JP2015180842A - 直動アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】直線運動要素と対向する固定部14bに配設されて案内突起と係合して案内突起36,37を軸方向に案内するガイド部材40は軸方向に延在して互いに対向している一対の摺動面40b2,40c2を形成し、固定部の直線運動要素に対面する位置に軸方向に形成した支持孔41a,41bに回動自在に保持されているとともに、一対の摺動面に側面が摺動する案内突起の半径方向外方の端部位置を、ガイド部材の回動中心Pgより半径方向外方に位置させている。そして、案内突起の一対の側面は、半径方向外方の端部から半径方向内方の基部に向かうに従い幅寸法が徐々に減少したテーパー面40b2,40c2として形成され、一対の摺動面は、半径方向外方の端部から半径方向内方の端部まで同一寸法で離間した平行面である。
【選択図】図4
Description
このために、ナット部材と回転駆動力が伝達される断面C字状のブラケットとを一体に構成し、ナット部材にボールを介して固定配置されたねじ軸を螺合させ、ねじ軸にストッパピンを形成するとともに、ブラケットに切欠きを形成し、ナット部材を回転させながら縮み方向に移動させたときに、所定位置でストッパピンに切欠きが当接して強制停止するようにしたボールねじ装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このために、ナットにボールを介して螺合されたねじ軸を備え、ナットに形成された回り止め部材をハウジングに形成された案内溝内に係合させて回り止めを行うようにしたボールねじ機構が提案されている(例えば、特許文献3参照)。逆に、ハウジングに固定されたピンをナットに形成した溝内に摩擦低減部材となるブッシュを介して係合させて回り止めを行うアクチュエータも提案されている(例えば、特許文献4参照)。
このストロークエンドでのロック状態に陥ることを回避するためには、特許文献2に記載された従来例のように、直線運動用途のストロークエンドを規定するストッパ機能を設ける必要がある。しかしながら、これら特許文献2に記載された従来例では、直線運動要素のストロークエンドを規制するストッパ機能のみを有するので、直線運動要素の回り止めを行うには、別途回り止め機構を設ける必要がある。
これら接触抵抗や摩(磨)耗を低減するために、特許文献4に記載された従来例では、摩擦低減部材を用いることにより、溝と突起の接触抵抗を小さくして摩擦を抑制するようにしている。しかしながら、通常、組立性や加工時のバラツキを考慮して、溝と突起との間には所定隙間を設けているので、突起が溝側壁に当接しても、突起と溝側壁は角度を持った状態で接触し、点接触(或いは線接触)となって、接触箇所の面圧が高くなり、長期間使用した場合に、偏磨耗、ガタの増大に繋がるという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、カムフォロアを設けることなく、偏磨耗を抑制することができる直動アクチュエータを提供することを目的としている。
摺動面及び案内突起の側面の接触面積は、回動中心を境として半径方向外方側の接触面積と半径方向内方側の接触面積とが等しくなるようにした。
また、請求項4記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の直動アクチュエータにおいて、ガイド部材は、直線運動要素のストロークエンドで案内突起に係合することで直線運動要素のストロークを停止させるストローク停止部を設けている。
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の直動アクチュエータにおいて、ガイド部材は、支持孔の内周面に形成した円周方向に延在する凹条に嵌まり込む係合基部を備え、係合基部が、直線運動要素のストロークエンドで案内突起が係合するストローク停止部である。
さらに、請求項7記載の発明は、請求項1から6の何れか1項に記載の直動アクチュエータにおいて、前記直線運動要素にその中心軸を挟む対称位置に一対の前記案内突起を形成し、前記固定部の前記直線運動要素の中心軸を挟む対象位置に一対の前記支持孔を形成し、一対の前記支持孔に一対の前記ガイド部材を個別に回動自在に保持し、前記一対のガイド部材の一対の摺動面の間に前記一対の案内突起を個別に配置した。
また、以下に示す第1及び第2実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
図中、10は直動アクチュエータであって、この直動アクチュエータ10は、ともに例えばアルミニウム又はアルミニウム合金でダイキャスト成形された主ハウジング11A及び副ハウジング11Bを有する。
主ハウジング11Aは、図2及び図3に示すように、電動モータ12を前面側に装着するモータ装着部13と、このモータ装着部13と並列に配設されたボールねじ機構20を背面側に装着するボールねじ機構装着部14とを有する。これらモータ装着部13及びボールねじ機構装着部14は、互いの中心軸が平行となるように形成されている。
ボールねじ機構装着部14は、図3に示すように、背面側に形成したモータ装着部13の小径孔部13cに対応する位置に形成したボールねじ機構収納部14aと、このボールねじ機構収納部14aに連通して前方に延長する円筒部14bと、この円筒部14bの前端に連通するシール収納部14cとを有する。
