JP2015183460A - 圧縮ブレースによる耐震補強構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 既存建物を圧縮ブレースにより補強する構造である。ブレースの芯材の下端を建物躯体の柱と梁との接合部に接合する継手部12Aは、柱30および梁40にそれぞれ対面する垂直方向および水平方向の接合板部12a,12bを有する。これら接合板部12a,12bにルーズ孔10を明け、柱30および梁40には各ルーズ孔10に挿通されるアンカー11を設ける。梁40のアンカー11に、接合板部12bを受けてブレースの高さを調整する受け座金13を設ける。受け座金13の平面形状を、ルーズ孔10に未硬化の無収縮モルタル14が通過可能な隙間形成部を有する形状とする。柱30,梁40と各接合板部12a,12bとの間、および各ルーズ孔10内に無収縮モルタル14を充填する。
【選択図】 図3
Description
前記ブレースの芯材の下端を前記躯体の柱と梁との接合部に接合する継手部に、前記柱の側面および前記梁の上面にそれぞれ対面する垂直方向および水平方向の接合板部を有し、
前記垂直方向および水平方向の接合板部にルーズ孔が明けられ、
前記柱および梁には前記各ルーズ孔に挿通されるアンカーが設けられ、
前記梁に設けられたアンカーに前記水平方向の接合板部を受けて前記ブレースの高さを調整する受け座金が設けられ、
この受け座金の形状を、前記ルーズ孔に対して下方から未硬化の無収縮モルタルが通過可能な隙間を形成する隙間形成部を有する形状とし、または前記水平方向の接合板部の前記ルーズ孔を、前記受け座金で閉鎖されずに前記ルーズ孔に対して下方から未硬化の無収縮モルタルが通過可能な隙間が残る形状とし、
前記梁および柱と前記各方向の接合板部との間、および前記各ルーズ孔内に無収縮モルタルを充填したことを特徴とする。
また、前記梁に設けられたアンカーに前記水平方向の接合板部を受けて圧縮ブレースの高さを調整する受け座金が設けられるので、圧縮ブレースの高さを容易に調整できる。
さらに、前記受け座金の形状を、前記ルーズ孔に対して下方から未硬化の無収縮モルタルが通過可能な隙間を形成する隙間形成部を有する形状とし、または前記水平方向の接合板部の前記ルーズ孔を、前記受け座金で閉鎖されずに前記ルーズ孔に対して下方から未硬化の無収縮モルタルが通過可能な隙間が残る長孔としているので、前記柱および梁と圧縮ブレースにおける前記継手部の各接合板部との隙間に未硬化の無収縮モルタルを充填するとき、前記受け座金の隙間形成部が形成する隙間によって前記ルーズ孔へ未硬化の無収縮モルタルを同時に充填することができる。これにより、前記水平方向の接合板部の上面を押える上座金を水平方向の接合板部に溶接することなく、アンカーのせん断力を圧縮ブレースに伝達することができる。
これらのことから、この圧縮ブレースによる耐震補強構造によると、現場での溶接作業を要せず、施工が容易で、圧縮ブレース1の建物躯体との接合部に若干の引張強度を持たせることができる。
このように、上座金に空気抜き兼充填確認穴を設けることで、未硬化の無収縮モルタルが充填される隙間から空気を抜いて充填を容易に行うことができると共に、無収縮モルタルの充填を視覚により確認することができる。
拘束材3は、例えば芯材2に向けて開口する溝形鋼材4内にモルタルまたはコンクリート5を充填して構成される。芯材2と拘束材3との間には粘弾性体からなるアンボンド材6が介在させてある。芯材2の両側面には、対向する一対の拘束材3,3の間の隙間を確保するスペーサ19が介在させてある。スペーサ19は、線状の鋼材またはゴム材等からなるが、省略しても良い。
図4(B)に示す例では、隙間形成部13aとして、平面視で切欠状の開口部が形成されている。この開口部はアンカー11の挿通孔を兼ねる。図4(C)に示す例では、隙間形成部13aとして、受け座金13の上面の四隅に部分的に突出して前記継手部12Aにおける水平方向の接合板部12bの下面を受ける突出部が形成されている。この場合、中央部に前記隙間形成部13aとは別にアンカー11の挿通孔13bが形成される。図4(D)に示す例では、中央にアンカーの挿通孔13bが設けられ、この挿通孔13bの両側に、スリットからなる隙間形成部13aを形成している。
このように、圧縮ブレース1の継手部12Aと建物躯体50との間に無収縮モルタル14が介在した状態で、継手部12Aが建物躯体50にアンカー11で接合され、かつ各接合部12a,12bのルーズ孔10内にもモルタルが充填されて硬化する。
