JP6513758B2 - バルブ開度調節機構 - Google Patents

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この発明は、ウォータハンマー現象等の不具合を回避しつつバルブのスムーズな開閉操作を可能とする、バルブの開度を調節するためのバルブ開度調節機構に関する。
上水道、農業用水、工業用水などの供給のために敷設されたパイプラインには、このパイプラインのメンテナンスなどを行うために、通水を停止するためのバルブが設けられている。このバルブは、開閉操作軸を回転操作して弁体の開閉を行うようになっているが、一般的なバルブは閉弁状態で弁体に大きな水圧が負荷されており、閉弁状態の弁体を開弁するには、非常に大きな操作力を要する。その一方で、閉弁状態から弁体を急に開弁すると、水が一気に流れることによって大きな水圧変化が生じ、ウォータハンマー、エアハンマーなどのようにバルブやパイプラインに衝撃を与える現象が生じ、配管やこの配管に設置された機器などにダメージを与える問題がある。このため、閉弁状態からの開弁を力任せに行うのは好ましくない。この水圧変化に起因するウォータハンマー現象は、開弁時のみならず閉弁時にも生じ得る。
この問題を解決すべく、例えば特許文献1においては、入力軸の回転を出力軸に伝達して、この出力軸に設けられたバルブの開閉を行う減速装置において、入力軸の回転に伴って軸方向に移動するフィードナットに径方向外向きに突出するピンを設けるとともに、出力軸に連結されたドラムカムに、前記ピンが嵌入する傾斜溝を形成した構成が開示されている。この傾斜溝の勾配は、バルブ開度の0度と90度に対応する部分(全開または全閉付近)で減速比が大きくなるように、そして、バルブ開度の45度に対応する部分で減速比が小さくなるように決められている。このように、傾斜溝を形成し、全開または全閉付近におけるバルブの開閉速度を小さくすることにより、開閉弁時におけるウォータハンマー現象を抑制している。
また、特許文献2においては、入力軸の回転を出力軸に伝達して、この出力軸に設けられたバルブの開度を調節するバルブ開度調節機構において、入力軸にねじ込まれたコマ部材に、径方向外向きに突出する案内突起を設けるとともに、出力軸に形成された減速溝に前記案内突起を差し込んだ構成が開示されている。この減速溝は、入力軸を法線とする面に対して傾斜角が大きい第一減速溝と、第一減速溝よりも傾斜角が相対的に小さい第二減速溝を有している。このように、部分的に傾斜溝の傾斜角を異ならせて、全閉付近におけるバルブの開閉速度を小さくすることにより、開閉弁時におけるウォータハンマー現象を抑制している。
この案内突起の先端は、入力軸などを収納するハウジングに形成された、この入力軸方向に沿う案内溝によって案内される。これにより、コマ部材が入力軸の回転とともに軸周りに回転するのを規制しつつ、このコマ部材を軸方向に移動させることができる。この案内溝と案内突起の摺動部においては、例えば、図12に示すように、案内溝100内にあり溝状の凹部101を形成し、この凹部101にハウジング102を構成する素材よりも耐摩耗性が高い素材からなる断面台形状の案内部材103を設けた構成とすることができる。この案内部材103を設けることにより、案内突起104との間の摺動に伴う案内溝100の内面の摩耗防止を図っている。この案内部材103と案内突起104との間には、図13(a)に示すように、案内突起104の上下動をスムーズに行うための隙間g’が形成されている。
特開昭56−24274号公報 特開2016−70458号公報
特許文献2に係るバルブ開度調節機構に、図12に示す案内部材103を採用した構成においては、入力軸105の軸周りの回転(図13(b)中の矢印参照)に伴って、案内突起104の先端部が案内部材103に強く当接して点接触状態となり、この当接部(図13(b)中でS’を付した部分)で応力集中が生じる。このため、この案内突起104の端部と案内部材103が噛み合った状態となって、案内突起104がスムーズに上下動できない虞がある。また、あり溝状の凹部101に、がたつきなく案内部材103を挿し込むためには、この案内部材103の高い加工精度が要求されるため、加工費が増大する虞もある。
