JP2015183460A - 圧縮ブレースによる耐震補強構造 - Google Patents

圧縮ブレースによる耐震補強構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 現場での溶接作業を要せず、施工が容易で、圧縮ブレースの建物躯体との接合部に若干の引張強度を持たせられる圧縮ブレースによる耐震補強構造を提供する。
【解決手段】 既存建物を圧縮ブレースにより補強する構造である。ブレースの芯材の下端を建物躯体の柱と梁との接合部に接合する継手部12Aは、柱30および梁40にそれぞれ対面する垂直方向および水平方向の接合板部12a,12bを有する。これら接合板部12a,12bにルーズ孔10を明け、柱30および梁40には各ルーズ孔10に挿通されるアンカー11を設ける。梁40のアンカー11に、接合板部12bを受けてブレースの高さを調整する受け座金13を設ける。受け座金13の平面形状を、ルーズ孔10に未硬化の無収縮モルタル14が通過可能な隙間形成部を有する形状とする。柱30,梁40と各接合板部12a,12bとの間、および各ルーズ孔10内に無収縮モルタル14を充填する。
【選択図】 図3

Description

この発明は、既存の鉄筋コンクリート造建物の躯体に圧縮ブレースを後付けすることによって耐震補強を図る圧縮ブレースによる耐震補強構造に関する。
従来、既存の鉄筋コンクリート造建物の耐震補強対策として、例えば図6のように、建物躯体である柱41および梁51に圧縮ブレース21を後付けする工法が用いられている。圧縮ブレース21は、両端が既存建物の躯体に接合される芯材と、この芯材の表面に沿って配置される拘束材とを有し、芯材は拘束材で拘束された範囲内で分割されたものであり、圧縮力のみを伝達する。同図では、圧縮ブレース21の下端に、柱41の側面および梁51の上面にそれぞれ対面する垂直方向および水平方向の各接合板部22a,22bを有する継手部22が設けられ、柱41の側面および梁51の上面にそれぞれ後施工されたアンカー23によって、前記圧縮ブレース21の継手部22が柱41と梁51の接合部に接合される。なお、図6では、圧縮ブレース21の上端に設けられた別の継手部22Aが、梁51の下面にアンカー24で後付けされた上部鉄骨枠材29に接合されている。
圧縮ブレース21の場合、基本的には圧縮力を伝達できれば良いので、建物躯体との接合部(図6では継手部22)においても引抜力に耐える必要はない。しかし、実際には、圧縮ブレース21の芯材と拘束材との間の摩擦等により引抜力が作用するため、若干は引抜力にも耐えるようにする必要がある。また、後付けした圧縮ブレース21が倒れるのを回避する必要もある。
このような観点から、前記従来例では、図7(A)のように、圧縮ブレース21の継手部22の各方向の接合板部22a,22bと、これら接合板部22a,22bが後施工のアンカー23で接合される柱41の側面および梁51の上面との間に無収縮モルタル24を充填している。また、後施工のアンカー23は、既存建物の躯体における鉄筋の現況に応じて打設するため、その打設位置が当初の設計位置とは若干異なることがある。このため、前記継手部22の各接合板部22a,22bには、アンカー23を挿通させるための孔として図7(B)のようにルーズ孔25を設け、後施工アンカー23の多少の位置ずれに対応できるようにしている。しかし、このままではアンカー23の剪断力を継手部22に伝達できないので、アンカー23に螺合するボルト26を受ける座金27は、ルーズ孔25を覆うように配置された状態で各接合板部22a,22bに溶接される。
しかし、既存建物への耐震改修において、居室内に圧縮ブレースを後付け施工する場合、火災防止、居室仕上げ材への傷・汚れ防止などの観点から、上記したような現場での溶接作業は望ましくない。
特開2012−229581号公報 特許第04917168号公報 特開2013−129982号公報 特開2014−001540号公報 特開2014−001541号公報
