JP2015183184A - 室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物 - Google Patents

室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】作業性、保存安定性に優れた高熱伝導性の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物を提供する。
【解決手段】(A)〜(F)を必須成分とする室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物。(A)少なくとも2個のトリアルコキシシリル基を有し、かつ該トリアルコキシシリル基がアルキレン基を介してケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサン、(B)少なくとも2個のジアルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサン、(C)式(1)で表されるオルガノポリシロキサン、
Figure 2015183184

(D)10W/m・℃以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填剤、(E)増粘触媒、(F)式(2)で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物:R3 b4 cSi(OR54-b-c(2)
【選択図】なし

Description

本発明は、初期粘度が低いためにディスペンスし易く、室温にて湿気で増粘するために垂れ難くすることができ、放熱シリコーングリースとして好適に用いられる室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物に関する。
近年、低炭素社会を実現するために、電気電子分野、輸送機分野などにおいても、以前よりエネルギーを精密に管理する必要性が益々高まっている。つまり、そのシステムを制御するために、以前より数多くの電子素子・部品が搭載されるようになった。実際、自動車のみに着目してみても、ガソリン車に替わり、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車等の市場に占める割合は年々増加傾向にあり、今までガソリン車では必要のなかったモータ、インバータ、電池等の電子部品を搭載しなくてはならなくなった。当然のことながら、これら発熱する電子素子・部品を正常に機能させるためには、効率よく熱を逃がすことが必須であり、その分放熱材料の重要性も増してきていると言える。
従って、今までよりも多くの電子素子・部品を限られた空間に搭載する必要性があるために、電子素子・部品それぞれの搭載環境(温度・搭載角度等)も多岐にわたるようになってきた。このような状況では、発熱する電子素子・部品と冷却板とが必ずしも水平置きされなくなり、それらを接続する熱伝導性材料もある一定の傾きを持って搭載されることになる。このような使用環境では、熱伝導性材料が発熱体と冷却体の間から垂れて抜けてしまわないように、熱伝導性シリコーン接着材料や熱伝導性ポッティング材料を使用したり、室温硬化型熱伝導性シリコーンゴム組成物を使用したりする場合がある(特開平8−208993号公報、特開昭61−157569号公報、特開2004−352947号公報:特許文献1〜3)。
しかしながら、いずれの材料も完全に接着してしまうので、リワーク性は乏しいという欠点がある。また、接着後は熱伝導性材料が非常に硬くなってしまうために、熱歪みによる応力の繰り返し等により熱伝導性材料が耐えきれず、発熱素子から剥がれてしまい、空気を挟み込んでしまうために、熱抵抗が急上昇してしまう等の問題があった。
上述した問題は、付加1液型シリコーン熱伝導性組成物を用いれば解決できる(特開2002−327116号公報:特許文献4)。つまり、加熱硬化後においてもリワーク性が確保できる上に、硬化後も垂れずに、なおかつその硬化状態も柔らかいので応力緩和剤の役割も果たすことができる。とは言え、この熱伝導性材料も幾つか課題を抱えていた。例えば、保存に冷蔵あるいは冷凍が必要であり、使用前には解凍も必要である。また、熱伝導性材料を組み付ける際に、加熱と冷却が必要になるために生産設備として加熱炉/冷却炉の導入が必要であったり、加熱/冷却工程に長時間必要となるために、生産効率が下がってしまったりしていた。なお、この工程はエネルギー効率の観点から顧みても、熱伝導性材料のみならず部品ごと全て加熱しなくてはならなくなるため、決して効率がよいとは言えず、更には塗布面に硬化阻害物質が多量に存在してしまうと、加熱しても硬化不良が起きてしまうというリスクが内在していた。
