表1に示す配合割合にてセリウム含有溶液を製造した。まず,水900重量部に対し3価の炭酸セリウム(第一稀元素化学工業株式会社製)100重量部を添加し,水中に炭酸セリウムが分散してなる原料液を調製した。
次に,上記原料液を25℃に保持して撹拌しながら,炭酸イオン含有アルカリ化合物である炭酸ナトリウム(シグマアルドリッチ社製)を120重量部添加することにより混合液を調製し,その後30℃で20分間にわたって撹拌を続けた。
次いで,上記のように調製した混合液を撹拌しながら,混合液の温度が45℃になるまで加熱をし,この温度で20分間保持した。その後,混合液の温度を45℃に保持しつつ,酸化剤である30%過酸化水素水(和光純薬工業株式会社製)を50重量部添加してさらに撹拌を続けた。
次に,上記のように過酸化水素水を添加した溶液を撹拌しながら35℃に保持し,この温度にて180分間保持することにより溶液をエージング処理して,セリウム含有溶液を得た。
(実施例13,14)
炭酸イオン含有アルカリ化合物の種類,並びに,水,炭酸セリウム,炭酸イオン含有アルカリ化合物及び酸化剤の配合量を後掲の表1のようにしたこと以外は,実施例12と同様の方法でセリウム含有溶液を得た。
(実施例15)
25%濃度のアンモニア水(和光純薬工業株式会社製)400重量部に対し3価の炭酸セリウム(第一稀元素化学工業株式会社製)100重量部を添加し,アンモニア水中に炭酸セリウムが分散してなる原料液を調製した。
次に,上記原料液を25℃に保持して撹拌しながら,炭酸イオン含有アルカリ化合物である炭酸ナトリウム(シグマアルドリッチ社製)を200重量部添加することにより混合液を調製し,その後30℃で20分間にわたって撹拌を続けた。
次いで,上記のように調製した混合液を撹拌しながら,混合液の温度が45℃になるまで加熱をし,この温度で20分間保持した。その後,混合液の温度を45℃に保持しつつ,酸化剤である30%過酸化水素水(和光純薬工業株式会社製)を50重量部添加してさらに撹拌を続けた。
次に,上記のように過酸化水素水を添加した溶液を撹拌しながら35℃に保持し,この温度にて180分間保持することにより溶液をエージング処理して,セリウム含有溶液を得た。
(実施例16)
水300重量部と,25%濃度のアンモニア水(和光純薬工業株式会社製)100重量部とを混合してアンモニウムイオン含有アルカリ水溶液を調製した。このアルカリ水溶液を撹拌しながら,3価の炭酸セリウム(第一稀元素化学工業株式会社製)100重量部を添加し,アルカリ水溶液中に炭酸セリウムが分散してなる原料液を調製した。
次に,上記原料液を25℃に保持して撹拌しながら,炭酸イオン含有アルカリ化合物である炭酸ナトリウム(シグマアルドリッチ社製)を100重量部添加することにより混合液を調製し,その後30℃で20分間にわたって撹拌を続けた。
次いで,上記のように調製した混合液を撹拌しながら,混合液の温度が45℃になるまで加熱をし,この温度で20分間保持した。その後,混合液の温度を45℃に保持しつつ,酸化剤である30%過酸化水素水(和光純薬工業株式会社製)を50重量部添加してさらに撹拌を続けた。
次に,上記のように過酸化水素水を添加した溶液を撹拌しながら35℃に保持し,この温度にて180分間保持することにより溶液をエージング処理して,セリウム含有溶液を得た。
上記実施例1〜16で得られたセリウム含有溶液は,いずれも暗赤褐色に呈色していたのに対し,比較例1で得られたセリウム含有溶液は,透明感のあるオレンジ色に呈色しており,未溶解の残渣が多く見られた。比較例1では,溶液中に存在するセリウムイオンのうち,4価のセリウムイオンが占める割合が少ないためである。
表2には,実施例1〜16及び比較例1で得たセリウム含有溶液中のセリウムの含有量,セリウム含有溶液のpH,並びにセリウム含有溶液の比重を示している。セリウムの含有量については,酸化セリウム換算値で示している。尚,セリウムの含有量は,塩酸酸性下におけるキレート滴定法により算出し,この滴定により算出された酸化セリウム含有量(CeO)を4価のセリウムの含有量とした。