従来例における上記課題を解決するために、例えば図8に示すように、前記接合板部22a,22bのルーズ孔25にも無収縮モルタル24を充填すれば、後施工アンカー23の剪断力を継手部22に伝達することができ、前記座金27の接合板部22a,22bへの溶接を省略することができる。
しかし、このようにした従来例の場合でも、前記継手部22における水平方向の接合板部22bと梁51の上面との間隔を調整する工夫はなされていない。その対策として、例えば、前記アンカー23に接合板部22bを下支えする下座金(図示せず)を設けることも可能であるが、それでは接合板部22bのルーズ孔25が下座金で塞がれてしまい、ルーズ孔25へ無収縮モルタル24を同時充填できなくなってしまう。
この発明の目的は、現場での溶接作業を要せず、施工が容易で、圧縮ブレースの建物躯体との接合部に若干の引張強度を持たせることができる圧縮ブレースによる耐震補強構造を提供することである。
この発明の第1の圧縮ブレースによる耐震補強構造は、既存建物をブレースで補強する構造であって、前記ブレースが、両端が前記既存建物の躯体に接合される芯材と、この芯材の表面に沿って配置されて前記芯材の座屈を拘束する拘束材とを有し、かつ前記芯材が前記拘束材で拘束された範囲内で分割された圧縮ブレースであり、
前記ブレースの芯材の下端を前記躯体の柱と梁との接合部に接合する継手部に、前記柱の側面および前記梁の上面にそれぞれ対面する垂直方向および水平方向の接合板部を有し、
前記垂直方向および水平方向の接合板部にルーズ孔が明けられ、
前記柱および梁には前記各ルーズ孔に挿通されるアンカーが設けられ、
前記梁に設けられたアンカーに前記水平方向の接合板部を受けて前記ブレースの高さを調整する受け座金が設けられ、
この受け座金の形状を、前記ルーズ孔に対して下方から未硬化の無収縮モルタルが通過可能な隙間を形成する隙間形成部を有する形状とし、または前記水平方向の接合板部の前記ルーズ孔を、前記受け座金で閉鎖されずに前記ルーズ孔に対して下方から未硬化の無収縮モルタルが通過可能な隙間が残る形状とし、
前記梁および柱と前記各方向の接合板部との間、および前記各ルーズ孔内に無収縮モルタルを充填したことを特徴とする。
この圧縮ブレースによる耐震補強構造では、圧縮ブレースの芯材の下端を建物躯体の柱と梁との接合部に接合する継手部が、柱の側面および梁の上面にそれぞれ対面する垂直方向および水平方向の接合板部を有し、これらの接合板部にはルーズ孔が設けられる。そのため、柱や梁に設けられるアンカーの取付位置が多少ずれていても、アンカーを容易に前記各接合板部のルーズ孔に挿通でき、作業を容易に行うことができる。
また、前記梁に設けられたアンカーに前記水平方向の接合板部を受けて圧縮ブレースの高さを調整する受け座金が設けられるので、圧縮ブレースの高さを容易に調整できる。
さらに、前記受け座金の形状を、前記ルーズ孔に対して下方から未硬化の無収縮モルタルが通過可能な隙間を形成する隙間形成部を有する形状とし、または前記水平方向の接合板部の前記ルーズ孔を、前記受け座金で閉鎖されずに前記ルーズ孔に対して下方から未硬化の無収縮モルタルが通過可能な隙間が残る長孔としているので、前記柱および梁と圧縮ブレースにおける前記継手部の各接合板部との隙間に未硬化の無収縮モルタルを充填するとき、前記受け座金の隙間形成部が形成する隙間によって前記ルーズ孔へ未硬化の無収縮モルタルを同時に充填することができる。これにより、前記水平方向の接合板部の上面を押える上座金を水平方向の接合板部に溶接することなく、アンカーのせん断力を圧縮ブレースに伝達することができる。
これらのことから、この圧縮ブレースによる耐震補強構造によると、現場での溶接作業を要せず、施工が容易で、圧縮ブレース1の建物躯体との接合部に若干の引張強度を持たせることができる。
この発明において、前記受け座金が前記隙間形成部を有し、この隙間形成部が、前記受け座金に平面視で切欠状またはスリット形状に形成された開口部であっても良い。このように前記隙間形成部を切欠状またはスリット形状とする場合は、簡単な加工で前記隙間形成部を形成することができる。