これまでに、熱伝導性材料を使用する側でのこのような保存/解凍管理と加熱/冷却工程の手間を省くべく、予め製造時に加熱架橋反応させた付加1液型熱伝導性材料が既に見出されている(特開2003−301189号公報:特許文献5)。これは今まで挙げた欠点を克服した熱伝導性材料であるが、そのトレードオフとして、粘度が高く塗布し難いという課題を有している。またベースポリマーの粘度が高いために高充填化し難いという課題や架橋反応をさせるために製造時間も長時間にわたってしまうという課題があった。
そこで、初期は塗布し易く、室温湿気にて増粘するために、柔らかさを維持しつつリワーク性も良好であり、更には垂れ難くなり、保存するのに冷蔵や冷凍も必要なく、組み立て時に加熱工程を必要とせず、増粘不良も起こり難く、製造方法も簡便であり、しかも高充填化も可能な高熱伝導性の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物が提案されたものの、経時で増粘後の硬さが高くなってしまう問題があった(特許第5365572号公報:特許文献6)。
特開平8−208993号公報 特開昭61−157569号公報 特開2004−352947号公報 特開2002−327116号公報 特開2003−301189号公報 特許第5365572号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、初期は塗布し易く、室温湿気にて増粘するために、柔らかさを維持しつつも垂れ難くなり、その上リワーク性も良好であり、保存するのに冷蔵や冷凍も必要なく、組み立て時に加熱工程も必要なく、増粘不良も起こり難く、製造方法も簡便であり、高充填化も可能であり、しかも経時で増粘後の硬さ変化が少ない高熱伝導性の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、(A)25℃における粘度が0.01〜500Pa・sであり、一分子中に少なくとも2個のトリアルコキシシリル基を有し、かつ該トリアルコキシシリル基がアルキレン基を介してケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサン、(B)25℃における粘度が0.01〜500Pa・sであり、一分子中に少なくとも2個のジアルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサン、(C)下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン、(D)10W/m・℃以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填剤、(E)増粘触媒、及び(F)下記一般式(2)で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物を必須成分とする熱伝導性シリコーングリース組成物が、初期は塗布し易く、室温湿気にて増粘するために、柔らかさを維持しつつリワーク性も良好であり、更には垂れ難くなり、保存するのに冷蔵や冷凍も必要なく、組み立て時に加熱工程を必要とせず、増粘不良も起こり難く、製造方法も簡便であり、高充填化も可能であり、しかも経時で増粘後の硬さ変化が少ない、熱伝導性の良好な材料となることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示す室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物を提供する。
〔1〕
(A)25℃における粘度が0.01〜500Pa・sであり、一分子中に少なくとも2個のトリアルコキシシリル基を有し、かつ該トリアルコキシシリル基がアルキレン基を介してケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサン:1〜49質量部、
(B)25℃における粘度が0.01〜500Pa・sであり、一分子中に少なくとも2個のジアルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサン:1〜49質量部、
(C)下記一般式(1)
Figure 2015183184

