JP2015173228A - 窒化物半導体、窒化物半導体のテクスチャ構造形成方法、及び窒化物半導体のテクスチャ構造 - Google Patents

窒化物半導体、窒化物半導体のテクスチャ構造形成方法、及び窒化物半導体のテクスチャ構造 Download PDF

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Abstract

【課題】GaN層を成膜する成膜装置内でテクスチャ構造が形成される窒化物半導体、窒化物半導体のテクスチャ構造形成方法、及び窒化物半導体のテクスチャ構造を提供する。【解決手段】窒化物半導体10は、p−GaN層16の表面に散在した窒化ボロンを成長させてBN18を形成し、p−GaN層16を再成長させることで、BN18がない領域(窒化ボロン不在部)に凸部が形成されてテクスチャ構造16bとなる。【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体、窒化物半導体のテクスチャ構造形成方法、及び窒化物半導体のテクスチャ構造に関し、特に、窒化ガリウム系化合物半導体を用いて形成された、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)の光取り出し面上にテクスチャ構造を形成する窒化物半導体、窒化物半導体のテクスチャ構造形成方法、及び窒化物半導体のテクスチャ構造に関する。
近年、GaN系窒化物半導体は、発光ダイオード、LD(Laser Diode)や高周波・高出力HEMT(High Electron Mobility Transistor)等への応用が成功して以来、研究が盛んになっている。特に、発光ダイオードは、光量増加を目的として、基板面方位や成膜方法の工夫等内部量子効率向上の方法が試みられてきた。
しかしながら、発光ダイオードの外部量子効率は、内部量子効率と光取り出し効率との掛け算であるため、内部量子効率向上とは別に光取り出し効率の改善も素子性能向上に結びつく。そこで各機関は、素子表面や基板と薄膜界面を粗面化するテクスチャ構造を開発・採用している。ここで、内部量子効率は、発光層に注入された電子のうちホールと結合して光エネルギーを発した電子の割合である。光取り出し効率は、発光層で発した光エネルギーのうち発光ダイオードの外部に取り出せた光エネルギーの割合である。
例えば、特許文献1は、テクスチャ構造を有する発光素子の作製方法が記載されている。具体的には、基板と、p型GaN系半導体と、n型GaN系半導体と、これらにはさまれた発光層とを少なくとも有し、前記基板の表面側に、無機物から成るテクスチャ構造を設けた半導体発光素子が記載されている。また、このテクスチャ構造は、常圧化学気相蒸着によりGaN基板表面側に堆積することで形成されることが記載されている。
また、特許文献2は、発光ダイオードの外部発光効率を向上する方法が記載されている。具体的には、発光ダイオードのn型層の外面をエッチングして表面テクスチャ加工部を形成する工程を備え、その表面テクスチャ加工部が内部反射を低減して光出力を増大することが記載されている。さらに、特許文献2には、具体的な作製方法として、ウェットエッチング、及びドライエッチングの何れかで実現することが記載されている。
特開2012−227146号公報 特表2010−500774号公報
このように、特許文献1,2には、テクスチャ構造を得るために、さまざまな手法が提案されている。しかしながら、テクスチャ構造を形成するために、窒化物層の表面に窒化物以外の別組成の薄膜を堆積する方法の場合、成膜装置(成長装置)とは別に堆積装置が必要であった。成膜装置から堆積装置に移動する際に、薄膜を堆積した基板を成膜装置から取り出して一度大気に曝すことで、膜表面を汚染あるいは酸化させてしまうという問題があった。
また、ドライエッチングを行う方法の場合、成膜装置とは別にエッチング装置が必要であり、このエッチング装置により、膜表面に過剰にダメージを与えてしまうという問題があった。さらに、ドライエッチングの場合、複数の装置を用いてテクスチャ構造を形成するため、製造コストが増加してしまうという問題もあった。
