JP2015181683A - シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両用シートSは、表皮4の端末に取り付けられた複数の取付部材50を有してシートフレームFに表皮4を連結する表皮部材FMを備える。取付部材50は、表皮4の端末の一部を収容する収容部55を有する幅広部51と、シートフレームFの縁に係止される溝部53とを有する。溝部53の壁面は、収容部55を作用点として溝部53を中心に加わる表皮4からの回転力の方向に対して交差する方向に延出しており、表皮部材FMは、複数の取付部材50によってシートフレームFを構成する枠に跨って取り付けられている。
【選択図】図3
Description
具体的には、特許文献1に記載されたシートの表皮は、シートバック(背もたれ)の両サイドにおいて、シートバックを構成する前後のフレームが重なり合う部位に係合して取り付けられている。
また、特許文献2に記載されたフレームと表皮とから少なくとも備えるシートにおいては、表皮は、少なくとも一部に設けられた略J字状のフックによってフレームに取り付けられている。
また、表皮端末を固定するために特許文献2に記載されているJ字状のフックを用いる場合には、当該フックの形状、及び支持剛性の低さにより、着座及び離座の際に表皮が弾性変形することによってフックが外れてしまうことがあった。
上記構成によれば、シートフレームに形成された窪み又は突起に、本体から係止溝の逆側に形成された係合部が係合することで、取付部材の回動が抑制されて取付状態が安定し、且つ、位置決めができる。
上記構成によれば、着座フレームに形成された下部フランジに取付部材が取り付けられていることにより、着座フレームの下側まで表皮を張らせて取り付けることができる。
上記構成によれば、板状支持部材に形成された支持フランジに取付部材が取り付けられることにより、シートバックの後ろ側まで表皮を張らせて取り付けることができる。
上記構成によれば、一般に剛性の高い下部バックフレームに取付部材が取り付けられるので表皮とバックフレームとの取付状態が安定する。
上記構成によれば、表皮の伸びを抑えて、表皮の取付部材との接続状態を安定させることができる。
上記構成によれば、取付部材とエアバッグ取付部材との干渉を抑制できる。
上記構成によれば取付部材とシートリフターとの干渉を抑制できる。
上記構成によれば、大きな張力がかかる部位を安定して支持できる。
また、本願発明のシートによれば、シートフレームに形成された窪み又は突起に、本体から係止溝の逆側に形成された係合突出部が係合することで、取付部材の回動が抑制されて取付状態が安定し、且つ、位置決めができる。
また、本願発明のシートによれば、着座フレームの下側まで表皮を張らせて取り付けることができる。
また、本願発明のシートによれば、板状支持部材に形成された支持フランジに取付部材が取り付けられていることにより、シートバックの後ろ側まで表皮を張らせて取り付けることができる。
また、本願発明のシートによれば、表皮とバックフレームとの取付状態が安定する。
また、本願発明のシートによれば、表皮の伸びを抑えて、表皮の取付部材との接続状態を安定させることができる。
また、本願発明のシートによれば、取付部材とエアバッグ取付部材との干渉を抑制できる。
更に、本願発明のシートによれば、取付部材とシートリフターとの干渉を抑制できる。
また、本願発明のシートによれば、大きな張力がかかる部位を安定して支持できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用シートSの模式的な外観図、図2は、シートフレームFを示す斜視図である。なお、図2に示された丸印は、後述する取付部材50が取り付けられる部位を示すものである。
本実施の形態に係るシートとしての車両用シートSは、図1で示すように、シートバックS1、着座部S2及びヘッドレストS3より主に構成されている。
シートバックフレーム1を構成する左右のサイドフレーム10は、リクライニング機構3のリクライニング軸19(図6参照)を中心に回動可能に着座フレーム2と接続されている。リクライニング軸19は、特許請求の範囲に記載された回動軸に対応する。
メンバーフレーム22aは、車両用シートSの剛性を高めるためのものであり、下部フレーム22の前方に配置されてサイドフレーム10に架け渡されている。メンバーフレーム22aは、図9を参照して後述するように、断面略C字状に形成されており、後述する取付部材50によって表皮4が固定されている。
図6を参照して後述するように、前フレーム2aは、断面略C字状に形成されており、後方側にC字の開放部が位置するように配置されている。同様に、後フレーム2bは、断面略C字状に形成されており、前方側にC字の開放部が位置するように配置されている。前フレーム2a及び後フレーム2bがこのように形成されていることで、取付部材50の取り付けが容易となる。
次に、表皮部材FMの構成、及び取付部材50の着座フレーム2の幅方向への取り付けについて、図3乃至図5を参照して説明する。ここで図3は、着座フレーム2の下内端8aに取り付けられた表皮部材FMを示す模式図、図4は、着座フレーム2の下内端8aに取り付けられた取付部材50を示す模式図であり、図1のIV-IV断面図、図5は、着座フレーム2の幅方向に取り付けられる取付部材50の取付位置を示す概念図である。