(式中、R1は独立に非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R2は独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基又はアシル基であり、nは5〜100の整数であり、aは1〜3の整数である。)
で表されるオルガノポリシロキサン:50〜98質量部、
(但し、(A)成分、(B)成分、並びに(C)成分の合計量が100質量部となる量である。)
(D)10W/m・℃以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填剤:100〜2,000質量部、
(E)増粘触媒:0.1〜20質量部、
(F)下記一般式(2)
3 b4 cSi(OR54-b-c (2)
(式中、R3は独立に炭素数6〜20の非置換のアルキル基であり、R4は独立に炭素数1〜20の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R5は独立に炭素数1〜6のアルキル基であり、bは1〜3の整数、cは0〜2の整数で、b+cは1〜3の整数である。)
で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物:0.1〜20質量部
を必須成分とすることを特徴とする室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物。
〔2〕
式(1)において、R1が直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基、アリール基、アラルキル基、及びハロゲン化アルキル基から選ばれるものである〔1〕記載の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物。
〔3〕
更に、(G)下記平均組成式(3)で示される25℃における粘度が0.01〜500Pa・sのオルガノポリシロキサンを、(A)成分、(B)成分、並びに(C)成分の合計100質量部に対して0.1〜900質量部含むことを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物。
6 dSiO(4-d)/2 (3)
(式中、R6は独立に炭素数1〜18の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、dは1.8≦d≦2.2の正数である。)
〔4〕
(A)成分が、下記一般式(4)で示されるものであることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物。
Figure 2015183184

(式中、R7は互いに同一又は異種の炭素数1〜4のアルキル基であり、R8は互いに同一又は異種の炭素数1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、mは、式(4)で示されるオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を0.01〜500Pa・sとするような数である。)
〔5〕
(B)成分が、下記一般式(5)で示されるものであることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物。
Figure 2015183184

