JP2015187054A - セメント分散剤組成物およびセメント組成物 - Google Patents

セメント分散剤組成物およびセメント組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】30℃程度以上の高温の温度環境下における流動性の経時低下抑制効果を高くでき、且つ、20℃程度の温度環境下における硬化性を高くできる、セメント分散剤組成物を提供する。また、そのようなセメント分散剤組成物を含むセメント組成物を提供する。【解決手段】本発明のセメント分散剤組成物は、特定の一般式で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)由来の構造単位(I)と特定の一般式で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)由来の構造単位(II)とを含むポリカルボン酸系共重合体と、ホウ酸化合物とを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、セメント分散剤組成物およびセメント組成物に関する。
セメントモルタルやコンクリート等には、それらの施工時の取り扱い性等を向上させるために、流動性の改善が求められる。セメントモルタルやコンクリート等の流動性を改善させる手段として、セメント分散剤を添加することが知られている。このようなセメント分散剤の添加により、添加直後、すなわち、セメントモルタルやコンクリート等を調製するための混練直後の流動性は向上する。ところが、このようなセメント分散剤の添加においては、混練開始から時間が経過するにつれて流動性が低下してしまうという問題、すなわち、流動性の経時低下の問題がある。
セメントモルタルやコンクリート等における流動性の経時低下抑制のための手段として、ホウ酸化合物を添加することが報告されている(例えば、特許文献1、2)。
ここで、セメントモルタルやコンクリート等においては、それらの施工後においては、硬化性が優れることが求められる。ところが、流動性の向上と硬化性の向上とは互いに相反する性質となっており、流動性が高くなればなるほど、一般に、硬化性は低下してしまうという問題がある。
ホウ酸化合物などの遅延剤の添加においても上記と同様の問題が見られ、遅延剤の添加によって流動性の経時低下は抑制されるものの、一方で、硬化性が低下してしまい、施工後において十分な硬化性が発現できないという問題が見られる。
従来報告されているホウ酸化合物の添加技術(例えば、特許文献2)によれば、30℃程度の高温の温度環境下においては、流動性の経時低下抑制効果と高い硬化性の両立が可能とされている。ところが、従来報告されているホウ酸化合物の添加技術によれば、20℃程度の温度環境下においては、30℃程度の高温の温度環境下に比べて、流動性の経時低下抑制効果はさらに向上する一方で、硬化性が低くなってしまうという現象が起こる。このような現象は、セメントの水和反応が20℃程度の温度環境下よりも30℃程度の高温の温度環境下の方が大きくなり、20℃程度の温度環境下においてホウ酸化合物による硬化遅延効果が大きく発現されてしまうことに起因していると考えられる。
このような、30℃程度の高温の温度環境下における流動性の経時低下抑制効果と、20℃程度の温度環境下における高い硬化性が両立できないという、従来報告されているホウ酸化合物の添加技術は、ある気温変化が見られる地域でのセメントモルタルやコンクリート等の施工に採用する際において大きな問題が生じる。このような問題は、特に、一般にセメントモルタルやコンクリート等の施工を行う時間帯である日中の気温が高く、一般に施工したセメントモルタルやコンクリート等が硬化する時間帯である夜間の気温が低い地域において顕著である。このような地域において、従来報告されているホウ酸化合物の添加技術を採用する場合、気温の高い日中の施工時の流動性を確保しようとすると、気温が低い夜間における硬化性が不足してしまい、逆に、気温が低い夜間において硬化性を確保しようとすると、ホウ酸化合物の添加量を減らす必要があり、そうすると、気温の高い日中の施工時の流動性が低くなってしまうという問題が生じる。
そこで、30℃程度以上の高温の温度環境下における流動性の経時低下抑制効果を高くでき、且つ、20℃程度の温度環境下における硬化性を高くできる、セメント分散剤組成物が求められる。
特開昭55−136158号公報 特開平6−144905号公報
本発明の課題は、30℃程度以上の高温の温度環境下における流動性の経時低下抑制効果を高くでき、且つ、20℃程度の温度環境下における硬化性を高くできる、セメント分散剤組成物を提供することにある。また、そのようなセメント分散剤組成物を含むセメント組成物を提供することにある。
本発明のセメント分散剤組成物は、
一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)由来の構造単位(I)と一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)由来の構造単位(II)とを含むポリカルボン酸系共重合体と、ホウ酸化合物とを含む。
Figure 2015187054
(一般式(1)中、RおよびRは、同一または異なって、水素原子またはメチル基を表し、Rは、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表し、AOは、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表し、nは、AOで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、nは1〜500の整数であり、xは0〜2の整数であり、yは0または1である。)
Figure 2015187054
(一般式(2)中、R〜Rは、同一または異なって、水素原子、メチル基、または−(CHCOOM基を表し、−(CHCOOM基は−COOX基または他の−(CHCOOM基と無水物を形成していても良く、zは0〜2の整数であり、Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、有機アンモニウム基、または有機アミン基を表し、Xは、水素原子、メチル基、エチル基、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、有機アンモニウム基、または有機アミン基を表す。)
好ましい実施形態においては、上記ポリカルボン酸系共重合体と前記ホウ酸化合物との質量比(ポリカルボン酸系共重合体:ホウ酸化合物)が100:1〜100:100である。
本発明のセメント組成物は、本発明のセメント分散剤組成物を含む。
本発明によれば、特定のポリカルボン酸共重合体とホウ酸化合物を組み合わせることにより、30℃程度以上の高温の温度環境下における流動性の経時低下抑制効果を高くでき、且つ、20℃程度の温度環境下における硬化性を高くできる、セメント分散剤組成物を提供することができる。また、そのようなセメント分散剤組成物を含むセメント組成物を提供することができる。
本明細書中で「(メタ)アクリル」との表現がある場合は、「アクリルおよび/またはメタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」との表現がある場合は、「アクリレートおよび/またはメタクリレート」を意味し、「(メタ)アリル」との表現がある場合は、「アリルおよび/またはメタリル」を意味し、「(メタ)アクロレイン」との表現がある場合は、「アクロレインおよび/またはメタクロレイン」を意味する。また、本明細書中で「酸(塩)」との表現がある場合は、「酸および/またはその塩」を意味する。
≪セメント分散剤組成物≫
