JP6913252B2 - 圧力スイッチ - Google Patents

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Description

本発明は、圧力スイッチに係り、詳しくは、低圧室および高圧室を有するケースと、低圧室と高圧室とを仕切るダイアフラムと、ダイアフラムの変位に伴って移動する作動部材と、作動部材の移動に伴ってスイッチを切り替える切替手段と、を備えた圧力スイッチに関する。
従来、圧力スイッチとして、金属製のダイアフラムを用いたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された圧力スイッチは、本体ケースとダイアフラムアッセンブリとを備え、本体ケースの内部に固定接点および可動接点を有する検知部が設けられ、この本体ケースの内部が大気側の低圧室とされ、ダイアフラムアッセンブリ側に継手配管が接続されて冷媒(流体)の流路に連通された高圧室が構成され、これらの低圧室および高圧室がダイアフラムによって仕切られている。ダイアフラムは、円板状(皿状)の薄板材を複数枚重ねて構成されるとともに、低圧室側が凹で高圧室側が凸となるドーム状の曲面を有して構成され、その外周縁がダイアフラムアッセンブリのアッパプレートとロアプレートとの間に挟持されている。
また、本体ケースには挿通孔が形成され、挿通孔に挿通されたシャフトがダイアフラムの凹面から検知部の可動片まで延びて設けられている。検知部の可動接点は可動片の先端に設けられ、流体圧力が所定値よりも小さければ可動接点が固定接点と接触し、スイッチがオンの状態(導通状態)になっている。高圧室に継手配管からの圧力が作用すると、ダイアフラムが低圧室(本体ケース)側に変位し、このダイアフラムに押されてシャフトが検知部側に移動する。圧力が所定値を超えると、ダイアフラムの変位量およびシャフトの移動量が大きくなり、シャフトによって可動片が押されて可動接点が固定接点から離隔し、スイッチがオフの状態(非導通状態)になる。このように圧力スイッチでは、測定する流体圧力に応じてダイアフラムが変位することで、スイッチのオン/オフが切り替えられるようになっている。
特開2015−125887号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来の圧力スイッチでは、ダイアフラムが低圧室側に凹となるドーム状の曲面を有しているため、大きな変位量(ストローク)を得るためには、低圧室側に向かってダイアフラムが凹から凸に変形する反転動作を起こさせる必要がある。このような反転動作は、非常に短時間に起きるとともに、流体圧力の増分に対して変位量が極端に大きくなるため、反転動作が起きるときの圧力が狭い範囲に限定され、所望の圧力に対応したダイアフラムを選定するのが難しい。また、加圧時の反転動作の後に減圧されると、逆向きの(低圧室側に向かって凸から凹になる)反転動作が起きるが、これら正負の反転動作における流体圧力に差があることから、スイッチのオン/オフ間の圧力差すなわち入切差(ディファレンシャル)が大きくなってしまう。さらに、ダイアフラムが正負の反転動作を繰り返すと、局部的な変形および応力集中による疲労が蓄積されることから、製品寿命への影響が懸念される。以上のように、反転動作を起こすダイアフラムを用いた圧力スイッチには様々な課題があり、その解決が望まれていた。
本発明の目的は、反転動作を起こさないダイアフラムを用いた場合でも、変位量を大きくし、かつ入切差を小さくして切り替え時の圧力値の精度を高めるとともに、長寿命化を図ることができる圧力スイッチを提供することである。
本発明の圧力スイッチは、低圧室および高圧室を有する本体と、前記低圧室と前記高圧室とを仕切るダイアフラムと、前記ダイアフラムの変位に伴って移動する作動部材と、前記作動部材の移動に伴ってスイッチを切り替える切替手段と、を備えた圧力スイッチであって、前記ダイアフラムは、金属製の薄板材から全体円板状に形成されるとともに、前記低圧室に向かって凸となるドーム状の凸状部と、前記本体に保持される周縁部の被保持部と、を有して構成され、前記作動部材は、前記凸状部に対して前記低圧室の側から当接し、前記ダイアフラムの変位に追従して移動可能に設けられ、前記凸状部を自然状態よりも前記高圧室の側に付勢することで前記ダイアフラムに初期圧縮力を付加する付勢手段を備え、この初期圧縮状態において前記凸状部が前記低圧室の側への凸形状を維持していることを特徴とする。
以上のような本発明によれば、ダイアフラムが低圧室に向かって凸となるドーム状の凸状部を有し、初期圧縮状態において凸状部が低圧室の側への凸形状を維持していることで、ダイアフラムは反転動作を起こさず、ダイアフラムは、常に低圧室の側に凸な形状のままで変位することができる。従って、反転動作による入切差(ディファレンシャル)を小さくすることができるとともに、ダイアフラムにおける局部的な変形や応力集中が生じにくくなり、製品の高圧対応化や長寿命化を図ることができる。また、付勢手段によって凸状部を自然状態よりも高圧室の側に付勢し、ダイアフラムに初期圧縮力を付加することで、この初期圧縮状態から自然状態までの変位量と、自然状態から低圧室の側への変位量(ダイアフラムが伸びる引張側の変位量)と、を併せた合計変位量(総ストローク)を得ることができる。従って、ダイアフラムの総ストロークが大きくなることで、作動部材の移動量も大きくなることから、切替手段による検知動作の確実性が高くなる。さらに、圧力に対するストロークの分解能も細かくなり、検知する圧力値のばらつきを小さく(検知精度を向上)することができる。
