JP2015184461A - 粘着層付き位相差フィルム、並びに粘着層付き位相差フィルムの密着性評価方法 - Google Patents

粘着層付き位相差フィルム、並びに粘着層付き位相差フィルムの密着性評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルム端面等における粘着層の抜けの発生を効果的に防止することができる粘着層付き位相差フィルム、並びに粘着層付き位相差フィルムにおける粘着層の抜けの発生について評価することができる密着性評価方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る粘着層付き位相差フィルム1は、基材11と、パターン配向層12と、液晶組成物を含む液晶層13と、粘着剤組成物を含む粘着層20とがこの順に積層されたフィルムであって、粘着層20上に光学的に透明な粘着剤(OCA)テープを貼付し、テンシロン引張試験機を用いて1000mm/min、剥離方向180°で剥離したときの、液晶層13と粘着層20との界面における剥離強度が2700gf/25mm以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板及びガラスに貼り合わせるだけで、三次元液晶ディスプレイ等の画像表示装置に用いる光学部材を提供可能な粘着層付き位相差フィルム、並びにその粘着層付き位相差フィルムの密着性評価方法に関する。
近年、三次元表示可能なフラットパネルディスプレイが注目を集め始めており、市販も始まっている。そして、今後のフラットパネルディスプレイにおいては三次元表示可能であることが、その性能として当然に求められることが予想され、三次元表示可能なフラットパネルディスプレイの検討が幅広い分野において進められている。
フラットパネルディスプレイにおいて三次元表示をするには、通常、視聴者に対して何らかの方式で右目用の映像と、左目用の映像とを別個に表示することが必要とされる。右目用の映像と左目用の映像とを別個に表示する方法としては、例えば、パッシブ方式というものが知られている。このようなパッシブ方式の三次元表示方式について図を参照しながら説明する。図5は、パッシブ方式の三次元画像表示の一例を示す概略図である。図5に示すように、このパッシブ方式では、先ず、フラットパネルディスプレイを構成する画素を、右目用映像表示画素と左目用映像表示画素の2種類の複数の画素にパターン状に分割し、一方のグループの画素では右目用の映像を表示させ、他方のグループの画素では左目用の映像を表示させる。また、直線偏光板と、当該画素の分割パターンに対応したパターン状の位相差層を有する位相差フィルムとを備える光学部材を用い、右目用の映像と、左目用の映像とを互いに直交関係にある円偏光に変換する。さらに、視聴者には右目用レンズと左目用レンズとに互いに直交する円偏光レンズを採用した円偏光メガネを装着させ、右目用の映像が右目用レンズのみを通過し、かつ左目用の映像が左目用のレンズのみを通過するようにする。このようにして右目用の映像が右目のみに届き、左目用の映像が左目のみに届くようにすることによって三次元表示を可能とするものがパッシブ方式である。
このようなパッシブ方式では、上述した位相差フィルムと、対応する円偏光メガネとを用いることにより容易に三次元表示が可能なものにできるという利点がある。
このパッシブ方式に係る位相差フィルムは、画素の割り当てに対応して透過光に位相差を与えるパターン状の位相差層が必要である。この位相差フィルムに関して、特許文献1には、配向規制力を制御した光配向層をガラス基板上に形成し、この光配向層により液晶の配列をパターンニングして位相差層を作製する方法が開示されている。また、特許文献2には、レーザービームの照射によりロール版の周側面に微細な凹凸形状を形成し、この凹凸形状を転写してパターン状に配向規制力を制御した配向層を作製する方法が開示されている。
具体的に、図6に、位相差フィルム50の概略断面図を示す。位相差フィルム50は、基材51の一方の面にパターン配向層52が形成され、このパターン配向層52上に、液晶組成物を含む位相差層(以下、「液晶層」ともいう)53が形成されている。パターン配向層52は、2種類の配向パターンを交互に有する。この配向パターンは、微細な凹凸形状を有するロールで圧延して当該凹凸形状を転写するラビング方式、又は、偏光照射により光配向性を発揮する光配向材料を用いて光照射によって配向させる光配向方式によって形成される。液晶層53は、液晶性を示し分子内に重合性官能基を有する棒状化合物(液晶化合物)を含み、上述した配向パターンに沿って形成される。そのため、液晶層53は、右目用の領域に対応する第1の位相差領域53Aと、左目用の領域に対応する第2の位相差領域53Bとを有する。なお、基材51の種類は特に限定されないが、光学的等方性に優れ、光学的特性に優れたパターン配向膜を製造できる点で、トリアセチルセルロース(以下、「TAC」ともいう。)が好適に用いられる。
さて、フラットパネルディスプレイを供給するに際しては、図7に示すように、位相差フィルム50の液晶層53面に粘着層60を形成し、この粘着層60を介して偏光板70及びガラス80をさらに貼り付ける必要がある。偏光板70及びガラス80の貼り合わせを容易にするために、部品メーカー等は、図8に示すように、粘着層60を介して偏光板70及びガラス80を貼り合わせる代わりに、粘着層60を介して離型フィルム90を貼り合わせた粘着層付き位相差フィルム100を供給することが求められている。
しかしながら、従来の粘着層付き位相差フィルム100は、位相差フィルム50の液晶層53と、その液晶層53面に形成された粘着層60との密着性が十分ではなかった。そのため、例えば、その粘着層付き位相差フィルム100がシートカット加工工程等に移送される際に、シート搬送に用いられるガイドローラに粘着層60が付着したり、シートカットに際して作業者の手袋やシートカットに用いる刃に粘着層60が付着したりすることがあり、このことにより、フィルム端面等において、粘着層60の抜け(糊抜け)が発生してしまうという問題が生じていた。
そして、このような粘着層60に抜けがある状態で偏光板を貼り合わせると、位相差フィルムから偏光板が容易に剥離する原因や外観不良の原因となり、また後工程で偏光板の保護フィルムとして貼り合せたTAC等のフィルムが粘着層から浮いてしまう、いわゆる浮きの原因にもなっていた。さらには、その粘着層60が抜けた部分が空気層となり、光の屈折率等の変動をもたらし、表示不良の原因になることもあった。
位相差フィルムの液晶層と粘着層との密着力を向上させるために、例えば、その粘着層を構成する粘着剤組成物中に粘着付与剤等を含有させることが考えられる。しかしながら、粘着剤組成物に粘着付与剤を添加すると、その粘着層の凝集力が低下する問題がある。その結果、例えば粘着層に偏光板を貼り合せたときのリワーク等に際して、偏光板の面にいわゆる糊残りが発生し、また粘着層に応力が長期的にかかる用途においては、時間経過により保持力が低下して、耐久性が低下することがある。
特開2005−49865号公報 特開2010−152296号公報
本発明は、上述したような実情に鑑みてなされたものであり、フィルム端面等における粘着層の抜けの発生を効果的に防止することができる粘着層付き位相差フィルム、並びに粘着層付き位相差フィルムにおける粘着層の抜けの発生について評価することができる密着性評価方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、所定条件にて剥離試験を行ったときの、液晶層と粘着層との剥離強度が所定の値以上である粘着層付き位相差フィルムでは、フィルム端面での粘着層の抜けの発生を効果的に防止できることを見出し、本発明を完成させた。具体的に、本願発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明は、基材と、パターン配向層と、液晶組成物を含む液晶層と、粘着剤組成物を含む粘着層とがこの順に積層された粘着剤付き位相差フィルムであって、前記粘着層上に光学的に透明な粘着剤(OCA)テープを貼付し、テンシロン引張試験機を用いて1000mm/min、剥離方向180°で剥離したときの、前記液晶層と前記粘着層との界面における剥離強度が2700gf/25mm以上である粘着層付き位相差フィルムである。
(2)また、本発明は、上述した(1)に記載の発明において、当該粘着層付き位相差フィルムの25mm×25mmの試験片を、前記粘着層の面で基板に固定し、60℃の温度条件で2kgの荷重をかけるクリープ試験において、7日経過後のクリープが1mm未満である粘着層付き位相差フィルムである。
(3)また、本発明は、上述した(1)又は(2)に記載の発明において、前記粘着剤組成物が、アクリル系粘着剤を主剤として含有する粘着層付き位相差フィルムである。
