JP2006329950A - サーモパイル - Google Patents

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Masahiko Moriguchi
雅彦 森口
Motoki Tanaka
基樹 田中
Shingo Kimura
親吾 木村
Koji Kawaguchi
浩二 川口
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Abstract

【課題】従来の吸収膜がレンズで投影された地域を赤外線検出域とするサーモパイルには、最外吸収膜の検出域が2ヶ存在し、且つ、所定の寸法より大となり、正確な計測が不能という欠点を有していた。
【解決手段】レンズ内を伝播しレンズ周囲部で最外吸収膜方向に出射される光を遮断するリング状光線遮蔽機構をレンズ・チップ間に設ける。
さらには、レンズ頂点付近で大きな出射角を持ち吸収膜に到達する光をカットする光線遮蔽機構を、チップ上最外吸収膜上の点とレンズ頂点とを結ぶ直線を少なくとも遮断する位置に設ける。

【選択図】図4

Description

本発明は、物体の赤外線を電気信号に変換し検出するセンサー部を複数有すサーモパイルに関するものである。
サーモパイルは、二種の物質で構成された熱電対でダイヤフラム上に温接点を形成し、周囲ヒートシンク部上に冷接点を形成し、熱電対、冷接点及び温接点上に絶縁保護膜を設け且つ温接点上に吸収膜を設置しセンサー部とするチップ構成を採る。
センサー部である吸収膜に入射した赤外線は熱に変換され温接点の温度上昇を生じ、各熱電対材料のゼーベック定数に比例した電圧が発生する。また、この電圧は、熱電対本数、ダイヤフラム端からの吸収膜距離、吸収膜面積の寄与も受け、これらが大になると電圧も大となる。

例えば8ヶのセンサー部を持つサーモパイルでも同様構成となっており、例えば外形横7.0ミリメートル、縦5.0ミリメートルのサーモパイルチップに、吸収膜が8ヶ配列され、吸収膜下には1組当たり0.03ミリメートルの寸法の熱電対と長0.045ミリメートル、幅0.023ミリメートルの温接点が複数設けられている。各吸収膜は、ダイヤフラム上に配置されている。各吸収膜周囲には、ヒートシンクが配列され、吸収膜間ヒートシンク及びチップ周囲ヒートシンク上には温接点と同一寸法の冷接点が位置する。周囲ヒートシンク部には、各検出域からの出力信号取り出しパッドが設けられている。これらパッドはステムリード等とのワイヤーボンディングを容易にするため、サーモパイルチップの1辺に集中されている。また、同一目的で各検出域の負電圧出力端子は統合され1ヶの共通パッドとなっている。

上記サーモパイルチップは例えばTO−8等のステムにエポキシ系接着剤等でダイボンディングされ、ステムに設けられたリードとチップ周囲ヒートシンク部に設けたパッド等をボンディングワイヤーで電気的結線される。その後、入射窓に例えば、片面が平面であり、他方の面が球面である平凸レンズを設けた缶とステムは溶接される。平凸レンズ材質は例えば屈折率nが3.4であるシリコンが用いられている。その仕様は例えば焦点距離fが3.0ミリメートル、中心厚tcが3.0ミリメートル、レンズ径10.0ミリメートルのものが使用されている。
サーモパイルチップ上の吸収膜位置は、所定の検出域を例えば上記レンズで近軸光線理論を用いて投影した位置に設定される。図8にレンズよりの距離100ミリメートルにおける検出域1から検出域8の8ヶ検出域を有す例を示す。この例の場合、所定検出域がY軸対称であるので、これを上記レンズで投影した吸収膜位置もY軸対称となる吸収膜1から吸収膜8を持ち、最外吸収膜位置は、チップ中心より2.8ミリメートルの位置となる。
