JP2015176835A - ワイプスプリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定した接点の開閉動作が得られるワイプスプリング装置を提供する。【解決手段】真空バルブ3と操作機構部1との間に接点をとじる力が弾力として及ぶよう介在されるワイプスプリング装置Pにおいて、接点の可動軸10の下方部に、接点閉じの弾力となるコイルスプリング15が遊嵌する径の大きい軸太ホルダー17を一体に延設し、軸太ホルダーは、上端にコイルスプリングが掛かる上端受けの鍔部29を設け、下端ではコイルスプリングの下端受けとしての前記駆動先端部20と上下可能に連結してあって、その上下可能な連結については該軸太ホルダーの下部をスライド垂下片31とし、駆動先端部にこのスライド垂下片が上下動可能に嵌る深い縦受孔33を設けてあって、且つ、このスライド垂下片に長孔34を設け駆動先端部にはコイルスプリングを伸縮させるとともに駆動先端部に対して軸太ホルダーを上下させるよう該長孔と係合する連結ピン35を設けた。【選択図】図4
Description
この発明は、開閉接点を内蔵する真空バルブと、接点に開閉運動を付与する操作機構部との間に、接点の接触圧を確保するために介在されるワイプスプリング装置に関する。
従来、ワイプスプリング装置Paは、真空バルブ50に対して操作機構部40が横である並列用型(特許文献1、図5)と、同じ並びの直列用型(特許文献2、図6)とがある。いずれの場合も、真空バルブ50の接点可動軸52に対しコイルスプリング54が軸方向に力が及ぶ構造である。そして、接点の安定した確保のために、コイルスプリング54が傾斜したり歪んだりしなく、真っ直ぐに保持されるよう有天の円筒ホルダー56に内装し内周面で支えられるようになっていた。
なお、操作機構部が並列方式では梃の原理(搖動運動カム機構)が用いられ(図5)、直列方式では電磁ソレノイドのアクチュエータが用いられる(図6)。
従来、ワイプスプリング装置Paの構造については、コイルスプリング54に直の正常な弾力を発揮させる必要から、前記のように円筒形のホルダー56が使用されていたが、その内周面に添わせるだけで、無軸で軸の支えがなかったことから、コイルスプリングには、接点に正常な力が及ぶよう歪み防止等に万全を期し難かった。
例えば、操作機構部40が搖動運動カム機構による場合、(図5)、板レバー60の駆動先端部46が微小ではあるが円弧の一部の軌道をとる関係で、搖動の影響で傾かないようコイルスプリング54をホルダー56の円筒形内周面に嵌る程度に太く形成されていたが、これでは板レバー60の駆動先端部46の変動で、コイルスプリングが円筒形の内周面に擦れて伸縮の動きに乱れを生じやすく、この点でも、高品質の観点から、接点48の正常な開閉に支障が生じるという不都合を確実には防止できなかった。
この発明は、上記のような実情に鑑みて、コイルスプリングが伸縮のいずれの事態にも、それが遊嵌する軸のホルダーで直に安定して保持されることから、操作機構部の原動力が乱れなく垂直に可動軸に及ぶため、正常な安定した接点の開閉動作が得られるワイプスプリング装置を提供することを課題とした。
上記の課題を解決するために、この発明は、接点が内蔵される真空バルブと、その接点の可動軸の下に接点開閉の駆動先端部を臨ませてなる操作機構部との間に、接点をとじる力が弾力として及ぶよう介在されるワイプスプリング装置において、接点の可動軸の下方部に、接点閉じの弾力となるコイルスプリングが遊嵌する径の大きい軸太ホルダーを一体に延設し、軸太ホルダーは、上端にコイルスプリングが掛かる上端受けの鍔部を設け、下端ではコイルスプリングの下端受けとしての前記駆動先端部と上下可能に連結してあって、その上下可能な連結については、該軸太ホルダーの下部をスライド垂下片とし、駆動先端部にこのスライド垂下片が上下動可能に嵌る深い縦受孔を設けてあって、且つ、このスライド垂下片に長孔を設け、駆動先端部には、コイルスプリングを伸縮させるとともに、駆動先端部に対して軸太ホルダーを上下させるよう、該長孔と係合する連結ピンを設けたことを特徴とするワイプスプリング装置を提供する。
