JP2015178568A - プロピレン系ブロック共重合体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】23℃n−デカンに可溶な部分(Dsol)5〜80重量%と23℃n−デカンに不溶な部分(Dinsol)20〜95重量%とから構成され、要件[1]〜[6]を同時に満たすプロピレン系ブロック共重合体;[1]Dsolのプロピレン含量が、30〜80mol%;[2]Dsolの極限粘度[η](dl/g)が1.5以上10.0以下;[3]DinsolのMw/Mnが7〜15、Mz/Mwが4〜10;[4]DinsolのGPC測定によって得られる微分分子量分布曲線におけるLogMが2〜4の範囲にピークを有する;[5]Dinsolのペンタド分率(mmmm)が93%以上;[6]プロピレン系ブロック共重合体のMFRが25〜350g/10min。
【選択図】図2
Description
[2]Dsolの極限粘度[η](dl/g)が1.5以上10.0以下
[3]Dinsolの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比であるMw/Mnが7〜15、z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比であるMz/Mwが4〜10
[4]DinsolのGPC測定によって得られる微分分子量分布曲線におけるLogMが2〜4の範囲にピークを有する
[5]Dinsolのペンタド分率(mmmm)が93%以上
[6]プロピレン系ブロック共重合体のASTM D1238Eに準拠して荷重2.16kg、温度230℃で測定したメルトフローレート(MFR)が25〜350g/10min。
周期表の第1族、第2族および第13族から選ばれる金属原子を含む有機金属化合物(II)と、
下記式(3)で表される有機ケイ素化合物(III)
の存在下で、予備重合触媒[A]を調整後、
前記予備重合触媒[A]、前記有機金属化合物(II)および前記有機ケイ素化合物(III)の存在下でプロピレンを含有するオレフィンを重合することにより製造されることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載のプロピレン系ブロック共重合体。
R2およびR3はそれぞれ独立にCOOR1またはRであり、R2およびR3のうち少なくとも1つはCOOR1である。環状骨格中の単結合(C−Cb結合、R3がCOOR1である場合のCa−Cb結合、およびC−C結合(nが6〜10の場合))は、二重結合に置き換えられていてもよい。
R1は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基である。
複数個あるRは、それぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、窒素含有基、酸素含有基、リン含有基、ハロゲン含有基およびケイ素含有基から選ばれる原子または基であり、互いに結合して環を形成していてもよいが、少なくとも1つのRは水素原子ではない。
Rが互いに結合して形成される環の骨格中に、二重結合が含まれていてもよく、該環の骨格中に、COOR1が結合したCaを2つ以上含む場合は、該環の骨格をなす炭素原子の数は5〜10である。
R4およびR5はそれぞれ独立にCOOR1または水素原子であり、R4およびR5のうち少なくとも1つはCOOR1である。
R1は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基である。
環状骨格中の単結合(C−Cb結合、R5がCOOR1である場合のCa−Cb結合、およびC−C結合(nが6〜10の場合))は、二重結合に置き換えられていてもよい。
式(3)において、R1は炭素原子数1〜8の炭化水素基、R2は炭素原子数1〜12の炭化水素基または水素、R3は炭素原子数が1〜12の炭化水素基を示す。
環状骨格中の単結合(C−C結合(nが6〜10の場合)、Ca−C結合およびCb−C結合)は、二重結合に置き換えられていてもよい。
R1は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基である。
複数個あるRは、それぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、窒素含有基、酸素含有基、リン含有基、ハロゲン含有基およびケイ素含有基から選ばれる原子または基であり、互いに結合して環を形成していてもよいが、少なくとも1つのRは水素原子ではない。
Rが互いに結合して形成される環の骨格中に二重結合が含まれていてもよく、該環の骨格中に、COOR1が結合したCaを2つ以上含む場合は、該環の骨格をなす炭素原子の数は5〜10である。
R1は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基である。環状骨格中の単結合(C−C結合(nが6〜10の場合)、Ca−C結合およびCb−C結合)は、二重結合に置き換えられていてもよい。
本発明のプロピレン系ブロック共重合体は、23℃n−デカンに可溶な部分(Dsol)5〜80重量%、好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは10〜30重量%と23℃n−デカンに不溶な部分(Dinsol)20〜95重量%、好ましくは50〜90重量%、さらに好ましくは70〜90重量%から構成される[ただし、DsolとDinsolの合計量は100重量%である]。
[2]Dsolの極限粘度[η](dl/g)が1.5以上10.0以下
[3]Dinsolの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比であるMw/Mnが7〜15、z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比であるMz/Mwが4〜10
[4]DinsolのGPC測定によって得られる微分分子量分布曲線におけるLogMが2〜4の範囲にピークを有する
[5]Dinsolのペンタド分率(mmmm)が93%以上
[6]DinsolのASTM D1238Eに準拠して荷重2.16kg、温度230℃で測定したメルトフローレート(MFR)が25〜350g/10min
以下、本発明のプロピレン系ブロック共重合体が備える要件[1]〜[6]について詳説する。
本発明に係るプロピレン系ブロック共重合体のデカン可溶部(Dsol)は、当該成分中に含有する重合体中のプロピレンにかかるモノマーユニットの含量が30〜80mol%であり、好ましくは35〜75mol%であり、より好ましくは40〜70mol%である。
本発明のプロピレン系ブロック共重合体のデカン可溶部(Dsol)の極限粘度[η](dl/g)は、通常1.5〜10.0、耐衝撃性、高流動性、高溶融弾性のバランスを最適化させる観点で、好ましくは2.0〜7.0、さらに好ましくは2.5〜4.0の範囲である。極限粘度[η](dl/g)が、1.5dl/gよりも低下すると、プロピレン系ブロック共重合体の耐衝撃性が、低下するおそれがあるため、好ましくない。また、極限粘度[η](dl/g)が10dl/gよりも高いと、流動性の低下や、フィッシュアイが発生しやすくなるため、大型射出成形品やフィルムへの適用が難しくなる場合がある。
