JP2015174792A - 積層造形用粉末材料及び積層造形物の製造方法 - Google Patents

積層造形用粉末材料及び積層造形物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複雑な立体形状の積層造形物を、簡便かつ効率良く、高強度で寸法精度良く製造し得る積層造形用粉末材料の提供。
【解決手段】リン酸カルシウムを含有する積層造形用粉末材料であって、前記積層造形用粉末材料の体積平均粒径Dvが、1.5μm〜7.0μmであり、前記体積平均粒径Dvと前記積層造形用粉末の数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)が、1.10〜1.40である積層造形用粉末材料である。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層造形用粉末材料及び積層造形物の製造方法に関する。
3次元CAD等で作成された立体形状データを利用して、実立体を製作する技術を総称してラピッドプロトタイピング技法(Rapid Prototyping)という。前記ラピッドプロトタイピング技法のなかで、高耐熱性粉末を材料とする成形技法を用いると、模型や木型を使わずに鋳型や中子を製作することができるため、極めて迅速な鋳物製造プロセスが実現可能となる。前記ラピッドプロトタイピング技法は、積層造形法とも呼ばれ、物体の断面形状を積層し、3次元物体を創成するものである。また、前記ラピッドプロトタイピング技法の一種であり、材料として粉末を用いる積層法(粉末固着法)が種々提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
また、「立体カラーコピー方法及び装置」は、試料を一定の方向に順次押し出して切断し、切断断面の2次元画像を撮像する試料断面撮像ステップ(A)と、2次元画像から試料の3次元内部構造を演算しこれをカラーラピッドプロトタイピング可能なデータに変換するデータ処理ステップ(B)と、カラーラピッドプロトタイピング装置を用いて立体カラー模型を製作する立体カラー模型製作ステップ(C)とを有するものである(特許文献6参照)。
また、“Mass production of dental restoration by solid free−form fabrication methods”は、(a)セラミック又は複合材料の層を形成し、(b)その層に結合剤を付加し、(c)前記(a)と前記(b)を多数回繰り返し互いに結合された多数の層を形成して歯の補綴物の形状に成形し、(d)成形した材料を補強して歯の補綴物を製造するものである(特許文献7参照)。
また、“Mass production of shells and models for dental restoration produced by solid free−form fabrication methods”は、(a)デジタルデータを用いて歯の補綴物のシェル形状を準備し、(b)ポリマー材の層を形成し、(c)前記(b)を多数回繰り返し互いに結合された多数の層を形成してデジタルデータに基づくシェル形状を成形するものである(特許文献8参照)。
また、「人工骨成形方法」は、(a)生体用粉末材料及び液体材料を、噴射装置のノズル先端近傍まで異なる流路によって運ぶ工程、(b)前記噴射装置のノズルから、前記生体用粉末材料及び液体材料を固体表面に混合噴射し、前記固体表面に前記生体用粉末材料及び液体材料の混合物を付着させることにより層を形成させる工程、及び(c)前記層に更に前記生体用粉末材料及び液体材料を混合噴射して前記混合物の付着面の積層を繰り返すことにより、前記層を複数層重層させて骨の三次元構造物を立体形成させる工程、を含むものである(特許文献9参照)。
また、「粉末積層造形法による人工骨成型方法」においても同様に、水和反応で硬化する粉体骨材を用いて粉末積層させることにより、更に強度の高い人工骨を成型するものである(特許文献10参照)。しかし、この提案の水和反応による硬化では十分な強度を得ることは難しく、特に大腿骨のような負荷が掛かる部位においての適用は困難である。
なお、前記特許文献9、及び前記特許文献10の「人工骨成型方法」は、インクジェット式粉末積層成型法と呼ばれることもある。
従来より、人工骨はステンレス、チタン合金等の金属材料、耐摩耗性のプラスチック等から作られ骨置換術に使われてきた。これらの人工骨は機能不全の関節機能を代行するものであるが、金属材料及び耐摩耗性プラスチックは、摩耗や腐食、膨潤等の経時変化を起こすため、長期間使用することができないという問題点があった。それに代わる材料として、リン酸カルシウムをベースとしたセラミックスが挙げられる。現在、骨形成の足場を提供するものや、それ自体が骨に経時的に吸収されつつ、新生骨の形成を促進し、将来的に骨置換されるものが知られている。
骨形成の足場を提供する骨補填材としては、例えば、ハイドロキシアパタイト等の骨組織との親和性に優れ、骨組識と介在物なしに直接結合するものが多く使用されている。前記骨補填材を骨欠損部に埋入することにより、前記骨補填材を足場として速やかに骨修復が行われるが、ハイドロキシアパタイト単独では骨置換が起きないため、残存したハイドロキシアパタイトが生体内で不具合を生じさせる可能性も考えられる。一方、骨置換される骨補填材は、骨組識に埋入することによって骨組織の造骨作用を促進し、骨修復を容易かつより速やかに行わせることができる。
前記骨置換される骨補填材の材料としては、例えば、リン酸三カルシウム(TCP)が知られている。前記リン酸三カルシウムが骨組織に吸収される度合は、前記リン酸三カルシウムの成形体の形状及び形態に依存する。即ち、多孔質体は形態的に表面積が大きく、骨組織に吸収され易く、また食細胞にも貪食され易い。これに対して、緻密質体は、吸収が非常に遅く、かつ食細胞にも貪食され難い。これら形態による性質の違いを利用し、多孔質部分と緻密質部分を組み合わせることで、所望の生体適合性を発現させることが期待できる(特許文献11参照)。しかし、いずれも負荷が大きい大腿骨に適用できるレベルの強度は有しておらず、また、所望の形状に成型加工するには多くの時間を要するのみならず、特に切削の場合であると内部構造を有する繊細な加工は不可能である。
前記粉末積層造形法は、前記繊細な加工を行う上では有利ではあるが、特に海綿骨のような微細構造の構築や、皮質骨から海綿骨までの微細な傾斜構造を構築する上では、リン酸カルシウム粉末が微細であることが必要不可欠である。また、骨の形成に関与する細胞が積層造形物の中で増殖するためには、20μm〜200μm程度の細胞に適したサイズの連通孔を有していることが必要である。このサイズの連通孔を得るためには、リン酸カルシウム粉末の粒径は小さい方が好ましい。ただし、前記リン酸カルシウムは微細化に伴い自己凝集力が増加し、特に1μm以下の微粉体は凝集しやすいため注意が必要である。
このような凝集体は、放っておくと数十μmサイズの凝集体にまで膨れ上がり、これが均一な積層造形用粉末材料層を形成する上でノイズとなってしまうため、所望の平均粒径を保持しつつ、かつ凝集に大きく寄与する微粉体が少ない状態の粉体を用いて積層造形することが必要不可欠である。
