JP2015172603A - 糖尿病管理を改善するための方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】患者における糖尿病性腎症もしくは関連する障害のリスクを監視または判定し、糖尿病管理を改善するための方法を提供すること。【解決手段】患者が糖尿病に関連する腎症を発症するリスクおよび/または割合を判定するために、血漿の限外濾過液等の生体試料中のバイオマーカー、具体的には、終末糖化産物(AGE)および酸化生成物(Op)のレベルを判定するための方法が使用される。測定する好ましいバイオマーカーは、Nε−(1−カルボキシエチル−リジン(CEL)、メチルグリオキシル由来ヒドロイミダゾロン(MGHI)、およびNε−カルボキシメチルリジン(CML)を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、患者における糖尿病性腎症もしくは関連する障害のリスクを監視または判定し、糖尿病管理を改善するための方法を包含する。
関連出願の相互参照
本出願は、Paul J.Beisswengerによる米国特許出願米国特許出願第61/658,218号、「Methods for Improving Diabetes Management」に対する優先権を主張する。
糖尿病(DM)は、米国内だけで2580万人を超える人々、すなわち、人口の8.3%に発症している。2010年には、約190万人の20歳以上の人々が新たに糖尿病であると診断された。推定7900万人の20歳以上の人々が糖尿病前症を有すると考えられ、それは20歳以上の成人の5%および65歳以上の成人の50%に相当する(National Diabetes Information Clearinghouse、National Diabetes Statistics,2011)。
罹患率および糖尿病管理の費用のほとんどは、長期の糖尿病に関連する合併症に起因する。例えば、糖尿病は、成人における腎不全、非外傷性下肢切断、および失明の新規症例の主要原因である。また、糖尿病は、心疾患および脳卒中の主な原因でもある。人口の年齢別および男女別の差を調整した後に、糖尿病と診断された人々の平均医療費は、糖尿病ではない場合に予想される出費よりも2.3倍高かった。2007年の糖尿病の費用は1750億ドルであり、それには1160億ドルの超過医療費および国家生産性における580億ドルの減少が含まれる(非特許文献1)。
現在の糖尿病の発生率および人口統計に基づいて、糖尿病性網膜症に罹患する米国人の数は2050年までに3倍の1600万人になると予測されており、この国における末期腎疾患の割合の急激な増加の主な原因は、糖尿病性腎症の新規症例に起因している。また、糖尿病に罹患する人々は、心臓発作および脳卒中のリスクも劇的に増加する。2012年の糖尿病治療費用を2007年から45%増加した2450億ドルに至らせたのは、主としてこれらの壊滅的な合併症の治療費であった。
DMに伴う血中グルコースレベルの慢性的な上昇は、血管の損傷を引き起こす。その結果生じる問題は、「細小血管障害」(微小血管の損傷に起因する)および「大血管障害」(動脈の損傷に起因する)に分類される。微小血管の損傷は、糖尿病性網膜症および/または糖尿病性腎症の原因となり得る細小血管症を引き起こす。網膜症および腎症を含む細小血管の合併症は、糖尿病に伴う最も一般的かつ重度の病的状態の原因であり、心血管および脳血管障害のリスク増加の媒介に関与する。糖尿病はまた、米国および欧米社会における腎機能不全および末期腎疾患(ESRD)の主要原因でもある。糖尿病による細小血管の合併症は、高血糖の程度と明らかに関連しているが、血糖コントロールが不良な糖尿病個体が全て、腎臓の合併症または進行した網膜の合併症を発症するわけではない。逆に、糖尿病患者の中には、血中グルコース濃度が良好に制御されているにもかかわらず、重度の合併症を発症するものもある。
過去20〜30年にわたって、糖尿病合併症の早期検出のための新しいバイオマーカーが実質的に同定されておらず、この「ハイリスクな」サブグループを同定するための現在のバイオマーカーは依然として重大な限界を有するということは残念なことである。腎障害の最初の徴候は、尿中のタンパク質の存在(微量アルブミン尿または顕性アルブミン尿)であり、これらは臨床検査によって評価することができるか、または後者は単純な尿試験紙を用いた検査によって評価することができる。今日使用されている最も一般的な検査はいまだに血清クレアチニンであるが、一方では、その正確性の欠如が認められている。既に腎障害が存在する場合に発生する微量アルブミン尿に依存する検査の限界は、それが無症候段階で糖尿病性腎症を検出することにのみ有用なことである。最終的な糖尿病性腎症を予防するかまたは遅延させるための治療ストラテジーを導入することができるため、早期の診断検査または予測検査は糖尿病管理に革命的な変化をもたらすであろう。
特許文献1は、糖尿病または腎不全に伴う合併症を検出するための診断試薬としてピリジニウム化合物を開示している。特許文献2は、単独で、または組み合わせて、早期糖尿病性腎症を診断するために使用することができる尿および血清中のタンパク質ならびにそれらの断片を開示している。この「ハイリスクな」サブグループを同定するための現在のバイオマーカー(すなわち、高血糖の尺度)は、重大な限界を有する。糖尿病コントロールと合併症に関する試験(Diabetes Control and Complications Trial:DCCT)によって、HbA1c(A1C)単独(すなわち、糖化ヘモグロビンのレベル)では、転帰のリスクが完全に判定されないことが示された(非特許文献2)。「Natural History of Diabetic Nephropathy Study」によって、1型糖尿病における進行性の糸球体基底膜(GBM)肥厚のリスクのわずか9%がベースラインのA1Cレベルによって占められていることが示されている。網膜の形態学的変化または定期検査時のアルブミン尿の発現を含む糖尿病性網膜症(DR)および糖尿病性腎症(DN)の進行に関するバイオマーカーは、腎臓、眼、および心血管系への進展損傷または初期損傷が臨床的に顕在化しない場合、10〜20年の長期にわたる「無症状段階」の間に最大のリスクにさらされる人々を同定することができない(非特許文献3)。これらのマーカーが陽性になる頃には、相当な周皮細胞の脱落および無血管性の毛細血管が網膜内に頻繁に見られるようになり(非特許文献4)、一方、微量アルブミン尿が起こる頃には、実質的に不可逆性の腎障害が存在する可能性がある(非特許文献5)。また、深刻な生命を脅かす病変が徐々に蓄積されているにもかかわらず、心血管疾患は何年にもわたって無症状であり得ることは広く認識されている(非特許文献6;非特許文献7)。さらに、RASS(非特許文献8)によって示されるように、アルブミン尿が検出された場合に行われるAce阻害剤(ACEI)およびアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)を用いたより侵襲性の高いDNの治療は、構造的な糸球体病変の進行を遅延させることはできないため、感受性の高い個体における予防がはるかに優れたアプローチであることが示唆される。
糖尿病患者が糖尿病に関連する合併症を発症するリスクを適切に予測できないことの結果として、現在の臨床治療上の決定は、全ての糖尿病患者が等しく合併症を起こし易いという前提に基づいて行われている。しかしながら、大規模な集団調査(全米健康・栄養調査:NHANES)において、2型糖尿病に罹患する患者のわずか50%が7%未満という推奨されるA1C治療ゴールを達成していること(非特許文献9)、そして1型糖尿病における成功率はさらに低いこと(非特許文献10;非特許文献11)から、このアプローチには限界がある。この大規模な失敗の理由として、患者特異的な予測情報の欠如、新たに発見された糖尿病患者の圧倒的な割合、適切な治療を提供するための多大な費用、十分かつ適切な訓練を受けた医療従事者の欠如、ならびに、リスクに関する正確な個別予測情報を持たないことによる患者の治療コンプライアンス不良の潜在的重要性の否認が挙げられる。糖尿病の治療は高価なだけでなく、低血糖および薬物副作用の高いリスク、ならびに膵臓移植および進化する人工膵臓等の新しい治療の費用およびリスクを伴う場合もある。これらの検討事項に基づくと、個々のリスクおよび利益に関するより十分な情報を有することなく、糖尿病に罹患する全ての患者にこれらの治療法を適用することは、ますます困難になるであろう。
終末糖化産物(AGE)および酸化生成物(OP)は、糖尿病合併症の考えられる要因として提唱されてきた。しかしながら、最近まで、これらの生成物についての知識は、初期糖化産物(EGP)、いくつかの酸化最終生成物、および数個のAGEに限定されていた。従来の研究のほとんどが、限定された数のAGE(非特許文献12;非特許文献13;非特許文献14;非特許文献15;非特許文献16)、特にペントシジンおよびカルボキシメチルリジンを測定してきたか、または酸化ストレスを反映する数個の最終生成物に重点を置いてきた(非特許文献17;非特許文献18)。また、これらの分析のうちの相当数が半定量的な免疫測定として行われており、通常、定量的な化学測定法に対して検証されていない。これらの研究のうちのいくつかによって、これらの生成物の血中レベルと合併症との間に相関関係が示されたが(非特許文献19)、糖尿病の転帰に関する大規模対照試験においてそれらの予測値を検証した研究はない。LC/MS/MSにおいてAGEおよび酸化マーカーのレベルを測定するPerkinsらによる最近の研究(非特許文献20)により、タンパク質損傷による血漿タンパク質の付加残基、または関連する遊離付加物の濃度のうちのいずれかと、それに続く、末期腎疾患を引き起こす初期の糸球体濾過率(GFR)との間に相関関係は認められないと結論付けられた。
患者が既知の徴候および/または腎疾患もしくは腎不全のマーカーを示す前に、患者が糖尿病に関連する腎疾患を発症するリスクを予測するために使用することができるバイオマーカーを同定することが望ましい。
糖尿病の対象が腎疾患を発症するリスクを判定するために有用なバイオマーカーを提供することが、本発明の目的である。
また、糖尿病に関連する腎疾患を発症するリスクのある対象を同定するための方法を提供することも、本発明の目的である。
糖尿病患者の眼疾患または心血管疾患のリスクを同定するための方法を提供することは、本発明のさらなる目的である。
