JP2015187058A - 積層造形用粉末材料、積層造形セット、及び積層造形物の製造方法 - Google Patents

積層造形用粉末材料、積層造形セット、及び積層造形物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生体内に移植しても非吸収性のハイドロキシアパタイトへの転移が少なく、細胞毒性がなく、複雑な立体形状の積層造形物を、簡便かつ効率良く、高強度で寸法精度良く製造し得る積層造形用粉末材料の提供。
【解決手段】リン酸カルシウム粉末を含有してなる積層造形用粉末材料であって、下記A)又はB)を満たし、かつ前記積層造形用粉末材料を硬化させてなる硬化物のハイドロキシアパタイト(HAp)転移率が1%以下である積層造形用粉末材料である。
A)前記リン酸カルシウム粉末表面に、リン酸基もしくはカルボキシル基を有する有機化合物が付与され、該有機化合物の付与量が10,000ppm以下である。
B)リン酸基もしくはカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末を更に含み、該有機化合物の前記リン酸カルシウム粉末に対する混合量が50質量%以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層造形用粉末材料、積層造形セット、及び積層造形物の製造方法に関する。
従来より、人工骨はステンレス、チタン合金等の金属材料、耐摩耗性のプラスチック等から作られ骨置換術に使われてきた。これらの人工骨は機能不全の関節機能を代行するものであるが、金属材料や耐摩耗性プラスチックは、磨耗や腐食、膨潤等の経時変化を起こすため、長期間使用することができない問題点があった。それに代わる材料として、リン酸カルシウムをベースとしたセラミックスが挙げられる。現在、骨形成の足場を提供するものや、それ自体が骨に経時的に吸収されつつ、新生骨の形成を促進し、将来的に骨置換されるものが知られている。
骨形成の足場を提供する骨補填材としては、例えば、ハイドロキシアパタイト等の骨組織との親和性に優れ、骨組識と介在物なしに直接結合するものが多く使用されている。このような骨補填材を骨欠損部に埋入することにより、骨補填材を足場として速やかに骨修復が行われるが、ハイドロキシアパタイト単独では骨置換が起きないため、残存したハイドロキシアパタイトが生体内で不具合を生じさせる可能性も考えられる。一方、骨置換される骨補填材は、骨組識に埋入することによって骨組織の造骨作用を促進し、骨修復を容易に、かつより速やかに行わせることができる。
このような骨置換される骨補填材の材料としては、例えば、リン酸三カルシウムが知られている。前記リン酸三カルシウムが骨組織に吸収される度合は、前記リン酸三カルシウムの成形体の形状及び形態に依存する。即ち、多孔質体は形態的に表面積が大きく、骨組織に吸収され易く、また食細胞にも貪食され易い。これに対して、緻密質体は、吸収が非常に遅く、かつ食細胞にも貪食され難い。これら形態による性質の違いを利用し、多孔質部分と緻密質部分を組み合わせることで、所望の生体適合性を発現させることが期待できる(特許文献1参照)が、いずれも負荷が大きい大腿骨に適用できるレベルの強度は有しておらず、また、所望の形状に成型加工するには多くの時間を要するのみならず、特に切削の場合には内部構造を有した繊細な加工は不可能である。
3次元CAD等で作成された立体形状データを利用して、実立体を製作する技術を総称してラピッドプロトタイピング技法(Rapid Prototyping)という。前記ラピッドプロトタイピング技法のなかで、高耐熱性粉末を材料とする成形技法を用いると、模型や木型を使わずに鋳型や中子を製作することができるため、極めて迅速な鋳物製造プロセスが実現可能となる。
前記ラピッドプロトタイピング技法は、積層造形法とも呼ばれ、物体の断面形状を積層し、3次元物体を創成するものである。また、前記ラピッドプロトタイピング技法の一種であり、材料として粉末を用いる積層法(粉末固着法)が種々提案されている(例えば、特許文献2〜6参照)。
例えば、「粉末積層法による人工骨成型方法」において、水和反応で硬化する粉体骨材を用いて粉末を積層させることにより、更に強度の高い人工骨を成型する技術が提案されている(特許文献7参照)。しかし、この提案の水和反応による硬化では十分な強度を得ることは難しく、特に大腿骨のような負荷がかかる部位においての適用は困難である。
前記粉末積層造形法は、前記のような繊細加工を行う上では有利ではあるが、前記特許文献7に記載のように、水と反応するリン酸カルシウムの場合は、生体内に移植することで非吸収性のハイドロキシアパタイトへ転移しやすい。そうすると、前述の通り、移植物が長期的に体内に残存し、不具合が発生する恐れがある。
したがって、移植物がそのまま体内で結晶転移せず、いずれ骨置換される状態のまま残存することが望まれる。
そこで、本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、生体内に移植しても非吸収性のハイドロキシアパタイトへの転移が少なく、細胞毒性がなく、複雑な立体形状の積層造形物を、簡便かつ効率良く、高強度で寸法精度良く製造し得る積層造形用粉末材料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の積層造形用粉末材料は、リン酸カルシウム粉末を含有してなる積層造形用粉末材料であって、
下記A)又はB)を満たし、
かつ前記積層造形用粉末材料を硬化させてなる硬化物のハイドロキシアパタイト(HAp)転移率が1%以下であることを特徴とする。
A)前記リン酸カルシウム粉末表面に、リン酸基もしくはカルボキシル基を有する有機化合物が付与され、該有機化合物の付与量が10,000ppm以下である。
B)リン酸基もしくはカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末を更に含み、該有機化合物の前記リン酸カルシウム粉末に対する混合量が50質量%以下である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、生体内に移植しても非吸収性のハイドロキシアパタイトへの転移が少なく、細胞毒性がなく、複雑な立体形状の積層造形物を、簡便かつ効率良く、高強度で寸法精度良く製造し得る積層造形用粉末材料を提供することができる。
図1は、本発明で用いられる粉末積層造形装置の一例を示す概略図である。 図2は、本発明で用いられる粉末積層造形装置の他の一例を示す概略図である。
(積層造形用粉末材料)
本発明の積層造形用粉末材料は、リン酸カルシウム粉末を含有してなり、当該リン酸カルシウム表面にリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物が存在するか、又は、リン酸カルシウム粉末と粉末を含有してなり、当該粉末がリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物であることを特徴とするものであり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<リン酸カルシウム粉末>
前記リン酸カルシウム粉末としては、粉末乃至粒子の形態を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、その材質としては、例えば、水酸アパタイト、炭酸アパタイト、フッ化アパタイト、β−リン酸三カルシウム(β−TCP)、α−リン酸三カルシウム(α−TCP)、リン酸四カルシウム、リン酸八カルシウム(OCP)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、骨置換される積層造形物を得る観点から、β−リン酸三カルシウム(β−TCP)、α−リン酸三カルシウム(α−TCP)、リン酸八カルシウム(OCP)が好ましい。
前記リン酸カルシウムとして、これらの材料で形成された市販品の粒子乃至粉末を使用することができる。前記市販品としては、例えば、β−TCP(太平化学産業株式会社製)、α−TCP(太平化学産業株式会社製)などが挙げられる。なお、前記リン酸カルシウムとしては、凝集性を改善する目的等から、公知の表面(改質)処理がされていてもよい。
前記リン酸カルシウム粉末の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハイドロキシアパタイト(HAp)合成で好適に用いられる沈殿法などが挙げられる。
<リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与>
前記リン酸カルシウム粉末表面に、リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物が付与される。これにより、水と反応するリン酸カルシウムを生体内に移植しても、付与されている前記有機化合物の働きにより、非吸収性のハイドロキシアパタイトへの転移が少なく、細胞毒性がなく、複雑な立体形状の積層造形物を、簡便かつ効率良く、高強度で寸法精度良く製造することができる積層造形用粉末材料が得られる。
前記付与には、リン酸カルシウム粉末表面に前記有機化合物が存在すればよく、例えば、吸着、被覆、担持、含有などの種々の態様が含まれる。
前記有機化合物としては、リン酸カルシウム中のカルシウムイオン捕獲能を有している、人体に対して無毒、そして、排泄されやすいキレート材料であることが好ましい。
前記リン酸基を有する有機化合物は、骨置換が行われるβ−リン酸三カルシウム(β−TCP)、α−リン酸三カルシウム(α−TCP)、リン酸四カルシウム、リン酸八カルシウム(OCP)などに対して好適に使用される。これらの中でも、α−リン酸三カルシウムやリン酸八カルシウムのように、水と反応することでハイドロキシアパタイトに転移してしまう材料が特に好ましい。この場合、前記有機化合物のカルシウムイオン捕獲能が弱いと、生体内に入れたとき、非吸収性のハイドロキシアパタイトへ転移してしまう恐れがあり、骨置換能が失われる恐れがある。
前記リン酸基を有する有機化合物としては、1分子当たり2個以上のリン酸基を有するものが好ましく、例えば、アレンドロン酸、エチドロン酸、フィチン酸などが挙げられる。これらの中でも、カルシウムイオン捕獲能を高めるためには、1分子当たり多くのリン酸基を有している点から、フィチン酸がより好ましい。
前記カルボキシル基を有する有機化合物としては、1分子当たり2個以上のカルボキシル基を有するものが好ましく、例えば、クエン酸などが挙げられる。
前記有機化合物の前記リン酸カルシウム粉末への付与量は、10,000ppm以下であり、1,000ppm以上10,000ppm以下が好ましく、3,000ppm以上10,000ppm以下がより好ましく、3,000ppm以上8,000ppm以下が更に好ましい。前記付与量が、1,000ppm以上であると、生体内へ移植した際、前記有機化合物によってキレート形成されていないカルシウムイオンが核となってハイドロキシアパタイトへ転移することを防止できる。一方、前記付与量が、10,000ppm以下であると、生体内へ移植した際、細胞毒性を発現することがなく、安全である。
前記リン酸基を有する有機化合物の付与量(存在量)は、公知の元素分析装置、例えば、ICPE−9000(株式会社島津製作所製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
前記カルボキシル基を有する有機化合物の付与量(存在量)は、例えば、NMR、GC−MS、LC−MSなどを用いて測定することができる。