更に、自己凝集のしやすさは、粒子の形状にも依存する。例えば、先端が尖ったような異形粒子だと、先端への電荷が蓄積されやすく、そこを起点として静電的相互作用が発生し、緩凝集を引き起こすこともある。そこで、前記粒子の形状もある程度球形に近い方が好ましい。
したがって、複雑な立体形状の積層造形物を、簡便かつ効率良く、高強度で寸法精度良く製造し得る積層造形用粉末材料の提供が望まれている。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、複雑な立体形状の積層造形物を、簡便かつ効率良く、高強度で寸法精度良く製造し得る積層造形用粉末材料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の積層造形用粉末材料は、リン酸カルシウムを含有する積層造形用粉末材料であって、
前記積層造形用粉末材料の体積平均粒径Dvが、1.5μm〜7.0μmであり、
前記体積平均粒径Dvと前記積層造形用粉末の数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)が、1.10〜1.40である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、複雑な立体形状の積層造形物を、簡便かつ効率良く、高強度で寸法精度良く製造し得る積層造形用粉末材料を提供することができる。
図1は、本発明の積層造形用粉末材料を用いて積層造形物を製造するための外枠の形状の一例を示す概略平面図である。
(積層造形用粉末材料)
本発明の積層造形用粉末材料は、リン酸カルシウムを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<リン酸カルシウム>
前記リン酸カルシウムとしては、粉末乃至粒子の形態を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、その材質としては、例えば、水酸アパタイト、炭酸アパタイト、フッ化アパタイト、β−リン酸三カルシウム(β−TCP)、α−リン酸三カルシウム(α−TCP)、リン酸四カルシウム、リン酸八カルシウム(OCP)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、骨置換される積層造形物を得る観点から、β−リン酸三カルシウム(β−TCP)、α−リン酸三カルシウム(α−TCP)、リン酸八カルシウム(OCP)が好ましい。
前記リン酸カルシウムとして、これらの材料で形成された市販品の粒子乃至粉末を使用することができる。前記市販品としては、例えば、β−TCP(太平化学産業株式会社製)、α−TCP(太平化学産業株式会社製)などが挙げられる。なお、前記リン酸カルシウムとしては、凝集性を改善する目的等で、公知の表面(改質)処理がされていてもよい。
<リン酸カルシウムの製造方法>
前記リン酸カルシウムの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハイドロキシアパタイト(HAp)合成で好適に用いられる沈殿法などが挙げられる。
<その他の成分>
前記積層造形用粉末材料が含み得る公知のその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、キレート剤、流動化剤、フィラー、レベリング剤、焼結助剤などが挙げられる。
前記積層造形用粉末材料が、前記流動化剤を含むと前記積層造形用粉末材料による層等を容易にかつ効率よく形成し得る点で好ましく、前記フィラーを含むと得られる硬化物(積層造形物、焼結用硬化物)に空隙等が生じ難くなる点で好ましく、前記レベリング剤を含むと前記積層造形用粉末材料の濡れ性が向上し、ハンドリング等が容易になる点で好ましく、前記焼結助剤を含むと、得られた硬化物(積層造形物、焼結用硬化物)につき焼結処理を行う場合において、より低温での焼結が可能となる点で好ましい。
−積層造形用粉末材料の物性等−
前記積層造形用粉末材料の体積平均粒径Dvは、1.5μm〜7.0μmであり、2.0μm〜5.0μmが好ましい。前記体積平均粒径Dvが、1.5μm未満であると、リン酸カルシウムの自己凝集力が強く、積層造形物の製造効率に劣り、取扱性やハンドリング性に劣ることがある。一方、前記体積平均粒径Dvが、7.0μmを超えると、前記積層造形用粉末材料を用いて薄層を形成した際に、前記薄層における前記積層造形用粉末材料の充填率が充分でなく、空隙が生じ易く、得られる積層造形物に空隙等が生じ易くなることがある。
前記積層造形用粉末材料の体積平均粒径は、公知の粒径測定装置、例えば、マルチサイザーIII(コールターカウンター社製)やFPIA−3000(シスメックス株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
前記積層造形用粉末材料の粒度分布Dv/Dnは、1.10〜1.40であり、1.10〜1.20が好ましい。前記粒度分布Dv/Dnが、1.10未満であると、前記積層造形用粉末材料を用いて薄層を形成した際に、前記薄層における前記積層造形用粉末材料の充填率が充分でなく、空隙が生じ易く、得られる積層造形物に空隙等が生じ易くなることがある。一方、前記粒度分布Dv/Dnが、1.40を超えると、粗大粒子が薄い積層造形用粉末材料層を形成する上でノイズとなる可能性があるのみならず、微細粉も増えてしまい、自己凝集を促進させる恐れもある。
前記積層造形用粉末材料の粒度分布Dv/Dnは、公知の粒径測定装置、例えば、マルチサイザーIII(コールターカウンター社製)、FPIA−3000(シスメックス株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
前記積層造形用粉末材料の下記式で表される平均円形度は、0.70〜0.80が好ましく、0.72〜0.78がより好ましい。
平均円形度=(積層造形用粉末材料の投影面積と同じ面積の円の周囲長/積層造形用粉末材料の投影像の周囲長)×100
前記平均円形度が、0.70未満であると、前記積層造形用粉末材料が凝集しやすくなるのみならず、薄層を形成した際に、前記薄層における前記積層造形用粉末材料の充填率が不充分で空隙が生じ易く、得られる積層造形物に空隙等が生じ易くなることがある。一方、前記平均円形度が、0.80を超えると、パッキング性が高まるため、積層造形後のエアーブローの際、内部に存在する未硬化粉体の除去が困難になる恐れがある。
前記平均円形度は、公知の円形度測定装置、例えば、FPIA−3000(シスメックス株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
本発明の積層造形用粉末材料は、前記体積平均粒径Dv、及び前記粒度分布Dv/Dnの範囲を満たすことにより、海綿骨のような微細構造の構築や、皮質骨から海綿骨までの微細な傾斜構造、骨の形成に関与する細胞が積層造形物の中で増殖するための連通孔を効率よく製造できる。前記体積平均粒径Dv、及び前記粒度分布Dv/Dnの範囲を満たしつつ更に、前記平均円形度の範囲を満たすことにより積層造形用粉末材料の凝集を防止することができる。したがって、本発明の積層造形用粉末材料は、各種の成形体、構造体の簡便かつ効率的な製造に好適に用いることができ、後述する本発明の積層造形物の製造方法及び積層造形物の製造装置に特に好適に用いることができる。