米国特許第6,323,038号明細書 米国特許出願公開第2011/0079077号明細書
Dall,et al.,Diabetes Care,31(3):596−615(2008) Beisswenger,et al.,Diabetes,54:3274−3281(2005) Nathan,et al,New England Journal of Medicine,353(25):p.2643−53(2005) Ahmed,et al.,Biochem Soc Trans,31(Pt6):1417−22(2003) Nathan,et al.,New England Journal of Medicine,353(25):2643−53(2005) Mauer,et al.,J.Renin−Angiotensin−Aldosterone System,3:262−269(2002) Almuti,et al.,Int.J.of Cardiol.,109(1):7−15(2006) Koschinsky,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,94(12):6474−6479(1997) DCCT/EDIC,JAMA,287(19):2563−9(2002) Nathan,et al.,Diabetes Care,31(1):173−5(2008) Holman,et al.,New England Journal of Medicine,359(15):1577−89(2008) Yu,et al.Diabetologia,49(10):2488−98(2006) Monnier,et al.,Annals of the New York Academy of Sciences,(2008) Beisswenger, et al.,Journal of Clinical Investigation,92(1):212−7(1993) Dyer,et al.,J.Clin.Invest.,91(6):2463−9(1993) Monnier,et al.,Annals of the New York Academy of Sciences,1043:567−581(2005) Yu,et al.Diabetologia,49(10):2488−98(2006) Baynes,et al.,Free Radical Biology&Medicine.,28(12):1708−16(2000) Monnier,et al.,Annals of the New York Academy of Sciences,1043:567−581(2005) PLoS One,7(4):335655(2012)
生体試料、好ましくは、血漿もしくは血漿の限外濾過液、または尿試料中のバイオマーカー、具体的には、終末糖化産物(AGE)および酸化生成物(OP)のレベルを判定するための方法を開発した。この方法は、Nε−カルボキシメチル−リジン(CML);Nε−カルボキシエチル−リジン(CEL);グリオキサールヒドロイミダゾロン(GH1);メチルグリオキサールヒドロイミダゾロン(MGH1);3−デオキシグルコソンヒドロイミダゾロン(3DGH);メチオニンスルホキシド(MetSO);ならびに3−ニトロチロシン(3−NT)、ジチロシン、および2−アミノアジピン酸等のバイオマーカーのレベルを検出する上で有用である。試料の調製方法が重要である。試料中のバイオマーカーのレベルは、液体クロマトグラフィー/トリプル四重極質量分析(LC−MS/MS)によって決定されることが好ましい。LC−MS/MSを使用してバイオマーカーを測定するための好ましい一実施形態において、固定相はC18であり、イオン対形成剤としてヘプタフルオロ酪酸を用いた。これにより、2本のカラムを必要とするのとは対照的に、1本のカラムで分析を行うことが可能となる。
対象がDNまたはDNに伴う障害を発症するリスクを判定するための方法も開発した。この方法は、糖尿病と診断された対象から検査試料を得ることと、Nε−(1−カルボキシエチル−リジン(CEL)、メチルグリオキシル由来ヒドロイミダゾロン(MGHI)、およびNε−カルボキシメチルリジン(CML)のレベルを測定することと、その値を糖尿病性腎症の進行または非進行のいずれかと関連があることが示された代謝産物のレベルと比較することとを含む。
また、腎臓疾患、眼疾患、または心血管疾患の重症度を遅延させるかまたは低下させるために、糖尿病患者が糖尿病に関連する腎疾患を発症するリスクを判定することと、血糖降下薬に加えて、レニン・アンジオテンシン系を調節する薬物等の追加の治療薬、または低レベルのAGEもしくは酸化生成物を含む特殊な食事制限を含むように患者の治療計画を調整することとを含む、糖尿病治療の方法も提供される。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1a)個体が糖尿病性腎症、眼疾患、または心血管合併症を発症するリスクまたは割合の指標として、血漿から精製された2つ以上のバイオマーカーのレベルを使用する方法であって、
血漿から精製された2つ以上のバイオマーカーの前記レベルを判定することであって、前記バイオマーカーは、リジン終末糖化産物、アルギニン終末糖化産物、および酸化生成物からなる群から選択される、判定することと、
代謝産物のレベルを標準値と比較することであって、前記バイオマーカーの前記レベルは、糖尿病合併症を発症するリスクまたは糖尿病合併症を発症する割合を示唆する、比較することと、を含む、方法。
(項目2a) 前記バイオマーカーは、Nε−カルボキシメチル−リジン(CML)、Nε−カルボキシエチル−リジン(CEL)、グリオキサールヒドロイミダゾロン(GH1)、メチルグリオキサールヒドロイミダゾロン(MGH1);3−デオキシグルコソンヒドロイミダゾロン(3DGH)、メチオニンスルホキシド(MetSO)、および3−ニトロチロシン(3−NT)からなる群から選択される、上記項目に記載の方法。
(項目3a) 前記終末糖化産物は、Nε−(1−カルボキシエチル−リジン(CEL)、メチルグリオキシル由来ヒドロイミダゾロン(MGHI)、およびNε−カルボキシメチルリジン(CML)からなる群から選択される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目4a) CML、CEL、およびMG−H1の、単独での、またはHbA1cのレベルと組み合わせた血漿レベルは、糖尿病性腎症の早期進行の指標として測定される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5a) 0.042未満のCELの値、0.103未満のMGHIの値、および0.062未満のCMLの値は、前記個体が糖尿病性腎症を発症する低いリスクまたは緩徐な速度を有することを示唆する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6a) 0.020〜0.042のCELの値、0.030〜0.103のMGHIの値、および0.033〜0.062のCMLの値は、前記個体が糖尿病性腎症を発症する低いリスクまたは緩徐な速度を有することを示唆する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7a) 生体試料は個体から得られ、前記バイオマーカーを精製および定量化するために、液体クロマトグラフィー/トリプル四重極質量分析(LC−MS/MS)を使用して前記バイオマーカーの前記レベルが決定される、上記項目のいずれかに記載の方法。(項目8a) 前記試料は、尿試料または血漿試料である、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9a) 前記試料は、血漿の限外濾過液である、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10a) 前記LC−MS/MSの固定相は、イオン対形成剤としてヘプタフルオロ酪酸を含むC18である、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目11a) 前記個体は、糖尿病性腎症を発症するリスクがあると判定される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目12a) 前記個体は、糖尿病性網膜症を発症するリスクがあると判定される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目13a) 前記個体は、糖尿病による心血管合併症を発症するリスクがあると判定される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目14a) 糖尿病合併症を発症する前記リスクまたは割合を含む報告が提供されることを特徴とする、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目15a) 糖尿病合併症の発症のリスクのあるまたは高い割合を有する個体のために推奨される治療の選択肢が提供されることを特徴とする、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目16a) 前記治療の選択肢は、血糖降下薬、レニン・アンジオテンシン系を調節する薬物、および低レベルのAGEまたは酸化生成物を含む特殊な食事制限からなる群から選択される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目17a) 前記個体は、糖尿病性腎症、眼疾患、または心血管合併症と診断されていない、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目18a) 上記項目のいずれかに記載の方法を使用して試料を検査する際に使用するための試薬を含む、キット。
(項目19a) Nε−カルボキシメチル−リジン(CML)、Nε−カルボキシエチル−リジン(CEL)、グリオキサールヒドロイミダゾロン(GH1)、メチルグリオキサールヒドロイミダゾロン(MGH1);3−デオキシグルコソンヒドロイミダゾロン(3DGH)、メチオニンスルホキシド(MetSO)、および3−ニトロチロシン(3−NT)からなる群から選択される2つ以上のバイオマーカーのレベルを検査するための試薬を含む、上記項目に記載のキット。
(項目20a) 液体クロマトグラフィー/トリプル四重極質量分析(LC−MS/MS)を使用して前記バイオマーカーの前記レベルを決定するための試薬を含む、上記項目のいずれかに記載のキット。
