JP2015182273A - ハードコート積層体からなる物品の製造方法 - Google Patents

ハードコート積層体からなる物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性、表面硬度、耐擦傷性、表面平滑性、及び外観に優れ、タッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板として好適に用いることのできる、ハードコート積層体からなる物品の製造方法の提供。
【解決手段】最表層側から順に、ハードコート層と透明樹脂フィルム層とを有するハードコート積層体からなる物品の製造方法であって、(A)少なくとも片面に粘着剤層を有する支持体と上記ハードコート積層体とを仮貼りする工程;(B)ルーター加工、ウォータージェット加工、レーザー加工、及び打抜加工からなる群から選択される少なくとも1の加工方法を使用し、上記ハードコート積層体からなる上記物品を、切り出す工程;(C)熱、及び活性エネルギー線からなる群から選択される少なくとも1を使用し、上記支持体と上記物品との粘着強度を2N/2.5cm以下に低下させる工程;を含む方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハードコート積層体からなる物品の製造方法に関する。更に詳しくは、透明性、表面硬度、耐擦傷性、表面平滑性、及び外観に優れたハードコート積層体からなり、タッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板として好適に用いることのできる物品の製造方法に関する。
近年、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ等の画像表示装置上に設置され、表示を見ながら指やペン等でタッチすることにより入力を行うことのできるタッチパネルが普及している。
従来、タッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板には、耐熱性、寸法安定性、高透明性、高表面硬度、及び高剛性などの要求特性に合致することから、ガラスを基材とする物品が使用されてきた。一方、ガラスには、耐衝撃性が低く割れ易い、加工性が低い、ハンドリングが難しい、比重が高く重い、ディスプレイの曲面化やフレキシブル化の要求に応えることが難しいなどの問題がある。そこでガラスに替わる材料が盛んに研究されており、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、及びノルボルネン系重合体などの透明樹脂フィルム基材の表面に表面硬度と耐擦傷性に優れるハードコートを形成したハードコート積層体が多数提案されている(例えば、特許文献1)。これらのハードコート積層体は、切削加工することにより、タッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板に成形されることになるが、その際にハードコート積層体が汚れることを防止するため、表面保護フィルム等の少なくとも片面に粘接着剤層を有する支持体を、ハードコート積層体に仮貼りすることがしばしば行われる。しかし、タッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板向けとして表面硬度と耐擦傷性を高められたハードコート積層体は、切削加工後、上記支持体を剥がす際に、クラックが入るなどの不良現象が起こり易いという問題があった。
特開2013−208896号公報
本発明の課題は、透明性、表面硬度、耐擦傷性、表面平滑性、及び外観に優れ、タッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板として好適に用いることのできる、ハードコート積層体からなる物品の製造方法を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究した結果、切削加工後、支持体を物品から剥がす前に、熱や活性エネルギー線などを使用し、支持体と物品との粘着強度を一定の値以下に低下させることにより、上記課題を達成できることを見出した。
すなわち、本発明は、最表層側から順に、ハードコート層と透明樹脂フィルム層とを有するハードコート積層体からなる物品の製造方法であって、
(A)少なくとも片面に粘着剤層を有する支持体と上記ハードコート積層体とを仮貼りする工程;
(B)ルーター加工、ウォータージェット加工、レーザー加工、及び打抜加工からなる群から選択される少なくとも1の加工方法を使用し、上記ハードコート積層体からなる上記物品を、切り出す工程;
(C)熱、及び活性エネルギー線からなる群から選択される少なくとも1を使用し、上記支持体と上記物品との粘着強度を2N/2.5cm以下に低下させる工程;
を含む方法である。
第2の発明は、上記工程(B)においてルーター加工を使用することを特徴とする第1の発明に記載の方法である。
第3の発明は、刃先の先端形状が円筒丸型又は先端球型であるミルを使用し、ルーター加工することを特徴とする第2の発明に記載の方法である。
第4の発明は、上記ミルが、ニックの付いたミルであることを特徴とする第2の発明又は第3の発明に記載の方法である。
第5の発明は、上記ミルの刃先の材質が、超硬合金であることを特徴とする第2〜4の発明の何れか1つに記載の方法である。
第6の発明は、上記ハードコート積層体が、下記特性(イ)を満たすことを特徴とする第1〜5の発明の何れか1つに記載の方法である。
(イ)少なくとも片方の表面の鉛筆硬度が7H以上。
第7の発明は、上記ハードコート積層体が、下記特性(ロ)及び(ハ)を満たすことを特徴とする第1〜6の発明の何れか1つに記載の方法である。
(ロ)全光線透過率 90%以上。
(ハ)ヘーズ 2.0%以下。
第8の発明は、上記ハードコート積層体が、下記特性(ニ)を満たすことを特徴とする第1〜7の発明の何れか1つに記載の方法である。
(ニ)最小曲げ半径が40mm以下。
第9の発明は、上記物品が、その平面図において、曲率半径が0.1〜20mmの曲線状の切削加工線を有することを特徴とする第1〜8の発明の何れか1つに記載の方法である。
第10の発明は、上記ハードコート積層体が、最表層側から順に、ハードコート層(H)とポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂層(α)とを有することを特徴とする第1〜9の発明の何れか1つに記載の方法である。
第11の発明は、上記ハードコート積層体が、最表層側から順に、第一ハードコート層(H1);ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂層(α);第二ハードコート層(H2);を有することを特徴とする第1〜10の発明の何れか1つに記載の方法である。
第12の発明は、上記ハードコート積層体が、最表層側から順に、第一ハードコート層(H1);第一ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂層(α1);芳香族ポリカーボネート系樹脂層(β);第二ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂層(α2);第二ハードコート層(H2);を有し、上記α1層、β層、α2層は、この順に直接積層されていることを特徴とする第1〜11の発明の何れか1つに記載の方法である。
第13の発明は、第1〜12の発明の何れか1つに記載の方法により得られたことを特徴とする物品である。
第14の発明は、第13の発明に記載の物品の、タッチパネル部材としての使用である。
本発明の製造方法により、ハードコート積層体にクラックが入るなどの不良現象を起こすことなく、透明性、表面硬度、耐擦傷性、表面平滑性、及び外観に優れ、タッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板として好適に用いることができる、ハードコート積層体からなる物品を得ることができる。
本発明の製造方法は、最表層側から順に、ハードコート層と透明樹脂フィルム層とを有するハードコート積層体からなる物品の製造方法であって、(A)少なくとも片面に粘着剤層を有する支持体と上記ハードコート積層体とを仮貼りする工程;を含む。
上記ハードコート積層体の有する上記ハードコート層は1層に限らず、2層以上であってもよい。また透明樹脂フィルム層は1層に限らず、2層以上であってもよい。更にハードコート積層体は、所望により、ハードコート層と透明樹脂フィルム層以外の任意の層を有していてもよい。任意の層としては、例えば、アンカーコート層、粘着剤層、透明導電層、高屈折率層、低屈折率層、及び反射防止機能層などをあげることができる。
上記ハードコート積層体は、上述のように、少なくとも1層以上のハードコート層を有するが、本発明の製造方法により生産される物品が高い表面硬度と耐擦傷性とを発現することができるように、上記ハードコート層の少なくとも1層は、ハードコート積層体の最表層を形成するようにする。
上記ハードコート積層体は、タッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板として好適に用いることができる物品を得るために、最表層側のハードコート層表面の下記(1)に従い測定した(イ)鉛筆硬度は、好ましくは7H以上、より好ましくは8H以上、更に好ましくは9H以上である。
上記ハードコート積層体は、本発明の製造方法により生産される物品がタッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板として用いられることから、高い透明性を有し、かつ着色のないものであることが求められる。そのため上記ハードコート積層体の下記(2)に従い測定した(ロ)全光線透過率は、通常85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは92%以上である。全光線透過率は高いほど好ましい。また下記(3)に従い測定した(ハ)ヘーズは、通常2.5%以下、好ましくは2.0%以下、より好ましくは1.5%以下である。ヘーズは低いほど好ましい。更に下記(7)に従い測定した黄色度指数は、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1以下である。