平凸レンズは缶に設けた例えば直径8.0ミリメートルの円形入射窓にエポキシ系接着剤等で特願2004−345060に記されているように遮蔽機構設けず、例えばレンズ頂点からチップまでの距離2.4ミリメートルとして固定接着されている。この距離は予め缶高さを設定した缶を用いることにより達成している。また、缶に設けた円形入射窓の軸とステム外周の軸とは、缶・ステムを嵌め合い構造を採用することにより一致させている。
以上により、各検出域の赤外線量に比例した電圧を出力とするサーモパイルが完成となる。
図9に従来のサーモパイル概念構造断面図を示す。
図10に上記吸収膜が8ヶ配列された外形横7.0ミリメートル、縦5.0ミリメートルのサーモパイルチップの斜視概念図を示す。
特願2004−345060
従来の遮蔽機構無しの場合、チップ上最外吸収膜の検出域が、2ヶの検出域を有しており、正確な測定ができないという欠点を有していた。
図11に背景技術の項で述べた、チップ上最外吸収膜がチップ中心より2.8ミリメートルであり、8ヶの吸収膜が配列された外形横7.0ミリメートル、縦5.0ミリメートルのサーモパイルチップと屈折率nが3.4、焦点距離fが3.0ミリメートル、中心厚tcが3.0ミリメートル、レンズ径10.0ミリメートルで構成されたサーモパイルのレンズよりの距離100ミリメートルにおける各吸収膜検出域を示す。同図には比較のため、所定検出域を点線で表記している。また、Y軸対称であるので、明瞭化のため、検出域1から検出域5のみを示している。検出域境界は、各検出域最大出力値の10パーセントの値で定義されたものである。
図11示したように、チップ上最外吸収膜である吸収膜1の検出域は、本来の検出域1の他に、離れた位置に検出域1‘を有している。他の検出域2から検出域5は所定の寸法・位置となっている。
この不具合は、チップ上最外吸収膜の反対側のレンズ周囲部に入射した光が、レンズ内を伝播した後、チップ上最外吸収膜近くのレンズ周囲部で出射され、吸収膜に到達することが原因である。
チップ上最外吸収膜の反対側のレンズ周囲部に入射した光がレンズ周囲部では、レンズ屈折率nが3.4と高屈折率であり、また、球面接線方向角度大であるので、全反射が生じる。全反射した光は、臨界角17.10度以上の角度でレンズ・空気境界に入射する場合、再度全反射を生じレンズ内を伝播する。レンズ内を伝播した光は、最外吸収膜近くに至ると、臨界角より小の入射角となる。よって、最外吸収膜近くのレンズ周囲部でレンズ内を伝播した光は、チップ方向に出射される。
図12に吸収膜1のチップ中心よりの距離2.8ミリメートル地点に入射される光線のレンズ径方向軌跡を示す。この図は、角度−60度から+10度まで10度ごとの光線追跡を施したものであり、明瞭化のため缶側壁、ステム等は省略している。
図12で、角度+10度で吸収膜1に入射する光が、最外吸収膜の反対側のレンズ周囲部から入射し、レンズ内を伝播した後、最外吸収膜近くのレンズ周囲部でチップ方向に出射され、吸収膜1に到達する光である。
さらには、従来の遮蔽機構無しの場合、チップ上最外吸収膜の検出域が所定検出域に対し、検出域寸法が大となり、正確な測定ができないという欠点も有していた。

図11示したように、チップ上最外吸収膜である吸収膜1の検出域は、本来の検出域に対し、検出域X軸・Y軸交点付近まで拡がり、寸法大となっている。
レンズ光軸となす角小で入射し、球面頂点付近で出射される光の出射角は大となるという性質をレンズは、有している。検出域X軸・Y軸交点付近はレンズ光軸となす角小である。この地域よりレンズに入射し、レンズ球面頂点付近で出射される光の出射角は大となり、レンズ頂点と大きな角度を有するチップ上最外吸収膜である吸収膜1に到達する。
