JP2015175768A - 検出器およびセンシング装置および制御システム - Google Patents

検出器およびセンシング装置および制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】赤外光を放射する被検出体の検出を行う新規な検出器を実現する。
【解決手段】赤外光を放射する被検出体Oを検出する検出器は、赤外光を受光して信号化する受光手段21と、被検出体Oからの赤外光を受光手段21に導く集光レンズ24を有し、受光手段21は、複数の受光部を集光レンズ24の光軸に直交する面内において、前記光軸に直交する所定のC方向に1列に配列してなり、集光レンズ24は、入射側および射出側の一方の面が、1以上の凸曲面による屈折面241であり、他方の面242が、N(≧2)個の帯状レンズ面に分割された面であり、集光レンズ24の光軸方向をA方向、該A方向およびC方向に直交する方向をB方向として、集光レンズ24に入射する赤外光を、受光手段21が配された面内で、B方向に互いにずれて1列に重なりあうN個のスポットとする。
【選択図】図1

Description

この発明は、検出器およびセンシング装置および制御システムに関する。
有限の温度を有する物体は、その温度に応じた電磁波を放射する。
特に、300度K前後の常温領域の温度を有する物体からは、波長にして8μmないし12μm程度の電磁波が放射される。
温度20℃の物体が放射する電磁波のピーク波長は10μm程度である。
上記波長領域の電磁波は遠赤外光と呼ばれる。遠赤外光は「遠赤外線」とも呼ばれる。
人や動物も、常温領域の体温を有するところから、遠赤外光を検出することにより、人や動物の有無を検出することが行われている(特許文献1等)。
また、遠赤外光を含むより広範な波長領域の一般的な「赤外光」も、種々の技術分野で検出対象とされている。
この発明は、赤外光を放射する被検出体の検出を行う、新規な検出器の実現を課題とする。
この発明の検出器は、赤外光を放射する被検出体を検出する検出器であって、赤外光を受光して信号化する受光手段と、前記被検出体からの赤外光を前記受光手段に導く集光レンズを有し、前記受光手段は、複数の受光部を、前記集光レンズの光軸に直交する面内において、前記光軸に直交する所定のC方向に1列に配列してなり、前記集光レンズは、入射側および射出側の一方の面が、1以上の凸曲面による屈折面であり、他方の面が、N(≧2)個の帯状レンズ面に分割された面であり、前記集光レンズの光軸方向をA方向、該A方向および前記C方向に直交する方向をB方向として、前記集光レンズに入射する赤外光を、前記受光手段が配された面内で、B方向に互いにずれて1列に重なりあうN個のスポットとする。
この発明によれば、新規な検出器を実現できる。
この検出器は、集光レンズに入射する赤外光を、受光手段が配された面内で、受光部の配列方向に直交する方向に「互いにずれて1列に重なり合うN個のスポット」とする。
このように「互いにずれて1列に重なり合うN個のスポット」を、便宜的に「検出像」と呼ぶ。
検出像は、N個のスポットが「受光手段における受光部の配列方向に直交する方向に、互いにずれて1列に重なり合う」ので、上記配列方向に直交するB方向に長くなる。
入射する赤外光の入射方向が、集光レンズの光軸に対して、AC面に対して傾くと、検出像は受光手段に対してB方向にずれる。
しかし、検出像は「B方向に長い」ので、入射する赤外光の入射方向が、集光レンズの光軸に対してAC面に対して大きく傾いても、受光手段から「外れない」ようにできる。
従って、検出像を確実に検出できる。
即ち、この発明の検出器は、集光レンズへ入射する赤外光に対する「B方向における角度応答性」を向上させることができる。
検出器の実施の1形態を説明図的に示す図である。 受光手段を説明するための図である。 集光レンズを説明するための図である。 検出器による遠赤外光の検出を説明するための図である。 受光手段の各受光部への遠赤外光の入射光量を示すシミュレーション図である。 集光レンズによる遠赤外光の、受光手段の受光面への集光を説明するための図である。 集光レンズの帯状レンズ面による形成される、互いにずれて1列に重なり合うスポットの形成を説明するための図である。 互いにずれて1列に重なり合うスポットの入射傾斜角変化によるシフトを説明するための図である。 集光レンズの別形態例を説明するための図である。 集光レンズの他の形態例を説明するための図である。 集光レンズのさらに他の形態例を説明するための図である。 集光レンズの別の形態例を説明するための図である。 集光レンズのさらに別の形態例を説明するための図である。 図13の集光レンズの特性を説明するための図である。 制御システムの実施の1形態を説明するための図である。
以下、実施の形態を説明する。
図1は、検出器とセンシング装置の実施の1形態を説明図的に示す図である。
この検出器は、赤外光を放射する被検出体を検出する検出器であるが、検出対象としての被検出体は「人体」であり、放射される赤外光は「遠赤外光」である。
図1(a)は、被検出体である人体Oが室内の床10上に居る状態を示している。符号20は「検出器」を示す。
検出器20は、人体Oから放射される遠赤外光により、人体Oの検出を行う。
図1(b)は、検出器20を用いる「センシング装置」を示す図である。
センシング装置については後述する。
ここで、以下の説明においてX、Y、Zの直交3方向を以下の如くに定める。
図1(a)に示す如く、X方向は、床10に平行で、図1(a)において図面に直交する方向であり、図面から手前側に向かう方向を正の方向とする。
Y方向は、床10からの高さ方向で、図で上方を正方向とする。Z方向は、X方向とY方向とに直交する方向であり、図1(a)において、左側を正方向とする。
図1(c)、(d)は、検出器20の構成を示している。これらの図において、符号21は「受光手段」、符号22は「センサ基板」、符号23は「パッケージ部材」を示す。
また、符号24は「集光レンズ」、符号26は「接合部材」を示す。
これらは「ウエハレベルパッケージ」によって製造されている。