更に上記ハードコート積層体は、下記(4)に従い測定した(ニ)最小曲げ半径が40mm以下であることが好ましい。特性(ニ)を満たすことにより、上記ハードコート積層体をフィルムロールとして容易に扱うことができるようになり、製造効率などの点で有利である。最小曲げ半径は小さいほど好ましく、より好ましくは30mm以下、更に好ましくは20mm以下である。
なお最小曲げ半径は、ハードコート積層体を折り曲げたとき、曲げ部の表面にクラックが発生する直前の曲げ半径であり、曲げの限界を示す指標である。曲げ半径は後述する曲率半径と同様に定義される。
上記ハードコート層を形成するための塗料としては、透明性、無着色性、表面硬度、及び耐擦傷性に優れ、切削加工適性を有するハードコート層を形成することのできるものであること以外は、制限されず、任意の塗料を用いることができる。好ましいハードコート層形成用塗料としては、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をあげることができる。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線により重合・硬化して、ハードコートを形成することが可能なものであり、活性エネルギー線硬化性樹脂を、1分子中に2以上のイソシアネート基(−N=C=O)を有する化合物及び/又は光重合開始剤と共に含む組成物をあげることができる。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリアクリル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート、及び、ポリエーテル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有プレポリマー又はオリゴマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルセロソルブ(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、及び、トリメチルシロキシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有単官能反応性モノマー;N−ビニルピロリドン、スチレン等の単官能反応性モノマー;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2‘−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオキシフェニル)プロパン、及び、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プロパン等の(メタ)アクリロイル基含有2官能反応性モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有3官能反応性モノマー;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有4官能反応性モノマー;及び、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有6官能反応性モノマーなどから選択される1種以上を、あるいは上記1種以上を構成モノマーとする樹脂をあげることができる。
なお本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの意味である。
上記1分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物としては、例えば、メチレンビス−4−シクロヘキシルイソシアネート;トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体等のポリイソシアネート;及び、上記ポリイソシアネートのブロック型イソシアネート等のウレタン架橋剤などをあげることができる。これらをそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、架橋の際には、必要に応じてジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジエチルヘキソエートなどの触媒を添加してもよい。
上記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、4−メチルベンゾフェノン、4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタール等のベンゾイン系化合物;アセトフェノン、2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン系化合物;メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン系化合物;チオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2、4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;アセトフェノンジメチルケタール等のアルキルフェノン系化合物;トリアジン系化合物;ビイミダゾール化合物;アシルフォスフィンオキサイド系化合物;チタノセン系化合物;オキシムエステル系化合物;オキシムフェニル酢酸エステル系化合物;ヒドロキシケトン系化合物;及び、アミノベンゾエート系化合物などをあげることができる。これらをそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、所望に応じて、帯電防止剤、界面活性剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、汚染防止剤、印刷性改良剤、酸化防止剤、耐候性安定剤、耐光性安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、着色剤、及びフィラーなどの添加剤を1種、又は2種以上含んでいてもよい。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に所望に応じて用いる任意成分の中で、好ましいものとしては、粒子径1〜300nmの微粒子をあげることができる。上記微粒子を活性エネルギー線硬化性樹脂成分100質量部に対して1〜300質量部、好ましくは20〜100質量部使用することによりハードコート層の表面硬度を高めることができる。
上記微粒子としては、無機微粒子、有機微粒子のどちらも用いることができる。無機微粒子としては、例えば、シリカ(二酸化珪素);酸化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物、酸化アンチモン、酸化セリウム等の金属酸化物微粒子;弗化マグネシウム、弗化ナトリウム等の金属弗化物微粒子;金属硫化物微粒子;金属窒化物微粒子;金属微粒子;などをあげることができる。有機微粒子としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エチレン系樹脂、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとの硬化樹脂などの樹脂ビーズをあげることができる。これらは、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また微粒子の塗料中での分散性を高めたり、得られるハードコート層の表面硬度を高めたりする目的で、当該微粒子の表面をビニルシラン、アミノシラン等のシラン系カップリング剤;チタネート系カップリング剤;アルミネート系カップリング剤;(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基やエポキシ基などの反応性官能基を有する有機化合物;脂肪酸、脂肪酸金属塩等の表面処理剤などにより処理したものを用いてもよい。
これらの中でより表面硬度の高いハードコート層を得るためにシリカ、酸化アルミニウムの微粒子が好ましく、シリカの微粒子がより好ましい。シリカ微粒子の市販品としては、日産化学工業株式会社のスノーテックス(商品名)、扶桑化学工業株式会社のクォートロン(商品名)などをあげることができる。
上記微粒子の粒子径は、ハードコート層の透明性を保持するために300nm以下である必要がある。また粒子径の粗い場合はハードコート層の表面硬度改良効果を得られないことがある。好ましくは200nm以下であり、より好ましくは120nm以下である。一方、粒子径の下限は特にないが、通常入手可能な微粒子は細かくてもせいぜい1nm程度である。
なお本明細書において、微粒子の粒子径は、日機装株式会社のレーザー回折・散乱式粒度分析計「MT3200II(商品名)」を使用して測定した粒子径分布曲線において、粒子の小さい方からの累積が50質量%となる粒子径である。
また上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、塗工し易い濃度に希釈するため、所望に応じて溶剤を含んでいてもよい。溶剤は硬化性樹脂組成物の成分、及びその他の任意成分と反応したり、これらの成分の自己反応(劣化反応を含む)を触媒(促進)したりしないものであれば、特に制限されない。例えば、1−メトキシ−2−プロパノール、酢酸エチル、酢酸nブチル、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ダイアセトンアルコール、及びアセトンなどをあげることができる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、これらの成分を混合、攪拌することにより得られる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物などのハードコート層形成用塗料を用いてハードコート層を形成する方法は特に制限されず、公知のウェブ塗布方法を使用することができる。具体的には、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアナイフコート、及びダイコートなどの方法をあげることができる。