この発明において、前記受け座金の前記隙間形成部が前記隙間形成部を有し、この受け座金の上面に部分的に突出して前記継手部における水平方向の接合板部の下面を受ける突出部であって、この突出部以外の箇所で前記受け座金と前記水平方向の接合板部との間に前記隙間を生じさせるものとしても良い。
この発明において、前記アンカーに取付けられて前記水平方向の接合板部の上面を押える上座金に、前記ルーズ孔に対して開通した空気抜き兼充填確認孔を設けても良い。
このように、上座金に空気抜き兼充填確認穴を設けることで、未硬化の無収縮モルタルが充填される隙間から空気を抜いて充填を容易に行うことができると共に、無収縮モルタルの充填を視覚により確認することができる。
この発明の圧縮ブレースによる耐震補強構造は、既存建物をブレースで補強する構造であって、前記ブレースが、両端が前記既存建物の躯体に接合される芯材と、この芯材の表面に沿って配置されて前記芯材の座屈を拘束する拘束材とを有し、かつ前記芯材が前記拘束材で拘束された範囲内で分割された圧縮ブレースであり、前記ブレースの芯材の下端を前記躯体の柱と梁との接合部に接合する継手部に、前記柱の側面および前記梁の上面にそれぞれ対面する垂直方向および水平方向の接合板部を有し、前記垂直方向および水平方向の接合板部にルーズ孔が明けられ、前記柱および梁には前記各ルーズ孔に挿通されるアンカーが設けられ、前記梁に設けられたアンカーに前記水平方向の接合板部を受けて前記ブレースの高さを調整する受け座金が設けられ、この受け座金の形状を、前記ルーズ孔に対して下方から未硬化の無収縮モルタルが通過可能な隙間を形成する隙間形成部を有する形状とし、または前記水平方向の接合板部の前記ルーズ孔を、前記受け座金で閉鎖されずに前記ルーズ孔に対して下方から未硬化の無収縮モルタルが通過可能な隙間が残る形状とし、前記梁および柱と前記各方向の接合板部との間、および前記各ルーズ孔内に無収縮モルタルを充填したため、現場での溶接作業を要せず、施工が容易で、圧縮ブレースの建物躯体との接合部に若干の引張強度を持たせることができる。
この発明の一実施形態の耐震補強構造を用いた建物躯体の正面図である。 同耐震補強構造における圧縮ブレースの外観斜視図および断面図である。 同耐震補強構造における圧縮ブレースの建物躯体への接合手順を示す説明図である。 (A)〜(D)は同耐震補強構造に用いる受け座金の各例の平面図および断面図、(E)はその上座金の平面図である。 この発明の他の実施形態の耐震補強構造における圧縮ブレースの建物躯体への接合手順を示す説明図である。 従来例の耐震補強構造を用いた建物躯体の正面図である。 同耐震補強構造の説明図である。 同耐震補強構造の一部の変形例を示す説明図である。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図4と共に説明する。図1は、この実施形態の耐震補強構造を適用した既存建物の躯体構造を示す部分正面図である。この実施形態の耐震補強構造は、既存建物の建物躯体50を、圧縮ブレース1,1を用いて補強する構造である。建物躯体50はRC造またはSRC造である。同図に示すように、建物躯体50は隣り合う2本の柱30,30間に梁40が横架されていて、この梁40の下面に沿って、両側の柱30,30間に上部鉄骨枠材20を設ける。この上部鉄骨枠材20の下方に、2本の圧縮ブレース1,1を互いに逆V字状に配置する。すなわち、上部鉄骨枠材20の中間部と一方の柱30の下端との間に渡って1本の圧縮ブレース1を設け、上部鉄骨枠材20の中間部と他の柱30の下端との間に渡って他の1本の圧縮ブレース1を設けている。上部鉄骨枠材20は例えばH形鋼からなる。
圧縮ブレース1は建物躯体50に加わる水平力に抵抗する部材であって、図2に示すように、芯材2と、この芯材2の両面に沿って配置されて芯材2の座屈を拘束する一対の拘束材3,3とを有する。芯材2は、帯状の平鋼板であり、SN材(建築構造用圧延鋼材)や、LY材(低降伏点鋼材)等の降伏点の低い鉄鋼材料からなる。