図12における、角度−60度及び−50度で吸収膜1に入射する光が、上記不具合を引き起こしている光である。
レンズ内を伝播しレンズ周囲部で最外吸収膜方向に出射される光を遮断するリング状光線遮蔽機構をレンズ・チップ間に設ける。
レンズ頂点付近で大きな出射角を持ち吸収膜に到達する光をカットする光線遮蔽機構を、チップ上最外吸収膜上の点とレンズ頂点とを結ぶ直線を少なくとも遮断する位置に設ける。
レンズ内を伝播しレンズ周囲部で最外吸収膜方向に出射される光を遮断したため、チップ上最外吸収膜の検出域は、1ヶとなり、正確な測定が可能となる。
レンズ頂点付近で大きな出射角を持つ光を遮断したため、チップ上最外吸収膜の検出域は、検出域X軸・Y軸交点付近まで位置せず所定寸法・位置となり、正確な測定が可能となる。
サーモパイルチップは基板材上にダイヤフラム構成膜形成した後、熱電対パターン、絶縁保護膜、吸収膜の順で作製され、最後に裏面よりエッチングしダイヤフラムを作製する。
熱電対パターン、絶縁保護膜、吸収膜、ダイヤフラムは成膜・露光・エッチング等の半導体工程手法を使用して作製され、予め多数のチップが得られるように設計されたフォトマスクが使用される。
サーモパイルチップを多数形成した基板材はダイシングソー等で切断され、TO−8等のステムにダイボンダー等でダイボンディングする。その後、ステムリードとチップ上に設けたパッドとを金ワイヤー等でワイヤーボンディングする。
次に、缶にエポキシ系接着剤等で接着した平凸レンズに、リング状光線遮蔽機構をレンズ・チップ間に装着する。さらには、チップ上最外吸収膜上の点とレンズ頂点とを結ぶ直線を少なくとも遮断する位置に光線遮蔽機構をレンズに付加する。これら作業を実施した後、缶とステムを溶接する。
以上により、リング状光線遮蔽機構及びチップ上最外吸収膜上の点とレンズ頂点とを結ぶ直線を少なくとも遮断する位置に光線遮蔽機構を設けたサーモパイルが完成となる。
以下に本発明実施例として、背景技術の項で記した、チップ上最外吸収膜がチップ中心より2.8ミリメートルであり、8ヶの吸収膜が配列されたサーモパイルチップと平凸レンズを有し、リング状光線遮蔽機構を設けたサーモパイル作製手順例を記す。
サーモパイルチップは一例として下記作製手順で作製される。
基板材を一例として厚0.4ミリメートルのシリコンウェハーとし、シリコンウェハー上に酸化ケイ素、窒化シリコン等の例えば総厚0.002ミリメートルの膜をCVD法等により形成する。これら膜がダイヤフラム構成膜となる。
熱電対は例えば一方をニクロム、他方をビスマスアンチモン等の異なるゼーベック定数を持つ二種の材料が用いられ、上記成膜したシリコンウェハー上に熱電対パターンを多数形成する。この時、成膜・露光・エッチング等の半導体工程手法を使用し、例えばニクロム幅0.006ミリメートル、ビスマスアンチモン幅0.01ミリメートル、両者の間隔を0.007ミリメートルとする熱電対1組当たり0.03ミリメートル、接点長0.045ミリメートル、接点幅0.023ミリメートルの微細パターンが形成される。露光工程には予めパターン設計したフォトマスクを用いる。
他の熱電対材料例として、一方をポリシリコン、他方をアルミニウムとしてもよい。
さらに、熱電対、冷接点及び温接点上に位置する絶縁保護膜として例えば、厚0.002ミリメートルのポリイミド膜を全面コーティング後露光・エッチング等の半導体工程手法にて所定形状に加工する。
その後出力取り出し用パッドしてアルミニウム等のパッドを成膜・露光・エッチング等の半導体工程手法を用い設ける。このパッドは金ワイヤー、アルミニウムワイヤー等でワイヤーボンディング可能な例えば長0.12ミリメートル幅0.1ミリメートル等のサイズに予め設定されている。また、パッド下地には、シリコンウェハーに対する付着強度大であるニクロムが予め設けられている。