(第1の形態に係る積層造形物の製造方法及び製造装置)
本発明の第1の形態に係る積層造形物の製造方法は、積層造形用粉末材料層形成工程を少なくとも含み、硬化物形成工程、焼結工程、及び乾燥工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明で用いられる第1の形態に係る積層造形物の製造装置は、積層造形用粉末材料層形成手段を少なくとも有し、硬化物形成手段、焼結手段、及び乾燥手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明の第1の形態に係る積層造形物の製造方法は、本発明の第1の形態に係る積層造形物の製造装置を用いて好適に実施することができ、前記積層造形用粉末材料層形成工程は、前記積層造形用粉末材料層形成手段により好適に実施することができ、前記硬化物形成工程は、前記硬化物形成手段により好適に実施することができ、前記焼結工程は、前記焼結手段により好適に実施することができ、前記乾燥工程は、前記乾燥手段により好適に実施することができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に実施することができる。
<積層造形用粉末材料層形成工程及び積層造形用粉末材料層形成手段>
前記積層造形用粉末材料層形成工程は、支持体上に、本発明の前記積層造形用粉末材料を用いて所定の厚みの積層造形用粉末材料層を形成する工程である。
前記積層造形用粉末材料層形成手段は、支持体上に、本発明の前記積層造形用粉末材料を用いて所定の厚みの積層造形用粉末材料層を形成する手段である。
−支持体−
前記支持体としては、前記積層造形用粉末材料を載置することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記積層造形用粉末材料の載置面を有する台、特開2000−328106号公報の図1に記載の装置におけるベースプレート、などが挙げられる。前記支持体の表面、即ち、前記積層造形用粉末を載置する載置面としては、例えば、平滑面であってもよいし、粗面であってもよく、また、平面であってもよいし、曲面であってもよい。
−積層造形用粉末材料層の形成−
前記積層造形用粉末材料を前記支持体上に配置させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、薄層に配置させる方法としては、特許第3607300号公報に記載の選択的レーザー焼結方法に用いられる、公知のカウンター回転機構(カウンターローラー)などを用いる方法、前記積層造形用粉末材料をブラシ、ローラ、ブレード等の部材を用いて薄層に拡げる方法、前記積層造形用粉末の表面を押圧部材を用いて押圧して薄層に拡げる方法、公知の粉末積層装置を用いる方法などが好適に挙げられる。
前記カウンター回転機構(カウンターローラー)、前記ブラシ乃至ブレード、前記押圧部材などを用いて、前記支持体上に前記積層造形用粉末材料を薄層に載置させるには、例えば、以下のようにして行うことができる。即ち、例えば、図1に示すような外枠(「型」、「中空シリンダー」、「筒状構造体」などと称されることもある)内に、前記外枠の内壁に摺動しながら昇降可能に配置された前記支持体上に前記積層造形用粉末材料を、前記カウンター回転機構(カウンターローラー))、前記ブラシ、ローラ又はブレード、前記押圧部材などを用いて載置させる。このとき、前記支持体として、前記外枠内を昇降可能なものを用いる場合には、前記支持体を前記外枠の上端開口部よりも少しだけ下方の位置に配し、即ち前記積層造形用粉末材料層の厚み分だけ下方に位置させておき、前記支持体上に前記積層造形用粉末材料を載置させる。以上により、前記積層造形用粉末材料を前記支持体上に薄層に載置させることができる。
なお、このようにして薄層に載置させた前記積層造形用粉末材料に対し、レーザーや電子線、或いは、インクジェット法によるインクを作用させると硬化が生ずる。ここで得られた薄層の硬化物上に、上記と同様にして、前記積層造形用粉末材料を薄層に載置させ、この薄層に載置された前記積層造形用粉末材料(層)に対し、前記レーザーや電子線、或いはインクを作用させると硬化が生ずる。このときの硬化は、前記薄層に載置された前記積層造形用粉末材料(層)においてのみならず、その下に存在する、先に硬化して得られた前記薄層の硬化物との間でも生ずる。その結果、前記薄層に載置された前記積層造形用粉末材料(層)の約2層分の厚みを有する硬化物(積層造形物、焼結用硬化物)が得られる。
また、前記積層造形用粉末材料を前記支持体上に薄層に載置させるには、前記公知の粉末積層装置を用いて自動的にかつ簡便に行うこともできる。前記粉末積層装置は、一般に、前記積層造形用粉末材料を積層するためのリコーターと、前記積層造形用粉末材料を前記支持体上に供給するための可動式供給槽と、前記積層造形用粉末材料を薄層に載置し、積層するための可動式成形槽とを備える。前記粉末積層装置においては、前記供給槽を上昇させるか、前記成形槽を下降させるか、又はその両方によって、常に前記供給槽の表面は前記成形槽の表面よりもわずかに上昇させることができ、前記供給槽側から前記リコーターを用いて前記積層造形用粉末材料を薄層に配置させることができ、前記リコーターを繰り返し移動させることにより、薄層の前記積層造形用粉末材料を積層させることができる。
前記積層造形用粉末材料層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、一層当たりの平均厚みで、3μm〜200μmが好ましく、10μm〜100μmがより好ましい。前記平均厚みが、3μm未満であると、造形物が得られるまでに莫大な時間を要することや、焼結等の処理乃至取扱い時に型崩れ等の問題が生ずることがある。一方、200μmを超えると、造形物の寸法精度が充分でないことがある。
なお、前記平均厚みは、公知の方法に従って測定することができる。
<硬化物形成工程及び硬化物形成手段>
前記硬化物形成工程は、水溶液を吐出するようなインクジェット方式などで採用される工程であり、前記積層造形用粉末材料層に、硬化剤を含有する硬化剤含有水を付与し、前記積層造形用粉末材料層を硬化させて硬化物を形成する工程である。前記硬化物形成手段は、前記積層造形用粉末材料層に、前記硬化剤含有水を付与し、前記積層造形用粉末材料層を硬化させて硬化物を形成する手段である。
−硬化剤含有水−
前記硬化剤含有水としては、水性媒体中に硬化剤を含有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記その他の成分としては、前記硬化剤含有水を付与する手段の種類、使用頻度や量などの諸条件を考慮して適宜選択することができ、例えば、インクジェット法によって前記硬化剤含有水を付与する場合には、インクジェットプリンター等におけるノズルヘッドへの目詰り等の影響を考慮して選択することができる。前記その他の成分としては、例えば、保存剤、防腐剤、安定化剤、pH調整剤、などが挙げられる。
前記水性媒体としては、例えば、水、エタノール等のアルコール、エーテル、ケトン、などが挙げられるが、水が好ましい。なお、前記水性媒体は、前記水が前記アルコール等の水以外の成分を若干量含有するものであってもよい。
