JP2015181356A - 精製ウイルス液の製造方法及びウイルス検出方法 - Google Patents

精製ウイルス液の製造方法及びウイルス検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ウイルス液から夾雑物であるフミン酸のみを特異的に回収し精製することを有する精製ウイルス液の製造方法。【解決手段】ウイルス及びフミン酸を含有するサンプル液を、カチオン性基を有し平均粒径が1〜3000μmである粒子(A)に接触させて精製ウイルス液を得る工程1を有し、前記粒子(A)の総表面積に対するフミン酸量が、0.5〜100μg/cm2であることを特徴とする、精製ウイルス液の製造方法。前記粒子(A)が、アガロースゲル、セルロースゲル、またはデキストランゲルである方法。【選択図】なし

Description

本発明は、精製ウイルス液の製造方法、及びウイルス検出方法に関する。
安全志向が高まる近年、河川水や海水といった環境水、水道水や井戸水等の生活用水、土壌や食品等、我々を取り巻く環境に対する安全性の担保が非常に重要視されている。特に環境水や生活水が各種ウイルスによって汚染されると、近隣住民へと爆発的に感染し、甚大な健康被害を生じる虞があり、とくに開発途上地域における生活用水のウイルス汚染は大きな問題となっている。
これらを鑑み、環境中のウイルス汚染を恒常的に監視することは、人々の安全安心を維持していく上で非常に重要であり、そのためには簡便で正確にウイルス量を評価する方法を確立することが急務である。
しかし、様々な環境、特に環境水中のウイルス量はごく少量であるため、検出することが非常に難しいということが課題となっている。そこで、ウイルスを濃縮回収したうえで、ウイルスを検出する方法が試みられてきた。
例えば、ウイルス検出に用いる試料を、超遠心やポリエチレングリコール法などによって濃縮する方法などが知られている。
また、特許文献1においては、表面処理された中空糸にウイルスを含む液を通じてウイルスを捕捉し、ウイルスの濃度を評価する方法が報告されており、その際には、必要に応じて限外ろ過膜で2次濃縮を行う場合もある。
上記のような方法でウイルスを濃縮回収し、得られたウイルス液を、各種方法で検出、同定を行う。一般的によく行われるのが、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)等に代表される核酸増幅検査(NAT)法である。NAT法は、ウイルスに含まれる核酸を人工的に増幅して高感度に検出する方法であり、ウイルスに特異なプライマーによって検出を行う場合や、遺伝子を増幅させた後にハイブリダイゼーション等で同定を行う。
しかし、上記のようなウイルス濃縮方法では、環境中に存在するNAT法を阻害する物質であるフミン酸も同時に回収してしまうという問題があった。
フミン酸とは、環境中に存在する腐植物質の一種であり、植物残渣や微生物、プランクトンの遺骸が微生物による分解を受け、その分解生成物から化学的、生物的に合成された高分子有機酸の混合物である。腐植物質はフミン質とも呼ばれ、アルカリ溶液に可溶だが、酸性溶液では沈殿を形成するフミン酸、どのpHでも可溶なフルボ酸、及びアルカリに不溶なヒューミン(またはフムス質)とが存在する。フミン質は、動植物由来物質であることから、土壌・海水・河川湖沼水や排水・廃棄物等、環境中のあらゆる場所に存在する。フミン質は、動植物由来であることから不定形の高分子物質であるが、芳香環族を多数有する三次元網目状構造をもつものが多い。その中でもフミン酸は、水酸基やカルボキシル基といった酸性基を一つ以上有するポリフェノール型カルボン酸であることが多く、その構造から金属類のキレート性を有し、工業的にはキレート剤として用いられる。
上記問題を解決する為に、特許文献2においては、特定の細孔を持つシリカゲルにフミン酸等の夾雑物を吸着させることによる、ウイルス検出率の向上方法が報告されている。しかし、細孔の大きさに依存した非特異的な吸着であるため、定量的測定には不十分であるといった問題があった。
国際公開第2012/144554号 特開2011−155919号公報
本発明は、ウイルス液から夾雑物であるフミン酸のみを特異的に回収し精製することを有する精製ウイルス液の製造方法を提供することを課題とする。また、得られた精製ウイルス液を用いたウイルス検出方法を提供することを課題とする。
本発明者は鋭意検討の結果、ウイルス及びフミン酸を含有するサンプル液を、カチオン性基を有し平均粒径が1〜3000μmである粒子(A)に接触させて精製ウイルス液を得る工程1を有し、前記粒子(A)の総表面積に対するフミン酸量が、0.5〜100μg/cmであることを特徴とする、精製ウイルス液の製造方法を提供することで、上記課題を解決できることを見出した。
また、前記カチオン性基が、アミノ基または4級アンモニウム基である、精製ウイルス液の製造方法を見出した。
また、前記粒子(A)が、アガロースゲル、セルロースゲル、またはデキストランゲルである、上記精製ウイルス液の製造方法を見出した。