(式中、R9は互いに同一又は異種の炭素数1〜4のアルキル基であり、R10は互いに同一又は異種の炭素数1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、kは、式(5)で示されるオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を0.01〜500Pa・sとするような数である。)
本発明の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物は、初期は塗布し易く、塗布後は室温湿気にて増粘するために柔らかさを維持しつつも垂れ難く、リワーク性が良好であり、保存するのに冷蔵や冷凍も必要なく、組み立て時に加熱工程も必要なく、増粘不良も起こり難く、製造方法も簡便であり、高充填化も可能であり、しかも経時で増粘後の硬さ変化が少ない高熱伝導性の材料を提供できるという利点を有する。
以下に本発明を詳述する。
本発明の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物は、
(A)25℃における粘度が0.01〜500Pa・sであり、一分子中に少なくとも2個のトリアルコキシシリル基を有し、かつ該トリアルコキシシリル基がアルキレン基を介してケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサン、
(B)25℃における粘度が0.01〜500Pa・sであり、一分子中に少なくとも2個のジアルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサン、
(C)下記一般式(1)
Figure 2015183184

(式中、R1は独立に非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R2は独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基又はアシル基であり、nは5〜100の整数であり、aは1〜3の整数である。)
で表されるオルガノポリシロキサン、
(D)10W/m・℃以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填剤、
(E)増粘触媒、
(F)下記一般式(2)
3 b4 cSi(OR54-b-c (2)
(式中、R3は独立に炭素数6〜20の非置換のアルキル基であり、R4は独立に炭素数1〜20の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R5は独立に炭素数1〜6のアルキル基であり、bは1〜3の整数、cは0〜2の整数で、b+cは1〜3の整数である。)
で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物
を必須成分とするものである。
(A)成分は、本組成物のベースポリマーであり、一分子中に少なくとも2個のトリアルコキシシリル基を有し、かつ該トリアルコキシシリル基がアルキレン基を介してケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサンである。トリアルコキシシリル基としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等の各アルコキシ基が炭素数1〜6のもの、あるいはこれらを組み合わせたものが挙げられ、好ましくは炭素数1〜4のものである。
上記トリアルコキシシリル基をアルキレン基を介してケイ素原子に結合させたオルガノポリシロキサン構造とすることで、増粘後の硬さ変化を抑えることができる。アルキレン基としては、同一又は異種の炭素数1〜10のアルキレン基が例示されるが、合成の簡便さの面で好ましくはエチレン基、あるいはプロピレン基が望ましい。
上記オルガノポリシロキサンとしては、一分子中に少なくとも2個のトリアルコキシシリル基を有し、かつ該トリアルコキシシリル基がアルキレン基を介してケイ素原子に結合すること以外は特に限定されず、トリアルコキシシリル基を一分子中の末端や側鎖に配置して、例えば直鎖状、分岐鎖状、一部分岐を有する直鎖状、樹脂状(デンドリマー状)のオルガノポリシロキサン等として増粘するエラストマーを与えるものであればよい。オルガノポリシロキサンの構造は、好ましくは直鎖状、一部分岐を有する直鎖状である。
上記アルキレン基を介して結合したトリアルコキシシリル基以外のケイ素原子に結合する置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基などの炭素数1〜8の1価炭化水素基、あるいはこれら1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部を塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換したクロロメチル基、トリフルオロメチル基等のハロゲン化炭化水素基等が挙げられる。
(A)成分の25℃における粘度は、0.01〜500Pa・sであり、好ましくは0.1〜100Pa・sであり、より好ましくは0.3〜50Pa・sである。0.01Pa・sより低いと本組成物を満たす増粘ではなく硬化してしまい、500Pa・sより高いと、室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物が高粘度になってしまうので、塗布性が悪化してしまう。なお、本発明において、粘度は回転粘度計にて測定した値である(以下、同じ)。
この場合、より好適には、(A)成分として、下記一般式(4)で示されるオルガノポリシロキサンが用いられる。
Figure 2015183184
上記式中、R7は互いに同一又は異種の炭素数1〜4のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、特にメチル基、エチル基が好ましい。R8は互いに同一又は異種の炭素数1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基などの1価炭化水素基、これら1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部を塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換したクロロメチル基、3−クロロプロピル基、トリフルオロメチル基等のハロゲン化炭化水素基が挙げられ、特にメチル基、エチル基が好ましい。mは、式(4)で示されるオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を0.01〜500Pa・sとするような数である。
(A)成分は、本発明で規定した(A)成分、(B)成分、並びに(C)成分の合計量100質量部中、1質量部よりも少ないと本組成物を満たす増粘が得られにくく、49質量部より多いと本組成物を満たす増粘ではなく硬化してしまうため、1〜49質量部の範囲で用いるものであり、好ましくは5〜30質量部の範囲で用いる。