(項目1b)個体が糖尿病性腎症、眼疾患、または心血管合併症を発症するリスクまたは割合を決定するための方法であって、
血漿から精製された2つ以上のバイオマーカーの前記レベルを判定することであって、前記バイオマーカーは、リジン終末糖化産物、アルギニン終末糖化産物、および酸化生成物からなる群から選択される、判定することと、
代謝産物のレベルを標準値と比較することであって、前記バイオマーカーの前記レベルは、糖尿病合併症を発症するリスクまたは糖尿病合併症を発症する割合を示唆する、比較することと、を含む、方法。
(項目2b) 前記バイオマーカーは、Nε−カルボキシメチル−リジン(CML)、Nε−カルボキシエチル−リジン(CEL)、グリオキサールヒドロイミダゾロン(GH1)、メチルグリオキサールヒドロイミダゾロン(MGH1);3−デオキシグルコソンヒドロイミダゾロン(3DGH)、メチオニンスルホキシド(MetSO)、および3−ニトロチロシン(3−NT)からなる群から選択される、上記項目に記載の方法。
(項目3b) 前記終末糖化産物は、Nε−(1−カルボキシエチル−リジン(CEL)、メチルグリオキシル由来ヒドロイミダゾロン(MGHI)、およびNε−カルボキシメチルリジン(CML)からなる群から選択される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目4b) CML、CEL、およびMG−H1の、単独での、またはHbA1cのレベルと組み合わせた血漿レベルは、糖尿病性神経障害の早期進行の指標として測定される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5b) 0.042未満のCELの値、0.103未満のMGHIの値、および0.062未満(0.033〜0.062)のCMLの値は、前記個体が糖尿病性神経障害を発症する低いリスクまたは緩徐な速度を有することを示唆する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6b) 0.020〜0.042のCELの値、0.030〜0.103のMGHIの値、および0.033〜0.062のCMLの値は、前記個体が糖尿病性神経障害を発症する低いリスクまたは緩徐な速度を有することを示唆する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7b) 生体試料を個体から得ること、および前記バイオマーカーを精製および定量化するために、液体クロマトグラフィー/トリプル四重極質量分析(LC−MS/MS)を使用して前記バイオマーカーの前記レベルを決定することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目8b) 前記試料は、尿または血漿試料である、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9b) 前記試料は、血漿の限外濾過液である、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10b) 前記LC−MS/MSの固定相は、イオン対形成剤としてヘプタフルオロ酪酸を含むC18である、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目11b) 前記個体は、糖尿病性腎症を発症するリスクがあると判定される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目12b) 前記個体は、糖尿病性網膜症を発症するリスクがあると判定される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目13b) 前記個体は、糖尿病による心血管合併症を発症するリスクがあると判定される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目14b) 糖尿病合併症を発症する前記リスクまたは割合を含む報告を提供することをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目15b) 糖尿病合併症の発症のリスクのあるまたは高い割合を有する個体のために推奨される治療の選択肢を提供することをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目16b) 前記治療の選択肢は、血糖降下薬、レニン・アンジオテンシン系を調節する薬物、および低レベルのAGEまたは酸化生成物を含む特殊な食事制限からなる群から選択される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目17b) 前記個体は、糖尿病性腎症、眼疾患、または心血管合併症と診断されていない、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目18b) 上記項目のいずれかに記載の方法を使用して試料を検査する際に使用するための試薬を含む、キット。
(項目19b) Nε−カルボキシメチル−リジン(CML)、Nε−カルボキシエチル−リジン(CEL)、グリオキサールヒドロイミダゾロン(GH1)、メチルグリオキサールヒドロイミダゾロン(MGH1);3−デオキシグルコソンヒドロイミダゾロン(3DGH)、メチオニンスルホキシド(MetSO)、および3−ニトロチロシン(3−NT)からなる群から選択される2つ以上のバイオマーカーのレベルを検査するための試薬を含む、上記項目に記載のキット。
(項目20b) 液体クロマトグラフィー/トリプル四重極質量分析(LC−MS/MS)を使用して前記バイオマーカーの前記レベルを決定するための試薬を含む、上記項目のいずれかに記載のキット。
(項目1c)個体が糖尿病性腎症、眼疾患、または心血管合併症を発症するリスクまたは割合を決定するための方法であって、
生体試料から精製された2つ以上のバイオマーカーの前記レベルを判定することであって、前記バイオマーカーは、リジン終末糖化産物、アルギニン終末糖化産物、および酸化生成物からなる群から選択される、判定することと、
代謝産物のレベルを標準値と比較することであって、前記バイオマーカーの前記レベルは、糖尿病合併症を発症するリスクまたは糖尿病合併症を発症する割合を示唆する、比較することと、を含む、方法。
(項目2c) 前記バイオマーカーは、Nε−カルボキシメチル−リジン(CML)、Nε−カルボキシエチル−リジン(CEL)、グリオキサールヒドロイミダゾロン(GH1)、メチルグリオキサールヒドロイミダゾロン(MGH1);3−デオキシグルコソンヒドロイミダゾロン(3DGH)、メチオニンスルホキシド(MetSO)、および3−ニトロチロシン(3−NT)からなる群から選択される、上記項目に記載の方法。
(項目3c) 前記終末糖化産物は、Nε−(1−カルボキシエチル−リジン(CEL)、メチルグリオキシル由来ヒドロイミダゾロン(MGHI)、およびNε−カルボキシメチルリジン(CML)からなる群から選択される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目4c) CML、CEL、およびMG−H1の、単独での、またはHbA1cのレベルと組み合わせた血漿レベルは、糖尿病性腎症の早期進行の指標として測定される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5c) 0.042未満のCELの値、0.103未満のMGHIの値、および0.062未満のCMLの値は、前記個体が糖尿病性腎症を発症する低いリスクまたは緩徐な速度を有することを示唆する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6c) 0.020〜0.042のCELの値、0.030〜0.103のMGHIの値、および0.033〜0.062のCMLの値は、前記個体が糖尿病性腎症を発症する低いリスクまたは緩徐な速度を有することを示唆する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7c) 生体試料を個体から得ること、および前記バイオマーカーを精製および定量化するために、液体クロマトグラフィー/トリプル四重極質量分析(LC−MS/MS)を使用して前記バイオマーカーの前記レベルを決定することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目8c) 前記試料は、尿試料または血漿試料である、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9c) 前記試料は、血漿の限外濾過液である、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10c) 前記LC−MS/MSの固定相は、イオン対形成剤としてヘプタフルオロ酪酸を含むC18である、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目11c) 前記個体は、糖尿病性腎症を発症するリスクがあると判定される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目12c) 前記個体は、糖尿病性網膜症を発症するリスクがあると判定される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目13c) 前記個体は、糖尿病による心血管合併症を発症するリスクがあると判定される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目14c) 糖尿病合併症を発症する前記リスクまたは割合を含む報告を提供することをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目15c) 糖尿病合併症の発症のリスクのあるまたは高い割合を有する個体のために推奨される治療の選択肢を提供することをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目16c) 前記治療の選択肢は、血糖降下薬、レニン・アンジオテンシン系を調節する薬物、および低レベルのAGEまたは酸化生成物を含む特殊な食事制限からなる群から選択される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目17c) 前記個体は、糖尿病性腎症、眼疾患、または心血管合併症と診断されていない、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目18c) 上記項目のいずれかに記載の方法を使用して試料を検査する際に使用するための試薬を含む、キット。