前記硬化剤としては、前記リン酸カルシウムを硬化可能な性質を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸、リンゴ酸、エデト酸、コハク酸、フィチン酸、アレンドロン酸、エチドロン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、硬化速度の点から、クエン酸、エデト酸、フィチン酸が好ましい。
前記硬化剤含有水の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記水性媒体中に前記硬化剤、必要に応じて前記その他の成分を添加し混合して溶解させる方法などが挙げられる。
前記硬化剤含有水における前記硬化剤の含有量(濃度)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記硬化剤含有水の粘度が、20℃で、7mPa・s〜20mPa・sとなる濃度が好ましく、9mPa・s〜15mPa・sがより好ましい。前記粘度が、7mPa・s未満及び20mPa・sを超えると、前記硬化剤含有水の前記積層造形用粉末材料への付与が上手くできず、積層造形物の寸法精度が充分で無いことがある。
前記硬化剤含有水の前記積層造形用粉末材料への付与の方法としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンサ方式、スプレー方式、インクジェット方式などが挙げられる。なお、これらの方式を実施するには公知の装置を前記硬化物形成手段として好適に使用することができる。これらの中でも、前記ディスペンサ方式は、液滴の定量性に優れるが、塗布面積が狭くなり、前記スプレー方式は、簡便に微細な吐出物を形成でき、塗布面積が広く、塗布性に優れるが、液滴の定量性が悪く、スプレー流による粉末の飛散が発生する。このため、本発明においては、前記インクジェット方式が特に好ましい。前記インクジェット方式は、前記スプレー方式に比べ、液滴の定量性が良く、前記ディスペンサ方式に比べ、塗布面積が広くできる利点があり、複雑な立体形状を精度良くかつ効率よく形成し得る点で好ましい。
前記インクジェット法による場合、前記硬化物形成手段は、前記インクジェット法により前記硬化剤含有水を前記積層造形物粉末材料層に付与可能なノズルを有する。なお、前記ノズルとしては、公知のインクジェットプリンターにおけるノズルを好適に使用することができ、また、前記インクジェットプリンターを前記硬化物形成手段として好適に使用することができる。なお、前記インクジェットプリンターとしては、例えば、株式会社リコー製のSG7100、などが好適に挙げられる。前記インクジェットプリンターは、ヘッド部から一度に滴下できるインク量が多く、塗布面積が広いため、塗布の高速化を図ることができる点で好ましい。本発明においては、前記硬化剤含有水を精度良くしかも高効率に付与可能な前記インクジェットプリンターを用いた場合においても、前記硬化剤含有水が、粒子等の固形物や、樹脂等の高分子の高粘度材料を含有しないため、前記ノズル乃至そのヘッドにおいて目詰り等が発生せず、腐食等を生じさせることもないため、積層造形物の製造効率に優れ、しかも樹脂等の高分子成分が付与されることがないため、予定外の体積増加等を生ずることがなく、寸法精度の良い硬化物が容易にかつ短時間で効率よく得られる点で有利である。
<乾燥工程及び乾燥手段>
前記乾燥工程は、前記硬化物形成工程において得られた硬化物を乾燥させる工程であり、乾燥手段により行われる。前記乾燥工程において、前記硬化物中に含まれる水分のみならず、有機物を除去(脱脂)してもよい。前記乾燥手段としては、例えば、公知の乾燥機などが挙げられる。
<焼結工程及び焼結手段>
前記焼結工程は、前記硬化物形成工程において形成した硬化物を焼結する工程であり、焼結手段により行われる。前記焼結工程を行うことにより、前記硬化物を一体化された成形体(積層造形物)とすることができる。前記焼結手段としては、例えば、公知の焼結炉などが挙げられる。
<その他の工程及びその他の手段>
前記その他の工程としては、例えば、表面保護処理工程、塗装工程、などが挙げられる。
前記その他の手段としては、例えば、表面保護処理手段、塗装手段、などが挙げられる。
前記表面保護処理工程は、前記硬化物形成工程、又は焼結工程において形成した造形物に保護層を形成する工程である。この表面保護処理工程を行うことにより、前記造形物を例えばそのまま使用等することができる耐久性等を前記積層造形物の表面に与えることができる。前記保護層の具体例としては、耐水性層、耐候性層、耐光性層、断熱性層、光沢層、などが挙げられる。前記表面保護処理手段としては、公知の表面保護処理装置、例えば、スプレー装置、コーティング装置などが挙げられる。
前記塗装工程は、前記造形物に塗装を行う工程である。この塗装工程を行うことにより、前記造形物に所望の色に着色させることができる。前記塗装手段としては、公知の塗装装置、例えば、スプレー、ローラ、刷毛等による塗装装置などが挙げられる。
(第2の形態に係る積層造形物の製造方法及び製造装置)
本発明の積層造形物の製造方法は、第2の形態では、積層造形用粉末材料層形成工程を少なくとも含み、焼結工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明で用いられる積層造形物の製造装置は、第2の形態では、積層造形用粉末材料層形成手段を少なくとも有し、焼結手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明の第2の形態に係る積層造形物の製造方法は、本発明の第2の形態に係る積層造形物の製造装置を用いて好適に実施することができ、前記積層造形用粉末材料層形成工程は、前記積層造形用粉末材料層形成手段により好適に実施することができ、前記焼結工程は、前記焼結手段により好適に実施することができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に実施することができる。
<積層造形用粉末材料層形成工程及び積層造形用粉末材料層形成手段>
第2の形態における積層造形用粉末材料層形成工程及び積層造形用粉末材料層形成手段は、第1の形態における積層造形用粉末材料層形成工程及び積層造形用粉末材料層形成手段と同様であるため、これらの説明を省略する。
<焼結工程及び焼結手段>
前記焼結工程は、前記積層造形用粉末材料層にレーザー照射及び電子線照射のいずれかを行い前記積層造形用粉末材料層を焼結させる工程である。
前記焼結手段は、前記積層造形用粉末材料層にレーザー照射及び電子線照射のいずれかを行い前記積層造形用粉末材料層を焼結させる手段である。
第2の形態の焼結は、第1の形態のインクジェット法のように硬化物を得てから焼結する方式とは異なり、積層造形用粉末材料を積層する段階で焼結する方式である。
−レーザー照射−
前記レーザー照射におけるレーザーとしては、リン酸カルシウムが有する吸収波長領域のレーザーであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、COレーザー、Nd−YAGレーザー、ファイバーレーザー、半導体レーザーなどが挙げられる。