拘束材3は、例えば芯材2に向けて開口する溝形鋼材4内にモルタルまたはコンクリート5を充填して構成される。芯材2と拘束材3との間には粘弾性体からなるアンボンド材6が介在させてある。芯材2の両側面には、対向する一対の拘束材3,3の間の隙間を確保するスペーサ19が介在させてある。スペーサ19は、線状の鋼材またはゴム材等からなるが、省略しても良い。
芯材2の両端には、建物躯体50や前記上部鉄骨枠材20に接合する継手部12A,12Bが設けられている。図2(A)のように、芯材2は、拘束材3で拘束されている範囲内で、長さ方向の途中部分、例えば中央で、一対の分割芯材2A,2Aに分割されている。これら一対の分割芯材2A,2Aの間には、長さ方向と垂直な鋼板7が対向する両拘束材3,3間に渡って介在させてある。
この圧縮ブレース1では、上記したように芯材2が、その長さ方向の途中部分で分割された一対の分割芯材2A,2Aからなるため、圧縮力の作用時には、両分割芯材2A,2Aの端部が鋼板7を介して突き当て状態となり、圧縮力の伝達が可能であるが、引張時には、分割芯材2Aの端部が鋼板7から引き離され、一対の分割芯材2A,2Aが互いに離れることになって引張力を負担させることがない。
圧縮ブレース1における芯材2の下端の継手部12Aは、前記建物躯体50の柱30と梁40との接合部に接合される。この継手部12Aは、図3に示すように、柱30の側面および梁40の上面にそれぞれ対面する垂直方向および水平方向の接合板部12a,12bを有し、これらの各接合板部12a,12bには複数のルーズ孔10(図3(E))が明けられている。各ルーズ孔10の形状は、例えば、水平方向の接合板部12bでは梁40の長手方向に延びる長孔とされ、垂直方向の接合板部12aでは上下方向に延びる長孔とされるが、いずれも円孔として通常のボルト挿通孔に比べて余裕の大きい内径としても良い。また、前記柱30および梁40には、図3(A)のように、前記ルーズ孔10に挿通される後施工のアンカー11が設けられる。後施工のアンカー11は、既存のコンクリート部分に対し孔をあけて挿入され、抜けないように設置されるアンカーボルトであり、ホールインアンカ等とも称される。図3(A)では、梁40の上面にアンカー11が設けられた状態を示す。梁40に設けられたアンカー11には、図3(B)のように、前記継手部12Aの水平方向の接合板部12bを受けて圧縮ブレース1の高さを調整する受け座金13が設けられる。なお、図3(B)は、図3(A)のb部を拡大して示したものである。
前記受け座金13は、アンカー11に螺合されるナット18で支えられ、このナット18を高さ調整することにより、圧縮ブレース1の高さを調整できる。この受け座金13の平面形状は、図4(B)〜(D)に各種の形状例を示すように、前記ルーズ孔10に対して下方から未硬化の無収縮モルタル14が通過可能な隙間を形成する隙間形成部13aを有する形状とされている。図4(A)の例は、比較のために示した通常の受け座金であり、中央にアンカーの挿通孔13bを有している。なお、図4(A)〜図4(D)では、上側に受け座金13の平面図を、下側に同断面図をそれぞれ示している。
図4(B)に示す例では、隙間形成部13aとして、平面視で切欠状の開口部が形成されている。この開口部はアンカー11の挿通孔を兼ねる。図4(C)に示す例では、隙間形成部13aとして、受け座金13の上面の四隅に部分的に突出して前記継手部12Aにおける水平方向の接合板部12bの下面を受ける突出部が形成されている。この場合、中央部に前記隙間形成部13aとは別にアンカー11の挿通孔13bが形成される。図4(D)に示す例では、中央にアンカーの挿通孔13bが設けられ、この挿通孔13bの両側に、スリットからなる隙間形成部13aを形成している。