前記リン酸カルシウム粉末への前記有機化合物の付与方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、転動流動コーティング法、スプレードライ法、撹拌混合添加法、ディッピング法、ニーダーコート法、などが好適に挙げられる。また、前記付与方法は、例えば、公知の市販の各種コーティング装置、造粒装置などを用いて実施することができる。
<リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末の混合>
前記リン酸カルシウム粉末に、リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末を混合したものを積層造形用粉末材料として用いる場合、例えば、前記積層造形用粉末材料に、水又は硬化剤含有水である硬化液がインクジェット用ヘッドより吐出され着弾することで、水に溶解した前記積層造形用粉末材料を構成するリン酸基又はカルボキシル基が前記リン酸カルシウム粉末中のカルシウムイオンと反応し、リン酸カルシウム粉末中のカルシウムイオンを封鎖することができる。このような末端封鎖リン酸カルシウムを生体内に移植しても、付与されているリン酸基又はカルボキシル基の働きにより、非吸収性のハイドロキシアパタイトへの転移が少なく、細胞毒性がなく、複雑な立体形状の積層造形物を、簡便かつ効率良く、高強度で寸法精度良く製造することができる積層造形用粉末材料が得られる。
前記リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末としては、前述のリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物を使用することができ、リン酸カルシウム粉末中のカルシウムイオン捕獲能を有している、人体に対して無毒、そして、排泄されやすいキレート材料であることが好ましく、フィチン酸、エチドロン酸、クエン酸が特に好ましい。
前記リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末は、水溶性粉末であることが好ましく、ナトリウム塩等の塩の状態では十分なキレート能が発現しないため、塩ではない状態であることが好ましい。
ここで、前記「水溶性粉末」における「水溶性」とは、溶質が水に対して常温で50質量%以上溶解することを意味する。
また、フィチン酸やエチドロン酸は常温で液体であるため、フリーズドライ、又はスプレードライなどにより粉末化されたものを用いることが好ましい。
前記リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末の前記リン酸カルシウム粉末に対する混合量は、50質量%以下であり、10質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上30質量%以下がより好ましい。前記混合量が、10質量%以上であると、生体内へ移植した際、前記有機化合物によってキレート形成されていないカルシウムイオンが核となってハイドロキシアパタイトへ転移するおそれがない。一方、前記混合量が、50質量%以下であると、生体内へ移植した際、細胞毒性を発現することがなく、安全である。
前記リン酸カルシウム粉末への前記リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末の混合方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、撹拌混合添加法などが好適に挙げられる。
<その他の成分>
前記積層造形用粉末材料が含み得る公知のその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、流動化剤、フィラー、レベリング剤、焼結助剤などが挙げられる。
前記積層造形用粉末材料が、前記流動化剤を含むと前記積層造形用粉末材料による層等を容易にかつ効率よく形成し得る点で好ましく、前記フィラーを含むと得られる硬化物(積層造形物、焼結用硬化物)に空隙等が生じ難くなる点で好ましく、前記レベリング剤を含むと前記積層造形用粉末材料の濡れ性が向上し、ハンドリング等が容易になる点で好ましく、前記焼結助剤を含むと、得られた硬化物(積層造形物、焼結用硬化物)につき焼結処理を行う場合において、より低温での焼結が可能となる点で好ましい。
−積層造形用粉末材料の物性等−
前記積層造形用粉末材料の体積平均粒径Dvは、1.5μm以上10.0μm以下が好ましく、3.0μm以上7.0μm以下がより好ましい。前記体積平均粒径Dvが、1.5μm以上であると、リン酸カルシウム粉末の自己凝集力が適正であり、積層造形物の製造効率が良好となり、取扱性やハンドリング性が向上することがある。一方、前記体積平均粒径Dvが、10.0μm以下であると、前記積層造形用粉末材料を用いて薄層を形成した際に、前記薄層における前記積層造形用粉末材料の充填率が適正であり、空隙が生じ難く、得られる積層造形物に空隙等が生じることを防止できる。
前記積層造形用粉末材料の体積平均粒径は、公知の粒径測定装置、例えば、マルチサイザーIII(コールターカウンター社製)やFPIA−3000(シスメックス株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
前記積層造形用粉末材料の体積平均粒径Dvと数平均粒径Dnとの比である粒度分布Dv/Dnは、1.10以上1.80以下が好ましく、1.10以上1.40以下がより好ましい。前記粒度分布Dv/Dnが、1.10以上であると、前記積層造形用粉末材料を用いて薄層を形成した際に、前記薄層における前記積層造形用粉末材料の充填率が適正であり、空隙が生じ難く、得られる積層造形物に空隙等が生じることを防止できる。一方、前記粒度分布Dv/Dnが、1.80以下であると、粗大粒子が薄い積層造形用粉末材料層を形成する上でノイズとなることがなく、微細粉が少なく、自己凝集を促進することがない。
前記積層造形用粉末材料の粒度分布Dv/Dnは、公知の粒径測定装置、例えば、マルチサイザーIII(コールターカウンター社製)、FPIA−3000(シスメックス株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
前記積層造形用粉末材料の下記式で表される平均円形度は、0.70以上0.80以下が好ましく、0.72以上0.78以下がより好ましい。
平均円形度=(積層造形用粉末材料の投影面積と同じ面積の円の周囲長/積層造形用粉末材料の投影像の周囲長)×100
前記平均円形度が、0.70以上であると、前記積層造形用粉末材料が凝集せず、薄層を形成した際に、前記薄層における前記積層造形用粉末材料の充填率が適正であり、空隙が生じ難く、得られる積層造形物に空隙等が生じることを防止できる。一方、前記平均円形度が、0.80以下であると、パッキング性が適正であり、造形後のエアーブローの際、内部に存在する未硬化粉体の除去を容易に行うことができる。
前記平均円形度は、公知の円形度測定装置、例えば、FPIA−3000(シスメックス株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
本発明の積層造形用粉末材料は、各種の成形体、構造体の簡便かつ効率的な製造に好適に用いることができ、後述する本発明の積層造形セット、本発明の積層造形物の製造方法及び積層造形物の製造装置に特に好適に用いることができる。
(積層造形セット)
本発明の積層造形セットは、本発明の前記積層造形用粉末材料と、硬化液と、更に必要に応じてその他の成分等を含む。
<硬化液>
前記硬化液としては、水又は硬化剤を含有する硬化剤含有水が好ましい。
−水−
前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水などが挙げられる。
前記水には、必要に応じてその他の成分を含有することができる。前記その他の成分としては、例えば、界面活性剤、保存剤、防腐剤、安定化剤、pH調整剤、などが挙げられる。
−硬化剤含有水−
前記硬化剤含有水としては、水性媒体中に硬化剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−−水性媒体−−
前記水性媒体としては、例えば、水、エタノール等のアルコール、エーテル、ケトン、などが挙げられるが、水が好ましい。なお、前記水性媒体は、前記水が前記アルコール等の水以外の成分を若干量含有するものであってもよい。
−−硬化剤−−
前記硬化剤としては、前記リン酸カルシウムを硬化可能な性質を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸、リンゴ酸、エデト酸、コハク酸、フィチン酸、アレンドロン酸、エチドロン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記硬化剤含有水における前記硬化剤の含有量(濃度)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記硬化剤含有水の粘度が、20℃で、7mPa・s以上20mPa・s以下となる濃度が好ましく、9mPa・s以上15mPa・s以下がより好ましい。前記粘度が、7mPa・s以上20mPa・s以下の範囲であると、前記硬化剤含有水の前記積層造形用粉末材料への付与を良好に行うことができ、積層造形物の寸法精度が充分に得られる。
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、前記硬化剤含有水を付与する手段の種類、使用頻度や量などの諸条件を考慮して適宜選択することができ、例えば、インクジェット法によって前記硬化剤含有水を付与する場合には、インクジェットプリンター等におけるノズルヘッドへの目詰り等の影響を考慮して選択することができる。前記その他の成分としては、例えば、保存剤、防腐剤、安定化剤、pH調整剤、などが挙げられる。
前記硬化剤含有水の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記水性媒体中に前記硬化剤、必要に応じて前記その他の成分を添加し混合して溶解させる方法などが挙げられる。
本発明の積層造形キットは、各種の成形体、構造体の簡便かつ効率的な製造に好適に用いることができ、後述する本発明の積層造形物の製造方法、及び積層造形物の製造装置に特に好適に用いることができる。
(積層造形物の製造方法及び積層造形物の製造装置)
本発明の積層造形物の製造方法は、積層造形用粉末材料層形成工程を少なくとも含み、層硬化工程及び焼結工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明で用いられる積層造形物の製造装置は、積層造形用粉末材料層形成手段を少なくとも有し、層硬化手段及び焼結手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明の積層造形物の製造方法は、本発明で用いられる積層造形物の製造装置を用いて好適に実施することができ、前記積層造形用粉末材料層形成工程は、前記積層造形用粉末材料層形成手段により好適に実施することができ、前記層硬化工程は、前記層硬化手段により好適に実施することができ、前記焼結工程は、前記焼結手段により好適に実施することができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に実施することができる。
<積層造形用粉末材料層形成工程及び積層造形用粉末材料層形成手段>
前記積層造形用粉末材料層形成工程は、支持体上に、本発明の前記積層造形用粉末材料を用いて所定の厚みの積層造形用粉末材料層を形成する工程である。
前記積層造形用粉末材料層形成手段は、支持体上に、本発明の前記積層造形用粉末材料を用いて所定の厚みの積層造形用粉末材料層を形成する手段である。