上記ハードコート積層体の最表面を形成するハードコート層は、好ましくは7H以上の鉛筆硬度を得る観点から、17μm以上の厚みであることが好ましい。上記ハードコート層の厚みは、20μm以上がより好ましく、25μm以上が更に好ましい。一方、厚過ぎるハードコート層は、ハードコート層が切削加工適性を低下させたり、ウェブのハンドリング性を低下させるたりすることがある。上記ハードコート層の厚みは、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。
また上記ハードコート積層体は、両方の最表面にハードコート層が形成されていることが好ましい。例えば、タッチパネルディスプレイ面板の場合には、タッチ面と印刷面とでその要求特性は通常大きく異なるが、タッチ面と印刷面に(両方の最表面に)それぞれの要求特性に合わせたハードコート層を形成することで、これに応えることができる。またそれぞれのハードコート層の厚みを適宜調整することにより、ハードコート積層体のカールを抑制し、切削加工を行い易くすることができる。
上記透明樹脂フィルム層は上記ハードコート層を形成するための透明フィルム基材となる層である。上記透明樹脂フィルム層に用いる透明樹脂フィルムとしては、高い透明性を有し、かつ着色のないものであること以外は制限されず、任意の透明樹脂フィルムを用いることができる。例えば、トリアセチルセルロース等のセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;エチレンノルボルネン共重合体等の環状炭化水素系樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル系樹脂;ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂;芳香族ポリカーボネート系樹脂;ポリプロピレン、4-メチル−ペンテン−1等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリマー型ウレタンアクリレート系樹脂;ポリイミド系樹脂;などのフィルムがあげられ、無延伸フィルム、一軸延伸フィルム、及び二軸延伸フィルムを包含する。透明樹脂フィルムの厚みは、特に制限されず、所望により任意の厚みにすることができる。本発明の方法を実施する際の取扱性の観点からは、通常20μm以上、好ましくは50μm以上であってよい。また経済性の観点から、通常250μm以下、好ましくは150μm以下であってよい。本発明の方法により得られた物品をタッチパネルのディスプレイ面板として用いる場合には、剛性を保持する観点から、通常100μm以上、好ましくは200μm以上、より好ましくは300μm以上であってよい。またタッチパネルの薄型化の要求に応える観点から、通常1500μm以下、好ましくは1200μm以下、より好ましくは1000μm以下であってよい。
上記ハードコート積層体は、表面硬度、耐擦傷性、透明性、表面平滑性、外観、剛性、耐熱性、及び寸法安定性に優れ、タッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板として好適に用いることができる物品を得るために、好ましくは、最表層側から順に、ハードコート層(H)とポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂層(α)とを有する。
より好ましくは、上記ハードコート積層体が、最表層側から順に、第一ハードコート層(H1);ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂層(α);第二ハードコート層(H2);を有する。このようなハードコート積層体は、更に耐カール性に優れており、上記工程(B)や上記工程(C)の作業性や作業効率が高まる。
更に好ましくは、上記ハードコート積層体が、最表層側から順に、第一ハードコート層(H1);第一ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂層(α1);芳香族ポリカーボネート系樹脂層(β);第二ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂層(α2);第二ハードコート層(H2);を有し、上記α1層、β層、α2層は、この順に直接積層されている。このようなハードコート積層体は、切削加工性が更に高められており、上記工程(B)の作業性や作業効率が更に高まる
上記α層はポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂フィルムからなる層であり、ハードコート層を形成するための透明フィルム基材となる層である。同様に、上記α1層、β層、α2層がこの順に直接積層された層は透明多層フィルムからなり、上記H1層やH2層を形成するための透明フィルム基材となる層である。
ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂は、アクリル系樹脂の高透明性、高表面硬度、高剛性という特徴はそのままにポリイミド系樹脂の耐熱性や寸法安定性に優れるという特徴を導入し、淡黄色から赤褐色に着色するという欠点を改良した熱可塑性樹脂であり、例えば、特表2011−519999号公報に開示されている。なお本明細書において、ポリ(メタ)アクリルイミドとは、ポリアクリルイミド又はポリメタクリルイミドの意味である。
本発明に用いる好ましいポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂としては、黄色度指数(JIS K 7105:1981に従い測定。)が、3以下のものをあげることができる。黄色度指数は、より好ましくは2以下であり、更に好ましくは1以下である。またフィルムに成形する際の押出負荷や溶融フィルムの安定性の観点から、好ましいポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂としてメルトマスフローレート(ISO1133に従い、260℃、98.07Nの条件で測定。)が0.1〜20g/10分のものをあげることができる。メルトマスフローレートは0.5〜10g/10分がより好ましい。更にポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂のガラス転移温度は、耐熱性の観点から、150℃以上のものが好ましい。より好ましくは170℃以上である。
また上記ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂には、本発明の目的に反しない限度において、所望により、ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂以外の熱可塑性樹脂;顔料、無機フィラー、有機フィラー、樹脂フィラー;滑剤、酸化防止剤、耐候性安定剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、及び界面活性剤等の添加剤;などを更に含ませることができる。これらの任意成分の配合量は、通常、ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂を100質量部としたとき、0.01〜10質量部程度である。
ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂の市販例としては、エボニック社の「PLEXIMID TT70(商品名)」などをあげることができる。
上記α層の厚みは、特に制限されず、所望により任意の厚みにすることができる。本発明の方法を実施する際の取扱性の観点からは、通常20μm以上、好ましくは50μm以上であってよい。また経済性の観点から、通常250μm以下、好ましくは150μm以下であってよい。本発明の方法により得られた物品をタッチパネルのディスプレイ面板として用いる場合には、剛性を保持する観点から、通常100μm以上、好ましくは200μm以上、より好ましくは300μm以上であってよい。またタッチパネルの薄型化の要求に応える観点から、通常1500μm以下、好ましくは1200μm以下、より好ましくは1000μm以下であってよい。
上記α1層、β層、及びα2層の合計の厚みは、特に制限されず、所望により任意の厚みにすることができる。本発明の方法を実施する際の取扱性の観点からは、通常20μm以上、好ましくは50μm以上であってよい。また経済性の観点から、通常250μm以下、好ましくは150μm以下であってよい。本発明の方法により得られた物品をタッチパネルのディスプレイ面板として用いる場合には、剛性を保持する観点から、通常100μm以上、好ましくは200μm以上、より好ましくは300μm以上であってよい。またタッチパネルの薄型化の要求に応える観点から、通常1500μm以下、好ましくは1200μm以下、より好ましくは1000μm以下であってよい。
上記α1層の層厚みは、特に制限されないが、本発明の方法により得られる物品をタッチパネルのディスプレイ面板として好適に用いることができるように、表面硬度を高く保つ観点から、通常20μm以上、好ましくは40μm以上、より好ましくは60μm以上であってよい。上記α2層の層厚みは、特に制限されないが、ハードコート積層体の耐カール性の観点から、上記α1層と同じ層厚みであることが好ましい。上記β層の層厚みは、特に制限されないが、ハードコート積層体の耐切削性の観点から、通常20μm以上、好ましくは80μm以上、より好ましくは120μm以上であってよい。
