JP2015179225A - 着色樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性等の堅牢性とコントラストに優れた赤色カラーフィルターを製造することができる着色樹脂組成物を提供する。【解決手段】式(1)で表されるキサンテン化合物、バインダー樹脂、硬化剤並びに光重合開始剤及び/または硬化促進剤を含有するカラーフィルター用着色樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、新規なキサンテン化合物を含有する、カラーフィルターの赤色画素を形成する際に用いられる着色樹脂組成物、該着色樹脂組成物を用いて形成されるカラーフィルター、並びに該カラーフィルターを用いて形成される液晶表示装置、撮像素子(CCD、CMOS)及び有機ELディスプレイ等の電子表示装置に関する。
ノートパソコンや液晶テレビ、携帯電話、スマートフォン等に代表される液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ等の液晶表示装置、及びデジタルカメラやカラーコピー機等の入力デバイスとして使用される撮像素子(CCD、CMOS)のカラー化にはカラーフィルターが必要である。これら液晶表示装置や固体撮像素子に用いられるカラーフィルターを製造する方法としては、染色法、電着法、印刷法、顔料分散法等があるが、近年、パターニングの手法を用いた顔料分散法が主流となっている。パターニングの方法としてはフォトリソグラフィー法が代表的で、感光性樹脂組成物と顔料分散体との混合物を用いてカラーフィルターを形成している。また、最近では着色インキをインクジェットプリンターにより、マスクを介さずに直接基板上に塗布し、カラーフィルターを形成する方法も行われている。
カラーフィルターに求められる特性である、色純度、彩度、明度およびコントラストを向上させることは特に重要である。明度が向上することによってバックライトの光量を抑えることができ、結果的に消費電力が低減されるため、環境的にも必要な技術である。カラーフィルターの色純度を向上させるためには着色顔料の含有量を増やすことや、より良い分光波形の顔料を選択することが必要である。一方、明度を向上させるには、顔料濃度を減らすことや膜厚を薄くすることにより透過率を高くする必要がある。これらの相反する特性を両立するために顔料の微粒子化という方法が行われているが、感光性樹脂組成物の分散安定性、並びにカラーフィルターの光、熱又は溶剤に対する耐性及びコントラストの向上には限界があり、明度が向上しても耐性との両立が図れないのが現状である。
これらの問題を解決するための別のアプローチとして、染料を使用したカラーフィルターの検討が進められている。染料を用いれば、顔料では達成できない色純度と明度の両立や、粒子では無いことから光散乱を抑制出来るためコントラストも向上できるメリットがある。しかしながら、蛍光を有する染料を用いた場合、バックライト光によって励起された染料から発せられる偏光されていない蛍光によってコントラストの低下が起こることが知られている。
更には、テレビ向け等の長期信頼性を必要とされる表示体用途には優れた耐光性や耐熱性が必要とされるが、染料は顔料よりも耐性が劣ることが一般的である。C.I.Basic Violet 10等のキサンテン化合物は、レッド〜バイオレット染料として、各種塗料、水性インキ、油性インキ、インクジェット用インキ、カラーフィルター用など幅広い用途での応用がなされているが、一般に染料に要求される特性は用途によって異なるものの、色相が鮮明で、高発色性を有し、着色物が光や熱等に対し堅牢である事が求められている。例えば、特許文献1にはキサンテン骨格のカチオン部位と塩素イオンやさらに塩化亜鉛とから成るキサンテン染料が記載されているが、本発明者らの検討の結果、特許文献1に記載されているキサンテン染料は耐光性、耐熱性、耐水性、耐湿熱性等の堅牢性が不十分であった。特許文献2はアゾ化合物を配位子とする金属錯体を対イオンとするキサンテン染料に関するものであるが、同文献にはカラーフィルターの耐熱性については何ら記載されていない。特許文献3にはアゾ化合物を配位子とする金属錯体を対イオンとするキサンテン染料を含有する着色感光性樹脂組成物に関するものであるが、カラーフィルターの耐熱性、コントラストについては何ら記載されていない。即ち、液晶表示装置や固体撮像素子の分野において求められている、信頼性に優れた耐性の高い鮮明な赤色カラーフィルターは、ほとんど実用化されていないのが現状である。
更には、テレビ向け等の長期信頼性を必要とされる表示体用途には優れた耐光性や耐熱性が必要とされるが、染料は顔料よりも耐性が劣ることが一般的である。C.I.Basic Violet 10等のキサンテン化合物は、レッド〜バイオレット染料として、各種塗料、水性インキ、油性インキ、インクジェット用インキ、カラーフィルター用など幅広い用途での応用がなされているが、一般に染料に要求される特性は用途によって異なるものの、色相が鮮明で、高発色性を有し、着色物が光や熱等に対し堅牢である事が求められている。例えば、特許文献1にはキサンテン骨格のカチオン部位と塩素イオンやさらに塩化亜鉛とから成るキサンテン染料が記載されているが、本発明者らの検討の結果、特許文献1に記載されているキサンテン染料は耐光性、耐熱性、耐水性、耐湿熱性等の堅牢性が不十分であった。特許文献2はアゾ化合物を配位子とする金属錯体を対イオンとするキサンテン染料に関するものであるが、同文献にはカラーフィルターの耐熱性については何ら記載されていない。特許文献3にはアゾ化合物を配位子とする金属錯体を対イオンとするキサンテン染料を含有する着色感光性樹脂組成物に関するものであるが、カラーフィルターの耐熱性、コントラストについては何ら記載されていない。即ち、液晶表示装置や固体撮像素子の分野において求められている、信頼性に優れた耐性の高い鮮明な赤色カラーフィルターは、ほとんど実用化されていないのが現状である。
本発明は、耐熱性とコントラストに優れた赤色カラーフィルターを製造することができる着色樹脂組成物、およびそれを用いて製造されたカラーフィルターの提供を目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、特定の構造を有するキサンテン化合物を含む着色樹脂組成物を使用することによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
[1]式(1)
[1]式(1)
(式(1)中、R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基、カルボキシル基、アミド基、スルホンアミド基及びスルホ基からなる群より選ばれる置換基を有する炭素数1〜4のアルキル基若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表す。R7はカルボン酸エステル基を表す。R8〜R10はそれぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;シアノ基;ニトロ基;ハロゲン原子、アルコキシ基、シアノ基及びニトロ基からなる群より選ばれる置換基を有する炭素数1〜4のアルキル基若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表す。R11は水素原子;ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基、カルボキシル基、アミド基、スルホンアミド基及びスルホ基からなる群より選ばれる置換基を有する炭素数1〜10のアルキル基;無置換の炭素数1〜10のアルキル基;ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基、カルボキシル基、アミド基、スルホンアミド基及びスルホ基からなる群より選ばれる置換基を有する炭素数5〜10の芳香族炭化水素基若しくは無置換の炭素数5〜10の芳香族炭化水素基を表す。)で表されるキサンテン化合物、バインダー樹脂、硬化剤並びに光重合開始剤及び/または硬化促進剤を含有するカラーフィルター用着色樹脂組成物、
[2]式(1)におけるR1〜R6がそれぞれ独立に水素原子または無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R8、R9及びR10が水素原子であり、R11が水素原子または無置換の炭素数1〜5のアルキル基である前記[1]に記載の着色樹脂組成物、
[3]式(1)におけるR1〜R4がエチル基であり、R5〜R6が水素原子であり、R11が無置換の炭素数1〜5のアルキル基である前記[2]に記載の着色樹脂組成物、
[4]更に、顔料を含有する前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物、
