JP2015183635A - 化学蓄熱装置 - Google Patents

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Takafumi Yamazaki
貴文 山▲崎▼
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聡 針生
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Takashi Yamauchi
崇史 山内
靖樹 廣田
Yasuki Hirota
靖樹 廣田
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Takashi Shimazu
孝 志満津
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Abstract

【課題】蓄熱材の発熱温度を高くしても、反応媒体を吸着器に確実に回収することができる化学蓄熱装置を提供する。
【解決手段】化学蓄熱装置10は、酸化触媒4の周囲に配置され、NHと化学反応して熱を発生させる蓄熱材14を含む反応器11と、排気管8に取り付けられ、NHを物理吸着する第1吸着材15を含む第1吸着器12と、排気管8から離間して配置され、NHを物理吸着する第2吸着材16を含む第2吸着器13とを備えている。反応器11と第1吸着器12との間には、NHの流路を開閉させる第1開閉弁18が設けられている。反応器11と第2吸着器13との間には、NHの流路を開閉させる第2開閉弁20が設けられている。第1吸着器12と第2吸着器13との間には、NHの流路を開閉させる機械式の第3開閉弁22が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばエンジンの排気系等に設けられた加熱対象物を加熱する化学蓄熱装置に関するものである。
従来の化学蓄熱装置としては、例えば特許文献1に記載されているように、エンジン要素部品を加熱する無回収式加熱装置が知られている。特許文献1に記載の化学蓄熱装置は、化学反応媒体としてのアンモニア(NH)の固定化及び脱離が可能なアンモニア吸着材を有するアンモニア吸着器と、このアンモニア吸着器と配管を介して接続され、NHとの化学反応により発熱すると共に熱源からの余剰熱によりNHを脱離させる化学蓄熱材を有する化学蓄熱反応器と、配管に設けられたバルブとを備えている。
エンジンの始動時には、バルブを開放させることで、アンモニア吸着器のアンモニア吸着材から脱離したNHが配管を通じて化学蓄熱反応器に供給される。そして、NHと化学蓄熱材との化学反応によって化学蓄熱材が発熱し、その熱によりエンジン要素部品が加熱される(発熱反応)。エンジンの暖機後には、エンジン要素部品の余剰熱によって化学蓄熱材からNHが脱離する。そして、そのNHが配管を通じてアンモニア吸着材に再び固定されることで、NHがアンモニア吸着器に回収される(再生反応)。その後、バルブが閉止される。
特開2013−72558号公報
しかしながら、上記従来技術においては、以下の問題点が存在する。即ち、発熱反応時には、吸着器を加熱して吸着器内の圧力を高くすることで、蓄熱材の発熱温度を高くすることが考えられる。しかし、再生反応においてNHを回収する際には、蓄熱材の発熱温度以上の熱を蓄熱材に与える必要がある。つまり、蓄熱材は、発熱温度よりも低温の熱を蓄熱することはできない。このため、蓄熱材の発熱温度が高すぎると、NHを吸着器に回収することが困難になる。
本発明の目的は、蓄熱材の発熱温度を高くしても、反応媒体を吸着器に確実に回収することができる化学蓄熱装置を提供することである。