本発明に係るプロピレン系ブロック共重合体のデカン不溶部(Dinsol)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定値から求められる、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比であるMw/Mn値が7〜15であり、高剛性化と耐衝撃性の保持の観点で、好ましくは7〜12であり、より好ましくは7〜10である。
本発明に係るプロピレン系ブロック共重合体のデカン不溶部(Dinsol)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定によって得られる微分分子量分布曲線におけるLogMが2〜4の範囲にピークを有する。
本発明のプロピレン系ブロック共重合体のデカン不溶部(Dinsol)のペンタド分率(mmmm)は93%以上、好ましくは94%以上、さらに好ましくは95%以上である。ペンタド分率の上限は100%、好ましくは99.8%、さらに好ましくは99.5%である。ペンタド分率(mmmm)が93%未満であると剛性が低下したり、フィルム等の製品分野で耐熱性が要求特性を担保しきれない分野があるので好ましくない。
本発明のプロピレン系ブロック共重合体のASTM D1238Eに準拠して荷重2.16kg、温度230℃で測定したメルトフローレート(MFR)は、通常25〜350g/10min、好ましくは30〜350g/10min、さらに好ましくは40〜300g/10minである。MFRが前記下限値を下回ると射出成形時の流動性が低下し、大型射出成形部品への適用が難しくなることがある。また、MFRが前記上限値よりも高いと、プロピレン系ブロック共重合体の靭性が低下する場合がある。
本発明に係るプロピレン系ブロック共重合体は、固体状チタン触媒成分(I)と、周期
表の第1族、第2族および第13族から選ばれる金属原子を含む有機金属化合物(II)と、特定の有機ケイ素化合物(III)とを含むオレフィン重合用触媒の存在下で、予備重合触媒[A]を調整後、前記予備重合触媒[A]、前記有機金属化合物(II)および前記有機ケイ素化合物(III)の存在下で、プロピレンと、エチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる一種以上のオレフィンとを重合して得られたものであることが好ましい。以下、オレフィン重合用触媒に係る各成分について詳細に説明する。
本発明に係る固体状チタン触媒成分(I)は、チタン、マグネシウム、ハロゲン、下記
式(1)で特定される環状エステル化合物(a)および下記式(2)で特定される環状エステル化合物(b)を含む。
環状エステル化合物(a)は、複数のカルボン酸エステル基を有し、下記式(1)で表される。
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
4−メチルシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
4−メチルシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
5−メチルシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
5−メチルシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,4−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
3,4−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,4−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
3,4−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3,4−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3,4−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
3,4−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル
3,4−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3−ヘキシルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−ヘキシルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジヘキシルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−ヘキシル−6−ペンチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−メチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3−メチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
4−メチルシクロペンタン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
4−メチルシクロペンタン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
4−メチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
4−メチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
4−メチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
4−メチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
5−メチルシクロペンタン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
5−メチルシクロペンタン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,4−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3,4−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3,5−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,5−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,5−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3,5−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3−ヘキシルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,5−ジヘキシルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−ヘキシル−5−ペンチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3−メチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−メチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3−メチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