[5]顔料が、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントイエロー138からなる群より選ばれる一種以上である前記[4]に記載の着色樹脂組成物、
[6]前記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物を用い、パターニングされてなるカラーフィルター用着色硬化膜、
[7]前記[6]に記載のカラーフィルター用着色硬化膜からなるカラーフィルター、
[8]前記[7]に記載のカラーフィルターを装着した液晶表示装置、
[9]前記[7]に記載のカラーフィルターを装着した有機ELディスプレイ、
[10]前記[7]に記載のカラーフィルターを装着した固体撮像素子、
に関する。
[2]式(1)におけるR1〜R6がそれぞれ独立に水素原子または無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R8、R9及びR10が水素原子であり、R11が水素原子または無置換の炭素数1〜5のアルキル基である前記[1]に記載の着色樹脂組成物、
[3]式(1)におけるR1〜R4がエチル基であり、R5〜R6が水素原子であり、R11が無置換の炭素数1〜5のアルキル基である前記[2]に記載の着色樹脂組成物、
[4]更に、顔料を含有する前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物、
[5]顔料が、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントイエロー138からなる群より選ばれる一種以上である前記[4]に記載の着色樹脂組成物、
[6]前記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物を用い、パターニングされてなるカラーフィルター用着色硬化膜、
[7]前記[6]に記載のカラーフィルター用着色硬化膜からなるカラーフィルター、
[8]前記[7]に記載のカラーフィルターを装着した液晶表示装置、
[9]前記[7]に記載のカラーフィルターを装着した有機ELディスプレイ、
[10]前記[7]に記載のカラーフィルターを装着した固体撮像素子、
に関する。
特定構造のキサンテン化合物を含有する本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物を用いて形成した着色硬化膜は、耐熱性やコントラストに優れた特性を有する。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物(以下、単に「着色樹脂組成物」ともいう)は、前記式(1)で表されるキサンテン化合物を含有する。
式(1)中、R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、該炭素数1〜4のアルキル基は炭素数1〜4のアルキル基であれば直鎖状または分岐鎖状の何れにも限定されない。また、該アルキル基は置換基を有していてもよい。
式(1)中、R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、該炭素数1〜4のアルキル基は炭素数1〜4のアルキル基であれば直鎖状または分岐鎖状の何れにも限定されない。また、該アルキル基は置換基を有していてもよい。
式(1)のR1〜R6が表す炭素数1〜4のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基及びt−ブチル基が挙げられる。
式(1)のR1〜R6が表すアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、iso−プロポキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等)、シアノ基、カルボキシル基、アミド基(例えば、アセトアミド基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、エタンスルホンアミド基、プロパンスルホンアミド基等)及びスルホ基等が挙げられる。
式(1)におけるR1〜R6としては、それぞれ独立に水素原子または無置換の炭素数1〜4のアルキル基(無置換のアルキル基とは、炭素原子と水素原子のみからなる、置換基を有さないアルキル基を意味する。以下「無置換の」との用語は同じ意味で用いられる。)であることが好ましい。
より詳しくは、式(1)におけるR1〜R4としては、無置換の炭素数2〜4のアルキル基であることが好ましく、エチル基であることがより好ましい。
また、式(1)におけるR5〜R6としては、水素原子またはメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
より詳しくは、式(1)におけるR1〜R4としては、無置換の炭素数2〜4のアルキル基であることが好ましく、エチル基であることがより好ましい。
また、式(1)におけるR5〜R6としては、水素原子またはメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
式(1)中、R7はカルボン酸エステル基を表す。
式(1)のR7が表すカルボン酸エステル基の具体例としては、メチルエステル基、エチルエステル基、n−プロピルエステル基、iso−プロピルエステル基、n−ブチルエステル基、iso−ブチルエステル基、sec−ブチルエステル基、t−ブチルエステル基、ペンチルエステル基、シクロペンチルエステル基、ヘキシルエステル基、シクロヘキシルエステル基及びベンジルエステル基等が挙げられる。
式(1)のR7が表すカルボン酸エステル基の具体例としては、メチルエステル基、エチルエステル基、n−プロピルエステル基、iso−プロピルエステル基、n−ブチルエステル基、iso−ブチルエステル基、sec−ブチルエステル基、t−ブチルエステル基、ペンチルエステル基、シクロペンチルエステル基、ヘキシルエステル基、シクロヘキシルエステル基及びベンジルエステル基等が挙げられる。
式(1)におけるR7としては、メチルエステル基、エチルエステル基またはベンジルエステル基であることが好ましく、メチルエステル基であることがより好ましい。
式(1)中、R8〜R10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基または炭素数1〜4のアルキル基を表し、該炭素数1〜4のアルキル基は炭素数1〜4のアルキル基であれば直鎖状または分岐鎖状の何れにも限定されない。また、該アルキル基は置換基を有していてもよい。
式(1)のR8〜R10が表す炭素数1〜4のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基及びt−ブチル基が挙げられる。
式(1)のR8〜R10が表すアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、iso−プロポキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等)、シアノ基及びニトロ基等が挙げられる。
式(1)におけるR8〜R10としては、水素原子であることが好ましい。
式(1)におけるR8〜R10としては、水素原子であることが好ましい。
式(1)中、R11は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数5〜10の芳香族炭化水素基を表わす。該炭素数1〜10のアルキル基は炭素数1〜10のアルキル基であれば直鎖状、分岐鎖状または環状の何れにも限定されない。また、該炭素数1〜10のアルキル基および該炭素数5〜10の芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよい。
式(1)のR11が表す炭素数1〜10のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ペンチニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、ヘキサジエニル基、イソプロペニル、イソへキセニル基、シクロへキセニル基、シクロペンタジエニル基、エチニル基、プロピニル基、へキシニル基、イソへキシニル基及びシクロへキシニル基等が挙げられる。
式(1)のR11が表す炭素数5〜10の芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基及びアズレニル基等が挙げられる。
該炭素数1〜10のアルキル基および該炭素数5〜10の芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、iso−プロポキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等)、シアノ基、カルボキシル基、アミド基(例えば、アセトアミド基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、エタンスルホンアミド基、プロパンスルホンアミド基等)及びスルホ基が挙げられる。