(項目19c) Nε−カルボキシメチル−リジン(CML)、Nε−カルボキシエチル−リジン(CEL)、グリオキサールヒドロイミダゾロン(GH1)、メチルグリオキサールヒドロイミダゾロン(MGH1);3−デオキシグルコソンヒドロイミダゾロン(3DGH)、メチオニンスルホキシド(MetSO)、および3−ニトロチロシン(3−NT)からなる群から選択される2つ以上のバイオマーカーのレベルを検査するための試薬を含む、上記項目に記載のキット。
(項目20c) 液体クロマトグラフィー/トリプル四重極質量分析(LC−MS/MS)を使用して前記バイオマーカーの前記レベルを決定するための試薬を含む、上記項目のいずれかに記載のキット。
摘要
患者が糖尿病に関連する腎症を発症するリスクおよび/または割合を判定するために、血漿の限外濾過液等の生体試料中のバイオマーカー、具体的には、終末糖化産物(AGE)および酸化生成物(Op)のレベルを判定するための方法が使用される。測定する好ましいバイオマーカーは、Nε−(1−カルボキシエチル−リジン(CEL)、メチルグリオキシル由来ヒドロイミダゾロン(MGHI)、およびNε−カルボキシメチルリジン(CML)を含む。また、糖尿病患者が糖尿病に関連する腎疾患を発症するリスクを判定することと、血糖降下薬に加えて、レニン・アンジオテンシン系を調節する薬物等の追加の治療薬、または低レベルのAGEもしくは酸化生成物を含む特殊な食事制限を含むように患者の治療計画を調整することとを含む、糖尿病治療の方法も提供される。
バイオマーカーの化学構造を示す。FL=Nε−フルクトシルリジン;CML=Nε−カルボキシメチル−リジン;CEL=Nε−カルボキシエチル−リジン;G−H1=グリオキサールヒドロイミダゾロン;MG−H1=メチルグリオキサールヒドロイミダゾロン;3DG−H=3−デオキシグルコソンヒドロイミダゾロン;MetSO=メチオニンスルホキシド;3−NT=3−ニトロチロシン ロジスティック回帰モデルを使用して、各バイオマーカーを、対象がDNの「早期」進行(FP)として分類される確率と関連付ける予測式を開発した。予測因子として使用するときにCML値およびMGH1値をlog変換し、次いで、予測確率プロットを作成するときに逆変換した。同時に測定された、HbA1C(p=0.28)ではない3つのバイオマーカーに、FPとしての分類の確率との有意な関係が認められた(CML p=0.02;CEL p=0.03;MGHI p=0.048)。HbA1cの場合、5年間にわたって全試料(n=186)に適合させた場合に関係が有意であった(p=0.006)。 ロジスティック回帰モデルを使用して、各バイオマーカーを、対象がDNの「早期」進行(FP)として分類される確率と関連付ける予測式を開発した。予測因子として使用するときにCML値およびMGH1値をlog変換し、次いで、予測確率プロットを作成するときに逆変換した。同時に測定された、HbA1C(p=0.28)ではない3つのバイオマーカーに、FPとしての分類の確率との有意な関係が認められた(CML p=0.02;CEL p=0.03;MGHI p=0.048)。HbA1cの場合、5年間にわたって全試料(n=186)に適合させた場合に関係が有意であった(p=0.006)。 ロジスティック回帰モデルを使用して、各バイオマーカーを、対象がDNの「早期」進行(FP)として分類される確率と関連付ける予測式を開発した。予測因子として使用するときにCML値およびMGH1値をlog変換し、次いで、予測確率プロットを作成するときに逆変換した。同時に測定された、HbA1C(p=0.28)ではない3つのバイオマーカーに、FPとしての分類の確率との有意な関係が認められた(CML p=0.02;CEL p=0.03;MGHI p=0.048)。HbA1cの場合、5年間にわたって全試料(n=186)に適合させた場合に関係が有意であった(p=0.006)。 ロジスティック回帰モデルを使用して、各バイオマーカーを、対象がDNの「早期」進行(FP)として分類される確率と関連付ける予測式を開発した。予測因子として使用するときにCML値およびMGH1値をlog変換し、次いで、予測確率プロットを作成するときに逆変換した。同時に測定された、HbA1C(p=0.28)ではない3つのバイオマーカーに、FPとしての分類の確率との有意な関係が認められた(CML p=0.02;CEL p=0.03;MGHI p=0.048)。HbA1cの場合、5年間にわたって全試料(n=186)に適合させた場合に関係が有意であった(p=0.006)。 ロジスティック回帰モデルから計算した、3つの有益なバイオマーカー(CML、CEL、およびMGHI)、ならびにHbA1cにおいて標準偏差が1つ変化した場合のオッズ比(および95%信頼区間)のフォレストプロットである。例えば、CELで標準偏差が1つ増加すると、早期進行群では確率が1.72増加する。これらのプロットのp値は、図2A〜Dに示されるものと関連している。
I. 定義
本明細書で使用される「糖尿病性腎症に伴う障害」は、腎糸球体の毛細血管の血管障害から生じる障害を指す。付随する障害の非限定的な例は、腎炎症候群、慢性腎不全、および末期腎疾患を含んでもよい。
本明細書で使用される「糖尿病性腎症」は、腎糸球体の毛細血管の血管障害によって特徴付けられる障害を指す。この用語は、キンメルスチール・ウィルソン症候群、結節性糖尿病性糸球体硬化症、および毛細血管間糸球体腎炎を包含する。
I型糖尿病の個体は、腎疾患を発症する20〜40%のリスクを有する。
本明細書に記載されるバイオマーカーは、同定された人々が糖尿病性腎症を発症する10〜50%またはそれ以上のリスクを有するように、この集団の同定を可能にする。
II.患者が糖尿病性腎症を発症するリスクを予測するための方法
A.評価されるマーカー
腎症および網膜症が確認された臨床集団における特異的な糖化および酸化経路の活性の調査に基づいて、十分に確認された転帰試験において特異的な化学的最終生成物を同定した。これらの経路は、化学反応性のαジカルボニル化合物であるメチルグリオキサール(MG)、3−デオキシグルコソン(3DG)、およびグリオキサール(G)を含む初期糖化産物(EGP)のスペクトルの形成をもたらす。これらのαジカルボニルは、一方、HbA1cの形成とは独立したプロセスである終末糖化産物(AGE)を形成するための後期化学反応の形成をもたらす。グルコースの増加によって誘発される酸化ストレス(OS)は、糖尿病合併症を引き起こす主要経路を直接的にかつ独立して活性化することができる細胞の酸化機構を制御するプロセスにおける固有の相違によっても引き起こされ得る。ジカルボニルストレスおよびOSのどちらも、糖尿病合併症を起こし易い人々において選択的に活性化され、その結果としてより高いレベルの糖化および酸化タンパク質ならびに脂質副産物を生じさせるが、直接的にHbA1cの変化は引き起こさないことが分かっている。
測定をより正確にするために、これらの化学経路の選択された糖化および酸化最終生成物の血中および尿中レベルを評価するためのアッセイを開発した。これらの最終生成物は、糖化経路および酸化経路の徐々に代謝回転している最終生成物を意味するため、臨床的転帰試験におけるそれらの使用は、1つ以上の血液および尿試料において確認した場合に、必ずしも長期過剰生産を反映しない短期作用型の化学前駆体の測定よりも優れているはずである。
これらの試験において、1型糖尿病において定量的に最も高いインビボAGEは、一方ではそれらの個別の合成経路から生成されるメチルグリオキサール(MG)、3−デオキシグルコソン(3DG)、およびグリオキサールによって修飾されたアルギニン残基に由来するヒドロイミダゾロン(HI)であることが分かった。これらの試験における他の定量化できるAGEは、グリオキサール−リジン由来カルボキシメチル(CML)、およびMG−リジン生成物であるカルボキシエチル−リジン(CEL)を含む。酸化およびニトロ化のマーカー(メチオニンの酸化によって形成されるメチオニンスルホキシド(MetSO)、リジン残基から形成される2−アミノアジピン酸を含む)、ならびに3−ニトロチロシン(3−NT)およびジチロシンの生成をもたらす他のニトロソ化による損傷のマーカーも測定した。糖尿病集団と対照集団との間には大きな相違(5〜15倍)が存在する。糖尿病においてAGEおよびOPに前例のない増加が観察され、かつ個体間での大きな相違が観察されたことから、これらのバイオマーカーのレベルは、単独で、またはHbA1cに加えて、合併症のリスクが非常に高い対象と非常に低い対象とを差別化する能力を著しく高める可能性を有することが示唆された。合併症を最も予測できるヒドロイミダゾロンおよびMetSOを含む重要なAGEおよびOPがHbA1cとの相関関係を示さなかったことから、それらは合併症に関連する化学経路によって生成されるが、個々の患者の特徴に基づいて糖血症のレベルに対して一意的に反応することが示唆される。
AGEおよびOPバイオマーカーは、ある人間が糖尿病性腎症または他の合併症を発症するリスクを評価するために、血漿および尿試料中で測定される。十分に定義された腎症の進行者および非進行者におけるレベルを比較することにより、特定のAGEのレベルによって、糖尿病患者が糖尿病に関連するDNまたはDNに伴う障害を発症するリスクを判定することができる。好ましい実施形態において、3つのAGEであるCML=Nε−カルボキシメチル−リジン、CEL=Nε−カルボキシエチル−リジン、およびMG−H1=メチルグリオキサールヒドロイミダゾロンの血漿濾液レベルは、単独で、またはHbA1cと組み合わせて、DNの早期進行の指標である。より好ましい実施形態において、MG−H1のレベルは単独で、対象がDNを発症するリスクの独立した予測因子である。
本明細書に記載される方法は、図1に示される以下の生成物を定量化するために使用することができる。
アルギニン由来AGE:これらのバイオマーカーは、定量的に重要なヒドロイミダゾロン(HI)を含み、それらは、グリオキサール、MG、および3−DGによって修飾されたアルギニン残基に由来するAGEであり、それぞれ、G−H1(グリオキサールヒドロイミダゾロン)、MG−H1(メチルグリオキサールヒドロイミダゾロン)、および3DG−H(3−デオキシグルコソンヒドロイミダゾロン)を含む。