4−メチルシクロヘプタン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
4−メチルシクロヘプタン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
4−メチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
4−メチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
4−メチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
4−メチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
5−メチルシクロヘプタン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
5−メチルシクロヘプタン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,4−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3,4−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3,7−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,7−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,7−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3,7−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3−ヘキシルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,7−ジヘキシルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−ヘキシル−7−ペンチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3−メチルシクロオクタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−メチルシクロデカン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−ビニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジシクロヘキシルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
テトラシクロドデカン−2,3−ジカルボン酸ジイソブチル
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3,6−ジヘキシル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−ヘキシル−6−ペンチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
などが挙げられる。
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアセテート、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジブタネート、
3−メチル−6−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジオールアセテート、
3−メチル−6−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジブタネート、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジベンゾエート、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジトルエート、
3−メチル−6−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジベンゾエート、
3−メチル−6−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジトルエート、
等も好ましい例として挙げることができる。
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3,6−ジエチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジエチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3,6−ジエチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3,5−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,5−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3,5−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3−メチル−5−エチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−5−エチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3−メチル−5−エチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3,5−ジエチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,5−ジエチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3,5−ジエチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3,7−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,7−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3,7−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3−メチル−7−エチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−7−エチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3−メチル−7−エチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3,7−ジエチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,7−ジエチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3,7−ジエチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