(4)また、本発明は、上述した(3)に記載の発明において、前記粘着剤組成物が、質量平均分子量が40万以上90万以下である前記アクリル系粘着剤と、イソシアネート系硬化剤と、アルミニウムキレート剤と、シランカップリング剤とを含有し、該粘着剤組成物により形成される前記粘着層の25℃での貯蔵弾性率が1.7×10Pa以上3.0×10Pa以下であり、かつ、25℃での貯蔵弾性率を(a)、60℃での貯蔵弾性率を(b)としたときの、(a)/(b)が1.8以上2.4以下である粘着層付き位相差フィルムである。
(5)また、本発明は、上述した(1)乃至(4)の何れかに記載の発明において、前記位相差フィルムが、前記基材の前記粘着層が貼合される側とは反対の面に、ハードコート層、防眩層、帯電防止層、防汚層、高屈折率層、低屈折率層からなる群から選択される1又はそれ以上の層が形成されている粘着層付き位相差フィルムである。
(6)また、本発明は、上述した(1)乃至(5)の何れかに記載の発明において、当該粘着層付き位相差フィルムが、離型フィルム上に粘着剤組成物を塗布し、未硬化状態の粘着層を形成する工程と、前記離型フィルム上に形成された前記粘着層の養生前に、該粘着層を、基材と、パターン配向層と、液晶組成物を含む液晶層とを順次積層させた位相差フィルムにおける該液晶層に貼合する工程と、前記位相差フィルムに貼合させた前記粘着層を養生することにより硬化する工程とを有する製造方法により得られる粘着層付き位相差フィルムである。
(7)また、本発明は、基材と、パターン配向層と、液晶組成物を含む液晶層と、粘着剤組成物を含む粘着層とがこの順に積層された粘着剤付き位相差フィルムにおける該液晶層と該粘着層との密着性評価方法であって、前記粘着層上に光学的に透明な粘着剤テープ(OCA)を貼付し、テンシロン引張試験機を使用して1000mm/min、剥離方向180°で剥離したときの剥離強度が2700gf/25mm以上であるか否かに基づいて密着性を評価する粘着層付き位相差フィルムの密着性評価方法である。
本発明に係る粘着層付き位相差フィルムでは、位相差フィルムを構成する液晶層と粘着層との間の界面(粘着層−液晶層界面)において高い密着力を有し、フィルム端面での粘着層の抜けの発生を効果的に防ぐことができる。
また、本発明に係る粘着層付き位相差フィルムは、粘着層付き位相差フィルムの25mm×25mmの試験片を、粘着層の面で基板に固定し、60℃の温度条件で2kgの荷重をかけるクリープ試験において、7日経過後のクリープが1mm未満である。すなわち、本発明の粘着層付き位相差フィルムは、粘着層−液晶層界面において高い密着力を有するとともに、その粘着層において高い凝集力を有している。このことから、粘着層−液晶層界面においては、高い密着性でもって密着して粘着層抜けが防止されるとともに、粘着層に偏光板を貼り合せた際には粘着層と偏光板との界面でのリワークが容易であり、しかも耐久性を有する。
また、本発明に係る密着性評価方法によれば、位相差フィルムを構成する液晶層と粘着層との間の界面において十分な密着力を有し、フィルム端面での粘着層の抜けが生じないフィルムであるか否かを容易に評価することができる。
粘着層付き位相差フィルムの概略断面図である。 位相差フィルムの概略断面図である。 粘着層付き位相差フィルム1の製造方法の流れを説明するための図である。 位相差フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 パッシブ方式の三次元画像表示の一例を示す概略図である。 位相差フィルムの概略断面図である。 フラットパネルディスプレイの一構成要素としての従来公知の光学部材を示す概略断面図である。 従来公知の粘着層付き位相差フィルムの概略断面図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について、図面を参照しながら以下の順序で詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
1.粘着層付き位相差フィルムの構成
1−1.位相差フィルム
1−2.粘着層
1−3.離型フィルム(剥離フィルム)
2.粘着層付き位相差フィルムの特性
3.粘着層付き位相差フィルムの製造方法
4.粘着層付き位相差フィルムの密着性評価方法
5.実施例
≪1.粘着層付き位相差フィルムの構成≫
図1は、本実施の形態に係る粘着層付き位相差フィルム1の概略断面図である。図1に示すように、粘着層付き位相差フィルム1は、基材11と、パターン配向層12と、液晶組成物を含む位相差層(以下、「液晶層」ともいう)13とを有する位相差フィルム10を備える。また、粘着層付き位相差フィルム1においては、位相差フィルム10の最外層を構成する、液晶組成物を含む液晶層13の表面に粘着層20が接して形成されており、この粘着層20を介して離型フィルム(剥離フィルム)30が積層されている。
位相差フィルム10においては、基材11の一方の面上にパターン配向層12が形成され、そのパターン配向層12上に液晶層13が形成されている。この位相差フィルム10においては、基材11の他方の面、すなわちパターン配向層12が積層された面とは反対の面上に、光学機能層14が形成されていてもよく、この場合には保護フィルム15が光学機能層14上に貼り合わせられていてもよい。
光学機能層14としては、例えば、ハードコート層、防眩層、帯電防止層、防汚層、高屈折率層、低屈折率層等が挙げられ、位相差フィルム10においては、これらの中から選択される1種の層又は2種以上の層が基材11上に形成されていてもよい。
<1−1.位相差フィルム>
図2は、位相差フィルム10の一例を示す概略断面図である。図2に示すように、位相差フィルム10において、基材11の一方の面上にパターン配向層12が形成され、このパターン配向層12上に、液晶組成物を含む液晶層(位相差層)13が形成される。また、基材11の他方の面上には、必要に応じて光学機能層14を設け、さらに第2の粘着層(図示せず)を介して保護フィルム15が貼り合わせるようにしてもよい。なお、本明細書において、「位相差」は「パターン位相差」と同義である。
[基材]
基材11は、透明フィルム材であり、パターン配向層12を支持する機能を有し、長尺に形成されている。基材11の種類としては、特に限定されるものでないが、光学的等方性に優れ、光学的特性に優れたパターン配向膜を製造できる点で、トリアセチルセルロース(TAC)を用いることが好ましい。特に、平均酢化度が57.5%〜62.5%(置換度:2.6〜3.0)のTACを用いることが好ましい。ここで、酢化度とは、セルロース単位質量当りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定及び計算により求めることができる。なお、TACの酢化度は、フィルム中に含まれる可塑剤等の不純物を除去した後に、上述した方法により求めることができる。
基材11は、位相差が小さいことが好ましく、面内位相差(面内レターデーション値、以下、「Re値」ともいう)が、0nm〜10nmの範囲内であることが好ましく、0nm〜5nmの範囲内であることがより好ましく、0nm〜3nmの範囲内であることがさらに好ましい。Re値が10nmを超えると、パターン配向膜を用いたフラットパネルディスプレイの表示品質が悪くなる可能性がある点で好ましくない。
Re値とは、屈折率異方体の面内方向における複屈折性の程度を示す指標をいい、面内方向において屈折率が最も大きい遅相軸方向の屈折率をNx、遅相軸方向に直交する進相軸方向の屈折率をNy、屈折率異方体の面内方向に垂直な方向の厚さをdとした場合に、
Re[nm]=(Nx−Ny)×d[nm]
で表わされる値である。Re値は、例えば位相差測定装置KOBRA−WR(王子計測機器社製)を用い、平行ニコル回転法により測定することができる。
基材11の可視光領域における透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透明フィルム基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
基材11の厚さは、パターン配向膜を用いて製造される位相差フィルム10の用途等に応じて、当該位相差フィルム10に必要な自己支持性を付与できる範囲内であれば特に限定されないが、通常、25μm以上125μm以下の範囲内であることが好ましく、40μm以上100μm以下の範囲内であることがより好ましく、60μm以上80μm以下の範囲内であることがさらに好ましい。基材11の厚さが25μm以上であることにより、位相差フィルムに必要な自己支持性を付与できるため好ましい。また、基材11の厚さが125μm未満であることにより、長尺状の位相差フィルムを裁断加工し、枚葉の位相差フィルムとする際に、加工屑が増加したり、裁断刃の磨耗が速くなってしまうことがないためで好ましい。
基材11は、単一の層からなる構成に限られるものではなく、複数の層が積層された構成を有していてもよい。複数の層が積層された構成を有する場合は、同一組成の層が積層されてもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層されていてもよい。
[パターン配向層]