以下、上記直交3方向X、Y、Zに平行な、直交3方向A、B、Cを「検出器20に固定」して設定する。
集光レンズ24の光軸方向をZ方向に平行とし、光軸に合致した軸の方向を「A方向」とする。A方向の正の向きは「遠赤外光が入射してくる側」である。
即ち、被検出体である人体Oは、A方向の正の側に位置する。
このように集光レンズ24の光軸に合致させたA方向に直交する2方向をB方向およびC方向とする。B方向は上記X軸に平行な方向、C方向は上記Y軸に平行な方向である。
B方向、C方向の正の向きは、X方向、Y方向の正の向きと同一とする。
図1(c)は、検出器20を「AC面(YZ面に平行な平面である。)」により切断した状態を示す断面図である。
図1(d)は、検出器20を「AB面(XZ面に平行な面である。)」により切断した断面図である。
符号241は、集光レンズ24の入射側面、符号242は射出側面を示している。
パッケージ部材23は、センサ基板22の「−Z側」に設けられ、接合部材26によって、センサ基板22に接合されている。符号27は「貫通配線」を示す。
集光レンズ24は、センサ基板22の「+Z側」に設けられている。
集光レンズ24とセンサ基板22とパッケージ部材23、接合部材26によって空隙(キャビティ)が形成され、該空隙内に受光手段21が封入されている。
受光手段21を封入した空隙内は、熱の影響を抑制するため真空状態とされている。
受光手段21については後述するが「C方向に配列された複数の受光部」を有する。
複数の受光部の個々は、遠赤外光を吸収して熱に変換するSiO層を有する。
SiO層が遠赤外光を吸収して昇温すると、これにより回路要素の特性変化が生ずる。この特性変化が信号化されて出力される。
この信号の安定化のため、各受光部は「変換された熱を長く留めておく必要」がある。
前記空隙内に空気があると、熱を伝導させ、空隙を構成する壁面や、集光レンズ24、パッケージ部材23に熱を逃がす恐れがある。
また、逆に「遠赤外光による熱ではない外界の熱」を各受光部に伝える恐れもある。
このような空気による熱の伝導は、受光手段21における「S/Nの低下」を齎す。
従って、上記の如く、受光手段21を封入した空隙内は、熱の影響を抑制するため真空状態とされるのである。
図2は、受光手段21の1例を説明するための図である。
図2(a)は、受光手段21における受光部の配列状態の1例を示している。
この例では、受光手段21は、Y方向即ち上記C方向に1列に配列された8個の受光部RL1ないしRL8を有している。
これら8個の受光部RLi(i=1〜8)は、図2(b)に示すように、センサ基板22の中央の空隙部に、公知の梁構造体28により「宙吊り状態」で保持されている。
受光部RLiのサイズおよびピッチの具体的数値の1例を挙げると、B(X)方向のサイズ:Dxは100μm、C(Y)方向のサイズDyは50μmである。
また、ピッチ:DYは70μmである。
図3に即して、図1に示した集光レンズ24を説明する。
図3(a)は、集光レンズ24を光軸に合致したA方向の正の側から見た図であり、入射側面241が見えている。
図3(b)は、集光レンズ24をA方向の負の側から見た図であり、射出側面242が見えている。
図3(c)、(d)は、図1(c)、(d)におけると同様、集光レンズ24の「光軸を含む平面による断面図」を示している。
図3(c)は(a)の「aa断面」であるAC面、(d)は(b)の「bb断面」であるAB面による断面形状を示している。
入射側面241は、この例において「単一の凸曲面による屈折面」である。
入射側面241をなす単一の凸曲面の形状は「球面」であることも「非球面」であることもできる。
即ち、図3(c)に示す断面形状において入射側面241のなす曲線は「円弧」であることも「非円弧」であることもできる。
また、入射側面241の図3(c)に示す形状と、(d)に示す形状とが「異なっている」こともできる。
例えば、入射側面241のAC面内における曲率半径と、AB面内における曲率半径とが異なっていることもできる。
この場合、入射側面241は、Y方向とX方向とで「正の屈折力が互いに異なるレンズ面」となる。
入射側面241の形状は、C方向に関しては「AB面に対して鏡面対称」であり、B方向に関しては「AC面に対して鏡面対称」である。
次に、射出側面242について説明すると、射出側面242は、この例において、3個の帯状レンズ面242b、242m、242tに分割された面である。
帯状レンズ面242b、242m、242tは、図3(d)に示すように、AB面に平行な面内では曲率を持たず、AB面に直交する方向においては曲面もしくは平面である。
即ち、帯状レンズ面242b、242m、242tは、最も単純な形状としては「帯状の平面形状」であることができる。
図3の例では、図3(c)に示すように、AC断面内において、射出側面242は「曲線」形状となっているが、この曲線形状は円弧形状でも非円弧形状でもよい。
帯状レンズ面242b、242m、242tは、図3(b)、(d)に示すように「相互に隣接する面の境界部が互いに一致して単一の稜線をなす形状」である。
なお、図3(c)に示す、射出側面242の「AC面内における曲率半径」は70μmである。
射出側面242は、集光レンズ24の射出側における平坦部から「掘り込まれ」て形成されている。
この掘り込みの深さ(上記平坦部から光軸上の射出側面位置までの距離)は105μmである。
図4(a)で、集光レンズ24の入射側面241にAC面内で入射する遠赤外光の入射範囲を表す入射角範囲をθ1とする。
図4(b)で、集光レンズ24の入射側面241にAB面内で入射する遠赤外光の入射範囲角をθ2とする。
図2におけるY方向は「検出が行われる空間(図1(a)参照)における上下方向」であり、X方向は「水平方向」である。
そこで、上記入射角範囲:θ1を「上下方向における検出範囲」と称し、入射角範囲:θ2を「水平方向における検出範囲」と称する。
説明中の例では、θ1=θ2=50度としている。
図4(c)に示す如く、受光手段21は、C方向に配列された8個の受光部を有する。
即ち、上下方向における検出範囲を「8つの受光部で監視」していることとなる。
従って、1つの受光部が監視する検出範囲はθ1÷8(ここでは、50÷8=6.25°)である。