前記受け座金13で前記継手部12Aの水平方向の接合板部12bを受けた後で、前記アンカー11には、図3(D)のe部を拡大して示す図3(E)のように、さらに前記水平方向の接合板部12bの上面を押える上座金15が設けられ、アンカー11に螺合させたナット17で上座金15が水平方向の接合板部12bの上面に押し付けられる。また、柱30に設けられたアンカー11は、前記垂直方向の接合板部12aのルーズ孔10に挿通され、このアンカー11に取付けられる上座金15によって位置規制される。これにより柱30と梁40の接合部において、図3(C)のように、圧縮ブレース1の芯材2の下端の継手部12Aの垂直方向の接合板部12aと柱30の側面の間と、前記継手部12Aの水平方向の接合板部12bと梁40の上面の間とに、未硬化の無収縮モルタル14を充填可能な隙間が確保される。これらの隙間に、図3(D)のように未硬化の無収縮モルタル14が充填される。この充填時に、接合板部12bのルーズ孔10内にも無収縮モルタル14が充填されて硬化する。
このように、圧縮ブレース1の継手部12Aと建物躯体50との間に無収縮モルタル14が介在した状態で、継手部12Aが建物躯体50にアンカー11で接合され、かつ各接合部12a,12bのルーズ孔10内にもモルタルが充填されて硬化する。
なお、前記継手部12Aの水平方向の接合板部12bの上面を押える前記上座金15には、水平方向の接合板部12bに設けられるルーズ孔10に対して開通した空気抜き兼充填確認穴39(図4(E)を設けても良い。この空気抜き兼充填確認穴39は、例えば図4(B),(D)の隙間成形部13aのような切欠状やスリット状であっても良い。このように、前記上座金15に空気抜き兼充填確認穴39を設けることで、未硬化の無収縮モルタル14が充填される前記隙間から空気を抜いて充填を円滑に行うことができると共に、無収縮モルタル14の充填を視覚により確認することができる。
圧縮ブレース1の芯材2の上端の継手部12Bも下端の継手部12Aと略同様の形状であって、図2のように垂直方向の接合板部12aと水平方向の接合板部12bとを有し、その水平方向の接合板部12bが図1のように前記上部鉄骨枠材20の下面にボルト接合される。
この構成の圧縮ブレースによる耐震補強構造では、圧縮ブレース1の芯材2の下端を建物躯体50の柱30と梁40との接合部に接合する継手部12Aに、柱30の側面および梁40の上面にそれぞれ対面する垂直方向および水平方向の接合板部12a,12bを有し、これらの接合板部12a,12bにはルーズ孔10が設けられる。そのため、柱30や梁40に設けられるアンカー11の取付位置が多少ずれていても、アンカー11を容易に接合板部12a,12bのルーズ孔10に挿通でき、作業を容易に行うことができる。
また、前記梁40に設けられたアンカー11に前記水平方向の接合板部12bを受けて圧縮ブレース1の高さを調整する受け座金13が設けられるので、圧縮ブレース1の高さを容易に調整できる。
さらに、前記受け座金13の平面形状を、前記ルーズ孔10に対して下方から未硬化の無収縮モルタル14が通過可能な隙間を形成する隙間形成部13aを有する形状としているので、前記柱30および梁40と圧縮ブレース1における前記継手部12の各接合板部12a,12bとの隙間に未硬化の無収縮モルタル14を充填するとき、前記受け座金13の隙間形成部13aが形成する隙間によって前記ルーズ孔10へ未硬化の無収縮モルタル14を同時に充填することができる。これにより、前記水平方向の接合板部12bの上面を押える上座金15を接合板部12bに溶接することなく、アンカー11のせん断力を圧縮ブレース1に伝達することができる。
これらのことから、この圧縮ブレースによる耐震補強構造によると、現場での溶接作業を要せず、施工が容易で、圧縮ブレース1の建物躯体50との接合部に若干の引張強度を持たせることができる。その結果、圧縮ブレース1に作用する引抜力に対して十分耐えることができる。また、建物躯体50に後付けした圧縮ブレース1が自重で倒れるのも回避することができる。