パターン配向層12は、位相差フィルム10の用途等に応じて、当該位相差フィルム10に必要な機能を付与できる範囲内であればパターン形状やパターン化の方法は特に限定されない。なお、以下では、一例として、2種類の配向パターン(図示せず)を交互に有するパターン配向層について記述する。
パターン配向層12における配向パターンは、微細な凹凸形状を有するロールで圧延し、当該凹凸形状を転写するラビング処理によって形成されてもよいし、偏光照射により光配向性を発揮する光配向材料を用いて光照射によって配向させる光配向方式によって形成されてもよい。ラビング処理によって配向パターンを形成する場合、パターン配向層12は、広く一般に用いられるエネルギー線硬化性樹脂(紫外線硬化樹脂等)を含有するものであれば、どのようなものであってもよい。一方、光配向方式によって配向パターンを形成する場合、パターン配向層12は、偏光紫外線の照射により配向規制力を発現できる光配向材料を含有する必要がある。配向規制力とは、パターン配向層12上に液晶組成物からなる層を形成したときに、その液晶化合物を所定の方向に配列させる機能をいう。
光配向材料は、偏光を照射することにより配向規制力を発現するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、又はシンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマーが挙げられる。その中でも、配向規制力が良好である点で、シンナメート、クマリンの一方又は両方を有するポリマーが好適に用いられる。このような光二量化型材料の具体例としては、例えば、特開平9−118717号公報、特表平10−506420号公報、特表2003−505561号公報、及びWO2010/150748号公報等に記載された化合物を挙げることができる。
[液晶層(位相差層)]
液晶層(位相差層)13は、液晶性を示し分子内に重合性官能基を有する液晶化合物を含有する液晶組成物を含む。この液晶層13は、パターン配向層12における配向パターンに沿って形成されるため、図2に示すように、右目用の領域に対応する第1の位相差領域13Aと、左目用の領域に対応する第2の位相差領域13Bとを有する。なお、液晶層13におけるパターン形状やパターン化の方法は、特に限定されず、用途等に応じて適宜決定されるが、以下では一例として三次元立体に用いる液晶層について記述する。
(液晶化合物)
液晶化合物の一例として、液晶材料が挙げられる。液晶材料は、屈折率異方性を有しており、上述した配向パターンに沿って規則的に配列することによって、液晶層13に所望の位相差性を付与する機能を有する。液晶材料としては、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を示す材料が挙げられるが、他の液晶相を示す液晶材料と比較して規則的に配列させることが容易であるという点で、ネマチック相を示す液晶材料を用いることがより好ましい。ネマチック相を示す液晶材料としては、例えば、メソゲン両端にスペーサを有する材料を用いることが好ましい。メソゲン両端にスペーサを有する液晶材料は、柔軟性に優れるため、位相差フィルム10を透明性に優れたものにすることができる。
また、液晶材料としては、分子内に重合性官能基を有するものが好ましく、三次元架橋可能な重合性官能基を有するものがより好ましい。液晶材料が重合性官能基を有することにより、その液晶材料を重合して固定することが可能になるため、配列安定性に優れ、位相差性の経時変化が生じにくい液晶層13を形成することができる。また、後述する粘着層20を構成する粘着剤に含まれる低分子量成分によって、配向が乱されることを防止することができる。ここで、「三次元架橋」とは、液晶性分子を互いに三次元に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることをいう。
重合性官能基としては、例えば、紫外線、電子線等の電離放射線、あるいは熱の作用によって重合する重合性官能基を挙げることができる。これら重合性官能基の代表例としては、ラジカル重合性官能基、あるいはカチオン重合性官能基等が挙げられる。さらに、ラジカル重合性官能基の代表例としては、少なくとも1つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が挙げられ、具体例としては、置換基を有する若しくは有さないビニル基、アクリレート基(アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を包含する総称)等が挙げられる。また、カチオン重合性官能基の具体例としては、エポキシ基等が挙げられる。その他、重合性官能基としては、例えば、イソシアネート基、不飽和3重結合等が挙げられる。その中でも、プロセス上の点から、エチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が好適に用いられる。
さらに、液晶材料としては、その末端に重合性官能基を有するものが特に好ましい。このような液晶材料を用いることで、例えば、互いに三次元に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることができるため、列安定性を備え、かつ、光学特性の発現性に優れた位相差フィルムを形成することができる。なお、本実施の形態においては、片末端に重合性官能基を有する液晶材料を用いた場合であっても、他の分子と架橋して配列安定化させることができる。
なお、液晶材料は、1種類単独で用いてもよく、または2種類以上を混合して用いてもよい。例えば、液晶材料として、両末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶材料と、片末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶材料とを混合して用いると、両者の配合比の調整により重合密度(架橋密度)及び光学特性を任意に調整できるという点から好ましい。また、信頼性確保の観点からは、両末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶材料が好ましいが、液晶配向の観点からは両末端の重合性官能基が1つであることが好ましい。
液晶材料の含有量としては、パターン配向層12上に塗布する塗布方法に応じて、液晶層形成用塗工液の粘度を所望の値とすることができるものであれば特に限定されない。例えば、液晶層形成用塗工液中に、5質量部以上40質量部以下の範囲内であることが好ましく、10質量部以上30質量部以下の範囲内であることがより好ましい。液晶材料の含有量が5質量部未満であると、液晶材料が少なすぎるために液晶層13への入射光を適切に配向できない可能性があり好ましくない。一方で、含有量が30質量部を超えると、液晶層形成用塗工液の粘度が高くなりすぎるため、作業性が劣ってしまい好ましくない。
(他の化合物)
また、液晶組成物中には、上述した液晶材料の配列秩序を害さない範囲であれば、他の化合物を加えることもできる。他の化合物として、例えば、重合開始剤、溶媒、重合禁止剤、可塑剤、界面活性剤、シランカップリング剤等が挙げられる。
(液晶層の厚さ)
液晶層13の厚さとしては、所定の位相差性を達成できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、液晶層13の面内位相差がλ/4分に相当することが好ましい。ここで、λは波長500nmである。これにより、液晶層13を通過する直線偏光を互いに直交関係にある円偏光にすることができるため、より精度良く3次元映像を表示できる。
[光学機能層]
光学機能層14としては、例えば、ハードコート層、防眩層、帯電防止層、防汚層、高屈折率層、低屈折率層等が挙げられ、位相差フィルム10においては、これらの中から選択される1種の層又は2種以上の層を基材11上に形成することができる。
例えば、光学機能層14として防眩層を形成した場合は、表面散乱及び/又は内部散乱による光拡散性と、フィルムの耐擦傷性を向上するためのハードコート性をフィルムに寄与する目的で形成される。したがって、光学機能層14を構成する組成物は、ハードコート性を付与するためのバインダー、光拡散性を付与するためのマット粒子、及び必要に応じて高屈折率化、架橋収縮防止、高強度化のためのフィラーを含有する。
このような光学機能層14は、ハードコート性を備えることが好ましい。光学機能層14は、その他の機能を付与するために1層であってもよいし、2層以上であってもよい。
光学機能層14の厚さは、1層であっても2層以上であっても、ハードコート性を付与する観点、並びにカールの発生及び脆性の悪化を抑制する観点から、全体の厚さとして1μm以上10μm以下が好ましく、1.2μm以上6μm以下がより好ましい。
[保護フィルム]
また、上述した光学機能層14を保護するために、保護フィルム15が用いられてもよい。保護フィルム15を用いる場合、その保護フィルム15の種類としては、液晶層13における位相差パターンを後工程で検査することが可能な、低配向の合成樹脂フィルムを用いることが好ましい。