集光レンズ24に入射する遠赤外光の「光軸(A方向)に対する傾き角」を以下、「入射傾斜角」と称する。入射傾斜角は、AB面内とAC面内とで考えられる。
YZ面に平行なAC面内で具体的に説明すると、入射傾斜角と受光部との対応関係は以下のように設定されている。
入射傾斜角 受光部
−21.875±3.125度 RL1
−15.625±3.125度 RL2
−9.375±3.125度 RL3
−3.125±3.125度 RL4
3.125±3.125度 RL5
9.375±3.125度 RL6
15.625±3.125度 RL7
21.875±3.125度 RL8 。
図4(d)には、入射傾斜角:−21.875±3.125度の範囲の遠赤外光が、RL1上にスポットSP1を形成し、入射傾斜角:−3.12±3.125度の範囲の遠赤外光が、RL4上にスポットSP4を形成している状態が示されている。
このように、入射傾斜角と受光部とが対応していることを、以下では「角度分離」とも言う。
図5は、受光部RLi(i=1〜8)で受光される遠赤外光の入射傾斜角と受光光量との関係の光線追跡によるシミュレーション結果を示している。
縦軸の「光量」とあるのは、集光レンズ24に入射する光線数に対する「受光部に到達する光線数」の割合を規格化した値である。
なお、集光レンズ24の光軸上において、集光レンズ24の射出側面と受光部との間隔は「ギャップ距離」と呼ばれ、説明中の例では405μmである。
図4(f)は、受光手段21からの出力の1例を説明図的に示している。例えば、受光部RL1を含む部分からの出力の出力レベルを示している。
この出力レベルが、閾値:THを超えるとき、遠赤外光が検出可能となる。
さて、上に説明したのは、集光レンズ24に入射する遠赤外光の入射方向が、AC面に平行な場合であった。
この場合には、入射遠赤外光の入射傾斜角がAC面内で異なることにより、C方向に異なる位置にある受光部RLiが受光する。
先に述べたように「入射傾斜角」は、AB面内(XZ面に平行な面)においても考えられる。即ち、入射遠赤外光の入射傾斜角が、AB面内で有限になる場合がある。
この時に生じる問題を以下に説明する。
集光レンズ24の射出側面は、上述のように、3つの帯状レンズ面に分割されている。
ここでは、上記問題の説明のために、集光レンズ24の射出側面が「単一の凹面による屈折面」である場合を想定する。従来の集光レンズは、このような形状となっている。
このような形状の集光レンズは、メニスカスレンズである。
このような形状の集光レンズでも、入射遠赤外光がAC面に平行であれば、上の説明はそのまま成り立つ。
しかし、入射傾斜角がAC面に対して傾くと、以下のごとき問題が生じる。
即ち、入射傾斜角がAC面に対して傾いてAB面内で有限の大きさを持つと、集光レンズによる集光位置は、B方向(X方向)にずれる。
例えば、図4(d)に示すスポットSP1やSP4は、図4(e)に示すように、これを受光すべき受光部RL1やRL4に対してX方向(B方向)へずれる。
その結果、受光部RL1等からの出力レベルは、図3(g)の如くになり、最大レベルが閾値:THを下回ると、遠赤外光の検出が出来なくなる。
この発明は、このような問題を「集光レンズに形成された複数の帯状レンズ面」により解決するのである。
図6を参照する。
図6(a)に示すように、集光レンズ24は、その射出側の面242が3つの帯状レンズ面242b、242m、242tに分割されている。
これら帯状レンズ面242b、242m、242tは、XZ面に平行なAB面においては曲率を持たない。
Z軸に平行な光軸方向(A方向)から入射する遠赤外光LTIは、集光レンズ24に入射すると、入射側面241の正の屈折力により収束光束とされ、射出側面242に入射する。
射出側面242は、帯状レンズ面242b、242m、242tに分割されているが、これら帯状レンズ面は、その面の向き(法線方向)が「互いに非平行」である。
従って、帯状レンズ面242b、242m、242tに入射した光束成分は、これらの帯状レンズ面により、互いに異なる方向へ屈折される。
これら互いに異なる方向へ屈折された3つの光束部分は、受光手段21の受光面21S上に、互いにずれて1列に重なり合うスポットSPb、SPm、SPtを形成する。
即ち、まとめると、集光レンズ24は、入射側面241が、1つの凸曲面による屈折面であり、射出側面242が、3個の帯状レンズ面242b、242m、242tに分割された面である。
1つの凸曲面による屈折面である入射側面241は、集光レンズ24の光軸方向をA方向、受光部が配列するC方向とA方向とに直交する方向をB方向として、AB面およびAC面に対称的な面である
3個の帯状レンズ面242b、242m、242tの個々は、AB面に平行な面内では曲率を持たず、AB面に直交する方向においては曲面である。
これら3面の帯状レンズ面242b、242m、242tは、相互に隣接する面の境界部が互いに一致して単一の稜線をなす形状であり、集光レンズ24に入射する遠赤外光LTIを、受光手段が配された面21S内で、B方向に互いにずれて1列に重なりあう3個のスポットSPb、SPm、SPtとする。
図6(b)は、受光手段21の受光面21S上に「互いにずれて1列に重なり合うように形成されたスポットSPb、SPm、SPt」の規格化された光量分布を示している。
これらの光スポットの「B方向における光量分布」はガウス分布状である。
図6(b)に示す「M」を光量分布の最大値とするとき、スポットSPb、SPm、Sptは、隣接するスポットの光量分布が「M/2」となる部分が合致するように設定されている。
図7(a)に示す帯状レンズ面242b、242m、242tにより形成されるスポットSPb、SPm、SPtは、図7(b)に示すようにX方向に平行なB方向に互いにずれて、1列に重なり合う。
このとき、これらスポットSPb、SPm、SPtの重なり合いによるB方向の光量分布(以下「合成光量分布」という。)は、図7(c)に示すように、光量の最大部がフラットな、所謂「フラットトップ」の形状になる。
図7(d)は、上記の如く「B方向にずれて1列に重なり合った3つのスポットSPb、SPm、SPt」が、1例として、受光部RL4上に集光している状態を示している。