前記レーザー照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、小型レーザーを用いる場合、リン酸カルシウムを溶融することができないため、併用する接着剤(例えば、ポリエステル系接着剤)を混在させて、レーザー照射により接着剤を溶融させて造形することが好ましい。その場合、COレーザーを用いることが好ましい。照射条件としては、例えば、レーザー出力15W、波長10.6μm、ビーム径0.4mm程度が好ましい。
−電子線照射−
前記電子線としては、リン酸カルシウムが溶融するエネルギーの電子線を照射すること以外の制限は無く、目的に応じて適宜選択することができる。電子線を照射する際には、前記積層造形用粉末材料は真空環境下で扱われる必要があるが、それ以外の積層造形用粉末材料層形成手段は前記と同様である。
前記電子線照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、出力1,500W、ビーム径0.1mm、真空度1.0×10−5mbar程度が好ましい。
<その他の工程及びその他の手段>
第2の形態におけるその他の工程及びその他の手段は、第1の形態におけるその他の工程及びその他の手段と同様であるため、これらの説明を省略する。
<硬化物(積層造形物)>
前記硬化物(積層造形物)において、リン酸カルシウムのハイドロキシアパタイト(HAp)への転移率は、10%以下が好ましく、1%以下がより好ましい。前記転移率が、10%を超えると、生体内へ移植した際、前記リン酸カルシウムがハイドロキシアパタイトとして一生生体内に残存し、不具合が生じる恐れがある。
前記HAp転移率は、公知のX線粉末回折装置を用いて、公知の方法に従って測定することができる。具体的には、SBF(擬似体液)中への2週間浸漬前後での結晶相の同定を行い、2θ=30付近に現れるハイドロキシアパタイト特有ピークの面積率の差で転移率を測定できる。
前記硬化物(積層造形物)の細胞毒性は、以下のin vitro検定:(i)テトラゾリウム塩3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を用いたミトコンドリア還元酵素の活性を測定する、比色法である、MTT検定;(ii)XTT及びWST検定のような他のテトラゾリウム塩及びホルマザン色素を用いる同様な検定;(iii)トリパンブルー(TB)検定;(iv)スルホローダミンB(SRB)検定;及び(v)クローン原性検定を含むが、これらに制限されない。
更に、細胞のネクローシス及びアポトーシスのレベルを測定するための、当業者に既知の方法を、カチオン性脂質又は薬剤が細胞毒性活性を持つかどうか決定するために用いることができる。
前記アポトーシスを測定するためのこのような方法としては、例えば、TUNEL検定、カスパーゼ活性の測定、DNA断片化、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)活性化、ミトコンドリアチトクロームC流出、アポトーシス誘発性因子(AIF)移行、及びAnnexin−V染色が含まれるが、これらに制限されない。
本発明の積層造形物の製造方法及び製造装置により、微細構造を有し、かつ複雑な立体形状の積層造形物を、本発明の前記積層造形用粉末材料を用いて簡便かつ効率良く、焼結等の前に型崩れが生ずることなく、寸法精度良く製造することができる。得られた積層造形物は、充分な強度を有し、寸法精度に優れ、微細な凹凸、曲面なども再現できるので、美的外観にも優れ、高品質であり、各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(調製例1)
<積層造形用粉末材料1の調製>
−α−リン酸三カルシウム(α−TCP)の合成−
市販のパドルを用いて160rpmで攪拌させた0.513mol/dmの水酸化カルシウム懸濁液中に、0.342mol/dmのリン酸水溶液を6mL/minの速度で送液し、アンモニアにてpHを8.7付近で安定化させた。次いで、37℃のインキュベーターにて72時間熟成し、濾過したのち乾燥して粉体を得た。次いで、800℃環境にて1時間焼成したのち、直径3mmのジルコニアビーズを用いてボールミル粉砕した。その際、ボールミル粉砕はGlen Creston Ltd.社製BM−6型ローラーボールミルを用いて実施し、30分間の粉砕化が終了したら、75μmメッシュに通して篩に掛けることで微細粉を得た。次いで、1,400℃にて5時間焼成したのち急冷することでα−リン酸三カルシウム(α−TCP)を得た。得られたα−リン酸三カルシウム粉体を、気流式分級機(日鉄鉱業株式会社製、エルボージェットEJ−15)を用いて分級し、これを積層造形用粉末材料1とした。
得られた積層造形用粉末材料1としてのα−TCPについて、以下のようにして測定した、体積平均粒径Dvは4.7μm、粒度分布Dv/Dnは1.31、平均円形度は0.72であった。
<体積平均粒径Dv、及び体積平均粒径Dvと数平均粒径Dnとの比Dv/Dn>
測定装置としてコールターマルチサイザーIII(コールターカウンター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機株式会社製)、及びパーソナルコンピューターを接続し、電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製した。測定法としては、この電解液としての水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1mL〜5mL加え、積層造形用粉末材料を2mg〜20mg加え、超音波分散器で1分間〜3分間の分散処理を行った。更に、別のビーカーに電解水溶液100mL〜200mLを入れ、その中に前記サンプル分散液を所定の濃度になるように加え、前記コールターマルチサイザーIIIによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用い、50,000個の粒子の平均を測定した。測定は装置が示す濃度が8%±2%となるように前記積層造形用粉末材料の分散液を滴下して行った。得られた体積平均粒径Dvと数平均粒径Dnとから比Dv/Dnを求めた。
<平均円形度>
前記平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(「FPIA−3000」;シスメックス株式会社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−3000 Data Processing Program For FPIA Version00−10)を用いて測定した。より具体的には、ガラス製の100mLビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬株式会社製)を0.1mL〜0.5mL添加し、積層造形用粉末材料を0.1g〜0.5g添加してミクロスパーテルでかき混ぜ、次いで、イオン交換水80mLを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子株式会社製)で3分間分散処理する。この分散液について、前記FPIA−3000を用いて、濃度が5,000個/μL〜15,000個/μLとなるまで積層造形用粉末材料の形状及び分布を測定した。
前記積層造形用粉末材料1としてのリン酸カルシウムの結晶相の同定を、X線粉末回折装置(リガク電機株式会社製、RINT1100)を用いて以下の条件で実施したところ、結晶相がαであることがわかった。