本発明のセメント分散剤組成物は、特定のポリカルボン酸系共重合体と、ホウ酸化合物とを含む。本発明のセメント分散剤組成物は、ホウ酸化合物を含むとともに、特定のポリカルボン酸系共重合体を含むことにより、30℃程度以上の高温の温度環境下における流動性の経時低下抑制効果を高くでき、且つ、20℃程度の温度環境下における硬化性を高くできるという、予期できない顕著に優れた効果を発現し得る。
本発明のセメント分散剤組成物中、ポリカルボン酸系共重合体とホウ酸化合物との質量比(ポリカルボン酸系共重合体:ホウ酸化合物)は、好ましくは100:1〜100:100であり、より好ましくは100:3〜100:70であり、さらに好ましくは100:5〜100:60であり、特に好ましくは100:5〜100:50である。本発明のセメント分散剤組成物中の、ポリカルボン酸系共重合体とホウ酸化合物との質量比が上記範囲内に収まることにより、本発明のセメント分散剤組成物は、ホウ酸化合物を含むとともに、特定のポリカルボン酸系共重合体を含むことにより、30℃程度以上の高温の温度環境下における流動性の経時低下抑制効果を高くでき、且つ、20℃程度の温度環境下における硬化性を高くできるという、予期できない顕著に優れた効果を、一層発現し得る。
<ポリカルボン酸系共重合体>
本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体は、一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)由来の構造単位(I)と一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)由来の構造単位(II)とを含む。
Figure 2015187054
Figure 2015187054
一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)由来の構造単位(I)とは、具体的には、下記式で表される。
Figure 2015187054
一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)由来の構造単位(II)とは、具体的には、下記式で表される。
Figure 2015187054
一般式(1)および一般式(I)中、RおよびRは、同一または異なって、水素原子またはメチル基を表す。
一般式(1)および一般式(I)中、Rは、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜30のアルキル基(脂肪族アルキル基や脂環式アルキル基)、炭素原子数1〜30のアルケニル基、炭素原子数1〜30のアルキニル基、炭素原子数6〜30の芳香族基などが挙げられる。本発明の効果を一層発現させ得る点で、Rは、好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、より好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、さらに好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、特に好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基である。
一般式(1)および一般式(I)中、AOは、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基であり、好ましくは炭素原子数2〜8のオキシアルキレン基であり、より好ましくは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基である。また、AOが、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシスチレン基等の中から選ばれる任意の2種類以上の場合は、AOの付加形態は、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの形態であっても良い。なお、親水性と疎水性とのバランス確保のため、オキシアルキレン基中にオキシエチレン基が必須成分として含まれることが好ましく、オキシアルキレン基全体の50モル%以上がオキシエチレン基であることがより好ましく、オキシアルキレン基全体の90モル%以上がオキシエチレン基であることがさらに好ましい。
一般式(1)および一般式(I)中、nは、AOで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜500であり、好ましくは2〜500であり、より好ましくは5〜500であり、さらに好ましくは10〜500であり、特に好ましくは15〜500であり、最も好ましくは20〜300である。
一般式(1)および一般式(I)中、xは0〜2の整数である。
一般式(1)および一般式(I)中、yは0または1である。
一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)としては、例えば、炭素数1〜20の飽和脂肪族アルコール類に、炭素数2〜8のアルキレンオキシドを付加することによって得られるアルコキシポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのエステル化物;炭素数1〜20の飽和脂肪族アルコール類に、炭素数2〜18のアルキレンオキシドを重合して得られるポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのエステル化物;(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、オレイルアルコールなどの炭素数3〜20の不飽和脂肪族アルコール類に、炭素数2〜8のアルキレンオキシドを付加することによって得られるアルコキシポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのエステル化物;(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、オレイルアルコールなどの炭素数3〜20の不飽和脂肪族アルコール類に、炭素数2〜18のアルキレンオキシドを重合して得られるポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのエステル化物;シクロヘキサノールなどの炭素数3〜20の脂環式アルコール類に、炭素数2〜8のアルキレンオキシドを付加することによって得られるアルコキシポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのエステル化物;シクロヘキサノールなどの炭素数3〜20の脂環式アルコール類に、炭素数2〜18のアルキレンオキシドを重合して得られるポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのエステル化物;炭素数6〜20の芳香族アルコール類に、炭素数2〜8のアルキレンオキシドを付加することによって得られるアルコキシポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのエステル化物;炭素数6〜20の芳香族アルコール類に、炭素数2〜18のアルキレンオキシドを重合して得られるポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのエステル化物;などが挙げられる。
一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)としては、本発明の効果を一層発現させ得る点で、好ましくは、(メタ)アクリル酸のアルコキシポリアルキレングリコール類のエステル;ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オールのいずれかにアルキレンオキシドを1〜500モル付加した化合物;であり、より好ましくは、3−メチル−3−ブテン−1−オールにアルキレンオキシドを1〜500モル付加した化合物である。