一方、ウェットエッチングを行う方法の場合、(例えば、アルカリ水溶液を用いて)ウェットエッチングでテクスチャ構造を形成するパターンは、テクスチャ構造を有さないパターンと比較して製造工程数が増える上に、ウェットエッチングの精度が良いためにテクスチャのサイズが揃いすぎてしまうという無駄があった。そのため、ウェットエッチングでテクスチャ構造を形成する場合には、テクスチャの適切なサイズを得る実験(シミュレーション)、及び製造工程の厳密な制御・管理しなければならないという問題があった。
すなわち、特許文献1,2に記載の技術は、電気特性を考えた場合、テクスチャサイズの制御は勿論、薄膜の表面汚染やダメージに対する検討も必要であり、その結果、素子の製造コストが高くなるという問題があった。
そこで、本発明は、GaN層を成膜する成膜装置内でテクスチャ構造が形成される窒化物半導体、窒化物半導体のテクスチャ構造形成方法、及び窒化物半導体のテクスチャ構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の窒化物半導体は、GaN層(16)と、該GaN層に積層された透明導電膜(17)とを備えた窒化物半導体において、前記GaN層の前記透明導電膜側(支持基板反対側表面)に、窒化ボロンが散在して形成された窒化ボロン極薄膜(18)と、前記透明導電膜側の窒化ボロン不在部にて、再成長して形成されたGaNテクスチャ構造(16b)とを備える構成とした。なお、( )内の文字、記号は例示である。
この粗面化された表面は、GaN層の結晶成長後、その結晶成長温度で、極めて薄い窒化ボロン(BN)膜をGaN層表面に形成し、さらにGaN層を再び結晶成長(再成長)させることにより得られる。この方法によれば、同一の成膜装置で、GaN層の結晶成長後に、有機ボロンを導入する工程を加えるだけで、その後のGaN層を再成長させる工程でGaN層の表面にテクスチャ構造を形成することができる。
本発明によれば、GaN層を成膜する成膜装置内でテクスチャ構造を形成することができる。
本実施形態である発光ダイオードの構造図である。 X線反射率法によるBN薄膜測定結果である。 p−GaN層の表面上でBNを成長させた電子顕微鏡写真である。 発光ダイオードの製造工程を説明するための構造断面図である。 図4から続く発光ダイオードの製造工程を説明するための構造断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態の発光ダイオードの構成図である。
図1において、窒化物半導体発光素子としての発光ダイオード10は、結晶面方位が(0001)面であるサファイア基板11の表面にバッファ層12が積層されている。バッファ層12の表面(基板反対側の面)には、GaNエピタキシャル層13が積層され、GaNエピタキシャル層13の表面(基板反対側の面)にn−GaN層14が積層され、n−GaN層14の表面(基板反対側の面)には、発光層15が積層され、発光層15の表面(基板反対側の面)にはp−GaN層16が積層され、p−GaN層16の表面(基板反対側の面)には透明導電膜としてのITO膜17が積層されている。なお、p−GaN層16には、ITO膜17を挟んで金属電極(p側電極19)が接続され、n−GaN層14には、金属電極(n側電極20)が接続される。この金属電極には例えばTi/Alが用いられる。
(サファイア基板11)
サファイア基板11は、支持基板として使用され、近似的にGaNと同様の六方晶系で表されるが、格子定数(単位:10−10m)が4.758であり、GaNの格子定数3.18と比較して、格子定数差が14%と大きい。支持基板としては、(0001)面SiC基板や、Si(111)基板が用いられることもある。
(バッファ層12)
バッファ層12は、例えば、膜厚50nmに堆積されたAlN層であり、サファイア基板11とGaNエピタキシャル層13との間の格子定数及び熱膨張係数の差分を緩和するために積層される。なお、室温での熱膨張係数(単位:10−6/K)は、サファイアが7.5であり、GaNが5.59であり、AlNが4.15である。
(GaN層13,14,16)
GaNエピタキシャル層13は、バッファ層12の表面に膜厚1000nmに成長させたノンドープGaN層である。
n−GaN層14は、膜厚2000nmに成長させたケイ素(Si)ドープのGaN層であり、n型クラッド層ともいう。
また、p−GaN層16は、マグネシウム(Mg)ドープのGaN層であり、p型クラッド層ともいう。GaNは、通常、ウルツ鉱型(Wurtzite)結晶構造をとり、六角柱の結晶格子で表現される。