また、このような保護フィルム15は、光学機能層14の劣化を防ぐために、帯電防止剤を含有するものであることが好ましい。さらに、保護フィルム15は、光学機能層14からの剥離を容易にするために、表面剥離処理が施された合成樹脂フィルムであることが好ましい。またさらに、光学機能層14と保護フィルム15との間に、粘着層(第2の粘着層)が形成されていてもよい。
なお、透明フィルムからなる基材11の表面に光学機能層14及び保護フィルム15が形成された光学部材の市販品として、例えば、TD60UL−P(商品名,厚さ:60μm,富士フィルム株式会社製)等が知られている。
<1−2.粘着層>
粘着層20は、上述した位相差フィルム10の液晶層13の面に接して設けられ、粘着剤組成物を含有する。
(粘着剤組成物)
粘着層20を構成する粘着剤組成物としては、特に限定されないが、例えば、透明性が高いという観点から、主剤としてアクリル系粘着剤を含有する粘着剤組成物を好ましく用いることができる。
そして、アクリル系粘着剤を主剤と知る粘着剤組成物の中でも、アクリル系粘着剤と、イソシアネート系硬化剤と、アルミニウムキレート剤と、シランカップリング剤とを含有する組成物を特に好適に用いることができる。このような組成からなる粘着剤組成物によれば、粘着剤組成物を塗工して得られる粘着層20と、位相差フィルム10における液晶層13との密着性が高まり、粘着層付き位相差フォルム1の端部における粘着層抜け(糊抜け)の発生を効果的に防ぐことができる。
アクリル系粘着剤としては、アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させたアクリル酸エステル共重合体(アクリル系ポリマー)が挙げられる。アクリル酸エステル共重合体は、アクリル酸エステルを主成分とする。ここで、主成分とは、共重合割合が51質量%以上であることを意味し、65質量%以上であることが好ましい。
アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ヒドロキシルエチル、アクリル酸プロピレングリコール、アクリルアミド、アクリル酸グリシジル等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上述したアクリル酸エステルの中でも、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルが、耐久性、透明性、塗工適性等に優れ、また、低コストである点において好ましい。
他の単量体としては、例えば、アクリル酸エステルと共重合可能なカルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー等を挙げることができる。アクリル酸エステルと共重合可能なカルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸β−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸カルボキシペンチル、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられ、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
粘着剤組成物中のカルボキシル基含有モノマーの含有量としては、アクリル酸エステルが主成分であれば特に限定されず、所望の粘着強度を示すように、適宜、設定することができるが、耐久性、粘着性、光学特性等の観点から、当該組成物に含まれるアクリル酸エステルの総量に対し、0.1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。なお、共重合比は、核磁気共鳴装置(NMR)により測定することができる。
また、アクリル酸エステルの共重合可能な水酸基含有モノマーとしては、その構造中に、共重合可能な重合性基と水酸基とを有していれば、特に限定されず、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ポリエチレングリコール等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
粘着剤組成物中の水酸基含有モノマーの含有量としては、アクリル酸エステルが主成分であれば特に限定されず、所望の粘着強度を示すように、適宜、設定することができるが、耐久性、粘着性、光学特性等の観点から、当該組成物に含まれるアクリル酸エステルの総量に対し、0.1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。なお、共重合比は、核磁気共鳴装置(NMR)により測定することができる。
また、アクリル系ポリマーの質量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、耐久性の観点から、好ましくは40万〜90万の範囲内である。質量平均分子量が40万未満であると、粘着層20が軟らかくなり、偏光板をTAC等の保護フィルムを介して貼り付ける際に、その保護フィルムの収縮量には十分追従するが、高温多湿の長期条件下で繰り返される内部応力に耐えることができない可能性がある。一方で、質量平均分子量が90万を超えると、粘着層20が硬くなり、粘着層20と液晶層13との界面における密着力を十分に向上させることができない。また、TAC等の保護フィルムの収縮量と、粘着層20の変化量の差が大きくなるため収縮応力が生じ、いずれの場合も収縮応力を適度に緩和することができない可能性があるので好ましくない。なお、質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した際の、ポリスチレン換算の値である。
なお、上述したアクリル系ポリマーの市販品としては、例えば、SKダイン2971(綜研化学社製)、SKダイン2975(綜研化学社製)、SKダイン1811L(綜研化学社製)、SKダイン2950(綜研化学社製)、SKダイン2094(綜研化学社製)、オリバインEG−654(トーヨーケム社製)等を好適に用いることができる。
また、粘着層を構成する粘着剤組成物は、硬化剤を含有する。硬化剤としては、特に限定されないが、イソシアネート系硬化剤を用いることが好ましい。アクリル系粘着剤を主剤とする粘着剤組成物とした場合、アクリル系粘着剤が水酸基を有するため、硬化剤としてイソシアネート系硬化剤を用いることで、部分架橋を向上させることができ、粘着層20となったときに内部破壊がなく適度な貯蔵弾性率が得られる。
具体的に、イソシアネート系硬化剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物の3量体、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー、ウレタンプレポリマーの3量体等が挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,5−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、リジンイソシアネート等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本実施の形態においては、粘着層20に適度な柔軟性を付与でき、かつ粘着剤組成物の硬化した粘着層20が接触した部位に、分離して付着することを防止できる点で、トリレンジイソシアネート系硬化剤を用いることが好ましい。
イソシアネート系硬化剤の含有量としては、特に限定されないが、例えばアクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して固形分換算で15質量部以上25質量部以下であることが好ましく、15質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。含有量が15質量部よりも少ないと、高温での貯蔵弾性率が低下するため(特に高温下で)、十分な応力緩和性が発現されにくく耐久性が得られない場合がある。また、粘着層20の接触する部位に、粘着層20が分離して付着することを防止する効果が十分に得られない。一方で、含有量が25質量部よりも多いと、貯蔵弾性率が高くなり、高温でのTAC等の保護フィルムの収縮に追従しにくくなる上に、粘着力が低下するため、浮きや剥れが発生しやすくなる場合があり好ましくない。
イソシアネート系硬化剤の含有量に関して、アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して、イソシアネート系硬化剤を固形分換算で15質量部以上25質量部以下の配合で添加すれば、適度な弾性率を有する粘着層を形成することができ、TAC等の保護フィルムの収縮応力を緩和して、高温多湿下であっても基材を用いた粘着シートがガラス基材等から浮くことを防止できる。さらに、粘着層20の接触する部位である、他の部材や作業員の手に、粘着層20が分離して付着することをより効果的に防止することができる。
