JP2015175510A - 静圧気体軸受回転案内装置 - Google Patents

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Toshinori Sato
俊徳 佐藤
高橋 淳
Atsushi Takahashi
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Abstract

【課題】回転部材に作用する圧力が周方向で均一になり、軸受負荷容量および軸受剛性の低下を抑制できる静圧気体軸受回転案内装置を提供すること。
【解決手段】静圧気体軸受回転案内装置は、軸周りに回転する円盤形状の部材であって、軸を含む平面で切った断面の軸方向の大きさが径方向外側に向かって小さくなっているコニカル部と、コニカル部の表面であって軸に対して傾斜する第1傾斜面と、コニカル部の表面であって軸に対して第1傾斜面とは異なる方向に傾斜する第2傾斜面と、を備える回転部材を備える。静圧気体軸受回転案内装置は、第1傾斜面に向かって気体を噴出する第1エアパッドを備え、回転部材の周方向に等間隔に配置される複数の第1静圧気体軸受と、第2傾斜面に向かって気体を噴出する第2エアパッドを備え、回転部材の周方向に等間隔に配置される複数の第2静圧気体軸受と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、静圧気体軸受回転案内装置に関する。
回転軸を支持する支持構造として、静圧気体軸受が知られている。静圧気体軸受は、回転軸を非接触の状態で回転可能に支持することができる。例えば、特許文献1には、ラジアル軸受部分およびスラスト軸受部分を備えた軸受ハウジングと、軸受ハウジングのラジアル軸受部分およびスラスト軸受部分のそれぞれに保持された静圧軸受パッドと、を備える静圧流体軸受が記載されている。
特開平5−71535号公報
特許文献1の技術では、ラジアル軸受、スラスト軸受および多孔質の円筒パッド等の部材が、回転軸の周方向の全周に設けられている。このため、特許文献1の技術を用いる場合、回転軸の径方向の大きさを大型化すると、ラジアル軸受、スラスト軸受および円筒パッド等の部材が、回転軸の大型化に応じて大きくなる。しかし、部材の加工精度および多孔質材の気孔率の安定性には限界がある。このため、回転軸が大型化する場合、回転軸に作用する圧力が周方向で不均一となり、軸受負荷容量および軸受剛性が低下する可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、回転部材に作用する圧力が周方向で均一になり、軸受負荷容量および軸受剛性の低下を抑制できる静圧気体軸受回転案内装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、静圧気体軸受回転案内装置は、軸周りに回転する円盤形状の部材であって、前記軸を含む平面で切った断面の前記軸方向の大きさが径方向外側に向かって小さくなっているコニカル部と、前記コニカル部の表面であって前記軸に対して傾斜する第1傾斜面と、前記コニカル部の表面であって前記軸に対して前記第1傾斜面とは異なる方向に傾斜する第2傾斜面と、を備える回転部材と、第1ハウジングと、前記第1ハウジングに設けられて前記第1傾斜面に向かって気体を噴出する第1エアパッドと、を備え、前記回転部材の周方向に等間隔に配置される複数の第1静圧気体軸受と、第2ハウジングと、前記第2ハウジングに設けられて前記第2傾斜面に向かって気体を噴出する第2エアパッドと、を備え、前記回転部材の周方向に等間隔に配置される複数の第2静圧気体軸受と、を備えることを特徴とする。
これにより、回転部材が大型化する場合であっても、第1静圧気体軸受および第2静圧気体軸受の大型化は抑制される。このため、第1静圧気体軸受および第2静圧気体軸受が備える各部材の大きさが一定の大きさ以下に留まり、各部材の加工精度の低下および多孔質材の気孔率のバラつきが抑制される。これにより、回転部材に作用する圧力が周方向で均一になりやすくなる。よって、本発明に係る静圧気体軸受回転案内装置は、軸受負荷容量および軸受剛性の低下を抑制できる。