−支持体−
前記支持体としては、前記積層造形用粉末材料を載置することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記積層造形用粉末材料の載置面を有する台、特開2000−328106号公報の図1に記載の装置におけるベースプレート、などが挙げられる。前記支持体の表面、即ち、前記積層造形用粉末材料を載置する載置面としては、例えば、平滑面であってもよいし、粗面であってもよく、また、平面であってもよいし、曲面であってもよい。
−積層造形用粉末材料層の形成−
前記積層造形用粉末材料を前記支持体上に配置させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、薄層に配置させる方法としては、特許第3607300号公報に記載の選択的レーザー焼結方法に用いられる、公知のカウンター回転機構(カウンターローラ)などを用いる方法、前記積層造形用粉末材料をブラシ、ローラ、ブレード等の部材を用いて薄層に拡げる方法、前記積層造形用粉末材料層の表面を押圧部材を用いて押圧して薄層に拡げる方法、公知の粉末積層造形装置を用いる方法などが好適に挙げられる。
前記カウンター回転機構(カウンターローラ)、前記ブラシ乃至ブレード、前記押圧部材などを用いて、前記支持体上に前記積層造形用粉末材料を薄層に載置させるには、例えば、以下のようにして行うことができる。即ち、例えば、外枠(「型」、「中空シリンダー」、「筒状構造体」などと称されることもある)内に、前記外枠の内壁に摺動しながら昇降可能に配置された前記支持体上に前記積層造形用粉末材料を、前記カウンター回転機構(カウンターローラ))、前記ブラシ、ローラ又はブレード、前記押圧部材などを用いて載置させる。このとき、前記支持体として、前記外枠内を昇降可能なものを用いる場合には、前記支持体を前記外枠の上端開口部よりも少しだけ下方の位置に配し、即ち、前記積層造形用粉末材料層の厚み分だけ下方に位置させておき、前記支持体上に前記積層造形用粉末材料を載置させる。以上により、前記積層造形用粉末材料を前記支持体上に薄層に載置させることができる。
なお、このようにして薄層に載置させた前記積層造形用粉末材料に対し、レーザーや電子線、或いは、インクジェット法による硬化液を作用させると硬化が生ずる。ここで得られた薄層の硬化物上に、上記と同様にして、前記積層造形用粉末材料を薄層に載置させ、この薄層に載置された前記積層造形用粉末材料(層)に対し、前記レーザーや電子線、或いは硬化液を作用させると硬化が生ずる。このときの硬化は、前記薄層に載置された前記積層造形用粉末材料(層)においてのみならず、その下に存在する、先に硬化して得られた前記薄層の硬化物との間でも生ずる。その結果、前記薄層に載置された前記積層造形用粉末材料(層)の約2層分の厚みを有する硬化物(積層造形物、焼結用硬化物)が得られる。
また、前記積層造形用粉末材料を前記支持体上に薄層に載置させるには、前記公知の粉末積層造形装置を用いて自動的にかつ簡便に行うこともできる。前記粉末積層造形装置は、一般に、前記積層造形用粉末材料を積層するためのリコーターと、前記積層造形用粉末材料を前記支持体上に供給するための可動式供給槽と、前記積層造形用粉末材料を薄層に載置し、積層するための可動式成形槽とを備える。前記粉末積層造形装置においては、前記供給槽を上昇させるか、前記成形槽を下降させるか、又はその両方によって、常に前記供給槽の表面は前記成形槽の表面よりもわずかに上昇させることができ、前記供給槽側から前記リコーターを用いて前記積層造形用粉末材料を薄層に配置させることができ、前記リコーターを繰り返し移動させることにより、薄層の前記積層造形用粉末材料を積層させることができる。
前記積層造形用粉末材料層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、一層当たりの平均厚みで、3μm以上200μm以下が好ましく、10μm以上100μm以下がより好ましい。前記平均厚みが、3μm以上であると、積層造形物が得られるまでの時間が適正であり、焼結等の処理乃至取扱い時に型崩れ等の問題が生じることがない。一方、前記平均厚みが、200μm以下であると、積層造形物の寸法精度が充分に得られる。
なお、前記平均厚みは、公知の方法に従って測定することができる。
<層硬化工程及び層硬化手段>
前記層硬化工程は、前記積層造形用粉末材料層に、硬化液をインクジェット法で付与し、前記積層造形用粉末材料層の所定領域を硬化させる工程である。
前記層硬化手段は、前記積層造形用粉末材料層に、硬化液をインクジェット法で付与し、前記積層造形用粉末材料層の所定領域を硬化させる手段である。
前記硬化液の前記積層造形用粉末材料層への付与の方法としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンサ方式、スプレー方式、インクジェット方式などが挙げられる。なお、これらの方式を実施するには公知の装置を前記層硬化手段として好適に使用することができる。これらの中でも、前記ディスペンサ方式は、液滴の定量性に優れるが、塗布面積が狭くなり、前記スプレー方式は、簡便に微細な吐出物を形成でき、塗布面積が広く、塗布性に優れるが、液滴の定量性が悪く、スプレー流による粉末の飛散が発生する。このため、本発明においては、前記インクジェット方式が特に好ましい。前記インクジェット方式は、前記スプレー方式に比べ、液滴の定量性が良く、前記ディスペンサ方式に比べ、塗布面積が広くできる利点があり、複雑な立体形状を精度良くかつ効率よく形成し得る点で好ましい。
前記インクジェット法による場合、前記層硬化手段は、前記インクジェット法により前記硬化液を前記積層造形用粉末材料層に付与可能なノズルを有する。なお、前記ノズルとしては、公知のインクジェットプリンターにおけるノズルを好適に使用することができ、また、前記インクジェットプリンターを前記層硬化手段として好適に使用することができる。なお、前記インクジェットプリンターとしては、例えば、株式会社リコー製のSG7100、などが好適に挙げられる。前記インクジェットプリンターは、ヘッド部から一度に滴下できる硬化液量が多く、塗布面積が広いため、塗布の高速化を図ることができる点で好ましい。本発明においては、前記硬化液を精度良くしかも高効率に付与可能な前記インクジェットプリンターを用いた場合においても、前記硬化液が、粒子等の固形物や、樹脂等の高分子の高粘度材料を含有しないため、前記ノズル乃至そのヘッドにおいて目詰り等が発生せず、腐食等を生じさせることもないため、積層造形物の製造効率に優れ、しかも樹脂等の高分子成分が付与されることがないため、予定外の体積増加等を生ずることがなく、寸法精度の良い硬化物が容易にかつ短時間で効率よく得られる点で有利である。
<焼結工程及び焼結手段>
前記焼結工程は、前記層形成工程と前記層硬化工程とを順次繰り返して形成した積層硬化物を焼結する工程であり、焼結手段により行われる。前記焼結工程を行うことにより、前記硬化物を一体化された成形体(焼結体)とすることができる。前記焼結手段としては、例えば、公知の焼結炉などが挙げられる。
前記焼結工程としては、前記のように硬化物を得てから焼結する方法以外にも、積層造形用粉末材料を積層する段階で焼結する方法がある。
前記積層造形用粉末材料を積層する段階で焼結する方法は、前記積層造形用粉末材料層にレーザー照射及び電子線照射のいずれかを行い前記積層造形用粉末材料層を焼結する方法である。
−レーザー照射−
前記レーザー照射におけるレーザーとしては、リン酸カルシウム粉末が有する吸収波長領域のレーザーであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、COレーザー、Nd−YAGレーザー、ファイバーレーザー、半導体レーザーなどが挙げられる。
前記レーザー照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、小型レーザーを用いる場合、リン酸カルシウム粉末を溶融することができないため、併用する接着剤(例えば、ポリエステル系接着剤)を混在させて、レーザー照射により接着剤を溶融させて造形することが好ましい。その場合、COレーザーを用いることが好ましい。照射条件としては、例えば、レーザー出力15W、波長10.6μm、ビーム径0.4mm程度が好ましい。
−電子線照射−
前記電子線としては、リン酸カルシウム粉末が溶融するエネルギーの電子線を照射すること以外の制限は無く、目的に応じて適宜選択することができる。電子線を照射する際には、前記積層造形用粉末材料は真空環境下で扱われる必要がある。
前記電子線照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、出力1,500W、ビーム径0.1mm、真空度1.0×10−5mbar程度が好ましい。
<その他の工程及びその他の手段>
前記その他の工程としては、例えば、乾燥工程、表面保護処理工程、塗装工程、などが挙げられる。
前記その他の手段としては、例えば、乾燥手段、表面保護処理手段、塗装手段、などが挙げられる。
−乾燥工程及び乾燥手段−
前記乾燥工程は、前記層硬化工程において得られた硬化物を乾燥させる工程であり、乾燥手段により行われる。前記乾燥工程において、前記硬化物中に含まれる水分のみならず、有機物を除去(脱脂)してもよい。前記乾燥手段としては、例えば、公知の乾燥機などが挙げられる。
−表面保護処理工程及び表面保護処理手段−
前記表面保護処理工程は、前記層硬化工程、又は前記焼結工程において形成した造形物に保護層を形成する工程である。前記表面保護処理工程を行うことにより、前記造形物を例えばそのまま使用等することができる耐久性等を前記積層造形物の表面に与えることができる。前記保護層の具体例としては、耐水性層、耐候性層、耐光性層、断熱性層、光沢層、などが挙げられる。前記表面保護処理手段としては、公知の表面保護処理装置、例えば、スプレー装置、コーティング装置などが挙げられる。
−塗装工程及び塗装手段−
前記塗装工程は、前記造形物に塗装を行う工程である。この塗装工程を行うことにより、前記造形物に所望の色に着色させることができる。前記塗装手段としては、公知の塗装装置、例えば、スプレー、ローラ、刷毛等による塗装装置などが挙げられる。
ここで、図1に本発明で用いられる粉末積層造形装置の一例を示す。この図1の粉末積層造形装置は、造形側粉末貯留槽1と供給側粉末貯留槽2とを有し、これらの粉末貯留槽は、それぞれ上下に移動可能なステージ3を有し、該ステージ上に積層造形用粉末材料からなる層を形成する。
造形側粉末貯留槽1の上には、該粉末貯留槽内の積層造形用粉末材料に向けて硬化液4を吐出するインクジェットヘッド5を有し、更に、供給側粉末貯留槽2から造形側粉末貯留槽1に積層造形用粉末材料を供給すると共に、造形側粉末貯留槽1の積層造形用粉末材料層表面を均す、均し機構6(以下、リコーターということがある)を有する。
造形側粉末貯留槽1の積層造形用粉末材料上にインクジェットヘッド5から硬化液4を滴下する。このとき、硬化液4を滴下する位置は、最終的に造形したい立体形状を複数の平面層にスライスした二次元画像データ(スライスデータ)により決定される。
一層分の描画が終了した後、供給側粉末貯留槽2のステージ3を上げ、造形側粉末貯留槽1のステージ3を下げる。その差分の積層造形用粉末材料を、前記均し機構6によって、造形側粉末貯留槽1へと移動させる。
このようにして、先に描画した積層造形用粉末材料層面上に、新たな積層造形用粉末材料層が一層形成される。このときの積層造形用粉末材料層一層の厚みは、数十μm以上100μm以下程度である。
前記新たに形成された積層造形用粉末材料層上に、更に二層目のスライスデータに基づく描画を行い、この一連のプロセスを繰り返して造形物を得、図示しない加熱手段で加熱乾燥させることで積層造形物が得られる。