式(1)におけるR11としては、水素原子または無置換の炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、無置換の炭素数1〜5のアルキル基であることがより好ましく、n−ブチル基であることが更に好ましい。
本発明の着色樹脂組成物が含有する式(1)で表されるキサンテン化合物としては、上記R1〜R11それぞれの好ましいものの組み合わせのものがより好ましく、より好ましいものの組み合わせが更に好ましい。
本発明の着色樹脂組成物が含有する式(1)で表されるキサンテン化合物は、例えば、株式会社技報堂発行の細田豊著「理論製造染料化学」(373〜375頁)に記載された公知の方法に準じて合成した縮合物を、市販の対応する塩を用いて塩交換することにより合成することができる。すなわち、無水フタル酸と対応するN,N−ジアルキルフェノールとフタル酸誘導体を縮合し得られたキサンテン化合物を、アゾ化合物を配位子とする金属錯体の塩を用いて塩交換して得ることができる。また、対イオンが塩素イオン等である市販のキサンテン化合物を購入し、対応する塩を加え塩交換することによっても合成することができる。
また、本発明の着色樹脂組成物が含有する式(1)で表されるアゾ化合物を配位子とする金属錯体の塩は種々の方法で得ることができるが、例えば、株式会社技報堂発行の細田豊著「理論製造染料化学」(601頁)に記載された公知の方法に準じて合成することができる。即ち、o−アミノフェノール化合物とピリドン化合物をジアゾカップリングして得られたアゾ化合物に、有機または無機コバルト塩を作用させることでアゾ化合物を配位子とする金属錯体の塩を合成する事もできる。
式(1)で表される化合物を塩交換により合成する場合は、例えば、対イオンが塩素イオンである染料を反応溶媒(例えば、水、またはメタノール、エタノール、iso−プロパノール、アセトン、N,N−ジメチルホルアミド(以下DMFと略記)、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略記)等の水溶性極性溶媒が挙げられ、これらの溶媒は単独、または混合してもよい。)に溶解し、対応する塩または酸を0.5〜3当量程度加え、所定温度(例えば0〜100℃)で攪拌することで容易に合成可能であり、析出した結晶をろ取することにより得られる。
上記式(1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物における式(1)で表されるキサンテン化合物の含有量は、本発明の着色樹脂組成物の全固形分(式(1)で表される化合物、バインダー樹脂、硬化剤等、有機溶剤以外の固形分の総量を指す。以降も同義で用いられる。)100質量部に対して、通常0.01〜50質量部、好ましくは0.5〜30質量部、より好ましくは1〜10質量部である。この範囲よりも含有量が多い場合は、析出や凝集が発生したり、硬化不十分のために基板との密着性が低下したりする虞がある。一方、含有量が少ない場合は、色特性としては十分な色純度を得られない虞がある。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物が含有するバインダー樹脂は、式(1)で表されるキサンテン化合物や顔料等の色材化合物の分散時の分散安定性のため、分散剤、分散助剤として機能するが、着色樹脂組成物がフォトリソグラフィー法で用いられる場合は、カラーフィルター製造時の現像処理工程において用いられるアルカリ性現像液に可溶であることが望ましい。良好な微細パターンを形成するためには、バインダー樹脂が光重合開始剤、光重合性モノマー等との十分な硬化特性を有していることが望ましく、また、バインダー樹脂が式(1)で表されるキサンテン化合物等の色材化合物、光重合開始剤、光重合性モノマー、顔料分散液等の構成材料と相溶性が良く、着色樹脂組成物が析出や凝集等を起こさないよう安定でなければならない。着色樹脂組成物がインクジェット法で用いられる場合は、特にアルカリ可溶性は必要ではないため、他の構成材料との相溶性の良いバインダー樹脂を選択すればよい。
バインダー樹脂としては公知の樹脂を使用することもできるが、より好ましくは以下に挙げる1個以上のカルボキシル基、または水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーあるいは他の共重合可能な芳香族炭化水素基や脂肪族炭化水素基を有するエチレン性不飽和モノマー等の共重合体であることが望ましい。また、これらの側鎖もしくは末端等にエポキシ基を有したもの、さらにアクリレートを付加させたエポキシアクリレート樹脂も使用できる。これらのモノマー等は単独でも2種以上組み合わせても良い。
バインダー樹脂の原料として使用し得る前記カルボキシル基含有不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、エタクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸(無水物)類;3価以上の不飽和多価カルボン酸(無水物)類、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタアクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート及び2−アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシエチルフタル酸等を挙げることができる。これらのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマーは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
バインダー樹脂の原料として使用し得る前記水酸基含有不飽和モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシ−3−メチル−ペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノ(メタ)アクリレート、2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート等の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、バインダー樹脂の原料として使用し得る前記以外の不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノール(メタ)アクリレートヒドロキシエチル化物及びフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニルメチル(メタ)アクリレート、フェニルノルボニル(メタ)アクリレート、シアノノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、フェンチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル=(メタ)アクリレート、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−4−メチル=(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸及びt−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環骨格類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート等の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノアクリレート及びアリロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキル末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート及び3−アミノプロピルメタクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及び安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル及びメタリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル及びシアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−(メタ)アクリロイルフタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド及びマレイミド等の不飽和アミドあるいは不飽和イミド類;1,3−ブタジエン、イソプレン及びクロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;並びにポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリn−ブチルアクリレート、ポリn−ブチルメタクリレート及びポリシリコーン等の重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基あるいはモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類等を挙げることができる。これらの不飽和モノマーは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