この図の状態では、入射遠赤外光の入射傾斜角は「AC面」に対して傾いておらず、3つのスポットのうちの中央のスポットSPmが受光部RL4上に集光している。
図8(b)は、入射遠赤外光のAC面に対する入射傾斜角が変化した場合におけるスポットSPb、SPm、SPtの「受光部RLiに相対的な、B方向の位置変化」を示している。
図8(b)の真中の図は、入射遠赤外光のAC面に対する入射傾斜角が0の場合を示す。
図8(b)の、一番上の図は、入射傾斜角がAC面に対してマイナス側に傾いた場合を示し、一番下の図は、入射傾斜角がAC面に対してプラス側に傾いた場合を示す。
入射傾斜角が、AC面に対して傾くと、スポットSPb、SPm、SPtは一体となって、B方向へシフトする。
このとき、受光部RLiによる「遠赤外光検出の有効領域」は図の領域:WXとなる。
このように、帯状レンズ面242b、242m、242tの作用により、受光部RLiによる「遠赤外光検出の有効領域:WX」を有効に拡大することができる。
即ち、説明中の検出器によればXZ面に平行なAB面での入射傾斜角の絶対値が大きくても、信号レベルの低下が抑制され、閾値を低くすることなく被検出体を検知できる。
図8(a)に示すように、射出側面242を構成する帯状レンズ面242b、242m、242tの幅を「t」とし、B方向における射出側面242の大きさを「T」とする。
帯状レンズ面242b、242m、242tは何れも同じ幅「t」を有し、これらは説明中の例において200μmに設定され、前記「T」の大きさは略600μmである。
図8(a)は、集光レンズ24のAB面における断面形状を示している。
帯状レンズ面242mは、光軸方向であるA方向に直交し、帯状レンズ面242bと242tとは、B方向に対して傾いている。
即ち、帯状レンズ面242bは、B方向に対して反時計回りに角:θだけ傾き、帯状レンズ面242tは、B方向に対し時計回りに角:θだけ傾いている。
帯状レンズ面242b、242m、242tの互いに隣接する部分は合致し、単一の稜線をなす。
即ち、帯状レンズ面相互の境界部に「段差」が生じないロバスト性の高い面形状である。
仮に「帯状レンズ面の境界部に段差が存在する場合」には、この段差で、遠赤外光の散乱や、受光部での受光量の減少、受光部への迷光の入射が考えられる。
また、集光レンズを半導体プロセスで作製する場合、段差部の角の鈍化が発生し、更なる光の散乱や迷光の発生を引き起こすことが考えられる。
説明中の検出器では、集光レンズ24に形成される複数の帯状レンズ面の隣接部に段差がないので、上記のごとき不具合が発生することはない。
図6(b)に示した合成光量分布は、スポットSPb、SPm、Sptが、ガウス分布状の規格化された光量分布の最大光量:Mに対し、隣接するスポットの光量分布が「M/2」となる部分が合致するように重ね合わせられたものである。
このようになるように、帯状レンズ面242b、242tの傾き角:θが設定されているのである。
図6(a)において、スポットSPb、SPm、SPtのX方向(B方向)の大きさは、この方向における帯状レンズ面の幅より小さい。
図6(a)の状態において、射出側面242と受光面21Sとの間隔が大きくなると、これらのスポットのX方向の大きさが大きくなる。
このようにスポットの大きさが大きくなると、個々のスポットの「B方向の光量分布」が緩やかになる。
このため、これらの光量分布を重ね合わせた合成光量分布は、最大値が小さくなり、両サイドの傾斜も緩やかになる。
図8(d)に示す合成光量分布におけるフラット部分の中央位置から、光量が減衰し始める位置までの大きさを「W」とする。光量が減衰する部分はガウス分布に従う。
規格化された光量の最大値(フラットな部分)の「1/e」になる部分での「減衰する部分の幅」を裾野の幅と呼び「σ」で表す。
このとき、パラメータ:W/σを考えると、このパラメータが大きいほど、減衰する部分での減衰は急峻である。
図8(d)の如き合成光量分布は、フラットトップであるとともに、両サイドでの減衰が急峻であることが好ましい。
上記パラメータ:W/σが1より小さくなると、互いにずれて重なったスポットSPb、SPm、SPtの「B方向における光量分布の最大値」が小さくなる。
また、光量分布の両サイドの傾斜も緩やかになってフラットトップな形状にならない。
従って、パラメータ:W/σが1以上となるようにスポットの大きさやB方向における相互の重なりを設定することが好ましい。
このような設定は、集光レンズの特性として設計できる。とくに、帯状レンズ面242b、242tのB方向に対する傾き角:θの調整が重要になる。
図1に戻ると、検出器20は上に説明したように構成されている。
図1(b)に示す「検出器20を用いるセンシング装置」を説明する。
検出器20は、上記の如く遠赤外光を受光し、受光手段21の各受光部RLiは受光量に応じた信号を出力する。
増幅器40は、検出器20からの出力信号をそれぞれ増幅し、増幅された「増幅信号」を出力する。増幅信号は被検出体情報取得部60に入力する。
被検出体情報取得部60は増幅信号の入力を受け、所定のタイミングごとに「増幅信号に基づいて、被検出体である人体Oが室内に居るか否か」を判断する。
被検出体情報取得部60はコンピュータやCPUで構成される。
取得するべき情報は、最も基本的なものとしては上記の如く「人体Oが室内に居るか否か」である。
上には「検出器の実施の1形態」を説明した。
上に説明した形態例では、実施手段21は受光部RLiを8個有するが、勿論、この発明の検出器はこれに限定されない。
また、「上下方向における検出範囲:θ1」を50度、「水平方向における検出範囲:θ2」を50度としたが、勿論、θ1やθ2は、これに限定されない。
θ1やθ2は、互いに等しくてもよいし、異なっていてもよい。
また、上の形態例では、集光レンズの射出側面242が3つの帯状レンズ面242b、242m、242tに分割されているが、帯状レンズ面の数は3に限らない。
また、複数の帯状レンズ面の「曲率を持たない方向における幅」として、上の例では、これらの幅:tが互いに等しいが、勿論、上記幅が帯状レンズ面で相互に異なっていることも可能である。