なおここで「同じ層厚み」とは、物理化学的に厳密な意味で同じ層厚みと解釈されるべきではない。工業的に通常行われる工程・品質管理の振れ幅の範囲内において同じ層厚みと解釈されるべきである。工業的に通常行われる工程・品質管理の振れ幅の範囲内において同じ層厚みであれば、透明多層フィルムの耐カール性を良好に保つことができるからである。Tダイ共押出法により製造される無延伸多層フィルムの場合には、通常−5〜+5μm程度の幅で工程・品質管理されるものであるから、層厚み65μmと同75μmとは同一と解釈されるべきである。
上記α1層及び上記α2層に用いるポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂としては、上記α層に用いるものと同様のものを用いることができる。
なお上記α1層に用いるポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂と、上記α2層に用いるポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂とは、異なる樹脂特性のもの、例えばメルトマスフローレートやガラス転移温度の異なるポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂を用いても良いが、透明多層フィルムの耐カール性の観点から、同じ樹脂特性のものを用いることが好ましい。例えば、同一グレードの同一ロットを用いるのは、好ましい実施態様の一つである。
上記β層に用いる芳香族ポリカーボネート系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとの界面重合法によって得られる重合体;ビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸ジエステルとのエステル交換反応により得られる重合体;などの芳香族ポリカーボネート系樹脂の1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂に含み得る好ましい任意成分としては、コアシェルゴムをあげることができる。芳香族ポリカーボネート系樹脂とコアシェルゴムとの合計を100質量部としたとき、コアシェルゴムを0〜30質量部(芳香族ポリカーボネート系樹脂100〜70質量部)、好ましくは0〜10質量部(芳香族ポリカーボネート系樹脂100〜90質量部)の量で用いることにより、芳香族ポリカーボネート系樹脂層の耐切削加工性や耐衝撃性をより高めることができる。
上記コアシェルゴムとしては、例えば、メタクリル酸エステル・スチレン/ブタジエンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/ブタジエンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/エチレン・プロピレンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/アクリル酸エステルグラフト共重合体、メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体、メタクリル酸エステル・アクリロニトリル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体などのコアシェルゴムの1種又は2種以上の混合物をあげることができる。
また上記芳香族ポリカーボネート系樹脂には、本発明の目的に反しない限度において、所望により、芳香族ポリカーボネート系樹脂やコアシェルゴム以外の熱可塑性樹脂;顔料、無機フィラー、有機フィラー、樹脂フィラー;滑剤、酸化防止剤、耐候性安定剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、及び界面活性剤等の添加剤;などを更に含ませることができる。これらの任意成分の配合量は、通常、芳香族ポリカーボネート系樹脂とコアシェルゴムとの合計を100質量部としたとき、0.01〜10質量部程度である。
上記ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂フィルムを得るための製造方法は、特に制限されないが、例えば、(a)押出機とTダイとを備える装置を用い、Tダイから、ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂の溶融フィルムを、連続的に押出す工程;(b)回転する又は循環する第一の鏡面体と、回転する又は循環する第二の鏡面体との間に、上記ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂の溶融フィルムを供給投入し、押圧する工程;を含む方法をあげることができる。
同様に、上記α1層、β層、α2層がこの順に直接積層された透明多層フィルムを得るための製造方法は、特に制限されないが、例えば、(a’)押出機とTダイとを備える共押出装置を用い、第一ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂層(α1);芳香族ポリカーボネート系樹脂層(β);第二ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂層(α2);が、この順に直接積層された透明多層フィルムの溶融フィルムを、Tダイから連続的に共押出する工程;(b’)回転する又は循環する第一の鏡面体と、回転する又は循環する第二の鏡面体との間に、上記透明多層フィルムの溶融フィルムを供給投入し、押圧する工程;を含む方法をあげることができる。
上記工程(a)又は上記工程(a’)で使用する上記Tダイとしては、任意のものを使用することができ、例えばマニホールドダイ、フィッシュテールダイ、及びコートハンガーダイなどをあげることができる。
上記共押出装置としては、任意のものを使用することができ、例えば、フィードブロック方式、マルチマニホールド方式、及びスタックプレート方式などの共押出装置をあげることができる。
上記工程(a)又は上記工程(a’)で使用する上記押出機としては、任意のものを使用することができ、例えば単軸押出機、同方向回転二軸押出機、及び異方向回転二軸押出機などをあげることができる。
またポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂や芳香族ポリカーボネート系樹脂の劣化を抑制するため、押出機内を窒素パージすることも好ましい方法の一つである。
更にポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂は吸湿性の高い樹脂であるため、製膜に供する前に、これを乾燥することが好ましい。また乾燥機で乾燥したポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂を、乾燥機から押出機に直接輸送し、投入することも好ましい方法の一つである。乾燥機の設定温度は、好ましくは100〜150℃である。また押出機の、通常はスクリュウ先端の計量ゾーンに、真空ベントを設けることも好ましい方法の一つである。
上記工程(a)又は上記工程(a’)で使用する上記Tダイの温度は、ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂の溶融フィルム又は上記透明多層フィルムの溶融フィルムを、連続的に押出又は共押出する工程を安定的に行うために、少なくとも260℃以上に設定することが好ましい。より好ましくは270℃以上である。またポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂や芳香族ポリカーボネート系樹脂の劣化を抑制するため、Tダイの温度は、350℃以下に設定することが好ましい。
またリップ開度(R)と得られるポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂フィルム又は透明多層フィルムの厚み(T)との比(R/T)は1〜5が好ましい。より好ましくは、1.1〜2.5である。比(R/T)が5を超えるとレタデーションが大きくなることがある。1未満では、押出負荷が過大になることがある。
上記工程(b)又は上記工程(b’)で使用する上記第一の鏡面体としては、例えば、鏡面ロールや鏡面ベルトなどをあげることができる。上記第二の鏡面体としては、例えば、鏡面ロールや鏡面ベルトなどをあげることができる。
上記鏡面ロールは、その表面が鏡面加工されたロールであり、金属製、セラミック製、及びシリコンゴム製などがある。また鏡面ロールの表面については、腐食や傷付きからの保護を目的としてクロームメッキや鉄−リン合金メッキ、PVD法やCVD法による硬質カーボン処理などを施すことができる。
上記鏡面ベルトは、その表面が鏡面加工された、通常は金属製のシームレスのベルトであり、例えば、一対のベルトローラー相互間に掛け巡らされて、循環するようにされている。また鏡面ベルトの表面については、腐食や傷付きからの保護を目的としてクロームメッキや鉄−リン合金メッキ、PVD法やCVD法による硬質カーボン処理などを施すことができる。
上記の製膜方法により、透明性、表面平滑性、及び外観に優れたポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂フィルム又は透明多層フィルムが得られる。これは第一鏡面体と第二鏡面体とでポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂フィルム又は透明多層フィルムの溶融フィルムが押圧されることにより、第一鏡面体及び第二鏡面体の高度に平滑な面状態がフィルムに転写され、ダイスジ等の不良箇所が修正されるためと考察できる。
上記面状態の転写が良好に行われるようにするため、第一鏡面体の表面温度は、100℃以上にすることが好ましい。より好ましくは120℃以上、更に好ましくは130℃以上である。またフィルムに第一鏡面体との剥離に伴う外観不良(剥離痕)が現れないようにするため、第一鏡面体の表面温度は200℃以下が好ましく、より好ましくは160℃以下である。