バインダー樹脂(共重合体)を製造する場合は、重合開始剤を使用する。ここで共重合体を合成するときに使用される重合開始剤の具体例としては、例えば、α,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、t−ブチルパーオクトエート、ジ−t−ブチルパーオキシド過酸化ベンゾイルメチルエチルケトンパーオキシド等を挙げることができる。重合開始剤の使用割合は、共重合体の合成に使用する全単量体100質量部に対して、0.01〜25質量部である。また、共重合体を合成する場合は、有機溶剤を使用するのが好ましいが、使用する単官能のモノマーや重合開始剤等に対して十分な溶解力を有するものを使用する。バインダー樹脂の製造に使用し得る有機溶剤としては、後述する本発明の着色樹脂組成物が含有する有機溶剤と同様のものが挙げられる。
共重合体を合成するときの反応温度は50〜120℃であることが好ましく、特に好ましくは80〜100℃である。また、反応時間は1〜60時間であることが好ましく、より好ましくは3〜20時間である。共重合体の好ましい酸価は10〜300(mgKOH/g)であり、好ましい水酸基価は10〜200(mgKOH/g)である。酸価もしくは水酸基価が10以下の場合は現像性が低下する。共重合体の重量平均分子量(Mw)は2000〜400000が好ましく、3000〜100000がより好ましい。重量平均分子量が2000以下、あるいは400000以上では、感度および現像性等が低下する。
尚、本発明において、酸価はJIS K−2501に、水酸基価はJIS K−1557に準拠した方法で測定した値を意味する、また、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)の測定結果に基づいて、ポリスチレン換算で算出した値を意味する。
尚、本発明において、酸価はJIS K−2501に、水酸基価はJIS K−1557に準拠した方法で測定した値を意味する、また、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)の測定結果に基づいて、ポリスチレン換算で算出した値を意味する。
また、共重合体の側鎖に更に不飽和二重結合を導入した重合体もバインダー樹脂として有用である。例えば、無水マレイン酸と共重合可能なスチレン、ビニルフェノール、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド等との共重合物の無水マレイン酸部に、ヒドロキシエチルアクリレート等のアルコール性のヒドロキシル基を有するアクリレートやグリシジルメタクリレート等のエポキシ基を有するアクリレートを反応させハーフエステル化した化合物、およびアクリル酸やアクリル酸エステルとヒドロキシエチルアクリレート等のアルコール性のヒドロキシル基を有するアクリレートとの共重合体の水酸基にアクリル酸を反応せしめた化合物等が挙げられる。また、ウレタン樹脂やポリアミド、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、市販のACA−200M(ダイセル社製)、ORGA−3060(大阪有機化学製)、AX3−BNX02(日本触媒製)、UXE−3024(日本化薬製)、UXE−3000(日本化薬製)、ZGA−287H(日本化薬製)、TCR−1338H(日本化薬製)、ZXR−1722H(日本化薬製)、ZFR−1401H(日本化薬製)、ZCR−1642H(日本化薬製)もバインダー樹脂として使用することができる。
バインダー樹脂は、本発明の着色樹脂組成物に単独で又は2種以上を混合して使用することができる。本発明の着色樹脂組成物におけるバインダー樹脂の含有量は、着色樹脂組成物の全固形分100質量部に対して、通常、0.5〜99質量部、好ましくは5〜50質量部である。バインダー樹脂の含有量が0.5質量部未満の場合、アルカリ現像性が低下し、画素が形成される部分以外の領域での地汚れや膜残り等の問題が発生する場合がある。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物が含有する硬化剤としては、ラジカル重合の場合は光重合モノマー、イオン硬化の場合はエポキシ樹脂、その他にメラミン硬化剤等が挙げられる。これら硬化剤の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコー(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−F型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−フルオレン型エポキシジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、9,9−ビス〔4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕フルオレン、カヤラッドRP−1040(日本化薬製)、カヤラッドDPCA−30(日本化薬製)、UA−33H(新中村化学製)、UA−53H(新中村化学製)及びM−8060(東亞合成製)等の(メタ)アクリレートモノマー;TEMPIC(堺化学製)、TMMP(堺化学製)、PEMP(堺化学製)及びDPMP(堺化学製)等のチオール系重合モノマー;日本化薬製品のNC−6000、NC−6300、NC−6300H、NC−3000、EOCN−1020、XD−1000、EPPN−501H、BREN−S、NC−7300L、ダイセル化学製品のセロキサイト2021P、EHPE3150、サイクロマーM100、エポリードPB3600、ジャパンエポキシレジン製品のエピコート828、エピコートYX8000、エピコートYX4000、プリンテック製品のVG−3101L、サイラエースS510(チッソ)、TEPIC(日産化学工業)等のエポキシ樹脂;並びにメチロール化メラミン及びMw−30(三和ケミカル)等のメラミン硬化剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
硬化剤は、本発明の着色樹脂組成物に、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。硬化剤の含有量は、着色樹脂組成物の全固形分100質量部に対して通常1〜80質量部、好ましくは5〜50質量部である。この範囲より少ない場合は耐溶剤性等の効果が小さくなり、多すぎる場合は現像性が低下し、現像できない場合があるため好ましくない。また、エポキシ樹脂を硬化させるための硬化促進剤との組合せが好ましい。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物は、光重合開始剤及び/又は硬化促進剤を含有する。着色樹脂組成物が含有し得る光重合開始剤としては、露光光源として一般的に用いられる超高圧水銀灯から射出される紫外線に充分な感度を有するものが好ましく、ラジカル重合性の光ラジカル開始剤、イオン硬化性の光酸発生剤もしくは光塩基発生剤等のいずれをも用いることが出来る。また、より少ない露光エネルギーで硬化をさせるために、増感剤と呼ばれる重合促進剤の成分を組み合わせて使用することもできる。