各検出域からの正電圧出力信号取り出し用パッドは、チップ作製最終工程でダイヤフラム形成時にチップ周囲ヒートシンクとなる地点に設定されている。これらパッドは後述するステムリード等とのワイヤーボンディングを容易にするため、チップ周囲ヒートシンクの1辺に集中されている。また、同一目的で各検出域の負電圧出力端子は統合され1ヶの共通パッドとなっている。
続いて、例えば厚0.001ミリメートル吸収膜を成膜・露光・エッチング等の半導体工程手法により作製する。これは、一例として吸収膜が8ヶ配列され、チップ上最外吸収膜を2.8ミリメートルとする等の吸収膜位置・間隔を予め設定したフォトマスクを用いて作製される。吸収膜形成域がサーモパイルセンサー部となる。
その後、裏面保護パターンをフォトレジスト等で露光等の半導体工程手法で形成し、フッ化炭素系ガスを用い、高密度プラズマエッチング装置等でプラズマエッチングしダイヤフラムを作製する。この時フッ化炭素系ガスは、横方向エッチングスピード低で垂直なエッチングが可能な構成のガスが選定される。
予め裏面保護パターンを吸収膜間及びチップ周囲部に設定しておくと、ヒートシンクが吸収膜間及びチップ周囲に形成される。熱電対パターンフォトマスクに於ける冷接点位置設定により、ヒートシンク上に冷接点が位置することとなる。
上述した基板材上に多数形成された4行4列サーモパイルチップは一例として、材質を屈折率nが3.4であるシリコン、焦点距離fが3.0ミリメートル、中心厚tcが3.0ミリメートル、レンズ径10.0ミリメートルの平凸レンズを用い、レンズ頂点からチップまでの距離2.4ミリメートルとして以下手順でアセンブリされる。
サーモパイルチップを多数形成した例えば厚0.4ミリメートルのシリコンウェハーをカット用シートに貼り付けた後、ダイシングソー等で所定寸法例えば横7.0ミリメートル、縦5.0ミリメートル等に切断加工する。このとき切りしろを考慮し、チップは例えば横7.05ミリメートル、縦5.05ミリメートルで基板材上に配置しておく。
次にカット用シートごとダイボンダーにセットし、TO−8等のステムにサーモパイルチップを例えばエポキシ系接着剤を用い所定位置にダイボンディングする。
その後、例えば線径0.025ミリメートルの金ワイヤーでチップ周囲ヒートシンク部に設けたパッドとステムに設けられたリードとをワイヤーボンダー等の装置を用い電気的結線する。
さらに、例えば缶の直径8.0ミリメートルの円形入射窓に球面を内側としてエポキシ系接着剤等で平凸レンズを接着した後、リング状光線遮蔽機構の例として、例えば内径6.0ミリメートル、厚0.7ミリメートルの黒色ポリカーボネイト等の非透過性材料で作製したリングをレンズにエポキシ系接着材等で装着する。
他のリング状光線遮蔽機構の例としては、例えばレンズ周囲部をカーボン等の光吸収性材料を含有させたエポキシ系接着剤等で内径6.0ミリメートルの寸法で充填してもよい。
このリング状光線遮蔽機構を設ける作業は、容易に実施でき、アセンブリ工程が複雑化することは無い。
次に、缶とステムを溶接する。レンズ頂点からチップまでの距離2.4ミリメートルは予め缶高さを設定した缶を用いることにより達成する。ここで、缶に設けた円形入射窓の軸とステム外周の軸とは、缶・ステムを嵌め合い構造を採用することにより一致させている。
以上により、リング状光線遮蔽機構を設けたサーモパイルが完成となる。
図1に上記実施例の内径6.0ミリメートル、厚0.7ミリメートルのリング状光線遮蔽機構を設けたサーモパイル概念構造断面図を示す。