この際、前記付勢手段の付勢力を調節する調節手段をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、調節手段によって付勢手段の付勢力を調節し、自然状態から初期圧縮状態までの初期変位量を増減させることで、ダイアフラムのストロークを調節することができ、検知する圧力値の範囲を調整することができる。従って、ダイアフラムの仕様は同一であっても、低圧から高圧までの広い圧力検知範囲に対応可能な圧力スイッチが構成できる。また、ダイアフラムの加工精度等による剛性のばらつきがある場合であっても、調節手段によって付勢手段の付勢力を調節することで、所定の圧力値に合せてダイアフラムのストロークを調節することができ、検知精度を向上させることができる。
また、前記作動部材の移動を前記切替手段に伝達する伝達部材をさらに備え、前記伝達部材は、支点を中心に回動可能に設けられ、前記作動部材に対する作用点から前記支点までの第1作用距離よりも、前記切替手段に対する作用点から前記支点までの第2作用距離の方が大きく設定されていることが好ましい。
この構成によれば、支点を中心に回動可能な伝達部材によって作動部材の移動を切替手段に伝達するとともに、第1作用距離よりも第2作用距離の方が大きく設定されていることで、作動部材の移動量(すなわち、ダイアフラムのストローク)を増幅して切替手段に伝達することができる。従って、前述のようにダイアフラムの総ストロークが大きくなることに加えて、伝達部材を介して移動量が拡大されることで、切替手段で検知する圧力値の範囲が拡大できるとともに、より一層検知精度を向上させることができる。なお、第1作用距離および第2作用距離は、それぞれ梃子における力点またな作用点と支点との間のモーメント・アーム(支点から力のベクトルに直交する垂線の距離)を意味し、梃子の原理によって、作動部材の移動(または、作動部材からの力)が伝達部材を介して切替手段に増幅された移動量として(力は減縮されて)伝達される構成となっている。
さらに、前記付勢手段は、前記伝達部材を介して前記作動部材を前記ダイアフラムに向かって付勢し、前記伝達部材における前記付勢手段に対する作用点から前記支点までの第3作用距離が前記第1作用距離よりも大きく設定されていることが好ましい。
この構成によれば、付勢手段が伝達部材を介して作動部材をダイアフラムに向かって付勢するとともに、第3作用距離が第1作用距離よりも大きく設定されていることで、付勢手段の付勢力を増幅して作動部材からダイアフラムに伝達することができ、比較的小さな付勢力を有する付勢手段を用いることで圧力スイッチの小型化を図ることができる。なお、第3作用距離は、作用点(付勢手段からの力点)と支点との間のモーメント・アームを意味し、梃子の原理によって、付勢手段の付勢力が伝達部材を介して作動部材に増幅されて伝達される構成となっている。
また、前記ダイアフラムが初期圧縮状態を超えて前記高圧室の側に変位することを規制する変位規制手段をさらに備えることが好ましい。この際、前記作動部材を挿通させる挿通孔を有した保持部材をさらに備え、変位規制手段は、作動部材に設けられて拡径された拡径部と、前記保持部材と、で構成され、前記作動部材が前記ダイアフラムに向かって変位した際に、前記拡径部が前記保持部材に当接することで、この当接位置を超えた前記作動部材および前記ダイアフラムの移動が規制されることが好ましい。
この構成によれば、変位規制手段によってダイアフラムの変位を規制することで、初期圧縮状態を超えて高圧室の側に大きく変位すること防ぎ、ダイアフラムの凸状部が反転動作することが防止できる。さらに、初期圧縮状態で変位が規制されたダイアフラムに対して付勢手段の付勢力をさらに加え、この追加付勢力を変位規制手段に支持させるようにすることで、変位規制手段に作用する追加付勢力の分だけダイアフラムの変位開始圧力を高めることができる。従って、同一仕様のダイアフラムを用いた場合であっても、より高圧領域の圧力検知に対応させることができ、圧力スイッチの適応範囲を拡大することができる。
さらに、前記ダイアフラムが自然状態から初期圧縮状態まで変位する初期変位量が全変位量の半分以上に設定されていることが好ましい。
この構成によれば、ダイアフラムの初期変位量が全変位量の半分以上に設定されていることで、付勢手段がない場合と比較して、ダイアフラムのストロークを倍以上に拡大することができ、切替手段のオン/オフの動作を確実なものにすることができる。
また、前記ダイアフラムは、1枚の薄板材で構成されるか、または複数枚の薄板材を重ねて構成されることが好ましい。
この構成によれば、1枚の薄板材でダイアフラムを構成した場合には、構造が簡単化できるとともに、ヒステリシスによる入切差を小さくすることができる。一方、複数枚の薄板材を重ねてダイアフラムを構成した場合には、ダイアフラムの剛性および強度が高まることで、より高圧の圧力検知に対応させることが可能となる。
本発明の圧力スイッチによれば、ダイアフラムが反転動作を起こさないことにより、入切差を小さくして切り替え時の圧力値の検知精度を高めるとともに、製品の長寿命化を図ることができ、さらに、付勢手段によって初期圧縮力を付加することで、ダイアフラムのストロークが大きくなって圧力値の検知範囲を拡大することができる。
本発明の第1実施形態に係る圧力スイッチを示す断面図である。 前記圧力スイッチの動作を示す断面図である。 前記圧力スイッチの動作を示す断面図である。 (A)〜(C)は、前記圧力スイッチのダイアフラムの動作を示す拡大断面図である。 前記圧力スイッチにおける伝達部材の機構を示す図である。 前記ダイアフラムに作用する圧力とストロークの関係を示すグラフである。 前記圧力スイッチにおける変位規制手段を示す図である。 前記変位規制手段の変形例を示す図である。 前記変位規制手段の他の変形例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る圧力スイッチを示す断面図である。 本発明の変形例に係る圧力スイッチを示す断面図である。 変形例の圧力スイッチにおける伝達部材の機構を示す図である。