また、粘着剤組成物には、アルミニウムキレート剤を含有させることができる。アルミニウムキレート剤は、金属イオンのアルミニウムイオンに2座以上配位したキレート化合物であり、例えば、アルミニウムとアセチルアセトン、アセト酢酸エチルとの配位化合物等が挙げられる。
アルミニウムキレート剤の含有量としては、特に限定されないが、例えばアクリル系粘着剤の固形分100質量部に対し、固形分換算で0.4質量部以上1.2質量部以下の配合で含有することが好ましく、0.4質量部以上1.0質量部以下であることがより好ましい。含有量が0.4質量部よりも少ないと、高温での弾性率が低下するため十分な応力緩和性が発現されにくく耐久性が得られない場合がある。また、粘着層20の接触する部位に、粘着層20が分離して付着しやすくなる点で好ましくない。一方で、含有量が1.2質量部よりも多いと、弾性率が高くなり、高温でのTAC等の保護フィルムの収縮に追従しにくくなる上に、粘着力が低下するため、浮きや剥れが発生しやすくなる場合があり好ましくない。
また、粘着剤組成物には、シランカップリング剤を含有させることができる。シランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−フェニルアミノフロピルトリメトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤;ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド系シランカップリング剤;ビニルエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニル系シランカップリング剤;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のメタクリレート系シランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、等のエポキシ系シランカップリング剤;γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート系シランカップリング剤;ポリエトキシジメチルシロキサン、ポリエトキシジメチルシロキサン等のポリマー型シランカップリング剤;N−(N−ベンジル−β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩等のカチオン型シランカップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤の含有量としては、特に限定されないが、例えばアクリル系粘着剤の固形分100質量部に対し、固形分換算で0.05質量部以上0.5質量部以下の配合で含有することが好ましい。含有量が0.05質量部よりも少ないと、TAC等の保護フィルムとの接着性が低下し、浮きや剥れが発生しやすくなる場合があり好ましくない。一方で、含有量が0.5質量部よりも多いと、TAC等の保護フィルムの収縮に追従しにくくなる場合があり好ましくない。
その他、粘着剤組成物中には、粘着層20に対して、耐候性、耐光性、耐熱性、耐湿性、難燃性等の付与、及び、コーティング液の安定性、塗工性、乾燥性、アンチブロッキング性等を向上させるための添加剤を、必要に応じて添加することができる。具体的には、例えば、分散剤、消泡剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤等を添加することができる。これらは、公知のものを使用することができ、粘着層20に求められる性能に応じて選択することができる。
ここで、粘着剤組成物としては、質量平均分子量が40万以上90万以下であるアクリル系粘着剤と、イソシアネート系硬化剤と、アルミニウムキレート剤と、シランカップリング剤とを含有する粘着剤組成物であることが好ましい。そして、その粘着剤組成物から形成される粘着層20の25℃での貯蔵弾性率が1.7×10Pa以上3.0×10Pa以下であり、かつ25℃での貯蔵弾性率を(a)、60℃での貯蔵弾性率を(b)としたときの(a)/(b)が1.8以上2.4以下の関係を満足するものが特に好ましい。このような粘着剤組成物によれば、その粘着剤組成物により構成される粘着層20と液晶層13との界面における密着性を効果的に高めることができる。
貯蔵弾性率は、TAインスツルメント・ジャパン社製の粘弾性試験機「RDA−III」を用いて、JIS K7244−1に準拠した動的粘弾性測定法(アタッチメントモード:圧縮モード,周波数:1Hz,温度:−50〜150度、昇温速度:5度/分)にて測定することができる数値である。25℃での貯蔵弾性率が1.7×10Paよりも小さいと、粘着層20の凝集力が不足し、十分な応力緩和性が発現されにくく、耐久性が得られない場合がある。また、粘着層20と液晶層13との界面において十分な密着力が得られず、フィルム端部での粘着層20の抜けが生じやすくなる可能性がある。一方で、25℃での貯蔵弾性率が3.0×10Paよりも大きくなると、TAC等の基材の収縮に追従しにくくなる上に、粘着力が低下するため、浮きや剥れが発生しやすくなる。
また、粘着剤組成物から形成される粘着層20の25℃での貯蔵弾性率を(a)、60℃での貯蔵弾性率を(b)としたときの、貯蔵弾性率の比である(a)/(b)が1.8未満であると、粘着層20のべたつきが比較的強くなり、粘着層20の接触する部位に粘着層20が分離して付着しやすくなる。一方で、(a)/(b)が2.4より大きいと、常温に比べ高温での粘着層20の硬度の差が大きくなり、また高温でのTAC等の基材の収縮に追従しにくくなる上に、粘着力が低下するため、浮きや剥れが発生しやすくなる。また、粘着層20と液晶層13との界面において十分な密着力が得られず、フィルム端部での粘着層20の抜けが生じやすくなる可能性がある。
(粘着層の厚み)
粘着層20の厚みとしては、通常、5μm以上100μm以下であり、好ましくは10μm以上50μm以下である。厚みが5μm未満であると、TAC等の基材の収縮に粘着層20の大部分が追従してしまい、基材の収縮応力を緩和することができない。一方で、厚みが100μmを超えると、応力緩和特性について問題はないが、光線透過率等の光学特性に悪影響を及ぼす場合があり好ましくない。
<1−3.離型フィルム(剥離フィルム)>
離型フィルム(剥離フィルム)30は、表面に剥離処理が施された合成樹脂フィルムであればどのようなものであってもよく、ポリエステル系フィルム、オレフィン系フィルム、ポリエチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、TAC等が挙げられる。これらの中でも、位相差パターンを後工程で検査できる点で低配向の合成樹脂フィルムが特に好ましい。本明細書において、低配向とは、原反水平方向の配向主軸が0°から12°であることをいい、低配向の合成樹脂フィルムの例として、ポリエステル系フィルム、オレフィン系フィルム等が挙げられる。その中でも、強度及び柔軟性に優れる点で、表面に剥離処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)が特に好ましい。
離型フィルム30の厚さは25μm以上50μm以下であることが好ましく、特に30μm以上40μm以下であることが好ましい。厚さが25μm未満であると、ハードコート層等とは異なり、粘着層20が変形しやすいため、粘着層20に打痕と呼ばれる欠点が生じやすく、更に粘着層20が異物をかみやすくなる。一方で、厚さが50μmを超えると、粘着層付き位相差フィルム1から離型フィルム30を剥がすときに、剥離し難くなる。また、離型フィルム30は、使用された後に廃棄されるものであり、厚さが50μmを超えると、最終的には廃棄されるにもかかわらず高いコストを要することになる。また、強度、柔軟性等の観点から、離型フィルム30は、原反水平方向の配向主軸が0°から12°の低配向PET基材であることが好ましい。
離型フィルム30としては、一般的に、剥離強度が重い重離型フィルムと、比較的軽く剥離できる軽離型フィルムがあるが、本実施の形態に係る粘着層付き位相差フィルム1においては、位相差フィルム10の液晶層13と、離型フィルム30上に形成された未硬化状態にある粘着層20とをダイレクトに貼合することによって得るという製造工程の観点から、軽離型フィルムを用いることが好ましい。
なお、離型フィルムの市販品として、例えば、E7006(東洋紡社製 軽離型フィルム)、POL383030(リンテック社製 重離型フィルム)、POL381031(リンテック社製 軽離型フィルム)、MRF38(三菱樹脂社製 軽離型フィルム)等が挙げられる。
≪2.粘着層付き位相差フィルムの特性≫
(液晶層−粘着層間の密着性)
本実施の形態に係る粘着層付き位相差フィルム1は、粘着層20上に光学的に透明な粘着剤(OCA:Optically Clear Adhesive)テープを貼付し、テンシロン引張試験機を用いて、1000mm/minの速度で、剥離方向180°で剥離したときの、位相差フィルム10の液晶層13と粘着層20との界面における剥離強度が2700gf/25mm以上であることを特徴とする。