(B)成分は、本組成物のベースポリマーであり、一分子中に少なくとも2個のジアルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサンである。一分子中に少なくとも2個のジアルコキシシリル基としては、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基等の各アルコキシ基が炭素数1〜6のもの、あるいはこれらを組み合わせたものが挙げられ、好ましくは炭素数1〜4のものである。
上記オルガノポリシロキサンとしては、一分子中に少なくとも2個のジアルコキシシリル基を有すること以外は特に限定されず、ジアルコキシシリル基を一分子中の末端や側鎖に配置して、例えば直鎖状、分岐鎖状、一部分岐を有する直鎖状、樹脂状(デンドリマー状)のオルガノポリシロキサン等として増粘するエラストマーを与えるものであればよい。オルガノポリシロキサンの構造は、好ましくは直鎖状、一部分岐を有する直鎖状である。
上記ジアルコキシシリル基を有する以外のケイ素原子に結合する置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基などの炭素数1〜8の1価炭化水素基、あるいはこれら1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部を塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換したクロロメチル基、トリフルオロメチル基等のハロゲン化炭化水素基等が挙げられる。
(B)成分の25℃における粘度は、0.01〜500Pa・sであり、好ましくは0.1〜100Pa・sであり、より好ましくは0.3〜50Pa・sである。0.01Pa・sより低いと本組成物を満たす増粘が得られにくく、500Pa・sより高いと、室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物が高粘度になってしまうので、塗布性が悪化してしまう。
この場合、より好適には、(B)成分として、下記一般式(5)で示されるオルガノポリシロキサンが用いられる。
Figure 2015183184
上記式中、R9は互いに同一又は異種の炭素数1〜4のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、特にメチル基、エチル基が好ましい。R10は互いに同一又は異種の炭素数1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基などの1価炭化水素基、これら1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部を塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換したクロロメチル基、3−クロロプロピル基、トリフルオロメチル基等のハロゲン化炭化水素基が挙げられ、特にメチル基、エチル基が好ましい。kは、式(5)で示されるオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を0.01〜500Pa・sとするような数である。
(B)成分は、本発明で規定した(A)成分、(B)成分、並びに(C)成分の合計量100質量部中、1質量部よりも少ないと本組成物を満たす増粘が得られにくく、49質量部より多いと本組成物を満たす増粘速度が遅くなるため、1〜49質量部の範囲で用いるものであり、好ましくは5〜30質量部の範囲である。
本発明に用いる(C)成分は、下記一般式(1)
Figure 2015183184

(式中、R1は独立に非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R2は独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基又はアシル基であり、nは5〜100の整数であり、aは1〜3の整数である。)
で表され、好ましくは25℃における粘度が0.005〜100Pa・sのオルガノポリシロキサンである。
(C)成分は、架橋剤として作用するが、高熱伝導性の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物を得るために、(D)成分の熱伝導性充填剤を本発明組成物に高充填しても、該組成物の流動性を保ち、該組成物に良好な取り扱い性を付与する役割も兼ね備えている。
上記式(1)中、R1は独立に非置換又は置換の好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜3の1価炭化水素基であり、その例としては、直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基が挙げられる。直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基が挙げられる。分岐鎖状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基が挙げられる。環状アルキル基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。アルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基が挙げられる。アリール基としては、例えばフェニル基、トリル基が挙げられる。アラルキル基としては、例えば2−フェニルエチル基、2−メチル−2−フェニルエチル基が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−(ノナフルオロブチル)エチル基、2−(ヘプタデカフルオロオクチル)エチル基が挙げられる。R1として、好ましくはメチル基、フェニル基、ビニル基である。
上記R2は独立に好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜3のアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基又はアシル基である。アルキル基としては、例えばR1について例示したのと同様の直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基が挙げられる。アルコキシアルキル基としては、例えばメトキシエチル基、メトキシプロピル基等が挙げられる。アシル基としては、例えばアセチル基、オクタノイル基等が挙げられる。R2はアルキル基であることが好ましく、特にはメチル基、エチル基であることが好ましい。
nは5〜100の整数であり、好ましくは10〜50である。aは1〜3の整数であり、好ましくは3である。
(C)成分の25℃における粘度は、通常、0.005〜100Pa・s、特に0.005〜50Pa・sであることが好ましい。該粘度が0.005Pa・sより低いと、得られる室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物からオイルブリードが発生し易く、また垂れてしまい易い。該粘度が100Pa・sより大きいと、得られる室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物の流動性が乏しくなり、塗布作業性が悪化してしまうおそれがある。
(C)成分の好適な具体例としては、下記のものを挙げることができる。
Figure 2015183184