図2に、本発明で用いられる粉末積層造形装置の他の一例を示す。図2の粉末積層造形装置は、原理的には図1と同じものであるが、積層造形用粉末材料の供給機構が異なる。即ち、供給側粉末貯留槽2は、造形側粉末貯留槽1の上方に配されている。一層目の描画が終了すると、造形側粉末貯留槽1のステージ3が所定量降下し、供給側粉末貯留槽2が移動しながら、所定量の積層造形用粉末材料を造形側粉末貯留槽1に落下させ、新たな積層造形用粉末材料層を形成する。その後、均し機構6で、積層造形用粉末材料層を圧縮し、かさ密度を上げると共に、積層造形用粉末材料層の高さを均一に均す。
図2に示す構成の粉末積層造形装置によれば、2つの粉末貯留槽を平面的に並べる図1の構成に比べて、装置をコンパクトにできる。
<硬化物(積層造形物)>
前記積層造形用粉末材料を硬化させてなる硬化物(積層造形物)において、リン酸カルシウムのハイドロキシアパタイト(HAp)への転移率は、1%以下であり、0.5%以下が好ましい。前記転移率が、1%以下であると、生体内へ移植した際、前記リン酸カルシウムがハイドロキシアパタイトとして一生生体内に残存することを防止できる。
前記HAp転移率は、公知のX線粉末回折装置を用いて、公知の方法に従って測定することができる。具体的には、SBF(擬似体液)中への2週間浸漬前後での結晶相の同定を行い、2θ=30付近に現れるハイドロキシアパタイト特有ピークの面積率の差で転移率を測定できる。
前記硬化物(積層造形物)の細胞毒性は、以下のin vitro検定:(i)テトラゾリウム塩3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を用いたミトコンドリア還元酵素の活性を測定する、比色法である、MTT検定;(ii)XTT及びWST検定のような他のテトラゾリウム塩及びホルマザン色素を用いる同様な検定;(iii)トリパンブルー(TB)検定;(iv)スルホローダミンB(SRB)検定;及び(v)クローン原性検定を含むが、これらに制限されない。
更に、細胞のネクローシス及びアポトーシスのレベルを測定するための、当業者に既知の方法を、カチオン性脂質又は薬剤が細胞毒性活性を持つかどうか決定するために用いることができる。
前記アポトーシスを測定するためのこのような方法としては、例えば、TUNEL検定、カスパーゼ活性の測定、DNA断片化、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)活性化、ミトコンドリアチトクロームC流出、アポトーシス誘発性因子(AIF)移行、及びAnnexin−V染色が含まれるが、これらに制限されない。
本発明の積層造形物の製造方法及び製造装置によれば、複雑な立体形状の積層造形物を、本発明の前記積層造形用粉末材料及び本発明の前記積層造形セットを用いて簡便かつ効率良く、焼結等の前に型崩れが生ずることなく、寸法精度良く製造することができる。こうして得られた積層造形物(硬化物)は、生体内に移植しても非吸収性のハイドロキシアパタイトへの転移が少なく、細胞毒性がなく、充分な強度を有し、寸法精度に優れ、微細な凹凸、曲面なども再現できるので、美的外観にも優れ、高品質であり、各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(調製例1)
<積層造形用粉末材料1の調製>
−α−リン酸三カルシウム(α−TCP)の合成−
市販のパドルを用いて160rpmで攪拌させた0.513mol/dmの水酸化カルシウム懸濁液中に、0.342mol/dmのリン酸水溶液を6mL/minの速度で送液し、アンモニアにてpHを8.7付近で安定化させた。次いで、37℃のインキュベーターにて72時間熟成し、濾過した後乾燥して粉体を得た。次いで、800℃環境にて1時間焼成した後、直径3mmのジルコニアビーズを用いてボールミル粉砕した。その際、ボールミル粉砕はGlen Creston Ltd.製BM−6型ローラーボールミルを用いて実施し、30分間の粉砕化が終了したら、75μmメッシュに通して篩に掛けることで微細粉を得た。次いで、1,400℃にて5時間焼成したのち急冷することで、α−リン酸三カルシウム(α−TCP)粉末を得た。
得られたα−TCP粉末について、以下のようにして測定したところ、体積平均粒径Dvは9μm、粒度分布Dv/Dnは1.68、平均円形度は0.77であった。
<体積平均粒径Dv、及び体積平均粒径Dvと数平均粒径Dnとの比Dv/Dn>
測定装置としてコールターマルチサイザーIII(コールターカウンター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機株式会社製)、及びパーソナルコンピューターを接続し、電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製した。測定法としては、この電解液としての水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1mL〜5mL加え、α−TCP粉末を2mg〜20mg加え、超音波分散器で1分間〜3分間の分散処理を行った。更に、別のビーカーに電解水溶液100mL〜200mLを入れ、その中に前記サンプル分散液を所定の濃度になるように加え、前記コールターマルチサイザーIIIによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用い、50,000個の粒子の平均を測定した。測定は装置が示す濃度が8%±2%となるように前記α−TCP粉末の分散液を滴下して行った。得られた体積平均粒径Dvと数平均粒径Dnとから比Dv/Dnを求めた。
<平均円形度>
前記平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(「FPIA−3000」;シスメックス株式会社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−3000 Data Processing Program For FPIA Version00−10)を用いて測定した。より具体的には、ガラス製の100mLビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬株式会社製)を0.1mL〜0.5mL添加し、α−TCP粉末を0.1g〜0.5g添加してミクロスパーテルでかき混ぜ、次いで、イオン交換水80mLを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子株式会社製)で3分間分散処理する。この分散液について、前記FPIA−3000を用いて、濃度が5,000個/μL〜15,000個/μLとなるまでα−TCP粉末の形状及び分布を測定した。
調製したα−TCP粉末の結晶相の同定を、X線粉末回折装置(リガク電機株式会社製、RINT1100)を用いて以下の条件で実施したところ、結晶相がαであることがわかった。
[測定条件]
・管球:Cu
・電圧:40kV
・電流:40mA
・開始角度:3°
・終了角度:80°
・スキャンスピード:0.5°/min
−リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理−
前記α−TCP粉末30g、リン酸基を有する有機化合物としての50質量%フィチン酸(和光純薬工業株式会社製、リン酸基数:6個)0.2g、イオン交換水120g、及び直径3mmのジルコニアビーズ540gを500mL広口瓶に入れ、ボールミルにより2時間湿式粉砕した。次いで、濾過及び乾燥し、得られた粉体を乾式粉砕することでフィチン酸を表面に付与したα−TCP粉末である積層造形用粉末材料1を得た。
得られた積層造形用粉末材料1について、α−TCP粉末表面におけるリン酸基を有する有機化合物としてのフィチン酸の付与量(存在量)を、元素分析装置(ICPE−9000、株式会社島津製作所製)を用いて測定したところ、5,000ppmであった。
(調製例2)
<積層造形用粉末材料2の調製>
−リン酸三カルシウム(β−TCP)の合成−
市販のパドルを用いて160rpmで攪拌させた0.513mol/dmの水酸化カルシウム懸濁液中に、0.342mol/dmのリン酸水溶液を6mL/minの速度で送液し、アンモニアにてpHを8.7付近で安定化させた。次いで、37℃のインキュベーターにて72時間熟成し、濾過したのち乾燥して粉体を得た。次いで、800℃環境にて1時間焼成したのち、直径3mmのジルコニアビーズを用いてボールミル粉砕した。
その際、ボールミル粉砕はGlen Creston Ltd.製BM−6型ローラーボールミルを用いて実施し、30分間の粉砕化が終了したら、75μmメッシュに通して篩に掛けることで微細粉を得た。次いで、1,100℃にて5時間焼成したのち急冷することで、β−リン酸三カルシウム(β−TCP)粉末を得た。
得られたβ−TCP粉末について、調製例1と同様にして測定したところ、体積平均粒径Dvは5μm、粒度分布Dv/Dnは1.45、平均円形度は0.78であった。
また、得られたリン酸カルシウムの結晶相の同定を、調製例1と同様にして実施したところ、結晶相がβであることが分かった。
−リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理−
前記β−TCP粉末30g、リン酸基を有する有機化合物としての50質量%フィチン酸(和光純薬工業株式会社製、リン酸基数:6個)0.2g、イオン交換水120g、及び直径3mmのジルコニアビーズ540gを500mL広口瓶に入れ、ボールミルにより2時間湿式粉砕した。次いで、濾過及び乾燥し、得られた粉体を乾式粉砕することでフィチン酸を表面に付与したβ−TCP粉末である積層造形用粉末材料2を得た。
得られた積層造形用粉末材料2について、β−TCP粉末表面におけるリン酸基を有する有機化合物としてのフィチン酸付与量(存在量)を、調製例1と同様にして測定したところ、5,000ppmであった。
(調製例3)
<積層造形用粉末材料3の調製>
−リン酸八カルシウム(OCP)の合成−
市販のパドルを用いて160rpmで攪拌させた0.455mol/dmの水酸化カルシウム懸濁液中に、0.342mol/dmのリン酸水溶液を6mL/minの速度で送液し、アンモニアにてpHを8.7付近で安定化させた。次いで、37℃のインキュベーターにて72時間熟成し、濾過したのち乾燥して粉体を得た。次いで、800℃環境にて1時間焼成したのち、直径3mmのジルコニアビーズを用いてボールミル粉砕した。
その際、ボールミル粉砕はGlen Creston Ltd.製BM−6型ローラーボールミルを用いて実施し、30分間の粉砕化が終了したら、75μmメッシュに通して篩に掛けることで微細粉を得た。次いで、1,100℃にて5時間焼成したのち急冷することで、リン酸八カルシウム(OCP)粉末を得た。
得られたOCP粉末について、調製例1と同様にして測定したところ、体積平均粒径Dvは7μm、粒度分布Dv/Dnは1.73、平均円形度は、0.78であった。
−リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理−
前記OCP粉末30g、リン酸基を有する有機化合物としての50質量%フィチン酸(和光純薬工業株式会社製、リン酸基数:6個)0.2g、イオン交換水120g、及び直径3mmのジルコニアビーズ540gを500mL広口瓶に入れ、ボールミルにより2時間湿式粉砕した。次いで、濾過及び乾燥し、得られた粉体を乾式粉砕することでフィチン酸を表面に付与したOCP粉末である積層造形用粉末材料3を得た。
得られた積層造形用粉末材料3について、調製例1と同様にして、リン酸基を有する有機化合物であるフィチン酸の付与量(存在量)を測定したところ、5,000ppmであった。