一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
一般式(2)および一般式(II)中、R〜Rは、同一または異なって、水素原子、メチル基、または−(CHCOOM基を表す。−(CHCOOM基は−COOX基または他の−(CHCOOM基と無水物を形成していても良い。zは0〜2の整数である。
Mは、水素原子、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウム基、または有機アンモニウム基を表す。
Xは、水素原子、メチル基、エチル基、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウム基、または有機アンモニウム基を表す。
一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸系単量体またはこれらの塩;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのジカルボン酸系単量体またはこれらの塩;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのジカルボン酸系単量体の無水物またはこれらの塩;などが挙げられる。ここでいう塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、有機アミン塩などが挙げられる。アルカリ金属塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。有機アンモニウム塩としては、例えば、メチルアンモニウム塩、エチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、ジエチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩などが挙げられる。有機アミン塩としては、例えば、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。
一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)としては、本発明の効果を一層発現させ得る点で、好ましくは、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸であり、より好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸である。
一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体中の、構造単位(I)と構造単位(II)との合計の含有割合は、好ましくは50質量%〜100質量%であり、より好ましくは70質量%〜100質量%であり、さらに好ましくは80質量%〜100質量%であり、特に好ましくは90質量%〜100質量%であり、最も好ましくは95質量%〜100質量%である。本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体中の構造単位(I)と構造単位(II)との合計の含有割合が上記範囲内に収まれば、本発明のセメント分散剤組成物は、30℃程度以上の高温の温度環境下における流動性の経時低下抑制効果を高くでき、且つ、20℃程度の温度環境下における硬化性を高くできるという、予期できない顕著に優れた効果を、一層発現し得る。
本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体中の、構造単位(I)と構造単位(II)との合計の含有割合は、例えば、該ポリカルボン酸系共重合体の各種構造解析(例えば、NMRなど)によって知ることができる。また、上記のような各種構造解析を行わなくても、本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体を製造する際に用いる各種単量体の使用量に基づいて算出される該各種単量体由来の構造単位の含有割合をもって、本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体中の、構造単位(I)と構造単位(II)との合計の含有割合としても良い。すなわち、本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体を製造する際に用いる全単量体成分中の、不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)と不飽和カルボン酸系単量体(b)との合計の質量の含有割合を、本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体中の、構造単位(I)と構造単位(II)との合計の含有割合として扱って良い。
本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体中には、構造単位(I)と構造単位(II)以外に、他の単量体(c)由来の構造単位(III)を含んでいても良い。
単量体(c)としては、単量体(a)、単量体(b)と共重合可能な単量体である。単量体(c)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
単量体(c)としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;メチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのエステル類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の各種(アルコキシ)(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのハーフエステル類;(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのジエステル類;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのハーフアミド類;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのジアミド類;上記アルコールやアミンに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと上記不飽和ジカルボン酸類とのハーフエステル類;上記アルコールやアミンに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと上記不飽和ジカルボン酸類とのジエステル類;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数2〜18のグリコールまたはこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフエステル類;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数2〜18のグリコールまたはこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのジエステル類;マレアミド酸と炭素原子数2〜18のグリコールまたはこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフアミド類;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類;ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸(塩)類;メチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族類;1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類;ブタジエン、イソプレン等のジエン類;(メタ)アクリル(アルキル)アミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和シアン類;酢酸ビニル等の不飽和エステル類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類;ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族類;(メタ)アリルアルコール、グリシジル(メタ)アリルエーテル等のアリル類;(メトキシ)ポリエチレングリコールモノビニルエーテル等のビニルエーテル類;(メトキシ)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等の(メタ)アリルエーテル類;などが挙げられる。