光重合開始剤の具体例としては、ベンジル、ベンゾインエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸のエステル化物、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、ベンジルジメチルケタール、2−ブトキシエチル−4−メチルアミノベンゾエート、クロロチオキサントン、メチルチオキサントン、エチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、ジメチルアミノメチルベンゾエート、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4−ビス(トリブロモメチル)−6−(4’−メトキシフェニル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1,3−ベンゾジオキソラン−5−イル)−1,3,5−s−トリアジン、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1,2−ジオン−2−オキシム−O−ベンゾアート、1−(4−メチルスルファニルフェニル)ブタン−1,2−ジオン−2−オキシム−O−アセタート、1−(4−メチルスルファニルフェニル)ブタン−1−オンオキシム−O−アセタート、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、P−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、P−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、2,2’−ビス(O−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、ジアゾナフトキノン系開始剤、また市販のカヤキュアーDMBI、カヤキュアーBDMK、カヤキュアーBP−100、カヤキュアーBMBI、カヤキュアーDETX−S、カヤキュアーEPA(いずれも日本化薬製)、ダロキュアー1173、ダロキュアー1116(いれもメルクジャパン製)、イルガキュアー907(BASFジャパン製)、イルガキュアー369(BASFジャパン製)、イルガキュアー379EG(BASFジャパン製)、イルガキュアーOXE−01(BASFジャパン製)、イルガキュアーOXE−02(BASFジャパン製)、イルガキュアーPAG103(BASFジャパン製)、TME−トリアジン(三和ケミカル製)、ビイミダゾール(黒金化成製)、STR−110、STR−1(いずれもレスペケミカル製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
光重合開始剤は、本発明の着色樹脂組成物に単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。光重合開始剤の含有量は、着色樹脂性組成物の全固形分100質量部に対して通常0.5〜50質量部、好ましくは1〜25質量部である。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物が含有し得る硬化促進剤は、イオン硬化を促進させる反応触媒であり、例えば、1級〜3級のアミンやイミダゾール類等のN含有複素環化合物、酸無水物等が挙げられる。
アミンの具体例としてはトリエチルアミン、トリエタノールアミン、日本化薬製品のカヤハードA−A、カヤボンドC−100、カヤボンドC−200S、カヤボンドC−300S等が挙げられる。
イミダゾールの具体例としては四国化成工業製品のキュアゾール2MZ−H、キュアゾールC11Z、キュアゾールC17Z、キュアゾール1,2DMZ、キュアゾール2E4MZ、キュアゾール2PZ、キュアゾール2P4MZ、キュアゾール1B2MZ、キュアゾール1B2PZ、キュアゾール2MZ−CN、キュアゾールC11Z−CN、キュアゾール2E4MZ−CN、キュアゾール2PZ−CN、キュアゾールC11Z−CNS、キュアゾール2PZCNS−PW、キュアゾール2MZ−A、キュアゾールC11Z−A、キュアゾール2E4MZ−A、キュアゾール2MA−OK、キュアゾール2PZ−OK、キュアゾール2PHZ−PW、キュアゾール2P4MHZ−PW、キュアゾールTBZ、キュアゾール2PZL−T、キュアゾールVT、キュアゾールSFZ等が挙げられる。
酸無水物の具体例としては無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、日本化薬製品のカヤハードMCD等が挙げられる。これらのうち、硬化促進剤としてはイミダゾール類が好ましく、キュアゾール1B2PZ、キュアゾール2PZ、キュアゾール1B2MZ及びキュアゾール2E4MZが反応性からより好ましい。
硬化促進剤の含有量は、着色樹脂組成物の全固形分100質量部に対して通常0.01〜50質量部、好ましくは0.05〜20質量部である。硬化促進剤の含有量が0.01質量部よりも少ない場合は、硬化性が低下する恐れがあり、50質量部を超える場合は保存安定性が悪くなる恐れがある。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物には、任意成分として上記式(1)で表されるキサンテン化合物以外の色素を併用してもよい。任意成分として併用し得る色素は、染料や有機顔料、無機顔料の中から適宜選択すればよく、単独で用いても2種以上を混合して用いても構わないが、本発明の着色樹脂組成物は赤色画素に関するものなので、公知の赤色染料やイエロー染料、または赤色顔料やイエロー顔料を用いることが好ましい。任意成分としての色素を併用する場合、その含有量は、本発明の着色樹脂組成物の全固形分100質量部に対する必須成分であるキサンテン化合物と任意成分である色素の含有量の合計が、通常0.01〜70質量部、好ましくは0.5〜50質量部、より好ましくは1.0〜40質量部の範囲内であれば特に限定されない。
また、式(1)で表されるキサンテン化合物に併用し得る色素としては、顔料も好ましい。
本発明の着色樹脂組成物に併用できる有機顔料に特に制限はなく、顔料の具体例としては、C.I.ピグメントレッド2、5、17、31、32、41、122、123、144、149、166、168、170、171、175、176、177、178、179、180、185、187、202、206、207、209、214、220、221、224、242、243、254、255、262、264、272等の赤色顔料、C.I.ピグメントイエロー1、3、12,13、14、15、16、17、20,24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214等の黄色顔料、C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等のオレンジ色顔料などがある。これらのうち、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントイエロー138及びC.I.ピグメントイエロー150よりなる群から選ばれる少なくとも一種を併用することが好ましい。
本発明の着色樹脂組成物に併用できる有機顔料に特に制限はなく、顔料の具体例としては、C.I.ピグメントレッド2、5、17、31、32、41、122、123、144、149、166、168、170、171、175、176、177、178、179、180、185、187、202、206、207、209、214、220、221、224、242、243、254、255、262、264、272等の赤色顔料、C.I.ピグメントイエロー1、3、12,13、14、15、16、17、20,24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214等の黄色顔料、C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等のオレンジ色顔料などがある。これらのうち、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントイエロー138及びC.I.ピグメントイエロー150よりなる群から選ばれる少なくとも一種を併用することが好ましい。
本発明の着色樹脂組成物に併用できる無機顔料に特に制限はなく、その具体例としては、複合金属酸化物顔料、カーボンブラック、黒色低次酸化チタン、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、ベンガラ、群青、紺青、酸化クロム、アンチモン白、鉄黒、鉛丹、硫化亜鉛、カドニウムエロー、カドニウムレッド、亜鉛、マンガン紫、コバルト紫、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム等の金属酸化物、金属硫化物、硫酸塩、金属水酸化物、金属炭酸塩等が挙げられる。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物におけるこれら顔料の含有量は、本発明の着色樹脂組成物の必須成分である式(1)で表されるキサンテン化合物と任意成分である顔料の含有量の合計が、本発明の着色樹脂組成物の全固形分100質量部に対して、通常0.01〜70質量部、好ましくは0.5〜50質量部、より好ましくは1.0〜40質量部の範囲内であれば特に限定されないが、顔料単独の含有量が、本発明の着色樹脂組成物の全固形分100質量部に対して、0.01〜60質量部であることが好ましく、0.1〜50質量部であることがより好ましく、1.0〜40質量部であることが更に好ましい。この範囲よりも含有量が多い場合は、硬化不十分のために基板との密着性が低下したりする虞がある。