このような粘着層付き位相差フィルム1では、その液晶層13と粘着層20との間(粘着層−液晶層界面)の密着力が十分に高いものであり、フィルム端面での粘着層20の抜けの発生を効果的に防ぐことができるものとなる。
(凝集力)
ここで、一般的に、粘着層における粘着性(例えば液晶層13との密着性)が向上すると、その粘着層の凝集力が低下するという問題がある。その結果、例えば、粘着層付き位相差フィルムにおいて、粘着層に偏光板を貼り合せたとき、リワークを行うに際して、その偏光板の面にいわゆる糊残りが発生することがあった。また、粘着層に応力が長期的にかかると、時間経過により保持力が低下し、耐久性が低下することがあった。
本実施の形態に係る粘着層付き位相差フィルム1は、その25mm×25mmの試験片を基板に固定し、60℃の温度条件で2kgの荷重をかけるクリープ試験において、7日経過後のクリープが1mm未満であることを特徴としている。つまり、この粘着層付き位相差フィルム1は、高い凝集力を維持したままの状態で、上述したように液晶層13と粘着層20との界面において高い密着性を有するものである。
≪3.粘着層付き位相差フィルムの製造方法≫
次に、粘着層付き位相差フィルム1の製造方法について説明する。本実施の形態に係る位相差フィルム1は、位相差フィルム10を構成する液晶層13と、離型フィルム30上に形成された未硬化状態にある粘着層20とを直接的に貼合(「ダイレクト貼合」ともいう)することによって得ることができる。このような粘着層付き位相差フィルム1の製造方法によれば、液晶層13と粘着層20との界面における密着力を高めることができ、例えばフィルム端面での粘着層20の抜けの発生を効果的に防ぐことができる。
具体的に、図3は、本実施の形態に係る製造方法の流れを説明するための図である。この図3では、製造過程におけるフィルムの積層状態を模式的に示す。本実施の形態に係る粘着層付き位相差フィルム1の製造方法は、粘着層形成工程S11と、貼合工程S12と、養生工程S13とを有する。各工程について、図3を参照しながら説明する。
[粘着層形成工程]
先ず、粘着層形成工程S11では、離型フィルム30上に粘着剤組成物を塗布(塗工)することによって粘着層20’を形成する。この粘着層形成工程S11にて形成される粘着層20’は、硬化前の塗液状態又は未硬化状態にある粘着層である。なお、便宜上、硬化前の状態の粘着層を「粘着層20’」として説明する。また、未硬化状態とは、完全硬化前の状態をさす。粘着剤組成物の架橋反応が塗布前に完全ではない状態の程度に進行していても、離型フィルム30上に粘着剤組成物を塗布可能であれば、その状態を含むものである。
具体的に、粘着層形成工程S11では、離型フィルム(軽離型フィルム)30上に、粘着剤組成物を含有する塗工液をアプリケータ等により全面塗工する(図3(A)参照)。その後、離型フィルム30上の塗液状態にある粘着組成物からなる粘着層20’に対して、乾燥処理を施すことで、粘着剤組成物中の希釈溶剤を揮発させる(図3(B)参照)。これにより、離型フィルム30/(未硬化状態にある)粘着層20’がこの順で積層されてなるフィルムを形成する。
なお、希釈溶剤を揮発させるための乾燥処理としては、特に限定されるものではなく、使用した粘着剤組成物中の溶剤の種類等に応じて適宜決定すればよいが、例えば90℃〜100℃程度の温度条件に設定した乾燥オーブン等を用いて行うことができる。
[貼合工程]
次に、貼合工程S12では、上述の粘着層形成工程S11にて離型フィルム30上に形成された未硬化状態にある粘着層20’の養生前に、その粘着層20’を、別の給紙ロールから繰り出した、基材11、パターン配向層12、液晶層13がこの順に積層された位相差フィルム10における液晶層13に貼合する(図3(C)参照)。すなわち、粘着層20’と液晶層13との間で貼り合せるようにする。
ここで、位相差フィルム10の液晶層13の面に貼合する粘着層20’は、上述したように、離型フィルム30上に形成した粘着剤組成物からなる層であって、養生する前の段階にある未硬化状態、言い換えると未架橋状態の粘着層である。このように、本実施の形態に係る製造方法では、粘着層形成工程S11にて粘着層20’を乾燥させた後、そのまま(未硬化状態のまま)の粘着層20’に対して、位相差フィルム10を液晶層13の面を貼り合せる。すなわち、未硬化状態にある粘着層20’をダイレクトに液晶層13に貼合する。
なお、位相差フィルム10は、公知の方法により製造することができる。具体的に、図4は、位相差フィルム10の製造工程を示すフローチャートである。位相差フィルム10の製造方法においては、先ず、ロールに巻き取った長尺フィルムにより基材11が提供され、反射防止層等の光学機能層14の作成工程(光学機能層形成工程)において、基材11にハードコート層、防眩層、帯電防止層、防汚層、高屈折率層、低屈折率層等からなる1層又は2層以上の層を形成する。
次に、配向層形成工程において、光配膜に係る塗工液がダイ等により塗布された後、乾燥処理を施して光配向材料層を形成し、続いて、その光配向材料層に対して紫外線を照射して露光処理を行うことによって、光配向からなるパターン配向層12を形成する。ここで、露光処理では、マスクを使用した直線偏光による紫外線の照射により、右目用領域又は左目用領域に対応する領域を選択的に露光処理した後、偏光方向が直交する直線偏光による紫外線を全面に照射することによって実行される。
続いて、液晶層(位相差層)形成工程において、パターン配向層12上にダイ等により液晶材料を含有する塗工液を塗工した後、紫外線の照射によりこの液晶材料を硬化させることによって液晶層(位相差層)13を形成する。このような工程を経て、位相差フィルム10が作製され、作製された位相差フィルム10はロールに巻き取られる。
[養生工程]
次に、養生工程S13では、位相差フィルム10における液晶層13に貼合させた粘着層20’を養生することによって硬化し、粘着層20とする(図3(D)参照)。ここで、養生とは、粘着層の物性が安定するような条件下におく行為をいい、この養生により粘着層の硬化を促進させ、粘着層20と位相差フィルム10とを所望の状態で密着させる。なお、養生の条件は、温度とその時間の設定による。具体的に、この養生工程S13では、上述した貼合工程S12にて離型フィルム30上の粘着層20’と位相差フィルム10の液晶層13との間で貼合されて得られたフィルムを別のロールに巻き取り、巻き取ったロール状のフィルムを、例えば、40℃、3〜4日間等の条件で養生する。また、養生条件としては、これに限定されず、例えば、常温で7日間程度の条件で養生を行うようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態に係る粘着層付き位相差フィルム1の製造方法においては、離型フィルム30上に形成した未硬化状態にある粘着層20’と、位相差フィルム10を構成する液晶層13とを直接的に貼り合せるようにし、貼合した後にそのフィルムを養生して粘着層20’を硬化することを特徴としている。
このような粘着層付き位相差フィルム1の製造方法によれば、粘着層20と位相差フィルム10との密着性、すなわち粘着層20と液晶層13との界面における密着性を効果的に高めることができる。この密着性の向上のメカニズムについては、具体的には定かではないが、以下のようにして作用しているものと考えられる。
すなわち、養生前の段階の未硬化状態(未架橋状態)にある粘着層20’は流動性を有するものである。そのため、その未硬化状態の粘着層20’を位相差フィルム10の液晶層13に貼り合せることで、その粘着層20’が液晶表面の微細な凹凸に柔軟に食い込むようになるものと推測される。そしてその後、流動性の高い粘着層20’が液晶層13に食い込んだ状態で養生が行われて硬化していくようになるため、形成された粘着層20と液晶層13との間に物理的な力(投錨力)が強く作用するようになり、その結果として、粘着層−液晶層の界面において高い密着性が得られるものと考えられる。
また、この粘着層20を貼合させるのは、位相差フィルム10を構成する液晶層13であって、分子の配向の影響により比較的流動性の高い状態にある液晶層13である。そのため、未硬化状態にあり流動性を有する粘着層20’が、より一層に食い込みやすくなると考えられ、これも高い密着性が得られる要因であると推測される。
そして、このように粘着層−液晶層の界面において高い密着性を有する粘着層付き位相差フィルム1によれば、例えばシートカット等の工程において、作業者の手袋やシートカット用の刃、シート搬送のためのガイド等の接触物がフィルムに接触した場合においても、フィルム端面等での粘着層20の抜けの発生を効果的に防止することができる。また、このように粘着層20の抜けを防止できることにより、粘着層20にTAC等の保護フィルム等を介して偏光板を貼り合せた後の後工程での処理等によって、いわゆる“浮き”が発生することを有効に防ぐことができる。