本発明のセメント分散剤組成物に含まれ得るポリカルボン酸系共重合体中の構造単位(III)の含有割合は、例えば、該ポリカルボン酸系共重合体の各種構造解析(例えば、NMRなど)によって知ることができる。また、上記のような各種構造解析を行わなくても、本発明のセメント分散剤組成物に含まれ得るポリカルボン酸系共重合体を製造する際に用いる各種単量体の使用量に基づいて算出される該各種単量体由来の構造単位の含有割合をもって、本発明のセメント分散剤組成物に含まれ得るポリカルボン酸系共重合体中の構造単位(III)の含有割合としても良い。すなわち、本発明のセメント分散剤組成物に含まれ得るポリカルボン酸系共重合体を製造する際に用いる全単量体成分中の他の単量体(c)の質量の含有割合を、本発明のセメント分散剤組成物に含まれ得るポリカルボン酸系共重合体中の構造単位(III)の含有割合として扱って良い。
本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体中の、構造単位(I)と構造単位(II)と構造単位(III)の含有比率は、質量比(質量%)で、好ましくは、(I)/(II)/(III)=1〜99/1〜99/0〜70であり、より好ましくは、(I)/(II)/(III)=50〜99/1〜50/0〜49であり、さらに好ましくは、(I)/(II)/(III)=55〜98/2〜45/0〜40であり、特に好ましくは、(I)/(II)/(III)=60〜97/3〜40/0〜30である。
本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体の質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリエチレングリコール換算による質量平均分子量(Mw)として、好ましくは1000〜500000であり、より好ましくは5000〜300000であり、さらに好ましくは10000〜150000である。本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体の質量平均分子量(Mw)が上記範囲内に収まることより、本発明のセメント分散剤組成物は、30℃程度以上の高温の温度環境下における流動性の経時低下抑制効果を高くでき、且つ、20℃程度の温度環境下における硬化性を高くできるという、予期できない顕著に優れた効果を、一層発現し得る。
本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体は、任意の適切な方法によって製造し得る。本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体は、好ましくは、不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)と不飽和カルボン酸系単量体(b)とを含む単量体成分の重合を重合開始剤の存在下で行って製造し得る。
本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体の製造に用い得る不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)、不飽和カルボン酸系単量体(b)、および、必要に応じて、他の単量体(c)の使用量は、本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体を構成する全構造単位中の各単量体由来の構造単位の割合が前述したものとなるように、適宜調整すればよい。好ましくは、重合反応が定量的に進行するとして、前述した本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体を構成する全構造単位中の各単量体由来の構造単位の割合と同じ割合で、各単量体を用いれば良い。
不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)は、任意の適切な方法によって合成し得る。例えば、アリルアルコール、メタリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプレノール)、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを付加することによって合成し得る。
単量体成分の重合は、任意の適切な方法で行い得る。例えば、溶液重合、塊状重合が挙げられる。溶液重合の方式としては、例えば、回分式、連続式が挙げられる。溶液重合で使用し得る溶媒としては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族または脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物;等が挙げられる。
単量体成分の重合を行う場合は、重合開始剤として、水溶性の重合開始剤、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;2,2′−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩等のアゾアミジン化合物、2,2′−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸塩等の環状アゾアミジン化合物、2−カルバモイルアゾイソブチロニトリル等のアゾニトリル化合物等の水溶性アゾ系開始剤;等を使用し得る。これらの重合開始剤は、亜硫酸水素ナトリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩、メタ二亜硫酸塩、次亜燐酸ナトリウム、モール塩等のFe(II)塩、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム二水和物、ヒドロキシルアミン塩酸塩、チオ尿素、L−アスコルビン酸(塩)、エリソルビン酸(塩)等の促進剤を併用することもできる。これらの併用形態の中でも、過酸化水素とL−アスコルビン酸(塩)等の促進剤との組み合わせが好ましい。これらの重合開始剤や促進剤は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
低級アルコール、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル化合物、またはケトン化合物を溶媒とする溶液重合を行う場合、または、塊状重合を行う場合には、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ナトリウムパーオキシド等のパーオキシド;t−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;などを用い得る。このような重合開始剤を用いる場合、アミン化合物等の促進剤を併用することもできる。さらに、水−低級アルコール混合溶媒を用いる場合には、上記の種々の重合開始剤または重合開始剤と促進剤の組み合わせの中から適宜選択して用いることができる。