本発明の第1実施形態に係る圧力スイッチについて、図1〜図8を参照して説明する。本実施形態の圧力スイッチ1は、図1に示すように、全体箱状のケース2と、ケース2の上部に設けられるマイクロスイッチ3と、ケース2の下部に固定されるダイアフラムアッセンブリ4と、を備える。さらに、圧力スイッチ1は、ダイアフラムアッセンブリ4に対して上下方向に進退自在に支持された作動部材5と、作動部材5の移動をマイクロスイッチ3に伝達する伝達部材6と、後述するダイアフラム44を付勢して初期圧縮力を付加する付勢手段としてのコイルばね7と、コイルばね7の付勢力を調節する調節手段としての調節ねじ8と、を備える。
ケース2は、上方に開口した金属製の箱体であって、四方を囲む側面部21と、側面部21に連続した下面部22と、を備えている。下面部22の中央には、開口部23が設けられ、この開口部23を通してダイアフラムアッセンブリ4に継手部材Pが接続されている。下面部22内面には、箱状の副ケース24が固定され、この副ケース24と下面部22とで囲まれた内部にダイアフラムアッセンブリ4が支持されている。副ケース24は、下方に開口した金属製の箱体であって、その下端部の係合片24aがケース2の下面部22に係合することでケース2に固定される。副ケース24の上面には、作動部材5を挿通させる貫通孔24bが設けられている。このようなケース2の内部には、大気に開放された低圧室2Aと、後述するダイアフラムアッセンブリ4におけるダイアフラム44と底板部材45との間の高圧室2Bと、が構成されている。
マイクロスイッチ3は、ケース2に固定されるスイッチ本体31と、スイッチ本体31とケース2との間に設けられるカバー32と、スイッチ本体31とカバー32とで囲まれた内部に設けられる切替手段33と、を備える。切替手段33は、スイッチ本体31に支持されて上下に対向して設けられる一対の固定端子34,35と、上下の固定端子34,35間を移動自在に設けられる可動端子36と、可動端子36をスイッチ本体31に支持する板ばねからなる導通部材37と、可動端子36を上方または下方のいずれかに付勢する作動ばね38と、上側の固定端子34の位置を調節するための調節ねじ39と、を備える。このマイクロスイッチ3は、上側の固定端子34に可動端子36が当接してこれらが導通される低圧状態と、下側の固定端子35に可動端子36が当接してこれらが導通される高圧状態と、を検出し、この導通状態の違いによってスイッチを切り替えるように構成されている。
ダイアフラムアッセンブリ4は、ケース2の下面部22と副ケース23との間に支持される上保持板41および下保持板42と、上保持板41と下保持板42との間に保持されるスペーサ43、ダイアフラム44および底板部材45と、を備える。上保持板41は、全体円盤状に形成されるとともに、その中心部を上下に貫通して作動部材5を挿通させて上下に案内する挿通孔41aを有して形成されている。下保持板42は、全体円筒状に形成されるとともに、スペーサ43、ダイアフラム44および底板部材45を保持するための段部42aと、上向きに延びて上保持板41を加締め固定するためのかしめ片42bと、を有して形成されている。ダイアフラムアッセンブリ4は、上保持板41と下保持板42の段部42aとの間にスペーサ43、ダイアフラム44および底板部材45を挟み、かしめ片42bを内側に向かって加締めることで、ダイアフラム44および底板部材45の周縁部が上保持板41と下保持板42の間に保持されている。
ダイアフラム44は、複数枚の金属製薄板材を重ねて全体円板状に形成されるとともに、上方である低圧室に向かって凸となるドーム状の凸状部44aと、上保持板41および下保持板42に保持される周縁部の被保持部44bと、を有して構成されている。底板部材45は、全体円板状の金属板材から中央部が下方に向かって膨らんだ皿状に形成され、その中央部には継手部材Pが固定される貫通孔45aが形成されている。ダイアフラム44と底板部材45は気密性および耐圧性を確保できるように溶接等により互いに接合され、ダイアフラム44と底板部材45との間に、継手部材Pからの高圧流体が導入される高圧室2Bが設けられている。一方、ダイアフラム44と上保持板41との間の空間は、挿通孔41aを通してケース2の内部に連通された低圧室2Aとなっている。従って、ダイアフラム44は、高圧室2Bが大気圧よりも高圧になると上方に伸びるように変位し、高圧室2Bの圧力が下がると下方に変位するようになっている。そして、ケース2、上保持板41、下保持板42および底板部材45によって、本発明の本体が構成され、この本体の内部に設けられる低圧室2Aと高圧室2Bとがダイアフラム44によって仕切られている。
作動部材5は、円柱状部材であって、上保持板41の挿通孔41aに挿通され、上下方向に進退自在に支持されている。作動部材5の上下端部には面取りが設けられ、下端部がダイアフラム44の凸状部44aの中心に当接するように設けられ、ダイアフラム44の変位に伴って作動部材5が上下に移動するように構成されている。
伝達部材6は、それぞれ金属板材から形成された第1伝達部材61および第2伝達部材62で構成され、第1伝達部材61がケース2内部に設けられた軸25に回動自在に支持されている。第1伝達部材61は、その一端側(図の左側)から順に、コイルばね7が接続される第1接続部61aと、軸25に支持される支点部61bと、作動部材5の上端部に当接する当接部61cと、第2伝達部材62に接続される第2接続部61dと、を有して構成されている。第2伝達部材62は、第2接続部61dから上方に延び、カバー32に設けられた挿通孔32aを通してマイクロスイッチ3の内部に挿入されている。第2伝達部材62の上端部は、マイクロスイッチ3の作動ばね38に当接して設けられている。