本発明は、加熱対象物を加熱する化学蓄熱装置において、気体の反応媒体と化学反応して熱を発生させる蓄熱材を有する反応器と、反応媒体を吸着する第1吸着材を有する第1吸着器と、第1吸着器を加熱する加熱手段と、第1吸着器とは異なる箇所に配置され、反応媒体を吸着する第2吸着材を有する第2吸着器と、反応器と第1吸着器との間に設けられ、第1吸着器と反応器との間で流通される反応媒体の流路を開閉させる第1開閉弁と、反応器と第2吸着器との間に設けられ、反応器と第2吸着器との間で流通される反応媒体の流路を開閉させる第2開閉弁と、第1吸着器と第2吸着器との間に設けられ、第2吸着器と第1吸着器との間で流通される反応媒体の流路を開閉させる第3開閉弁とを備えることを特徴とするものである。
このような本発明の化学蓄熱装置においては、まず第1開閉弁を開くことで、第1吸着器の第1吸着材から脱離した反応媒体が反応器に供給され、反応器の蓄熱材と反応媒体との化学反応により蓄熱材から熱が発生する。このとき、第1吸着器を加熱することにより、第1吸着器内の圧力が高くなるため、反応媒体の供給圧力が高くなり、これに伴って蓄熱材の発熱温度が上がる。従って、蓄熱材で発生した熱によって加熱対象物が効果的に加熱されるようになる。そして、第1吸着器からの反応媒体の供給が終了すると、第1開閉弁を閉じ、その後に第2開閉弁を開く。反応器の蓄熱材に熱が与えられて蓄熱されると、蓄熱材から反応媒体が脱離する。そして、反応器から第2吸着器に反応媒体が移動し、反応媒体が第2吸着器の第2吸着材に吸着(回収)される。このとき、第1吸着器が加熱状態に維持されていると、第2吸着器の温度は第1吸着器の温度よりも低いため、第2吸着器内の圧力は第1吸着器内の圧力よりも低くなっている。従って、反応器から第2吸着器に反応媒体を回収する際に、上述した蓄熱材の発熱温度よりも低温の熱を蓄熱材に蓄熱することができる。そして、第2開閉弁を閉じた後、第3開閉弁を開くことで、第2吸着器から第1吸着器に反応媒体を戻す。このように本発明によれば、蓄熱材の発熱温度よりも低温の熱を蓄熱材に蓄熱することが可能となるため、蓄熱材の発熱温度を高くしても、反応媒体を第2吸着器を介して第1吸着器に確実に回収することができる。
第2吸着材は、第1吸着材よりも高い圧力で反応媒体を吸着するような特性を有していると良い。この場合には、第1吸着器の温度が低下して第2吸着器の温度と等しくなると、第2吸着器内の圧力が第1吸着器内の圧力よりも高くなる。その状態で、第3開閉弁を開くと、第1吸着器と第2吸着器との圧力差により第2吸着器から第1吸着器に反応媒体が移動する。これにより、反応媒体を第2吸着器から第1吸着器に早く戻すことができる。
また、第1開閉弁及び第2開閉弁を制御する制御手段を更に備え、制御手段は、まず第1開閉弁を開くように制御し、加熱対象物が加熱されると、第1開閉弁を閉じるように制御した後に第2開閉弁を開くように制御すると良い。この場合には、加熱対象物が加熱された後に、第1開閉弁を閉弁し、その後に第2開閉弁を開弁する。従って、反応器の蓄熱材に熱が蓄熱されると、反応器から第2吸着器に反応媒体が自動的に移動するようになる。
さらに、第3開閉弁は、第2吸着器内の圧力が第1吸着器内の圧力よりも高いときに開く弁であると良い。この場合には、第3開閉弁に電気を供給しなくても、第2吸着器内の圧力が第1吸着器内の圧力よりも高くなると、第3開閉弁が機械的に開き、第2吸着器から第1吸着器に反応媒体が移動するようになる。
また、加熱対象物は、エンジンの排気系に設けられており、加熱手段は、排気系の排気管であり、第1吸着器は、排気管に取り付けられていると良い。この場合には、排気管内を流れる排気ガスの熱によって第1吸着器が加熱されることになるため、ヒータ等の加熱装置を別途用意しなくて済み、コスト的に有利となる。
本発明によれば、蓄熱材の発熱温度を高くしても、反応媒体を吸着器に確実に回収することができる。これにより、効率の良い化学蓄熱装置を提供することが可能となる。