リジン由来AGE:測定することができる他の重要なAGEは、リジンベースであり、グリオキサール由来Nε−カルボキシメチル−リジン(CML)、およびMG由来Nε−カルボキシエチル−リジン(CEL)を含む(Thornalley,et al.,Biochemical Journal,375(Pt3):581−92(2003))。測定することができる他のAGEは、HPLCおよび蛍光検出によって測定される、より従来的な生成物であるペントシジンを含む(Sell,et al.,Diabetes,40(Suppl I):302A (1991))。
タンパク質の酸化損傷の定量マーカーも測定することができ、メチオニン上のスルフヒドリル基の酸化によって形成されるメチオニンスルホキシド(MetSO)を含む(Yu,et al.,Diabetologia,49(10):2488−98(2006))。チロシン架橋、ジチロシン、そして、酸化/ニトロ化を組み合わせたタンパク質の損傷の広く研究されたマーカーである3−ニトロチロシン(3−NT)も測定することができる(Geibauf,FEBS Letters,389:136−140(1996))。糖尿病合併症の発症における酸化ストレスの役目に関して得られた情報を増幅するために、別の特有の酸化生成物である2−アミノアジピン酸(リシル残基の金属触媒による酸化から生じる生成物)(Sell,Biochemical J.,404(2):269−77(2007))も測定することができる。
生成物/クレアチニンの尿中分析物含量の均一な発現を提供するために、尿中クレアチニンレベルを決定することもできる。尿および血清の「遊離画分」を決定することにより、各分析物の腎クリアランスの割合を計算することができる。
1型糖尿病の目印となる転帰試験において行われる試験は、2型糖尿病に罹患する患者にも適用可能である。DCCTおよびUKPDSにおいて、主要な治験によって、1型および2型糖尿病の両方で血糖コントロールとDNおよびDRの進行との間に同様の有意な関係が示されたことは十分に認識されており(DCCT/EDIC,JAMA,287(19):2563−9(2002);Holman,et al.,New England Journal of Medicine,359(15):1577−89(2008)、両方の糖尿病型の病変形成における類似性が示唆される。これらの検討事項は、American Diabetes Association(ADA)、American Association of Clinical Endocrinologists(AACE)、およびEuropean association for the Study of Diabetes(EASD)に、1型および2型糖尿病の両方においてDRおよびDNを予防するために同様のHbA1cガイドラインを推奨させるに至った(Nathan,et al.,Diabetes Care,31(1):173−5(2008);Rodbard,et al.,Endocrine Practice,14(6):791−5.(2008))。
B.試料採取
不適切な扱いは、人為的な試料の酸化をもたらし得るため、試料の採取、保存、および処理の方法は全て重要である。保存された血漿試料中で測定される多くのAGEは、何年にもわたって安定である。−80℃で10〜15年間保存された血漿試料のレベルを糖尿病対象から新たに採血された血漿と比較したときに同様のレベルの分析物が観察されたことから、許容される安定性が裏付けられた。
試料の調製中は、アーチファクトの形成を防止するためのステップを採ることが重要である。例えば、4℃にて血漿から赤血球の迅速な分離、血液試料中におけるEDTA等のキレート剤の使用、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)等の保存剤または抗酸化剤の添加、ドライアイスの上等で急速瞬間冷凍、および−80℃での保存は、アーチファクトの形成を最小限に抑えるために採ることができるステップの例である。
好ましい実施形態において、EDTA中で回収し、赤血球(RBC)を沈殿させるために直ちに回転させ、4℃にてRBCから血漿を分離し、その後、直ちに冷凍して−80℃で長期保存することにより、十分に定義されたプロトコルを用いて血漿試料を採取した。このプロセスを使用して、血清中に人為的なOSを示した同じ試料と比較したときに、MetSOレベルは予想範囲内であった。標準プロトコルを用いて採取および保存した尿試料にはこれらの改変のうちのいずれも観察されなかった。
これらの観察を踏まえると、血漿は、キレート剤(EDTA)を含有し、採取直後に回転させられてRBCから分離され、急速冷凍されるため、保存された試料中のOPおよびAGEの測定のためのより好ましい選択肢である。その一方で、血清は、分離および保存の前に室温で凝固させなければならず、したがって、白血球ミエロペルオキシダーゼおよび他の酸化促進酵素にタンパク質を暴露させる。また血清は、両方ともが瞬間的なインビトロ酸化ストレスを促進することができる微量金属(FeおよびCu)のキレーターを含有しない。
DMと診断された対象から血漿試料を採取し、バイオマーカーのうちの1つ以上のレベルを決定する。好ましい試料は、血漿の限外濾過液である。この「遊離画分」は、マイクロスピンフィルタ(10,000MWフィルタカットオフ、50μlアリコート)を通して4℃で遠心分離することによって調製することができる。この画分を測定することの根拠は、細胞が、酸化および糖化によって損傷を受けたタンパク質の分解および置換によって、タンパク質の品質および機能的完全性を維持するからである(Thornalley,et al.,Biochemical Journal,375(Pt3):581−92(2003)およびGoldberg,et al.,Nature,426(6968):895−9(2003))。これは、酸化、糖化、およびニトロ化されたアミノ酸を遊離付加物として遊離させるタンパク質分解によって起こり、一方、その付加物は、血漿中に放出され、尿中に排泄される(Thornalley,et al.,Biochemical Journal,375(Pt3):581−92(2003))。これらの遊離付加物は、AGEの組織破壊が起こると血漿中に放出されるため、血漿濃度の変化は、糖尿病における組織障害を反映する一方で、高血糖による損傷効果の指標となる新しいマーカーを提供する。
付加物の残基は、血漿タンパク質と化学反応を起こして結合する:生成物のうちのいくつかは酸に不安定であるため、化学結合した生成物は、好適な酵素を使用した網羅的な連続酵素消化後に決定される。使用することができる酵素の例は、限定されないが、ペプシン、Pronase E、アミノペプチダーゼ、およびプロリダーゼを含む。血漿タンパク質と化学結合した生成物を消化するための方法は、Ahmed,et al.,Biochemical Journal,364(Pt1):1−14(2002)に記載される。
尿中のバイオマーカーは、マイクロスピンフィルタ(10,000MWフィルタカットオフ)を通して4℃で遠心分離することによって調製した尿濾液から測定されることが好ましい。尿濾液を調製するための方法は、例えば、Ahmed,et al.,Diabetologia,48:1590−1603(2005)に記載される。
タンパク質の糖化、酸化、およびニトロソ化による損傷の指標となるバイオマーカーの同時定量的測定のための方法は、1200 Rapid Resolution LC SystemとともにAgilent Model 6410 Triple Quadrupole MS System等のシステムを利用することができる。HPLCは、イオン対形成のために0.29%ヘプタフルオロ酪酸を用いて、メタノール/HO勾配の移動相とともに2.0×250mm Synergy 4ミクロン80Aカラム(Phenomenex,USA)を1本用いて、改変された従来のマルチカラム法を用いて行われる。この方法は、合計60分の実験時間を有する。この方法は、血漿濾液試料中のチロシンベースのOPを正確に測定するための感受性を有しない。
超高圧液体クロマトグラフィー(UHPLC)用の1290 Infinity LC
Systemを含むAgilent Model 6490 Triple Quadrupole MS System(Wilmington,Delaware)等のシステムは、我々の以前の機器の1000倍の分析感度を提供し、試料処理能力を4倍に向上する。
イオン対形成を使用したHPLC法は、複雑な化合物の混合物を分解するために使用することができるが、いくつかの欠点を有する。イオン対形成剤は、HPLCポンプの性能に問題を引き起こす傾向があるため、システムが適切に作動し続けるように常に注意を払い、頻繁にポンプを洗浄する必要がある。イオン対系は、再平衡化に長時間を必要とするため、処理能力の高い環境を設計することがさらに困難である。イオン対形成剤は、イオン抑制および標的化合物の信号の潜在的な損失を引き起こす可能性がある。
別の方法は、最近、許容された新しい分離ストラテジーとなった親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)である。順相クロマトグラフィーのように、化合物の溶出順序が逆であり、より疎水性の化合物を初期に溶出し、より親水性の化合物がカラム内に残されるため、化合物の混合物中に存在する親水性化合物の保持の促進、および以前に共溶出したピークのうちのいくつかを分解する補助となり得る特有の選択性を含むいくつかの利点を提供する。このシステムにおいて使用される緩衝液は、MS/MS検出に理想的である(バックグラウンドおよびイオン抑制が少ない)。システムのpHを変更することによって、システムの選択性を改変するための代替方法が与えられる。現在、カラムは、高度なコアシェル技術またはUHPLC構成において利用可能であり、それらはAgilent Porous Shell Technologyを含む処理能力の高い用途に非常に適している。
他のシステムは、極性化合物の異なる選択性および保持の促進のために改変されたC18固定相である。これらの代替システムのうちのいくつかを用いた緩衝液のpHの調整は、より良好な保持および異なる化合物の選択性をもたらすはずである。この技術のいくつかの例は、イオン対を含まない極性化合物の保持のためにエーテル結合したフェニル基を含むSynergi Polar−RP、または極性選択性および低い陰イオン交換能のためのLuna NH相を含み、これらは、極性化合物の保持を増加させるために、より高い緩衝液のpHで用いることができる。