コイルばね7は、引張ばねであって、伝達部材6の第1接続部61aに下端部が係止されるとともに、上端部は端部部材71に固定され、この端部部材71は、調節ねじ8を介してケース2とスイッチ本体31との間に設けられた固定板81に取り付けられている。調節ねじ8は、端部部材71に螺合しており、調節ねじ8の頭部は、固定板81に当接するとともに、スイッチ本体31の孔を介して外部上方から操作可能になっている。この調節ねじ8を操作して回転させることで、端部部材71と固定板81との距離を変更することができ、これによりコイルばね7の付勢力(張力)が調整されるようになっている。このようなコイルばね7の付勢力は、伝達部材6を介して作動部材5に伝達され、作動部材5が下方に付勢されることで、作動部材5が当接するダイアフラム44の凸状部44aが下方に押圧され、これによってダイアフラム44に初期圧縮力が付加される。
以上の圧力スイッチ1の動作について、図2〜図5も参照して説明する。図2は、高圧室2Bの圧力が所定値よりも低い低圧状態における圧力スイッチ1を示す図である。図3は、高圧室2Bの圧力が所定値を超えた高圧状態における圧力スイッチ1を示す図である。なお、図1は、低圧状態と高圧状態の中間となる中間状態を示す図である。また、図4(A)は、ダイアフラム44の自然状態を示し、図4(B)は、ダイアフラム44の初期圧縮状態を示し、図4(C)は、ダイアフラム44の最大伸び状態を示している。
先ず、図2および図4(B)に示すように、低圧状態においてコイルばね7の付勢力が伝達部材6を介して伝達されると、伝達部材6の第2伝達部材62が下方に移動するとともに、作動部材5によって凸状部44aが下方に押圧されてダイアフラム44が下方に変位する。第2伝達部材62が下方に位置することから、マイクロスイッチ3の可動端子36が作動ばね38によって上向きに付勢されて上側の固定端子34に当接し、これにより低圧状態であることが検出される。一方、ダイアフラム44は、図4(A)の自然状態から下方に初期変位量δだけ変位し、この変位量に応じた初期圧縮力が付加される。このような初期圧縮状態において、ダイアフラム44の凸状部44aは、高圧室2Bの側に反転することなく、低圧室2Aの側への凸形状が維持されている。
次に、高圧室2Bの圧力が上昇してダイアフラム44に圧力が作用すると、図1に示すように、ダイアフラム44の変位に伴って作動部材5が上方に移動し、伝達部材6が支点部61bを中心に回動し、この伝達部材6を介して第2伝達部材62が上方に移動するとともに、伝達部材6を介してコイルばね7が伸ばされて付勢力が増大する。第2伝達部材62が上方に移動しても、マイクロスイッチ3の作動ばね38の撓みが一定量に達するまでは、作動ばね38によって上向きに付勢された可動端子36が上側の固定端子34に当接し、これにより低圧状態であることが検出され続ける。
さらに、高圧室2Bの圧力が上昇して所定値を超えると、図3に示すように、ダイアフラム44の変位の増大に伴って第2伝達部材62がさらに上方に移動し、撓みが一定量を超えた作動ばね38が反転して下向きの付勢力が可動端子36に作用し、可動端子36が下側の固定端子35に当接する。可動端子36と下側の固定端子35とが導通されることで、圧力が所定値を超えて高圧状態に切り替わったことがマイクロスイッチ3によって検出される。ここで、高圧室2Bの圧力が所定値よりも低下して第2伝達部材62が下方に移動し始めたとしても、作動ばね38は即座に逆反転せず若干の遅れをもって逆反転する。すなわち、圧力上昇時の作動位置(作動ばね38の反転位置)の変位および圧力は、圧力下降時の作動位置(作動ばね38の逆反転位置)の変位および圧力よりも若干大きくなるように、作動ばね38の形状および付勢力が設定されている。
次に、高圧室2Bの圧力が所定の圧力値を超えて上昇し続けると、ダイアフラム44は、図4(A)に示す自然状態の変位となり、さらに、図4(C)に示す最大伸び状態(図4(A)の自然状態から上方に距離δだけ変位した状態)に向かって変位する。この間、マイクロスイッチ3の可動端子36が下側の固定端子35に当接して高圧状態であることが検出され続ける。一方、高圧室2Bの圧力が下降すると、ダイアフラム44は、コイルばね7の付勢力によって自然状態よりも下方に変位し、圧力下降時の作動位置まで変位したときに作動ばね38が逆反転し、図1に示すように、作動ばね38によって可動端子36が上向きに付勢され、可動端子36が上側の固定端子34に当接することで、低圧状態であることがマイクロスイッチ3によって検出される。さらに、高圧室2Bの圧力が下降すると、ダイアフラム44は、コイルばね7の付勢力によって図2に示す初期圧縮状態に向かって変位し、マイクロスイッチ3によって低圧状態であることが検出され続ける。
以上のような圧力スイッチ1の動作において、伝達部材6による伝達機構を図5に基づいて説明する。図5は、伝達部材6における第1伝達部材61の機構を示す図であり、図中A点が支点部61bおよび軸25の位置を示し、図中B点が第1接続部61aの位置を示し、図中C点が当接部61cの位置を示し、図中D点が第2接続部61dの位置を示している。コイルばね7の伸縮および付勢力と、作動部材5の上下移動およびダイアフラム44の変位および弾性力(圧縮力および引張力)と、第2伝達部材62の上下移動とは、伝達部材6が梃子として機能することで相互に伝達される。すなわち、図5に示すように、伝達部材6の回転中心であるA点(支点部61bおよび軸25)と、作動部材5への作用点であるC点(当接部61c)と、は第1作用距離L1だけ離れている。A点と、第2伝達部材62の接続部であるD点(第2接続部61d)と、は第2作用距離L2だけ離れている。A点と、コイルばね7の力点であるB点(第1接続部61a)と、は第3作用距離L3だけ離れている。ここで、作用距離とは、梃子における力点や作用点と支点との間のモーメント・アーム(支点から力のベクトルに直交する垂線の距離)を意味する。