また、前記梁40に設けられたアンカー11に前記水平方向の接合板部12bを受けて圧縮ブレース1の高さを調整する受け座金13が設けられるので、圧縮ブレース1の高さを容易に調整できる。
さらに、前記受け座金13の平面形状を、前記ルーズ孔10に対して下方から未硬化の無収縮モルタル14が通過可能な隙間を形成する隙間形成部13aを有する形状としているので、前記柱30および梁40と圧縮ブレース1における前記継手部12の各接合板部12a,12bとの隙間に未硬化の無収縮モルタル14を充填するとき、前記受け座金13の隙間形成部13aが形成する隙間によって前記ルーズ孔10へ未硬化の無収縮モルタル14を同時に充填することができる。これにより、前記水平方向の接合板部12bの上面を押える上座金15を接合板部12bに溶接することなく、アンカー11のせん断力を圧縮ブレース1に伝達することができる。
これらのことから、この圧縮ブレースによる耐震補強構造によると、現場での溶接作業を要せず、施工が容易で、圧縮ブレース1の建物躯体50との接合部に若干の引張強度を持たせることができる。その結果、圧縮ブレース1に作用する引抜力に対して十分耐えることができる。また、建物躯体50に後付けした圧縮ブレース1が自重で倒れるのも回避することができる。
また、この実施形態の場合、前記ルーズ孔10を長孔としていることから、前記受け座金13が先の実施形態のような隙間形成部13aを有しない通常の形状のものであっても、ルーズ孔10が受け座金13によって完全に塞がれることがない。このため、前記柱30および梁40と圧縮ブレース1における前記継手部12Aの各接合板部12a,12bとの隙間に未硬化の無収縮モルタル14を充填するとき、前記ルーズ孔10へ未硬化の無収縮モルタル14を同時に充填することができる。その他の構成および作用効果は、先の実施形態の場合と同様である。
2…芯材
2A…分割芯材
3…拘束材
10…ルーズ孔
11…アンカー
12A…継手部
12a…垂直方向の接合板部
12b…水平方向の接合板部
13…受け座金
13a…隙間形成部
14…未硬化の無収縮モルタル
15…上座金
30…柱
39…空気抜き兼充填確認孔
40…梁
50…躯体
Claims (4)
- 既存建物をブレースで補強する構造であって、前記ブレースが、両端が前記既存建物の躯体に接合される芯材と、この芯材の表面に沿って配置されて前記芯材の座屈を拘束する拘束材とを有し、かつ前記芯材が前記拘束材で拘束された範囲内で分割された圧縮ブレースであり、
前記ブレースの芯材の下端を前記躯体の柱と梁との接合部に接合する継手部に、前記柱の側面および前記梁の上面にそれぞれ対面する垂直方向および水平方向の接合板部を有し、
前記垂直方向および水平方向の接合板部にルーズ孔が明けられ、
前記柱および梁には前記各ルーズ孔に挿通されるアンカーが設けられ、
前記梁に設けられたアンカーに前記水平方向の接合板部を受けて前記ブレースの高さを調整する受け座金が設けられ、
この受け座金の形状を、前記ルーズ孔に対して下方から未硬化の無収縮モルタルが通過可能な隙間を形成する隙間形成部を有する形状とし、または前記水平方向の接合板部の前記ルーズ孔を、前記受け座金で閉鎖されずに前記ルーズ孔に対して下方から未硬化の無収縮モルタルが通過可能な隙間が残る形状とし、
前記梁および柱と前記各方向の接合板部との間、および前記各ルーズ孔内に無収縮モルタルを充填したことを特徴とする圧縮ブレースによる耐震補強構造。 - 請求項1に記載の圧縮ブレースによる耐震補強構造において、前記受け座金が前記隙間形成部を有し、この隙間形成部が、前記受け座金に平面視で切欠状またはスリット形状に形成された開口部である圧縮ブレースによる耐震補強構造。
- 請求項1に記載の圧縮ブレースによる耐震補強構造において、前記受け座金前記隙間形成部を有し、この前記隙間形成部が、前記受け座金の上面に部分的に突出して前記継手部における水平方向の接合板部の下面を受ける突出部であって、この突出部以外の箇所で前記受け座金と前記水平方向の接合板部との間に前記隙間を生じさせる圧縮ブレースによる耐震補強構造。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の圧縮ブレースによる耐震補強構造において、前記アンカーに取付けられて前記水平方向の接合板部の上面を押える上座金に、前記ルーズ孔に対して開通した空気抜き兼充填確認孔を設けた圧縮ブレースによる耐震補強構造。
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