単量体成分の重合の際の反応温度としては、用いられる重合方法、溶媒、重合開始剤、連鎖移動剤により適宜定められる。このような反応温度としては、好ましくは0℃以上であり、より好ましくは30℃以上であり、さらに好ましくは50℃以上であり、また、好ましくは150℃以下であり、より好ましくは120℃以下であり、さらに好ましくは100℃以下である。
単量体成分の反応容器への投入方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。このような投入方法としては、例えば、全量を反応容器に初期に一括投入する方法、全量を反応容器に分割若しくは連続投入する方法、一部を反応容器に初期に投入し、残りを反応容器に分割若しくは連続投入する方法等が挙げられる。具体的には、単量体(a)の全量と単量体(b)の全量とを反応容器に連続投入する方法、単量体(a)の一部を反応容器に初期に投入し、単量体(a)の残りと単量体(b)の全量とを反応容器に連続投入する方法、単量体(a)の一部と単量体(b)の一部とを反応容器に初期に投入し、単量体(a)の残りと単量体(b)の残りとをそれぞれ反応容器に交互に数回に分けて分割投入する方法などが挙げられる。さらに、反応途中で各単量体の反応容器への投入速度を連続的又は段階的に変えて、各単量体の単位時間あたりの投入質量比を連続的又は段階的に変化させることにより、構造単位(I)と構造単位(II)との比率が異なる2種以上の共重合体を重合反応中に同時に合成するようにしてもよい。なお、重合開始剤は反応容器に初めから仕込んでも良く、反応容器へ滴下しても良く、また目的に応じてこれらを組み合わせても良い。
単量体成分の重合の際には、好ましくは、連鎖移動剤を用い得る。連鎖移動剤を用いると、得られる共重合体の分子量調整が容易となる。連鎖移動剤は、1種のみを用いても良いし、2種以上を用いても良い。
連鎖移動剤としては、任意の適切な連鎖移動剤を採用し得る。このような連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、2−メルカプトエタンスルホン酸等のチオール系連鎖移動剤;イソプロパノール等の第2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸、およびその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)や、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、およびその塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)の低級酸化物およびその塩;などが挙げられる。
製造されたポリカルボン酸系共重合体は、そのままでも本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体として用いることもできるが、取り扱い性の観点から、ポリカルボン酸系共重合体の製造後の反応溶液のpHを5以上に調整しておくことが好ましい。しかしながら、重合率向上のため、pH5未満で重合を行い、重合後にpHを5以上に調整することが好ましい。pHの調整は、例えば、1価金属または2価金属の水酸化物や炭酸塩等の無機塩;アンモニア;有機アミン;などのアルカリ性物質を用いて行うことができる。
製造されたポリカルボン酸系共重合体は、製造によって得られた溶液に対して、必要に応じて、濃度調整を行うこともできる。
製造されたポリカルボン酸系共重合体は、溶液の形態でそのまま使用しても良いし、あるいは、カルシウム、マグネシウム等の2価金属の水酸化物で中和して多価金属塩とした後に乾燥させたり、シリカ系微粉末等の無機粉体に担持して乾燥させたりすることにより粉体化して使用しても良い。
<ホウ酸化合物>
本発明のセメント分散剤組成物に含まれるホウ酸化合物としては、例えば、ホウ酸(塩)、無水ホウ酸(塩)、過ホウ酸(塩)、メタホウ酸(塩)、テトラホウ酸(塩)(4ホウ酸(塩))、ピロホウ酸(塩)、ホウ砂、カーニットが挙げられる。塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ストロンチウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。
<他の成分>
本発明のセメント分散剤組成物は、ポリカルボン酸系共重合体およびホウ酸化合物以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の成分を含んでいても良い。
他の成分としては、例えば、セメント分散剤が挙げられる。セメント分散剤を用いる場合、本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体とセメント分散剤との配合比(ポリカルボン酸系共重合体/セメント分散剤)としては、使用するセメント分散剤の種類、配合条件、試験条件等の違いによって、任意の適切な配合比を設定し得る。このような配合比は、固形分換算での質量割合(質量%)として、好ましくは50〜100/50〜0であり、より好ましくは60〜100/40〜0であり、さらに好ましくは70〜100/30〜0である。セメント分散剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
セメント分散剤としては、例えば、分子中にスルホン酸基を有するスルホン酸系分散剤、本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体以外のポリカルボン酸系分散剤などが挙げられる。
スルホン酸系分散剤としては、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等の、ポリアルキルアリールスルホン酸塩系スルホン酸系分散剤;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等の、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系スルホン酸系分散剤;アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の、芳香族アミノスルホン酸塩系スルホン酸系分散剤;リグニンスルホン酸塩、変性リグニンスルホン酸塩等のリグニンスルホン酸塩系スルホン酸系分散剤;ポリスチレンスルホン酸塩系スルホン酸系分散剤;などが挙げられる。
本発明のセメント分散剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他のセメント添加剤(材)を含有することができる。このような他のセメント添加剤(材)としては、例えば、以下の(1)〜(12)に例示するような他のセメント添加剤(材)が挙げられる。本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体とこのような他のセメント添加剤(材)との配合比は、用いる他のセメント添加剤(材)の種類や目的に応じて、任意の適切な配合比を採用し得る。
(1)水溶性高分子物質:メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の非イオン性セルロースエーテル類;酵母グルカンやキサンタンガム、β−1.3グルカン類等の微生物醗酵によって製造される多糖類;ポリエチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール類;ポリアクリルアミド等。