第2作用距離L2は、第1作用距離L1よりも大きく(L1<L2)設定されている。従って、ダイアフラム44の変位によってC点(当接部61c)が上下移動する移動量よりも、D点(第2接続部61d)の移動量が大きくなり、ダイアフラム44の変位が第1伝達部材61により増幅されて第2伝達部材62からマイクロスイッチ3に伝達されるようになっている。また、第3作用距離L3は、第1作用距離L1よりも大きく(L1<L3)設定されている。従って、コイルばね7の付勢力によってB点(第1接続部61a)が引き上げられる距離よりも、C点(当接部61c)および作動部材5を介してダイアフラム44を下方に変位させる移動量が小さくなり、かつ、コイルばね7の付勢力が増幅されてダイアフラム44に伝達されるようになっている。
次に、圧力スイッチ1の動作中において、ダイアフラム44に作用する高圧室2Bの圧力と変位量(ストローク)の関係を図6に基づいて説明する。図6は、ダイアフラム44に作用する圧力とストロークの関係を示すグラフである。初期圧縮状態にあるダイアフラム44に対して高圧室2Bの圧力が上昇し始めると、ダイアフラム44が上方(低圧室2Aの側)へ変位し始め、ある圧力からダイアフラム44の変位が増大し、自然状態(変位量δ)になるまでの圧縮領域においては比較的大きな傾きでダイアフラム44の変位が増加していく。この圧縮領域では、高圧室2Bの圧力による上向きの力に、ダイアフラム44の圧縮力による上向きの力が加わり、これらを合わせた上向きの力がコイルばね7からの付勢力と釣り合うことから、相対的にダイアフラム44の変位が大きくなり、圧力変化に対する変位量の変化率(グラフの傾き)が大きくなっている。
さらに、高圧室2Bの圧力が上昇し、ダイアフラム44が自然状態を超えて伸び領域に入ると、圧力変化に対する変位量の変化率が若干小さくなりつつも、ダイアフラム44の変位が増大していく。この伸び領域では、高圧室2Bの圧力による上向きの力に対し、ダイアフラム44の引張力による下向きの力が差し引かれ、小さくなった上向きの力がコイルばね7からの付勢力と釣り合うことから、圧縮領域の場合と比較して圧力変化に対する変位量の変化率(グラフの傾き)が小さくなっている。その後、さらに高圧室2Bの圧力が上昇すると、ダイアフラム44が弾性限界に近づくことで変位量の変化率が小さくなる。弾性限界を超えた塑性領域で変位を繰り返すと耐久性が損なわれるため、ダイアフラム44の最大伸び状態(最大ストローク位置)の全変位量δmaxが規定されている。全変位量δmaxは、図4にも示すように、初期圧縮状態から自然状態(変位量δ)までの初期変位量δと、自然状態から最大伸び状態までの変位量δと、を加えたもの(δmax=δ+δ)となっている。そして、初期変位量δは、全変位量δmaxに対して半分以上(δ>δmax/2、すなわち、δ>δ)となるように設定されている。
次に、高圧室2Bの圧力が下降すると、ダイアフラム44が下方(高圧室2Bの側)に変位して変位量が減少する。この際、ヒステリシスが生じ、圧力上昇時よりも低圧側に遷移した軌道を描くことになる。なお、圧力下降時における伸び領域および圧縮領域の圧力変化に対する変位量の変化率(グラフの傾き)は、圧力上昇時と同様であり、圧縮領域における変化率の方が伸び領域における変化率よりも大きくなっている。また、前述したマイクロスイッチ3の作動タイミングとしては、図6において、圧力上昇時に作動ばね38が反転する作動位置および圧力下降時に作動ばね38が逆反転する作動位置のいずれも圧縮領域にあり、圧力上昇時の作動位置の方が圧力下降時の作動位置よりも変位量が大きくなっている。なお、マイクロスイッチ3の作動タイミングとしては、伸び領域において作動ばね38が作動するように設定されていてもよい。
なお、本実施形態の圧力スイッチ1は、図7〜図9に示すようなダイアフラム44の変位を規制する変位規制手段9を備えていてもよい。図7は、圧力スイッチ1における変位規制手段9を示す図である。図8は、変位規制手段9の変形例を示す図である。図9は、変位規制手段9の他の変形例を示す図である。
図7に示す変位規制手段9は、ケース2の側面部21に設けられた開口部21aと、伝達部材6の第1伝達部材61の一端側から延びる延出部61eと、によって構成されている。すなわち、延出部61eが開口部21aに挿通され、コイルばね7の付勢力によって第1伝達部材61の一端側が上方に引き上げられ、作動部材5を介してダイアフラム44が下方に変位した際に、延出部61eが開口部21aの上端縁に当接し、この当接位置を超えた移動が規制される。従って、コイルばね7の付勢力を大きくしたとしても、当接位置に対応した変位よりも大きくダイアフラム44が変位することがなく、すなわち当接位置によって決まる変位がダイアフラム44の初期圧縮状態となる。一方、高圧室2Bの圧力上昇によってダイアフラム44が上方に変位する際には、コイルばね7の付勢力との釣り合いによって変位量が決まることから、コイルばね7の付勢力を大きくすることで、検出対象の流体圧力を高圧側に設定することができるようになっている。