上記面状態の転写が良好に行われるようにするため、第二鏡面体の表面温度は、20℃以上にすることが好ましい。より好ましくは60℃以上、更に好ましくは100℃以上である。またフィルムに第二鏡面体との剥離に伴う外観不良(剥離痕)が現れないようにするため、第二鏡面体の表面温度は200℃以下が好ましく、より好ましくは160℃以下である。
なお第一鏡面体の表面温度を、第二鏡面体の表面温度よりも高くすることが好ましい。これはフィルムを第一鏡面体に抱かせて次の移送ロールへと送り出すためである。
また上記ハードコート層を形成するに際し、ハードコート層を形成するための透明フィルム基材となる上記ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂フィルムや上記透明多層フィルムのハードコート層形成面に又は両面に、ハードコート層との接着強度を高めるため、事前にコロナ放電処理やアンカーコート層形成などの易接着処理を施してもよい。
上記コロナ放電処理を施す場合は、濡れ指数(JIS K6768:1999に従い測定。)を通常は50mN/m以上、好ましくは60mN/m以上にすることにより、良好な層間接着強度を得ることができるようになる。またコロナ放電処理を施した後、更にアンカーコート層を形成してもよい。
コロナ放電処理は、絶縁された電極と誘電体ロールとの間にフィルムを通し、高周波高電圧を印加してコロナ放電を発生させ、フィルム表面を処理するというものである。このコロナ放電により酸素などがイオン化し、フィルム表面に衝突することにより、フィルム表面において、樹脂分子鎖の切断や樹脂分子鎖への含酸素官能基付加が起こり、濡れ指数が高くなる。
上記コロナ放電処理の単位面積、単位時間当たりの処理量(S)は、上記の濡れ指数を得る観点から決定され、通常80W・min/m以上、好ましくは120W・min/m以上である。また処理量(S)が高過ぎると、フィルムを劣化させるため、処理量(S)は500W・min/m以下に抑えることが好ましい。より好ましくは400W・min/m以下である。
なお処理量(S)は次式で定義される。
S=P/(L・V)
ここでS:処理量(W・min/m)、P:放電電力(W)、L:放電電極の長さ(m)、V:ライン速度(m/min)、である。
上記アンカーコート層を形成するためのアンカーコート剤としては、高い透明性を有し、着色のないものであること以外は制限されず、例えば、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、アクリルウレタン、及びポリエステルウレタンなどの公知のものを用いることができる。中でもハードコート層との接着強度向上の観点から、熱可塑性ウレタン系アンカーコート剤が好ましい。
また上記アンカーコート剤としては、シランカップリング剤を含む塗料を用いることもできる。シランカップリング剤は、加水分解性基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;アセトキシ基等のアシルオキシ基;クロロ基等のハロゲン基;など)、及び有機官能基(例えば、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、及びイソシアネート基など)の少なくとも2種類の異なる反応性基を有するシラン化合物であり、ハードコート層との接着強度を向上させる働きをする。中でもハードコート層との接着強度向上の観点から、アミノ基を有するシランカップリング剤が好ましい。
上記シランカップリング剤を含む塗料は、シランカップリング剤を主として(固形分として50質量%以上)含む塗料である。好ましくは上記塗料の固形分の75質量%以上、より好ましくは90質量%以上がシランカップリング剤である。
上記アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどをあげることができ、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記アンカーコート層を形成する方法は、制限されず、公知のウェブ塗布方法を使用することができる。具体的には、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアナイフコート、及びダイコートなどの方法があげられる。このとき、必要に応じて任意の希釈溶剤、例えば、メタノール、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、酢酸nブチル、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、及びアセトンなどを使用することができる。
また上記アンカーコート剤には、本発明の目的に反しない限度において、酸化防止剤、耐候性安定剤、耐光性安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、帯電防止剤、界面活性剤、着色剤、赤外線遮蔽剤、レべリング剤、チクソ性付与剤、及びフィラー等の添加剤を1種、又は2種以上含ませてもよい。
上記アンカーコート層の厚みは、通常0.01〜5μm程度、好ましくは0.1〜2μmである。
上記支持体は、保護フィルム、支持フィルム、及び工程紙などとも呼ばれ、フィルム基材の少なくとも片面に粘着剤層を有し、上記ハードコート積層体を切削加工する際に、得られる物品が汚れることを防止するために、上記ハードコート積層体の少なくとも片面に、通常は両面に、仮貼りされる。そして、上記支持体は、通常は、上記物品がタッチパネル等の部材として組み込まれる際に、上記物品から剥離・除去される。
上記支持体の上記粘着剤層を形成するための粘着剤としては、下記工程(C)において、熱や活性エネルギー線を使用して支持体と上記物品との粘着強度を2N/2.5cm以下に低下させることができるものであれば、特に制限されず、任意の粘着剤を用いることができる。また工程(C)の後、支持体を物品から剥離・除去する際に、糊残りせず、きれいに剥がせる粘着剤が好ましい。なお粘着剤層の厚みは、任意であり、特に制限されないが、通常0.5〜200μmである。
なお本明細書において、粘着強度は、幅25mm、長さ80mmの試験片を切り出し、温度23℃、相対湿度50%の環境で24時間以上状態調節した後、同環境下において、試験速度300mm/分の条件で180°引き剥がし試験を行ったときの粘着強度である。なお物品から支持体を剥がす際には、支持体の背面が重なるように支持体の端を持って180°に折り返し、物品から25mm剥がした。引張試験機の片方のチャックにその剥がした部分の物品の片端を固定し、もう片方のチャックに支持体を固定した。また測定開始後、最初の15mmの長さの測定値は無視し、その後の25mmの長さの粘着力測定値を平均し、引き剥がし粘着力の値として粘着強度の算出に用いた。なお上記試験方法は、基本的にはJIS Z 0237:2009に従ったものである。但し、スマートフォン向けのディスプレイ面板から採取したサンプルでも測定できるように、上記JIS規格とはサンプルの大きさ等を変えている。
このような粘着剤としては、熱硬化あるいは活性エネルギー線硬化させることにより粘着強度を低下させることのできるタイプとして、例えば、1分子中に2以上の反応性官能基、例えば、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、及びイソシアネート基などを有する粘着剤;該粘着剤とイソシアネート系硬化剤、光重合開始剤、及び有機過酸化物等の少なくとも1種以上との粘着剤組成物;などをあげることができる。熱や活性エネルギー線により発泡し、真の粘着面積が小さくなることにより粘着強度を低下させることのできるタイプとして、発泡剤を含む粘着剤などをあげることができる。
上記イソシアネート系硬化剤は、1分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物であり、例えば、ハードコート層の説明において上述したものをあげることができ、それらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記光重合開始剤としては、例えば、ハードコート層の説明において上述したものをあげることができ、それらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ‐tert‐ブチルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5ジ(tert‐ブチルペルオキシ)ヘキシン‐3、1,3−ビス(tert‐ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1‐ビス(tert‐ブチルパーオキシ)‐3,3,5‐トリメチルシクロヘキサン、n‐ブチル‐4,4‐ビス(tert‐ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキサイド、p‐クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキサイド、tert‐ブチルパーオキシベンゾエート、tert‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert‐ブチルクミルパーオキサイドなどをあげることができ、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記発泡剤としては、例えば、熱膨張マイクロカプセル;アゾジカルボン酸アミド等のアゾ化合物;N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等の炭酸水素塩;クエン酸、クエン酸ナトリウム、蓚酸等の有機酸;水素化硼素ナトリウム;水;などをあげることができ、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記フィルム基材としては、ポリエチレン系樹脂などの無延伸フィルム、ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレンテレフタレート系樹脂などの無延伸フィルム、一軸延伸フィルム、及び二軸延伸フィルムをあげることができる。フィルム基材の厚みは、任意であり、特に制限されないが、通常10〜1000μmである。