[測定条件]
・管球:Cu
・電圧:40kV
・電流:40mA
・開始角度:3°
・終了角度:80°
・スキャンスピード:0.5°/min
(調製例2)
<積層造形用粉末材料2の調製>
−リン酸三カルシウム(β−TCP)の合成−
市販のパドルを用いて160rpmで攪拌させた0.513mol/dmの水酸化カルシウム懸濁液中に、0.342mol/dmのリン酸水溶液を6mL/minの速度で送液し、アンモニアにてpHを8.7付近で安定化させた。次いで、37℃のインキュベーターにて72時間熟成し、濾過したのち乾燥して粉体を得た。次いで、800℃環境にて1時間焼成したのち、直径3mmのジルコニアビーズを用いてボールミル粉砕した。その際、ボールミル粉砕はGlen Creston Ltd.社製BM−6型ローラーボールミルを用いて実施し、30分間の粉砕化が終了したら、75μmメッシュに通して篩に掛けることで微細粉を得た。次いで、1,100℃にて5時間焼成したのち急冷することでβ−リン酸三カルシウム(β−TCP)を得た。得られたβ−リン酸三カルシウム粉体を、気流式分級機(日鉄鉱業株式会社製、エルボージェットEJ−15)を用いて分級し、これを積層造形用粉末材料2とした。
得られた積層造形用粉末材料2としてのβ−TCPについて、調製例1と同様にして測定したところ、体積平均粒径Dvは4.5μm、粒度分布Dv/Dnは1.28、平均円形度は0.75であった。
また、前記積層造形用粉末材料2としてのリン酸カルシウムの結晶相の同定を、調製例1と同様にして実施したところ、結晶相がβであることが分かった。
(調製例3)
<積層造形用粉末材料3の調製>
−リン酸八カルシウム(OCP)の合成−
市販のパドルを用いて160rpmで攪拌させた0.455mol/dmの水酸化カルシウム懸濁液中に、0.342mol/dmのリン酸水溶液を6mL/minの速度で送液し、アンモニアにてpHを8.7付近で安定化させた。次いで、37℃のインキュベーターにて72時間熟成し、濾過したのち乾燥して粉体を得た。次いで、800℃環境にて1時間焼成したのち、直径3mmのジルコニアビーズを用いてボールミル粉砕した。その際、ボールミル粉砕はGlen Creston Ltd.社製BM−6型ローラーボールミルを用いて実施し、30分間の粉砕化が終了したら、75μmメッシュに通して篩に掛けることで微細粉を得た。次いで、1,100℃にて5時間焼成したのち急冷することでリン酸八カルシウム(OCP)を得た。得られたリン酸八カルシウム粉体を、気流式分級機(日鉄鉱業株式会社製、エルボージェットEJ−15)を用いて分級し、これを積層造形用粉末材料3とした。
得られた積層造形用粉末材料3としてのOCPについて、調製例1と同様にして測定したところ、体積平均粒径Dvは5.2μm、粒度分布Dv/Dnは1.34、平均円形度は、0.76であった。
(調製例4)
−硬化剤含有水1(インク1)の調製−
水59.5質量部と、硬化剤としてクエン酸(和光純薬工業株式会社製)40質量部、及び界面活性剤としてTriton X−100(東京化成工業株式会社製)0.5質量部を混合し、ホモミキサーを用いて5分間分散させて、硬化剤含有水1(インク1)を調製した。
(実施例1)
得られた前記積層造形用粉末材料1と、前記硬化剤含有水1(インク1)とを用いて、図1に示す形状の外枠(型)を用いて、積層造形物1を以下のようにして製造した。
(1)まず、粉末積層装置(ニイガタ社製、粉体用冶具)を用いて、供給槽から成形槽に前記積層造形用粉末材料1を移送させ、支持体上に平均厚みが100μmの積層造形用粉末材料1による薄層を形成した。
(2)次に、形成した積層造形用粉末材料1による薄層の表面に、前記硬化剤含有水1(インク1)を、インクジェットプリンター(株式会社リコー製、SG7100)を用いてノズルから付与(吐出)し、前記積層造形用粉末材料1を硬化することで、前記リン酸カルシウムを硬化させた。
(3)次に、前記(1)及び前記(2)の操作を所定の3mmの総平均厚みになるまで繰返し、硬化した前記積層造形用粉末材料1による薄層を順次積層していき、積層造形物1を製造した。得られた積層造形物1に対し、エアーブローにより余分な前記積層造形用粉末材料を除去したところ、型崩れを生ずることはなかった。得られた積層造形物1は強度、及び寸法精度に優れていた。
得られた積層造形物1につき、強度(硬度)、及び寸法精度を以下の基準にて評価した。結果を表1に示した。
<強度(硬度)>
以下の基準により、積層造形物1の強度(硬度)を評価した。
×:積層造形用粉末材料が充分に硬化しておらず、外枠(型)から積層造形物を取り出すことができず、取り出すと所定の形状を維持することができない状態
△:積層造形物につきエアーブローを行うと、不要な積層造形用粉末材料以外にも、前記積層造形物自体がやや除去されてしまうが、その形状を維持している状態
○:積層造形物につきエアーブローを行っても、不要な積層造形用粉末材料のみが除去され、前記積層造形物自体はその形状を維持している状態
◎:積層造形物が充分に硬化しており、容易には壊れない状態
<寸法精度>
以下の基準により、積層造形物1の寸法精度を評価した。
×:得られた積層造形物の表面に歪みが生じており、表面を観察すると、前記積層造形用粉末材料と前記硬化剤含有水との偏在が認められる状態
△:得られた積層造形物の表面に若干の歪みと凹凸が生じている状態
○:得られた積層造形物の表面状態は良好であるが、僅かに反りが生じている状態
◎:得られた積層造形物の表面が滑らかで美麗であり、反りも生じていない状態
(4)前記(3)で得られた積層造形物1につき、焼結炉内で真空条件、1,300℃で焼結処理を行った。この積層造形物1は完全に一体化されたリン酸カルシウム構造体であり、硬質の床に叩きつけても破損等が生じなかった。
(実施例2)
実施例1において、ボールミルによる粉砕時間を3時間に変更することにより、積層造形用粉末材料1としてのα−TCPの体積平均粒径Dvを1.5μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、積層造形物2を製造した。
得られた積層造形物2につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例1において、ボールミルの粉砕時間を10分間に変更することにより、積層造形用粉末材料1としてのα−TCPの体積平均粒径Dvを7.0μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、積層造形物3を製造した。
得られた積層造形物3につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例4)
実施例1において、分級における微細粉と粗大粉の除去率を上げることにより、積層造形用粉末材料1としてのα−TCPの粒度分布Dv/Dnを1.10に変更した以外は、実施例1と同様にして、積層造形物4を製造した。
得られた積層造形物4につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例5)
実施例1において、分級における微細粉と粗大粉の除去率を下げることにより、積層造形用粉末材料1としてのα−TCPの粒度分布Dv/Dnを1.40に変更した以外は、実施例1と同様にして、積層造形物5を製造した。