図8に示す変位規制手段9は、作動部材5に設けた拡径部としてのストッパ51と、保持部材としての上保持板41の上面と、によって構成されている。すなわち、コイルばね7の付勢力によって作動部材5が下方に押し下げられ、この作動部材5に押圧されてダイアフラム44が下方に変位した際に、ストッパ51が上保持板41の上面に当接し、この当接位置を超えた移動が規制される。従って、コイルばね7の付勢力を大きくしたとしても、当接位置に対応した変位よりも大きくダイアフラム44が変位することがなく、すなわち当接位置によって決まる変位がダイアフラム44の初期圧縮状態となる。一方、高圧室2Bの圧力上昇によってダイアフラム44が上方に変位する際には、コイルばね7の付勢力との釣り合いによって変位量が決まることから、コイルばね7の付勢力を大きくすることで、検出対象の流体圧力を高圧側に設定することができるようになっている。
図9に示す変位規制手段9は、高圧室2B内部の底板部材45に設けられるストッパ91と、ダイアフラム44の下面と、によって構成されている。すなわち、コイルばね7の付勢力によって作動部材5が下方に押し下げられ、この作動部材5に押圧されてダイアフラム44が下方に変位した際に、ストッパ91がダイアフラム44の下面に当接し、この当接位置を超えた変位が規制される。従って、コイルばね7の付勢力を大きくしたとしても、当接位置に対応した変位よりも大きくダイアフラム44が変位することがなく、すなわち当接位置によって決まる変位がダイアフラム44の初期圧縮状態となる。一方、高圧室2Bの圧力上昇によってダイアフラム44が上方に変位する際には、コイルばね7の付勢力との釣り合いによって変位量が決まることから、コイルばね7の付勢力を大きくすることで、検出対象の流体圧力を高圧側に設定することができるようになっている。
以上の本実施形態によれば、ダイアフラム44が上方(低圧室2A)に向かって凸となるドーム状の凸状部44aを有し、初期圧縮状態において凸状部44aが低圧室2Aの側への凸形状を維持していることで、ダイアフラム44は反転動作を起こさず、ダイアフラム44は、常に低圧室2Aの側に凸な形状のままで変位することができる。従って、反転動作による大きな入切差が生じないことで、スイッチ切り替え時の圧力値の検知精度を高めることができるとともに、ダイアフラム44における局部的な変形や応力集中が生じにくくなり、製品の高圧対応化や長寿命化を図ることができる。
また、コイルばね7の付勢力によってダイアフラム44を自然状態よりも下方(高圧室2Bの側)にさせ、ダイアフラム44に初期圧縮力を付加することで、この初期圧縮状態から自然状態までの初期変位量δと、自然状態から低圧室2Aの側への変位量δと、を併せた全変位量δmaxを得ることができる。従って、ダイアフラム44の全変位量δmaxが大きくなることで、検知する圧力値の範囲を拡大することができるとともに、検知の分解能を高めて検知精度の向上を図ることができる。また、ダイアフラム44の初期変位量δが全変位量δmaxの半分以上に設定されていることで、コイルばね7による初期圧縮力が付加されていない場合と比較して、ダイアフラム44のストロークを倍以上に拡大することができる。
調節ねじ8によってコイルばね7の付勢力を調節し、自然状態から初期圧縮状態までの初期変位量を増減させることで、ダイアフラム44のストロークを調節することができ、検知する圧力値の範囲を調整することができる。従って、ダイアフラム44の仕様は同一であっても、低圧から高圧までの広い圧力検知範囲に対応可能な圧力スイッチ1が構成できる。また、ダイアフラム44の加工精度等による剛性のばらつきがある場合であっても、調節ねじ8によってコイルばね7の付勢力を調節することで、所定の圧力値に合せてダイアフラム44のストロークを調節することができ、検知精度を向上させることができる。
また、図7〜図9に示すような変位規制手段9を備えていれば、変位規制手段9によってダイアフラム44の変位を規制することで、初期圧縮状態を超えて高圧室2Bの側に大きく変位すること防ぎ、ダイアフラム44の凸状部44aが反転動作することが防止できる。さらに、初期圧縮状態で変位が規制されたダイアフラム44に対してコイルばね7の付勢力をさらに加え、この追加付勢力を変位規制手段9に支持させるようにすることで、変位規制手段9に作用する追加付勢力の分だけダイアフラム44の変位開始圧力を高めることができる。従って、同一仕様のダイアフラム44を用いた場合であっても、より高圧領域の圧力検知に対応させることができ、圧力スイッチ1の適応範囲を拡大することができる。
伝達部材6の回動によって作動部材5の移動をマイクロスイッチ3に伝達する際に、第1作用距離L1よりも第2作用距離L2の方が大きく設定されていることで、作動部材5の移動量(すなわち、ダイアフラム44の移動量)を増幅してマイクロスイッチ3に伝達することができる。従って、ダイアフラム44の全変位量δmaxが大きくなることに加えて、伝達部材6を介して移動量が拡大されることで、マイクロスイッチ3を確実に動作させることができる。また、第3作用距離L3が第1作用距離L1よりも大きく設定されていることで、コイルばね7の付勢力を増幅して作動部材5からダイアフラム44に伝達することができ、比較的小さな付勢力を有するコイルばね7を用いることで圧力スイッチ1の小型化を図ることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る圧力スイッチについて、図10を参照して説明する。図10は、本発明の第2実施形態に係る圧力スイッチ1Aを示す断面図である。圧力スイッチ1Aは、前記第1実施形態の圧力スイッチ1と比較して、ケース2に対するマイクロスイッチ3およびダイアフラムアッセンブリ4の配置が異なるとともに、伝達部材6およびコイルばね7の構成が相違している。以下、第1実施形態との相違点について詳しく説明し、共通の構成については同一符号を付して説明を省略または簡略する。