比較例1で得られたセリウム含有溶液中のセリウム含有量は,各実施例で得られたセリウム含有溶液に比べて少ないことがわかる。これは,比較例1のセリウム含有溶液では酸化剤を含有していないため,アルカリ領域では使用した炭酸セリウム(セリウム原料)の価数が変化することなく溶解しなかったことが理由であると考えられる。また,比較例1で得られたセリウム含有溶液は,実施例1〜16と異なり,透明感のあるオレンジ色に呈色しており,溶液量および濃度から概算すると,使用した炭酸セリウムの9割程度が残渣として存在していると推察される。
一方で,実施例1〜16では,酸化剤を含有しているのでアルカリ領域でも4価のセリウムが安定に存在できるため,セリウム含有溶液中の4価のセリウムが多く存在しているといえる。特に,実施例1〜16においては,セリウムに対して過剰量の酸化剤を使用していること,並びに溶液の色が暗赤褐色に呈していることを考慮すると,原料として使用した炭酸セリウム(液中のセリウムイオン)はすべて4価になったと考えることができる。
また,表1に示すように,一価のカチオン種がアンモニウムイオン(実施例1〜11),ナトリウムイオン(実施例12),カリウムイオン(実施例13),セシウムイオン(実施例14)のいずれであっても,目的とするセリウム含有溶液が得られていることがわかる。従って,セリウム含有溶液に含まれる一価のカチオン種に依存することなく,セリウム含有溶液の安定性は優れることがわかる。さらに,実施例15,16から,一価のカチオンが複数含まれていてもセリウム含有溶液の安定性が優れていることも示された。
Figure 2015187069
Figure 2015187069
本発明のセリウム含有溶液は,4価のセリウムイオンの濃度が高くても,溶液中に析出物が発生しにくく,また,貯蔵性にも優れるので工業的汎用性が格段に広がる。従って,上記方法で製造されたセリウム含有溶液は,強力な酸化試薬として,各種の有機合成において利用することができ,特に,酸化セリウムおよびセリウム含有複合酸化物の製造原料(例えば,排ガス浄化自動車触媒の助触媒や研磨剤用途など),セリウムゾル及びセリウム含有ゾルの製造原料,セリウム含有無機及び有機化合物の製造原料,その他,酸化試薬等として好適に利用することができる。

Claims (7)

  1. 炭酸イオン,一価のカチオン,4価のセリウムイオン及び酸化剤を含むことを特徴とするセリウム含有溶液。
  2. 前記一価のカチオンがアンモニウムイオンを含む,請求項1に記載するセリウム含有溶液。
  3. pHが7以上である,請求項1又は2に記載のセリウム含有溶液。
  4. 前記4価のセリウムイオンが酸化物換算で0.5重量%以上含まれる,請求項1〜3のいずれか1項に記載のセリウム含有溶液。
  5. 前記酸化剤が過酸化水素,無機過酸化物,過酸塩及びハロゲン原子を含む酸化性の化合物の群から選択される少なくとも1種又は2種以上である,請求項1〜4のいずれか1項に記載のセリウム含有溶液。
  6. 前記酸化剤が過酸化水素,ペルオキソホウ酸ナトリウム及びペルオキソ炭酸ナトリウムの群から少なくとも1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする請求項5に記載のセリウム含有溶液。
  7. 以下の(1)〜(5)の工程:
    (1)アンモニウムイオン含有アルカリ水溶液及び水の少なくとも一方と,セリウム化合物とを含む原料液を調製する第1工程,
    (2)前記第1工程で調製した原料液と,炭酸塩及び炭酸水素塩の少なくとも一方とを混合して混合液を調製する第2工程,
    (3)前記第2工程で調製した混合液を10〜50℃で10〜60分間にわたって撹拌する第3工程,
    (4)前記第3工程において加熱した混合液に酸化剤を配合する第4工程,
    (5)前記第4工程で調製した溶液を30〜50℃で30分〜15時間にわたってエージングすることでセリウム含有溶液を得る第5工程,
    を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のセリウム含有溶液の製造方法。
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