力布4aは、表皮4の端末に縫合されており、表皮4よりも伸縮性の小さい布状素材から成る。このように、伸縮性の小さい力布4aが取り付けられていると、表皮4の伸びを抑えることができ、後述する取付部材50との接続状態の安定性を高めることができる。
更には、取付部材50との接続状態の安定性が確保できるならば、表皮4の中央部と比較して端末側の伸縮性を小さくする必要はなく、力布4aを用いずに後述する取付部材50にトリムプレート37を介して表皮4に直接接続するようにしてもよい。
掛け止め部52は、下内端8aに掛け止めされる部位である。掛け止め部52には、幅広部51から連続する溝部53が形成されている。溝部53は、特許請求の範囲に記載の係止溝に相当し、幅広部51と、幅広部51の根本の部分から分岐する延出ガイド部54との間の空間からなる。溝部53は、幅広部51における着座フレーム2の下内端8a側に取付部材50を掛け止めるためのものである。溝部53が、下内端8a先端の返し部8nを挟持することによって、掛け止め部52が下内端8aに掛け止めされることとなる。
延出部65は、延出するにしたがって第一の壁部59との間隔が広がるように延出して形成されている。このように形成されていることで、延出部65と第一の壁部59との間に、延出部65から離れるに従って大きくなる隙間が生じ、次に説明する係合突起66を係合溝8dに係止させための延出部65の弾性変形が可能となる。
なお、上記構成とは逆に、第二の壁部60の端部に溝等の窪みが形成され、切起こし部8cに当該窪みに嵌る突起が形成されるものであってもよい。
延出ガイド部54は、図3に示すように、返し部8nの外面を覆うように配置されることとなる。
特に、取付部材50は、着座フレーム2の両側において、前後方向において略同じ位置に、略同数だけ配置されていると好ましい。このようにすることで、表皮4にかかる張力の偏りを防ぎ、着座部S2における表皮4のシート幅方向の皺・弛みの発生を抑制することができる。
このように、取付部材50は、シートリフター70を避けた位置に取り付けられることで、取付部材50の取り付けの際、又はシートリフター70の動作の際に相互に干渉することを回避することができる。
次に、取付部材50の着座フレーム2の前後方向への取り付けについて、図6を参照して説明する。ここで図6は、着座フレーム2の前後に取り付けられた取付部材50を示す概念図であり、図1のVI-VI断面図である。
特に、取付部材50は、着座フレーム2の前後において、シート幅方向の略同じ位置に、略同数だけ配置されていると好ましい。このようにすることで、表皮4にかかる張力の偏りを防ぎ、着座部S2における表皮4の前後方向の皺・弛みの発生を抑制することができる。
次に、取付部材50によるシートバックフレーム1のシート幅方向へ表皮4の取り付けについて、図7及び図8を参照して説明する。ここで図7は、シートバックフレーム1の幅方向の一側に取り付けられた取付部材50を示す概念図であり、図1のVII-VII断面図、図8は、シートバックフレーム1の幅方向の一側に取り付けられる取付部材50の取付位置を示す概念図である。
後縁部12bは、断面略C字状に湾曲して形成された返し部12nを有する。具体的には、返し部12nは、シート幅方向内側に向かって延出して前方に向かって湾曲(屈曲)している。
また、取付部材50は、その大部分である幅広部51が後縁部12bの内側に収まっているため、着座者に違和感が生じることが抑制されている。
特に、取付部材50は、シートバックフレーム1の上下方向の略同じ位置に、略同数だけ配置されていると好ましい。このようにすることで、表皮4にかかる張力の偏りを防ぎ、シートバックS1における表皮4のシート幅方向の皺・弛みの発生を抑制することができる。
次に、取付部材50による表皮4のシートバックフレーム1の上下方向への取り付けについて、図9及び図10を参照して説明する。ここで図9は、シートバックフレーム1の下部に取り付けられた取付部材50を示す概念図、図10は、シートバックフレーム1の上部に取り付けられた取付部材50を示す概念図であり、図1のX-X断面図である。
メンバーフレーム22aは、断面略C字状に形成され、リクライニング軸19を覆い、後方に開放側が向くように配設されている。
断面略C字状のメンバーフレーム22aの下部に、後方に延出して上方に湾曲(屈曲)して形成された返し部22nが形成されている。ここで、メンバーフレーム22aは、特許請求の範囲に記載された下部バックフレームに対応し、返し部22nは、特許請求の範囲に記載されたバックフランジに対応する。
上側板ばね14における蛇腹部14a以外の板状部位の一部は、上側から後方に延出して下方に湾曲して形成された引掛け部14bを有して、断面倒立J字状に形成されている。
同様に、シートバックフレーム1の上部に取り付けられた取付部材50においては、上側板ばね14の後ろ側に取り付けられているため、前側にいる着座者に違和感を付与することを回避できる。
変形例に係る取付部材80は、図11に示すように、上記実施形態に係る取付部材50の係合突起66を3つの壁によって覆うように突出する補助壁部81を備えることを主な特徴とする。
具体的には、補助壁部81は、延出部65の両側面及び端面から所定の厚みをもって、係合突起66よりも外側に延在している。補助壁部81は、取付部材80の外方からみて、開放側が延出部65の基端側であるコの字形に延出部65から延在している。