(式中、Meはメチル基である。)
この(C)成分は、本発明で規定した(A)成分、(B)成分、並びに(C)成分の合計量100質量部中、50質量部よりも少ないと柔らかい増粘組成物が得られず、98質量部より多いと増粘しなくなってしまうために、50〜98質量部の範囲で用いるものであり、好ましくは60〜95質量部の範囲である。
(D)成分の10W/m・℃以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填剤としては、その充填剤のもつ熱伝導率が10W/m・℃より小さいと、室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物の熱伝導率そのものが小さくなるため、充填剤の熱伝導率は10W/m・℃以上のものを用いる。このような熱伝導性充填剤としては、アルミニウム粉末、銅粉末、銀粉末、ニッケル粉末、金粉末、アルミナ粉末、酸化亜鉛粉末、酸化マグネシム粉末、酸化鉄粉末、窒化アルミニウム粉末、窒化ホウ素粉末、窒化ケイ素粉末、ダイヤモンド粉末、カーボン粉末などが挙げられるが、熱伝導率が10W/m・℃以上あれば如何なる充填剤でもよく、1種でも2種以上混ぜ合わせてもよい。
熱伝導性充填剤の平均粒径は、0.1μmより小さいとグリース状にならず伸展性に乏しいものになる場合があり、200μmより大きいと室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物の均一性が乏しくなる場合があるため、0.1〜200μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜100μmの範囲がよい。また、充填剤の形状は、不定形でも球形でも如何なる形状でも構わないが、充填性を考慮すると球状が好ましい。なお、平均粒径は、例えばレーザー光回折法等による重量平均値(又はメジアン径)として求めることができる。
熱伝導性充填剤の充填量は、本発明で規定した(A)成分、(B)成分、並びに(C)成分の合計100質量部に対し、100質量部より少ないと所望する熱伝導率が得られないし、2,000質量部より多いとグリース状にならず伸展性の乏しいものとなるため、100〜2,000質量部の範囲で用いるものであり、好ましくは500〜1,500質量部の範囲がよい。
本発明の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物は縮合増粘型であり、この組成物には、(E)成分として増粘触媒が使用される。これには、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート等のアルキル錫エステル化合物、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシビス(アセチルアセトナ)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等のチタン酸エステル、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(メチルアセトアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)チタン、ジブトキシビス(エチルアセトアセトネート)チタン、ジメトキシビス(エチルアセトアセトネート)チタン等のチタンキレート化合物、ナフテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、亜鉛−2−エチルオクトエート、鉄−2−エチルヘキソエート、コバルト−2−エチルヘキソエート、マンガン−2−エチルヘキソエート、ナフテン酸コバルト、アルコキシアルミニウム化合物等の有機金属化合物、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノアルキル基置換アルコキシシラン、ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミン等のアミン化合物及びその塩、ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等の第4級アンモニウム塩、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、蓚酸リチウム等のアルカリ金属の低級脂肪酸塩、ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミン、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等のグアニジル基を含有するシラン又はシロキサン等が例示されるが、これらはその1種に限定されず、2種もしくはそれ以上の混合物として使用してもよい。なかでもチタンキレート化合物が好適に用いられる。
(E)成分の添加量は、本発明で規定した(A)成分、(B)成分、並びに(C)成分の合計100質量部に対し、0.1〜20質量部であり、好ましくは1〜15質量部程度である。(E)成分の添加量が少なすぎると保存性が得られず、多すぎると経済的でない。
本発明の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物には、更に(F)下記一般式(2)で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物を配合することができ、これにより更に組成物の粘度を下げる効果を与えることができる。
3 b4 cSi(OR54-b-c (2)
(式中、R3は独立に炭素数6〜20の非置換のアルキル基であり、R4は独立に炭素数1〜20の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R5は独立に炭素数1〜6のアルキル基であり、bは1〜3の整数、cは0〜2の整数で、b+cは1〜3の整数である。)
上記式(2)中、R3は炭素数6〜20の非置換のアルキル基である。このような基としては、例えばヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられるが、特に炭素数6〜14のアルキル基であることが好ましい。
4は炭素数1〜20の非置換又は置換の1価炭化水素基である。このような基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、2−フェニルエチル基、2−メチル−2−フェニルエチル基等のアラルキル基、これらの基の水素原子の一部又は全部を塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換した3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−(パーフロロブチル)エチル基、2−(パーフロロオクチル)エチル基、p−クロロフェニル基等のハロゲン化炭化水素基が挙げられるが、特にメチル基が好ましい。
5はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などの炭素数1〜6のアルキル基であり、特にメチル基、エチル基が好ましい。
bは1〜3の整数、cは0〜2の整数である。b+cは1、2又は3であり、特に1であることが好ましい。
このオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物を配合する場合の添加量は、本発明で規定した(A)成分、(B)成分、並びに(C)成分の合計100質量部に対し、0.1質量部より少ないと耐水性や粘度低下効果が乏しいものとなるし、20質量部より多くしても効果が増大することがなく、不経済であるので、0.1〜20質量部の範囲が好ましく、より好ましくは1〜10質量部がよい。
本発明の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物には、更に(G)下記平均組成式(3)で示される、25℃における粘度が0.05〜1,000Pa・sのオルガノポリシロキサンを配合することができ、これにより初期粘度を調整する効果を与えることができる。
6 dSiO(4-d)/2 (3)
(式中、R6は独立に炭素数1〜18の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、dは1.8≦d≦2.2の正数である。)
上記式(3)中、R6は炭素数1〜18の非置換又は置換の1価炭化水素基である。このような基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、2−フェニルエチル基、2−メチル−2−フェニルエチル基等のアラルキル基、これらの基の水素原子の一部又は全部を塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換した3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−(パーフロロブチル)エチル基、2−(パーフロロオクチル)エチル基、p−クロロフェニル基等のハロゲン化炭化水素基が挙げられるが、特にメチル基、フェニル基及び炭素数6〜14のアルキル基が好ましい。
dは室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物として要求される粘度の観点から1.8〜2.2の範囲の正数がよく、特に1.9〜2.2の範囲の正数が好ましい。
また、上記オルガノポリシロキサンの粘度は、0.05Pa・sより低いと室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物にした時にオイルブリードが出易くなる場合があるし、1,000Pa・sより大きくなると室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物の塗布性が乏しくなる場合があることから、25℃における粘度が0.05〜1,000Pa・sであることが好ましく、特に0.5〜100Pa・sであることが好ましい。
(G)成分の好適な具体例としては、下記のものを挙げることができる。
Figure 2015183184