などが挙げられる。
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3,6−ジエチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジエチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3,6−ジエチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル
がさらに好ましい。これらの化合物はDiels Alder反応を利用して製造できる。
環状エステル化合物(b)は、複数のカルボン酸エステル基を有し、下記式(2)で表される。
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
シクロペンタン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
シクロペンタン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
シクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
シクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
シクロヘプタン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘプタン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロオクタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
シクロデカン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
4−シクロヘキセン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
4−シクロヘキセン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3−シクロペンテン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
3−シクロペンテン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
4−シクロヘプテン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
4−シクロヘプテン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
4−シクロヘプテン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
4−シクロヘプテン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
4−シクロヘプテン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
4−シクロヘプテン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
4−シクロヘプテン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
5−シクロオクテン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
6−シクロデセン−1,2−ジカルボン酸ジエチル
などが挙げられる。
シクロヘキサン−1,2−ジアセテート、
シクロヘキサン−1,2−ジブタネート、
シクロヘキサン−1,2−ジベンゾエート、
シクロヘキサン−1,2−ジトルエート、
なども好ましい例として挙げることができる。
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジヘプチル、
シクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル
などが挙げられる。
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
がさらに好ましい。その理由は、触媒性能だけでなく、これらの化合物がDiels Alder反応を利用して比較的安価に製造できる点にある。
本発明に係る固体状チタン触媒成分(I)の調製に用いられるマグネシウム化合物として具体的には、
塩化マグネシウム、臭化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム;
メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、フェノキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド;
エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、2−エチルヘキソキシマグネシウムなどのアルコキシマグネシウム;
フェノキシマグネシウムなどのアリーロキシマグネシウム;
ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウムのカルボン酸塩などの公知のマグネシウム化合物を挙げることができる。
チタン化合物としては、例えば一般式;
Ti(OR)gX4-g
(Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、gは0≦g≦4である。)
で示される4価のチタン化合物を挙げることができる。より具体的には、
TiCl4、TiBr4などのテトラハロゲン化チタン;
Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC2H5)Cl3、Ti(O−n−C4H9)Cl3、Ti(OC2H5)Br3、Ti(O−isoC4H9)Br3などのトリハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)2Cl2、Ti(OC2H5)2Cl2などのジハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)3Cl、Ti(O−n−C4H9)3Cl、Ti(OC2H5)3Brなどのモノハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)4、Ti(OC2H5)4、Ti(OC4H9)4、Ti(O−2−エチルヘキシル)4などのテトラアルコキシチタンなどを挙げることができる。
上記の固体状付加物や液状状態のマグネシウム化合物の形成に用いられる触媒成分(c)としては、室温〜300℃程度の温度範囲で上記のマグネシウム化合物を可溶化できる公知の化合物が好ましく、例えばアルコール、アルデヒド、アミン、カルボン酸およびこれらの混合物などが好ましい。これらの化合物としては、例えば前記特許文献1や特許文献2に詳細に記載されている化合物を挙げることができる。
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、2−メチルペンタノール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノールのような脂肪族アルコール;
シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールのような脂環族アルコール;
ベンジルアルコール、メチルベンジルアルコールなどの芳香族アルコール;
n−ブチルセルソルブなどのアルコキシ基を有する脂肪族アルコールなどを挙げることができる。
本発明の固体状チタン触媒成分(I)は、さらに、芳香族カルボン酸エステルおよび/または複数の炭素原子を介して2個以上のエーテル結合を有する化合物(以下「触媒成分(d)」ともいう。)を含んでいてもよい。本発明の固体状チタン触媒成分(I)が触媒成分(d)を含んでいると触媒活性を向上させたり、立体規則性を高めたり、分子量分布をより広げることができる場合がある。
2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、
2−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、
2−クミル−1,3−ジメトキシプロパン
等の1置換ジアルコキシプロパン類、
2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、
2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、
2−メチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、
2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、
2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、
2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、
2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン、
2,2−ジイソブチル−1,3−ジエトキシプロパン、
2,2−ジイソブチル−1,3−ジブトキシプロパン、
2,2−ジ−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、
2,2−ジネオペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、
2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、
2−シクロヘキシル−2−シクロヘキシルメチル−1,3−ジメトキシプロパン
等の2置換ジアルコキシプロパン類
2,3−ジシクロヘキシル−1,4−ジメトキシブタン、
2,3−ジシクロヘキシル−1,4−ジエトキシブタン、
2,3−ジイソプロピル−1,4−ジエトキシブタン
2,4−ジフェニル−1,5−ジメトキシペンタン、
2,5−ジフェニル−1,5−ジメトキシヘキサン、
2,4−ジイソプロピル−1,5−ジメトキシペンタン、
2,4−ジイソブチル−1,5−ジメトキシペンタン、
2,4−ジイソアミル−1,5−ジメトキシペンタン
等のジアルコキシアルカン類、
2−メチル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシプロパン、
2−シクロヘキシル−2−エトキシメチル−1,3−ジエトキシプロパン、
2−シクロヘキシル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシプロパン
等のトリアルコキシアルカン類、
2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシ4−シクロヘキセン、
2−イソプロピル−2−イソアミル−1,3−ジメトキシ4−シクロヘキセン、
2−シクロヘキシル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシ4−シクロヘキセン、
2−イソプロピル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシ4−シクロヘキセン、
2−イソブチル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシ4−シクロヘキセン、
2−シクロヘキシル−2−エトキシメチル−1,3−ジメトキシ4−シクロヘキセン、
2−イソプロピル−2−エトキシメチル−1,3−ジメトキシ4−シクロヘキセン、
2−イソブチル−2−エトキシメチル−1,3−ジメトキシ4−シクロヘキセン
等のジアルコキシシクロアルカン
等を例示することができる。
環状エステル化合物(a)/チタン(モル比)(すなわち、環状エステル化合物(a)のモル数/チタン原子のモル数)および環状エステル化合物(b)/チタン(モル比)(すなわち、環状エステル化合物(b)のモル数/チタン原子のモル数)は、0.01〜100、好ましくは0.2〜10であることが望ましく、
触媒成分(c)は、触媒成分(c)/チタン原子(モル比)は0〜100、好ましくは0〜10であることが望ましい。
本発明に係る有機金属化合物(II)としては、周期表の第1族、第2族および第13族から選ばれる金属原子を含む有機金属化合物が挙げられる。具体的には、第13族金属を含む化合物、例えば、有機アルミニウム化合物、第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、第2族金属の有機金属化合物などを用いることができる。これらの中でも有機アルミニウム化合物が好ましい。
本発明に係る有機ケイ素化合物(III)としては、下記式(3)で表される有機ケイ素化合物が挙げられる。