(調製例4)
−硬化液1の調製−
水60質量部と、硬化剤としてクエン酸(和光純薬工業株式会社製)40質量部、及び界面活性剤としてTriton X−100(東京化成工業株式会社製)0.5質量部を混合し、ホモミキサーを用いて5分間分散させて、硬化液1を調製した。
(実施例1−1)
得られた前記積層造形用粉末材料1と、前記硬化液1とを用いて、サイズ(長さ70mm×巾12mm)の形状印刷パターンにより、積層造形物1−1を以下のようにして製造した。
(1)まず、図1に示したような公知の粉末積層造形装置を用いて、供給側粉末貯留槽から造形側粉末貯留槽に前記積層造形用粉末材料1を移送させ、前記支持体上に平均厚みが100μmの積層造形用粉末材料1からなる薄層を形成した。
(2)次に、形成した積層造形用粉末材料1からなる薄層の表面に、前記硬化液1を、インクジェットプリンター(株式会社リコー製、SG7100)を用いてノズルから付与(吐出)し、前記積層造形用粉末材料1を硬化することで、前記リン酸カルシウムを硬化させた。
(3)次に、前記(1)及び前記(2)の操作を所定の3mmの総平均厚みになるまで繰返し、硬化した前記積層造形用粉末材料1からなる薄層を順次積層していき、積層造形物1−1を製造した。得られた積層造形物1−1に対し、エアーブローにより余分な前記積層造形用粉末材料を除去したところ、型崩れを生ずることはなかった。積層造形物1−1は強度、及び寸法精度に優れていた。
得られた積層造形物1−1について、ハイドロキシアパタイト転移率(HAp転移率)、細胞毒性、強度(硬度)、及び寸法精度を以下の基準にて評価した。結果を表2に示した。
<ハイドロキシアパタイト(HAp)転移率>
X線粉末回折装置(リガク電機株式会社製、RINT1100)により、積層造形物1−1をSBF(擬似体液)中への2週間浸漬前後での結晶相の同定を行い、2θ=30付近に現れるハイドロキシアパタイト特有ピークの面積率の差からHAp転移率(%)を測定した。なお、本発明においては、HAp転移率は1%以下が合格である。
<細胞毒性>
ウェルに収容した細胞の培養液(5vol%牛胎仔血清添加MEM培地)に約100個のV79細胞(チャイニーズハムスター肺由来繊維芽細胞)を播種して、4時間静置したのち、積層造形物1−1をウェルに入れた。その状態にて1週間培養した後、コロニー数を測定し、コロニー数の平均値を求めた。同様にして、積層造形物を入れない対照ウェルについても1週間の培養を行い、コロニー数を測定し、コロニー数の平均値を求めた。これらの値から、下記計算式に従ってコロニー形成率(%)を算出した。
コロニー形成率(%)=(積層造形物を浸漬した培養液におけるコロニー数の平均値)/(積層造形物を入れない培養液中のコロニー数の平均値)×100
得られたコロニー形成率の値から、60%以上であれば細胞毒性が無いと判断した。
<強度(硬度)>
以下の基準により、積層造形物1−1の強度(硬度)を評価した。
×:積層造形用粉末材料が充分に硬化しておらず、積層造形物を取り出すことができず、取り出すと所定の形状を維持することができない状態
△:積層造形物につきエアーブローを行うと、不要な積層造形用粉末材料以外にも、前記積層造形物自体がやや除去されてしまうが、取り出した積層造形物自体はその形状を維持している状態
○:積層造形物につきエアーブローを行っても、不要な積層造形用粉末材料のみが除去され、取り出した積層造形物自体はその形状を維持している状態
◎:積層造形物が充分に硬化しており、容易には壊れない状態
<寸法精度>
以下の基準により、積層造形物1−1の寸法精度を評価した。
×:得られた積層造形物の表面に歪みが生じており、表面を観察すると、前記積層造形用粉末材料と前記硬化液との偏在が認められる状態
△:得られた積層造形物の表面に若干の歪みと凹凸が生じている状態
○:得られた積層造形物の表面状態は良好であるが、僅かに反りが生じている状態
◎:得られた積層造形物の表面が滑らかで美麗であり、反りも生じていない状態
(4)前記(3)で得られた積層造形物1−1について、焼結炉内で真空条件、1,300℃で焼結処理を行った。この積層造形物1−1の焼結体は完全に一体化されたリン酸カルシウム構造体であり、硬質の床に叩きつけても破損等が生じなかった。
(実施例2−1)
実施例1−1において、リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理を以下のように変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層造形物2−1を製造した。
得られた積層造形物2−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
−リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理−
前記α−TCP粉末30g、リン酸基を有する有機化合物としての50質量%フィチン酸(和光純薬工業株式会社製、リン酸基数:6個)0.05g、イオン交換水120g、及び直径3mmのジルコニアビーズ540gを500mL広口瓶に入れ、ボールミルにより2時間湿式粉砕した。次いで、濾過・乾燥し、得られた粉体を乾式粉砕することでフィチン酸を表面に付与したα−TCP粉末である積層造形用粉末材料4を得た。
得られた積層造形用粉末材料4について、α−TCP粉末表面におけるリン酸基を有する有機化合物であるフィチン酸の付与量(存在量)を、調製例1と同様にして測定したところ、1,000ppmであった。
(実施例3−1)
実施例1−1において、リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理を以下のように変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層造形物3−1を製造した。
得られた積層造形物3−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
−リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理−
前記α−TCP粉末30g、リン酸基を有する有機化合物としての50質量%フィチン酸(和光純薬工業株式会社製、リン酸基数:6個)0.5g、イオン交換水120g、及び直径3mmのジルコニアビーズ540gを500mL広口瓶に入れ、ボールミルにより2時間湿式粉砕した。次いで、濾過・乾燥し、得られた粉体を乾式粉砕することでフィチン酸を表面に付与させたα−TCP粉末である積層造形用粉末材料5を得た。
得られた積層造形用粉末材料5について、α−TCP粉末表面におけるリン酸基を有する有機化合物であるフィチン酸の付与量(存在量)を、調製例1と同様にして測定したところ、10,000ppmであった。
(実施例4−1)
実施例1−1において、α−TCP粉末を、調製例2で調製したβ−TCP粉末表面にフィチン酸を付与した積層造形用粉末材料2に変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層造形物4−1を製造した。
得られた積層造形物4−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
(実施例5−1)
実施例1−1において、α−TCP粉末を、調製例3で調製したOCP粉末表面にフィチン酸を付与した積層造形用粉末材料3に変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層造形物5−1を製造した。
得られた積層造形物5−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
(実施例6−1)
実施例1−1において、リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理を以下のように変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層造形物6−1を製造した。
得られた積層造形物6−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
−リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理−
前記α−TCP粉体30g、カルボキシル基を有する有機化合物としてのクエン酸(和光純薬工業株式会社製、カルボキシル基数:3個)0.5g、イオン交換水120g、及び直径3mmのジルコニアビーズ540gを500mL広口瓶に入れ、ボールミルにより2時間湿式粉砕した。次いで、濾過・乾燥し、得られた粉体を乾式粉砕することでクエン酸を表面に付与したα−TCP粉末である積層造形用粉末材料6を得た。
得られた積層造形用粉末材料6において、α−TCP粉末表面におけるカルボキシル基を有する有機化合物であるクエン酸の付与量(存在量)を、LC−MSにより測定したところ、6,000ppmであった。
(実施例7−1)
実施例1−1において、リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理を以下のように変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層造形物7−1を製造した。得られた積層造形物7−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
−リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理−
前記α−TCP粉末30g、リン酸基を有する有機化合物としての35質量%エチドロン酸(株式会社同仁化学研究所製、リン酸基数:2個)0.05g、イオン交換水120g、及び直径3mmのジルコニアビーズ540gを500mL広口瓶に入れ、ボールミルにより2時間湿式粉砕した。次いで、濾過・乾燥し、得られた粉体を乾式粉砕することでエチドロン酸を表面に付与したα−TCP粉末である積層造形用粉末材料7を得た。
得られた積層造形用粉末材料7において、α−TCP粉末表面におけるリン酸基を有する有機化合物であるエチドロン酸の付与量(存在量)を、調製例1と同様にして測定したところ、3,400ppmであった。
(実施例8−1)
実施例1−1において、インクジェット方式ではなく、電子線照射方式(EBM)に変えて、積層造形物8−1を以下のようにして製造した。なお、電子線照射方式(EBM)は、自作電子線照射装置を用いて行った。
(1)まず、図1に示したような公知の粉末積層造形装置を用いて、供給側粉末貯留槽から造形側粉末貯留槽に前記積層造形用粉末材料1を移送させ、前記支持体上に平均厚みが100μmの積層造形用粉末材料1からなる薄層を形成した。
(2)次に、形成した積層造形用粉末材料1からなる薄層の表面に、電子線照射し、前記積層造形用粉末材料1を焼結することで、前記リン酸カルシウムを焼結させた。
(3)次に、前記(1)及び前記(2)の操作を所定の3mmの総平均厚みになるまで繰返し、前記積層造形用粉末材料1からなる薄層を順次積層していき、積層造形物8−1を製造した。
得られた積層造形物8−1に対し、エアーブローにより余分な前記積層造形用粉末材料1を除去したところ、型崩れを生ずることはなかった。得られた積層造形物8−1の焼結体は強度、及び寸法精度に優れていた。
得られた積層造形物8−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
(実施例9−1)
実施例1−1において、インクジェット方式ではなく、レーザー照射方式により、積層造形物9−1を以下のようにして製造した。なお、レーザーはCOレーザー(SUNX社製、LP−400)を用いた。