本発明によれば、回転部材に作用する圧力が周方向で均一になり、軸受負荷容量および軸受剛性の低下を抑制できる静圧気体軸受回転案内装置を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る静圧気体軸受回転案内装置を、筐体の上面部を除いて示す平面図である。 図2は、図1におけるA−A’断面を示す図である。 図3は、回転部材の第1傾斜面側から見た第1ハウジングおよび第1エアパッドを示す図である。 図4は、図3におけるB−B’断面を示す図である。 図5は、変形例に係る静圧気体軸受回転案内装置を、回転部材の軸を含む平面で切った断面を示す図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態)
図1は、本実施形態に係る静圧気体軸受回転案内装置を、筐体の上面部を除いて示す平面図である。図2は、図1におけるA−A’断面を示す図である。図3は、回転部材の第1傾斜面側から見た第1ハウジングおよび第1エアパッドを示す図である。図4は、図3におけるB−B’断面を示す図である。図1、2に示すように、静圧気体軸受回転案内装置1は、例えば、筐体10と、回転部材6と、3つの第1静圧気体軸受ab1と、3つの第2静圧気体軸受ab2と、を備える。静圧気体軸受回転案内装置1は、例えば、ウェハーの検査装置において、被検査物であるウェハーを回転させる機構として用いられる。なお、第1静圧気体軸受ab1および第2静圧気体軸受ab2は、必ずしもそれぞれ3つでなくてもよく、それぞれ2つであってもよいし、それぞれ4つ以上であってもよい。
図1に示すように、筐体10は、環状である。また、図2に示すように、筐体10は、上面部101と、底面部102と、側面部103と、を備える。上面部101は、円環形状の板状部材である。上面部101の表面形状は、水平な底面と当該底面よりも鉛直方向上側に位置する頂点とを有する円錐の側面に沿う形状である。底面部102は、円環形状の板状部材である。底面部102の表面形状は、水平な底面と当該底面よりも鉛直方向下側に位置する頂点とを有する円錐の側面に沿う形状である。側面部103は、上面部101および底面部102を連結する部材である。側面部103は、鉛直方向に貫通する複数の固定用孔10hを備える。固定用孔10hは、例えば筐体10の周方向に等間隔に設けられている。例えば、筐体10は、ボルト等の固定具および固定用孔10hを用いて、図示しない支持構造に固定される。
回転部材6は、軸Z周りに回転する円盤形状の部材である。例えば本実施形態において、軸Zは、水平面に対して直交している。回転部材6は、例えばステンレス鋼で形成されている。回転部材6は、軸Zを含む平面で切った断面の軸Z方向の大きさが径方向外側に向かって小さくなっているコニカル部6cを備える。コニカル部6cは、回転部材6の径方向外側の端部に設けられている。回転部材6は、コニカル部6cの表面であって軸Zに対して傾斜する第1傾斜面61と、コニカル部6cの表面であって軸Zに対して第1傾斜面61とは異なる方向に傾斜する第2傾斜面62と、を備える。第1傾斜面61は、曲面であって、第1傾斜面61の径方向外側の端部と第2傾斜面62の径方向外側の端部とを接続している。また、回転部材6は、軸Z方向に貫通する貫通孔6hと、貫通孔6hの内周面に設けられる環状の溝65と、を備える。溝65は、例えば貫通孔6hの内周面を切削することで形成されている。これにより、回転部材6は、中実部材である場合に比較して軽量である。また、回転部材6は、貫通孔6hよりも径方向外側かつコニカル部6cよりも径方向内側の位置に、軸Z方向に貫通する複数の取付孔61h、62hを備える。取付孔61hおよび取付孔62hは、例えば、回転部材6の周方向に等間隔に配置されている。取付孔61hと62hとは、溝65を介して対向している。例えば、ウェハー等の被検査物を保持する機台(チャック)が、ボルト等の固定具および取付孔61h、62hを用いて、回転部材6に固定される。