以下に、検出器に用いられる集光レンズの別の形態例を挙げる。
図9は「集光レンズの別例」である集光レンズ24Aの形状を、図3に倣って示している。
(a)は入射側面241Aの側を示す平面図、(b)は射出側面242Aの側を示す平面図である。(c)は(a)のaa断面図、(d)は(b)のbb断面図である。
集光レンズ24Aの特徴とするところは以下の点にある。
射出側面242Aが3つの帯状レンズ面242Ab、242Am、242Atに分割されている。
帯状レンズ面242Ab、242Am、242Atに分割された射出側面242Aは、Y方向に平行な方向から見た断面形状が、図9(d)に示すように「Z軸の負の側に凸の凸面」をなす。
即ち、集光レンズの射出側面は、AB面内において凹面でなく「凸面」でもよい。
このようにしても、上に説明した集光レンズ24の場合と同様の効果、即ち、受光手段の受光面上におけるXZ方向の合成光量分布が「フラットトップ形状」となり、裾野部分の減衰状態を急峻な状態にできる。
射出側面242Aは、帯状レンズ面242Ab、242Am、242Atの「互いに隣接する部分」が合致して単一の稜線をなす「ロバスト性の高い面形状」である。
上に説明した集光レンズ24、24Aでは何れも「射出側面」が複数の帯状レンズ面に分割されている。
しかし、帯状レンズ面に分割されるのは、射出側面に限らず、入射側面でもよい。
図10は「集光レンズの他の例」である集光レンズ24Bの形状を、図3に倣って示している。
(a)は入射側面241Bの側を示す平面図、(b)は射出側面242Bの側を示す平面図である。(c)は(a)のaa断面図、(d)は(b)のbb断面図である。
集光レンズ24Bの特徴とするところは以下の点にある。
入射側面241Bが3つの帯状レンズ面241Bb、241Bm、241Btに分割されている。
帯状レンズ面241Bb、241Bm、241Btに分割された入射側面241Bは、Y方向に平行な方向から見た断面形状が、図10(c)に示すように「Z方向の正の向きに向いた凹面」である。
このようにしても、上に説明した集光レンズ24の場合と同様の効果、即ち、受光手段の受光面状におけるXZ方向における合成光量分布が「フラットトップ形状」となり、裾野部分の減衰状態を急峻な状態にできる。
入射側面241Bは、帯状レンズ面241Bb、241Bm、241Btの「互いに隣接する部分」が合致して単一の稜線をなす「ロバスト性の高い面形状」である。
図11は「集光レンズのさらに他の例」である集光レンズ24Cの形状を、図10に倣って示している。
(a)は入射側面241Cの側を示す平面図、(b)は射出側面242Cの側を示す平面図である。(c)は(a)のaa断面図、(d)は(b)のbb断面図である。
集光レンズ24Cの特徴とするところは以下の点にある。
入射側面241Cが3つの帯状レンズ面241Cb、241Cm、241Ctに分割されている。
帯状レンズ面241Cb、241Cm、241Ctに分割された入射側面241Cは、Y方向に平行な方向から見た断面形状が、図11(c)に示すように「Z方向の正の向きに向いた凸面」である。
このようにしても、上に説明した集光レンズ24の場合と同様の効果、即ち、受光手段の受光面状におけるXZ方向における合成光量分布が「フラットトップ形状」となり、裾野部分の減衰状態を急峻な状態にできる。
入射側面241Cは、帯状レンズ面241Cb、241Cm、241Ctの「互いに隣接する部分」が合致して単一の稜線をなす「ロバスト性の高い面形状」である。
図12は「集光レンズの別の例」である集光レンズ24Dの形状を、図10に倣って示している。
(a)は入射側面241Dの側を示す平面図、(b)は射出側面242Dの側を示す平面図である。(c)は(a)のaa断面図、(d)は(b)のbb断面図である。
集光レンズ24Dの特徴とするところは以下の点にある。
射出側面242Dが3つの帯状レンズ面242Db、242Dm、242Dtに分割されている。
帯状レンズ面242Db、242Dm、242Dtに分割された射出側面242Dは、Y方向に平行な方向から見た断面形状が、図12(d)に示すように「Z方向の負の向きに向いた凸面」である。
射出側面242Dは、帯状レンズ面242Db、242Dm、242Dtの「互いに隣接する部分」が合致して単一の稜線をなす「ロバスト性の高い面形状」である。
図12に示す集光レンズ24Dはまた、その入射側面241Dが、X方向(B方向)に3つのレンズ面部分241Db、241Dm、241Dtに分割されている。
これらレンズ面部分は、図12(c)に示すように、AC面に平行な断面形状は、凸の円弧または非円弧形状であり、レンズ面形状としては「トロイダル形状」である。
また、光軸方向から見ると、レンズ面部分241Dbと帯状レンズ面242Dbが互いに重なり、レンズ面部分241Dmと帯状レンズ面242Dm、レンズ面部分241Dtと帯状レンズ面242Dtが、それぞれ互いに重なるように形成されている。
このようにしても、上に説明した集光レンズ24の場合と同様の効果、即ち、受光手段の受光面状におけるXZ方向における合成光量分布が「フラットトップ形状」となり、裾野部分の減衰状態を急峻な状態にできる。
具体的な数値の例を挙げると、集光レンズ24Dにおいて、射出側面242DのAC面内での曲率半径は70μmである。
また、射出側面242Dにおける帯状レンズ面242Dmの、射出側面周辺部の平坦部からの距離は、光軸上で105μmである。
また帯状レンズ面242Db、242Dm、242Dtの「無曲率方向の幅:t」は何れも200μm、これら帯状レンズ面の配列幅は略600μmである。
図12の集光レンズ24Dは、入射側面241Dの視野方向が同一方向になるので、小型の検出器では検知する遠赤外光は略同じものとなるので、測定精度を落とすことなく検知できる。
さらに、入射側面241Dは、トロイダル面が3つ繋がった形状であることから、単レンズ面の場合に比較して入射面積が広がることになる。
このため、入射光量が増大し、検出感度の向上を見込むことができる。
上に説明した集光レンズ24、24A、24B、24C、24Dは何れも、入射側面もしくは射出側面に形成される帯状レンズ面の数が3である。