(2)高分子エマルジョン:(メタ)アクリル酸アルキル等の各種ビニル単量体の共重合物等。
(3)硬化遅延剤:グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸、クエン酸等のオキシカルボン酸もしくはその塩;糖及び糖アルコール;グリセリン等の多価アルコール;アミノトリ(メチレンホスホン酸)等のホスホン酸及びその誘導体等。
(4)早強剤・促進剤:塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等の可溶性カルシウム塩;塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物;硫酸塩;水酸化カリウム;水酸化ナトリウム;炭酸塩;チオ硫酸塩;ギ酸及びギ酸カルシウム等のギ酸塩;アルカノールアミン;アルミナセメント;カルシウムアルミネートシリケート等。
(5)オキシアルキレン系消泡剤:(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシアルキレンアセチレンエーテル類;(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンラウリルアミン(プロピレンオキシド1〜20モル付加、エチレンオキシド1〜20モル付加物等)、アルキレンオキシドを付加させた硬化牛脂から得られる脂肪酸由来のアミン(プロピレンオキシド1〜20モル付加、エチレンオキシド1〜20モル付加物等)等のポリオキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド等。
(6)オキシアルキレン系以外の消泡剤:鉱油系、油脂系、脂肪酸系、脂肪酸エステル系、アルコール系、アミド系、リン酸エステル系、金属石鹸系、シリコーン系等の消泡剤。
(7)AE剤:樹脂石鹸、飽和又は不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル又はその塩、タンパク質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネート等。
(8)その他界面活性剤:各種アニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の各種カチオン性界面活性剤;各種ノニオン性界面活性剤;各種両性界面活性剤等。
(9)防水剤:脂肪酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコン、パラフィン、アスファルト、ワックス等。
(10)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。
(11)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル等。
(12)膨張材;エトリンガイト系、石炭系等。
その他の公知のセメント添加剤(材)としては、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、防錆剤、着色剤、防カビ剤等を挙げることができる。これら公知のセメント添加剤(材)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
≪セメント組成物≫
本発明のセメント組成物は、本発明のセメント分散剤組成物を含む。本発明のセメント組成物は、本発明のセメント分散剤組成物とセメントと水を含む。
本発明のセメント組成物に含まれるセメントとしては、任意の適切なセメントを採用し得る。このようなセメントとしては、例えば、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩及びそれぞれの低アルカリ形)、各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント)、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント)、グラウト用セメント、油井セメント、低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント)、超高強度セメント、セメント系固化材、エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の一種以上を原料として製造されたセメント)などが挙げられる。さらに、本発明のセメント組成物には、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体や石膏が添加されていても良い。本発明のセメント組成物に含まれるセメントは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
本発明のセメント組成物には、細骨材(砂等)や粗骨材(砕石等)などの任意の適切な骨材が含まれていても良い。
このような骨材としては、例えば、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材が挙げられる。また、このような骨材として、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材も挙げられる。
本発明のセメント組成物においては、その1mあたりの単位水量、セメント使用量、および水/セメント比としては任意の適切な値を設定し得る。このような値としては、好ましくは、単位水量が100kg/m〜185kg/mであり、使用セメント量が250kg/m〜800kg/mであり、水/セメント比(質量比)=0.1〜0.7であり、より好ましくは、単位水量が120kg/m〜175kg/mであり、使用セメント量が270kg/m〜800kg/mであり、水/セメント比(質量比)=0.12〜0.65である。このように、本発明のセメント組成物は、貧配合〜富配合まで幅広く使用可能であり、単位セメント量の多い高強度コンクリート、単位セメント量が300kg/m以下の貧配合コンクリートのいずれにも有効である。
本発明のセメント組成物中の、本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体の含有割合としては、目的に応じて、任意の適切な含有割合を採用し得る。このような含有割合としては、水硬セメントを用いるモルタルやコンクリート等に使用する場合には、セメント100質量部に対する、本発明のセメント分散剤組成物に含まれるポリカルボン酸系共重合体の含有割合として、好ましくは0.01質量部〜10質量部であり、より好ましくは0.02質量部〜5質量部であり、さらに好ましくは0.05質量部〜3質量部である。このような含有割合とすることにより、単位水量の低減、強度の増大、耐久性の向上等の各種の好ましい諸効果がもたらされる。上記含有割合が0.01質量部未満の場合、十分な性能を発現できないおそれがあり、上記含有割合が10質量部を超える場合、発現できる効果が実質上頭打ちとなって経済性の面からも不利となるおそれがある。
本発明のセメント組成物中の本発明のセメント分散剤組成物の含有割合としては、目的に応じて、任意の適切な含有割合を採用し得る。このような含有割合としては、セメント100質量部に対する本発明のセメント分散剤組成物の含有割合として、好ましくは0.01質量部〜10質量部であり、より好ましくは0.05質量部〜8質量部であり、さらに好ましくは0.1質量部〜5質量部である。上記含有割合が0.01質量部未満の場合、十分な性能を発現できないおそれがあり、上記含有割合が10質量部を超える場合、発現できる効果が実質上頭打ちとなって経済性の面からも不利となるおそれがある。