さらに、前記サンプル液中の塩濃度が、50mM以下である、上記精製ウイルス液の製造方法を見出した。
また、前記サンプル液中におけるフミン酸濃度が3μg/mL以上である、上記精製ウイルス液の製造方法を見出した。
また、上記何れかに記載の製造方法で得られた精製ウイルス液を、ウイルス検出工程にかけることを特徴とするウイルス検出方法を見出した。
本発明の精製ウイルス液の製造方法は、サンプル液から夾雑物であるフミン酸のみを特異的に分離し精製することができることから、ウイルス検出方法に対し感度よく定量的なウイルス含有試験液を提供することが可能である。
本発明は、ウイルス及びフミン酸を含有するサンプル液を、カチオン性基を有し平均粒径が1〜3000μmである粒子(A)に接触させて精製ウイルス液を得る工程1を有し、上記粒子(A)の総表面積に対するフミン酸量が、0.5〜100μg/cmであることを特徴とする、精製ウイルス液の製造方法、及び上記精製ウイルス液をウイルス検出工程に供することを特徴とするウイルス検出方法を提供するものである。
カチオン性基を有し平均粒径が1〜3000μmである粒子(A)は、カチオン性基を有するため、水中で表面が正に帯電している。フミン酸及びウイルスは、弱酸〜アルカリ性条件下では負に帯電する為、フミン酸及びウイルスは粒子(A)が有するカチオン性基にトラップされる。この際、本発明者は、粒子(A)の総表面積に対するフミン酸濃度が0.5〜100μg/cmであるとき、カチオン性基に対してフミン酸が優先的に結合するため、サンプル液からフミン酸が分離可能となり、精製されたウイルス液が得られることを見出した。なお、粒子(A)の総表面積に対するフミン酸濃度が0.5μg/cmよりも低い場合は、カチオン性基が余剰となるためにウイルスまでもトラップされる虞があり、100μg/cmよりも高い場合には、フミン酸が余剰となりウイルス液が精製されない虞がある。
本発明における平均粒径とは、体積分布における累積50%の径のことを示す。
〔工程1〕
工程1は、ウイルス及びフミン酸を含有するサンプル液を、カチオン性基を有し平均粒径が1〜3000μmである粒子(A)に接触させて精製ウイルス液を得る工程である。
(サンプル液)
本発明におけるサンプル液とは、ウイルスが含まれる水媒体の液体である。ウイルスを含有するサンプル液は、ウイルスを含有すると思われるサンプルを水に混濁すればよく、ウイルスを含有するサンプルとは、河川水・湖沼水・海水・雨水といった環境水、井戸水・水道水・ボトルドウォーターといった飲料水や下水・排水・プール水・農業用水・工業用水・冷媒水といった産業用水のような生活用水;食品、土壌、動植物、血液等の体液など、様々なものをサンプルとして用いることができる。
サンプル液は、ウイルスを含有するサンプルを水に混濁することによって得られ、例えば環境水や生活用水のような液体サンプルであれば滅菌水で希釈すればよく、固形サンプルであれば滅菌水で混濁した上清や、固形サンプル表面を滅菌水で洗浄した洗浄液等もサンプル液として用いることができる。このように、サンプルは環境水等から採取したものを使用できることから、本形態で使用するサンプル液には通常フミン酸が含まれうる。
本形態に適用可能なウイルスとしては、特に制限されず、2本鎖DNAウイルス、1本鎖DNAウイルス、2本鎖RNAウイルス、1本鎖RNAウイルス、1本鎖RNA逆転写ウイルス、2本鎖DNA逆転写ウイルス等が挙げられる。
前記2本鎖DNAウイルスとしては、アデノウイルス、ポドウイルス等が挙げられる。
前記1本鎖DNAウイルスとしては、パルボウイルス等が挙げられる。
前記2本鎖RNAウイルスとしては、ロタウイルス、レオウイルス等が挙げられる。
前記1本鎖RNAウイルスとしては、エンテロウイルス、A型肝炎ウイルス(HAV)、C型肝炎ウイルス(HCV)ノロウイルス、ネコカリシウイルス等のmRNAとして作用する1本鎖RNAウイルス;麻疹ウイルス、狂犬病ウイルス、マールブルグウイルス、エボラウイルス、インフルエンザウイルス等のmRNAの相補鎖として作用する1本鎖RNAウイルスが挙げられる。
前記1本鎖RNA逆転写ウイルスとしては、ヒト免疫不全ウイルス、泡沫状ウイルス等が挙げられる。
前記2本鎖DNA逆転写ウイルスとしては、B型肝炎ウイルス等が挙げられる。
これらのうち、本形態に適用されうるウイルスは、水中に存在し、ヒトに感染しうるアデノウイルス、ポリオーマウイルス、A型肝炎ウイルス(HAV)、ノロウイルス、エンテロウイルス、ポリオウイルス、E型肝炎ウイルス(HEV)、ロタウイルス、アイチウイルス、パレコウイルス、レオウイルスであることが好ましく、ノロウイルス、HAV、HEV、エンテロウイルス、ロタウイルスであることがより好ましい。
上述のウイルスは単独で適用しても、2種以上が混合されて適用されてもよい。
また、本形態のサンプル液に含有されうるフミン酸としては、特に制限されず、公知のもの、例えば、自然界に存在しうるフミン酸、自然界のフミン酸と化学構造の少なくとも一部が異なるフミン酸誘導体等が挙げられる。これらのフミン酸はサンプル液中に単独で含まれていても、2種以上が混合して含まれていてもよい。