上記式(3)中、R1は炭素原子数1〜8の炭化水素基であり、好ましくは、炭素原子数1〜8の不飽和または飽和脂肪族炭化水素基などが挙げられ、特に好ましくは炭素原子数2〜6の飽和脂肪族炭化水素基である。具体例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、ter−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。特に好ましくはエチル基である。
本発明に係るプロピレン系ブロック共重合体は、前記要件[1]〜[6]を満たす限り製造方法が限定されるものではない。
本発明にかかるプロピレン系ブロック共重合体は、特定範囲の分子量分布に制御させ、さらには、前記プロピレン系ブロック共重合体の要件[4]を満たすものを得る目的で、予備重合触媒[A]を調整後、当該予備重合触媒[A]、前記有機金属化合物[B]、および前記有機ケイ素化合物(III)の存在下で、プロピレンの重合を行う(本重合と定義する)ことが好ましい。
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;
シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタン、シクロオクタンなどの脂環族炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;
エチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;
あるいはこれらの混合物などを挙げることができる。
本発明における本重合方法としては、不活性媒体を用いる溶媒重合法、モノマー自身を
液状溶媒とする塊状重合法、モノマーを気体状態で重合を行う気相重合法あるいはこれらを組み合わせて利用することが可能である。本発明における本重合では、上記の予備重合触媒[A]、有機金属化合物(II)、有機ケイ素化合物(III)との存在下に、プロピレンと、エチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる一種以上のオレフィンを重合させることによってプロピレン系ブロック共重合体を得ることができる。
リモル、好ましくは約0.005〜0.1ミリモルの量で用いられる。また、前記有機金属化合物(II)は、重合系中の予備重合触媒[A]中のチタン原子1モルに対し、通常約1〜2000モル、好ましくは約5〜500モルとなるような量で用いられる。有機ケイ素化合物(III)は、前記有機金属化合物(II)1モルに対して、0.001〜50モル、好ましくは0.01〜30モル、特に好ましくは0.05〜20モルの量で用いられる。
次の二つの重合工程(重合工程1および重合工程2)を連続的に実施することによって、要件[1]〜要件[6]を満たすプロピレン系ブロック共重合体を製造する方法(以下、この方法を「直重法」と呼び、この方法によって得られるプロピレン系ブロック共重合体を、プロピレン系ブロック共重合体(A)と呼ぶ場合がある)。
前記方法Aの重合工程1で生成する(共)重合体と、前記方法Aの重合工程2で生成する共重合体を、固体状チタン触媒成分の存在下で個別に製造した後に、これらを物理的手段によりブレンドする方法(以下、この方法「ブレンド法」と呼び、この方法によって得られるプロピレン系ブロック共重合体を、プロピレン系共重合体(B)と呼ぶ場合がある)。
本発明に係るプロピレン系ブロック共重合体は、本発明の特性を損なわない範囲で、副資材とブレンドさせたプロピレン系樹脂組成物の形態をとることもできる。以下、代表的な副資材の例として、エラストマー、無機充填剤、および添加剤について説明する。
エラストマーとしては、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体ゴム、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム、水素添加ブロック共重合体ゴム、その他弾性重合体ゴム、およびこれらの混合物などが挙げられる。
前記プロピレン系樹脂被改質材料の必須の構成成分である無機充填材としては、タルク、硫酸マグネシウム繊維、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、リン酸アンモニウム塩、珪酸塩類、炭酸塩類、カーボンブラック等の無機フィラーと、木粉、セルロース、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ケナフ繊維、竹繊維、ジュード繊維、米粉、澱粉、コーンスターチ等の有機フィラーとに大別される。
本発明で用いられる安定剤は、耐熱安定剤、耐候安定剤、耐光安定剤、塩化吸収剤、充填剤、結晶核剤、軟化剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス等の公知の安定剤を制限無く用いることができる。例えば公知のフェノール系安定剤、有機ホスファイト系安定剤、チオエーテル系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩、無機酸化物などが挙げられる。
本発明に係るプロピレン系ブロック共重合体および該プロピレン系ブロック共重合体を含むプロピレン系樹脂組成物は、射出成形品においてフローマークの外観不具合が無く、衝撃強度が良好である。
液体クロマトグラフ:Waters製 ALC/GPC 150−C plus型 (示唆屈折計検出器一体型)
カラム:東ソー株式会社製 GMH6−HT×2本およびGMH6−HTL×2本を直列接続した。
流速:1.0ml/分
測定温度:140℃
検量線の作成方法:標準ポリスチレンサンプルを使用した
サンプル濃度:0.10%(w/w)
サンプル溶液量:500μl
の条件で測定し、得られたクロマトグラムを公知の方法によって解析することでMw/Mn値およびMz/Mw値を算出した。1サンプル当たりの測定時間は60分であった。
上記(1)に記載の方法にて測定し、得られたクロマトグラムについて、X軸を分子量Mの対数表示(LogM(範囲:1〜8))、Y軸を微分分子量分布(dw/d(LogM)(範囲:0〜1))とし、グラフのX軸とY軸の長さ比を5:3になるように微分分子量分布曲線を作成する。
重合体の立体規則性の指標の1つであり、そのミクロタクティシティーを調べたペンタド分率(mmmm,%)は、プロピレン重合体においてMacromolecules 8,687(1975)に基づいて帰属した13C−NMRスペクトルのピーク強度比より算出した。13C−NMRスペクトルは、日本電子製EX−400の装置を用い、TMSを基準とし、温度130℃、o−ジクロロベンゼン溶媒を用いて測定した。
ガラス製の測定容器にプロピレン系ブロック共重合体約3g(10-4gの単位まで測定した。また、この重量を、下式においてb(g)と表した。)、デカン500ml、およびデカンに可溶な耐熱安定剤を少量装入し、窒素雰囲気下、スターラーで攪拌しながら2時間で150℃に昇温してプロピレン系ブロック共重合体を溶解させ、150℃で2時間保持した後、8時間かけて23℃まで徐冷した。得られたプロピレン系ブロック共重合体の析出物を含む液を、磐田ガラス社製25G−4規格のグラスフィルターで減圧ろ過した。ろ液の100mlを採取し、これを減圧乾燥してデカン可溶成分の一部を得、この重量を10-4gの単位まで測定した(この重量を、下式においてa(g)と表した)。この操作の後、デカン可溶成分量を下記式によって決定した。