ワイプスプリング装置を上記のように構成したから、駆動先端部が上下動されると、長孔に対して連結ピンが上下することにより、コイルスプリングが伸縮し、また、長孔の端に連結ピンが掛かることにより、駆動先端部の上下に軸太ホルダーが追随することにより可動軸が上下し接点が瞬時に開閉する。そして、軸太ホルダーは、可動軸と一体の軸として常時垂直であってコイルスプリングを中心部で保持するため、伸縮に伴ってコイルスプリングがこの軸太ホルダーに引っかかるようなことは決してなく、また、傾斜したり歪んだりすることなく垂直を保持する。
以上説明したように、この発明のワイプスプリング装置によれば、コイルスプリングが伸縮のいずれの事態にも、真空バルブにおける接点の可動軸と同軸の軸太ホルダーに言わば軸機能で直に安定して支持され、歪んだり引っかかるような不都合が生じなく、接点開閉がタイミング良く瞬時に正確且つ確実に行なわれる。しかも、軸太ホルダーがケース状に比べて径が小さく、装置のコンパクト化に適し、使用機器の内部スペースの有効利用が高められ得る等の優れた効果がある。
この発明は、中心となる軸太ホルダー17にコイルスプリング15が微小な隙間で遊嵌するため、コイルスプリングが軸機能で支障なく直に伸縮するものであり、殊に、接点閉じに臨む縮小状態ではやや径が広くなっている傾向があるため、接点閉じに臨み、軸太ホルダーとの引っ掛かりは決して生じない。
なお、この発明は、並列用型(図5)、直列用型(図6)のいずれにおいても実施できるものである。また、コイルスプリング15が鍔部29の代わりにブロック13に直接かかるようにしてもこの発明の趣旨に反しないものとする。
図1ないし図4は、変圧器に一対の円形プレート5,5が配列され、その間において負荷時タップ切換器を内装することで実施した一例を示したもので、中心のカム軸2を共有する3個の真空バルブ式の切換開閉器が等位に配列され(図1)、且つ両プレート5,5の間に3段に配列される(図2)。なお、各切換開閉器は、真空バルブ3と、その操作機構部1との間にこの発明の中心となるワイプスプリング装置Pが介在して並列に構成される。
真空バルブ3は、真空ケース7の中心に、それぞれ接点11を有する固定軸9と可動軸10とが設けられ、可動軸10の下端に絶縁ブロック13を一体に設け、絶縁ブロック13にコイルスプリング15が嵌る軸太ホルダー17を同軸に垂下し軸太ホルダー17を中心としてワイプスプリング装置Pが構成される。
操作機構部1は、板レバー19の上下搖動先端部をコイルスプリング15を受ける駆動先端部20としたもので、後記するように、駆動先端部20が軸太ホルダー17を介して可動軸10を上下するようにしたものであるが、上動の時にコイルスプリング15が圧縮され(図3(ロ)図)、下動の時に伸長に復帰されるようにした(図3(イ)図)。
カム4は、カム軸2に等間隔に三段に設けられ、各段で板レバー19,19,19がカム4にローラ6を介して接触し、支点軸21に軸支されるバネとしての「く」字形の曲げピン23の一端がカム軸2に、他端が駆動先端部20に掛け止められ、板レバー19が曲げピン23の弾力で基端ローラ6がカムの段落部24に落ち込むよう付勢されている。したがって、その落ち込みにより駆動先端部20がコイルスプリング15を引き下げて接点11が開けられる。26は曲げピン23の一端が掛かる掛止ボルトである。
ワイプスプリング装置Pは、この駆動先端部20の反覆動作のうちの上動についてコイルスプリング15を圧縮させ、弾力を伴わせることにより付勢力で接点11,11を瞬時に閉じさせ、下動で圧縮からコイルスプリング15を復帰させ、引き続く下動により可動軸10を引き下げることにより、接点11を瞬時に開くようにしたものである。このためワイプスプリング装置Pは、具体的に次のような構造が取られている。
軸太ホルダー17は、コイルスプリングが嵌る軸太状であって、上端に鍔部29を設けるとともに、その中心に絶縁ブロック13に固着する取付軸30を突設し、軸太ホルダー17の下部は矩形断面のスライド垂下片31に形成され、、スライド垂下片31に上下方向の長孔34を設け、長孔34が駆動先端部20の板厚み方向に開けられている。
板レバー19の駆動先端部20には、上記スライド垂下片31が差し込まれる縦受孔33を設け、縦受孔33の深さ中途において連結ピン35が貫通して固着される。なお、駆動先端部20の上面に縦受孔33の回りを切削してコイルスプリング15をずれないように受ける浅い凹部を設けることもある。