そこで、この発明は、案内突起を案内溝によってスムーズに案内することが可能なバルブ開度調節機構を構成することを課題とする。
上記の課題を解決するため、この発明は、外周面にねじが形成された入力軸と、前記入力軸の軸心から径方向外向きに突出する案内突起が形成され、前記入力軸に相対回転自在にねじ込まれるコマ部材と、前記案内突起を案内する案内溝が前記入力軸の軸方向に沿って延設され、前記入力軸の軸周りの回転に伴って、前記コマ部材がその軸周りに回転するのを規制しつつ軸方向に案内する回転規制部材と、前記入力軸を法線とする面に対して、軸方向位置において傾斜角の異なる部分を有する減速溝が円筒面に形成され、前記入力軸の操作に伴って、前記減速溝内に設けられた前記案内突起が、この減速溝内を案内されることによって軸周りに回転する、前記入力軸と同軸に設けられる減速部材と、前記減速部材とともに軸周りに回転する出力軸と、を備え、前記回転規制部材が、軸方向に沿う円筒面が形成された案内凹部と、前記案内溝が形成され、前記案内凹部の前記円筒面によって軸周りに回動可能に案内される円柱面を有する、前記案内凹部内に挿し込まれた案内部材と、を有するバルブ開度調節機構を構成した。
このように、回転規制部材を構成すると、入力軸の軸周りの回転に伴って、案内突起の先端部が案内部材に形成された案内溝の内面に当接したときに、その当接力によって、この案内部材がその円柱面が案内凹部に形成した円筒面に沿うように軸周りに回転する。この回転によって、案内突起と案内溝との間の線接触状態が維持され、この案内突起を案内溝によってスムーズに案内することができる。
前記構成においては、前記案内突起に設けられ、前記回転規制部材の前記案内溝の内周面に当接するように設けられたコロをさらに備えた構成とするのが好ましい。このように、コロを設けることにより、案内突起と案内溝との間の摩擦を低減して、案内溝による案内突起の案内を一層スムーズに行うことができる。
前記各構成においては、前記入力軸と、前記減速部材との間に介在するスラスト軸受をさらに備えた構成とするのが好ましい。このように、スラスト軸受を介在させることにより、入力軸の回転に伴って減速部材が回転したときに、その回転速度の違いに起因して生じる摩擦ロスを防止して、入力軸から減速部材を経由して出力軸に伝達される回転力の伝達効率を向上することができる。
前記各構成においては、前記減速溝が、前記入力軸を法線とする面に対して第一傾斜角傾斜した第一減速溝と、この第一減速溝と連通し、前記面に対して前記第一傾斜角よりも小さい第二傾斜角傾斜した第二減速溝とを有し、閉弁状態のバルブの開弁操作に伴って、前記減速溝内に設けられた前記案内突起が、前記第一減速溝側から前記第二減速溝側に向かって案内される構成とするのが好ましい。
このように、減速溝を構成すると、案内突起が、第一傾斜角傾斜した第一減速溝と、第一傾斜角よりも小さい第二傾斜角傾斜した第二減速溝を順次案内されることにより、入力軸の回転速度を一定にした場合においても、閉弁状態付近のバルブ操作をゆっくりと行いたい状況においては、第一減速溝の作用により出力軸の回転速度を小さくし、ある程度バルブが開弁した後は、第二減速溝の作用により出力軸の回転速度を相対的に大きくすることができる。このため、閉弁状態から開弁する際に、大きな水圧変化によるウォータハンマー現象などの問題が生じるのを防止することができるとともに、ある程度開弁してウォータハンマー現象などの虞がない状態となった後は、出力軸の回転速度を高めて、バルブ操作を速やかに行うことができる。
上記のように、減速溝を第一減速溝と第二減速溝で構成する代わりに、前記減速溝が、前記入力軸を法線とする面に対して傾斜角が次第に小さくなる減速溝が円筒面に形成され、閉弁状態のバルブの開弁操作に伴って、前記減速溝内に設けられた前記案内突起が、前記減速溝の傾斜角の大きい位置から小さい位置に向かって案内される構成とすることもできる。