23℃n−デカン不溶成分(Dinsol)含有率=100−100×(500×a)/(100×b)
(5)プロピレンに由来する骨格の含量(C3量)
Dsol中のプロピレンに由来する骨格濃度を測定するために、サンプル20〜30mgを1,2,4−トリクロロベンゼン/重ベンゼン(2:1)溶液0.6mlに溶解後、炭素核磁気共鳴分析(13C−NMR)を行った。プロピレンの定量はダイアッド連鎖分布より求めた。プロピレン−エチレン共重合体の場合、PP=Sαα、EP=Sαγ+Sαβ、EE=1/2(Sβδ+Sδδ)+1/4Sγδを用い、以下の計算式により求めた。
エチレン(mol%)=(1/2EP+EE)×100/[(PP+1/2EP)+(1/2EP+EE)
(6)極限粘度([η]:〔dl/g〕)
テトラリン溶媒を用いて、135℃で測定した。
ASTM D1238Eに準拠し、2.16kg荷重で測定した。測定温度は230℃とした。
曲げ弾性率(FM:〔MPa〕)は、ISO178に従って、下記の条件で測定した。
<測定条件>
試験片:10mm(幅)×4mm(厚さ)×80mm(長さ)
曲げ速度:2mm/分
曲げスパン:64mm
(9)シャルピー衝撃試験
シャルピー衝撃試験(〔kJ/m2〕)は、ISO179に従って、下記の条件で測定した。
<試験条件>
温度:23℃、−10℃
試験片:10mm(幅)×4mm(厚さ)×80mm(長さ)
ノッチは機械加工。
射出成形品のフローマークは、長さ420mm、幅100mm、厚み2mmの平板が成形可能で中央部(50mm)にゲートを持つ射出成形金型を用いた。ここで、ゲートからフローマークが発生した面積を目視で評価した。なお、本試験では、フローマークを判定しやすくする為、プロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、黒着色マスターバッチ2重量部をドライブレンドして、射出成形を行った。
射出成形機:品番 IS150E 東芝機械(株)製
シリンダー温度:220℃
金型温度:40℃
射出時間(一次充填時間):4秒
保圧時間:10秒
成形品形状およびフローマーク評価方法:図3に示す。
(1)固体状チタン触媒成分(1)の調製
内容積2リットルの高速撹拌装置(特殊機化工業製(TKホモミクサーM型))を充分窒素置換した後、この装置に精製デカン700ml、市販塩化マグネシウム10g、エタノール24.2gおよび商品名レオドールSP−S20(花王(株)製ソルビタンジステアレート)3gを入れ、この懸濁液を撹拌しながら系を昇温し、懸濁液を120℃にて800rpmで30分撹拌した。次いでこの懸濁液を、沈殿物が生じないように高速撹拌しながら、内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブを用いて、予め−10℃に冷却された精製デカン1リットルを張り込んである2リットルのガラスフラスコ(攪拌機付)に移した。移液により生成した固体を濾過し、精製n−ヘプタンで充分洗浄することにより、塩化マグネシウム1モルに対してエタノールが2.8モル配位した固体状付加物を得た。
固体状チタン触媒成分(1)70g、トリエチルアルミニウム128mL、ジエチルアミノトリエトキシシラン36.3ml、ヘプタン10.0Lを内容量20Lの攪拌機付きオートクレーブに挿入し、内温15〜20℃に保ちプロピレンを700g挿入し、60分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびヘプタンによる洗浄を2回行った。得られた予備重合触媒(1)を精製ヘプタンに再懸濁して、濃度1.0g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。
内容量58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを40kg/時間、水素を188NL/時間、予備重合触媒(1)のヘプタンスラリーを予備重合触媒(1)として0.55g/時間、トリエチルアルミニウム4.0ml/時間、ジエチルアミノトリエトキシシラン2.9ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状重合器の温度は70℃であり、圧力は3.5MPa/Gであった。
同方向二軸混練機:品番 NR2−36、ナカタニ機械(株)製
混練温度:190℃
スクリュー回転数:200rpm
フィーダー回転数:400rpm
ホッパー内に窒素フロー有り
<機械物性測定用成形品/射出成形条件>
射出成形機:品番 NEX110−12E、日精樹脂射出成形機(株)製
シリンダー温度:195℃
金型温度:40℃
射出時間−保圧時間:42秒(一次充填時間:2秒)
冷却時間:10秒。
(1)固体状チタン触媒成分(2)の調製
無水塩化マグネシウム95.2g、デカン442mlおよび2−エチルヘキシルアルコール390.6gを130℃で2時間加熱反応を行って均一溶液とした後、この溶液中に無水フタル酸21.3gを添加し、さらに130℃にて1時間攪拌混合を行い、無水フタル酸を溶解させた。
固体状チタン触媒成分(2)70g、トリエチルアルミニウム91.8mL、ジエチルアミノトリエトキシシラン26.1ml、ヘプタン10.0Lを内容量20Lの攪拌機付きオートクレーブに挿入し、内温15〜20℃に保ちプロピレンを700g挿入し、60分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびヘプタンによる洗浄を2回行った。得られた予備重合触媒(2)を精製ヘプタンに再懸濁して、濃度1.0g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。
内容量58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを40kg/時間、水素を188NL/時間、予備重合触媒(2)のヘプタンスラリーを予備重合触媒(2)として0.32g/時間、トリエチルアルミニウム2.9ml/時間、ジエチルアミノトリエトキシシラン1.2ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状重合器の温度は70℃であり、圧力は3.5MPa/Gであった。
(2)予備重合触媒(3)の製造
固体状チタン触媒成分(1)70g、トリエチルアルミニウム38.3mL、ヘプタン10.0Lを内容量20Lの攪拌機付きオートクレーブに挿入し、内温15〜20℃に保ちプロピレンを700g挿入し、60分間攪拌しながら反応させた。得られた予備重合触媒(3)を精製ヘプタンに再懸濁して、濃度1.0g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。
内容量58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを40kg/時間、水素を175NL/時間、予備重合触媒(3)のヘプタンスラリーを予備重合触媒(3)として0.34g/時間、トリエチルアルミニウム2.5ml/時間、ジエチルアミノトリエトキシシラン1.8ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状重合器の温度は70℃であり、圧力は3.5MPa/Gであった。