本発明の着色樹脂組成物に併用できる染料に特に制限はなく、酸性染料、塩基性染料、直接染料、硫化染料、建染染料、ナフトール染料、反応染料、分散染料等が挙げられる。これら染料としては有機溶剤に可溶なものに限らず、有機溶剤に不溶な染料でも分散体とすることで使用することができる。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物におけるこれら染料の含有量は、本発明の着色樹脂組成物の必須成分である式(1)で表されるキサンテン化合物と任意成分である染料の含有量の合計が、本発明の着色樹脂組成物の全固形分100質量部に対して、通常0.01〜70質量部、好ましくは0.5〜50質量部、より好ましくは1.0〜40質量部の範囲内であれば特に限定されない。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物におけるこれら染料の含有量は、本発明の着色樹脂組成物の必須成分である式(1)で表されるキサンテン化合物と任意成分である染料の含有量の合計が、本発明の着色樹脂組成物の全固形分100質量部に対して、通常0.01〜70質量部、好ましくは0.5〜50質量部、より好ましくは1.0〜40質量部の範囲内であれば特に限定されない。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物には、着色樹脂組成物の粘度を下げ、着色樹脂組成物塗布時作業性を改善する目的で有機溶剤を併用してもよい。有機溶剤としては、着色樹脂組成物の構成成分であるバインダー樹脂、光重合開始剤等に対して十分な溶解力を有し、バインダー樹脂の合成に用いる単官能のモノマーや重合開始剤等に対しても十分な溶解力を有するものが好ましく使用できる。また、顔料分散体を作成する際にも分散安定性を保つことができるものも好ましく使用できる。
本発明の着色樹脂組成物が含有する有機溶剤の具体例としては、ベンゼン、トルエン及びキシレン等のベンゼン類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ及びブチルセロソルブ等のセロソルブ類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート及びブチルセロソルブアセテート等のセロソルブ酢酸エステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル酢酸エステル類;メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のプロピオン酸エステル類;乳酸メチル、乳酸エチル及び乳酸ブチル等の乳酸エステル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル及びジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコール類;酢酸メチル、酢酸エチル及び酢酸ブチル等の酢酸エステル類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類;並びにメタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、ジアセトンアルコール及びベンジルアルコール等のアルコール類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
有機溶剤は、本発明の着色樹脂組成物に単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。本発明の着色樹脂組成物における有機溶剤の使用量は、着色樹脂組成物の全固形分100質量部に対して通常10000質量部以下、好ましくは100〜1000質量部である。
前記式(1)で表されるキサンテン化合物および任意に併用される色素類の樹脂成分への溶解性が低い場合は、分散剤や分散助剤等を併用して分散させてもよく、これら分散剤等としては色素に対して良好な吸着性を有する色素系分散剤や樹脂系分散剤、界面活性剤等が用いられる。色素系分散剤としては、色素のスルホン化物あるいはその金属塩を色素と混和する方法や置換アミノメチル誘導体を混和する方法等が一般に知られている。樹脂系分散剤としては、無極性のノニオン系のものもあるが、良好な顔料吸着性を付す酸価、アミン価等を有する高分子樹脂が一般的であり、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカルボン酸、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。樹脂分散剤の市販品としては、例えば、ED211(楠本化成製)、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ製)ソルスパース71000(アビシア製)、Disperbyk−2001(ビックケミー・ジャパン製)等が挙げられる。
また、例えば酸性染料や塩基性染料を併用する場合は、該染料類に有機アミン化合物(例えばn−プロピルアミン、エチルヘキシルプロピオン酸アミン等)を反応させアミン塩染料に変性するか、又はそのスルホン酸基に同有機アミン化合物を反応させてスルホンアミド基を有する染料等に変性することにより有機溶剤に可溶性とした上で、有機溶剤と併用する方法が知られている。それらアミン変性した染料も本発明の着色樹脂組成物に併用可能である。アミン変性可能な染料としては、カラーインデックスで、例えば、ソルベントブルー2、3、4、5、6、23、35、36、37、38、43、48、58、59、67、70、78、98、102、104;ベーシックブルー7;アシッドブルー80、83、90;バイオレット染料としてソルベントバイオレット8、9;バイオレット4、5、14;ベーシックバイオレット10等が挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物は、式(1)で表されるキサンテン化合物、バインダー樹脂、光重合開始剤、硬化剤及び/または硬化促進剤等を、ディゾルバーやホモミキサー等により混合撹拌して製造される。また、必要に応じて他の顔料や染料を加えることもできるが、顔料や溶解性の低い染料である場合は、適当な分散剤を用いてペイントシェーカー等の分散機により分散体を得て、着色樹脂組成物に加えて混合される。
本発明の着色樹脂組成物には、必要に応じて、さらに各種添加剤、例えば、充填剤、界面活性剤、熱重合防止剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を添加することができる。又、本発明の着色樹脂組成物は、その調製後に異物等を取り除くためフィルター等で精密濾過することも出来る。
本発明の着色樹脂組成物を用いたカラーフィルター用着色硬化膜(以下、単に「着色硬化膜」ともいう)の製造方法としては、主にフォトリソグラフィー法とインクジェット法が挙げられ、前者には光重合開始剤を含有する現像性に優れた感光性着色樹脂組成物が用いられ、後者は必ずしも光重合開始剤を必要とせず、硬化促進剤を含有する熱硬化性着色樹脂組成物が用いられる。
また、例えば本発明の着色樹脂組成物をインクジェット法等で用いる場合は、光重合開始剤に熱重合開始剤を併用しても良い。熱重合開始剤としてはアゾ系化合物や有機過酸化物系のものがあるが、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、過酸化ジ−t−ブチル、ジベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキシネオデカノエート等が挙げられる。
尚、熱重合開始剤を併用する場合は、光重合開始剤と熱重合開始剤の合計が上記の光重合開始剤の含有量の範囲内となる量を用いればよい。
次に本発明の着色樹脂組成物から着色硬化膜を調製する方法について説明する。先ず、本発明の着色樹脂組成物をガラス基板、シリコン基板等の基板上に、スピンコート法、ロールコート法、スリットアンドスピン法、ダイコート法、バーコート法等の方法で、膜厚が0.1〜20μm、好ましくは0.5〜5μmになるように塗布する。次いで、必要に応じて、減圧チャンバー内で通常23〜150℃で1〜60分間、好ましくは60〜120℃で1〜10分間の乾燥条件で減圧乾燥を行い、さらにホットプレートもしくはクリーンオーブン等でプリベーク処理を行い製膜する。次に一般的なフォトリソグラフィー法により所定のマスクパターンを通して放射線(例えば電子線や紫外線が挙げられ、紫外線が好ましい。)を照射し、界面活性剤水溶液、アルカリ水溶液、又は界面活性剤とアルカリ剤の混合水溶液で現像する。現像方式としては、ディップ法、スプレー法、シャワー法、パドル法、超音波現像法等が挙げられ、これらのいずれかを組み合わせてもよい。現像により未照射部を取り除き、水でリンスした後、通常130〜300℃で1〜120分間、好ましくは150〜250℃で1〜30分間の条件でポストベーク処理を行い、本発明の着色硬化膜を得る。