フミン酸は、上述のように複雑な構造を有しているが、吸光度の測定によりフミン酸の検出、評価を行うことができる。
サンプル液中のフミン酸濃度は、3μg/mL以上であることが好ましく、10〜10000μg/mLであることがより好ましい。サンプル液中のフミン酸濃度が3μg/mL以上であると、ウイルスの回収率が高まることから好ましい。
採取したサンプルを本形態に係るサンプル液としては使用する前には、適宜精製することができる。
例えば、採取したサンプルは、分級、溶媒抽出、活性炭等による吸着、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等により不純物を除去して精製することができる。
また、サンプル液には、添加剤等を添加してもよい。使用されうる添加剤としては、特に制限されないが、有機溶媒、塩、pH調整剤が挙げられる。
用いられうる有機溶媒としては、特に制限されないが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。ただし、環境面、操作の簡便性等の観点から、有機溶媒については添加しないことが好ましい。
用いられうる塩としては、特に制限されないが、酢酸、クエン酸、リン酸、ホウ酸、酒石酸、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(Tris)、または2−4−[(2−ヒドロキシエチル)−1−ピエラジニル]エタンスルホン酸(HEPES)と、アルカリ金属、ベリリウム、またはアルカリ土類金属と、の塩等が挙げられる。これらのうち、前記塩は、酢酸、クエン酸、リン酸と、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムと、の塩であることが好ましく、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムであることがより好ましく、リン酸ナトリウムであることがさらに好ましい。
上述の塩は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
サンプル液の塩濃度は、500mM以下であることが好ましく、100mM以下であることがより好ましく、50mM以下であることがさらに好ましく、1〜50mMであることが特に好ましい。塩濃度が500mM以下であると、ウイルスとフミン酸との疎水性相互作用による凝集を防止しやすくなり、フミン酸をより選択的に分離できることから好ましい。
用いられうるpH調整剤としては、特に制限されないが、上述の塩、塩酸等の酸、水酸化ナトリウム等の塩基が挙げられる。
サンプル液のpHは、3.0〜10.0であることが好ましく、6.0〜10.0であることがさらに好ましい。サンプル液のpHが上記範囲にあると、酸または塩基によるウイルスの損傷を防止することができる、ウイルスおよびフミン酸の凝集を防止しうる、フミン酸をより特異的に分離することができる等の観点から好ましい。
本形態に係るサンプル液において、後述する粒子(A)の総表面積に対するフミン酸濃度(フミン酸濃度/粒子(A)の総表面積)は0.5〜100μg/cmであり、好ましくは1〜50μg/cmであり、より好ましくは2.5〜30μg/cmである。
なお、サンプル液中のフミン酸濃度は、測定対象となるフミン酸に適した波長の光を照射した場合の吸光度を測定することにより求めることができる。
また、本発明における粒子(A)の総表面積とは、以下3点の条件を満たしたと仮定した場合の粒子(A)の表面積の和のことである。
1.粒子(A)が孔のない完全な球形である
2.粒子(A)の粒子径が全て平均粒子径である
3.粒子(A)がスピンダウン後に最密充填構造となっている。
この条件から、粒子(A)の総表面積は以下の式(1)から計算できる。
(総表面積)=4×π×r×(v/((4/3×π×r)/0.74)) (1)
r:粒子(A)の平均粒子径(cm)
v:粒子(A)のスピンダウン後の体積(cm
(粒子(A))
粒子(A)は、カチオン性基を有する粒子状材料を含む構成を有する。この際、前記粒子は、1〜3000μmであり、好ましくは30〜1000μmであり、より好ましくは30〜200μmである。粒子(A)の平均粒径が1μm未満であると、サンプル液から分離することができない。一方、粒子(A)の平均粒径が3000μm超であると、所望の表面積を得るための粒子量が多くなるため、ウイルスを高収率で回収することができない。
前記カチオン性基としては、特に制限されず、公知のものが用いられうる。この際、カチオン性基には、それ自体がカチオン性を有しているものだけでなく、プロトン化等によりカチオン性を有するようになる基も含まれうる。
カチオン性基の具体例としては、アミノ基、4級アンモニウム基、スルホニウム基、ホスホニウム基等が挙げられる。これらのうち、合成の容易さからアミノ基または4級アンモニウム基であることが好ましく、ジエチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基であることがより好ましい。