得られた積層造形物5につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例6)
実施例1において、積層造形用粉末材料1としてのα−TCPを積層造形用粉末材料2としてのβ−TCPに変更した以外は、実施例1と同様にして、積層造形物6を製造した。
得られた積層造形物6につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例7)
実施例1において、積層造形用粉末材料1としてのα−TCPを積層造形用粉末材料3としてのOCPに変更した以外は、実施例1と同様にして、積層造形物7を製造した。
得られた積層造形物7につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例8)
実施例1において、ボールミルの粉砕時間を2時間に変更することにより、積層造形用粉末材料1としてのα−TCPの平均円形度を0.70に変えた以外は、実施例1と同様にして、積層造形物8を製造した。
得られた積層造形物8につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例9)
実施例1において、ボールミルの粉砕時間を15分間に変更することにより、積層造形用粉末材料1としてのα−TCPの平均円形度を0.80に変えた以外は、実施例1と同様にして、積層造形物9を製造した。
得られた積層造形物9につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例10)
実施例1において、インクジェット方式ではなく、電子線照射方式(EBM)に変えて、積層造形物10を以下のようにして製造した。なお、電子線照射方式(EBM)は、自作電子線照射装置により行った。
(1)まず、粉末積層装置(ニイガタ社製、粉体用冶具)を用いて、供給槽から成形槽に前記積層造形用粉末材料1を移送させ、支持体上に平均厚みが100μmの積層造形用粉末材料1による薄層を形成した。
(2)次に、形成した積層造形用粉末材料1による薄層の表面に、前記電子線照射し、前記積層造形用粉末材料1を焼結することで、前記リン酸カルシウムを焼結させた。
(3)次に、前記(1)及び前記(2)の操作を所定の3mmの総平均厚みになるまで繰返し、前記積層造形用粉末材料1による薄層を順次積層していき、積層造形物10を製造した。
得られた積層造形物10に対し、エアーブローにより余分な前記積層造形用粉末材料を除去したところ、型崩れを生ずることはなかった。得られた積層造形物10は強度、及び寸法精度に優れていた。
得られた積層造形物10につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例11)
実施例1において、インクジェット方式ではなく、レーザー照射方式により、積層造形物11を以下のようにして製造した。なお、レーザー照射はCOレーザー(SUNX社製、LP−400)を用いた。
(1)まず、粉末積層装置(ニイガタ社製、粉体用冶具)を用いて、供給槽から成形槽に前記積層造形用粉末材料1を移送させ、支持体上に平均厚みが100μmの積層造形用粉末材料1による薄層を形成した。
(2)次に、形成した積層造形用粉末材料1による薄層の表面に、前記COレーザーを照射し、前記積層造形用粉末材料1を焼結することで、前記リン酸カルシウムを焼結させた。
(3)次に、前記(1)及び前記(2)の操作を所定の3mmの総平均厚みになるまで繰返し、前記積層造形用粉末材料1による薄層を順次積層していき、積層造形物11を製造した。
得られた積層造形物11に対し、エアーブローにより余分な前記積層造形用粉末材料を除去したところ、型崩れを生ずることはなかった。得られた積層造形物11は強度、及び寸法精度に優れていた。
得られた積層造形物11につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例12)
実施例1において、ボールミルの粉砕時間を4時間に変更を調整することにより、積層造形用粉末材料1としてのα−TCPの平均円形度を0.71に変更した以外は、実施例1と同様にして、積層造形物12を製造した。
得られた積層造形物12につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例13)
実施例1において、ボールミルの粉砕時間を3分間に変更を調整することにより、積層造形用粉末材料1としてのα−TCPの平均円形度を0.81に変更した以外は、実施例1と同様にして、積層造形物13を製造した。
得られた積層造形物13につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例14)
実施例1において、インク1のクエン酸をリンゴ酸に代えたインク2を用いた以外は、実施例1と同様にして、積層造形物14を製造した。得られた積層造形物14につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例15)
実施例1において、インク1のクエン酸をエデト酸に代えたインク3を用いた以外は、実施例1と同様にして、積層造形物15を製造した。得られた積層造形物15につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例16)
実施例1において、インク1のクエン酸をコハク酸に代えたインク4を用いた以外は、実施例1と同様にして、積層造形物16を製造した。得られた積層造形物16につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例17)
実施例1において、インク1のクエン酸をフィチン酸に代えたインク5を用いた以外は、実施例1と同様にして、積層造形物17を製造した。得られた積層造形物17につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例18)
実施例1において、インク1のクエン酸をアレンドロン酸に代えたインク6を用いた以外は、実施例1と同様にして、積層造形物18を製造した。得られた積層造形物18につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例19)
実施例1において、インク1のクエン酸をエチドロン酸に代えたインク7を用いた以外は、実施例1と同様にして、積層造形物19を製造した。得られた積層造形物19につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1において、ボールミルの粉砕時間を5時間に変更することにより、積層造形用粉末材料1としてのα−TCPの体積平均粒径を1.4μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、積層造形物20を製造した。
得られた積層造形物20につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例1において、ボールミルの粉砕時間を3分間に変更することにより、積層造形用粉末材料1としてのα−TCPの体積平均粒径を7.1μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、積層造形物21を製造した。