上記において、界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等を用いることができる。又、アルカリ剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ジエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等を用いることができる。本発明においては、アルカリ剤と界面活性剤の両方を含む水溶液を用いることが好ましい。現像は、通常10〜50℃で30〜600秒、好ましくは20〜40℃で30〜120秒の処理条件で行われる。
本発明の着色硬化膜は、液晶表示装置、有機ELディスプレイ、あるいはデジタルカメラ等に使用される固体撮像素子等に好適なカラーフィルターとして有用であり、該カラーフィルターは前記のようにして調製された本発明の着色硬化膜からなる赤色画素である。
本発明の液晶表示装置は、例えば、バックライト、偏光フィルム、表示電極、液晶、配向膜、共通電極、本発明のカラーフィルター、偏光フィルム等がこの順に積層した構造で作製される。また、有機ELディスプレイについては多層の有機発光素子の上もしくは下のどちらか一方にカラーフィルターを形成して作製される。固体撮像素子については、例えば、転送電極、フォトダイオードを設けたシリコンウエーハーの上に、本発明のカラーフィルター層を設け、ついでマイクロレンズを積層することにより作製される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは無い。実施例中、最大吸収波長及び着色硬化膜の色度(L値、a値、b値)は分光光度計「(株)島津製作所製UV−3150」により測定し評価した。尚、実施例における「部」は特に断りのない限り質量基準である。
合成例1(上記化合物No.2で表される化合物の合成)
(工程1−1)
300mlの四つ口フラスコに、ローダミンB(東京化成工業品)38.4部、水200部及び28%水酸化ナトリウム水溶液11.4部を仕込み、25%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.0に調整した後、更に炭酸ナトリウムを用いてpHを10.3に調整した。ここにジメチル硫酸(東京化成工業社製)30部を加え、25〜30℃で2時間攪拌した。反応溶液を2000mlのビーカーに移し、50℃の湯940部を加え、98%硫酸を用いてpHを3.0に調整し、60℃で2時間攪拌した。これに水800部を加え、塩化亜鉛(関東化学社製)11.2部及び食塩20部を加え、40℃に保ちながら45分間激しく攪拌した。さらに反応液に食塩120部を少しずつ追加して30分間攪拌した後、析出した結晶をろ取し、少量の水で洗浄することにより、下記式(100)で表される染料中間体40部を得た。
(工程1−1)
300mlの四つ口フラスコに、ローダミンB(東京化成工業品)38.4部、水200部及び28%水酸化ナトリウム水溶液11.4部を仕込み、25%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.0に調整した後、更に炭酸ナトリウムを用いてpHを10.3に調整した。ここにジメチル硫酸(東京化成工業社製)30部を加え、25〜30℃で2時間攪拌した。反応溶液を2000mlのビーカーに移し、50℃の湯940部を加え、98%硫酸を用いてpHを3.0に調整し、60℃で2時間攪拌した。これに水800部を加え、塩化亜鉛(関東化学社製)11.2部及び食塩20部を加え、40℃に保ちながら45分間激しく攪拌した。さらに反応液に食塩120部を少しずつ追加して30分間攪拌した後、析出した結晶をろ取し、少量の水で洗浄することにより、下記式(100)で表される染料中間体40部を得た。
(工程1−2)
200mlのビーカーに2−アミノフェノール−4−スルホンアミド(東京化成工業社製)6.6部及び水50部を仕込み、35%塩酸水を滴下してpHを1.0以下に調整した。液温10℃以下で40%亜硝酸ナトリウム水溶液7.3部を滴下し、10℃以下で1時間攪拌した。次いでこの反応液を、下記式(101)で表されるピリドン化合物7.8部を水100部に溶解し、15%炭酸ナトリウム水溶液を用いてpHを9に調整した懸濁液の中に、10℃以下、pHを8.5〜9.0に維持しながら滴下した。滴下終了後、この反応液を一晩攪拌した。次いでこの反応液を60〜70℃、pHを6〜7に保ちながら攪拌し、析出した結晶をろ取し、乾燥することにより、下記式(102)で表される染料中間体6.1部を得た。
200mlのビーカーに2−アミノフェノール−4−スルホンアミド(東京化成工業社製)6.6部及び水50部を仕込み、35%塩酸水を滴下してpHを1.0以下に調整した。液温10℃以下で40%亜硝酸ナトリウム水溶液7.3部を滴下し、10℃以下で1時間攪拌した。次いでこの反応液を、下記式(101)で表されるピリドン化合物7.8部を水100部に溶解し、15%炭酸ナトリウム水溶液を用いてpHを9に調整した懸濁液の中に、10℃以下、pHを8.5〜9.0に維持しながら滴下した。滴下終了後、この反応液を一晩攪拌した。次いでこの反応液を60〜70℃、pHを6〜7に保ちながら攪拌し、析出した結晶をろ取し、乾燥することにより、下記式(102)で表される染料中間体6.1部を得た。
(工程1−3)
100mlの四つ口フラスコに、工程1−2で得られた式(102)で表される染料中間体4.0部、アセトニトリル60ml及び酢酸コバルト四水和物(関東化学社製)1.2部を仕込み、65℃で30分間攪拌した。次に、トリエチルアミン(純正化学社製)2.5部を滴下し、そのままの温度で1時間攪拌して得られた反応液をろ過処理した後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、下記式(103)で表される染料中間体3.9部を得た。
100mlの四つ口フラスコに、工程1−2で得られた式(102)で表される染料中間体4.0部、アセトニトリル60ml及び酢酸コバルト四水和物(関東化学社製)1.2部を仕込み、65℃で30分間攪拌した。次に、トリエチルアミン(純正化学社製)2.5部を滴下し、そのままの温度で1時間攪拌して得られた反応液をろ過処理した後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、下記式(103)で表される染料中間体3.9部を得た。
(工程1−4)
300mlのナスフラスコに工程1−1で得られた式(100)で表される染料中間体1.08部及び水140部を仕込み、攪拌した。この反応液中に、工程1−3で得られた式(103)で表される染料中間体1.93部をDMF11部に溶解させた溶液を滴下し、室温で3時間攪拌した。析出した結晶をろ取、乾燥させることにより、上記化合物No.2で表されるキサンテン化合物2.3部を得た。該キサンテン化合物の最大吸収波長は554nm(メタノール)であった。
300mlのナスフラスコに工程1−1で得られた式(100)で表される染料中間体1.08部及び水140部を仕込み、攪拌した。この反応液中に、工程1−3で得られた式(103)で表される染料中間体1.93部をDMF11部に溶解させた溶液を滴下し、室温で3時間攪拌した。析出した結晶をろ取、乾燥させることにより、上記化合物No.2で表されるキサンテン化合物2.3部を得た。該キサンテン化合物の最大吸収波長は554nm(メタノール)であった。
合成例2(バインダー樹脂(共重合体(A))の合成)
500mlの四つ口フラスコにメチルエチルケトン160部、メタクリル酸10部、ベンジルメタクリレート33部及びα,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)1部を仕込み、攪拌しながら30分間窒素ガスをフラスコ内に流入した。その後、80℃まで昇温し、80〜85℃でそのまま4時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、無色透明で均一な共重合体溶液を得た。これをイソプロピルアルコールと水の1:1混合溶液中で沈殿させ、濾過し、固形分を取り出し、乾燥し、共重合体(A)を得た。得られた共重合体(A)のポリスチレン換算重量平均分子量は18000であり、酸価は152(mgKOH/g)であった。