前記粒子状材料としては、特に制限されないが、アガロースゲル、セルロースゲル、デキストランゲルといった多糖類ゲルを用いることが好ましい。これらの多糖類ゲルは、単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
粒子状材料として、カチオン性基を有する粒子状材料を用いる場合には、そのまま粒子(A)として使用することができる。
一方、上述の多糖類ゲルのようなカチオン性基を有しないものを使用する場合には、公知の方法でカチオン性基を導入する。カチオン性基を導入する方法としては、カチオン性基を有する化合物や樹脂を被覆または結合させることによって導入する方法;カチオン性基を、中間基を介して結合させる方法、例えば、特開2002−369881号公報に記載されているように、水酸基を含有するゲル粒子表面にエピクロロヒドリンを反応させた後にアミンを反応させる方法や、特開2006−328290号公報に記載されているように、芳香環を有する多孔粒子表面にクロロエチルメチルエーテルを反応させた後にトリメチルアミンを反応させる方法等が挙げられる。
粒子(A)中のカチオン性基の量としては、1〜3000μmol/mLであることが好ましく、5〜1500μmol/mLであることがより好ましく、50〜300μmol/mLであることがさらに好ましい。カチオン性基の量が1μmol/mL以上であると、フミン酸の捕集効率が高まることから好ましい。一方、カチオン性基の量が3000μmol/mL以下であると、ウイルスの回収率が高まることから好ましい。
上記粒子(A)を構成する粒子状材料が多糖類ゲルである場合、デキストランやポリエチレングリコールといった鎖状水溶性樹脂の排除限界分子量は、100〜100000kDaであることが好ましく、500〜20000kDaであることがより好ましく、1000〜5000kDaであることがさらに好ましい。これは、100kDa以上であると孔径が比較的大きいため、フミン酸をビーズ表面の孔内で捕捉しやすいため好ましく、100000kDa以下であると、試験液とビーズとの接触効率が向上するため好ましいからである。
(接触)
工程1では、サンプル液を粒子(A)に接触させることを含む。
粒子(A)とサンプル液を接触させる場合、様々な方法を用いることができる。バッチ式の場合、粒子(A)とサンプル液をビーカーや試験管、マイクロチューブやチップ等に入れ、撹拌することで接触させることができる。撹拌する場合、撹拌翼や撹拌子を使用してもよいし、振動式ミキサー等で撹拌してもよい。
フロー式の場合、粒子(A)をカラムやチューブに詰めた上、サンプル液を通液してもよいし、担体に粒子(A)を固定したうえで通液してもよい。
〔工程2〕
本発明の工程2では、工程1において接触させた粒子(A)とウイルス液とを分離することで、フミン酸を除去した精製ウイルス液を得ることができる。分離の方法は公知慣用の方法を用いればよく、濾過、デカンテーション、遠心分離等の方法を用いることができるし、注射器等を用いて液のみを採取してもよい。
〔工程3〕
工程2で得られた精製ウイルス液は、工程3にてウイルス検出工程に供することが好ましい。
ウイルス検出工程とは、ウイルスを検出、及び同定する工程である。ウイルス検出方法としては、古くは単離培養からの形態的同定法が用いられていたが、現在はポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)等に代表される核酸増幅検査(NAT)法が好適に用いられる。NAT法は、培養方法が確立していないウイルスを検出できるうえ、培養日数が不要なため短期間での検出が可能という利点がある。
工程2で得られる精製ウイルス液中で、ウイルス濃度が低い場合、公知慣用の方法でウイルスを濃縮してもよく、具体的には陽電荷膜法や陰電荷膜法、ポリエチレングリコール沈殿法、限外ろ過法などがある。本発明で得られる精製ウイルス液は、NAT法を阻害するフミン酸が除去、またはほとんど分離されているため、感度よく検出することが可能である。また、ウイルスの濃縮が必要な場合、工程1の前に実施してもかまわない。
精製ウイルス液をNAT法に供する場合、ウイルスから核酸を抽出する前処理を行うことが好ましい。ウイルス核酸(DNA,RNA)の抽出は、特に限定されるものではなく、フェノール・クロロホルム抽出法、界面活性剤やプロテアーゼを併用した抽出法等が用いられる。また、ウイルス核酸精製に関しても、液相抽出法、エタノール沈殿法やスピンカラム法等により行うことができる。
抽出された核酸は、NAT法により検査を行うことが好ましい。NAT法はウイルス等の微量の遺伝子を人工的に増幅して高感度に検出する方法の総称であり、PCR法の他、転写媒介増幅(TMA)法、鎖置換反応(LAMP)法、等温遺伝子増幅(ICAN)法、核酸配列増幅(NASBA)法、リガーゼ連鎖反応(LCR)法等が挙げられる。