本発明に係る化学蓄熱装置の一実施形態を備えた排気浄化システムを示す概略構成図である。 図1に示した化学蓄熱装置の構成図である。 図2に示したコントローラにより実行される制御処理手順の詳細を示すフローチャートである。 図2に示した化学蓄熱装置において第1吸着器から反応器にNHを移動させる際の動作として、第1吸着器内及び第2吸着器内の圧力とNH吸着量との関係と、反応器内の圧力と蓄熱材の発熱温度との関係とを示すグラフである。 図2に示した化学蓄熱装置において反応器から第2吸着器にNHを移動させる際の動作として、第1吸着器内及び第2吸着器内の圧力とNH吸着量との関係と、反応器内の圧力と蓄熱材の発熱温度との関係とを示すグラフである。 図2に示した化学蓄熱装置において第2吸着器から第1吸着器にNHを移動させる際の動作として、第1吸着器内及び第2吸着器内の圧力とNH吸着量との関係と、反応器内の圧力と蓄熱材の発熱温度との関係とを示すグラフである。
以下、本発明に係る化学蓄熱装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明に係る化学蓄熱装置の一実施形態を備えた排気浄化システムを示す概略構成図である。同図において、排気浄化システム1は、車両のディーゼルエンジン2(以下、単にエンジン2という)の排気系に設けられ、エンジン2から排出される排ガス中に含まれる有害物質(環境汚染物質)を浄化するシステムである。
排気浄化システム1は、エンジン2と接続された排気通路3(排気系)の途中に上流側から下流側に向けて順に配置された酸化触媒(DOC:Diesel Oxidation Catalyst)4、ディーゼル排気微粒子除去フィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)5、選択還元触媒(SCR:Selective Catalytic Reduction)6及び酸化触媒(ASC:Ammonia Slip Catalyst)7を備えている。
酸化触媒4は、排ガス中に含まれるHC及びCO等を酸化して浄化する触媒である。DPF5は、排ガス中に含まれる粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集して取り除くフィルタである。SCR6は、尿素またはアンモニア(NH)によって、排ガス中に含まれるNOxを還元して浄化する触媒である。酸化触媒7は、SCR6をすり抜けてSCR6の下流側に流れたNHを酸化する触媒である。
また、排気浄化システム1は、本実施形態の化学蓄熱装置10を備えている。化学蓄熱装置10は、通常は排ガスの熱(排熱)を蓄えておき、必要なときに排熱を使用することにより、エネルギーレスで酸化触媒4を加熱する装置である。
化学蓄熱装置10は、図2にも示すように、酸化触媒4の周囲に配置されるように排気管8に取り付けられた反応器11と、排気管8における酸化触媒4とDPF5とをつなぐ部位に取り付けられた第1吸着器12と、排気管8から離間した箇所、つまり第1吸着器12とは異なる箇所に配置された第2吸着器13とを備えている。なお、排気管8は、第1吸着器12を加熱する加熱手段を構成している。
反応器11は、気体の反応媒体であるNHと化学反応して、酸化触媒4を加熱するための熱を発生させると共に、排熱を受けてNHを脱離させる蓄熱材14を含んでいる。蓄熱材14としては、ハロゲン化物のMXaという組成を持つ材料が用いられる。ここで、Mは、Mg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の遷移金属である。Xは、Cl、Br、I等である。aは、2〜3である。
第1吸着器12は、NHの物理吸着による保持及び脱離が可能な第1吸着材15を含んでいる。第1吸着材15としては、活性炭、カーボンブラック、メソポーラスカーボン及びナノカーボン等が用いられる。第1吸着器12は、NHを第1吸着材15に物理吸着させることで、NHを貯蔵する。
第2吸着器13は、NHの物理吸着による保持及び脱離が可能な第2吸着材16を含んでいる。第2吸着材16は、第1吸着材15と同じ材料からなっている。第2吸着器13は、NHを第2吸着材16に物理吸着させることで、NHを貯蔵する。