n−GaN層14及びp−GaN層16は、ドーパントガスと、例えば、原料ガスとしてトリメチルガリウム(TMG:Ga(CH))及びアンモニア(NH)を用い、キャリアガスとして窒素(N)や水素(H)を用いて、エピタキシャル成長させることで形成される。このとき、n−GaN層14は、例えば、ドーパントガスとしてシラン(SiH)を用い、p−GaN層16は、例えば、ドーパントガスとしてシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を用いたものである。
また、p−GaN層16と発光層15との間には、さらにAlGaN層が積層されることもある。
(発光層15)
発光層15は、量子井戸層を複数持つ多重量子井戸構造の活性層であり、pn接合型やダブルヘテロ型よりも明るく鮮やかな発光が可能である。発光層15は、膜厚2nmのInGaNウェル層、膜厚15nmのGaNバリア層を5回繰り返して形成されている。なお、量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構造においては、電子やホールが閉じ込められるバンドギャップの小さい材料の層を井戸層と呼び、電子やホールに対して壁の役割をするバンドギャップの大きい材料の層をバリア層と呼ぶ。
ここで、GaNエピタキシャル層13は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、またはMBE(Molecular Beam Epitaxy)法で成長する。基板温度は、バッファ層12が475℃であり、GaN層(13,14,16)が1070℃であり、発光層15が780℃である。
(BN18)
BN18は、窒化ボロン(BN)が散在して形成された極めて薄い膜であり、p−GaN層16の再成長を妨げるマスクとして機能する。
BN18は、Mgドープのp−GaN層16を成長させた後に、その結晶成長温度(ここでは、p−GaN層16の成長温度1070℃)で有機ボロン(例えば、TEB(トリエチルボロン、(CHCH)B)やTMB(トリメチルボロン、(CH)B))を導入することで、p−GaN層16の表面に極めて薄く形成される。このBN18は、膜厚が0.1nm以下で形成されることが好ましい。
例えば、2インチの基板に対し、TEBを17μmol導入し、同時に100%アンモニアガスを0.5リットル導入する。キャリアガスには水素を用い、成長時間を10秒とする。これにより、p−GaN層16の表面にて窒化ボロンが散在して複数の領域が形成される。それら窒化ボロンを10秒成長させることで、BN18は膜となる。BN18の平均膜厚は0.02nm(=0.2Å)であるが、窒化ボロンの成長にばらつき(特に成長方向)があるため、BN18の平均膜厚は0.01〜0.03nmの場合もある。
このBN18の厚さは、p側電極19とn側電極20との間で電圧をかけたときに、BN18にてトンネル電流が流れる程度であることが好ましい。これにより、BN18を(絶縁層としては考えず)無視することができ、p−GaN層16(テクスチャ構造16b)と金属電極(p側電極19)とは電気的に良好な接触を保てる。
また、窒化ボロンの成長次第でBN18は、例えば、p−GaN層16の表面にて放射状に広がった膜であったり、複数の放射状が複雑に重なり合った網状の膜であったりする。また、GaNのキンクに窒化ボロンがGaN原子10個に1個の割合で付着する状態の場合もある。これらの形状や状態であっても、BN18の厚さは、p側電極19とn側電極20との間で電圧をかけたときに、BN18にてトンネル電流が流れる程度であることが好ましい。
(テクスチャ構造16b)
テクスチャ構造16bは、Mgドープのp−GaN層16を再成長させた結果である。
例えば、p−GaN層16の表面にてBN18が散在している状態において、p−GaN層16を成長させるトリメチルガリウム(TMG)を気相拡散法で供給する。これにより、BN18がない領域(窒化ボロン不在部)、すなわち、p−GaN層16がむき出しとなっている領域では、TMGが供給されてその領域のp−GaN層16が再成長(選択成長)する。一方、BN18の領域では、TMGが安定して存在できないため、横滑りしたり、跳ね返されたりする。その結果、TMGは、マスクとして機能するBN18の領域から転々と移動して、p−GaN層16がむき出しとなっている領域(窒化ボロン不在部)に供給される。