(式中、Meはメチル基である。)
(G)成分を使用する場合の配合量は、本発明で規定した(A)成分、(B)成分、並びに(C)成分の合計100質量部に対して900質量部より多く配合すると、室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物の湿気による粘度上昇が起こり難くなってしまう場合があるため、0.1〜900質量部の範囲が好ましく、1〜300質量部の範囲がより好ましい。
−その他の成分−
本発明の組成物には、必要に応じて、本発明の目的、効果を害さない範囲でその他の成分を配合することができる。
・無機充填剤:
この組成物には、(D)成分以外の無機充填剤を添加してもよい。例えば、ヒュームドシリカのようなシリカ類であってもよいし、それは未処理のまま(親水性)でも、処理して疎水性にしたものでもよい。いずれのヒュームドシリカも1種単独でも2種以上を組み合わせても使用できる。
本組成物を損なわずに無機充填剤を使用する場合には、本発明で規定した(A)成分、(B)成分、並びに(C)成分の合計量100質量部に対して0.1〜20質量部配合すればよい。
本発明の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物は、上記各成分を公知の方法で均一に混合することにより調製することができる。得られた室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物の25℃における粘度は、5〜350Pa・s、特に10〜300Pa・s、更には50〜250Pa・sであることが好ましい。
また、本発明の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物の熱伝導率は、0.5W/m・℃以上が好ましい。なお、熱伝導率は、ホットディスク法(京都電子工業(株)製熱伝導率測定装置TPA−501)により測定することができる。
本発明の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物は、シリコーンゴム組成物とは異なり、硬化することなく増粘することが特徴であり、湿気さえあれば室温でも増粘するので加熱工程も不要である。また、本発明の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物は、保存時に冷蔵保存や冷凍保存する必要もない。
ここで、本発明の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物を増粘させる条件として、具体的には、23℃±2℃/50%RH±5%RH/7日間とした。
本発明の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物が湿気により増粘した際の粘度は、高分子計器(株)製、Asker CS−R2(超低硬度用)を用いて測定した硬度として、1〜100、特に10〜80、更には15〜60であることが好ましい。このようにして得られた室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物は、上述したように、硬化せずに増粘するだけなので、放熱グリースとして使用した場合、初期粘度が低いためにディスペンスし易く、室温にて湿気で増粘するために垂れ難く、更にリワーク性に優れるため、設備投資や製造費を最小限に抑えたい電気電子分野、輸送機分野などの放熱が必要とされる幅広い分野で利用することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。本発明の優位性をより明確にする目的で、具体的な実施例を示して証明する。なお、下記式において、Meはメチル基である。
まず、以下の各成分を用意した。
(A)成分
A−1:25℃における粘度が1Pa・sであり、下記式で表される両末端がトリメトキシシリル基で封鎖され、かつエチレン基を介してケイ素原子に結合したジメチルポリシロキサン
Figure 2015183184