図5は、この発明の他の実施形態の施工手順の説明図を示す。なお、図5(A)〜図5(C)の各図において、上側は圧縮ブレース1の芯材2の下端の継手部12Aの正面図を示し、下側は同平面図を示す。この実施形態の圧縮ブレースによる耐震補強構造では、先の実施形態における圧縮ブレース1の芯材2の下端の継手部12Aにおいて、その水平方向の接合板部12bに設けるルーズ孔10を、受け座金13で閉鎖されずに無収縮性のモルタルが通過可能な隙間が生じる大きさの長孔としている。このため、梁40の上面に設けるアンカー11を先打ちしていても前記水平方向の接合板部12bのルーズ孔10にアンカー11を容易に挿通させることができ、アンカー工事の施工回数を削減することができる。とくに、補構面数が少ない場合は、アンカー11の総数も極端に少ないため、アンカー工事を一度で施工することができる。
また、この実施形態の場合、前記ルーズ孔10を長孔としていることから、前記受け座金13が先の実施形態のような隙間形成部13aを有しない通常の形状のものであっても、ルーズ孔10が受け座金13によって完全に塞がれることがない。このため、前記柱30および梁40と圧縮ブレース1における前記継手部12Aの各接合板部12a,12bとの隙間に未硬化の無収縮モルタル14を充填するとき、前記ルーズ孔10へ未硬化の無収縮モルタル14を同時に充填することができる。その他の構成および作用効果は、先の実施形態の場合と同様である。
1…圧縮ブレース
2…芯材
2A…分割芯材
3…拘束材
10…ルーズ孔
11…アンカー
12A…継手部
12a…垂直方向の接合板部
12b…水平方向の接合板部
13…受け座金
13a…隙間形成部
14…未硬化の無収縮モルタル
15…上座金
30…柱
39…空気抜き兼充填確認孔
40…梁
50…躯体

Claims (4)

  1. 既存建物をブレースで補強する構造であって、前記ブレースが、両端が前記既存建物の躯体に接合される芯材と、この芯材の表面に沿って配置されて前記芯材の座屈を拘束する拘束材とを有し、かつ前記芯材が前記拘束材で拘束された範囲内で分割された圧縮ブレースであり、
    前記ブレースの芯材の下端を前記躯体の柱と梁との接合部に接合する継手部に、前記柱の側面および前記梁の上面にそれぞれ対面する垂直方向および水平方向の接合板部を有し、
    前記垂直方向および水平方向の接合板部にルーズ孔が明けられ、
    前記柱および梁には前記各ルーズ孔に挿通されるアンカーが設けられ、
    前記梁に設けられたアンカーに前記水平方向の接合板部を受けて前記ブレースの高さを調整する受け座金が設けられ、
    この受け座金の形状を、前記ルーズ孔に対して下方から未硬化の無収縮モルタルが通過可能な隙間を形成する隙間形成部を有する形状とし、または前記水平方向の接合板部の前記ルーズ孔を、前記受け座金で閉鎖されずに前記ルーズ孔に対して下方から未硬化の無収縮モルタルが通過可能な隙間が残る形状とし、
    前記梁および柱と前記各方向の接合板部との間、および前記各ルーズ孔内に無収縮モルタルを充填したことを特徴とする圧縮ブレースによる耐震補強構造。
  2. 請求項1に記載の圧縮ブレースによる耐震補強構造において、前記受け座金が前記隙間形成部を有し、この隙間形成部が、前記受け座金に平面視で切欠状またはスリット形状に形成された開口部である圧縮ブレースによる耐震補強構造。
  3. 請求項1に記載の圧縮ブレースによる耐震補強構造において、前記受け座金前記隙間形成部を有し、この前記隙間形成部が、前記受け座金の上面に部分的に突出して前記継手部における水平方向の接合板部の下面を受ける突出部であって、この突出部以外の箇所で前記受け座金と前記水平方向の接合板部との間に前記隙間を生じさせる圧縮ブレースによる耐震補強構造。
  4. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の圧縮ブレースによる耐震補強構造において、前記アンカーに取付けられて前記水平方向の接合板部の上面を押える上座金に、前記ルーズ孔に対して開通した空気抜き兼充填確認孔を設けた圧縮ブレースによる耐震補強構造。
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