本発明のセメント組成物は、レディーミクストコンクリート、コンクリート2次製品用のコンクリート、遠心成形用コンクリート、振動締め固め用コンクリート、蒸気養生コンクリート、吹付けコンクリート等に有効であり得る。本発明のセメント組成物は、中流動コンクリート(スランプ値が22〜25cmのコンクリート)、高流動コンクリート(スランプ値が25cm以上で、スランプフロー値が50〜70cmのコンクリート)、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材等の高い流動性を要求されるモルタルやコンクリートにも有効であり得る。
本発明のセメント組成物は、構成成分を任意の適切な方法で配合して調整すれば良い。例えば、構成成分をミキサー中で混練する方法などが挙げられる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例には限定されない。なお、特に明記しない限り、部とある場合は質量部を意味し、%とある場合は質量%を意味する。
<質量平均分子量>
装置:Waters Alliance(2695)
解析ソフト:Waters社製 Empowerプロフェッショナル+GPCオプション
カラム:TSKgel ガードカラムSWXL(内径6.0×40mm)+G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL(各内径7.8×300mm)
検出器:示差屈折率計(RI)検出器(Waters 2414)
溶離液:イオン交換水10999gとアセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶かし、さらに酢酸でpH6.0に調整したもの。
流量:1.0ml/分
カラム・検出器温度:40℃
測定時間:45分
試料液注入量:100μl(試料濃度0.5質量%の溶離液溶液)
GPC標準サンプル:東ソー(株)製ポリエチレングリコール Mp=300000、200000、107000、44900、30000、20000、11840、6450、4020、1470
検量線:上記ポリエチレングリコールのMp値を用いて3次式で作成。
<モルタル試験>
(1)モルタルフロー試験
20℃および30℃雰囲気にて、普通ポルトランドセメント(太平洋セメント製)500g、ISO標準砂1350g、所定量のポリカルボン酸系共重合体およびほう酸化合物を溶解させた水225g、消泡剤としてのアデカノールLG−299(アデカ製)をポリカルボン酸系共重合体とほう酸化合物の合計量に対し2質量%をモルタルミキサーに投入し、JIS R 5201に準拠してモルタルを作成した。
得られたモルタルをJIS R 5201に準拠して、フローテーブルにより15回落下運動を与えた後のモルタルの広がり径を初期フロー値とした。また、30分後、60分後のフロー値は、フロー測定後にモルタル容器に回収し、所定温度で所定時間保存した後、再度JIS R 5201に準拠して測定した。
(2)圧縮強度試験
フロー測定後のモルタルを直径5cm、高さ10cmの強度試験供試体作成用容器に充填し、表面に乾燥防止用のPETフィルムをかぶせ、所定温度で1日間、および7日間保存して作成した供試体を、万能試験機AG−25TD(島津製作所製)を用いて圧縮強度を測定した。
〔製造例1〕:ポリカルボン酸系共重合体(1)
温度計、撹拌機、滴下装置、窒素導入管、還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、水246.6g、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド50モル付加体574.3g、アクリル酸1.0gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃に昇温した後、2%過酸化水素水25.4gを投入した。温度が58℃で安定した後、アクリル酸34.7gを水8.7gに溶解させた水溶液を3時間かけて滴下した。アクリル酸水溶液を滴下し始めると同時に、L−アスコルビン酸0.7g、2−メルカプトプロピオン酸0.8gを水107.9gに溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続き58℃を維持し、重合反応を完結させた。冷却後、30%NaOH水溶液でpHを6まで中和した。
得られたポリカルボン酸系共重合体(1)のGPC測定を行ったところ、質量平均分子量は41000であった。
〔製造例2〕:ポリカルボン酸系共重合体(2)
温度計、撹拌機、滴下装置、窒素導入管、還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、水220.8g、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド50モル付加体504.7g、アクリル酸4.3gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃に昇温した後、2%過酸化水素水46.0gを投入した。温度が58℃で安定した後、アクリル酸38.7g、アクリル酸2−ヒドロキシエチル62.3gを水23.7gに溶解させた水溶液を3時間かけて滴下した。アクリル酸およびアクリル酸2−ヒドロキシエチル水溶液を滴下し始めると同時に、L−アスコルビン酸1.2g、2−メルカプトプロピオン酸2.2gを水96.1gに溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続き58℃を維持し、重合反応を完結させた。冷却後、30%NaOH水溶液でpHを6まで中和した。
得られたポリカルボン酸系共重合体(2)のGPC測定を行ったところ、質量平均分子量は38000であった。
〔製造例3〕:ポリカルボン酸系共重合体(3)
温度計、撹拌機、滴下装置、窒素導入管、還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、水231.5g、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド50モル付加体532.3g、アクリル酸7.8gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃に昇温した後、2%過酸化水素水44.6gを投入した。温度が58℃で安定した後、アクリル酸69.9gを水17.5gに溶解させた水溶液を3時間かけて滴下した。アクリル酸水溶液を滴下し始めると同時に、L−アスコルビン酸1.2g、2−メルカプトプロピオン酸2.0gを水93.3gに溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続き58℃を維持し、重合反応を完結させた。冷却後、30%NaOH水溶液でpHを6まで中和した。
得られたポリカルボン酸系共重合体(3)のGPC測定を行ったところ、質量平均分子量は37000であった。
〔製造例4〕:ポリカルボン酸系共重合体(4)
温度計、撹拌機、滴下装置、窒素導入管、還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、水300gを仕込み、撹拌下において反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃に昇温した。次に、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(NKエステルM−450G、新中村化学工業社製)295g、メタクリル酸26g、3−メルカプトプロピオン酸0.66gを水75gに溶解させたモノマー水溶液を4時間かけて滴下した。モノマー水溶液を滴下し始めると同時に、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩1.2gを水98.8gに溶解させた水溶液を5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃を維持し、重合反応を完結させた。冷却後、30%NaOH水溶液でpHが6になるまで中和した。