(1)まず、図1に示したような公知の粉末積層造形装置を用いて、供給側粉末貯留槽から造形側粉末貯留槽に前記積層造形用粉末材料1を移送させ、前記支持体上に平均厚みが100μmの積層造形用粉末材料1からなる薄層を形成した。
(2)次に、形成した積層造形用粉末材料1からなる薄層の表面に、前記COレーザーを照射し、前記積層造形用粉末材料1を焼結することで、前記リン酸カルシウムを焼結させた。
(3)次に、前記(1)及び前記(2)の操作を所定の3mmの総平均厚みになるまで繰返し、前記積層造形用粉末材料1からなる薄層を順次積層していき、積層造形物9−1を製造した。
得られた積層造形物9−1に対し、エアーブローにより余分な前記積層造形用粉末材料を除去したところ、型崩れを生ずることはなかった。得られた積層造形物9−1の焼結体は強度、及び寸法精度に優れていた。
得られた積層造形物9−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
(比較例1−1)
実施例1−1において、リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理を以下のように変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層造形物10−1を製造した。
得られた積層造形物10−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
−リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理−
前記α−TCP粉末30g、リン酸基を有する有機化合物としての50質量%フィチン酸(和光純薬工業株式会社製、リン酸基数:6個)0.04g、イオン交換水120g、及び直径3mmのジルコニアビーズ540gを500mL広口瓶に入れ、ボールミルにより2時間湿式粉砕した。次いで、濾過・乾燥し、得られた粉体を乾式粉砕することでフィチン酸を表面に付与したα−TCP粉末である積層造形用粉末材料8を得た。
得られた積層造形用粉末材料8において、α−TCP粉末表面におけるリン酸基を有する有機化合物であるフィチン酸の付与量(存在量)を、調製例1と同様にして測定したところ、800ppmであった。
(比較例2−1)
実施例1−1において、リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理を以下のように変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層造形物11−1を製造した。
得られた積層造形物11−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
−リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理−
前記α−TCP粉末30g、リン酸基を有する有機化合物としての50質量%フィチン酸(和光純薬工業株式会社製、リン酸基数:6個)0.6g、イオン交換水120g、及び直径3mmのジルコニアビーズ540gを500mL広口瓶に入れ、ボールミルにより2時間湿式粉砕した。次いで、濾過・乾燥し、得られた粉体を乾式粉砕することでフィチン酸を表面に付与したα−TCP粉末である積層造形用粉末材料9を得た。
得られた積層造形用粉末材料9について、α−TCP粉末表面におけるリン酸基を有する有機化合物であるフィチン酸の付与量(存在量)を、調製例1と同様にして測定したところ、11,000ppmであった。
(比較例3−1)
実施例1−1において、リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理を以下のように変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層造形物12−1を製造した。
得られた積層造形物12−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
−リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理−
前記α−TCP粉体30g、リン酸基を有する有機化合物としてのポリリン酸(東京化成株式会社製、リン酸基数:15個、重量平均分子量:1,200)0.4g、イオン交換水120g、及び直径3mmのジルコニアビーズ540gを500mL広口瓶に入れ、ボールミルにより2時間湿式粉砕した。次いで、濾過・乾燥し、得られた粉体を乾式粉砕することでポリリン酸を表面に付与したα−TCP粉末である積層造形用粉末材料10を得た。
得られた積層造形用粉末材料10において、α−TCP粉末表面におけるリン酸基を有する有機化合物であるポリリン酸の付与量(存在量)を、調製例1と同様にして測定したところ、100ppmであった。
(比較例4−1)
実施例1−1において、リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理を以下のように変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層造形物13−1を製造した。
得られた積層造形物13−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
−リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理−
前記α−TCP粉体30g、リン酸基を有する有機化合物としてのイノシトール3リン酸(株式会社同仁化学研究所製、リン酸基数:3個)0.4g、イオン交換水120g、及び直径3mmのジルコニアビーズ540gを500mL広口瓶に入れ、ボールミルにより2時間湿式粉砕した。次いで、濾過・乾燥し、得られた粉体を乾式粉砕することでイノシトール3リン酸を表面に付与したα−TCP粉末である積層造形用粉末材料11を得た。
得られた積層造形用粉末材料11において、α−TCP粉末表面におけるリン酸基を有する有機化合物であるイノシトール3リン酸の付与量(存在量)を、調製例1と同様にして測定したところ、300ppmであった。
(比較例5−1)
実施例1−1において、リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理を以下のように変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層造形物14−1を製造した。
得られた積層造形物14−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
−リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理−
前記α−TCP粉体30g、カルボキシル基を有する有機化合物としてのクエン酸(和光純薬工業株式会社製、カルボキシル基数:3個)0.04g、イオン交換水120g、及び直径3mmのジルコニアビーズ540gを500mL広口瓶に入れ、ボールミルにより2時間湿式粉砕した。次いで、濾過・乾燥し、得られた粉体を乾式粉砕することでクエン酸を表面に付与したα−TCP粉末である積層造形用粉末材料12を得た。
得られた積層造形用粉末材料12について、α−TCP粉末表面におけるカルボキシル基を有する有機化合物であるクエン酸の付与量(存在量)を、実施例6−1と同様にして測定したところ、400ppmであった。
(比較例6−1)
実施例1−1において、リン酸カルシウム粉末へのリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与処理を行わないこと、即ち、調製例1で調製したα−TCP粉末を積層造形用粉末材料13として用いた以外は、実施例1−1と同様にして、積層造形物15−1を製造した。
得られた積層造形物15−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
(比較例7−1)
実施例8−1において、前記積層造形用粉末材料1の代わりに前記積層造形用粉末材料8を用いた以外は、実施例8−1と同様にして、積層造形物16−1を製造した。
得られた積層造形物16−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
(比較例8−1)
実施例8−1において、前記積層造形用粉末材料1の代わりに前記積層造形用粉末材料9を用いた以外は、実施例8−1と同様にして、積層造形物17−1を製造した。
得られた積層造形物17−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
(比較例9−1)
実施例9−1において、前記積層造形用粉末材料1の代わりに前記積層造形用粉末材料8を用いた以外は、実施例9−1と同様にして、積層造形物18−1を製造した。
得られた積層造形物18−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
(比較例9−1)
実施例9−1において、前記積層造形用粉末材料1の代わりに前記積層造形用粉末材料9を用いた以外は、実施例9−1と同様にして、積層造形物19−1を製造した。
得られた積層造形物19−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
表1及び表2の結果から、比較例2−1、8−1、及び10−1は、強度及び寸法精度の結果は良好であるが、フィチン酸の付与量が多すぎるため、細胞毒性が有りとなり、生体内に移植した際に、細胞毒性を発現する恐れがある。
また、比較例1−1、3−1〜7−1、及び9−1は、いずれもHAp転移率が1%を超えており、生体内に移植した場合に、ハイドロキシアパタイト(HAp)に転移して生体内に残存してしまうという不具合がある。
(調製例5)
<積層造形用粉末材料101の調製>
−リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末の調製−
50質量%フィチン酸(和光純薬工業株式会社製、リン酸基数:6個)をマイナス40℃、0.1Torr減圧下で凍結乾燥し、冷却下で粉砕したのち、75μmメッシュの篩に凍結粉砕したフィチン酸を載せて振動させ、通過したものを、リン酸基を有する有機化合物からなる粉末とした。
−リン酸カルシウム粉末とリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末との混合−
前記調製例1で調製したα−TCP粉末100gに対して前記リン酸基を有する有機化合物からなる粉末が15質量%になるように混合し、冷却下でオースターブレンドすることにより、積層造形用粉末材料101を得た。
(調製例6)
−硬化液2の調製−
水100質量部と、界面活性剤としてTriton X−100(東京化成工業株式会社製)0.5質量部とを混合し、ホモミキサーを用いて5分間分散させて、硬化液2を調製した。
(実施例1−2)
得られた前記積層造形用粉末材料101と、前記硬化液2とを用い、サイズ(長さ70mm×巾12mm)の形状印刷パターンにより、積層造形物1−2を以下のようにして製造した。
(1)まず、図1に示したような公知の粉末積層造形装置を用いて、供給側粉末貯留槽から造形側粉末貯留槽に前記積層造形用粉末材料101を移送させ、前記支持体上に平均厚みが100μmの積層造形用粉末材料101からなる薄層を形成した。
(2)次に、形成した積層造形用粉末材料101からなる薄層の表面に、前記硬化液2を、インクジェットプリンター(株式会社リコー製、SG7100)を用いてノズルから付与(吐出)し、前記積層造形用粉末材料101を硬化することで、該リン酸カルシウムを硬化させた。