一方、ボールねじ機構20は、主ハウジング11A及び副ハウジング11Bのボールねじ機構収納部14a及び17にシール付の転がり軸受21a及び21bによって回転自在に支持した回転運動要素としてのボールねじナット22と、このボールねじナット22に多数のボール23(図6参照)を介して螺合する直線運動要素としてのボールねじ軸24とを備えている。
ここで、ストッパ部25dは、回転運動要素となるボールねじナット22のボールねじ溝25a及び循環溝25bの少なくとも一方の溝加工前に成形し、ボールねじ溝25a及び循環溝25bの少なくとも一方の加工基準とすることが好ましい。
そして、ドリブンギヤ26を円筒部材25に装着するには、図5及び図6に示すように、ドリブンギヤ26のインボリュートスプライン孔部26aを円筒部材25のインボリュートスプライン軸部25cに噛合させる。そして、ドリブンギヤ26の内周面側の軸方向端部に転がり軸受21a及び21bの内輪を当接させるように圧入嵌合する。これにより、ドリブンギヤ26を円筒部材25に軸方向及び回転方向に移動不可能に固定できる。
したがって、ガイド部材40を保持したときに、ガイド部材40が支持孔41a及び41bから脱落して円筒部14bの内周面に突出することを防止している。これら支持孔41a及び41bの前端は、シール収納部14cに開口している。
そして、支持孔41a及び41bには、半径方向外方に突出する凹条41cを支持孔41a及び41bの前端側(図3の左側)に形成している。
係合基部40aは、支持孔41a及び41bの前端側に形成した凹条41cに嵌まり込んで軸方向の移動が規制される。この係合基部40aが凹条41cに嵌まり込むと、一対の案内腕部40b,40cが支持孔41a、或いは支持孔41bに沿って延在する。ここで、一対の案内腕部40b,40cの外周40b1,40c1は、支持孔41a及び41bの内周面と略同一の形状、すなわち、半円形より大きい弦に形成されている。
次に、上記直動アクチュエータ10の組立方法を説明する。
先ず、主ハウジング11Aの支持孔41a及び41bにそれぞれガイド部材40を装着保持する。このガイド部材40を支持孔41a(又は41b)に装着するには、支持孔41a(又は41b)の前端側に形成した凹条41cに係合基部40aを嵌め込むとともに、一対の案内腕部40b,40cを、その外周40b1,40c1が支持孔41a(又は41b)の内周面に接触するように、支持孔41a(又は支持孔41b)内に配置する。
一方、ボールねじ機構20を別途組立てる。このボールねじ機構20の組立ては、先ず、ボールねじナット22の円筒部材25の外周面における軸方向の中央部にドリブンギヤ26をスプライン結合させ、その両脇に転がり軸受21a及び21bを装着し、これら転がり軸受21a及び21bの内輪によってドリブンギヤ26を固定する。
ここで、回り止め部材34の装着位置は、ボールねじナット22及びボールねじ軸24間のボールの外部への抜け出しを阻止可能なストロークエンドで案内突起36をガイド部材40の一対の案内腕部40b,40cの間に位置させる。
なお、電動モータ12の主ハウジング11Aへの装着は、主ハウジング11Aへのボールねじ機構20の装着前に行うようにしてもよい。
この組立完了状態では、図3及び図4に示すように、ガイド部材40の一対の案内腕部40b,40cの間に、回り止め部材34の案内突起36及び37が位置した状態となる。
このとき、他方の案内腕部40cのテーパー面40c2と案内突起36(又は37)とは接触せず、テーパー面40c2の径方向外側と案内突起36(又は37)の突起上部との間には角度αの隙間が存在する。
このとき、回り止め部材34の案内突起36及び37も、図12に示すように、反時計方向に回動し、案内突起36及び37の突起上部が他方の案内腕部40cのテーパー面40c2の径方向外側に接触する。ここで、他方の案内腕部40cにテーパー面40c2を設けたことから、回転中心Pgの近傍で案内突起36及び37が接触するおそれがない。
このとき、ボールねじ軸24の軸方向の移動は、案内突起36及び37とガイド部材40のテーパー面40c2とは図13の面接触状態を維持した状態で行われる。
したがって、案内突起36及び37がガイド部材40のテーパー面40c2に面接触状態で接触することにより、長期間の使用によっても案内突起36及び37とガイド部材40とに生じる偏磨耗を確実に防止できる。
この場合にも、案内突起36及び37からガイド部材40に対して反時計方向のモーメントM1が作用される。
同様に、電動モータ12を逆回転させて、ボールねじ軸24に時計方向の回転力を伝達したときには、案内突起36及び37がガイド部材40の一方の案内腕部40bのテーパー面40b2に面接触状態で接触して軸方向に移動することになり、同様に案内突起36及び37とガイド部材40のテーパー面40b2とに生じる偏磨耗を確実に防止できる。
そして、軸方向に後退してきた案内突起36及び37が、支持孔41a及び41bの前端側に形成した凹条41cに嵌まり込んでいるガイド部材40の係合基部40aに当接することで、ボールねじ軸24の軸方向の後退が規制される。
このように、第1実施形態によると、案内突起36及び37とガイド部材40の案内腕部40b,40cのテーパー面40b2,40c2とを、面接触状態を維持しながら軸方向に移動させることができる。