得られた積層造形物21につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(比較例3)
実施例1において、分級における微細粉と粗大粉の除去率を大幅に上げることにより、積層造形用粉末材料1としてのα−TCPの粒度分布Dv/Dnを1.09に変更した以外は、実施例1と同様にして、積層造形物22を製造した。
得られた積層造形物22につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(比較例4)
実施例1において、分級における微細粉と粗大粉の除去率を大幅に下げることにより、積層造形用粉末材料1としてのα−TCPの粒度分布Dv/Dnを1.41に変更した以外は、実施例1と同様にして、積層造形物23を製造した。
得られた積層造形物23につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(比較例5)
実施例10において、ボールミルの粉砕時間を5時間に変更を調整することにより、積層造形用粉末材料1としてのα−TCPの体積平均粒径を1.4μmに変更した以外は、実施例10と同様にして、積層造形物24を製造した。
得られた積層造形物24につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(比較例6)
実施例10において、ボールミルの粉砕時間を3分間に変更することにより、積層造形用粉末材料1としてのα−TCPの体積平均粒径を7.1μmに変更した以外は、実施例10と同様にして、積層造形物25を製造した。
得られた積層造形物25につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(比較例7)
実施例11において、ボールミルの粉砕時間を5時間に変更を調整することにより、積層造形用粉末材料1としてのα−TCPの体積平均粒径を1.4μmに変更した以外は、実施例11と同様にして、積層造形物26を製造した。
得られた積層造形物26につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(比較例8)
実施例11において、ボールミルの粉砕時間を3分間に変更することにより、積層造形用粉末材料1としてのα−TCPの体積平均粒径を7.1μmに変更した以外は、実施例11と同様にして、積層造形物27を製造した。
得られた積層造形物27につき、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> リン酸カルシウムを含有する積層造形用粉末材料であって、
前記積層造形用粉末材料の体積平均粒径Dvが、1.5μm〜7.0μmであり、
前記体積平均粒径Dvと前記積層造形用粉末の数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)が、1.10〜1.40であることを特徴とする積層造形用粉末材料である。
<2> 前記積層造形用粉末材料における下記式で表される平均円形度が、0.70〜0.80である前記<1>に記載の積層造形用粉末材料である。
平均円形度=(積層造形用粉末材料の投影面積と同じ面積の円の周囲長/積層造形用粉末材料の投影像の周囲長)×100
<3> 前記リン酸カルシウムが、β−リン酸三カルシウム(β−TCP)、α−リン酸三カルシウム(α−TCP)、及びリン酸八カルシウム(OCP)から選択される少なくとも1種である前記<1>から<2>のいずれかに記載の積層造形用粉末材料である。
<4> 支持体上に、前記<1>から<3>のいずれかに記載の積層造形用粉末材料を用いて所定の厚みの積層造形用粉末材料層を形成する積層造形用粉末材料層形成工程を少なくとも含むことを特徴とする積層造形物の製造方法である。
<5> 前記積層造形用粉末材料層に、硬化剤を含有する硬化剤含有液をインクジェット法で付与し、前記積層造形用粉末材料層を架橋させて硬化物を形成する硬化物形成工程を含む前記<4>に記載の積層造形物の製造方法である。
<6> 前記硬化剤が、クエン酸、リンゴ酸、エデト酸、コハク酸、フィチン酸、アレンドロン酸、及びエチドロン酸から選択される少なくとも1種である前記<4>から<5>のいずれかに記載の積層造形物の製造方法である。
<7> 前記硬化物形成工程において形成した硬化物を焼結する焼結工程を更に含む前記<5>から<6>のいずれかに記載の積層造形物の製造方法である。
<8> 前記積層造形用粉末材料層にレーザー照射及び電子線照射のいずれかを行い前記積層造形用粉末材料層を焼結させる焼結工程を含む前記<4>に記載の積層造形物の製造方法である。
米国特許第5204055号公報 米国特許第5902441号公報 米国特許第6375874号公報 特開平9−324203号公報 特開2004−42546号公報 特開2004−42546号公報 米国特許第6322728号公報 米国特許出願公開第2002/0064745号公報 特開2004−202126号公報 特許第4575295号公報 特開平5−237278号公報

Claims (8)

  1. リン酸カルシウムを含有する積層造形用粉末材料であって、
    前記積層造形用粉末材料の体積平均粒径Dvが、1.5μm〜7.0μmであり、
    前記体積平均粒径Dvと前記積層造形用粉末の数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)が、1.10〜1.40であることを特徴とする積層造形用粉末材料。
  2. 前記積層造形用粉末材料における下記式で表される平均円形度が、0.70〜0.80である請求項1に記載の積層造形用粉末材料。
    平均円形度=(積層造形用粉末材料の投影面積と同じ面積の円の周囲長/積層造形用粉末材料の投影像の周囲長)×100
  3. 前記リン酸カルシウムが、β−リン酸三カルシウム(β−TCP)、α−リン酸三カルシウム(α−TCP)、及びリン酸八カルシウム(OCP)から選択される少なくとも1種である請求項1から2のいずれかに記載の積層造形用粉末材料。
  4. 支持体上に、請求項1から3のいずれかに記載の積層造形用粉末材料を用いて所定の厚みの積層造形用粉末材料層を形成する積層造形用粉末材料層形成工程を少なくとも含むことを特徴とする積層造形物の製造方法。
  5. 前記積層造形用粉末材料層に、硬化剤を含有する硬化剤含有液をインクジェット法で付与し、前記積層造形用粉末材料層を架橋させて硬化物を形成する硬化物形成工程を含む請求項4に記載の積層造形物の製造方法。
  6. 前記硬化剤が、クエン酸、リンゴ酸、エデト酸、コハク酸、フィチン酸、アレンドロン酸、及びエチドロン酸から選択される少なくとも1種である請求項4から5のいずれかに記載の積層造形物の製造方法。
  7. 前記硬化物形成工程において形成した硬化物を焼結する焼結工程を更に含む請求項5から6のいずれかに記載の積層造形物の製造方法。
  8. 前記積層造形用粉末材料層にレーザー照射及び電子線照射のいずれかを行い前記積層造形用粉末材料層を焼結させる焼結工程を含む請求項4に記載の積層造形物の製造方法。
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