例えばPCR法の場合、ウイルスに特異的なプライマーを用いて核酸増幅を行い、増幅が認められればウイルスが存在することが判明する。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明は実施例の記載に制限されるものではない。また、実施例において特段の記載がない場合、部及び%は質量基準である。
[試験用のサンプル液]
試験用のサンプル液を調製した。
<調製例1>
精製水にフミン酸(ナカライテスク株式会社)を10000μg/mLとなるように添加し、水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを7.3に調整することで、フミン酸溶液を調製した。
また、精製水にQβファージ(NBRC20012)を終濃度1012PFU/mLとなるように調整してファージ溶液を調製した。
そして、フミン酸濃度、ファージ濃度、およびpHが、それぞれ100μg/mL、1010PFU/mL、およびpH5.0となるように、上記で調製したフミン酸溶液およびファージ溶液、並びにクエン酸緩衝液を混合してサンプル液を調製した。この際、クエン酸緩衝液の塩濃度は適宜調整した。
<調製例2>
調製例1と同様の方法で、フミン酸溶液およびファージ溶液を調製した。
フミン酸濃度、ファージ濃度、およびpHが、それぞれ100μg/mL、1010PFU/mL、およびpH4.0となるように、フミン酸溶液、ファージ溶液、およびクエン酸緩衝液を混合してサンプル液を調製した。この際、クエン酸緩衝液の塩濃度は適宜調整した。
<調製例3>
調製例1と同様の方法で、フミン酸溶液およびファージ溶液を調製した。
フミン酸濃度、ファージ濃度、およびpHが、それぞれ100μg/mL、1010PFU/mL、およびpH7.0となるように、フミン酸溶液、ファージ溶液、およびリン酸緩衝液を混合してサンプル液を調製した。この際、リン酸緩衝液の塩濃度は適宜調整した。
<調製例4>
調製例1と同様の方法で、フミン酸溶液およびファージ溶液を調製した。
フミン酸濃度、ファージ濃度、およびpHが、それぞれ100μg/mL、1010PFU/mL、およびpH4.0となるように、フミン酸溶液、ファージ溶液、および酢酸緩衝液を混合してサンプル液を調製した。この際、酢酸緩衝液の塩濃度は適宜調整した。
<調製例5>
調製例1と同様の方法で、フミン酸溶液およびファージ溶液を調製した。
フミン酸濃度およびファージ濃度が、それぞれ100μg/mLおよび1010PFU/mLとなるように、フミン酸溶液、ファージ溶液、およびイオン交換水を混合してサンプル液を調製した。なお、調製したサンプル液のpHは7.3である。
<調製例6>
調製例1と同様の方法で、フミン酸溶液およびファージ溶液を調製した。
フミン酸濃度、ファージ濃度、およびpHが、それぞれ1000μg/mL、1010PFU/mL、およびpH5.0となるように、フミン酸溶液、ファージ溶液、およびクエン酸緩衝液を混合してサンプル液を調製した。この際、クエン酸緩衝液の塩濃度は適宜調整した。
<調製例7>
調製例1と同様の方法で、フミン酸溶液およびファージ溶液を調製した。
フミン酸濃度、ファージ濃度、およびpHが、それぞれ10μg/mL、1010PFU/mL、およびpH5.0となるように、フミン酸溶液、ファージ溶液、およびクエン酸緩衝液を混合してサンプル液を調製した。この際、クエン酸緩衝液の塩濃度は適宜調整した。
調製例1〜7で調製したサンプル液を下記表1に示す。
Figure 2015181356
[粒子(A)等]
・DEAE
Sepharose 6B FF DEAE(以下、単に「DEAE」と称する)(GE helthcare社製)を粒子(A)として準備した。DEAEの材料は、アガロースゲルであり、カチオン性基である−NH(Cを有する。なお、DEAEは、平均粒径が90μmであり、アミノ基量が135μmol/mLであり、排除限界分子量が1000kDaであり、総表面積が246.7cm/mLである。
・celfine−Amino
celfine−Amino(JNC株式会社製)を粒子(A)として準備した。celfine−Aminoの材料はセルロースゲルであり、当該セルロースゲルは−OCHCH(OH)CH基を介してカチオン性基であるアミノ基(−NH)を有している。なお、celfine−Aminoは、平均粒径が165μmであり、アミノ基量が17.5μmol/mLであり、表面積が133cm/mLである。
・SA−10A
SA−10A(三菱化学株式会社製)を粒子(A)として準備した。SA−10Aの材料はスチレン系陰イオン交換樹脂であり、スチレンの芳香族基に−CH基を介してカチオン性基であるトリメチルアンモニウム基(−N(CH)基が結合した構造を有する。なお、SA−10Aは、平均粒径が700μmであり、アミノ基量が1300μmol/mLであり、表面積が31.7cm/mLである。
・シリカゲル
シリカゲルビーズであるシリカゲル60N(63−210μm)(関東化学株式会社製)を準備した。なお、シリカゲル60Nの平均粒径は、120μmである。