なお、回転部材6は、第1傾斜面61を形成する部材と、第2傾斜面62を形成する部材と、取付孔61h、62hを備えた部材とを組み立てて形成されていてもよい。このように別部材を組み立てて回転部材6を形成する場合、第1傾斜面61を形成する部材と第2傾斜面62を形成する部材との間の隙間、および取付孔61hを備えた部材と取付孔62hを備えた部材との間の隙間が、溝65である。
図1に示すように、3つの第1静圧気体軸受ab1は、回転部材6の周方向に等間隔に配置されている。図2に示すように、第1静圧気体軸受ab1は、第1ハウジング4と、第1エアパッド5と、を備える。
第1ハウジング4は、第1傾斜面61に対向するように配置されている。第1ハウジング4は、例えばステンレス鋼で形成されている。第1ハウジング4を第1傾斜面61から見た形状は、例えば扇形状である。図2に示すように、第1ハウジング4は、第1傾斜面61と対向する面とは反対側の面に、球状の窪みであるソケット部48を備える。ソケット部48には、ボールスタッドbの球状の先端部が嵌まっている。ボールスタッドbは、上面部101を貫通しており、緩み止めナットnによって位置決めされている。これにより、第1ハウジング4は、上面部101に揺動可能に支持されている。また、ボールスタッドbの先端部の位置は、緩み止めナットnを緩めることで調整することができる。
第1エアパッド5は、例えばグラファイトにより形成された板状の多孔質材であって、第1ハウジング4に支持される。図2に示すように、第1ハウジング4は、第1傾斜面61と対向する面に第1凹部49を備える。第1エアパッド5は、第1凹部49に嵌まっている。第1エアパッド5は、例えば、接着剤によって第1凹部49に固定されている。図3に示すように、第1エアパッド5は、例えばそれぞれの第1ハウジング4に5つずつ固定されている。5つの第1エアパッド5は、例えば回転部材6の周方向で等間隔に並べられている。なお、第1エアパッド5は、ボルト等によって第1凹部49に固定されていてもよい。また、それぞれの第1ハウジング4に固定される第1エアパッド5は、必ずしも5つでなくてもよく、4つ以下であってもよいし6つ以上であってもよい。
図1に示すように、3つの第2静圧気体軸受ab2は、回転部材6の周方向に等間隔に配置されている。第2静圧気体軸受ab2は、例えば、回転部材6の軸Z方向から見た場合に第1静圧気体軸受ab1と重なるように配置されている。図2に示すように、第2静圧気体軸受ab2は、第2ハウジング7と、第2エアパッド8と、を備える。
第2ハウジング7は、第2傾斜面62に対向するように配置されている。第2ハウジング7は、例えばステンレス鋼で形成されている。第2ハウジング7を第2傾斜面62から見た形状は、例えば扇形状である。図2に示すように、第2ハウジング7は、第2傾斜面62と対向する面とは反対側の面に、球状の窪みであるソケット部78を備える。ソケット部78には、ボールスタッドbの球状の先端部が嵌まっている。ボールスタッドbは、底面部102を貫通しており、緩み止めナットnによって位置決めされている。これにより、第2ハウジング7は、底面部102に揺動可能に支持されている。
第2エアパッド8は、例えばグラファイトにより形成された板状の多孔質材であって、第2ハウジング7に支持される。第2ハウジング7は、第2傾斜面62と対向する面に第1凹部79を備える。第2エアパッド8は、第1凹部79に嵌まっている。第2エアパッド8は、例えば、接着剤によって第1凹部79に固定されている。第2エアパッド8は、例えばそれぞれの第2ハウジング7に5つずつ固定されている。5つの第2エアパッド8は、例えば回転部材6の周方向で等間隔に並べられている。なお、第2エアパッド8は、ボルト等によって第1凹部79に固定されていてもよい。また、それぞれの第2ハウジング7に固定される第2エアパッド8は、必ずしも5つでなくてもよく、4つ以下であってもよいし6つ以上であってもよい。