(3)次に、前記(1)及び前記(2)の操作を所定の3mmの総平均厚みになるまで繰返し、硬化した前記積層造形用粉末材料101からなる薄層を順次積層していき、積層造形物1−2を製造した。得られた積層造形物1−2に対し、エアーブローにより余分な前記積層造形用粉末材料を除去したところ、型崩れを生ずることはなかった。積層造形物1−2は強度、及び寸法精度に優れていた。
得られた積層造形物1−2について、前記実施例1−1と同様にして、ハイドロキシアパタイト転移率(HAp転移率)、細胞毒性、強度(硬度)、及び寸法精度を評価した。結果を表4に示した。
(4)前記(3)で得られた積層造形物1−2について、焼結炉内で真空条件、1,300℃で焼結処理を行った。この積層造形物1−2の焼結体は完全に一体化されたリン酸カルシウム構造体であり、硬質の床に叩きつけても破損等が生じなかった。
(実施例2−2)
実施例1−2において、前記積層造形用粉末材料101を、以下のようにして調製した積層造形用粉末材料102に変更した以外は、実施例1−2と同様にして、積層造形物2−2を製造した。
得られた積層造形物2−2について、前記実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表4に示した。
<積層造形用粉末材料102の調製>
−リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末の調製−
エチドロン酸(株式会社同仁化学研究所製、リン酸基数:2個)をマイナス40℃、0.1Torr減圧下で凍結乾燥し、冷却下で粉砕したのち、75μmメッシュの篩に凍結粉砕したエチドロン酸を載せて振動させ、通過したものを、リン酸基を有する有機化合物からなる粉末とした。
−リン酸カルシウム粉末とリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末との混合−
前記調製例1で調製したα−TCP粉末100gに対して前記リン酸基を有する有機化合物からなる粉末が15質量%になるように混合し、冷却下でオースターブレンドすることにより、積層造形用粉末材料102を得た。
(実施例3−2)
実施例1−2において、前記積層造形用粉末材料101を、以下のようにして調製した積層造形用粉末材料103に変更した以外は、実施例1−2と同様にして、積層造形物3−2を製造した。
得られた積層造形物3−2について、前記実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表4に示した。
<積層造形用粉末材料103の調製>
−リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末の調製−
クエン酸(和光純薬工業株式会社製、カルボキシル基数:3個)をマイナス40℃、0.1Torr減圧下で凍結乾燥し、冷却下で粉砕したのち、75μmメッシュの篩に凍結粉砕したフィチン酸を載せて振動させ、通過したものを、カルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末とした。
−リン酸カルシウム粉末とリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末との混合−
前記調製例1で調製したα−TCP粉末100gに対して前記カルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末が15質量%になるように混合し、冷却下でオースターブレンドすることにより、積層造形用粉末材料103を得た。
(実施例4−2)
実施例1−2において、前記積層造形用粉末材料101を、以下のようにして調製した積層造形用粉末材料104に変更した以外は、実施例1−2と同様にして、積層造形物4−2を製造した。
得られた積層造形物4−2について、前記実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表4に示した。
<積層造形用粉末材料104の調製>
−リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末の調製−
50質量%フィチン酸(和光純薬工業株式会社製、リン酸基数:6個)をマイナス40℃、0.1Torr減圧下で凍結乾燥し、冷却下で粉砕したのち、75μmメッシュの篩に凍結粉砕したフィチン酸を載せて振動させ、通過したものを、リン酸基を有する有機化合物からなる粉末とした。
−リン酸カルシウム粉末とリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末との混合−
前記調製例2で調製したβ−TCP粉末100gに対して前記リン酸基を有する有機化合物からなる粉末が15質量%になるように混合し、冷却下でオースターブレンドすることにより、積層造形用粉末材料104を得た。
(実施例5−2)
実施例1−2において、前記積層造形用粉末材料101を、以下のようにして調製した積層造形用粉末材料105に変更した以外は、実施例1−2と同様にして、積層造形物5−2を製造した。
得られた積層造形物5−2について、前記実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表4に示した。
<積層造形用粉末材料105の調製>
−リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末の調製−
50質量%フィチン酸(和光純薬工業株式会社製、リン酸基数:6個)をマイナス40℃、0.1Torr減圧下で凍結乾燥し、冷却下で粉砕したのち、75μmメッシュの篩に凍結粉砕したフィチン酸を載せて振動させ、通過したものを、リン酸基を有する有機化合物からなる粉末とした。
−リン酸カルシウム粉末とリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末との混合−
前記調製例3で調製したOCP粉末100gに対して前記リン酸基を有する有機化合物からなる粉末が15質量%になるように混合し、冷却下でオースターブレンドすることにより、積層造形用粉末材料105を得た。
(実施例6−2)
実施例1−2において、前記積層造形用粉末材料101を、以下のようにして調製した積層造形用粉末材料106に変更した以外は、実施例1−2と同様にして、積層造形物6−2を製造した。
得られた積層造形物6−2について、前記実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表4に示した。
<積層造形用粉末材料106の調製>
−リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末の調製−
50質量%フィチン酸(和光純薬工業株式会社製、リン酸基数:6個)をマイナス40℃、0.1Torr減圧下で凍結乾燥し、冷却下で粉砕したのち、75μmメッシュの篩に凍結粉砕したフィチン酸を載せて振動させ、通過したものを、リン酸基を有する有機化合物からなる粉末とした。
−リン酸カルシウム粉末とリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末との混合−
前記調製例1で調製したα−TCP粉末100gに対して前記リン酸基を有する有機化合物からなる粉末が10質量%になるように混合し、冷却下でオースターブレンドすることにより、積層造形用粉末材料106を得た。
(実施例7−2)
実施例1−2において、前記積層造形用粉末材料101を、以下のようにして調製した積層造形用粉末材料107に変更した以外は、実施例1−2と同様にして、積層造形物7−2を製造した。
得られた積層造形物7−2について、前記実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表4に示した。
<積層造形用粉末材料107の調製>
−リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末の調製−
50質量%フィチン酸(和光純薬工業株式会社製、リン酸基数:6個)をマイナス40℃、0.1Torr減圧下で凍結乾燥し、冷却下で粉砕したのち、75μmメッシュの篩に凍結粉砕したフィチン酸を載せて振動させ、通過したものを、リン酸基を有する有機化合物からなる粉末とした。
−リン酸カルシウム粉末とリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末との混合−
前記調製例1で調製したα−TCP粉末100gに対して前記リン酸基を有する有機化合物からなる粉末が50質量%になるように混合し、冷却下でオースターブレンドすることにより、積層造形用粉末材料107を得た。
(実施例8−2)
実施例1−2において、インクジェット方式ではなく、レーザー照射方式により、積層造形物8−2を以下のようにして製造した。なお、レーザーはCOレーザー(SUNX社製、LP−400)を用いた。
(1)まず、図1に示したような公知の粉末積層造形装置を用いて、供給側粉末貯留槽から造形側粉末貯留槽に前記積層造形用粉末材料101を移送させ、前記支持体上に平均厚みが100μmの積層造形用粉末材料101からなる薄層を形成した。
(2)次に、形成した積層造形用粉末材料101からなる薄層の表面に、前記COレーザーを照射し、前記積層造形用粉末材料101を焼結することで、前記リン酸カルシウムを焼結させた。
(3)次に、前記(1)及び前記(2)の操作を所定の3mmの総平均厚みになるまで繰返し、前記積層造形用粉末材料101からなる薄層を順次積層していき、積層造形物8−2を製造した。
得られた積層造形物8−2に対し、エアーブローにより余分な前記積層造形用粉末材料を除去したところ、型崩れを生ずることはなかった。得られた積層造形物8−2の焼結舞体は強度、及び寸法精度に優れていた。
得られた積層造形物8−2について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表4に示した。
(実施例9−2)
実施例1−2において、インクジェット方式ではなく、電子線照射方式(EBM)に変えて、積層造形物9−2を以下のようにして製造した。なお、電子線照射方式(EBM)は、自作電子線照射装置を用いて行った。
(1)まず、図1に示したような公知の粉末積層造形装置を用いて、供給側粉末貯留槽から造形側粉末貯留槽に前記積層造形用粉末材料101を移送させ、前記支持体上に平均厚みが100μmの積層造形用粉末材料101からなる薄層を形成した。
(2)次に、形成した積層造形用粉末材料101からなる薄層の表面に、電子線照射し、前記積層造形用粉末材料101を焼結することで、前記リン酸カルシウムを焼結させた。
(3)次に、前記(1)及び前記(2)の操作を所定の3mmの総平均厚みになるまで繰返し、前記積層造形用粉末材料101からなる薄層を順次積層していき、積層造形物9−2を製造した。
得られた積層造形物9−2に対し、エアーブローにより余分な前記積層造形用粉末材料を除去したところ、型崩れを生ずることはなかった。得られた積層造形物9−2の焼結体は強度、及び寸法精度に優れていた。
得られた積層造形物9−2について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表4に示した。
(比較例1−2)
実施例1−2において、前記積層造形用粉末材料101を、以下のようにして調製した積層造形用粉末材料108に変更した以外は、実施例1−2と同様にして、積層造形物10−2を製造した。
得られた積層造形物10−2について、前記実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表4に示した。