第2吸着材16の吸着特性は、第1吸着材15の吸着特性と異なっている。吸着特性は、吸着材の粒子径等の材料特性によって決まるものである。具体的には、第2吸着材16は、同じ温度において第1吸着材15に比べて高い平衡圧力を持つように形成されている。つまり、第2吸着材16は、同じ温度において第1吸着材15よりも高い圧力で同じ量のNHを吸着するような吸着特性を有している。
反応器11及び第1吸着器12は、配管17を介して接続されている。配管17には、第1吸着器12と反応器11との間で流通されるNHの流路を開閉させる電磁式の第1開閉弁18が設けられている。第1開閉弁18は、コントローラ25(後述)により制御される。第1開閉弁18は、反応器11から第1吸着器12へのNHの流れを止める逆止弁機能を有しているのが望ましい。
反応器11及び第2吸着器13は、配管19を介して接続されている。配管19には、反応器11と第2吸着器13との間で流通されるNHの流路を開閉させる電磁式の第2開閉弁20が設けられている。第2開閉弁20は、コントローラ25(後述)により制御される。第2開閉弁20は、第2吸着器13から反応器11へのNHの流れを止める逆止弁機能を有しているのが望ましい。
第1吸着器12及び第2吸着器13は、配管21を介して接続されている。配管21には、第2吸着器13と第1吸着器12との間で流通されるNHの流路を開閉させる機械式の第3開閉弁22が設けられている。第3開閉弁22は、第2吸着器13内の圧力が第1吸着器12内の圧力よりも高いときに機械式に開くように構成されている。第3開閉弁22は、第1吸着器12から第2吸着器13へのNHの流れを止める逆止弁機能を有している。このような機械式の第3開閉弁22を使用することにより、第3開閉弁22を駆動するための動力が不要となる。
また、化学蓄熱装置10は、第1吸着器12内の圧力を検出する圧力センサ23と、第2吸着器13内の圧力を検出する圧力センサ24と、これらの圧力センサ23,24と接続されたコントローラ25(制御手段)とを更に有している。コントローラ25は、圧力センサ23,24の検出値を入力し、所定の処理を実行し、第1開閉弁18及び第2開閉弁20を制御する。
コントローラ25により実行される制御処理手順の詳細を図3に示す。図3において、まず圧力センサ23の検出値に基づいて、第1吸着器12内の圧力が高圧側閾値以上になったかどうかを判断する(手順S101)。高圧側閾値は、例えば図4に示す圧力Aである。第1吸着器12内の圧力が高圧側閾値以上になったときは、第1開閉弁18を開く(手順S102)。
その後、圧力センサ23の検出値に基づいて、第1吸着器12内の圧力が低圧側閾値以下になったかどうかを判断する(手順S103)。低圧側閾値は、高圧側閾値よりも小さい値であり、例えば図4に示す圧力Bである。第1吸着器12内の圧力が低圧側閾値以下になったときは、第1開閉弁18を閉じる(手順S104)。その後、予め設定されている所定時間が経過したかどうかを判断する(手順S105)。所定時間は、蓄熱材14と反応媒体であるNHとが反応するのに十分な時間である。所定時間が経過したときは、第2開閉弁20を開く(手順S106)。
その後、圧力センサ24の検出値に基づいて、第2吸着器13内の圧力が閾値以上になったかどうかを判断する(手順S107)。閾値は、例えば図4に示す圧力Bである。第2吸着器13内の圧力が閾値以上になったときは、第2開閉弁20を閉じる(手順S108)。
次に、以上のように構成された化学蓄熱装置10の動作について図4〜図6により説明する。なお、図4〜図6において、実線Pは、第1吸着器12の温度が0℃である場合における第1吸着器12内の圧力とNH吸着量との関係を示している。破線Qは、第2吸着器13の温度が0℃である場合における第2吸着器13内の圧力とNH吸着量との関係を示している。実線Rは、第1吸着器12の温度が40℃である場合における第1吸着器12内の圧力とNH吸着量との関係を示している。実線Sは、第1吸着器12の温度が60℃である場合における第1吸着器12内の圧力とNH吸着量との関係を示している。実線Tは、反応器11内の圧力と蓄熱材14の発熱温度との関係を示している。なお、ここで示している温度は、動作を説明するための一例であり、特にその温度には限られない。