混合モード固定相は、HPLCにとって非常に新しい。これらのカラムは、C18とイオン交換能を1本のカラムに組み合わせる。多くの場合、イオン交換能は、イオン対形成剤の効果を模倣することができる。陰イオン交換能を有する混合モードカラムも有用なはずである。
C. バイオマーカーアッセイおよびDNを発症するリスクの判定
好ましい実施形態において、上述のように調製される血漿および尿中のバイオマーカーのレベルは、液体クロマトグラフィー/トリプル四重極質量分析(LC−MS/MS)によって判定される。慎重に変更された条件を伴う方法を用いて、安定した同位体で置換された標準物質による内部標準化を用いてバイオマーカーを測定することができる。
経時的に血漿および尿バイオマーカーの各々の代表的な推定値を提供するために必要な最適な試料数を決定するために、複数の測定を用いて各分析物の許容される定量的推定値を計算した。このアプローチによる代表的な計算は、5年間にわたって、10人の対象につき4〜6個の試料/糖尿病対象における尿中ペントシジンレベルに基づくものであった。これらの測定のために、個人間分散=7.64×10−7および個人内分散=2.06×10−6であると決定した。よって、合計分散=個人間分散+個人内分散=7.64×10−7+2.06×10−62.82×10 −6 である。同じ人間からのN個の観察の平均の場合、平均の分散は=個人間分散+個人内分散/Nまたは7.64×10−7+2.06×10−6/Nである。
これらの計算に基づいて、今度は平均の個人内分散が個人間コンポーネントよりも少ないかどうかを判定することができる。上の表に示されるように、2.06×10−6/3=6.87×10−7であり、これは平均値の1.45×10−6分散(表中3行目)よりも低いため、N=3がこの目的を果たす。4つより多い試料サイズの場合、各追加の観察によって試料サイズ1から合計<5%の減少がもたらされるため、分析数を増加させることによってこれらの試験において得られるものはほとんどない。
腎疾患または他の合併症を発症するリスクのある患者の指標となる種々のバイオマーカーのレベルからなるデータベースを作成した。表1に示すように、非糖尿病レベルは、糖尿病患者に見られるレベルの1/3〜1/4である。一実施形態において、CEL<0.042(0.020−0.042)、MGHI<0.103(0.030−0.103)、およびCML<0.062(0.033−0.062)のレベルは、個体がDNから保護されているという94%の確率を示唆する(変化の最低三分位)。
3つの生成物のレベルは、非進行者と比較して早期進行者(GBMの変化の上位四分位)において有意に高かった。この分析は、ウィルコクソン法により行った。
任意の生成物(単数または複数)対GBMの進行性肥厚(DNの進行)の線形回帰分析は、各バイオマーカーの予測度の尺度であるR(相関係数)の二乗が、Hbg A1c単独と比較して、Hbg A1cを含む3つのバイオマーカーでより大きかったことを示した。例えば、表2において、HbA1cは、予測値(0.047)の4.7%を占め、CMLは0.026%である等。3つのバイオマーカーの合計+A1cは11.6%であった。バイオマーカーを1回測定した値は、A1cに対する添加値である。
他の種類の分析は、オッズ比の計算を可能にするロジスティック回帰分析である。これにより、dNへの進行のリスクの増加を、各生成物のレベルと比較して線形様式で予測することができる。恐らく、これはリスクの定量的予測に最も近く、本明細書に記載されるように、10〜50%のリスクを予測する。
3つのバイオマーカーの値の最低三分位は、CEL<0.042(0.020−0.042)、MGHI<0.103(0.030−0.103)、およびCML<0.062(0.033−0.062)の場合、個体がDNから保護されているという94%の確率があることを示した(変化の最低三分位)。
3つのバイオマーカーの各々は、HbA1cと組み合わさってDNへの進行を個別に予測し、腎臓の変化の増加した予測力の合計(GMB幅の増加)は、3つのバイオマーカーとも、A1cの1回の測定の4.7%から11.6%に増加する。これは、A1c単独の2.5倍であるかまたはそれよりも247%大きい7.9%の増加を意味する。
ロジスティック回帰分析によって行われた分析は、3つのバイオマーカー(図2B〜D)のレベル(X軸)に対する、およびHbA1c(図2A)に対するDNの進行の確率(Y軸)を示す
CEL、MGH1、およびCMLバイオマーカーの進行のオッズ比は68〜92%であり、変化の各1つの標準偏差を下の表3に提供する。
10個の天然および内部の安定した重同位体で置換されたAGEおよびOP標準物質を、商業的供給源からまたは特注合成により調達してデータベースを作成した。市販の標準物質は、カルボキシメチルリジン(CML)、カルボキシエチルリジン(CEL)、グリオキサールヒドロイミダゾロン(G−HI)、メチルグリオキサールヒドロイミダゾロン(MG−HI)、および3−デオキシグルコソンヒドロイミダゾロン(3DG−H)を含む。酸化最終生物(OP)は、メチオニンスルホキシド(MetSO)、3−ニトロチロシン(3−NT)、2−アミノアジピン酸(AAA)、およびジチロシンを含む。
これらの精密診断検査は、個々の糖尿病患者が彼らの疾患に伴う特異的な合併症を発症するリスクを評価する。これらの精密診断検査は、中央臨床検査施設に提出された血液試料に対して行われることが好ましい。好ましい実施形態において、検査は、10個のAGEおよびOP生体分子(バイオマーカー)の存在および量を同定する。疾患に罹患していない個体から得られたデータおよび疾患の種々の確認された段階で得られたデータとの比較に基づいて、糖尿病合併症の発症に関するリスクプロファイルを構築した。この情報は、個々の患者のプロファイルに合わせて治療を特異的に調整することによって改善された治療を送達するように、発注した医師に送られる。患者のための個別化された、費用効率の高い治療計画への注目が高まっており、この情報へのアクセスは、市場においてますます貴重かつ必要なものになっている。
III.糖尿病治療の方法
本明細書に記載される方法は、適切なレベルの血糖コントロールを達成するためおよび関連するDNの合併症を遅延させるかまたは予防するために、糖尿病の個体がリスクおよび費用に見合った治療計画を選択できるようにする。これらのバイオマーカーは、現在の「至適基準」であるヘモグロビンA1Cの3倍以上の腎合併症の予測値を有する。これらのおよび他の同定されたバイオマーカーが、網膜症、血管の疾患、ならびに心臓発作および脳卒中のリスクの傾向の早期予測因子であり得るという強力な科学的証拠が存在する。症状が明らかになる前にこれらの合併症の早期進行を予測する診断検査により、医師および患者は、治療および行動において転帰を大幅に改善することができる個別の調整を行うことができる。転帰の向上は、生活を改善し、年間で何十億ドルという医療費を節約することができる。
糖尿病治療の現在のパラダイムは、「1つ基準を全てに適用する」ものの1つである。パラメータは全ての患者のために設定され、それらの代金を支払うことができる人々、または既に重大な合併症を経験している人々のいずれかに、侵襲性の特別な治療が提供される。糖尿病の治療は、これから起こることを予防するために事前に個別化された治療を行うのではなく、既に起こったことについての回顧的情報を提供する検査を行い、その後、問題に対応するために「補うための」治療を行うことが多い。感受性の高い個体に必要とされる侵襲性の糖尿病の治療は、長期的には費用効率が高くなり得るが、短期間ではより高価な場合があり、低糖血症および薬物の副作用のより高いリスクを伴う可能性がある。したがって、新しい薬剤および新たに進化するハイテク治療のリスクおよび費用の増加に対する潜在的利益のバランスを保つために、ハイリスクな個体の早期検出が必要である。糖化/酸化に基づく診断アッセイは、糖尿病の初期段階で糖尿病合併症のリスクが高いまたは低い人々の同定を可能にすることにより、予防的介入を大幅に変更するはずである。次いで、適切なレベルの血糖コントロールを達成するために、リスクおよび費用に見合った治療計画を実施することができる。例えば、最も合併症を起こし易いと同定された人々は、集中的なインスリン送達の開始およびシステムの監視、糖尿病発症により近い時点での膵臓移植または人工膵臓によって、一般に達成される(A1c<6.0%)よりも厳しい血糖コントロールのゴールを有することができる。これらの危険を伴うゴールは、このように正常に近い血糖値の個体は、遺伝性素因にかかわらず糖尿病合併症を発症しないという観察によって正当化することができる。
他の血管リスク因子の早期のより侵襲性の高い治療、または低レベルのAGEを含む特殊な食事制限についても検討することができる。検査によって検出される個体のハイリスクなプロファイルを考慮すると、新しい治療剤のリスクに関する異なるガイドラインも正当化され得る。合併症を遅延させるかまたは停止するために、障害の原因となっている有害化学物質の経路をブロックすることができる治療アプローチの開発も、基本的な生化学的機構および糖尿病合併症の原因となる経路に関するこれらの研究によって提供される情報により促進することができる。
他の実施形態において、これらの個体は、レニン・アンジオテンシン系を調節する薬物を投与されてもよく(Mauer,et al.,Journal of the Renin−Angiotensin−Aldosterone System,3:262−269(2002))、コレステロールおよびVLDLのレベルを開始することができる(Almuti et al.,International Journal of
Cardiology,109(1):7−15(2006);Degenhardt,et al.,Cellular & Molecular Biology,44(7):1139−45(1998);Rosario,et al.,Current Diabetes Reports,6(6):455−62(2006))。代替として、または付加的に、低レベルのAGEまたは酸化生成物を含む特殊な食事制限(Koschinsky,Proc.Nat.Acad.Sci.USA,94(12):6474−6479(1997))が用いられてもよい。基本的な生化学的機構および糖尿病合併症の原因となる経路に関するこれらの研究によって提供される重要な情報は、DN、DR、およびCVDを遅延させるかまたは停止するために、障害の原因となっている有害化学物質の経路を改変することができる治療アプローチの開発を促進することもできる。