以上により、p−GaN層16の表面において、BN18が成長した場所(領域)ではp−GaN層16の再成長が阻害される。一方、BN18がない領域ではp−GaN層16が再成長するため、p−GaN層16の表面にはテクスチャ構造16bが形成される。
さらに、テクスチャ構造16bが形成されたp−GaN層16には、低温かつ窒素雰囲気中で、アクセプタ(Mg)を活性化させる活性化アニールが必要である。この活性化アニールは、テクスチャ構造を形成した後で行うことが好ましい。活性化アニールとは、原料ガスのアンモニア(NH)に含まれる水素、またはキャリアガスの水素との結合により不活性化されたアクセプタを、窒素雰囲気中の熱処理により、水素原子を乖離させ、アクセプタを活性化させることである。
(ITO膜17)
ITO膜17は、透明導電膜であり、仕事関数はGaNよりも低いものの、透光性を有する導電膜である。ITO膜17の屈折率n2は2.2であり、GaNの屈折率n1は2.38である(測定波長λ=633nm)。p−GaN層16とITO膜17との間の臨界角θは、
θ=sin−1(n2/n1)=67.6°
である。ここで、発光ダイオード10は、発光層15が出射する光の配向特性が広角度であるので、p−GaN層16とITO膜17との界面が平行だと入射角が臨界角以上になり、界面で全反射する光が相当程度存在してしまう。そこで、本実施形態の発光ダイオード10は、p−GaN層16とITO膜17との界面をテクスチャ構造16bにして、界面で全反射する光を低減している。また、このテクスチャ構造16bは、p−GaN層16とITO膜17との間の接合面積を増加させるので、接触抵抗を低減させる効果がある。
≪シミュレーション結果≫
サファイア基板上で窒化ボロン(BN)の膜厚を求めるシミュレーションを行った。
図2は、BNの成長レートを確認するため、X線反射率法(XRR:X-ray Reflectometer)を行った結果(反射率プロファイル)である。縦軸はX線強度[a.u.](arbitrary unit)、横軸は回折角2θ[degree]を示す(θはブラッグ角(Bragg angle))。回折角2θは、入射X線方向と回折X線方向とのなす角度である。
また、Raw curveは、30分成長させたBNに対する反射率の実測データである。一方、Sim curveは、ウルツ鉱型窒化ボロン(w−BN)の厚さを3.3nmとして反射率のシミュレーションを行ったシミュレーションデータである。様々な厚さでシミュレーションを行った結果、厚さが3.3nmの場合のときに図2のように実測データと近似したことから、BNは3.3nm/30minの成長レートであることがわかった。
また、配向性を確認するために、2θ−ω法を行ったが、ピークが得られなかった(不図示)。
以上より、本成長条件によれば、BNが多結晶成長していることがわかる。また、GaN層上でBNを成長させてからGaN層を再成長させるとテクスチャ構造となることがわかる。
≪実験結果≫
図3は、p−GaN層16の表面上で窒化ボロン(BN)を成長させた電子顕微鏡写真である。比較のために、BNを成長せず、しかし、アンモニアを導入したまま成長中断した場合のGp−GaN層16表面の電子顕微鏡写真も示している。つまり、図2(a)は「BN成長なしで成長中断5秒のみ」の場合である。図2(b)は「BNを5秒成長」させた(成長レートから平均膜厚0.01nmと見積もれる)場合である。図2(c)は「BNを10秒成長」させた(成長レートから平均膜厚0.02nmと見積もれる)場合である。
「BN成長なしで成長中断5秒のみ」の場合、図2(a)のように鏡面であった。また、平均膜厚0.01nmの場合、図2(b)のように表面が荒れていることを確認できたものの、ほぼ鏡面であった。そして、平均膜厚0.02nmの場合、図2(c)のようにテクスチャ構造16bが形成されていることを確認できた。以上の結果を踏まえて、図2(a)〜(c)を比較すると、表面の粗面化は、BN18を導入した場合で、成長時間が長くなるほど顕著となる。
ここで、「BNを10秒成長」させた場合において、BN18の平均膜厚は0.02nmとなるが、このとき、p−GaN層16は、表面全体がBN18に覆われている状態ではなく、約10%がBN18に覆われている状態である。
このように、BN18が、平均膜厚0.02nmでp−GaN層16の表面を約10%覆っている状態であれば、一般的にBNは絶縁層であるが、極薄であるために、p側電極19とn側電極20との間で電圧をかけたときに、BN18にはトンネル電流が流れる。