今回使用した粒子(A)等を下記表2に示す。
Figure 2015181356
<実施例1>
(工程1)
調製例1で調製したサンプル液1mL(pH5クエン酸緩衝液、塩濃度:500mM)に、粒子(A)として洗浄処理を行ったDEAEをスピンダウン後の容積として30μLになるように投入し、10分間転倒混和した後、静置した。
なお、この場合において、粒子(A)の総表面積を上記式(1)で計算したところ、7.4cmとなり、フミン酸量は100μgである。よって、粒子(A)に対するフミン酸量は、13.5μg/cmである。
(工程2)
粒子(A)をスピンダウンして上澄み、すなわち精製ウイルス液を回収した。
(工程3)
精製ウイルス液中のフミン酸量およびファージ量を定量し、下記式(2)および(3)により、フミン酸除去率およびウイルス除去率を算出した。
Figure 2015181356
精製ウイルス液中のフミン酸量を、260nmの吸光度測定にて定量したところ、27μg/cmであった。
よって、フミン酸回収率は27%(すなわち、フミン酸除去率は73%)であった。
また、ファージ量については以下のように定量した。
すなわち、QIAGEN MinElute Virus Spinキット(株式会社キアゲン)を用いてファージRNAを抽出した。フミン酸による阻害の影響を排除してファージの回収率を算出するため、抽出したファージRNA液を100倍に希釈してリアルタイムRT−PCR法にてRNA量を定量した。測定に用いたプライマー及びプローブの配列は文献(Journal of Virological Methods 149(2008),p123−128)に従って作製し、測定はStepOnePlusリアルタイムPCRシステム(ライフテクノロジースジャパン株式会社)を使用した。
定量されたファージ量は、5.7×1010PFU/mLであった。
よって、ウイルス回収率は57%(すなわち、ウイルス除去率は43%)であった。
また、フミン酸除去率/ウイルス除去率を算出したところ、1.7であった。
<実施例2>
サンプル液1mL(pH5クエン酸緩衝液、塩濃度:500mM)に代えて、サンプル液1mL(pH5クエン酸緩衝液、塩濃度:100mM)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で精製ウイルス液を調製した。
実施例1と同様の方法でフミン酸回収率を測定したところ16.8%(すなわち、フミン酸除去率は83.2%)であった。また、実施例1と同様の方法でウイルス回収率を測定したところ67.8%(すなわち、ウイルス除去率は32.2%)であった。
よって、フミン酸除去率/ウイルス除去率は、2.6である。
<実施例3>
サンプル液1mL(pH5クエン酸緩衝液、塩濃度:500mM)に代えて、サンプル液1mL(pH5クエン酸緩衝液、塩濃度:50mM)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で精製ウイルス液を調製した。
実施例1と同様の方法でフミン酸回収率を測定したところ24.7%(すなわち、フミン酸除去率は75.3%)であった。また、実施例1と同様の方法でウイルス回収率を測定したところ99.0%(すなわち、ウイルス除去率は1.0%)であった。
よって、フミン酸除去率/ウイルス除去率は、75.3である。
<実施例4>
サンプル液1mL(pH5クエン酸緩衝液、塩濃度:500mM)に代えて、サンプル液1mL(pH5クエン酸緩衝液、塩濃度:10mM)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で精製ウイルス液を調製した。
実施例1と同様の方法でフミン酸回収率を測定したところ17.8%(すなわち、フミン酸除去率は82.2%)であった。また、実施例1と同様の方法でウイルス回収率を測定したところ99.0%(すなわち、ウイルス除去率は1.0%)であった。
よって、フミン酸除去率/ウイルス除去率は、82.2である。
<実施例5>
工程1において、DEAEのスピンダウン後の容積としての投入量30μLを150μLに変更し、サンプル液1mL(pH5クエン酸緩衝液、塩濃度:500mM)に代えて、サンプル液1mL(pH5クエン酸緩衝液、塩濃度:1mM)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で精製ウイルス液を調製した。
なお、この場合において、粒子(A)の総表面積を上記式(1)で計算したところ、37cmであり、フミン酸量は100μgである。よって、粒子(A)に対するフミン酸量は、2.7μg/cmである。
実施例1と同様の方法でフミン酸回収率を測定したところ7.3%(すなわち、フミン酸除去率は92.7%)であった。また、実施例1と同様の方法でウイルス回収率を測定したところ86.3%(すなわち、ウイルス除去率は13.7%)であった。
よって、フミン酸除去率/ウイルス除去率は、6.7である。
<実施例6>