この発明の検出器に用いられる集光レンズは、このような場合に限られない。
即ち、入射側面もしくは射出側面に形成される「複数の帯状レンズ面」の数は、3に限らず4以上であってもよいし、2であってもよい。
図13は「集光レンズのさらに別の例」である集光レンズ24Eの形状を、図3に倣って示している。
(a)は入射側面241Eの側を示す平面図、(b)は射出側面242Eの側を示す平面図である。(c)は(a)のaa断面図、(d)は(b)のbb断面図である。
集光レンズ24Eの特徴とするところは以下の点にある。
射出側面242Eが2つの帯状レンズ面242Eb、242Etに分割されている。
帯状レンズ面242Eb、242Etに分割された射出側面242Eは、Y方向に平行な方向から見た断面形状が、図13(d)に示すように「Z方向の負の向きに向いた凹面」である。
このようにしても、上に説明した集光レンズ24の場合と同様の効果、即ち、受光手段の受光面状におけるXZ方向における合成光量分布が「フラットトップ形状」となり、裾野部分の減衰状態を急峻な状態にできる。
射出側面242Eは、帯状レンズ面242Eb、242Etの「互いに隣接する部分」が合致して単一の稜線をなす「ロバスト性の高い面形状」である。
図14(a)において光量分布SPbは、帯状レンズ面242Ebを通った遠赤外光の形成するスポットSPbの規格化された光量分布である。
また、光量分布SPtは、帯状レンズ面242Etを通った遠赤外光の形成するスポットSPtの規格化された光量分布である。
帯状レンズ面242Eb、242Etの光軸に対する傾き角を調整して、これら光量分布が、その最大値:Mの1/2となる部分で重なり合うようにする。
このように合成された合成光量分布は、図14(b)に示すように、フラットトップな形状となる。
また、合成光量分布の両サイドにおける裾野部分の立ち上がり形状を急峻な形状にすることができる。
射出側面に2つの帯状レンズ面を形成する場合、帯状レンズ面による射出側面の形状を「Z方向の負の側に向いた凸面」としてもよいことは言うまでもない。
また、このように2面の帯状レンズ面の形成された面を、入射側に配置するようにしてもよい。
2面の帯状レンズ面が形成された面と逆側の面は、単一のレンズ面でもいし、2つの帯状レンズ面に対応させた「2つの凸レンズ面」としてもよい。
上には、6種類の集光レンズを例示したが、図1(c)、(d)に示した集光レンズ24に代えて、集光レンズ24A、24B、24C、24D、24Eを用いて検出器を構成できることは言うまでもない。
上には説明しなかったが、集光レンズ24、24A、24B、24C、24D、24Eは、何れも、入射側面および射出側面に周知の「反射防止膜」が形成されている。
反射防止膜は、この発明の検出器に用いられる集光レンズの構成として「必須の要素」ではない。
しかし、レンズ面による反射で検出精度の低下を有効に防止するために、集光レンズの入射側面、射出側面に反射防止膜を設けることが好ましい。
この発明の「センシング装置」は遠赤外光を放射する被検出体に対するセンシングを行うものであり、被検出体を人体Oとする場合の例を、図1(b)に即して先に説明した。
図1(b)に示す検出器20、増幅器50、被検出体情報取得部60からなるセンシング装置は1チップにチップ化されていてもよい。
この発明の「制御システム」は、上記センシング装置のセンシング結果に応じて、機器類の制御を行うシステムである。
例えば、暖冷房を行うエアコンディショナのような機器や、画像形成装置等の事務機器は、常時稼働させたり、稼働可能な状態にしておいたりするのは「省エネルギの観点」から好ましくない。
近時、このような観点から、このような機器の電源のオン/オフを制御できるようにし、機器の近傍に人がいるときのみに、電源をオンにすることが行われている。
図15は、制御システムの実施の1形態を説明するための図である。
図15において、機器101、102、103、104は、電源のオン/オフを外部からも行うことが可能な機器であり、例えばMFP(マルチ・ファンクション・プリンタ)等である。
図15の制御システムは、4つの機器101〜104の電源のオン/オフを制御するシステムである。
機器101はルームR1に配備され、機器102と103はルームR2に配備され、機器104はルームR3に配備されている。
センシング装置は、ルームごとに配備され、センシング装置201はルームR1に、センシング装置202、203は、それぞれルームR2、R3に配備されている。
センシング装置201、202、203は、図1(b)に即して説明した如きものであり、配備されたルームに人が居るかいないかを検出する。
機器制御装置300はコンピュータ等であって、センシング装置201〜203からの入力を受け、その結果に応じて、機器101〜104の電源のオン/オフを制御する。
先に、図1(b)に即して説明したように、検出器20が遠赤外光を受光し、受光手段21の各受光部RLiは受光量に応じた信号を出力する。
増幅器40は、検出器20からの出力信号をそれぞれ増幅し、増幅された「増幅信号」を出力する。増幅信号は被検出体情報取得部60に入力する。
被検出体情報取得部60は増幅信号の入力を受け、所定のタイミングごとに「増幅信号に基づいて被検出体である人体Oが室内に居るか否か」を判断する。
被検出体情報取得部60はコンピュータやCPUで構成される。
取得するべき情報は、最も基本的なものとしては上記の如く「人体Oが室内に居るか否か」である。
センシング装置201〜203で、被検出体である人体Oが「室内に居るか否か」の判断がなされると、その判断結果が、機器制御装置300に通知される。
なお「人が居るとの判断」は、1例として示せば、図8(c)に示すように、受光手段21の8個の受光部RL1〜RL8の出力レベルのうちの「3つ以上(図8(c)では4つ)」が閾値:THを超える場合に「人体Oを検知した」と判断するのである。
上記の如く、各センシング装置201〜203は、所定のタイミング毎に人の有無を検知し、その検知結果(「未検知」/「検知」)を機器制御装置200に通知する。