図2に上記実施例の内径6.0ミリメートル、厚0.7ミリメートルのリング状光線遮蔽機構を設けたサーモパイルのレンズよりの距離100ミリメートルにおける各吸収膜検出域測定結果を示す。
同図には比較のため、所定検出域を点線で表記している。また、Y軸対称であるので、明瞭化のため、検出域1から検出域5のみを示している。
上述例は、背景技術の項で記載したサーモパイルとチップ仕様、レンズ仕様等は同一であり、唯一リング状光線遮蔽機構が付加されたのみである。
図2に示したように、最外吸収膜である吸収膜1の検出域は、本来の検出域と離れた位置の検出域1‘は存在せず、検出域1のみとなる。
図3に上記実施例の内径6.0ミリメートル、厚0.7ミリメートルのリング状光線遮蔽機構を設けたサーモパイルの光線追跡図を示す。
これは、最外吸収膜である吸収膜1のチップ中心よりの距離2.8ミリメートル地点に入射される光線のレンズ径方向の軌跡を示し、角度−60度から+10度まで10度ごとの光線追跡を施したものであり、明瞭化のため缶側壁、ステム等は省略している。同図は明確化のため、光線遮断点を×で表記し、また遮断された光線を点線で表記している。
図3より明らかなように、検出域1‘の原因であった角度+10度で吸収膜1に入射する光がリング状光線遮蔽機構で遮断されている。
また、リング状光線遮蔽機構を装着しても、最外吸収膜以外の吸収膜よりレンズを見込む角は不変であるので、これら吸収膜に入射される光量は不変となり、出力変動は生じない。
最外吸収膜においても、所定の検出域より入射する光量は不変となり、出力変動は生じない。
表1は、内径6.0ミリメートル、厚0.7ミリメートルのリング状光線遮蔽機構有無状態での検出域1から検出域5の出力測定結果であり、比較簡単化するため、リング状光線遮蔽機構無状態の各検出域出力を1.00として規格化している。
表1より、リング状光線遮蔽機構有無状態での出力に変化は無く、リング状光線遮蔽機構が他の光学特性に影響を与えない。ここで、リング状光線遮蔽機構無時の検出域1出力は、所定外の検出域1‘の出力を含んでいない。
Figure 2006329950
上述結果より、リング状光線遮蔽機構が、他の光学特性に影響を与えず、最外吸収膜の所定外の検出域を解消することが、確認された。
他の実施例として、上述リング状光線遮蔽機構に加え、チップ上最外吸収膜上の点とレンズ頂点とを結ぶ直線を少なくとも遮断する位置にも光線遮蔽機構を設けたサーモパイルは、実施例1のリング状光線遮蔽機構形成工程以降を以下手順に変更することで作製される。
リング状光線遮蔽機構寸法を例えば、内径6.0ミリメートル、厚0.7ミリメートルとする。
これに黒色ポリカーボネイト等の非透過性材料で作製した例えば幅0.3ミリメートル、高さ1.0ミリメートルの板2枚を間隔1.0ミリメートルとし、片持ち梁構造としてエポキシ系接着剤等で接着付加する。これら板の片持ち梁長さを例えば3.5ミリメートルとする。
上記一体化した遮蔽機構を缶に接着済みのレンズに例えばエポキシ系接着剤等で接着装着する。
この接着はレンズ頂点よりリング状光線遮蔽機構下面がチップ側に位置することとなり、レンズに片持ち梁が接触せず容易に装着作業が可となる。
次に片持ち梁構造の2枚板の方向を最外吸収膜となす角が小である例えばY方向とし、片持ち梁固定端を+Y方向として缶とステム溶接すると、リング状光線遮蔽機構に加え、チップ上最外吸収膜上の点とレンズ頂点とを結ぶ直線を少なくとも遮断する位置にも光線遮蔽機構を設けたサーモパイルが作製される。
上記一体化した遮蔽機構は接着以外にも、金型成型等の方法でも作製可能である。
また、上述例は片持ち梁機構としているが、両持ち梁機構でも作製は可能であり、遮蔽板2枚としているが、これも1枚等他の枚数でも可である。