Claims (11)
- 23℃n−デカンに可溶な部分(Dsol)5〜80重量%と23℃n−デカンに不溶な部分(Dinsol)20〜95重量%とから構成され(ただし、DsolとDinsolの合計量は100重量%である)、
以下の要件[1]〜[6]を同時に満たすことを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体。
[1]Dsolのプロピレン含量が30〜80mol%
[2]Dsolの極限粘度[η](dl/g)が1.5以上10.0以下
[3]Dinsolの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比であるMw/Mnが7〜15、z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比であるMz/Mwが4〜10
[4]DinsolのGPC測定によって得られる微分分子量分布曲線におけるLogMが2〜4の範囲にピークを有する
[5]Dinsolのペンタド分率(mmmm)が93%以上
[6]プロピレン系ブロック共重合体のASTM D1238Eに準拠して荷重2.16kg、温度230℃で測定したメルトフローレート(MFR)が25〜350g/10min - 23℃n−デカンに可溶な部分(Dsol)は、プロピレンと、エチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる一種以上のオレフィンとからなる共重合体ゴムを50重量%より大きく100重量%以下で含み、
23℃n−デカンに不溶な部分(Dinsol)は、プロピレン98.5〜100mol%と、エチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる一種以上のオレフィン0〜1.5mol%とからなる結晶性プロピレン系(共)重合体を50重量%より大きく100重量%以下で含むことを特徴とする請求項1に記載のプロピレン系ブロック共重合体。 - 前記共重合体ゴムが、プロピレンと、エチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる一種以上のオレフィンとを1段階で重合することにより製造されることを特徴とする請求項2に記載のプロピレン系ブロック共重合体。
- チタン、マグネシウム、ハロゲン、下記式(1)で特定される環状エステル化合物(a)および下記式(2)で特定される環状エステル化合物(b)を含む固体状チタン触媒成分(I)と、
周期表の第1族、第2族および第13族から選ばれる金属原子を含む有機金属化合物(II)と、
下記式(3)で表される有機ケイ素化合物(III)
の存在下で、予備重合触媒[A]を調整後、
前記予備重合触媒[A]、前記有機金属化合物(II)および前記有機ケイ素化合物(III)の存在下でプロピレンを含有するオレフィンを重合することにより製造されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロピレン系ブロック共重合体。
R2およびR3はそれぞれ独立にCOOR1またはRであり、R2およびR3のうち少なくとも1つはCOOR1である。
環状骨格中の単結合(C−Cb結合、R3がCOOR1である場合のCa−Cb結合、およびC−C結合(nが6〜10の場合))は、二重結合に置き換えられていてもよい。
R1は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基である。
複数個あるRは、それぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、窒素含有基、酸素含有基、リン含有基、ハロゲン含有基およびケイ素含有基から選ばれる原子または基であり、互いに結合して環を形成していてもよいが、少なくとも1つのRは水素原子ではない。
Rが互いに結合して形成される環の骨格中に、二重結合が含まれていてもよく、該環の骨格中に、COOR1が結合したCaを2つ以上含む場合は、該環の骨格をなす炭素原子の数は5〜10である。)
R4およびR5はそれぞれ独立にCOOR1または水素原子であり、R4およびR5のうち少なくとも1つはCOOR1である。
R1は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基である。
環状骨格中の単結合(C−Cb結合、R5がCOOR1である場合のCa−Cb結合、およびC−C結合(nが6〜10の場合))は、二重結合に置き換えられていてもよい。)
Si(OR1)3(NR2R3) ・・・(3)
(式(3)において、R1は炭素原子数1〜8の炭化水素基、R2は炭素原子数1〜12の炭化水素基または水素、R3は炭素原子数が1〜12の炭化水素基を示す。) - 前記式(1)および/または(2)において、前記環状骨格中の炭素原子間結合のすべてが単結合であることを特徴とする請求項4に記載のプロピレン系ブロック共重合体。
- 前記式(1)および/または(2)において、n=6であることを特徴とする請求項4に記載のプロピレン系ブロック共重合体。
- 前記環状エステル化合物(a)が下記式(1a)であり、前記環状エステル化合物(b)が下記式(2a)であることを特徴とする請求項4に記載のプロピレン系ブロック共重合体。
環状骨格中の単結合(C−C結合(nが6〜10の場合)、Ca−C結合およびCb−C結合)は、二重結合に置き換えられていてもよい。
R1は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基である。
複数個あるRは、それぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、窒素含有基、酸素含有基、リン含有基、ハロゲン含有基およびケイ素含有基から選ばれる原子または基であり、互いに結合して環を形成していてもよいが、少なくとも1つのRは水素原子ではない。
Rが互いに結合して形成される環の骨格中に二重結合が含まれていてもよく、該環の骨格中に、COOR1が結合したCaを2つ以上含む場合は、該環の骨格をなす炭素原子の数は5〜10である。)
R1は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基である。
環状骨格中の単結合(C−C結合(nが6〜10の場合)、Ca−C結合およびCb−C結合)は、二重結合に置き換えられていてもよい。) - 前記式(1a)および(2a)において、前記環状骨格中の炭素原子間結合のすべてが単結合であることを特徴とする請求項7に記載のプロピレン系ブロック共重合体。
- 前記式(1a)および(2a)において、n=6であることを特徴とする請求項7に記載のプロピレン系ブロック共重合体。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載のプロピレン系ブロック共重合体と、無機充填剤および/またはエラストマーとを含んでなるプロピレン樹脂組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載のプロピレン系ブロック共重合体を含んでなる成形体。
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