<積層造形用粉末材料108の調製>
−有機化合物からなる粉末の調製−
イノシトール(敷島スターチ株式会社製、リン酸基又はカルボキシル基数:0個)を、75μmメッシュの篩をかけ、通過したものを、有機化合物からなる粉末とした。
−リン酸カルシウム粉末と有機化合物からなる粉末との混合−
前記調製例1で調製したα−TCP粉末100gに対して前記有機化合物からなる粉末が15質量%になるように混合し、冷却下でオースターブレンドすることにより、積層造形用粉末材料108を得た。
(比較例2−2)
実施例1−2において、前記積層造形用粉末材料101を、以下のようにして調製した積層造形用粉末材料109に変更した以外は、実施例1−2と同様にして、積層造形物11−2を製造した。
得られた積層造形物11−2について、前記実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表4に示した。
<積層造形用粉末材料109の調製>
−リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末の調製−
50質量%フィチン酸(和光純薬工業株式会社製、リン酸基数:6個)をマイナス40℃、0.1Torr減圧下で凍結乾燥し、冷却下で粉砕したのち、75μmメッシュの篩に凍結粉砕したフィチン酸を載せて振動させ、通過したものを、リン酸基を有する有機化合物からなる粉末とした。
−リン酸カルシウム粉末とリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末との混合−
前記調製例1で調製したα−TCP粉末100gに対して前記リン酸基を有する有機化合物からなる粉末が9質量%になるように混合し、冷却下でオースターブレンドすることにより、積層造形用粉末材料109を得た。
(比較例3−2)
実施例1−2において、前記積層造形用粉末材料101を、以下のようにして調製した積層造形用粉末材料110に変更した以外は、実施例1−2と同様にして、積層造形物12−2を製造した。
得られた積層造形物12−2について、前記実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表4に示した。
<積層造形用粉末材料110の調製>
−リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末の調製−
50質量%フィチン酸(和光純薬工業株式会社製、リン酸基数:6個)をマイナス40℃、0.1Torr減圧下で凍結乾燥し、冷却下で粉砕したのち、75μmメッシュの篩に凍結粉砕したフィチン酸を載せて振動させ、通過したものを、リン酸基を有する有機化合物からなる粉末とした。
−リン酸カルシウム粉末とリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末との混合−
前記調製例1で調製したα−TCP粉末100gに対して前記リン酸基を有する有機化合物からなる粉末が51質量%になるように混合し、冷却下でオースターブレンドすることにより、積層造形用粉末材料110を得た。
(比較例4−2)
実施例1−2において、前記積層造形用粉末材料101を、以下のようにして調製した積層造形用粉末材料111に変更した以外は、実施例1−2と同様にして、積層造形物13−2を製造した。
得られた積層造形物13−2について、前記実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表4に示した。
<積層造形用粉末材料111の調製>
−リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末の調製−
酢酸のフリーズドライ品(アスザック・フーズ社製、カルボキシル基数:1個)を、75μmメッシュの篩をかけ、通過したものを、カルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末とした。
−リン酸カルシウム粉末とリン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末との混合−
前記調製例1で調製したα−TCP粉末100gに対して前記カルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末が15質量%になるように混合し、冷却下でオースターブレンドすることにより、積層造形用粉末材料111を得た。
(比較例5−2)
実施例1−2において、リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末を用いなかったこと、即ち、調製例1のα−TCP粉末を積層造形用粉末材料112として用いた以外は、実施例1−2と同様にして、積層造形物14−2を製造した。
得られた積層造形物14−2について、前記実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表4に示した。
表3及び表4の結果から、比較例3−2は、フィチン酸の混合量が51質量%と多すぎるため、細胞毒性が有りとなり、生体内に移植した際に、細胞毒性を発現する恐れがある。
また、比較例1−2、2−2、4−2、及び5−2は、HAp転移率が1%を超えており、生体内に移植した場合に、ハイドロキシアパタイトに転移して生体内に残存してしまうという不具合がある。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> リン酸カルシウム粉末を含有してなる積層造形用粉末材料であって、
下記A)又はB)を満たし、
かつ前記積層造形用粉末材料を硬化させてなる硬化物のハイドロキシアパタイト(HAp)転移率が1%以下であることを特徴とする積層造形用粉末材料である。
A)前記リン酸カルシウム粉末表面に、リン酸基もしくはカルボキシル基を有する有機化合物が付与され、該有機化合物の付与量が10,000ppm以下である。
B)リン酸基もしくはカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末を更に含み、該有機化合物の前記リン酸カルシウム粉末に対する混合量が50質量%以下である。
<2> 前記リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与量が、1,000ppm以上10,000ppm以下である前記<1>に記載の積層造形用粉末材料である。
<3> 前記有機化合物が、1分子当たり2個以上のリン酸基、又は1分子当たり2個以上のカルボキシル基を有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の積層造形用粉末材料である。
<4> 前記有機化合物が、モノマーである前記<1>から<3>のいずれかに記載の積層造形用粉末材料である。
<5> 前記有機化合物が、フィチン酸、エチドロン酸、及びクエン酸から選択される少なくとも1種である前記<1>から<4>のいずれかに記載の積層造形用粉末材料である。
<6> 前記有機化合物からなる粉末が水溶性粉末であり、該水溶性粉末が塩の状態では無い前記<1>から<5>のいずれかに記載の積層造形用粉末材料である。
<7> 前記リン酸カルシウムが、β−リン酸三カルシウム(β−TCP)、α−リン酸三カルシウム(α−TCP)、及びリン酸八カルシウム(OCP)から選択される少なくとも1種である前記<1>から<6>のいずれかに記載の積層造形用粉末材料である。
<8> 支持体上に、前記<1>から<7>のいずれかに記載の積層造形用粉末材料を用いて所定の厚みの積層造形用粉末材料層を形成する積層造形用粉末材料層形成工程を少なくとも含むことを特徴とする積層造形物の製造方法である。
<9> 前記積層造形用粉末材料層に、硬化液をインクジェット法で付与し、前記積層造形用粉末材料層の所定領域を硬化させる層硬化工程を含む前記<8>に記載の積層造形物の製造方法である。
<10> 前記層形成工程と前記層硬化工程とを順次繰り返して形成した積層硬化物を焼結する焼結工程を更に含む前記<9>に記載の積層造形物の製造方法である。
<11> 前記積層造形用粉末材料層に、レーザー照射及び電子線照射のいずれかを行い前記積層造形用粉末材料層を焼結させる焼結工程を含む前記<8>に記載の積層造形物の製造方法である。
<12> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の積層造形用粉末材料と、硬化液と、を有することを特徴とする積層造形セットである。
1 造形側粉末貯留槽
2 供給側粉末貯留槽
3 ステージ
4 硬化液
5 インクジェットヘッド
6 均し機構
特開平5−237278号公報 米国特許第5204055号公報 米国特許第5902441号公報 米国特許第6375874号公報 特開平9−324203号公報 特開2004−42546号公報 特許第4575295号公報

Claims (12)

  1. リン酸カルシウム粉末を含有してなる積層造形用粉末材料であって、
    下記A)又はB)を満たし、
    かつ前記積層造形用粉末材料を硬化させてなる硬化物のハイドロキシアパタイト(HAp)転移率が1%以下であることを特徴とする積層造形用粉末材料。
    A)前記リン酸カルシウム粉末表面に、リン酸基もしくはカルボキシル基を有する有機化合物が付与され、該有機化合物の付与量が10,000ppm以下である。
    B)リン酸基もしくはカルボキシル基を有する有機化合物からなる粉末を更に含み、該有機化合物の前記リン酸カルシウム粉末に対する混合量が50質量%以下である。
  2. 前記リン酸基又はカルボキシル基を有する有機化合物の付与量が、1,000ppm以上10,000ppm以下である請求項1に記載の積層造形用粉末材料。
  3. 前記有機化合物が、1分子当たり2個以上のリン酸基、又は1分子当たり2個以上のカルボキシル基を有する請求項1から2のいずれかに記載の積層造形用粉末材料。
  4. 前記有機化合物が、モノマーである請求項1から3のいずれかに記載の積層造形用粉末材料。
  5. 前記有機化合物が、フィチン酸、エチドロン酸、及びクエン酸から選択される少なくとも1種である請求項1から4のいずれかに記載の積層造形用粉末材料。
  6. 前記有機化合物からなる粉末が水溶性粉末であり、該水溶性粉末が塩の状態では無い請求項1から5のいずれかに記載の積層造形用粉末材料。
  7. 前記リン酸カルシウムが、β−リン酸三カルシウム(β−TCP)、α−リン酸三カルシウム(α−TCP)、及びリン酸八カルシウム(OCP)から選択される少なくとも1種である請求項1から6のいずれかに記載の積層造形用粉末材料。
  8. 支持体上に、請求項1から7のいずれかに記載の積層造形用粉末材料を用いて所定の厚みの積層造形用粉末材料層を形成する積層造形用粉末材料層形成工程を少なくとも含むことを特徴とする積層造形物の製造方法。
  9. 前記積層造形用粉末材料層に、硬化液をインクジェット法で付与し、前記積層造形用粉末材料層の所定領域を硬化させる層硬化工程を含む請求項8に記載の積層造形物の製造方法。
  10. 前記層形成工程と前記層硬化工程とを順次繰り返して形成した積層硬化物を焼結する焼結工程を更に含む請求項9に記載の積層造形物の製造方法。
  11. 前記積層造形用粉末材料層に、レーザー照射及び電子線照射のいずれかを行い前記積層造形用粉末材料層を焼結させる焼結工程を含む請求項8に記載の積層造形物の製造方法。
  12. 請求項1から7のいずれかに記載の積層造形用粉末材料と、硬化液と、を有することを特徴とする積層造形セット。
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