このように、減速溝の傾斜角を次第に小さくして、曲線状に形成した場合においても、前記構成と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、閉弁状態のバルブの開弁操作に伴って、案内突起が、減速溝の傾斜角が大きい位置から小さい位置に向かって案内されることにより、入力軸の回転速度を一定にした場合においても、開弁直後のようにバルブ操作をゆっくり行いたい状況においては、減速溝の中で傾斜角が大きい位置の作用により出力軸の回転速度を小さくし、ある程度バルブが開弁した後は、減速溝の中で傾斜角が小さい位置の作用により出力軸の回転速度を大きくすることができる。
この発明では、入力軸の回転を減速して出力軸に出力する減速機能を備えたバルブ開度調節機構において、入力軸にねじ込まれたコマ部材の回転を規制する回転規制部材が、軸方向に沿う円筒面が形成された案内凹部と、前記コマ部材を案内する案内溝が形成され、前記案内凹部の前記円筒面によって軸周りに回動可能に案内される円柱面を有する、前記案内凹部内に挿し込まれた案内部材と、を有する構成を採用した。
このように構成することにより、入力軸の軸周りの回転に伴って、案内突起の先端部が案内部材に形成された案内溝の内面に当接したときに、その当接力によって、この案内部材がその円柱面が案内凹部に形成した円筒面に沿うように軸周りに回転する。この回転によって、案内突起と案内溝との間の線接触状態が維持され、この案内突起を案内溝によってスムーズに案内することができる。
本願発明に係るバルブ開度調節機構の一実施形態を示し、(a)は平面図(一部断面図)、(b)は正面図(一部断面図) 図1に示すバルブ開度調節機構の分解斜視図 図1(b)中のIII−III線に沿う断面図 図1に示すバルブ開度調節機構の要部(図1(b)中のB部)の断面図 図1に示すバルブ開度調節機構をバルブに取り付けた状態を示す正面図(一部断面図) 図1(b)中のVI−VI線に沿う断面図 図6中の要部(図6中のC部)の断面図であって、(a)は入力軸を回転させていない状態、(b)は入力軸を回転させた状態 減速部材に形成した減速溝の一例を示す展開図 図8に示す減速溝で案内突起を案内したときにおいて、(a)は入力軸の回転量と出力軸の回転速度との間の関係を示す図、(b)は入力軸の回転量と出力軸の回転量との間の関係を示す図 減速部材に形成した減速溝の変形例を示す展開図 図10に示す減速溝で案内突起を案内したときにおいて、(a)は入力軸の回転量と出力軸の回転速度との間の関係を示す図、(b)は入力軸の回転量と出力軸の回転量との間の関係を示す図 従来技術に係るバルブ開度調節機構の要部の断面図 図12中の要部(図12中のD部)の断面図であって、(a)は入力軸を回転させていない状態、(b)は入力軸を回転させた状態
本願発明に係るバルブ開度調節機構1の実施形態について、図1(a)に平面図(一部断面図)を、(b)に正面図(一部断面図)を、図2に分解斜視図を、図3、図4に断面図をそれぞれ示す。このバルブ開度調節機構1は、図5に示すバルブVの開閉操作軸Aに設けられ、バルブVの閉弁状態付近における開閉操作軸Aの操作によってウォータハンマー現象などの不具合が生じるのを防止しつつ、ある程度開弁した状態においては、速やかにバルブVの開閉操作を行い得るようにするとともに、その操作を小さな力で行い得るように構成したものである。
このバルブ開度調節機構1は、入力軸2、コマ部材3、回転規制部材4、減速部材5、および、出力軸6を主要な構成要素としている。入力軸2、コマ部材3、および、減速部材5は、ハウジング7内に収納されている。回転規制部材4は、ハウジング7の内面側に形成されている。ハウジング7の上端には、このハウジング7の上部開口を塞ぐ蓋部8が、ボルト9とナット10で取り付けられている。この蓋部8の中心には、入力軸2を通すための貫通孔が形成されている。ハウジング7の下端には、出力軸6が収納される筒状のベース部11が取り付けられている。