図3、4に示すように、第1ハウジング4は、内部に設けられる流路である内部流路41を備える。内部流路41の一端は、第1ハウジング4の外部に開口している。第1ハウジング4は、第1凹部49の底面に設けられる第1凹部49よりも小さい凹部であって内部流路41に接続される第2凹部43を備える。例えば、第2凹部43は、第1傾斜面61から見た形状が矩形である矩形部43aと、第1傾斜面61から見た形状が十字形である十字部43bと、を備える。十字部43bは、矩形部43aの内側に配置されている。十字部43bの端部は、矩形部43aの4辺それぞれの中間部に連結されている。
図4に示すように、第1エアパッド5は、回転部材6の第1傾斜面61に対向する表面である噴出面51と、噴出面51とは反対側の表面である裏面52を備える。噴出面51は、例えば、第1エアパッド5が対向する回転部材6の第1傾斜面61に沿う曲面状である。これにより、噴出面51と第1傾斜面61との間に生ずる隙間Gは一定になっている。例えば本実施形態において、隙間Gは、10μm程度である。裏面52は、平坦面であり、第1凹部49の底面に接している。
内部流路41には、外部から圧縮空気が導入される。内部流路41に導入された圧縮空気は、第2凹部43を通じて、第1エアパッド5の裏面52の広範囲に接する。第1エアパッド5が多孔質材であるため、圧縮空気は、裏面52側から噴出面51側へ第1エアパッド5の内部を移動する。圧縮空気は、第1エアパッド5の内部の気孔を通じて拡散するので、噴出面51の全体から回転部材6の第1傾斜面61に向かって噴出する。このため、第1静圧気体軸受ab1によって、鉛直方向下向きの力および径方向内側向きの力が回転部材6に加えられる。
また、第2ハウジング7は、例えば内部流路41と同じ形状の内部流路と、第2凹部43と同じ形状の第2凹部と、を備える。第2ハウジング7における内部流路および第2凹部を通じて圧縮空気が第2エアパッド8に導入され、第2エアパッド8から第2傾斜面62に向かって圧縮空気が噴出する。このため、第2静圧気体軸受ab2によって、鉛直方向上向きの力および径方向内側向きの力が回転部材6に加えられる。また、第2エアパッド8の圧縮空気が噴出する面と第2傾斜面62の間の隙間の大きさは、上述した隙間Gの大きさと同程度である。
第1エアパッド5から噴出させる圧縮空気の量および第2エアパッド8から噴出させる圧縮空気の量は、それぞれ独立に調整することができる。これにより、第2静圧気体軸受ab2によって回転部材6に加えられる鉛直方向上向きの力が、第1静圧気体軸受ab1によって回転部材6に加えられる鉛直方向下向きの力と回転部材6にかかる重力との合力に釣り合う。このため、回転部材6が第1エアパッド5および第2エアパッド8に非接触の状態で、回転部材6の軸Z方向の位置が規制される。また、第1静圧気体軸受ab1および第2静圧気体軸受ab2が回転部材6の周方向に等間隔に配置されているため、回転部材6の軸Zに対する傾きの規制が容易である。また、回転部材6の軸Zに対する傾きに変化が生じた場合であっても、第1ハウジング4および第2ハウジング7が揺動できるので、回転部材6が第1エアパッド5および第2エアパッド8に非接触である状態が保たれやすい。
また、第1静圧気体軸受ab1および第2静圧気体軸受ab2は、それぞれ3つである。これにより、第1静圧気体軸受ab1および第2静圧気体軸受ab2がそれぞれ2つである場合に比較して、静圧気体軸受回転案内装置1は、回転部材6の軸Z方向の位置および回転部材6の軸Zに対する傾きを規制しやすくなる。よって、静圧気体軸受回転案内装置1は、回転部材6の回転運動の安定性を向上させることができる。
また、第2静圧気体軸受ab2は、回転部材6の軸Z方向から見た場合に第1静圧気体軸受ab1と重なるように配置される。これにより、第1静圧気体軸受ab1によって回転部材6に加えられる力の作用点と、第2静圧気体軸受ab2によって回転部材6に加えられる力の作用点とが、回転部材6の周方向で一致しやすくなる。このため、第1エアパッド5から噴出させる圧縮空気の量および第2エアパッド8から噴出させる圧縮空気の量の調整が容易になる。よって、静圧気体軸受回転案内装置1は、回転部材6の回転運動の安定性を容易に維持することができる。