このように取付部材80は、補助壁部81を備えることで、シートフレームFに取付部材80を取り付ける際に、補助壁部81を押すようにして延出部65を変形させやすくなるので作業性が良好となる。
また上記のように、本実施形態に係る取付部材50によれば、掛け止め部52が返し部8nに係止し、更に、係合突起66が溝部53に係合することで、強固な取付状態を維持することが可能である。このため、表皮4がウレタン同等の物性を有する弾性材料からなり、フレームとの取付部における変位が大きいために強固な取付状態を必要とするシートにも好適である。また、クッションパッド5を備えない薄いシートにも適用可能である。更に、チャイルドシートに適用するようにしてもよい。
FM 表皮部材
S 車両用シート
S1 シートバック
S2 着座部
S3 ヘッドレスト
1 シートバックフレーム
2 着座フレーム
2a 前フレーム
2b 後フレーム
2c,2d 返し部
3 リクライニング機構
4 表皮
4a 力布
5 クッションパッド
6 エアバッグモジュール
6e エアバッグ取付部材
8a 下内端
8b 上内端
8c 切起こし部
8d 係合溝
8n 返し部
10 サイドフレーム
11 側板
12a 前縁部
12b 後縁部
12c 切起こし部
12d 係合溝
12n 返し部
13 下部フレーム
14 上側板ばね
14a 蛇腹部
14b 引掛け部
15 下側板ばね
15a 蛇腹部
17 リベット
19 リクライニング軸
21 上部フレーム
22a メンバーフレーム
22n 返し部
23 ピラー支持部
37 トリムプレート
50 取付部材
51 幅広部
52 掛け止め部
53 溝部
54 延出ガイド部
55 収容部
59 第一の壁部
60 第二の壁部
65 延出部
66 係合突起
69 スリット
70 シートリフター
70a シャフト
80 取付部材
81 補助壁部
Claims (9)
- シートフレームと、該シートフレームに接続される表皮とを備えるシートであって、
前記表皮と、前記表皮の端末に取り付けられた複数の取付部材と、を有して前記シートフレームに前記表皮を連結する表皮部材を備え、
前記複数の取付部材のそれぞれは、前記表皮の端末の一部を収容する収容部を有する本体と、前記シートフレームの縁に係止される係止溝とを有し、
該係止溝の壁面は、前記収容部を作用点として前記係止溝を中心に加わる前記表皮からの回転力の方向に対して交差する方向に延出しており、
前記表皮部材は、前記複数の取付部材によって前記シートフレームを構成する枠に跨って取り付けられていることを特徴とするシート。 - 前記シートフレームには窪み又は突起が形成されており、
前記取付部材は、前記本体から前記係止溝の逆側に形成されて前記窪み又は前記突起に係合する係合部を有することを特徴とする請求項1に記載のシート。 - 前記シートフレームは、着座フレームであり、
該着座フレームは、クッションフレーム本体と、該クッションフレーム本体の下側から曲がって形成された下部フランジと、を有し、
該下部フランジに前記係止溝が係止されて、前記取付部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート。 - 前記シートフレームは、シートバックフレームであり、
該シートバックフレームは、枠状のバックフレーム本体と、該バックフレーム本体に架け渡された板状支持部材とを備え、
該板状支持部材は、一部から突出して屈曲する支持フランジを有し、
該支持フランジに前記係止溝が係止されて、前記取付部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート。 - 前記シートフレームは、シートバックフレームであり、
該シートバックフレームは、シート幅方向に渡された回動軸によって着座フレームに回動可能に接続されており、前記回動軸の一部を覆うようにシート幅方向に延在する下部バックフレームを有し、
該下部バックフレームは、一部から突出して屈曲するバックフランジを有し、
該バックフランジに前記係止溝が係止して、前記取付部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート。 - 前記表皮の端末のうち前記取付部材に接する部分は、表皮中央部よりも伸縮性が低いことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート。
- 前記シートフレームは、シートバックフレームであり、エアバッグを前記シートバックフレームに取り付けるエアバッグ取付部材を備え、
該エアバッグ取付部材を避けた位置で、前記取付部材が前記シートバックフレームに取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート。 - シートの高さを調整可能なシートリフターを備え、
前記取付部材は、前記シートリフターを避けた位置で前記着座フレームに取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載のシート。 - 前記取付部材は、前記表皮の端末のうち、着座者の着座によって最大の張力がかかる部位に接続されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシート。
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