入力軸2の外周面には、雄ねじ2a(ねじ)が形成されている。この入力軸2の頭部の嵌合部12には、キャップ13が設けられている。このキャップ13は、固定ねじ14で嵌合部12に固定されている。入力軸2にはフランジ2bが形成されており、このフランジ2bの軸方向の両側にスラスト軸受15が設けられている。このスラスト軸受15は、入力軸2と減速部材5またはこの減速部材5とともに軸周りに回転する後述するカバー部材23との間に介在している。このように、スラスト軸受15を介在させることにより、入力軸2と減速部材5との間の摩擦ロスを防止して、入力軸2から減速部材5を経由して出力軸6に伝達される回転力の伝達効率を向上することができる。
コマ部材3の回転軸心には、雌ねじ3aが形成されている。この雌ねじ3aに、入力軸2に形成された雄ねじ2aがねじ込まれており、入力軸2とコマ部材3は相対回転可能となっている。このコマ部材3には、径方向外向きに突出する180度回転対称の一対の案内突起16が形成されている。この案内突起16には、軸心内側から、第一コロ17、第二コロ18(コロ)がそれぞれ設けられている。このように、案内突起16に各コロ17、18を設けることにより、案内突起16と後述する減速溝22および案内溝20との間の摩擦を低減して、入力軸2の回転操作を一層スムーズに行うことができる。
回転規制部材4は、入力軸2を軸周りに回転させた際に、コマ部材3がその軸周りに回転するのを規制しつつ軸方向に案内するための部材である。この回転規制部材4は、図6、図7(a)に示すように、軸方向に沿う円筒面が形成された案内凹部19と、案内溝20が入力軸2の軸方向に沿って延設され、案内凹部19に形成された円筒面によって軸周りに回動可能に案内される円柱面を有する、案内凹部19内に挿し込まれた案内部材21とを備えている。案内溝20には、案内突起16に設けられた第二コロ18が挿し込まれている。この第二コロ18は、案内溝20内を転動可能となっている。
案内凹部19は、ハウジング7の内面に、その軸方向に沿うようにドリル加工およびリーマ加工を行うことによって形成される。また、案内部材21の案内溝20は、丸棒に対し、その軸方向に沿って削り出し加工を行うことによって形成される。これらの加工はいずれも容易であり、加工精度も要求されないため、低コストで行うことができる。
図7(b)に示すように、入力軸2を軸周りに回転すると、その回転に伴って案内突起16も同方向に回転する(本図中の矢印参照)。このとき、案内突起16が案内部材21の案内溝20に当接し、この当接力によって、案内部材21が偏心するとともに案内突起16と同方向に回転する。これによって、案内突起16(第二コロ18)と案内部材21の案内溝20との間の線接触状態が維持され(図7(b)中の符号S参照)、この案内突起16(第二コロ18)を案内溝20によってスムーズに案内することができる。
この実施形態においては、図7(a)に示すように、案内凹部19の円筒面と案内部材21の円柱面との間に隙間gを設けた構成としたが、案内部材21がスムーズに案内される限りにおいて、隙間gの大きさを変更したり、隙間gを形成しない構成としたりすることもできる。
減速部材5は、その内部に入力軸2が同軸に挿入される円筒状の部材である。この減速部材5の円筒面には、入力軸2を法線とする面に対して、この減速部材5の軸方向位置において傾斜角θの異なる部分を有し、この減速部材5の下端側に貫通する、軸中心対称の2本の減速溝22、22が形成されている。この減速溝22は、円筒内面から円筒外面に貫通している。この実施形態においては、図8に示すように、減速溝22は、前記面に対して第一傾斜角θ1傾斜した第一減速溝22aと、前記面に対して第二傾斜角θ2傾斜した第二減速溝22bとから構成されている。第一傾斜角θ1の方が、第二傾斜角θ2よりも大きく、両減速溝は22a、22bの一端部で互いに連通している。
この減速溝22には、案内突起16に設けられた第一コロ17が挿し込まれている。この第一コロ17は、減速溝22内を転動可能となっている。減速部材5の下端開口は、円板状の底板26によって塞がれている。