また、2つの案内突起36及び37を円筒部材25の軸線を挟んで対称位置に形成しているので、案内突起36及び37でガイド部材40を押圧する際の反力を分割して分担することができ、摩耗の発生を低減することができる。
また、図16及び図17に示すものは、第2実施形態の直動アクチュエータを示すものである。
一対の案内腕部45b,45cの互いに対向する面45b2,45c2も、互いに離間する方向に傾斜しているテーパー面(以下、テーパー面45b2,45c2と称する)として形成されている。
一方、第2実施形態のテーパー面45b2,45c2に面接触する回り止め部材34の案内突起36及び37は、図16に示すように、径方向外方に面取り部36a,37aを設けることで、テーパー面45b2,45c2の径方向外方側の接触面積が小さくなるようにしている。
また、第1及び第2実施形態では、電動モータ12とボールねじ機構20のボールねじナット22とを歯車式動力伝達機構で連結した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、プーリーとタイミングベルトとによるベルト式動力伝達機構やその他の動力伝達機構で連結するようにしてもよい。
さらに、第1及び第2実施形態では、ガイド部材40,80の材質を鋼にした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、合成樹脂やセラミック等で構成することもでき、任意の材質とすることができる。
Claims (7)
- 回転運動要素及び直線運動要素を有し、前記回転運動要素に伝達された回転運動を直線運動に変換するボールねじ機構を備え、
前記ボールねじ機構は、前記直線運動要素に設けた半径方向に突出する案内突起と、
前記直線運動要素と対向する固定部に配設されて前記案内突起と係合して当該案内突起を軸方向に案内するガイド部材とを有して、前記直線運動要素の回り止めを行う構成とされ、
前記ガイド部材は、軸方向に延在して互いに対向している一対の摺動面を形成し、前記固定部の前記直線運動要素に対面する位置に軸方向に形成した支持孔に回動自在に保持されているとともに、
前記一対の摺動面に側面が摺動する前記案内突起の半径方向外方の端部位置を、前記ガイド部材の回動中心より半径方向外方に位置させ、
前記案内突起の一対の側面は、半径方向外方の端部から半径方向内方の基部に向かうに従い幅寸法が徐々に減少したテーパー面として形成されており、
前記一対の摺動面は、半径方向外方の端部から半径方向内方の端部まで同一寸法で離間した平行面であることを特徴とする直動アクチュエータ。 - 回転運動要素及び直線運動要素を有し、前記回転運動要素に伝達された回転運動を直線運動に変換するボールねじ機構を備え、
前記ボールねじ機構は、前記直線運動要素に設けた半径方向に突出する案内突起と、
前記直線運動要素と対向する固定部に配設されて前記案内突起と係合して当該案内突起を軸方向に案内するガイド部材とを有して、前記直線運動要素の回り止めを行う構成とされ、
前記ガイド部材は、軸方向に延在して互いに対向している一対の摺動面を形成し、前記固定部の前記直線運動要素に対面する位置に軸方向に形成した支持孔に回動自在に保持されているとともに、
前記一対の摺動面に側面が摺動する前記案内突起の半径方向外方の端部位置を、前記ガイド部材の回動中心より半径方向外方に位置させ、
前記案内突起の一対の側面は、半径方向外方の端部から半径方向内方の基部に向かうに従い幅寸法が徐々に減少したテーパー面として形成されており、
前記一対の摺動面の少なくとも前記回動中心より半径方向内方の面形状は、前記半径方向内方に向かうに従い、互いの面が徐々に離間するテーパー面として形成されていることを特徴とする直動アクチュエータ。 - 前記摺動面及び前記案内突起の側面の接触面積は、前記回動中心を境として半径方向外方側の接触面積と半径方向内方側の接触面積とが等しくなるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の直動アクチュエータ。
- 前記ガイド部材は、前記直線運動要素のストロークエンドで前記案内突起に係合することで該直線運動要素のストロークを停止させるストローク停止部を設けていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の直動アクチュエータ。
- 前記ガイド部材は、前記支持孔の内周面に形成した円周方向に延在する凹条に嵌まり込む係合基部を備え、当該係合基部が、前記直線運動要素のストロークエンドで前記案内突起が係合するストローク停止部であることを特徴とする請求項4記載の直動アクチュエータ。
- 前記ガイド部材は、前記係合基部の一方の面から互いに平行に延在し、互いに対向する面を前記一対の摺動面とした一対の案内腕部を備えていることを特徴とする請求項5記載の直動アクチュエータ。
- 前記直線運動要素にその中心軸を挟む対称位置に一対の前記案内突起を形成し、前記固定部の前記直線運動要素の中心軸を挟む対象位置に一対の前記支持孔を形成し、一対の前記支持孔に一対の前記ガイド部材を個別に回動自在に保持し、前記一対のガイド部材の一対の摺動面の間に前記一対の案内突起を個別に配置したことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の直動アクチュエータ。
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