図4〜図6から分かるように、第1吸着器12の温度が上がると、第1吸着器12内の圧力が上がる。また、反応器11内の圧力が上がると、蓄熱材14の発熱温度が上がる。
エンジン2を始動すると、エンジン2からの排ガスの温度が上昇するため、排気管8の温度が上昇する。このため、排気管8に取り付けられた第1吸着器12の温度が上昇し、これに伴って第1吸着器12内の圧力が上昇する。そして、例えば図4に示すように、第1吸着器12の温度が40℃になり(実線R参照)、第1吸着器12内の圧力が高圧側閾値Aに達すると、コントローラ25によって第1開閉弁18が開けられる。
すると、第1吸着器12の第1吸着材15から脱離したNHが配管17を通って反応器11に供給され、反応器11の蓄熱材14(例えばMgBr)とNHとが化学反応して化学吸着(配位結合)し、蓄熱材14から熱が発生する。つまり、下記の反応式(A)における左辺から右辺への反応(発熱反応)が起こる。この発熱反応の開始時には、第1吸着器12内の圧力は高圧側閾値Aに相当する圧力であり、これに伴って反応器11内の圧力(NH供給圧力)が高圧側閾値Aに相当する圧力になるため、蓄熱材14の発熱温度はL℃となる。そして、蓄熱材14で発生した熱によって酸化触媒4が加熱される。
MgBrNH ⇔ Mg(NHBr+熱 …(A)
このような発熱反応では、第1吸着器12から反応器11にNHが移動するため、第1吸着器12のNH吸着量が徐々に少なくなり、これに伴って第1吸着器12内の圧力が徐々に低下する。一方で、排ガスの温度が更に上昇するため、第1吸着器12の温度が更に上昇する。そして、例えば図4に示すように、第1吸着器12の温度が60℃になり(実線S参照)、第1吸着器12内の圧力が低圧側閾値Bまで低下すると、コントローラ25によって第1開閉弁18が閉じられる。そして、所定時間経過後に第2開閉弁20が開けられる。
このとき、第1吸着器12が暖められるので、第1吸着器12のNH吸着量が下がっても、第1吸着器12内の圧力(NH脱離圧力)の低下が最小限に抑えられる。このため、NH供給圧力の低下が最小限に抑えられる。これにより、図4に示すように、蓄熱材14の発熱温度が比較的高い状態(M℃)に維持される。
その後、高温状態の排熱が反応器11の蓄熱材14に与えられると、蓄熱材14とNHとが分離する。つまり、上記の反応式(A)における右辺から左辺への反応(再生反応)が起こる。そして、蓄熱材14から脱離したNHは、配管19を通って、外気に冷やされている第2吸着器13に移動し、第2吸着材16に物理吸着(回収)される。このため、図5に示すように、第2吸着器13のNH吸着量が徐々に多くなり、これに伴って第2吸着器13内の圧力が徐々に高くなる。そして、第2吸着器13内の圧力が閾値Bに達すると、コントローラ25によって第2開閉弁20が閉じられる。
このとき、所望量のNHを第1吸着器12に回収する場合には、蓄熱材14の初期発熱温度(図4に示すL℃)以上の排熱を蓄熱材14に与える必要がある。しかし、第2吸着器13の温度は第1吸着器12の温度よりも低いため、第2吸着器13内の圧力は第1吸着器12内の圧力よりも低くなっている。従って、蓄熱材14の初期発熱温度よりも低い温度(M℃以上)の排熱を蓄熱材14に与えても、所望量のNHを第2吸着器13に回収することができる。
その後、エンジン2を停止すると、排気管8の温度が下がるため、第1吸着器12の温度が下がる。ここで、第2吸着器13の第2吸着材16は、上述したように同じ温度において第1吸着器12の第1吸着材15よりも高い平衡圧力を持つように形成されている。このため、第1吸着器12及び第2吸着器13が同じ温度(ここでは0℃)になると、第2吸着器13内の圧力が第1吸着器12内の圧力よりも高くなるため、第1吸着器12と第2吸着器13との圧力差により第3開閉弁22が自動的に開けられる。