閉弁状態においては、コマ部材3の案内突起16は第一減速溝22aの端部近傍に位置している一方で、バルブVを全開した状態では、案内突起16は第二減速溝22bの端部に位置している。図1(b)中の減速溝22とコマ部材3の位置関係は、バルブVが全開のときの状態を示している。
減速部材5の上端部には、軸心に貫通孔が形成されたカバー部材23が固定されている。このカバー部材23の上端部には、上向きに突出するフランジ24が形成されている。カバー部材23は、ボルト25によって減速部材5の上端に固定されている。
出力軸6は、減速部材5の下端に嵌め込まれた底板26に嵌合しており、この減速部材5および底板26とともに軸周りに回転する。出力軸6の外周面には、図3に示すように、中心角90度の範囲で径方向外向きに突出する規制突起27が形成されている。この出力軸6には、図5に示すように、開閉操作軸Aを介してバルブVが取り付けられる。このバルブ開度調節機構1で出力軸6の回転速度を減速した上でバルブVに伝達することにより、ウォータハンマー現象などの不具合を防止することができる。
ベース部11には、2本の規制ボルト28、28が平行に設けられている。出力軸6に形成された規制突起27は、2本の規制ボルト28、28の先端がなす180度の角度範囲内に位置しており、規制突起27がいずれかの規制ボルトの先端に当接するまで、入力軸2の回転に伴って90度の角度範囲内で回転することができる。この角度範囲は90度に限定されるものではなく、減速部材5に形成した減速溝22の形状に対応して適宜変更することができる。
ベース部11と出力軸6との間には、軸受29が設けられている。この軸受29によって、ベース部11に対し、出力軸6がスムーズに回転し得るようにしている。
蓋部8に形成された貫通孔からは、入力軸2に固定されたカバー部材23のフランジ24と、このカバー部材23と同軸に設けられた入力軸2とが突出している。このフランジ24には、減速部材5(出力軸6)の軸周りの回転とともに回転する指針30が設けられている。蓋部8の上面には、バルブVの開度を表示する開度目盛31が表示されている。指針30によって指し示された開度目盛り31の値を読み取ることによって、入力軸2の回転に伴うバルブVの開度を、使用者が容易に知ることができる。
減速部材5に形成した減速溝22を平面図に展開すると図8のようになる。上述したように、この減速溝22は、入力軸2を法線とする面に対して第一傾斜角θ1傾斜した第一減速溝22aと、前記面に対して第二傾斜角θ2傾斜した第二減速溝22bとから構成されている。第一傾斜角θ1の方が、第二傾斜角θ2よりも大きく、両減速溝22a、22bはP2の位置で互いに連通している。閉弁状態においては、コマ部材3の案内突起16は、第一減速溝22aの端部付近、すなわちP1に位置している。
閉弁状態からバルブVを開弁していくと、図8中の矢印に沿って案内突起16が減速溝22の中で相対移動し、P2の位置から第二減速溝22bに移り、案内突起16がP3の位置に至った時にバルブVは全開状態となる。開弁状態のバルブVを閉弁するときは、案内突起16が減速溝22の中でこれと逆向きに相対移動する。
次に、図8に示す減速溝22(第一減速溝22a、第二減速溝22b)で案内突起16を案内したときの、入力軸2と出力軸6の回転量などの関係について、図9を用いて説明する。
P1からP2までの範囲、すなわち閉弁状態からある程度開弁した状態までの範囲においては、出力軸6の回転速度V1は、後述するP2からP3までの領域における出力軸6の回転速度V2と比較して相対的に小さく(図9(a)参照)、出力軸6の回転量の増加も緩やかである(図9(b)参照)。このため、閉弁状態近傍におけるバルブVの開閉操作に起因するウォータハンマー現象などの発生を防止することができるとともに、入力軸2の回転に要する回転トルクを軽減して、その回転操作をスムーズに行うことができる。
その一方で、P2からP3までの範囲、すなわち、バルブVがある程度開弁した状態においては、出力軸6の回転速度がV1からV2に増加し(図9(a)参照)、出力軸6の回転量の増加も急峻となる(図9(b)参照)。このため、バルブVの開閉操作を速やかに行うことができる。