500mlの四つ口フラスコにメチルエチルケトン160部、メタクリル酸10部、ベンジルメタクリレート33部及びα,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)1部を仕込み、攪拌しながら30分間窒素ガスをフラスコ内に流入した。その後、80℃まで昇温し、80〜85℃でそのまま4時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、無色透明で均一な共重合体溶液を得た。これをイソプロピルアルコールと水の1:1混合溶液中で沈殿させ、濾過し、固形分を取り出し、乾燥し、共重合体(A)を得た。得られた共重合体(A)のポリスチレン換算重量平均分子量は18000であり、酸価は152(mgKOH/g)であった。
実施例1
合成例1で得られたキサンテン化合物を0.46部、バインダー樹脂として合成例2で得られた共重合体(A)を5.0部、光重合性モノマーとしてカヤラッドDPHA(日本化薬社製)を5.0部、光重合開始剤としてイルガキュアー907(BASFジャパン社製)を1.0部、イルガキュアーOXE−02(BASFジャパン製)を0.01部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを44.9部混合して本発明の着色樹脂組成物1を得た。
合成例1で得られたキサンテン化合物を0.46部、バインダー樹脂として合成例2で得られた共重合体(A)を5.0部、光重合性モノマーとしてカヤラッドDPHA(日本化薬社製)を5.0部、光重合開始剤としてイルガキュアー907(BASFジャパン社製)を1.0部、イルガキュアーOXE−02(BASFジャパン製)を0.01部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを44.9部混合して本発明の着色樹脂組成物1を得た。
実施例2
C.I.ピグメントレッド254/Disperbyk−2001(ビックケミー・ジャパン製)/PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)=15.0/7.0/78.0(質量比)の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ400部を添加し、ペイントシェーカーで処理を行い、ろ過することにより、赤色顔料分散液を得た。上記赤色分散液45.4部に、合成例1で得られたキサンテン化合物を0.58部、バインダー樹脂として合成例2で得られた共重合体(A)を5.0部、光重合性モノマーとしてカヤラッドDPHA(日本化薬製)を5部、光重合開始剤としてイルガキュアー907(BASFジャパン製)を1.0部、イルガキュアーOXE−02(BASFジャパン製)を0.01部混合して、本発明の着色樹脂組成物2を得た。
C.I.ピグメントレッド254/Disperbyk−2001(ビックケミー・ジャパン製)/PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)=15.0/7.0/78.0(質量比)の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ400部を添加し、ペイントシェーカーで処理を行い、ろ過することにより、赤色顔料分散液を得た。上記赤色分散液45.4部に、合成例1で得られたキサンテン化合物を0.58部、バインダー樹脂として合成例2で得られた共重合体(A)を5.0部、光重合性モノマーとしてカヤラッドDPHA(日本化薬製)を5部、光重合開始剤としてイルガキュアー907(BASFジャパン製)を1.0部、イルガキュアーOXE−02(BASFジャパン製)を0.01部混合して、本発明の着色樹脂組成物2を得た。
比較例1
合成例1で得られたキサンテン化合物を、下記式(104)で表されるC.I.Basic Violet 10に変更したこと以外は実施例1と同様にして、比較用着色樹脂組成物1を得た。
合成例1で得られたキサンテン化合物を、下記式(104)で表されるC.I.Basic Violet 10に変更したこと以外は実施例1と同様にして、比較用着色樹脂組成物1を得た。
比較例2
合成例1で得られたキサンテン化合物を、上記式(104)で表されるC.I.Basic Violet 10に変更したこと以外は実施例2と同様にして、比較用着色樹脂組成物2を得た。
合成例1で得られたキサンテン化合物を、上記式(104)で表されるC.I.Basic Violet 10に変更したこと以外は実施例2と同様にして、比較用着色樹脂組成物2を得た。
上記で得られた本発明の着色樹脂組成物1〜2及び比較用着色樹脂組成物1〜2をガラス基板上に塗布し、80℃×10分の条件でプレベークした後、マスクを介して露光による硬化を行い、界面活性剤を含有するアルカリ水溶液で現像し、水でリンス後、200℃で20分間加熱硬化して赤色の着色硬化膜を得た。得られた着色硬化膜は、ラインアンドスペースにて5μm角の解像性を持ち、残渣、画素の剥がれ等は確認されなかった。
(コントラスト評価)
上記で得られた着色硬化膜を用いて、コントラスト計(壷坂電機製CT−1)により、2枚の偏光板の平行時の輝度値(cd/cm2)と直交時の輝度値(cd/cm2)の比(平行時の輝度値/直交時の輝度値)から、コントラストを算出した。結果を表1に示した。
(耐熱性評価)
上記で得られた着色硬化膜について、230℃で180分間加熱処理を行い、処理前後の評価用基板の分光透過率を測定し、熱処理前後の色差(ΔEab)を算出した。ΔEabが3.0未満の場合は◎、3.0以上5.0未満の場合は○、5.0以上の場合を×として耐熱性を評価した。結果を表1に示した。
上記で得られた着色硬化膜を用いて、コントラスト計(壷坂電機製CT−1)により、2枚の偏光板の平行時の輝度値(cd/cm2)と直交時の輝度値(cd/cm2)の比(平行時の輝度値/直交時の輝度値)から、コントラストを算出した。結果を表1に示した。
(耐熱性評価)
上記で得られた着色硬化膜について、230℃で180分間加熱処理を行い、処理前後の評価用基板の分光透過率を測定し、熱処理前後の色差(ΔEab)を算出した。ΔEabが3.0未満の場合は◎、3.0以上5.0未満の場合は○、5.0以上の場合を×として耐熱性を評価した。結果を表1に示した。
表1
コントラスト比 耐熱性
着色樹脂組成物1 13800 ○
着色樹脂組成物2 4200 ◎
比較用樹脂組成物1 50 ×
比較用樹脂組成物2 1500 ×
コントラスト比 耐熱性
着色樹脂組成物1 13800 ○
着色樹脂組成物2 4200 ◎
比較用樹脂組成物1 50 ×
比較用樹脂組成物2 1500 ×
表1の結果から、本発明の着色樹脂組成物1〜2は比較例用着色樹脂組成物1〜2に比べて良好なコントラスト及び耐熱性を示した。
以上より、本願発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物を用いて得られたカラーフィルターは、高い耐熱性、コントラストを有することから、耐熱性の必要なカラーフィルターの製造プロセスに耐えうる信頼性の高いカラーフィルターとして有用である。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物を用いることにより、高コントラストで耐熱性に優れた高品位で信頼性の高いカラーフィルターの赤色画素を提供することができる。
Claims (10)
- 式(1)
- 式(1)におけるR1〜R6がそれぞれ独立に水素原子または無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R8、R9及びR10が水素原子であり、R11が水素原子または無置換の炭素数1〜5のアルキル基である請求項1に記載の着色樹脂組成物。
- 式(1)におけるR1〜R4がエチル基であり、R5〜R6が水素原子であり、R11が無置換の炭素数1〜5のアルキル基である請求項2に記載の着色樹脂組成物。
- 更に、顔料を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
- 顔料が、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントイエロー138からなる群より選ばれる一種以上である請求項4に記載の着色樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物を用い、パターニングされてなるカラーフィルター用着色硬化膜。
- 請求項6に記載のカラーフィルター用着色硬化膜からなるカラーフィルター。
- 請求項7に記載のカラーフィルターを装着した液晶表示装置。
- 請求項7に記載のカラーフィルターを装着した有機ELディスプレイ。
- 請求項7に記載のカラーフィルターを装着した固体撮像素子。
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