さらに、このような粘着層付き位相差フィルム1によれば、粘着層20と液晶層13との界面で強固に密着しながら、例えば粘着層20とその粘着層20に貼り付ける偏光板とのリワーク性にも影響を与えることなく、容易にリワークを行うことができる。すなわち、この粘着層付き位相差フィルム1では、上述のように、未硬化状態にある粘着層20’をダイレクトに液晶層13に貼合させることによって、流動性のある粘着層20’を液晶表面の微細な凹凸に食い込ませて密着性を向上させている。このことから、例えば粘着層20’にリワーク剤等を含有させることによって、粘着層20と液晶層13との密着性を維持しながら、その粘着層20の貼り合せた偏光板との界面においては、容易にリワークを可能にし、偏光板の貼り直し等を容易に行うことができる。
≪4.粘着層付き位相差フィルムの密着性評価方法≫
また、上述した粘着層付き位相差フィルム1の密着性について評価方法(試験方法)を利用して、粘着層付き位相差フィルムにおける粘着層と液晶層との界面における密着性の程度の評価を行うようにすることもでき、これにより、フィルム端面における粘着層抜け(糊抜け)の発生の有無を評価することができる。
すなわち、上述したように、本実施の形態に係る粘着層付き位相差フィルム1は、粘着層20上に光学的に透明な粘着剤(OCA:Optically Clear Adhesive)テープを貼付し、テンシロン引張試験機を用いて、1000mm/minの速度で、剥離方向180°で剥離したときの、位相差フィルム10の液晶層13と粘着層20との界面における剥離強度が2700gf/25mm以上である。そして、この粘着層付き位相差フィルム1では、フィルム端面での粘着層20の抜けの発生がない。
したがって、製造した粘着付き位相差フィルムに対して、その粘着層上に光学的に透明な粘着剤テープ(OCA)を貼付し、テンシロン引張試験機を使用して1000mm/minの速度で、剥離方向180°での剥離試験を行うようにする。そして、その試験の結果として測定された剥離強度が2700gf/25mm以上であるか否かに基づいて、粘着層と液晶層との密着性を評価する。
つまり、剥離強度が2700gf/25mm以上である場合を「密着性良好」とし、剥離強度が2700gf/25mm未満である場合を「密着性不良」とする。このようにして、「密着性良好」と評価されたフィルムでは、フィルム端面での粘着層20の抜けが生じず、高品質なフィルムであると判断することができる。一方で、「密着性不良」と評価されたフィルムでは、フィルム端面で粘着性の抜けが生じる可能性が高いと判断することができる。
≪5.実施例≫
以下、本発明についての実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<粘着層付き位相差フィルムの製造>
[実施例1]
(粘着剤組成物Aの作製)
アクリル系粘着剤(商品名「EG654」,重量平均分子量:59万,固形分:31.4%,TOYOCHEM社製)318.47質量部(固形分換算で100質量部に相当)と、トリレンジイソシアネート系硬化剤(商品名「BXX6460」、TOYOCHEM社製)39.17質量部と、アルミニウムキレート剤(商品名「BXX4805」、TOYOCHEM社製)19.75質量部、シランカップリング剤(製品名「BXX6342」、TOYOCHEM(社)製)0.25質量部、シランカップリング剤(製品名「BXX6449」、TOYOCHEM社製)0.20質量部、粘度調整用の希釈溶剤として酢酸エチル(DICグラフィクス製)10質量部を配合して、粘着剤組成物Aを得た。
(位相差フィルムの作製)
TACを基材とした市販の反射防止フィルムを用いて位相差フィルムを作製した。なお、使用した反射防止フィルムは、TAC基材の一方の面にハードコート層、反射防止層を順次積層したものを使用し、反射防止層の厚さが0.1μm、ハードコート層の厚さが10μm、TAC基材の厚さが80μmである。
光二量化部位と熱架橋部位との両方を有する光配向材料(商品名:ROP−103,ロリック社製)100質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶媒900質量部に溶解させて、パターン配向層用組成物を得た。その後、上述したTAC基材の反射防止層のある側とは逆の表面に、パターン配向層用組成物を硬化後の膜厚が200nmとなるようにダイコート法にて塗布した。そして、100℃、2分間の条件で加熱し、溶媒を蒸発させるとともにアクリル系樹脂組成物を熱硬化させた。これにより、厚さ200nmの硬化膜を形成した。
次いで、その硬化膜に対して、ワイヤーグリッドを通した偏光紫外線(偏光軸がフィルムの搬送方向に対して45°の方向)を原反の搬送方向と平行な方向に幅500μmのストライプパターンをクロムで合成石英上に形成したマスクを介して照射した。続いて、マスクを通さないでワイヤーグリッドを通した偏光紫外線(偏光軸がフィルムの搬送方向に対して−45°の方向)を照射した。このとき、紫外線照射装置は、「Hバルブ」(フュージョン社製)を用いた。また、偏光紫外線の波長は313nmとし、積算光量は40mJ/cmとした。なお、積算光量の測定は、紫外線光量計「UV−351」(オーク製作所社製)を用いて測定した。このような工程を経て、パターン配向膜(パターン配向層)を形成した。
次に、偏光紫外線の照射後、パターン配向膜上に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶かした液晶材料(商品名:licrivue(登録商標) RMS03−013C,メルク社製)を、最終的な層厚が1μmとなるようにダイコート法により塗布した。そして、ホットプレート上において60℃、2分間の条件で加熱し、室温近傍まで冷却した後、紫外線照射装置を用いて波長260nmの紫外線を積算光量が300mJ/cmとなるまで照射した。このような工程を経て、液晶層(位相差層)を形成し、位相差フィルムを得た。
(粘着層付き位相差フィルムの作製 ―〔ダイレクト貼合〕―)
剥離可能な軽離型フィルム(商品名:MRF38,片面にシリコーン系剥離剤による剥離処理が施されてなるPETフィルム,膜厚:38μm、三菱樹脂社製)の剥離処理面上に、乾燥後の膜厚が25μmとなるように、作製した粘着剤組成物Aをアプリケータにより全面塗工した後、乾燥オーブンにより100℃で2分間乾燥させ、軽離型フィルム/(未硬化状態の)粘着層からなるフィルムを得た。
次に、フィルム養生前の未硬化状態にある粘着層を、作製した位相差フィルムにおける液晶材料が塗布されている液晶層の面と貼合させて、幅200mm、3kg荷重のローラーで圧着した。そしてその後、40℃の温度条件で3日間、養生処理を施し、粘着層を硬化させることによって、軽離型フィルム/粘着層/位相差フィルムがこの順に積層された実施例1の粘着層付き位相差フィルムを得た。
なお、得られた粘着層付き位相差フィルムにおいて、粘着層の貯蔵弾性率の測定を行った。貯蔵弾性率の測定は、TAインスツルメント・ジャパン社製の粘弾性試験機「RDA−III」を用いて、JIS K7244−1に準拠した動的粘弾性測定法(アタッチメントモード:圧縮モード,周波数:1Hz,温度:−50〜150℃、昇温速度:5℃/分)にて測定して行った。その結果、粘着層の25℃での貯蔵弾性率(a)が2.17×10Pa、60℃での貯蔵弾性率(b)が1.12×10Paであり、またそれらの貯蔵弾性率の比である(a)/(b)が1.95であった。
[比較例1]
(粘着剤組成物Bの作製)
アクリル系粘着剤(商品名「OC3949」,重量平均分子量:120万,固形分:19.5%,サイデン化学社製)100質量部と、イソシアネート系硬化剤(商品名「K−130」,固形分:80%,サイデン化学社製)0.05質量部と、シランカップリング剤(商品名「S−1」,固形分:6.3%,サイデン化学社製)1質量部と、アルミニウムキレート剤(商品名「M2」,固形分:5%,サイデン化学社製)0.46質量部と、アクリルコポリマー(商品名「LA2330」,固形分:100%,メタクリル酸メチル重合体ブロック(M)とアクリル酸ブチル重合体ブロック(A)とからなる重量平均分子量160,000のM−A−M型トリブロック共重合体,クラレ社製)をトルエンにて溶解し、固形分が40%となるように調整したアクリルコポリマー溶液1.22質量部と、アジピン酸エステル系可塑剤(商品名「DOA」,アジピン酸ジオクチル,固形分:100%,ジェイプラス社製)0.488質量部とを、トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶媒(商品名:KT−11,質量費1:1、DICグラフィクス社製)25質量部に溶解させて粘着剤組成物Bを得た。
(粘着層付き位相差フィルムの作製 ―〔ダイレクト貼合〕―)
作製した粘着剤組成物Bを用いて、実施例1と同様に、軽離型フィルム/(未硬化状態の)粘着層からなるフィルムを得た。すなわち、剥離可能な軽離型フィルムの剥離処理面上に、乾燥後の膜厚が25μmとなるように、作製した粘着剤組成物Bをアプリケータにより全面塗工した後、乾燥オーブンにより100℃で2分間乾燥させ、軽離型フィルム/(未硬化状態の)粘着層からなるフィルムを得た。