≪製造方法≫
図4、図5は、発光ダイオードの製造工程を説明するための構造断面図である。
発光ダイオード10(図1)は、まず、LED構造基板(積層基板)を作成し(図4(a))、窒化ボロン(BN)を成長させてBN18を形成し(図4(b))、p−GaN層16を再成長させてテクスチャ構造16bを形成し(図4(c))、活性化アニールを行い、ドライエッチングを行い(図5(d))、ITO膜17を形成し(図5(e))、p側電極19及びn側電極20を形成する(図5(f))ことにより作成される。
(a)LED構造基板作成
図4(a)に示すように、発光ダイオード10(窒化物半導体発光素子)は、支持基板としての(0001)面のサファイア基板11と、その表面にMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)により積層されたバッファ層12と、その表面にGaNエピタキシャル層13と、その表面に積層されたn−GaN層14と、その表面に積層された発光層15と、その表面に積層されたp−GaN層16とから構成されている。
(b)BN成長
Mgドープして成長させたp−GaN層16の表面に、その結晶成長温度(ここでは、p−GaN層16の成長温度1070℃)で、BN18を極めて薄く形成する。これにより、図4(b)に示すように、BN18の平均膜厚は0.02nmになる。
(c)テクスチャ構造形成
そして、再度Mgドープのp−GaN層16を再成長させる。このとき、BN18がない領域ではp−GaN層16が再成長するため、図4(c)に示すように、p−GaN層16の表面上にはテクスチャ構造16bが形成される。
そして、テクスチャ構造16bが形成されたp−GaN層16は、活性化アニールが行われる。つまり、窒素雰囲気中で、熱処理が行われ、アクセプタ(Mg)が活性化される。
(d)ドライエッチング
図5(d)に示すように、n側電極20を形成するために、テクスチャ構造16bが形成されたp−GaN層16の一部領域がn−GaN層14に至るまで、誘導結合プラズマ反応性イオンエッチング法(ICP−RIE:Inductive Coupled Plasma Reactive Ion Etching)等のドライエッチング法によって不要な部分が除かれる。
(e)ITO膜形成
図5(e)に示すように、p−GaN層16の表面(基板反対側の面)に、透明導電膜としてのITO膜17を、蒸着法またはスパッタリングによって約300nm堆積する。なお、透明導電膜は、ITO膜17の代わりに、ZnO、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、IZO(登録商標)(インジウムドープ酸化亜鉛)、TiO(二酸化チタン)等であっても、同様の効果が得られる。
(f)電極形成
図5(f)に示すように、p側電極19及びn側電極20が形成される。p側電極19はITO膜17を挟んでp−GaN層16の上に形成され、n側電極20はn−GaN層14の上に形成される。
なお、金属電極が形成された発光ダイオード10は、RTA(Rapid Thermal Annealing:急速アニール装置)を用いて、450〜700℃のN雰囲気で3分間アニールが行われる。また、ITO膜17の成膜時に、例えば、250℃程度で成膜する場合は、アニールが必要ないこともある。
以上のように、本実施形態によれば、テクスチャ構造を1つの成膜装置で形成することができるため、薄膜を堆積した基板を成膜装置から取り出す工程がない。つまり、大気に曝すことがないため、膜表面を汚染させたり、酸化させたりせずに、テクスチャ構造を有する窒化物半導体を製造することができる。
また、複数の装置を用いずに1つの成膜装置で、テクスチャ構造を有する窒化物半導体を製造することができるため、製造コストを抑えることができる。
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記実施形態は、発光ダイオード単体について説明したが、Si基板(不図示)に複数の発光ダイオード10を二次元配列して、表示装置とすることができる。
(2)前記実施形態は、本発明の透明電極構造を、発光ダイオードに適用したが、発光ダイオード以外のGaNを適用した窒化物半導体発光素子(例えば、レーザダイオード)にも適用することができる。
10 発光ダイオード(窒化物半導体発光素子)
11 サファイア基板(支持基板)
12 バッファ層