すると、NHが第2吸着器13から第1吸着器12に配管21を通って移動するようになる。このため、図6に示すように、第2吸着器13のNH吸着量が徐々に少なくなると共に、第1吸着器12のNH吸着量が徐々に多くなる。このとき、第1吸着器12及び第2吸着器13が均圧になるまでNHが移動する。これにより、NHが第1吸着器12の第1吸着材15に物理吸着(回収)されるようになる。
以上のように本実施形態においては、排気管8に取り付けられた第1吸着器12と、排気管8から離間して配置された第2吸着器13とを備え、排熱により第1吸着器12が加熱されると、第1吸着器12から反応器11にNHが移動し、NHと蓄熱材14との化学反応により蓄熱材14に熱が発生し、その後に高温の排熱が蓄熱材14に与えられると、蓄熱材14からNHが脱離し、反応器11から第2吸着器13にNHが移動するような構成としている。
このように発熱反応時に第1吸着器12を加熱することにより、蓄熱材14の発熱温度が高くなるため、酸化触媒4を効果的に加熱することができる。また、再生反応時には、第2吸着器13の温度が第1吸着器12の温度よりも低いことから、第2吸着器13内の圧力が第1吸着器12内の圧力よりも低くなるため、所望量のNHを第2吸着器13に回収する際に、蓄熱材14の発熱温度よりも低温の排熱を蓄熱材14に蓄熱することができる。さらに、再生反応後に第2吸着器13の温度が第1吸着器12の温度と等しくなると、第1吸着器12と第2吸着器13との圧力差により第2吸着器13から第1吸着器12にNHが移動するため、NHを第1吸着器12に直ちに戻すことができる。
以上により、蓄熱材14の発熱温度を高くしても、NHを第1吸着器12に確実に回収することができる。その結果、効率の良い化学蓄熱装置10を提供することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものでは無い。例えば上記実施形態では、第1吸着器12内の圧力を検出する圧力センサ23と、第2吸着器13内の圧力を検出する圧力センサ24とを設け、これらの圧力センサ23,24の検出値に基づいて第1開閉弁18及び第2開閉弁20を制御するようにしたが、特にその形態には限られない。例えば、第1開閉弁18を閉じる制御においては、反応器11の温度を検出する温度センサを設け、温度センサの検出値が目標温度となると第1開閉弁18を閉じたり、或いは反応器11の温度が目的とする温度となるのに必要なNHの量を供給できる時間を予め設定しておき、その時間だけ第1開閉弁18を開くように制御してもよい。また、第2開閉弁20を開く制御については、反応器11内の圧力を検出するに圧力センサや反応器11の温度を検出する温度センサを設け、この圧力センサの検出値や温度センサの検出値に基づいて第2開閉弁20を開くように制御したり、第1開閉弁18を閉じると共に第2開閉弁20を開くように制御してもよい。また、圧力センサ23,24に加えて、排ガスの温度を検出する温度センサを設け、圧力センサ23,24及び温度センサの検出値に基づいて第1開閉弁18及び第2開閉弁20を制御しても良い。
また、上記実施形態では、機械式の第3開閉弁22を使用したが、第3開閉弁22としては、電磁式であっても良い。この場合には、例えば第2吸着器13に所望量のNHが回収された後に第3開閉弁22を開くようにする。
さらに、上記実施形態では、第1吸着器12を排気管8に取り付けることで、排気管8内を流れる排ガスの熱により第1吸着器12を加熱するようにしたが、特にその形態には限られず、第1吸着器12を直接加熱するヒータ等を備えても良い。
また、上記実施形態では、反応器11の蓄熱材14と化学反応する気体の反応媒体としてNHを使用したが、反応媒体としては、特にNHには限られず、CO等を使用しても良い。反応媒体としてCOを使用する場合、COと化学反応する蓄熱材14としては、MgO、CaO、BaO、Ca(OH)、Mg(OH)、Fe(OH)、Fe(OH)、FeO、Fe、Fe等を使用することができる。