次に、実施例1と同様に、フィルム養生前の未硬化状態にある粘着層を、作製した位相差フィルムにおける液晶材料が塗布されている液晶層の面と貼合させて、幅200mm、3kg荷重のローラーで圧着した。そしてその後、40℃の温度条件で3日間、養生処理を施し、粘着層を硬化させることによって、軽離型フィルム/粘着層/位相差フィルムがこの順に積層された比較例1の粘着層付き位相差フィルムを得た。
なお、得られた粘着層付き位相差フィルムにおいて、実施例1と同様に、粘着層の貯蔵弾性率の測定を行った。その結果、粘着層の25℃での貯蔵弾性率(a)が3.1×10Pa、60℃での貯蔵弾性率(b)が2.0×10Paであり、またそれらの貯蔵弾性率の比である(a)/(b)が1.55であった。
[比較例2]
(ノンキャリアフィルムの作製)
剥離可能な重離型フィルム(商品名:POL383030,片面にシリコーン系剥離剤による剥離処理が施されてなるPETフィルム,膜厚:38μm、リンテック社製)の剥離処理面上に、乾燥後の膜厚が25μmとなるように、実施例1と同様の粘着剤組成物Aをアプリケータにより全面塗工した後、乾燥オーブンにより92℃で2分間乾燥させた。次いで、上述の重離型フィルムと、剥離可能な軽離型フィルム(商品名:MRF38,片面にシリコーン系剥離剤による剥離処理が施されてなるPETフィルム,膜厚:38μm、三菱樹脂社製)とを貼り合わせ、重離型フィルム/粘着層/軽離型フィルムからなるノンキャリアフィルムを得た。なお、なお、軽離型フィルムを貼り合せて得られたフィルムを一旦ロールに巻取り、その後、ロール状のフィルムを40℃の温度条件で3日間養生することによってその粘着層を硬化させて、ノンキャリアフィルムを得た。
(粘着層付き位相差フィルムの作製 ―〔塗工→貼合〕―)
作製したノンキャリアフィルムの軽離型フィルムを剥がし、その粘着層を、実施例1と同様の位相差フィルムにおける液晶材料が塗布されている液晶層の面と貼り合せ、幅200mm、3kg荷重のローラーで圧着した。これにより、重離型フィルム/粘着層/位相差フィルムがこの順に積層された比較例2の粘着層付き位相差フィルムを得た。
<粘着層付き位相差フィルムの特性評価>
[剥離強度の測定(密着性の評価)]
次に、実施例1、比較例1及び比較例2にて作製した粘着層付き位相差フィルムについて、位相差フィルムの液晶層と粘着層との界面(粘着層−液晶層界面)における剥離強度を測定した。具体的には、作製した粘着層付き位相差フィルムを、基材側の面で測定プレートに固定した後、粘着層上の離型フィルムを剥離して、露出した粘着層に対して光学的に透明な粘着剤(OCA)テープを貼付し、テンシロン引張試験機(テンシロン万能材料試験機RTC−1310A、オリエンテック社製)を用いて剥離強度を測定した。なお、粘着層に貼付したOCAの他方の面にはPETフィルムを貼り合せた。
より具体的に、剥離強度の測定においては、粘着層に貼付したOCAテープを、テンシロン引張試験機を用いて、25℃の温度条件下にて、1000mm/minの速度、剥離方向180°で剥離し、このときの液晶層と粘着層との界面における剥離強度を測定した。
下記表1に、実施例1、比較例1及び比較例2にて作製した粘着層付き位相差フィルムの剥離強度の測定結果を示す。また、それぞれの粘着層付き位相差フィルムについて、粘着層の離脱(糊抜け)の有無を確認した。
[クリープ試験(凝集力の評価)]
また、実施例1、比較例1及び比較例2にて作製した粘着層付き位相差フィルムについて、クリープ試験(保持力試験)を行った。具体的には、それぞれの粘着層付き位相差フィルムについて、25mm(横方向:荷重の向きに対して垂直方向)×25mm(縦方向:荷重の向きと同方向)の試験片を作製し、離型フィルムを剥離してその試験片における粘着層の面を基板に貼り付けて固定し、2kgの重り(荷重)を付けて吊り下げ、温度60℃の条件下にて、試験片の位置ズレ(クリープ)の有無を測定した。このクリープ試験では、試験片の位置ズレが短いほど、また、試験片のクリープが生じるまでの時間が長いほど、粘着層の凝集力が高いことを示す。下記表1に、実施例1、比較例1及び比較例2にて作製した粘着層付き位相差フィルムのクリープ試験の結果を示す。
Figure 2015184461
表1に示すように、粘着層上にOCAテープを貼付し、テンシロン引張試験機を用いて1000mm/min、剥離方向180°で剥離したときの、液晶層と粘着層との界面における剥離強度が2700gf/25mm以上である実施例1の粘着層付き位相差フィルムでは、粘着層の離脱が生じずフィルム端面での粘着層抜けは無かった。一方で、その剥離強度が2700gf/25mm未満である比較例1及び2の粘着層付き位相差フィルムでは、粘着層の離脱が生じてしまった。
この結果から、上述した剥離試験によって測定される、液晶層と粘着層との界面における剥離強度が2700gf/25mm以上である粘着層付き位相差フィルムによれば、シートカット等の工程において接触物(付着物)との付着によっても、粘着層抜けが生じることなく、良質なフィルムとなることが分かった。
また、上述した実施例及び比較例の結果から、粘着層付き位相差フィルムについて上述した剥離試験を行うことによって、その剥離強度が2700gf/25mm以上であるか否かに基づいて、粘着層抜けが発生しない良質なフィルムであるかどうかを容易に評価できることが分かった。
さらに、表1に示すクレープ試験の結果から、実施例1の粘着層付き位相差フィルムでは、7日後でも位置ずれ(クリープ)が全く生じなかった。このことは、実施例1の粘着層付き位相差フィルムにおける粘着層が、高い凝集力を有していることを意味している。つまり、実施例1の粘着層付き位相差フィルムでは、高い凝集力を維持しながら、粘着層と液晶層との界面で高い密着力を有していることが分かった。
1 粘着層付き位相差フィルム
10 位相差フィルム
11 基材
12 パターン配向層
13 液晶層(位相差層)
20 粘着層
30 離型フィルム

Claims (7)

  1. 基材と、パターン配向層と、液晶組成物を含む液晶層と、粘着剤組成物を含む粘着層とがこの順に積層された粘着剤付き位相差フィルムであって、
    前記粘着層上に光学的に透明な粘着剤(OCA)テープを貼付し、テンシロン引張試験機を用いて1000mm/min、剥離方向180°で剥離したときの、前記液晶層と前記粘着層との界面における剥離強度が2700gf/25mm以上である粘着層付き位相差フィルム。
  2. 当該粘着層付き位相差フィルムの25mm×25mmの試験片を、前記粘着層の面で基板に固定し、60℃の温度条件で2kgの荷重をかけるクリープ試験において、7日経過後のクリープが1mm未満である請求項1に記載の粘着層付き位相差フィルム。
  3. 前記粘着剤組成物は、アクリル系粘着剤を主剤として含有する請求項1又は2に記載の粘着層付き位相差フィルム。
  4. 前記粘着剤組成物は、質量平均分子量が40万以上90万以下である前記アクリル系粘着剤と、イソシアネート系硬化剤と、アルミニウムキレート剤と、シランカップリング剤とを含有し、該粘着剤組成物により形成される前記粘着層の25℃での貯蔵弾性率が1.7×10Pa以上3.0×10Pa以下であり、かつ、25℃での貯蔵弾性率を(a)、60℃での貯蔵弾性率を(b)としたときの、(a)/(b)が1.8以上2.4以下である請求項3に記載の粘着層付き位相差フィルム。
  5. 前記位相差フィルムは、前記基材の前記粘着層が貼合される側とは反対の面に、ハードコート層、防眩層、帯電防止層、防汚層、高屈折率層、低屈折率層からなる群から選択される1又はそれ以上の層が形成されている請求項1乃至4の何れかに記載の粘着層付き位相差フィルム。
  6. 当該粘着層付き位相差フィルムは、
    離型フィルム上に粘着剤組成物を塗布し、未硬化状態の粘着層を形成する工程と、
    前記離型フィルム上に形成された前記粘着層の養生前に、該粘着層を、基材と、パターン配向層と、液晶組成物を含む液晶層とを順次積層させた位相差フィルムにおける該液晶層に貼合する工程と、
    前記位相差フィルムに貼合させた前記粘着層を養生することにより硬化する工程と
    を有する製造方法により得られる請求項1乃至5の何れか1項に記載の粘着層付き位相差フィルム。
  7. 基材と、パターン配向層と、液晶組成物を含む液晶層と、粘着剤組成物を含む粘着層とがこの順に積層された粘着剤付き位相差フィルムにおける該液晶層と該粘着層との密着性評価方法であって、
    前記粘着層上に光学的に透明な粘着剤テープ(OCA)を貼付し、テンシロン引張試験機を使用して1000mm/min、剥離方向180°で剥離したときの剥離強度が2700gf/25mm以上であるか否かに基づいて密着性を評価する粘着層付き位相差フィルムの密着性評価方法。
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