13 GaNエピタキシャル層(GaN層)
14 n−GaN層(GaN層)
15 発光層
16 p−GaN層(GaN層)
16b テクスチャ構造(GaN層)
17 ITO膜(透明導電膜)
18 BN(窒化ボロン極薄膜)
19 p側電極(金属電極)
20 n側電極(金属電極)

Claims (14)

  1. GaN層と、該GaN層に積層された透明導電膜とを備えた窒化物半導体において、
    前記GaN層の前記透明導電膜側に、窒化ボロンが散在して形成された窒化ボロン極薄膜と、
    前記透明導電膜側の窒化ボロン不在部にて、再成長して形成されたGaNテクスチャ構造と
    を備えることを特徴とする窒化物半導体。
  2. 請求項1に記載の窒化物半導体において、
    前記窒化ボロン極薄膜の平均膜厚は0.02nmであることを特徴とする窒化物半導体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の窒化物半導体において、
    前記窒化ボロン極薄膜の総面積は、前記GaN層の前記透明導電膜反対側面積の10%を占めることを特徴とする窒化物半導体。
  4. 請求項1に記載の窒化物半導体において、
    前記窒化ボロン極薄膜は、有機ボロンと、アンモニアガスと、キャリアガスとを導入し、前記GaN層の結晶成長温度で所定時間待機することで形成されていることを特徴とする窒化物半導体。
  5. 請求項4に記載の窒化物半導体において、
    前記GaN層の結晶成長温度は1070℃であり、前記所定時間は前記窒化ボロン極薄膜の平均膜厚が0.02nmとなる時間であることを特徴とする窒化物半導体。
  6. 請求項4または請求項5に記載の窒化物半導体において、
    前記有機ボロンは、TEB(トリエチルボロン)またはTMB(トリメチルボロン)であることを特徴とする窒化物半導体。
  7. 請求項1に記載の窒化物半導体において、
    支持基板と、該支持基板の表面に少なくともn−GaN層と、発光層と、前記GaN層とがこの順に積層され、
    前記GaN層がp−GaN層であることを特徴とする窒化物半導体。
  8. 請求項7に記載の窒化物半導体において、
    前記支持基板は、その材料が、サファイア、シリコン、シリコンカーバイドのいずれかであることを特徴とする窒化物半導体。
  9. 窒化物半導体のテクスチャ構造形成方法において、
    GaN層表面に、有機ボロンと、アンモニアガスと、キャリアガスとを導入し、所定時間を待機する第1ステップ、
    前記GaN層表面に、TMG(トリメチルガリウム)と、アンモニアガスと、キャリアガスとを導入する第2ステップ
    を有し、
    前記GaN層は、表面上に散在して形成された窒化ボロン極薄膜のない領域で、再成長することを特徴とする窒化物半導体のテクスチャ構造形成方法。
  10. 請求項9に記載の窒化物半導体のテクスチャ構造形成方法において、
    前記第1ステップは、前記GaN層の結晶成長温度で実行され、
    前記所定時間は、前記窒化ボロン極薄膜の平均膜厚が0.02nmとなる時間であることを特徴とする窒化物半導体のテクスチャ構造形成方法。
  11. 請求項10に記載の窒化物半導体のテクスチャ構造形成方法において、
    前記GaN層の結晶成長温度が1070℃であることを特徴とする窒化物半導体のテクスチャ構造形成方法。
  12. 請求項9に記載の窒化物半導体のテクスチャ構造形成方法において、
    前記GaN層は、MgドープしたGaN層であり、
    前記GaN層が再成長した後で、窒素雰囲気中でMg活性化アニールが行う第3ステップを有することを特徴とする窒化物半導体のテクスチャ構造形成方法。
  13. 請求項12に記載の窒化物半導体のテクスチャ構造形成方法において、
    前記第1ステップ、前記第2ステップ、及び前記第3ステップは、同一成膜装置内で行われることを特徴とする窒化物半導体のテクスチャ構造形成方法。
  14. GaN層と、該GaN層に積層された透明導電膜とを備えた窒化物半導体のテクスチャ構造において、
    前記GaN層の前記透明導電膜側の面上で、窒化ボロンが散在して形成された窒化ボロン極薄膜のない領域に凸部が形成されていることを特徴とする窒化物半導体のテクスチャ構造。
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