圧力スイッチ1Aにおいて、ケース2の左右一方の側面部21にマイクロスイッチ3が設けられ、ケース2の下面部22にダイアフラムアッセンブリ4が設けられている。すなわち、ダイアフラムアッセンブリ4におけるダイアフラム44の変位方向と、ダイアフラム44の変位による作動部材5の移動方向と、は上下方向になっており、マイクロスイッチ3における切替手段33の作動方向は左右方向となっている。また、マイクロスイッチ3の調節ねじ39は、図10の左側方から操作可能に設けられている。
伝達部材6は、第1伝達部材61が全体L字形に形成され、ダイアフラムアッセンブリ4の上方に対向する位置に軸25に支持される支点部61bと、作動部材5の上端部に当接する当接部61cとが設けられ、マイクロスイッチ3の側方に対向する位置にコイルばね7が接続される第1接続部61aと、第2伝達部材62に接続される第2接続部61dとが設けられている。コイルばね7は、伝達部材6の第1接続部61aに左端部が係止されるとともに、右端部は端部部材71に固定され、この端部部材71は、調節ねじ8を介してケース2の右側の側面部21に取り付けられている。すなわち、コイルばね7は、左右方向に伸縮可能に設けられ、調節ねじ8は、図10の右側方から操作可能に設けられている。
以上の圧力スイッチ1Aは、第1実施形態の圧力スイッチ1と同様に動作し、第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。すなわち、ダイアフラム44の反転動作による大きな入切差が生じないことで、スイッチ切り替え時の圧力値の検知精度を高めることができるとともに、ダイアフラム44における局部的な変形や応力集中が生じにくくなり、製品の高圧対応化や長寿命化を図ることができる。さらに、ダイアフラム44の全変位量δmaxが大きくなることで、検知する圧力値の範囲を拡大することができるとともに、検知の分解能を高めて検知精度の向上を図ることができる。
さらに、本実施形態の圧力スイッチ1Aによれば、マイクロスイッチ3がケース2の側面部21に設けられるとともに、コイルばね7が左右方向に伸縮可能に設けられていることで、圧力スイッチ1A全体の高さ寸法を抑制することができる。また、マイクロスイッチ3の調節ねじ39およびコイルばね7の調節ねじ8が圧力スイッチ1Aの側方から操作可能に設けられていることで、圧力スイッチ1Aの上方に他の機器や配管類がある場合でも設置することができ、省スペース化を図ることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。例えば、前記実施形態では、圧力スイッチ1,1Aとして、ケース2にマイクロスイッチ3およびダイアフラムアッセンブリ4が取り付けられた構造であり、ケース2とダイアフラムアッセンブリ4の上保持板41、下保持板42および底板部材45によって本体が構成されていたが、このような構成に限定されるものではなく、低圧室と高圧室とを仕切ってダイアフラムが設けられる適宜な構造を有した本体であればよい。また、前記実施形態では、低圧室2Aが大気に開放された空間であったが、これに限らず、密閉されて大気圧よりも低圧または高圧に設定された空間によって低圧室が構成されていてもよい。
また、前記実施形態の圧力スイッチ1,1Aは、伝達部材6を備え、この伝達部材6を介して作動部材5の移動をマイクロスイッチ3に伝達するとともに、コイルばね7の付勢力を作動部材5からダイアフラム44に伝達する構成であったが、このような伝達部材を省略してもよい。あるいは、作動部材5の移動をマイクロスイッチ3に伝達する部分と、コイルばね7の付勢力をダイアフラム44に伝達する部分と、を別々の部材で構成してもよい。また、伝達部材6は、ダイアフラム44の変位を増幅してマイクロスイッチ3に伝達する構成であったが、ダイアフラム44の変位量と同じだけの移動量をマイクロスイッチ3に伝達する構成であってもよい。また、伝達部材6は、コイルばね7の付勢力を増幅してダイアフラム44に伝達する構成であったが、コイルばね7の付勢力を増幅せずに直接ダイアフラム44に伝達する構成であってもよい。
また、前記実施形態では、切替手段として、一対の固定端子34,35、可動端子36、導通部材37および作動ばね38を有したマイクロスイッチ3を採用したが、これに限らず、切替手段としては、ダイアフラムおよび作動部材に変位に伴ってスイッチ(状態)を切り替えるものであればよく、その構造や構成は任意のものが利用可能である。例えば、一対の固定端子34,35間を可動端子36が移動して導通状態を切り替えるものに限らず、回転体や搖動体、スライド体等が移動することで導通状態が切り替わるものであってもよいし、光学的な切替手段が利用されてもよい。
また、前記実施形態では、ダイアフラム44として、複数枚の金属製薄板材を重ねて構成されたものを採用したが、これに限らず、ダイアフラムは、1枚の金属製薄板材によって構成されたものであってもよい。1枚の金属製薄板材によって構成されたダイアフラムによれば、構造が簡単化できるとともに、ヒステリシスによる入切差を小さくすることができる。
また、前記実施形態では、付勢手段として、引張ばねであるコイルばね7を例示したが、付勢手段は、図11に示すような圧縮ばねとしてのコイルばね7aや、板ばね等で構成されてもよい。図11は、本発明の変形例に係る圧力スイッチ1を示す断面図である。図12は、変形例の圧力スイッチ1における伝達部材6の機構を示す図である。図11に示すように、コイルばね7aは、その上下端部に端部部材72,73を有し、伝達部材6の第1接続部61aに下側の端部部材73が当接し、上側の端部部材72に調節ねじ8の先端が当接している。従って、調節ねじ8を操作することで、コイルばね7aの付勢力(押圧力)が調整され、その付勢力が伝達部材6を介して作動部材5に伝達され、作動部材5を介してダイアフラム44に初期圧縮力が付加される。