得られたポリカルボン酸系共重合体(4)のGPC測定を行ったところ、質量平均分子量は42000であった。
〔実施例1〕
製造例1で得られたポリカルボン酸系共重合体(1)とホウ酸(和光純薬工業製)を、表1に示した混合比率で混合したものをセメント分散剤組成物として用い、20℃および30℃でモルタルフロー試験を行った結果を表1に、20℃および30℃での圧縮強度試験を行った結果を表2に示した。
〔比較例1〕
製造例1で得られたポリカルボン酸系共重合体(1)をセメント分散剤組成物として用い、20℃および30℃でモルタルフロー試験を行った結果を表1に、20℃および30℃での圧縮強度試験を行った結果を表2に示した。
Figure 2015187054
Figure 2015187054
〔実施例2〕
製造例1で得られたポリカルボン酸系共重合体(1)とホウ酸の混合比率を表3に示したように変更した以外は、実施例1と同様に行い、20℃および30℃でモルタルフロー試験を行った結果を表3に示した。
〔実施例3〕
ホウ酸の代わりに4ホウ酸ナトリウム(和光純薬工業製)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、20℃および30℃でモルタルフロー試験を行った結果を表3に示した。
〔実施例4〕
ホウ酸の代わりにメタホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム四水和物、和光純薬工業製)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、20℃および30℃でモルタルフロー試験を行った結果を表3に示した。
Figure 2015187054
〔実施例5〕
製造例2で得られたポリカルボン酸系共重合体(2)とホウ酸(和光純薬工業製)を、表4に示した混合比率で混合したものをセメント分散剤組成物として用い、20℃および30℃でモルタルフロー試験を行った結果を表4に示した。
〔実施例6〕
製造例2で得られたポリカルボン酸系共重合体(2)とホウ酸(和光純薬工業製)を、表4に示した混合比率で混合したものをセメント分散剤組成物として用い、20℃および30℃でモルタルフロー試験を行った結果を表4に示した。
〔実施例7〕
製造例2で得られたポリカルボン酸系共重合体(2)とホウ酸(和光純薬工業製)を、表4に示した混合比率で混合したものをセメント分散剤組成物として用い、20℃および30℃でモルタルフロー試験を行った結果を表4に示した。
〔比較例2〕
製造例2で得られたポリカルボン酸系共重合体(2)をセメント分散剤組成物として用い、20℃および30℃でモルタルフロー試験を行った結果を表4に示した。
Figure 2015187054
〔実施例8〕
製造例3で得られたポリカルボン酸系共重合体(3)とホウ酸(和光純薬工業製)を、表5に示した混合比率で混合したものをセメント分散剤組成物として用い、20℃および30℃でモルタルフロー試験を行った結果を表5に示した。
〔実施例9〕
製造例3で得られたポリカルボン酸系共重合体(3)とホウ酸(和光純薬工業製)を、表5に示した混合比率で混合したものをセメント分散剤組成物として用い、20℃および30℃でモルタルフロー試験を行った結果を表5に示した。
〔比較例3〕
製造例3で得られたポリカルボン酸系共重合体(3)をセメント分散剤組成物として用い、20℃および30℃でモルタルフロー試験を行った結果を表5に示した。
Figure 2015187054
〔実施例10〕
製造例4で得られたポリカルボン酸系共重合体(4)とホウ酸(和光純薬工業製)を、表6に示した混合比率で混合したものをセメント分散剤組成物として用い、20℃および30℃でモルタルフロー試験を行った結果を表6に、20℃および30℃での圧縮強度試験を行った結果を表7に示した。
〔実施例11〕
製造例4で得られたポリカルボン酸系共重合体(4)とホウ酸(和光純薬工業製)を、表6に示した混合比率で混合したものをセメント分散剤組成物として用い、20℃および30℃でモルタルフロー試験を行った結果を表6に示した。
〔比較例4〕
製造例4で得られたポリカルボン酸系共重合体(4)をセメント分散剤組成物として用い、20℃および30℃でモルタルフロー試験を行った結果を表6に、20℃および30℃での圧縮強度試験を行った結果を表7に示した。
Figure 2015187054
Figure 2015187054
表1〜表7より、本発明のセメント分散剤組成物は、30℃において流動性の経時低下抑制効果が高く、且つ、20℃における硬化性が高いことが判る。
本発明のセメント分散剤組成物は、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物に好適に用いられる。特に、本発明のセメント分散剤組成物は、30℃程度以上の高温の温度環境下における流動性の経時低下抑制効果を高くでき、且つ、20℃程度の温度環境下における硬化性を高くできるので、例えば、日中の気温が30℃程度以上に高くなり、夜間の気温が20℃程度にまで低くなる地域において、高い性能を発揮できる。

Claims (3)

  1. 一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)由来の構造単位(I)と一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)由来の構造単位(II)とを含むポリカルボン酸系共重合体と、ホウ酸化合物とを含む、
    セメント分散剤組成物。
    Figure 2015187054
    (一般式(1)中、RおよびRは、同一または異なって、水素原子またはメチル基を表し、Rは、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表し、AOは、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表し、nは、AOで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、nは1〜500の整数であり、xは0〜2の整数であり、yは0または1である。)
    Figure 2015187054
    (一般式(2)中、R〜Rは、同一または異なって、水素原子、メチル基、または−(CHCOOM基を表し、−(CHCOOM基は−COOX基または他の−(CHCOOM基と無水物を形成していても良く、zは0〜2の整数であり、Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、有機アンモニウム基、または有機アミン基を表し、Xは、水素原子、メチル基、エチル基、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、有機アンモニウム基、または有機アミン基を表す。)
  2. 前記ポリカルボン酸系共重合体と前記ホウ酸化合物との質量比(ポリカルボン酸系共重合体:ホウ酸化合物)が100:1〜100:100である、請求項1に記載のセメント分散剤組成物。
  3. 請求項1または2に記載のセメント分散剤組成物を含む、セメント組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102291783B1 (ko) * 2020-12-29 2021-08-25 (주)상봉이엔씨 다중벽 탄소나노튜브가 포함된 속경성 시멘트 조성물, 이를 포함하는 속경성 라텍스 개질 콘크리트 조성물, 및 이를 사용한 콘크리트 구조물의 보수 공법

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