さらに、上記実施形態では、酸化触媒4の周囲に反応器11が配置されているが、反応器11の配置箇所としては、特にそれには限られず、例えば酸化触媒4の中であっても良い。
また、上記実施形態では、第1吸着器12がNHを物理吸着する第1吸着材15を含み、第2吸着器13がNHを物理吸着する第2吸着材16を含んでいるが、第1吸着器12及び第2吸着器13としては特にこれに限られず、NHを化学吸着する吸着材を含んでいても良い。また、第1吸着材15及び第2吸着材16としては、特に同じ材料である必要は無く、別々の材料で構成されていても良い。
また、上記実施形態では、第1吸着器12が排気管8における酸化触媒4とDPF5とをつなぐ部位に取り付けられているが、これに限られず、排気管8における他の位置に第1吸着器12を取り付けても良い。特に反応器11において発生した熱により排気を浄化する触媒やフィルタを活性化させることを目的とした場合は、それら触媒やフィルタの最下流に第1吸着器12を取り付けることが望ましい。
また、上記実施形態は、ディーゼルエンジン2の排気系に設けられた酸化触媒4を加熱するものであるが、本発明は、ディーゼルエンジン2の排気系に設けられた他の部分(例えば酸化触媒4の上流側に配置された熱交換器等)を加熱するものにも適用可能である。また、本発明は、ガソリンエンジンの排気系に設けられた触媒等を加熱するもの、或いはエンジンの排気系以外の加熱対象物を加熱するものにも適用可能である。
4…酸化触媒(加熱対象物)、3…排気通路(排気系)、8…排気管(加熱手段)、10…化学蓄熱装置、11…反応器、12…第1吸着器、13…第2吸着器、14…蓄熱材、15…第1吸着材、16…第2吸着材、18…第1開閉弁、20…第2開閉弁、22…第3開閉弁、25…コントローラ(制御手段)。

Claims (5)

  1. 加熱対象物を加熱する化学蓄熱装置において、
    気体の反応媒体と化学反応して熱を発生させる蓄熱材を有する反応器と、
    前記反応媒体を吸着する第1吸着材を有する第1吸着器と、
    前記第1吸着器を加熱する加熱手段と、
    前記第1吸着器とは異なる箇所に配置され、前記反応媒体を吸着する第2吸着材を有する第2吸着器と、
    前記反応器と前記第1吸着器との間に設けられ、前記第1吸着器と前記反応器との間で流通される前記反応媒体の流路を開閉させる第1開閉弁と、
    前記反応器と前記第2吸着器との間に設けられ、前記反応器と前記第2吸着器との間で流通される前記反応媒体の流路を開閉させる第2開閉弁と、
    前記第1吸着器と前記第2吸着器との間に設けられ、前記第2吸着器と前記第1吸着器との間で流通される前記反応媒体の流路を開閉させる第3開閉弁とを備えることを特徴とする化学蓄熱装置。
  2. 前記第2吸着材は、前記第1吸着材よりも高い圧力で前記反応媒体を吸着するような特性を有していることを特徴とする請求項1記載の化学蓄熱装置。
  3. 前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を制御する制御手段を更に備え、
    前記制御手段は、まず前記第1開閉弁を開くように制御し、前記加熱対象物が加熱されると、前記第1開閉弁を閉じるように制御した後に前記第2開閉弁を開くように制御することを特徴とする請求項1または2記載の化学蓄熱装置。
  4. 前記第3開閉弁は、前記第2吸着器内の圧力が前記第1吸着器内の圧力よりも高いときに開く弁であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の化学蓄熱装置。
  5. 前記加熱対象物は、エンジンの排気系に設けられており、
    前記加熱手段は、前記排気系の排気管であり、
    前記第1吸着器は、前記排気管に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の化学蓄熱装置。
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