サンプル液1mL(pH5クエン酸緩衝液、塩濃度:1mM)を調製例2で調製したサンプル液1mL(pH4クエン酸緩衝液、塩濃度:1mM)に変更したことを除いては、実施例5と同様の方法で精製ウイルス液を調製した。
実施例1と同様の方法でフミン酸回収率を測定したところ10.6%(すなわち、フミン酸除去率は89.4%)であった。また、実施例1と同様の方法でウイルス回収率を測定したところ78.4%(すなわち、ウイルス除去率は21.6%)であった。
よって、フミン酸除去率/ウイルス除去率は、4.1である。
<実施例7>
工程1において、調製例1で調製したサンプル液(pH5クエン酸緩衝液、塩濃度:1mM)に代えて、調製例3で調製したサンプル液(リン酸緩衝液、塩濃度:1mM)を用いたことを除いては、実施例5と同様の方法で精製ウイルス液を調製した。
実施例1と同様の方法でフミン酸回収率を測定したところ7.5%(すなわち、フミン酸除去率は92.5%)であった。また、実施例1と同様の方法でウイルス回収率を測定したところ99.0%(すなわち、ウイルス除去率は1.0%)であった。
よって、フミン酸除去率/ウイルス除去率は、94.6である。
<実施例8>
工程1において、DEAEのスピンダウン後の容積としての投入量30μLを300μLに変更し、サンプル液1mL(pH5クエン酸緩衝液、塩濃度:500mM)に代えて、サンプル液1mL(pH5クエン酸緩衝液、塩濃度:1mM)を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で精製ウイルス液を調製した。
なお、この場合において、粒子(A)の総表面積を上記式(1)で計算したところ、74cmであり、フミン酸量は100μgである。よって、粒子(A)に対するフミン酸量は、1.4μg/cmである。
実施例1と同様の方法でフミン酸回収率を測定したところ2.8%(すなわち、フミン酸除去率は97.2%)であった。また、実施例1と同様の方法でウイルス回収率を測定したところ65.7%(すなわち、ウイルス除去率は34.3%)であった。
よって、フミン酸除去率/ウイルス除去率は、2.8である。
<実施例9>
工程1において、調製例1で調製したサンプル液(pH5クエン酸緩衝液、塩濃度:500mM)に代えて、調製例4で調製したサンプル液(酢酸緩衝液、塩濃度:1mM)を用いたことを除いては、実施例8と同様の方法で精製ウイルス液を調製した。
実施例1と同様の方法でフミン酸回収率を測定したところ3.5%(すなわち、フミン酸除去率は96.5%)であった。また、実施例1と同様の方法でウイルス回収率を測定したところ64.1%(すなわち、ウイルス除去率は35.9%)であった。
よって、フミン酸除去率/ウイルス除去率は、2.7である。
<実施例10>
工程1において、DEAEに代えて、celfine−Aminoを用いたことを除いては、実施例3と同様の方法で精製ウイルス液を調製した。
なお、この場合において、粒子(A)の総表面積を上記式(1)で計算したところ、4.0cmであり、フミン酸量は100μgである。よって、粒子(A)に対するフミン酸量は、25.0μg/cmである。
実施例1と同様の方法でフミン酸回収率を測定したところ24.9%(すなわち、フミン酸除去率は75.1%)であった。また、実施例1と同様の方法でウイルス回収率を測定したところ93.5%(すなわち、ウイルス除去率は6.5%)であった。
よって、フミン酸除去率/ウイルス除去率は、11.5である。
<実施例11>
工程1において、DEAE30μLに代えて、SA−10Aを300μL投入したことを除いては、実施例4と同様の方法で精製ウイルス液を調製した。
なお、この場合において、粒子(A)の総表面積を上記式(1)で計算したところ、9.5cmであり、フミン酸量は100μgである。よって、粒子(A)に対するフミン酸量は、10.5μg/cmである。
実施例1と同様の方法でフミン酸回収率を測定したところ28.3(すなわち、フミン酸除去率は71.7%)であった。また、実施例1と同様の方法でウイルス回収率を測定したところ55.5%(すなわち、ウイルス除去率は44.5%)であった。
よって、フミン酸除去率/ウイルス除去率は、1.6である。
<実施例12>
工程1において、調製例1で調製したサンプル液に代えて、調製例6で調製したサンプル液(クエン酸緩衝液濃度:10mM)を用いたことを除いては、実施例8と同様の方法で精製サンプル液を調製した。
なお、この場合において、粒子(A)の総表面積は74cmであり、フミン酸量は1000μgである。よって、粒子(A)に対するフミン酸量は、13.5μg/cmである。
実施例1と同様の方法でフミン酸回収率を測定したところ11.0%(すなわち、フミン酸除去率は89.0%)であった。また、実施例1と同様の方法でウイルス回収率を測定したところ77.4%(すなわち、ウイルス除去率は22.6%)であった。
よって、フミン酸除去率/ウイルス除去率は、3.9である。
<実施例13>
(工程1および2)