このような粘着剤又はこのような粘着剤層を有する支持体の市販例としては、紫外線硬化により粘着強度を低下させるタイプの粘着剤として、藤倉化成株式会社の「アクリベースLKG−1701(商品名)」や「アクリベースLKG−1702(商品名)」など;熱発泡により粘着強度を低下させるタイプの支持体として、日東電工株式会社の「リバアルファ(商品名)」など;をあげることができる。
本発明の製造方法は、(B)ルーター加工、ウォータージェット加工、レーザー加工、及び打抜加工からなる群から選択される少なくとも1の加工方法により、上記ハードコート積層体からなる上記物品を、切り出す工程;を含む。
ルーター加工とは、高速で回転するミルにより切削する加工方法であり、切削面の仕上がりが滑らかという特徴がある。またコンピュータ制御されて寸法安定性、再現性にも優れている。
ウォータージェット加工とは、超高圧(最高4000気圧程度。)に加圧された水を、極小径のノズル(通常、0.1mmΦ程度。)から噴射し、高速、高密度な超高圧水のエネルギーを利用して、切削する加工方法であり、被切削物への熱影響が小さい点で優れている。また水に研磨剤を混ぜて行うこともある。
レーザー加工とは、被加工材の切削箇所に、レーザーの焦点を合わせることより、被加工材の当該箇所の材料を溶融蒸発させて切断する加工方法である。
打抜加工とは、鋼刃を支持台に設置したトムソン型の上に、被加工材を配置し、押圧することにより型抜きする加工方法である。型が低価格であり、各種形状への対応自由度が大きく、生産性に優れている。
これらの中でルーター加工、及びレーザー加工が好ましく、ルーター加工がより好ましい。
またルーター加工で使用するミルとしては、刃先の先端形状が円筒丸型や先端球型のミルが好ましく使用できる。これにより表面硬度のより高いハードコート層を有する物品を問題なく製造できるようになる。
ここで刃先の先端形状が円筒丸型のミルとは、図2に示す概念図のように、頂点の丸められた略円錐形のミルのことであり、刃が頂点(近傍を含む)からスパイラル状に付けられている。
また刃先の先端形状が先端球型のミルとは、図3や図4に示す概念図のように、先端が略球状あるいは略半円球状になっているミルのことであり、刃が球あるいは半球の頂点(近傍を含む)からスパイラル状に付けられている。
刃の枚数(スパイラルの条数)には2枚、3枚、4枚、及び5枚以上の多数(ロータリー刃と呼ばれることもある。)などがあり、何れも使用することができるが、好ましくは4枚刃やロータリー刃である。加工速度を高めたり、切削端部の仕上がりをきれいにしたりすることができる。
また上記ミルとしては、ニックの付いたミルが好ましく使用できる。ルーター加工により発生する切削屑が、物品に付着することなく、確実に排出されるようになる。
ここでニックの付いたミルとは、図4に示す概念図のように、スパイラル状の刃と刃の間の溝から連続するように、刃の支持棒に至るまで、スパイラル状の溝が付けられているミルのことである。
更に上記ミルとしては、刃先の材質が超硬合金であるミルが好ましく使用できる。これにより表面硬度のより高いハードコート層を有する物品を問題なく製造できるようになる。
超硬合金は、周期律表第4a、第5a、第6a族金属の炭化物を、鉄、コバルト、ニッケルなどの鉄系金属で焼結した複合材料であり、例えば、炭化タングステン−コバルト系合金、炭化タングステン−炭化チタン−コバルト系合金、炭化タングステン−炭化タンタル−コバルト系合金、炭化タングステン−炭化チタン−炭化タンタル−コバルト系合金、炭化タングステン−ニッケル系合金、及び炭化タングステン−ニッケル−クロム系合金などをあげることができる。
また刃先の材質が超硬合金であるミルの表面に、例えば、窒化チタン、炭窒化チタン、チタンアルミナイトライド、及びアルミクロムナイトライドなどの硬質物質を、化学気相成長や物理気相成長などの方法を使用して、コーティングしてもよい。
本発明の製造方法は、(C)熱、及び活性エネルギー線からなる群から選択される少なくとも1を使用し、上記支持体と上記物品との粘着強度を2N/2.5cm以下に低下させる工程;を含む。
上記物品がタッチパネル部材として使用されるに際し、上記支持体は剥離・除去される。ところが支持体と物品との粘着強度が高いと、支持体を剥離する際に物品を曲げようとする大きな応力がかかり、物品にクラックが入るなどの不良現象が生じ易かった。一方、物品を切り出すための上記工程(B)においては、ある程度支持体と物品との粘着強度が高くないと、支持体が捲れてしまい、汚れ防止の目的を達成できなくなる。そこで本発明においては、工程(B)の後に、熱や活性エネルギー線を使用して支持体と物品との粘着強度を2N/2.5cm以下に低下させて、支持体を剥離する際に物品を曲げようとする応力がほとんどかからないようにし、物品にクラックが入るなどの不良現象を抑止したものである。
上記粘着強度は、物品にクラックが入るなどの不良現象を抑止するため、好ましくは2N/2.5cm以下、より好ましくは1.5N/2.5cm以下、更に好ましくは1.0N/2.5cm以下である。一方、上記物品がタッチパネル部材として使用される直前まで、上記支持体が汚れ防止の目的を達成することができるように、好ましくは0.01N/2.5cm以上、より好ましくは0.05N/2.5cm以上である。
熱を使用して上記粘着強度を低下させる方法としては、熱を使用すること以外は制限されず、任意の方法を使用することができる。例えば、上記工程(B)で切り出した物品(この段階では支持体が付いている。)を、所望の温度に加熱されたトンネル炉内を、所望の炉内滞留時間になるような速度で通過させる方法;所望の温度に予熱されたホットプレートや金属ロール等と所望の時間・圧力で接触させる方法;近赤外線を所望の強さ・時間で照射する方法;などをあげることができる。
活性エネルギー線を使用して上記粘着強度を低下させる方法としては、活性エネルギー線を使用すること以外は制限されず、任意の方法を使用することができる。例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどを光源とする装置を使用し、上記工程(B)で切り出した物品に、10〜10000mJ/cmの照射を行う方法などをあげることができる。
また上記工程(C)の前において、上記支持体と上記物品との粘着強度は、好ましくは3〜12N/2.5cmである。この範囲であると、上記工程(B)において汚れ防止の目的を確実に達成することができ、かつ工程(C)において粘着強度を容易に2N/2.5cm以下に低下させることができる。
本発明の製造方法により得られる物品は、タッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板として用いられることから、ハードコート積層体から切削加工により切り出す際の切削加工線や、物品に開口部等を設けるための切削加工線には、物品の平面図において、曲率半径が0.1〜20mmの曲線状の切削加工線を有することが通常である。本発明の製造方法は、上記のように曲率半径の小さい曲線状の切削加工線を有する物品であっても、ハードコートにクラックが入るなどの不良を生じることなく得ることのできる方法である。
なお曲率半径は、以下のように定義される。曲線のM点からN点までの長さをΔS;M点における接線の傾きと、N点における接点の傾きとの差をΔα;M点における接線と垂直であり、かつM点で交わる直線と、N点における接線と垂直であり、かつN点で交わる直線との交点をO;としたとき、ΔSが十分に小さいときは、M点からN点までの曲線は円弧に近似することができる(図6)。このときの半径が曲率半径と定義される。また曲率半径をRとすると、∠MON=Δαであり、ΔSが十分に小さいときは、Δαも十分に小さいから、ΔS=RΔαが成り立ち、R=ΔS/Δαである。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
測定方法
(1)鉛筆硬度(表面硬度)
JIS K 5600−5−4に従い、750g荷重の条件で、三菱鉛筆株式会社の鉛筆「ユニ(商品名)」を用いて測定した。なお表にはタッチ面側測定値/印刷面側測定値と記載した。
(2)全光線透過率
JIS K 7361−1:1997に従い、日本電色工業株式会社の濁度計「NDH2000(商品名)」を用いて測定した。
(3)ヘーズ
JIS K 7136:2000に従い、日本電色工業株式会社の濁度計「NDH2000(商品名)」を用いて測定した。
(4)最小曲げ半径
JIS−K6902の曲げ成形性(B法)を参考とし、温度23℃±2℃、相対湿度50±5%にて24時間状態調節した試験片について、曲げ温度23℃±2℃、折り曲げ線はハードコート積層体のマシン方向と直角となる方向とし、ハードコート積層体の最表層側(物品となったときにタッチ面となる側。)のハードコート層が外側となるように折り曲げて曲面が形成されるようにして行った。クラックが発生しなかった成形ジグのうち正面部分の半径の最も小さいものの正面部分の半径を最小曲げ半径とした。
(5)切削加工性(曲線状切削加工線の状態)
両端部が曲率半径0.5mmの切削孔について、その両端部の切削端面を目視又は顕微鏡(100倍)観察し、以下の基準で評価した。また半径0.1mmの円形の切削孔について、その切削端面を目視又は顕微鏡(100倍)観察し、以下の基準で評価した。表には前者の結果−後者の結果の順に記載した。
◎:顕微鏡観察でもクラック、ヒゲは認められない
○:顕微鏡観察でもクラックは認められない。しかしヒゲは認められる。
△:目視でクラックは認められない。しかし顕微鏡観察ではクラックが認められる。
×:目視でもクラックが認められる。
(6)表面平滑性(表面外観)
物品の表面(両方の面)を、蛍光灯の光の入射角をいろいろと変えて当てながら目視観察し、以下の基準で評価した。
◎:表面にうねりや傷がない。間近に光を透かし見ても、曇感がない。
○:間近に光を透かし見ると、僅かな曇感のある箇所がある。