減速溝22の傾斜角度として、例えば、第一傾斜角θ1を60度、第二傾斜角θ2を30度とすることができる。このように傾斜角度を設定することにより、第二減速溝22bの減速比に対して、第一減速溝22aの減速比を2倍、すなわち入力軸2の回転速度を一定に保った場合、出力軸6の回転速度を1/2にすることができる。この傾斜角度は、勿論上記の値に限定されず、バルブVのタイプ、水量、大きさ等の種々の要因を考慮に入れた上で、適宜変更することができる。なお、この実施形態では、減速溝22を第一減速溝22aと第二減速溝22bの2段で構成したが、この段数をさらに多段とすることも許容される。
減速部材5に形成した減速溝22の変形例の展開図を図10に示す。この減速溝22は、図8に示した減速溝22と異なり、入力軸2を法線とする面に対して傾斜角θを有しているが、この傾斜角θが次第に小さくなる構成となっている。
閉弁状態においては、コマ部材3の案内突起16は、減速溝22の端部付近、すなわちP4に位置している。閉弁状態からバルブVを開弁していくと、図10中の矢印に沿って案内突起16が減速溝22の中で相対移動し、P4の位置からP5の位置を経由して、P6の位置に至った時にバルブVは全開状態となる。開弁状態のバルブVを閉弁するときは、これと逆向きに案内突起16が減速溝22の中で相対移動する。
次に、図10に示す減速溝22で案内突起16を案内したときの、入力軸2と出力軸6の回転量などの関係について、図11を用いて説明する。
P4からその途中(例えばP5)までの範囲、すなわち閉弁状態からある程度開弁した状態までの範囲においては、出力軸6の回転速度V3は、徐々に増加するものの後述するP5からP6までの領域における出力軸6の回転速度(最大でV4)と比較して小さく(図11(a)参照)、出力軸6の回転量の増加も緩やかである(図11(b)参照)。このため、図8に示した構成と同様に、閉弁状態近傍におけるバルブVの開閉操作に起因するウォータハンマー現象などの発生を防止することができるとともに、入力軸2の回転に要する回転トルクを軽減して、その回転操作をスムーズに行うことができる。
その一方で、開弁の途中(例えばP5)からP6までの範囲、すなわち、バルブVがある程度開弁した状態においては、出力軸6の回転速度が入力軸2の回転量に応じて最大V4まで増加し(図11(a)参照)、出力軸6の回転量の増加も急峻となる(図11(b)参照)。このため、図8に示した構成と同様に、バルブVの開閉操作を速やかに行うことができる。
上記の実施形態では、減速溝22が各位置で傾斜角θ1、θ2が段階的に変化する構成と(図8参照)、傾斜角θが連続的に変化する構成(図10参照)について説明したが、一つの減速溝22が、段階的に変化する部分と連続的に変化する部分の両方を含む構成とすることもできる。
上記実施形態に示すバルブ開度調節機構1は、種々のタイプのバルブVに適用することができるが、特にバタフライ弁への適用が有効である。バタフライ弁は、閉弁状態から開弁させるときの水圧変化が大きく、ウォータハンマー現象等の不具合が生じやすく、しかも、開弁時に入力軸2の回転操作に大きな力を要するためである。本発明に係るバルブ開度調節機構1を採用することにより、これらの問題を解決して、スムーズなバルブVの開閉操作を実現できる。
上記の実施形態において説明したバルブ開度調節機構1はあくまでも一例であって、案内突起16を案内溝20によってスムーズに案内することが可能なバルブ開度調節機構1を提供する、というこの発明の課題を解決し得る限りにおいて、各構成部材の形状、配置、数などは、適宜変更することができる。
1 バルブ開度調節機構
2 入力軸
2a 雄ねじ(ねじ)
3 コマ部材
3a 雌ねじ
4 回転規制部材
5 減速部材
6 出力軸
7 ハウジング
8 蓋部
9 ボルト
10 ナット
11 ベース部
12 嵌合部
13 キャップ
14 固定ねじ
15 スラスト軸受
16 案内突起