DNを発症する対象のリスクに基づいて糖尿病管理を改変するために使用することができる薬物の例は、限定されないが、メトホルミン(Beisswenger et al.,Diabetes and Metabolism,29:6S95−6S103(2003);Beisswenger,et al.,Diabetes,48:198−202(1999));アミノグアニジン(Lo,Amino Acids,5:172(1993);Hirsh,Jet al.,Carbohyd.Res.,232:125−130(1992);Brownlee,et al.,Diabetes Care,15(12):1835−43(1992);Hammes,et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.,88:11555−11558(1991);チアミン、およびベンフォチアミン(Hammes,et al.,Nature Med.,9(3):294−299(2003)を含む。
糖化および酸化ストレスのバイオマーカーのレベルは、経時的に進行した糖尿病性網膜症(DR)および腎症(DN)を発症するおよびそれらに進行する割合のリスク因子である。また、糖化および酸化ストレスのバイオマーカーのレベルは、1型糖尿病における心血管疾患(CVD)の最終的な発症のリスク因子でもある。糖化および酸化の生化学的バイオマーカーが定義された転帰に及ぼす影響は、DR、DN、およびCVDの症例ならびに対照を含む症例コホート設計を用いて評価することができる。選択された各対象ごとに、複数の指定された時点で、例えば、DCCT無作為化時;DCCT1年後の来院時;DCCT完了時(=EDICベースライン);およびEDIC1年目に得られた血漿および尿試料が用いられる。これにより、各バイオマーカーを代表する適切な試料の数および分布を提供する。
これは、1型糖尿病における細小血管障害および心血管疾患の進行のリスク因子を評価するために使用することができる。3つの主な転帰は、進行した網膜症の発症(眼底写真によって検出可能または汎網膜光凝固術(レーザー)を必要とする増殖性糖尿病性網膜症(PDR))、腎症((顕性)アルブミン尿(>300mgアルブミン/24時間)または末期腎疾患(ESRD)の発症)、および心血管疾患事象の発生である。アルブミン排泄量は、DCCTの間は毎年、そしてEDICの間は1年置き(半分/年)に、アルブミン排泄量を4時間ごとに測定することによって評価される。複合的な心血管転帰は、致死性または非致死性の心筋梗塞もしくは脳卒中、虚血性アンギナ、血行再建、あるいは年1回のECGで検出される無症候性心筋梗塞を含む。
症例対照設計は、3つの転帰の各々について上記目的を検証するための有効な方法を提供する(症例定義)。しかしながら、治験終了時に無発症である人々の中からの対照の単純な無作為試料は、症例よりも長い平均暴露期間のために偏りのあるものとなるであろう。コホート内症例対照研究は、選択された各症例が観察された時点でリスクのある人々の中から対照を無作為に標本抽出することにより、この偏りを回避する。次いで、症例対照セットによって層化された条件付回帰モデル、または同等に、同じように層化されたCox比例ハザードモデルを使用してデータを分析する。各転帰ごとに、125個の症例および250個の対照が、両側0.05レベルで標準偏差の差当たり1.39のオッズ比を検出するために85%の出力を提供する。3つの別個の症例定義を用いると、3つの別個のコホート内症例対照サブ研究は、最大で3×375=1125人の対象を必要とし得る。代替として、症例コホートアプローチが用いられてもよく、各症例定義の対照に基盤を提供するために、完全コホートから単一ベースラインで無作為に標本抽出した「サブコホート」が選択される。所与の症例対照試料サイズのためのこの設計の効率(出力)は、同じサイズのコホート内症例対照研究のものと等しい。したがって、症例定義ごとに約250個の対照が得られる症例コホート設計は、バイオマーカーとこれらの転帰の各々との有意義な関連性を検出するための優れた出力を提供する。
二次コホートにおいて、各種類の症例が一次コホートの約2倍生じたため、二次コホート対一次コホートの対象の比率が2:1である350人の対象の症例コホートを無作為に選択した。これにより、DR、DN、およびCVDのいくつかの症例が提供された。各種類のさらなる症例は、少なくとも125個の各種類の症例を得るために必要な残りの1091人の対象から選択された。1つの基準による症例である何人かの対象は、別の基準からの症例でもあったため、そのように正確に行うことは不可能であった。そこで、症例定義ごとに、250人程の対照を標本抽出した。表は、一次および二次コホート内の症例および対照の数、ならびに選択された合計数を提供する。
1つの転帰のための多くの症例および対照が、別の転帰のための症例または対照でもあるため、3セットの症例および対照を含む全試験は、合計わずか546人(一次予防コホートから200人、二次介入コホートから346人)の対象を含む。これは、試料が採取された時点で観察されたCVDの全症例と、そのときに観察されたDRおよびDNの症例125個の無作為試料を含む。3つの症例定義の各々について、対応する長期的なHbA1cの測定を含むおよび含まないモデルに個別に加えられたときの各時点でのバイオマーカーの標準偏差当たりの相対リスクを評価するために、症例コホートの標本抽出のためのCox比例ハザードモデルの変形例が用いられる。また、モデルは、一次/二次コホート、登録時の糖尿病の期間、登録時のHbA1cのレベルに応じて調整される。モデルは、ベースラインレベルのバイオマーカーのみを使用して、また次いで、さらなる3つの時点でのバイオマーカーの値を時間依存性共変量として使用して適合させる。後者は、ベースラインのバイオマーカーが単独で、長期的なHbA1cとは関係なくさらなるリスクを与えるかどうかを評価するために使用される。
また、モデルは、バイオマーカーのセットの影響を一緒に評価するためにも使用することができる。それを行う前に、予測値に分散拡大をもたらす一次従属(相互相関)が少しも存在しないことを確実にするために共線性診断が適用される。その場合、関連するマーカーの各群内で最も強い影響のあるものが、他の群からのものと一緒に用いられる。次いで、尤度比検定により、バイオマーカーの最終セットが、同様に長期的なHbA1c値を含むモデルに有意に寄与するかどうかを評価する。
本発明は、以下の非限定的な実施例を参照することにより、さらに理解されるであろう。
実施例1.AGEおよびOPの血漿レベルと腎症の進行/非進行との間の関係
材料および方法
計器:
HPLC−Agilent 1200シリーズバイナリポンプ、オートサンプラー、脱ガス装置、およびサーモスタット付きカラムチャンバ;QQQ−Agilent 6410材料:
MSグレードの水およびメタノールはHoneywellから調達する。
ヘプタフルオロ酪酸(HFBA)(LCグレード)、Fisher(Pierce Chemical)番号PI−53104
HPLCカラム−Gemini−NX3u C18、4.6mm×250mm
Phenomenex番号00G−4453−E0
LC−MS/MSを用いた9つの推奨されるバイオマーカーの分析は、1回の実験で行われ、正確な定量化のために重同位体内部標準の添加を必要とするため、9つのバイオマーカーのために必要な軽いおよび重い標準物質を次のように得た:軽いおよび重い(N15)3DG−HIは、Essex UKのOrganixから得た。重いMG−HIおよびG−HIは、FranceのNeoMPSによって生成された。メチオニンスルホキシドおよびジチロシンは合成し、残りの5つのバイオマーカー(ペントシジン、CEL、CML、MGHI、およびGH)の軽いおよび重い標準物質は、利用可能な商業的供給源から購入した。酸化ストレスの優れた指標である安定したリジン由来の最終生成物2−アミノアジピン酸をCleveland OHのCase Western Reserve
UniversityのSell and Monnierから得た(Beisswenger,et al.,Diabetes,54:3274−3281(2005))。LC−MS/MSによるこれら9つの推奨されるバイオマーカーの分析は1回の実験において行われるため、正確な定量化のための重同位体内部標準の添加が必要である。
方法:
バイオマーカーの測定:
Agilent Model 1200HPLC上で0.29%ヘプタフルオロ酪酸を用いて、メタノール/HO勾配の移動相とともに2.0×250mm Synergy 4ミクロン80Aカラム(Phenomenex,USA)を1本用いることにより、タンパク質の糖化、酸化、およびニトロソ化による損傷の指標となるバイオマーカーの同時定量的測定のための方法(Ahmed,et al.,Biochemical Journal,364(Pt1):1−14(2002)を改変した:Agilent Model 6410トリプル四重極質量分析計(QQQ)上での合計分析時間は60分であり、このアプローチは、当該技術分野におけるAGEまたは酸化生成物の測定には使用されていない。
AGEを測定するための既知の方法と比較してこのプロトコルにおける重要な変更は、まったく異なる固定相、すなわち、C18(すなわち、Synergy 4ミクロン80Aカラム)が使用されることである。このカラム変更の結果として、従来技術の方法とは異なる移動相条件が使用された、すなわち、イオン対形成剤としてヘプタフルオロ酪酸を使用した。カラムの種類と移動相の組み合わせによっても、2本のカラムを必要とすることとは対称的に、1本のカラムで試料の分析を行うことが可能になり、すなわち、1本のカラムを使用して成功裏に試料の実験を行うことができ、2本のカラムは必要なかった。
HPLCおよびQQQ条件を以下に示す。
HPLC条件:
移動相:溶媒A=水中0.29%HFBAが95%、メタノール中0.29%HFBAが5%。溶媒B=メタノール中0.29%HFBA、流量=0.25ml/分。
ポンプ時間表:
時間 溶媒比率B
0……………………………………0
3……………………………………0
6…………………………………13
25………………………………29
35……………………………100
45……………………………100
50…………………………………0
70…………………………………0
カラム温度:28℃
QQQ取得パラメータ:
ESI源を装備したAgilent 6410 MS/MSを、以下の条件下で正モードで操作した:乾燥ガスは、10L/分の流量で350Cだった。噴霧器の圧力は40psiであり、キャピラリー電圧は全ての化合物に対して4000に設定した。詳細な化合物分析パラメータを表4に示す。
同位体希釈分析を使用して、重い標準物質に対する相対反応対相対濃度に由来する較正曲線から読み取ることにより試料の定量化を達成した。予想される生理的濃度および標準曲線の範囲に従って、血漿または尿の濾液に1〜6uMの最終濃度で重い標準物質を加えた。
化合物の溶出順序を表5に示す。この表は、分析物の繰り返し日間測定値の変動係数(COV)、ならびに各分析物の検出下限値(LLOD)および定量下限値(LLOQ)も示す。
ソースパラメータ:
モード:ESIポジティブ
ガス温度(℃)
試料調製の方法:
血漿試料の調製:この試験で使用した全ての試料は、厳密なプロトコルによってNHSの治験来院の5年目終了時に採取された:EDTAを含むチューブに血液を採取し、直ちに氷冷して遠心分離した。遠心分離後、血漿を直ちに赤血球(RBC)から分離し、ドライアイス上で急速冷凍し、続いて、これらの分析を行うまで−80℃で保存した。
限外濾過液(遊離付加物):10KカットオフのAmiconフィルタを通して遠心分離した後の濾液として調製した血漿の「遊離画分」に対するLC−MS/MS分析を最初に行った。
血漿タンパク質に化学結合した付加残基:生成物の中には酸に不安定なものもあるため、Ahmed,et al.,Biochem J.,364(Pt1):1−14(2002)に記載されるように、プロテアーゼの自己分解のための対照を用いて、窒素下でペプシン、Pronase E、およびアミノペプチダーゼ/プロリダーゼ(50μgタンパク質均等物)を用いた網羅的な連続酵素消化の後に、化学結合した生成物が判定される。タンパク質の「結合した」画分について調査するために、窒素雰囲気下で3つのタンパク分解酵素を用いた36時間にわたる網羅的な連続血漿消化の後にAGE/OP分析を行った(Ahmed,et al.,Diabetologia,48:1590−1603(2005))。
尿試料の調製:尿中のバイオマーカーの分析のために、5年間のNHS試験にわたって分布された対象当たり4つの試料を検査した。
付加物の排泄量を測定するための尿試料の調製:尿中のAGEおよびOPバイオマーカーのプロファイルを決定するために、Ahmed,et al.,Diabetologia,.48:1590−1603(2005)に記載されるように、マイクロスピンフィルタ(10,000MWフィルタカットオフ)を通して4℃で遠心分離することによって調製した濾液を使用した。生成物/クレアチニンの尿分析物含量の均一な発現を提供するために、尿中クレアチニンレベルを決定することができる。
腎症の進行者(n=37)および非進行者(n=70)からなる107人の対象の初期全集団を提供したNHS尿試料のLC−MS/MSを行った。1週間当たり24個の試料処理能力を用いて、10週の期間にわたって試験を完了させた(220(55×4)の追加分析)。両側α=0.01で全試料(n=107対象)の統計的検査を行った。全試験試料における標準偏差はサブ試料(N=52)と同じであると推定された。
尿および血清の「遊離画分」の決定によっても、各分析物の腎クリアランスの割合を計算することができる。
結果
A.血漿濾液(遊離画分):
腎生検の電子顕微鏡写真において測定された、NHS集団におけるベースラインから5年目までの糸球体基底膜(GBM)の厚さの変化は、DNの臨床的進行の最良の早期構造予測因子であるため、それを一次エンドポイントとした。メサンギウム分画容積も測定した。早期進行者(FP)をGBM肥厚の上位四分位(n=24)として定義し、他を後期進行者(SP)として定義した。AGE[3−デオキシグルコソンおよびメチルグリオキサールヒドロイミダゾロン(DG3H1、MGH1)]ならびにカルボキシメチルおよびエチルリジン(CML、CEL)、そして酸化生成物[メチオニンスルホキシドおよび2アミノアジピン酸]を、5年目の102個の試料について10K血漿濾液の液体クロマトグラフィー、トリプル四重極質量分析により測定した。MGHI、CEL、およびCMLのレベルは、SPと比べて、GBMと定義されたFPにおいて有意に高かったことが分かった。この試験では、AGEまたはOPによってメサンギウム拡大は予測されなかった。
これらの結果は、重要なDN病変の進行の早期指標として3つのAGEを示す(表6、図3)。この試験で測定された他のAGEおよび酸化バイオマーカーは、DNの進行とは相関していなかった(表5)。
早期糖尿病性腎症を予測する上でこれらの3つのバイオマーカーの値を支持するさらなる分析は、5年目のHbA1cはGBM幅(R)の変動の4.7%を占めたが、MGHI、CEL、およびCMLがモデルに加えられたときには、GBM幅の変動が占める比率が11.6%に増加した(7.9%の増加)という観察である。さらに、これらの分析により、MGHIがGBM増加の重要な独立した予測因子であることが明らかになった。
これらの知見は、進行から保護された人々において、MGHI、CEL、およびCMLが一貫して低いことを示唆している:したがって、バイオマーカーは、DNから保護された人々を同定するはずである。MGH1に関する順序付けられたデータは、早期腎症進行者の31個のMGHI値のうちの2個(最低三分位の6%)は、順序付けられた値の下位30%(103個のうち31個)にあるが、後期腎症進行者の31個のMGHI値のうちの29個(94%)がこの下位30%を構成することを示している。これはCELおよびCMLの知見についても真であり、32個の最も低い値のうちの30個(94%)は、両方のバイオマーカーで後期進行者において見られた。これら3つのバイオマーカーのレベルも、以前に得られた非進行者のレベルと比較した(Ahmed,et al.,Diabetologia,48:1590−1603(2005);Ahmed,et al.,Science,44(12):5287−92(2003))。表7に示すように、これらの試験は、保護群(DN非進行者)の平均レベルは、非糖尿病対照において見られたレベルと同様かまたはそれよりもやや高いことを示している。
#本発明の試験からのデータ
Ahmed,Biochem Soc Trans,31(Pt6):1417−22(2003)からのデータ
‡Ahmed,et al.,Diabetologia,48:1590−1603(2005)からのデータ
結果は、3つの主要なAGEである、単独で、またはHbA1cと組み合わされた、血漿濾液中の3つのAGEのレベル(OPはない)が、(HbA1cに加えて)DNへの進行の重要な予測因子であることを示している。
B.DNの進行との関係を調査するために網羅的に消化させた血漿試料中のバイオマーカーに関する結果
AGEおよびOP(Ahmed,et al.,Diabetologia,48:1590−1603(2005)によって記載されるように行われた102個の試料の網羅的な血漿消化物上で測定)が、GBM肥厚またはメサンギウム拡大によって定義されるDNの進行と何らかの相関関係を示すかどうかを判定するために、同様の統計分析を行った。早期進行者(FP)をGBM肥厚の上位四分位(n=24)として定義し、残りを後期進行者(SP)として定義した。消化物上で測定可能であった2−アミノアジピン酸(AAA)と、検出限界未満であったGHIを除いて、「血漿濾液」に対して行ったのと同じ生成物が測定された。表5を参照のこと。下の表8に示すように、血漿消化物中のバイオマーカーのレベルとDNの進行との間には相関関係は認められなかった。
血漿または尿のいずれかの「遊離」画分に見られたものと比較して、タンパク質と結合したAGEおよびOPの上昇の程度は中程度であり、糖尿病において比較的半減期の短い血漿タンパク質があまり改変されないことを示唆している。表9を参照のこと。
表8のデータは、GBMの変化またはMESの変化の程度に基づいて、血漿中のこれらのタンパク質と結合したAGEまたはOPバイオマーカーのうちのいずれも、腎症の進行または非進行と関連していなかったことを示している。
C. 尿中AGEおよび酸化生成物の分析の完了からの結果
これらの試験のために、早期進行者(FP)をGBM肥厚の程度が最も高い上位37人の対象として定義し、残りを後期進行者(SP)として定義した。少数の異常値のために修正されたデータセットに対する分析を行い、その人間特有の個別平均を超えて>2SDの場合に値を排除した。
進行者(早期)/非進行者(後期)によって測定された8つのバイオマーカーの平均値を表10に示す。これら8つのうち、CELの尿中レベル(p=0.04)のみが有意な群間差を示した。次に近かったのがCML(p=0.10)であり、次いでDiTyr(p=0.16)であり、他の全てのp値は>0.25であった。これらの結果をさらに裏付けるために、非パラメトリック法(ウィルコクソン順位和検定)を使用して分析を繰り返したところ、CEL(p=0.02)のみが群間で異なっていた。いずれのバイオマーカーも、5年にわたるメサンギウム拡大の程度との相関関係を示さなかった。
CELで統計的有意性が得られたが、これらの結果をDNの進行に影響を及ぼすことが分かっている他の変数に合わせて調整したとき(性別、糖尿病の期間、年齢、およびHbA1c)、CELとDNの進行/非進行との間のこれらの相関関係は、もはや統計的に有意ではなかった(表11)。
これらの結果は、十分に定量化された、特異的な尿中AGEおよび酸化バイオマーカーは、生検によって証明された糖尿病性腎症の進行との統計的に有意な独立した関係を示さないことを示唆している。
別途規定のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、開示される発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に引用される刊行物およびそれらが引用される材料は、参照により具体的に組み込まれる。
当業者は、日常的な実験のみを使用して、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態の多くの均等物を認識するかまたは解明するであろう。そのような均等物は、以下の特許請求の範囲によって包含されることが企図される。

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  1. 明細書に記載された発明。
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