△:間近に見ると、表面にうねりや傷を僅かに認める。また曇感がある。
×:表面にうねりや傷を多数認めることができる。また明らかな曇感がある。
(7)色調
JIS K 7105:1981に従い、島津製作所社製の色度計「SolidSpec−3700(商品名)」を用いて黄色度指数(YI)を測定した。
(8)線膨張係数
JIS K 7197:1991に従い測定した。セイコーインスツル株式会社の熱機械的分析装置(TMA)「EXSTAR6000(商品名)」を用いた。試験片は、縦20mm、横10mmの大きさで、透明フィルム基材のマシン方向が試験片の縦方向となるように採取した。チャック間距離は10mm、温度プログラムは、温度20℃で3分間保持した後、昇温速度5℃/分で温度270℃まで昇温するプログラムとした。線膨張係数は、得られた温度−試験片長さ曲線から、低温側温度30℃、高温側温度250℃として、計算した。
(9)耐擦傷性
物品を、物品のタッチ面側ハードコート面が表面になるようにJIS L 0849の学振試験機に置いた。続いて、学振試験機の摩擦端子に#0000のスチールウールを取り付けた後、500g荷重を載せ、試験片の表面を100往復擦った。上記表面を目視観察し、以下の基準で評価した。
◎:傷がない
○:1〜5本の傷がある
△:6〜10本の傷がある
×:11本以上の傷がある
使用した原材料
(α)ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂:
(α−1)エボニック社のポリ(メタ)アクリルイミド「PLEXIMID TT70(商品名)」。
(β)芳香族ポリカーボネート系樹脂:
(β−1)住化スタイロンポリカーボネート株式会社の芳香族ポリカーボネート「カリバー301−4(商品名)」。
(γ)ハードコート形成用塗料
(γ−1)
下記成分γa 50質量部、下記成分γb 50質量部、下記成分γc 50質量部、下記成分γd 2質量部、下記成分γe 1質量部、下記成分γg 4質量部、下記成分γh 1質量部、及び下記成分γi 20質量部を混合攪拌して得た。
(γ−2)
下記成分γa 50質量部、下記成分γb 50質量部、下記成分γc 50質量部、下記成分γd 2質量部、下記成分γf 0.5質量部、下記成分γg 4質量部、下記成分γh 1質量部、及び下記成分γi 20質量部を混合攪拌して得た。
(γ−3)
下記成分γa 25質量部、下記成分γb 75質量部、下記成分γc 50質量部、下記成分γd 2.5質量部、下記成分γe 1質量部、下記成分γg 4質量部、下記成分γh 1質量部、及び下記成分γi 25質量部を混合攪拌して得た。
(γ−4)
下記成分γb 100質量部、下記成分γc 50質量部、下記成分γd 3質量部、下記成分γf 0.5質量部、下記成分γg 4質量部、下記成分γh 1質量部、及び下記成分γi 30質量部を混合攪拌して得た。
(γa)日本化薬株式会社のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート。
(γb)ビーエーエスエフ社のポリエーテルアクリレートとナノシリカ(平均粒子径20nm)との50:50(質量比)混合塗料「Laromer PO9026(商品名)」。
(γc)日産化学工業株式会社の表面改質ナノシリカ(平均粒子径15nm)メチルイソブチルケトン分散液(固形分30質量%)「MIBK−ST(商品名)」。
(γd)信越化学工業株式会社のアクリル系シランカップリング剤(3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン「KBM−5103(商品名)」。
(γe)Solvay Solexis社の弗素系撥水剤「Fluorolink AD1700(商品名)。
(γf)ビッグケミー・ジャパン株式会社の表面調整剤「BYK−399(商品名)」
(γg)双邦實業股分有限公司のフェニルケトン系光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)「SB−PI714(商品名)」。
(γh)日本ポリウレタン工業株式会社の3官能ポリイソシアネート「コロネートHX(商品名)」。
(γi)1−メトキシ−2−プロパノール。
Figure 2015182273
(δ)支持体
(δ−1)
藤倉化成株式会社の紫外線硬化性粘着剤「アクリベースLKG−1702(商品名)」100質量部;藤倉化成株式会社のイソシアネート系硬化剤「LKG−17HN02(商品名)」6.1質量部;藤倉化成株式会社の光重合開始剤「KN−101(商品名)」0.85質量部;及び酢酸エチル50質量部;を混合攪拌して得た粘着剤を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムの片面に、フィルムメイヤーバー方式の塗工装置を使用して、乾燥後の粘着剤厚みが10μmとなるように塗工し、支持体を得た。
(δ−2)
藤倉化成株式会社の紫外線硬化性粘着剤「アクリベースLKG−1701(商品名)」100質量部;藤倉化成株式会社のイソシアネート系硬化剤「LKG−17HN01(商品名)」3.0質量部;藤倉化成株式会社の光重合開始剤「KN−101(商品名)」1.5質量部;及び酢酸エチル50質量部;を混合攪拌して得た粘着剤を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムの片面に、フィルムメイヤーバー方式の塗工装置を使用して、乾燥後の粘着剤厚みが10μmとなるように塗工し、支持体を得た。
(a)透明樹脂フィルム基材
(a1)透明多層フィルム:
図6に示す構成の共押出製膜装置を使用し、上記(α−1)を押出機1により透明多層フィルムの溶融フィルムの両外層(α1層とα2層)として、上記(β−1)を押出機2により透明多層フィルムの溶融フィルムの中間層(β層)として、α1層;β層;α2層;が、この順に直接積層された透明多層フィルムの溶融フィルム4を、2種3層マルチマニホールド方式の共押出Tダイ3から連続的に押出し、α1層が鏡面ロール5側になるように、回転する鏡面ロール5と鏡面ロールの外周面に沿って循環する鏡面ベルト6との間に供給投入し、押圧して、全厚み250μm、α1層の層厚み80μm、β層の層厚み90μm、α2層の層厚み80μmの透明多層フィルムを得た。このとき設定条件は、製膜前の乾燥温度は、(α−1)が150℃、(β−1)が100℃;押出機1の設定温度はC1/C2/C3/C4/C5/AD=260/290〜290℃;押出機2の設定温度はC1/C2/C3/C4/C5/C6/AD=260/280/280/260〜260/270℃;押出機1、2の何れも窒素パージを行い、真空ベントを使用;Tダイ3の設定温度300℃、リップ開度0.5mm;鏡面ロール5の設定温度130℃;鏡面ベルト6の設定温度120℃、押圧1.4MPa;引取速度6.5m/分であった。
(a2)ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂の単層フィルム:
上記(α−1)を用い、50mm押出機(L/D=29、CR=1.86のWフライトスクリュウを装着);ダイ幅680mmのTダイ;鏡面ロールと鏡面ベルトとで溶融フィルムを押圧する機構を備えた引巻取機;を備えた装置を使用して、厚さ250μmのフィルムを得た。このとき設定条件は、押出機の設定温度はC1/C2/C3/AD=280/300/320/320℃;Tダイの設定温度320℃;Tダイのリップ開度0.5mm;鏡面ロールの設定温度140℃;鏡面ベルトの設定温度120℃;鏡面ベルトの押圧1.4MPa;引取速度5.6m/minであった。
(a3)三菱樹脂株式会社の二軸延伸ポリエチレンテレフタレート系フィルム「ダイヤホイル(商品名)」、厚み250μm。
(a4)住友化学株式会社のアクリル系樹脂フィルム「テクノロイ(商品名)」、厚み250μm。
(a5)上記(β−1)を用い、50mm押出機(L/D=29、CR=1.86のWフライトスクリュウを装着);ダイ幅680mmのTダイ;鏡面ロールと鏡面ベルトとで溶融フィルムを押圧する機構を備えた引巻取機;を備えた装置を使用して、厚さ250μmのフィルムを得た。このとき設定条件は、押出機の設定温度はC1/C2/C3/AD=280/300/320/320℃;Tダイの設定温度320℃;Tダイのリップ開度0.5mm;鏡面ロールの設定温度140℃;鏡面ベルトの設定温度120℃;鏡面ベルトの押圧1.4MPa;引取速度5.6m/minであった。
実施例1
ハードコート積層体の製造:
上記(a1)の両面に処理量167W・min/m(放電電力500W、放電電極の長さ1m、ライン速度3m/min)の条件で、コロナ放電処理を行った。両面とも濡れ指数は64mN/mであった。続いて、α1層側の面にはタッチ面側ハードコート層形成用塗料として上記(γ−1)を、ダイ方式の塗工装置を使用して、硬化後厚みが25μmとなるように塗布し;α2層側の面には印刷面側ハードコート層形成用塗料として上記(γ−2)を、ダイ方式の塗工装置を使用して、硬化後厚みが25μmとなるように塗布して、ハードコート積層体を得た。得られたハードコート積層体について、上記(1)〜(4)の評価を行った。
工程(A):
上記(δ−1)を上記で得たハードコート積層体の両面に仮貼りした。
工程(B):
上記で得た支持体とハードコート積層体との積層体から、平面図が図1に示す形状の支持体付き物品を、コンピュータにより自動制御を行うルーター加工機を使用し、切り出して得た。このとき使用したミルは刃先の先端形状が円筒丸型の超硬合金製4枚刃、ニック付きのものであり、刃径は加工箇所に合わせて適宜選択した。
工程(C):
上記で得た支持体付き物品に、高圧水銀ランプを光源とする紫外線を100mJ/cm照射した。照射後の支持体と物品との粘着強度は0.5N/2.5cmであり、物品に何ら問題を生じることなく、容易に支持体を剥離・除去することができた。また得られた物品について、上記(5)〜(9)の評価を行った。結果を表2に示す。
比較例1
工程(C)の紫外線照射を行わなかったこと以外は、全て実施例1と同様に行った。このとき支持体と物品との粘着強度は3.8N/2.5cmであり、物品には、ハードコート層の数箇所に目視で微細なクラックが認められた。そのため上記(5)〜(9)の評価は省略した。結果を表2に示す。