A−2:25℃における粘度が20Pa・sであり、下記式で表される両末端がトリメトキシシリル基で封鎖され、かつエチレン基を介してケイ素原子に結合したジメチルポリシロキサン
Figure 2015183184

A−3(比較用):25℃における粘度が1Pa・sであり、下記式で表される両末端がエチレン基を介さずトリメトキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン
Figure 2015183184

A−4(比較用):25℃における粘度が20Pa・sであり、下記式で表される両末端がエチレン基を介さずトリメトキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン
Figure 2015183184
(B)成分
B−1:25℃における粘度が1Pa・sであり、下記式で表される両末端がジメトキシメチルシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン
Figure 2015183184

B−2:25℃における粘度が20Pa・sであり、下記式で表される両末端がジメトキシメチルシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン
Figure 2015183184
(C)成分
C−1:下記式で表されるオルガノポリシロキサン
Figure 2015183184
(D)成分
5リットルゲートミキサー(井上製作所(株)製、商品名:5リットルプラネタリミキサー)を用いて、下記に示す粉末を下記表1に示す混合比で室温にて15分撹拌することによりD−1〜D−3を得た。なお、D−3は酸化亜鉛粉末のみである。
平均粒径4.9μmのアルミニウム粉末(236W/m・℃)
平均粒径15.0μmのアルミニウム粉末(236W/m・℃)
平均粒径1.0μmの酸化亜鉛粉末(54W/m・℃)
Figure 2015183184
(E)成分
E−1:ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン
(F)成分
F−1:下記式で表されるオルガノシラン
1021Si(OCH33
(G)成分
G−1:25℃における粘度が5Pa・sであり、下記式で表されるオルガノポリシロキサン
Figure 2015183184
[実施例1〜5、及び比較例1〜8]
(A)〜(G)成分を表2及び表3に示す配合量で以下のように混合して実施例及び比較例の組成物を得た。即ち、5リットルゲートミキサー(井上製作所(株)製、商品名:5リットルプラネタリミキサー)に(A)成分、(B)成分、(C)成分、並びに(D)成分を仕込み、更に必要に応じて(G)成分を加え、150℃で3時間脱気混合した。その後、常温になるまで冷却し、(E)成分、(F)成分、並びに必要に応じて(G)成分を加え、均一になるように室温にて脱気混合した。得られた組成物について、粘度、熱伝導率、硬度を下記に示す方法により評価した。結果を表2及び表3に示す。
〔粘度評価〕
粘度は25℃における値を示し、その測定はマルコム粘度計(タイプPC−1T)を用いた。
〔熱伝導率評価〕
直径2.5mm×厚さ1.0mmの2枚のアルミニウム板に上記で得られた組成物を挟んで試験片を作製し、試験片の厚みをマイクロメータ((株)ミツトヨ製)で測定し、予め測定してあったアルミニウム板2枚分の厚みを差し引いて、該組成物の厚みを算出した。このような方法で試験片の厚みが異なるサンプルをそれぞれ数点作製した。その後、上記試験片を用いて該組成物の熱抵抗(単位:mm2・K/W)をレーザーフラッシュ法に基づく熱抵抗測定器(ネッチ社製、キセノンフラッシュアナライザー;LFA447 NanoFlash)により25℃において測定した。それぞれ厚みの異なる熱抵抗値を組成物ごとにプロットし、そこから得られた直線の傾きの逆数から熱伝導率を算出した。
〔硬度評価〕
上記で得られた組成物を2mmの厚さで、23±2℃/50±5%RHで7日間放置し、増粘後組成物を6枚重ねて測定した硬度を初期硬度として高分子計器(株)製、Asker CS−R2(超低硬度用)を用いて測定した。また、150℃×500時間促進後の硬度を耐熱後硬度として測定した。
Figure 2015183184
Figure 2015183184

Claims (5)

  1. (A)25℃における粘度が0.01〜500Pa・sであり、一分子中に少なくとも2個のトリアルコキシシリル基を有し、かつ該トリアルコキシシリル基がアルキレン基を介してケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサン:1〜49質量部、
    (B)25℃における粘度が0.01〜500Pa・sであり、一分子中に少なくとも2個のジアルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサン:1〜49質量部、
    (C)下記一般式(1)
    Figure 2015183184

    (式中、R1は独立に非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R2は独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基又はアシル基であり、nは5〜100の整数であり、aは1〜3の整数である。)
    で表されるオルガノポリシロキサン:50〜98質量部、
    (但し、(A)成分、(B)成分、並びに(C)成分の合計量が100質量部となる量である。)
    (D)10W/m・℃以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填剤:100〜2,000質量部、
    (E)増粘触媒:0.1〜20質量部、
    (F)下記一般式(2)
    3 b4 cSi(OR54-b-c (2)
    (式中、R3は独立に炭素数6〜20の非置換のアルキル基であり、R4は独立に炭素数1〜20の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R5は独立に炭素数1〜6のアルキル基であり、bは1〜3の整数、cは0〜2の整数で、b+cは1〜3の整数である。)
    で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物:0.1〜20質量部
    を必須成分とすることを特徴とする室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物。
  2. 式(1)において、R1が直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基、アリール基、アラルキル基、及びハロゲン化アルキル基から選ばれるものである請求項1記載の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物。
  3. 更に、(G)下記平均組成式(3)で示される25℃における粘度が0.01〜500Pa・sのオルガノポリシロキサンを、(A)成分、(B)成分、並びに(C)成分の合計100質量部に対して0.1〜900質量部含むことを特徴とする請求項1又は2記載の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物。
    6 dSiO(4-d)/2 (3)
    (式中、R6は独立に炭素数1〜18の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、dは1.8≦d≦2.2の正数である。)
  4. (A)成分が、下記一般式(4)で示されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物。
    Figure 2015183184

    (式中、R7は互いに同一又は異種の炭素数1〜4のアルキル基であり、R8は互いに同一又は異種の炭素数1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、mは、式(4)で示されるオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を0.01〜500Pa・sとするような数である。)
  5. (B)成分が、下記一般式(5)で示されるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の室温湿気増粘型熱伝導性シリコーングリース組成物。
    Figure 2015183184

    (式中、R9は互いに同一又は異種の炭素数1〜4のアルキル基であり、R10は互いに同一又は異種の炭素数1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、kは、式(5)で示されるオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を0.01〜500Pa・sとするような数である。)
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