さらには、レンズ上に直接、黒色ポリカーボネイト等の非透過性材料で作製した例えば幅0.3ミリメートル、高さ1.0ミリメートルの板2枚を間隔1.0ミリメートルで接着する方法も可である。
図4に上記実施例2の内径6.0ミリメートル、厚0.7ミリメートルのリング状光線遮蔽機構とチップ中心と最外吸収膜の最外点を結ぶ直線を横切る方向に、例えば幅0.3ミリメートル、高さ1.0ミリメートルの板をレンズ中心から0.5ミリメートルの位置に2枚で形成された光線遮蔽機構とを一体化し装着したサーモパイル概念構造断面図を示す。
また、図7に上記一体化した遮蔽機構斜視図を示す。
図5に上記実施例2の内径6.0ミリメートル、厚0.7ミリメートルのリング状光線遮蔽機構とチップ中心と最外吸収膜の最外点を結ぶ直線を横切る方向に、例えば幅0.3ミリメートル、高さ1.0ミリメートルの板をレンズ中心から0.5ミリメートルの位置に2枚で形成された光線遮蔽機構とを一体化し装着したサーモパイルの光線追跡図を示す。これは、最外吸収膜である吸収膜1のチップ中心よりの距離2.8ミリメートル地点に入射される光線のレンズ径方向軌跡を示し、角度−60度から+10度まで10度ごとの光線追跡を施したものであり、明瞭化のため缶側壁、ステム等は省略している。同図は明確化のため、光線遮断点を×で表記し、また遮断された光線を点線で表記している。
図5に示したように、検出域1‘の原因であった角度+10度で吸収膜1に入射する光は、リング状光線遮蔽機構で遮断される。また、検出域1が検出域X軸・Y軸交点付近まで拡がる原因であったレンズ頂点付近を通過し、大きな出射角度を持つ角度−60度及び角度−50度で吸収膜1に入射する光は、幅0.3ミリメートル、高さ1.0ミリメートルの板2枚で形成された光線遮蔽機構で遮断される。
図6に上記他の実施例の内径6.0ミリメートル、厚0.7ミリメートルのリング状光線遮蔽機構とチップ中心と最外吸収膜の最外点を結ぶ直線を横切る方向に、例えば幅0.3ミリメートル、高さ1.0ミリメートルの板をレンズ中心から0.5ミリメートルの位置に2枚で形成された光線遮蔽機構とを一体化し装着したサーモパイルのレンズよりの距離100ミリメートルにおける各吸収膜検出域測定結果を示す。同図には比較のため、所定検出域を点線で表記している。また、Y軸対称であるので、明瞭化のため、検出域1から検出域5のみを示している。
図6に示したように、最外吸収膜である吸収膜1の検出域は、検出域1のみとなり、リング状光線遮蔽機構により検出域1‘を消去する機能は不変である。
さらに、最外吸収膜である吸収膜1の検出域1が検出域X軸・Y軸交点付近まで拡がることなく、所定の寸法となっている。他の検出域においても検出域寸法・位置は不変である。最外吸収膜以外の各吸収膜において、吸収膜より光線遮蔽機構が見込む角よりレンズを見込む角が大であるので、検出域寸法・位置は不変となる。
しかし、最外吸収膜である吸収膜1は光線遮蔽機構にて吸収膜入射光を遮断しているため、出力低下が発生する。他の吸収膜においても、吸収膜よりレンズを見込む角内に光非透過性材料が存在するため、吸収膜入射光量変動即ち出力低下が発生してしまう。
表2は、実施例2で記載した一体化した光線遮蔽機構有無状態での検出域1から検出域5の出力測定結果であり、比較簡単化するため、遮蔽機構無状態の各検出域出力を1.00として規格化している。
ここで、遮蔽機構無時の検出域1出力は、所定外の検出域1‘の出力を含んでいない。
表2より、一体化した光線遮蔽機構有であっても、出力低下は最大15パーセントに留まり、これは、熱電対本数の15パーセント増等の方法で対処可能な値である。