実施例2
支持体として上記(δ−1)の替わりに上記(δ−2)を用いたこと以外は、全て実施例1と同様に行った。照射後の支持体と物品との粘着強度は2.0N/2.5cmであった。物品には、支持体を剥離・除去した際に、目視では分からないが、ルーペ(倍率10倍)では分かる程度の僅かな剥離痕の生じたことが認められた。また得られた物品について、上記(5)〜(9)の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例3
工程(C)における照射量を100mJ/cmに替えて、200mJ/cmとしたこと以外は全て実施例2と同様に行った。照射後の支持体と物品との粘着強度は1.5N/2.5cmであり、物品に何ら問題を生じることなく、容易に支持体を剥離・除去することができた。また得られた物品について、上記(5)〜(9)の評価を行った。結果を表2に示す。
比較例2
工程(C)の紫外線照射を行わなかったこと以外は、全て実施例2と同様に行った。このとき支持体と物品との粘着強度は11.3N/2.5cmであり、物品には、ハードコート層の数箇所に目視でクラックが認められた。そのため上記(5)〜(9)の評価は省略した。結果を表2に示す。
実施例4
タッチ面側のハードコート層形成用塗料として上記(γ−1)に替えて上記(γ−3)を用い、印刷面側のハードコート層形成用塗料として上記(γ−2)に替えて上記(γ−4)を用い、硬化後厚みを30μmとしたこと以外は全て実施例1と同様に行った。照射後の支持体と物品との粘着強度は0.6N/2.5cmであり、物品に何ら問題を生じることなく、容易に支持体を剥離・除去することができた。また得られた物品について、上記(5)〜(9)の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例5
工程(B)において、ルーター加工機の替わりに9.3μm波長の炭酸ガス(CO)レーザーを使用したこと以外は、全て実施例1と同様に行った。照射後の支持体と物品との粘着強度は0.5N/2.5cmであり、物品に何ら問題を生じることなく、容易に支持体を剥離・除去することができた。また得られた物品について、上記(5)〜(9)の評価を行った。結果を表3に示す。なお(5)曲線状切削加工線の状態の評価において、端面に僅かな黄変を認めた。
実施例6
工程(B)において、円筒丸型に替えて先端球型のミルを使用したこと以外は、全て実施例1と同様に行った。照射後の支持体と物品との粘着強度は0.5N/2.5cmであり、物品に何ら問題を生じることなく、容易に支持体を剥離・除去することができた。また得られた物品について、上記(5)〜(9)の評価を行った。結果を表3に示す。
実施例7
上記(a1)に替えて、上記(a2)を用いたこと以外は全て実施例1と同様に行った。照射後の支持体と物品との粘着強度は0.5N/2.5cmであり、物品に何ら問題を生じることなく、容易に支持体を剥離・除去することができた。また得られた物品について、上記(5)〜(9)の評価を行った。結果を表3に示す。
実施例8
上記(a1)に替えて、上記(a3)を用いたこと以外は全て実施例1と同様に行った。照射後の支持体と物品との粘着強度は0.5N/2.5cmであり、物品に何ら問題を生じることなく、容易に支持体を剥離・除去することができた。また得られた物品について、上記(5)〜(9)の評価を行った。なお線膨張係数は、物品の著しい収縮が起こったため、測定不能であった。結果を表3に示す。
実施例9
上記(a1)に替えて、上記(a4)を用いたこと以外は全て実施例1と同様に行った。照射後の支持体と物品との粘着強度は0.6N/2.5cmであり、物品に何ら問題を生じることなく、容易に支持体を剥離・除去することができた。また得られた物品について、上記(5)〜(9)の評価を行った。結果を表3に示す。
実施例10
上記(a1)に替えて、上記(a5)を用いたこと以外は全て実施例1と同様に行った。照射後の支持体と物品との粘着強度は0.5N/2.5cmであり、物品に何ら問題を生じることなく、容易に支持体を剥離・除去することができた。また得られた物品について、上記(5)〜(9)の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2015182273
Figure 2015182273
本発明の製造方法により、クラックが入るなどの不良現象を起こすことなく、透明性、表面硬度、耐擦傷性、耐曲げ性、表面平滑性、及び外観に優れ、タッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板として好適に用いることのできる、ハードコート積層体からなる物品を得ることができた。特に本発明の第10の発明の実施例である実施例1〜7では、耐熱性及び寸法安定性にも優れた物品が得られている。一方、比較例1及び2では、本発明の製造方法の工程(C)を欠いており、粘着強度が高かったため、ハードコートにクラックが入るなどの不良現象が起きた。
本発明の物品の一例を示す平面図である。 刃先の先端形状が円筒丸型のミルの一例を示す概念図である。 刃先の先端形状が先端球型のミルの一例を示す概念図である。 刃先の先端形状が先端球型であり、かつニックの付いたミルの一例を示す概念図である。 曲率半径を説明する図である。 実施例1で使用した共押出製膜装置の概念図である。
1:半径0.1mmの円形の切削孔
2:両端部が曲率半径0.5mmの切削孔
3:曲率半径10mmのコーナー部
4:ミルの刃径
5:ミルの刃長
6:ミルのニック
7:押出機1
8:押出機2
9:2種3層マルチマニホールド方式の共押出Tダイ
10:溶融フィルム
11:鏡面ロール
12:鏡面ベルト
13:一対のベルトローラー

Claims (14)

  1. 最表層側から順に、ハードコート層と透明樹脂フィルム層とを有するハードコート積層体からなる物品の製造方法であって、
    (A)少なくとも片面に粘着剤層を有する支持体と上記ハードコート積層体とを仮貼りする工程;
    (B)ルーター加工、ウォータージェット加工、レーザー加工、及び打抜加工からなる群から選択される少なくとも1の加工方法を使用し、上記ハードコート積層体からなる上記物品を、切り出す工程;
    (C)熱、及び活性エネルギー線からなる群から選択される少なくとも1を使用し、上記支持体と上記物品との粘着強度を2N/2.5cm以下に低下させる工程;
    を含む方法。
  2. 上記工程(B)においてルーター加工を使用することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 刃先の先端形状が円筒丸型又は先端球型であるミルを使用し、ルーター加工することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 上記ミルが、ニックの付いたミルであることを特徴とする請求項2又は3に記載の方法。
  5. 上記ミルの刃先の材質が、超硬合金であることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の方法。
  6. 上記ハードコート積層体が、下記特性(イ)を満たすことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
    (イ)少なくとも片方の表面の鉛筆硬度が7H以上。
  7. 上記ハードコート積層体が、下記特性(ロ)及び(ハ)を満たすことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
    (ロ)全光線透過率 90%以上。
    (ハ)ヘーズ 2.0%以下。
  8. 上記ハードコート積層体が、下記特性(ニ)を満たすことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の方法。
    (ニ)最小曲げ半径が40mm以下。
  9. 上記物品が、その平面図において、曲率半径が0.1〜20mmの曲線状の切削加工線を有することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の方法。
  10. 上記ハードコート積層体が、最表層側から順に、ハードコート層(H)とポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂層(α)とを有することを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の方法。
  11. 上記ハードコート積層体が、最表層側から順に、
    第一ハードコート層(H1);
    ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂層(α);
    第二ハードコート層(H2);を有することを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の方法。
  12. 上記ハードコート積層体が、最表層側から順に、
    第一ハードコート層(H1);
    第一ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂層(α1);
    芳香族ポリカーボネート系樹脂層(β);
    第二ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂層(α2);
    第二ハードコート層(H2);を有し、
    上記α1層、β層、α2層は、この順に直接積層されていることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の方法。
  13. 請求項1〜12の何れか1項に記載の方法により得られたことを特徴とする物品。
  14. 請求項13に記載の物品の、タッチパネル部材としての使用。
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