機器制御装置300は、センシング装置201〜203の出力に基づいて機器101〜104の電源のオン/オフを制御する。
機器制御装置300による制御の態様は、例示すれば以下の如くである。
例えば、機器101の電源がオン状態のとき、センシング装置201からの通知が「未検知」であれば、機器101の電源をオフ状態にする。
逆に、機器101の電源がオフ状態のときに、センシング装置201からの通知が「検知」であれば、機器101の電源をオン状態にする。
機器102及び機器103の電源がオン状態のときに、センシング装置202からの通知が「未検知」であれば、機器102及び機器103の電源をオフ状態にする。
また、機器102及び機器103の電源がオフ状態のときに、センシング装置202からの通知が「検知」であれば、機器102及び機器103の電源をオン状態にする。
さらに、機器104の電源がオン状態のとき、センシング装置203からの通知が「未検知」であれば、機器104の電源をオフ状態にする。
機器104の電源がオフ状態のときに、センシング装置203からの通知が「検知」であれば、機器104の電源をオン状態にする。
図15に即して説明した機器制御システムは、4つの機器101〜104の電源のオン/オフの制御を行うものであるが、この発明の制御システムが、この形態例に限定されるものでないことは言うまでもない。
例えば、制御対象である機器はMFPに限らないし、制御される機器の数も4に限らず任意である。制御の内容も「電源のオン/オフ」に限らない。
また、被検出体情報取得部60が「人の有無のみ」を取得する場合を説明したが、これに限らない。
例えば、出力レベル量が閾値:THを超えた受光部の「配置位置」から、被検出体である人体Oの方向を取得することもできる。
この場合、機器制御装置300は、機器と人との「相対的な位置関係」を知ることができ、該位置関係に応じて機器を制御することもできる。
なお、センシング装置の検出対称が「人体」に限らないことも勿論である。
付言すれば、上に説明した集光レンズの形状は「遠赤外光以外の電磁波の検出」にも有効に適用することが可能である。
以下に、検出器の製造方法につき簡単に説明する。
検出器に用いられる集光レンズの材料は、遠赤外光に対してレンズ作用を実現できる屈折率をもった材質であり、ゲルマニウム、シリコン、カルコゲナイドガラス等様々な材料が知られている。
以下には、集光レンズの材料をシリコン(Si)として説明する。上に説明した各種の集光レンズもシリコン製である。
以下の説明は、図1(c)、(d)に示した検出器の製造方法の例である。
集光レンズ24は、入射側面・射出側面ともに、フォトリソグラフィとドライエッチングにより作製する。
例えば、微小な開口をもつマスクパターンに拡散光を照射することによりレジストパターンの高さに階調をもたせるグレースケール露光法により「レンズ形状の基になるレジストパターン」を形成する。
その後、6フッ化硫黄(SF)をベースとしたエッチングガスにより、レジストパターンをマスクとしてドライエッチングを行う。
集光レンズ24が形成されるSi基板の初期厚さは800μmである。
センサ基板22は、受光手段21や、図示されない信号増幅回路、ノイズ除去回路、物体位置推定ロジック回路などを備えた電子回路群を同一基板上に設けたものであり、フォトリソグラフィにより作製する。
受光手段21は、熱ノイズの影響を避けるため、受光部が設けられた領域の外周部を掘り抜いた中空構造を細い梁で支持した構造とする必要があり、集光レンズ24と同様にSFをエッチングガスとしたドライエッチングにより形成する。
受光手段21は、高感度化のために真空封止されるとともに、電気配線を外部へ引き出す必要がある。
これは、貫通配線付きガラス基板や、内部に多層配線を施した低温同時焼成セラミックス(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)基板などのパッケージ部材23を利用して実現する。
集光レンズ24、センサ基板22及びパッケージ部材23を、ガラスフリット接合法を用いて接合し、受光器21を真空封止する構造を形成する。
「ガラスフリット接合法」は、ペースト状のガラス剤をスクリーン印刷し、焼結、ガラス化して接合する方法である。
このようにして、集光レンズ24、センサ基板22及びパッケージ部材23を、ウエハ状態のままで(個片化せずに)接合し、これを個片化(ダイシング)することで「1ウエハあたり数千個」の検出器20を製造できる。
このような製造方法は「ウエハレベルパッケージ(WLP)」と呼ばれている。
なお、センサ基板22は、パッケージ部材23の貫通配線27を通して外部と導通がとれ(配線され)、回路基板等に実装可能である。
集光レンズ24とセンサ基板22の接合方法としては、金(Au)等の金属による「共晶結合」を利用しても良い。
代表的な例として、Au−Si共晶接合を説明する。
AuをSi上に成膜し、共晶点以上の温度に加熱すると、共晶反応によってAuがSi内部に拡散し、合金を形成することにより強力に接合される。
この反応を2枚のSi基板の間に進行させることにより、基板同士を接合できる。
実際には、一方のSi基板表面に、クロム(Cr)/白金(Pt)/Auなどの膜を形成する。
Crは密着層として機能し、PtはAuの拡散を止めるバリア層として機能する。他方のSi基板にAuを成膜して共晶反応を進めることにより、Si基板同士を接合する。
Au−Si共晶接合のほかにも、Au−Sn共晶接合などもある。これは、半田と同様の反応である。
但し、通常の電極端子に用いる半田のような金属混合物ではなく、組成を合わせた膜を形成し、共晶反応により合金化させる。
Si基板とガラス基板を接合するには「陽極接合」を用いることもできる。
これは、ガラス基板を加熱した状態で「数100Vの強電界」を印加することにより、ガラス基板中のNaイオンをSi側へ移動させ、静電引力により界面に共有結合を形成し、基板同士を強固に接合する方法である。
上に実施の形態を説明した検出器では、集光レンズ24等に「角度分離用と光利用効率向上用の2つの面形状」を直交する2方向(B方向とC方向)に持たせている。