検出域4の出力変化小の原因は吸収膜設置方向と板状遮蔽板が概ね直角となり、板状遮蔽板を見込む角が小となっているためである。
Figure 2006329950
上述結果より、一体化した光線遮蔽機構が大きな出力低下を伴わず、所定の検出域をすることが、確認された。
尚、本発明は他の仕様のサーモパイル例えば外形角7.0ミリメートル、吸収膜数12ヶ等、他の仕様のレンズ例えば材質シリコン、焦点距離f4.0ミリメートル、中心厚tc4.0ミリメートル、レンズ径12ミリメートルの平凸レンズ等にも適用できる。
本発明実施例1のリング状光線遮蔽機構を設けたサーモパイルの概念構造断面図である。 本発明実施例1のリング状光線遮蔽機構を設けたサーモパイルの各吸収膜検出域を示した図である。 本発明実施例1のリング状光線遮蔽機構を設けたサーモパイルの最外吸収膜に入射される光線の軌跡を示した図である。 本発明実施例2のリング状光線遮蔽機構及び、チップ上最外吸収膜上の点とレンズ頂点とを結ぶ直線を少なくとも遮断する位置にも光線遮蔽機構を設けたサーモパイルの概念構造断面図である。 本発明実施例2のリング状光線遮蔽機構及び、チップ上最外吸収膜上の点とレンズ頂点とを結ぶ直線を少なくとも遮断する位置にも光線遮蔽機構を設けたサーモパイルの最外吸収膜に入射される光線の軌跡を示した図である。 本発明実施例2のリング状光線遮蔽機構及び、チップ上最外吸収膜上の点とレンズ頂点とを結ぶ直線を少なくとも遮断する位置にも光線遮蔽機構を設けたサーモパイルの各吸収膜検出域を示した図である。 本発明実施例2のリング状光線遮蔽機構とチップ上最外吸収膜上の点とレンズ頂点とを結ぶ直線を少なくとも遮断する位置に光線遮蔽機構とを一体化したものの概念斜視図である。 各吸収膜の所定検出域を示した図である。 従来サーモパイルの概念構造断面図である。 8ヶの吸収膜を有すサーモパイルチップの構造を示す斜視概念図である。 従来サーモパイルの各吸収膜検出域を示した図である。 従来サーモパイルの最外吸収膜に入射される光線の軌跡を示した図である。
符号の説明
1平凸レンズ
2サーモパイルチップ
3サーモパイルチップセンサー部
4缶
5入射窓
6ステム
7リード
8ボンディングワイヤー
9リング状遮蔽機構
10遮蔽板
11角度+10度入射光
12角度−50度入射光
13角度−60度入射光
14検出域1
15検出域1‘
16検出域2
17検出域3
18検出域4
19検出域5
20検出域6
21検出域7
22検出域8
23吸収膜1
24吸収膜2
25吸収膜3
26吸収膜4
27吸収膜5
28吸収膜6
29吸収膜7
30吸収膜8
33温接点
34冷接点
33熱電対
35パッド
36負電圧出力共通パッド
37ダイヤフラム
38所定検出域1
39所定検出域2
40所定検出域3
41所定検出域4
42所定検出域5
43所定検出域6
44所定検出域7
45所定検出域8

Claims (2)

  1. 二種の物質で構成された熱電対でダイヤフラム上に温接点を形成し、周囲ヒートシンク部上に冷接点を形成し、温接点上に吸収膜を設置し複数のセンサー部とするチップを形成し、さらにセンサー部をレンズで投影し検出域とするサーモパイルにおいて、レンズ・チップ間にリング状光線遮蔽機構を設けたことを特徴とするサーモパイル。
  2. チップ上最外吸収膜上の点とレンズ頂点とを結ぶ直線を少なくとも遮断する位置に光線遮蔽機構を設けたことを特徴とする請求項1のサーモパイル。
JP2005157775A 2005-05-30 2005-05-30 サーモパイル Pending JP2006329950A (ja)

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