また、回転部材6は、軸Z方向に貫通する貫通孔6hと、貫通孔6hの内周面に設けられる環状の溝65と、を備える。これにより、回転部材6は、中実部材である場合に比較して軽量になる。このため、回転部材6を回転させるときに回転部材6に作用する慣性力が小さくなる。よって、静圧気体軸受回転案内装置1は、回転部材6の回転速度の制御を容易にすることができる。
なお、第1静圧気体軸受ab1および第2静圧気体軸受ab2は、必ずしも同じ数で配置されていなくてもよい。例えば、第2静圧気体軸受ab2の数が、第1静圧気体軸受ab1の数よりも多くてもよい。上述したように、第2静圧気体軸受ab2によって回転部材6に加えられる鉛直方向上向きの力は、第1静圧気体軸受ab1によって回転部材6に加えられる鉛直方向下向きの力と回転部材6にかかる重力との合力に釣り合う必要がある。このため、第2静圧気体軸受ab2の数を第1静圧気体軸受ab1の数よりも多くすることで、1つの第1エアパッド5から噴出する圧縮空気の量と1つの第2エアパッド8から噴出する圧縮空気の量とが、より均一になる。これにより、回転部材6の回転運動の安定性が向上する可能性がある。
また、回転部材6、第1ハウジング4および第2ハウジング7は、必ずしもステンレス鋼で形成されていなくてもよく、他の材料で形成されていてもよい。ただし、回転部材6、第1ハウジング4および第2ハウジング7は、熱膨張率が低い金属で形成されることが好ましい。また、第1エアパッド5および第2エアパッド8は、必ずしもグラファイトで形成されていなくてもよく、他の材料で形成されていてもよい。ただし、第1エアパッド5および第2エアパッド8がグラファイトで形成されている場合、回転部材6に接触したときでも回転部材6との摩擦が生じにくい点で好ましい。
以上述べたように、静圧気体軸受回転案内装置1は、軸Z周りに回転する円盤形状の部材であって、軸Zを含む平面で切った断面の軸Z方向の大きさが径方向外側に向かって小さくなっているコニカル部6cと、コニカル部6cの表面であって軸Zに対して傾斜する第1傾斜面61と、コニカル部6cの表面であって軸Zに対して第1傾斜面61とは異なる方向に傾斜する第2傾斜面62と、を備える回転部材6を備える。静圧気体軸受回転案内装置1は、第1ハウジング4と、第1ハウジング4に設けられて第1傾斜面61に向かって気体(圧縮空気)を噴出する第1エアパッド5と、を備え、回転部材6の周方向に等間隔に配置される複数の第1静圧気体軸受ab1を備える。静圧気体軸受回転案内装置1は、第2ハウジング7と、第2ハウジング7に設けられて第2傾斜面62に向かって気体(圧縮空気)を噴出する第2エアパッド8と、を備え、回転部材6の周方向に等間隔に配置される複数の第2静圧気体軸受ab2を備える。
これにより、回転部材6が大型化する場合であっても、第1静圧気体軸受ab1および第2静圧気体軸受ab2の大型化は抑制される。このため、第1静圧気体軸受ab1および第2静圧気体軸受ab2が備える各部材の大きさが一定の大きさ以下に留まり、各部材の加工精度の低下が抑制される。よって、静圧気体軸受回転案内装置1は、回転部材6が大きい場合でも、回転部材6を非接触で支持することができる。「回転部材6を非接触で支持する」とは、第1エアパッド5と回転部材6との間、および第2エアパッド8と回転部材6との間にある気体(圧縮空気)によって、回転部材6の軸Z方向および径方向の位置が規制されている状態を意味する。すなわち、「回転部材6を非接触で支持する」とは、気体(圧縮空気)によって回転部材6が宙に浮かんでいる状態を意味する。また、各部材の加工精度の低下および多孔質材の気孔率のバラつきが抑制されることで、回転部材6に作用する圧力が周方向で均一になりやすくなる。よって、静圧気体軸受回転案内装置1は、回転部材6が大きい場合でも軸受負荷容量および軸受剛性の低下を抑制できる。ここで、軸受負荷容量とは、静圧気体軸受回転案内装置1が回転部材6を非接触で支持することができる最大荷重である。軸受剛性とは、回転部材6の回転中において衝撃または振動等が回転部材6に加えられたとき、回転部材6が第1エアパッド5または第2エアパッド8に接触せずに回転できる度合である。軸受剛性の単位は、例えば[N/μm]である。すなわち、軸受剛性は、回転中の回転部材6を1μm移動させるのに要する荷重[N]を意味する。