DEAEを、直径2mmのカラムにスピンダウン後の容積として200μL充填した。次いで、DEAEを充填したカラムに、調製例1で調製したサンプル液1mL(pH5クエン酸緩衝液濃度:1mM)を通し、その後精製水1mlでカラムを洗浄して、精製ウイルス液を調製した。
なお、この場合において、粒子(A)の総表面積を上記式(1)で計算したところ、49.3cmであり、フミン酸量は100μgである。よって、粒子(A)に対するフミン酸量は、2.0μg/cmである。
得られた精製ウイルス液について、実施例1と同様の方法でフミン酸回収率を測定したところ11.6%(すなわち、フミン酸除去率は88.4%)であった。また、実施例1と同様の方法でウイルス回収率を測定したところ52.9%(すなわち、ウイルス除去率は47.1%)であった。
よって、フミン酸除去率/ウイルス除去率は、1.9である。
<実施例14>
調製例1で調製したサンプル液に代えて、調製例5で調製したサンプル液を用いたことを除いては、実施例13と同様の方法で精製ウイルス液を調製した。
実施例1と同様の方法でフミン酸回収率を測定したところ11.6%(すなわち、フミン酸除去率は88.4%)であった。また、実施例1と同様の方法でウイルス回収率を測定したところ50.0%(すなわち、ウイルス除去率は50.0%)であった。
よって、フミン酸除去率/ウイルス除去率は、1.8である。
<比較例1>
工程1において、調製例2で調製したサンプル液1mL(リン酸緩衝液、塩濃度:1mM)に、シリカゲルビーズ1000μLを投入したことを除いては、実施例1と同様の方法で精製ウイルス液を調製した。
実施例1と同様の方法でフミン酸回収率を測定したところ99.0%(すなわち、フミン酸除去率は1.0%)であった。また、実施例1と同様の方法でウイルス回収率を測定したところ99.0%(すなわち、ウイルス除去率は1.0%)であった。
よって、フミン酸除去率/ウイルス除去率は、1.0である。
<比較例2>
工程1において、調製例1で調製したサンプル液に代えて、調製例7で調製したサンプル液(クエン酸緩衝液濃度:1mM)を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で精製ウイルス液を調製した。
なお、この場合において、粒子(A)の総表面積は37cmであり、フミン酸量は10μgである。よって、粒子(A)に対するフミン酸量は、0.27μg/cmである。
実施例1と同様の方法でフミン酸回収率を測定したところ3.0%(すなわち、フミン酸除去率は97.0%)であった。また、実施例1と同様の方法でウイルス回収率を測定したところ1.0%(すなわち、ウイルス除去率は99.0%)であった。
よって、フミン酸除去率/ウイルス除去率は、0.98である。
実施例1〜14および比較例1〜2をまとめた結果を下記表3〜5に示す。
Figure 2015181356
Figure 2015181356
Figure 2015181356
フミン酸除去率/ウイルス除去率の値が大きいほど、フミン酸を選択的に除去することができたといえる。
ここで、表5の結果を見ると、実施例1〜14では、比較例1および2に対して優位に高い値となっており、特異的にフミン酸を除去できたことが分かる。
本発明のウイルス精製方法及びウイルス検出方法は、ウイルス検査方法に対し好適に使用可能である。

Claims (6)

  1. ウイルス及びフミン酸を含有するサンプル液を、カチオン性基を有し平均粒径が1〜3000μmである粒子(A)に接触させて精製ウイルス液を得る工程1を有し、
    前記粒子(A)の総表面積に対するフミン酸量が、0.5〜100μg/cmであることを特徴とする、精製ウイルス液の製造方法。
  2. 前記カチオン性基が、アミノ基または4級アンモニウム基である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記粒子(A)が、アガロースゲル、セルロースゲル、またはデキストランゲルである、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記サンプル液が、さらに塩を含み、
    前記サンプル液の前記塩濃度が、50mM以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記サンプル液中におけるフミン酸濃度が3μg/mL以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. ウイルス及びフミン酸を含有するサンプル液を、カチオン性基を有し平均粒径が1〜3000μmである粒子(A)に接触させて精製ウイルス液を得る工程1を有し、
    前記粒子(A)の総表面積に対するフミン酸量が、0.5〜100μg/cmであって、
    前記粒子(A)と前記精製ウイルス液とを分離する工程2を有し、
    さらに、前記精製ウイルス液をウイルス検出工程に供する工程3とを有することを特徴とする、ウイルスの検出法。
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