光利用効率向上用の面形状として、複数の帯状レンズ面を形成して、隣接する領域からの光スポットを受光面で重ね合わせることにより、所望の検出範囲において、光量分布のフラットトップ化を図っている。
以上、遠赤外光の検出を行う場合を例にとって、検出器、センシング装置、制御システムを説明したが、この発明の検出器は「遠赤外光」に限らず「赤外光」の検出を行うことができる。
従って、一般の赤外光を放射する被検出体を検出するセンシング装置、これを用いる制御システムを実施できることは言うまでもない。
また、上に説明した集光レンズの例では、入射側面の形状が、C方向に関しては「AB面に対して鏡面対称」で、B方向に関しては「AC面に対して鏡面対称」であるが、勿論これに限定されるものではない。
即ち、集光レンズの一方の面として形成される「1以上の凸曲面による屈折面」は「集光レンズの光軸方向をA方向、A方向およびC方向に直交する方向をB方向として、AB面およびAC面に対称的な面」である必要はない。
集光レンズの仕様により「適宜の面形状の凸曲面による屈折面」として構成できる。
また、上に説明した集光レンズの各例では、帯状レンズ面が「AB面内では曲率を持たない」形状であるが、帯状レンズ面は「AB面内で曲率を持つ形状」としてもよい。
以上の通り、この発明によれば、以下のごとき新規な検出器、センシング装置および制御システムを実現できる。
[1]
赤外光を放射する被検出体を検出する検出器であって、赤外光を受光して信号化する受光手段と、前記被検出体からの赤外光を前記受光手段に導く集光レンズを有し、前記受光手段は、複数の受光部を、前記集光レンズの光軸に直交する面内において、前記光軸に直交する所定のC方向に1列に配列してなり、前記集光レンズは、入射側および射出側の一方の面が、1以上の凸曲面による屈折面であり、他方の面が、N(≧2)個の帯状レンズ面に分割された面であり、前記集光レンズの光軸方向をA方向、該A方向および前記C方向に直交する方向をB方向として、前記集光レンズに入射する赤外光を、前記受光手段が配された面内で、B方向に互いにずれて1列に重なりあうN個のスポットとする検出器。
[2]
[1]に記載の検出器において、集光レンズのN個の帯状レンズ面の個々は、AB面に平行な面内では曲率を持たず、AB面に直交する方向においては曲面もしくは平面である検出器。
[3]
[1]または[2]に記載の検出器において、集光レンズのN面の帯状レンズ面は、相互に隣接する面の境界部が互いに一致して単一の稜線をなす形状である検出器。
[4]
[1]ないし[3]の何れか1に記載の検出器において、N分割された帯状レンズ面がAC面に対して対称的に形成されている検出器。
[5]
[4]に記載の検出器において、帯状レンズ面の面数:Nが奇数である検出器。
[6]
[1]ないし[5]の何れか1に記載の検出器において、集光レンズの1以上の凸曲面による屈折面は、単一の凸曲面である検出器。
[7]
[1]ないし[5]の何れか1に記載の検出器において、集光レンズの1以上の凸曲面による屈折面は、帯状レンズ面と同数で、B方向において互いに対応する検出器。
[8]
[1]ないし[7]の何れか1に記載の検出器から出力される信号に基づき、赤外光を放射する被検出体に対するセンシングを行うセンシング装置。
[9]
[8]に記載のセンシング装置のセンシング結果に応じて、機器類の制御を行う制御システム。
以上、発明の好ましい実施の形態について説明したが、この発明は上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
この発明の実施の形態に記載された効果は、発明から生じる好適な効果を列挙したに過ぎず、発明による効果は「実施の形態に記載されたもの」に限定されるものではない。
O 被検出体(人体)
20 検出器
21 受光手段
24 集光レンズ
RLi(i=1〜8) 受光部
242b、242m、242t 帯状レンズ面
LTI 遠赤外光
特開2012−198191号公報

Claims (9)

  1. 赤外光を放射する被検出体を検出する検出器であって、
    赤外光を受光して信号化する受光手段と、
    前記被検出体からの赤外光を前記受光手段に導く集光レンズを有し、
    前記受光手段は、複数の受光部を、前記集光レンズの光軸に直交する面内において、前記光軸に直交する所定のC方向に1列に配列してなり、
    前記集光レンズは、入射側および射出側の一方の面が、1以上の凸曲面による屈折面であり、他方の面が、N(≧2)個の帯状レンズ面に分割された面であり、
    前記集光レンズの光軸方向をA方向、該A方向および前記C方向に直交する方向をB方向として、前記集光レンズに入射する赤外光を、前記受光手段が配された面内で、B方向に互いにずれて1列に重なりあうN個のスポットとする検出器。
  2. 請求項1記載の検出器において、
    集光レンズのN個の帯状レンズ面の個々は、AB面に平行な面内では曲率を持たず、AB面に直交する方向においては曲面もしくは平面である検出器。
  3. 請求項1または2に記載の検出器において、
    集光レンズのN面の帯状レンズ面は、相互に隣接する面の境界部が互いに一致して単一の稜線をなす形状である検出器。
  4. 請求項1ないし3の何れか1項に記載の検出器において、
    N分割された帯状レンズ面がAC面に対して対称的に形成されている検出器。
  5. 請求項4記載の検出器において、
    帯状レンズ面の面数:Nが奇数である検出器。
  6. 請求項1ないし5の何れか1項に記載の検出器において、
    集光レンズの1以上の凸曲面による屈折面は、単一の凸曲面である検出器。
  7. 請求項1ないし5の何れか1項に記載の検出器において、
    集光レンズの1以上の凸曲面による屈折面は、帯状レンズ面と同数で、B方向において互いに対応する検出器。
  8. 請求項1ないし7の何れか1項に記載の検出器から出力される信号に基づき、赤外光を放射する被検出体に対するセンシングを行うセンシング装置。
  9. 請求項8記載のセンシング装置のセンシング結果に応じて、機器類の制御を行う制御システム。
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