17 第一コロ
18 第二コロ(コロ)
19 案内凹部
20 案内溝
21 案内部材
22 減速溝
22a 第一減速溝
22b 第二減速溝
23 カバー部材
24 フランジ
25 ボルト
26 底板
27 規制突起
28 規制ボルト
29 軸受
30 指針
31 開度目盛
θ 傾斜角
θ1 第一傾斜角
θ2 第二傾斜角
V バルブ
A 開閉操作軸

Claims (5)

  1. 外周面にねじ(2a)が形成された入力軸(2)と、
    前記入力軸(2)の軸心から径方向外向きに突出する案内突起(16)が形成され、前記入力軸(2)に相対回転自在にねじ込まれるコマ部材(3)と、
    前記案内突起(16)を案内する案内溝(20)が前記入力軸(2)の軸方向に沿って延設され、前記入力軸(2)の軸周りの回転に伴って、前記コマ部材(3)がその軸周りに回転するのを規制しつつ軸方向に案内する回転規制部材(4)と、
    前記入力軸(2)を法線とする面に対して、軸方向位置において傾斜角(θ)の異なる部分を有する減速溝(22)が円筒面に形成され、前記入力軸(2)の操作に伴って、前記減速溝(22)内に設けられた前記案内突起(16)が、この減速溝(22)内を案内されることによって軸周りに回転する、前記入力軸(2)と同軸に設けられる減速部材(5)と、
    前記減速部材(5)の下端に嵌め込まれた底板(26)と、
    前記減速部材(5)および前記底板(26)とともに軸周りに回転する出力軸(6)と、
    を備え、
    前記減速溝(22)が、前記減速部材(5)の下端側に貫通しており、
    前記回転規制部材(4)が、軸方向に沿う円筒面が形成された案内凹部(19)と、前記案内溝(20)が形成され、前記案内凹部(19)の前記円筒面によって軸周りに回動可能に案内される円柱面を有する、前記案内凹部(19)内に挿し込まれた案内部材(21)と、を有し、
    前記案内凹部(19)は、前記入力軸(2)、前記コマ部材(3)、および、前記減速部材(5)を収納するハウジング(7)の内面に、その軸方向に沿うように形成され、その端部は前記ハウジング(7)の上端および下端に臨んでおり、
    前記ハウジング(7)の上端には上部開口を塞ぐ蓋部(8)が、前記ハウジング(7)の下端には前記出力軸(6)が収納される筒状のベース部(11)がそれぞれ取り付けられており、
    前記案内凹部(19)の円筒面と前記案内部材(21)の円柱面との間に、前記案内部材(21)の偏心と前記案内突起(16)と同方向への回転を許容する隙間(g)を設けたバルブ開度調節機構。
  2. 前記案内突起(16)に設けられ、前記回転規制部材(4)の前記案内溝(20)に挿し込まれるコロ(18)をさらに備えた請求項1に記載のバルブ開度調節機構。
  3. 前記入力軸(2)と、前記減速部材(5)との間に介在するスラスト軸受(15)をさらに備えた請求項1または2に記載のバルブ開度調節機構。
  4. 前記減速溝(22)が、前記入力軸(2)を法線とする面に対して第一傾斜角(θ1)傾斜した第一減速溝(22a)と、この第一減速溝(22a)と連通し、前記面に対して前記第一傾斜角(θ1)よりも小さい第二傾斜角(θ2)傾斜した第二減速溝(22b)とを有し、閉弁状態のバルブ(V)の開弁操作に伴って、前記減速溝(22)内に設けられた前記案内突起(16)が、前記第一減速溝(22a)側から前記第二減速溝(22b)側に向かって案内される請求項1から3のいずれか1項に記載のバルブ開度調節機構。
  5. 前記減速溝(22)が、前記入力軸(2)を法線とする面に対して傾斜角(θ)が次第に小さくなる減速溝(22)が円筒面に形成され、閉弁状態のバルブ(V)の開弁操作に伴って、前記減速溝(22)内に設けられた前記案内突起(16)が、前記減速溝(22)の傾斜角(θ)の大きい位置から小さい位置に向かって案内される請求項1から3のいずれか1項に記載のバルブ開度調節機構。
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