(変形例)
図5は、変形例に係る静圧気体軸受回転案内装置を、回転部材の軸を含む平面で切った断面を示す図である。上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
変形例に係る静圧気体軸受回転案内装置1は、回転部材6Aを備える。回転部材6Aは、軸Z周りに回転する円盤形状の部材である。回転部材6Aは、例えばステンレス鋼で形成されている。回転部材6Aは、軸Zに対して直交する板状であって、軸Z方向に貫通する貫通孔6hAを有する平坦部64を備える。回転部材6Aは、軸Zを含む平面で切った断面の軸Z方向の大きさが径方向外側に向かって小さくなっているコニカル部6cAを備える。コニカル部6cAは、平坦部64の径方向外側の端部に設けられている。回転部材6Aは、コニカル部6cAの表面であって軸Zに対して傾斜する第1傾斜面61Aと、コニカル部6cAの表面であって軸Zに対して第1傾斜面61Aとは異なる方向に傾斜する第2傾斜面62Aと、を備える。また、平坦部64は、貫通孔6hAよりも径方向外側かつコニカル部6cAよりも径方向内側に、軸Z方向に貫通する複数の取付孔64hを備える。取付孔64hは、例えば回転部材6Aの周方向に等間隔に配置されている。例えば、ウェハー等の被検査物を保持する機台(チャック)が、ボルト等の固定具および取付孔64hを用いて、平坦部64に固定される。
これにより、回転部材6Aは、ウェハー等の被検査物の重量による力は平坦部64が負担するので、平坦部64以外の部分の肉厚が薄くできる可能性がある。これにより、回転部材6Aは、上述した実施形態の回転部材6に比較して軽量になる可能性がある。このため、回転部材6Aを回転させるときに回転部材6Aに作用する慣性力が小さくなる可能性がある。よって、変形例に係る静圧気体軸受回転案内装置1は、回転部材6Aの回転速度の制御を容易にすることができる可能性がある。
1 静圧気体軸受回転案内装置
10 筐体
10h 固定用孔
101 上面部
102 底面部
103 側面部
4 第1ハウジング
41 内部流路
43 第2凹部
43a 矩形部
43b 十字部
48 ソケット部
49 第1凹部
5 第1エアパッド
51 噴出面
52 裏面
6、6A 回転部材
6c、6cA コニカル部
6h、6hA 貫通孔
61、61A 第1傾斜面
61h 取付孔
62、62A 第2傾斜面
62h 取付孔
64 平坦部
64h 取付孔
65 溝
7 第2ハウジング
78 ソケット部
79 第1凹部
8 第2エアパッド
ab1 第1静圧気体軸受
ab2 第2静圧気体軸受
b ボールスタッド
G 隙間
n 緩み止めナット

Claims (1)

  1. 軸周りに回転する円盤形状の部材であって、前記軸を含む平面で切った断面の前記軸方向の大きさが径方向外側に向かって小さくなっているコニカル部と、前記コニカル部の表面であって前記軸に対して傾斜する第1傾斜面と、前記コニカル部の表面であって前記軸に対して前記第1傾斜面とは異なる方向に傾斜する第2傾斜面と、を備える回転部材と、
    第1ハウジングと、前記第1ハウジングに設けられて前記第1傾斜面に向かって気体を噴出する第1エアパッドと、を備え、前記回転部材の周方向に等間隔に配置される複数の第1静圧気体軸受と、
    第2ハウジングと、前記第2ハウジングに設けられて前記第2傾斜面に向かって気体を噴出する第2エアパッドと、を備え、前記回転部材の周方向に等間隔に配置される複数の第2静圧気体軸受と、
    を備えることを特徴とする静圧気体軸受回転案内装置。
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