図3の(イ)図、(ロ)図は、要部を拡大して示す正面説明図である。
(イ)図では、板レバー19の駆動先端部20が下がった時を示し、連結ピン35が長孔34の最下端に掛かって軸太ホルダー17を押し下げることで一体の可動軸10が下がり接点11が開いている。また、この時、駆動先端部20の下げで鍔部29との間Haが最大に開いてコイルスプリング15が伸びに復帰している。
(ロ)図では、駆動先端部20が上がった時の状態を示し、(イ)図の時点と比較すると逆に、連結ピン35が長孔34の上方に掛かっている。上方に至るまで鍔部29との間HbがHaから縮小しコイルスプリング15に弾力が備蓄しており、且つ、連結ピン35の突き上げで、軸太ホルダー17と一体の可動軸10が上がり、コイルスプリング15が縮小した状態のまま接点11を閉じている。つまり、弾性をともなった安定した接点閉じの状態が得られている。また、この時コイルスプリング15が圧縮により螺旋形がやや広くなるので、さらに軸太ホルダー17に引っ掛かりがなくなり、トラブルもなく均等な接点閉じの状態が得られる。
P ワイプスプリング装置
1 操作機構部
3 真空バルブ
4 カム
9 固定軸
10 可動軸
11 接点
15 コイルスプリング
17 軸太ホルダー
19 板レバー
20 駆動先端部
29 鍔部
31 スライド垂下片
33 縦受孔
34 長孔
35 連結ピン
1 操作機構部
3 真空バルブ
4 カム
9 固定軸
10 可動軸
11 接点
15 コイルスプリング
17 軸太ホルダー
19 板レバー
20 駆動先端部
29 鍔部
31 スライド垂下片
33 縦受孔
34 長孔
35 連結ピン
Claims (3)
- 接点が内蔵される真空バルブと、その接点の可動軸の下に接点開閉の駆動先端部を臨ませてなる操作機構部との間に、接点をとじる力が弾力として及ぶよう介在されるワイプスプリング装置において、接点の可動軸の下方部に、接点閉じの弾力となるコイルスプリングが遊嵌する径の大きい軸太ホルダーを一体に延設し、軸太ホルダーは、上端にコイルスプリングが掛かる上端受けの鍔部を設け、下端ではコイルスプリングの下端受けとしての前記駆動先端部と上下可能に連結してあって、その上下可能な連結については、該軸太ホルダーの下部をスライド垂下片をとし、駆動先端部にこのスライド垂下片が上下動可能に嵌る深い縦受孔を設けてあって、且つ、このスライド垂下片に長孔を設け、駆動先端部には、コイルスプリングを伸縮させるとともに、駆動先端部に対して軸太ホルダーを上下させるよう、該長孔と係合する連結ピンを設けたことを特徴とするワイプスプリング装置。
- 操作機構部は、カムにローラを介して板レバーが基端ローラで接触してなる搖動運動カム機構であって、前記駆動先端部が板レバーの先端部であることを特徴とする請求項1記載のワイプスプリング装置。
- 操作機構部の駆動先端部の上面に、軸太ホルダーに遊嵌するコイルスプリングが下端で嵌る浅い凹部を設けてあることを特徴とする請求項1又は2記載のワイプスプリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014054273A JP2015176835A (ja) | 2014-03-18 | 2014-03-18 | ワイプスプリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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Family
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2014
- 2014-03-18 JP JP2014054273A patent/JP2015176835A/ja active Pending
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A02 | Decision of refusal |
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