伝達部材6の第1伝達部材61において、図12にも示すように、作動部材5の上端部に当接する当接部61c(C点)は、軸25に支持される支点部61b(A点)よりもコイルばね7aに押圧される第1接続部61a(B点)の側に設けられている。A点とC点との距離(第1作用距離L1)と、A点とD点(第2接続部61d)との距離(第2作用距離L2)とは、第2作用距離L2が第1作用距離L1よりも大きく(L1<L2)設定されている。また、A点とB点との距離(第3作用距離L3)は、第1作用距離L1よりも大きく(L1<L3)設定されている。従って、コイルばね7aの付勢力によってB点が押し下げられる距離よりも、C点および作動部材5を介してダイアフラム44を下方に変位させる移動量が小さくなり、かつ、コイルばね7aの付勢力が増幅されてダイアフラム44に伝達されるようになっている。
また、マイクロスイッチ3は、前記実施形態と異なる動作によって低圧状態と高圧状態を検出するように構成されている。具体的には、コイルばね7aの付勢力によってダイアフラム44が下方に変位した初期圧縮状態(低圧状態)において、第2伝達部材62が上方に位置することから、マイクロスイッチ3の可動端子36が作動ばね38によって下向きに付勢されて下側の固定端子35に当接し、これにより低圧状態であることが検出される。一方、高圧室2Bの圧力が上昇すると、ダイアフラム44の上方への変位に伴って第2伝達部材62が下方に移動し、圧力が所定値を超えると作動ばね38が反転して上向きの付勢力が可動端子36に作用し、可動端子36が上側の固定端子34に当接し、これにより圧力が所定値を超えて高圧状態に切り替わったことが検出される。このような変形例の圧力スイッチ1によっても前記実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
1,1A 圧力スイッチ
2 ケース
2A 低圧室
2B 高圧室
5 作動部材
6 伝達部材
7,7a コイルばね(付勢手段)
8 調節ねじ(調節手段)
9 変位規制手段
33 切替手段
44 ダイアフラム
44a 凸状部
44b 被保持部

Claims (8)

  1. 低圧室および高圧室を有する本体と、前記低圧室と前記高圧室とを仕切るダイアフラムと、前記ダイアフラムの変位に伴って移動する作動部材と、前記作動部材の移動に伴ってスイッチを切り替える切替手段と、を備えた圧力スイッチであって、
    前記ダイアフラムは、金属製の薄板材から全体円板状に形成されるとともに、前記低圧室に向かって凸となるドーム状の凸状部と、前記本体に保持される周縁部の被保持部と、を有して構成され、
    前記作動部材は、前記凸状部に対して前記低圧室の側から当接し、前記ダイアフラムの変位に追従して移動可能に設けられ、
    前記凸状部を自然状態よりも前記高圧室の側に付勢することで前記ダイアフラムに初期圧縮力を付加する付勢手段を備え、この初期圧縮状態において前記凸状部が前記低圧室の側への凸形状を維持していることを特徴とする圧力スイッチ。
  2. 前記付勢手段の付勢力を調節する調節手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の圧力スイッチ。
  3. 前記作動部材の移動を前記切替手段に伝達する伝達部材をさらに備え、
    前記伝達部材は、支点を中心に回動可能に設けられ、前記作動部材に対する作用点から前記支点までの第1作用距離よりも、前記切替手段に対する作用点から前記支点までの第2作用距離の方が大きく設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧力スイッチ。
  4. 前記付勢手段は、前記伝達部材を介して前記作動部材を前記ダイアフラムに向かって付勢し、前記伝達部材における前記付勢手段に対する作用点から前記支点までの第3作用距離が前記第1作用距離よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項3に記載の圧力スイッチ。
  5. 前記ダイアフラムが初期圧縮状態を超えて前記高圧室の側に変位することを規制する変位規制手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧力スイッチ。
  6. 前記作動部材を挿通させる挿通孔を有した保持部材をさらに備え、
    変位規制手段は、作動部材に設けられて拡径された拡径部と、前記保持部材と、で構成され、前記作動部材が前記ダイアフラムに向かって変位した際に、前記拡径部が前記保持部材に当接することで、この当接位置を超えた前記作動部材および前記ダイアフラムの移動が規制されることを特徴とする請求項5に記載の圧力スイッチ。
  7. 前記ダイアフラムが自然状態から初期圧縮状態まで変位する初期変位量が全変位量の半分以上に設定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の圧力スイッチ。
  8. 前記ダイアフラムは、1枚の薄板材で構成されるか、または複数枚の薄板材を重ねて構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の圧力スイッチ。
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