JP2015172432A - 荷重支持機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄型で簡単な構造で物品を所望の位置に変位可能に支持する機構を実現する。
【解決手段】荷重支持機構は、固定カム8を有する固定支持部2、荷重を受けかつ垂直に移動可能な可動支持部3、可動支持部に設けられた水平方向のカム溝13、カム溝に沿って水平に移動可能なカムフォロア部材15、荷重を支持するべく固定支持部と可動支持部間に介装された第1ばね、及びカムフォロア部材を水平方向に付勢して固定カムの固定カム面9に押圧する第2ばね18を備える。固定カムのカムフォロアへの反力が、可動支持部の高さ位置によって垂直方向の成分を含み、該垂直方向成分はばねが荷重を押し上げる力を補助又は削減する。固定カム面のカム形状は、カムフォロア周りに作用する荷重と、第1及び第2ばねのばね力と、固定カムからの反力とが平衡するように設けられる。
【選択図】図3

Description

本発明は、様々な物品等の荷重を支持するための支持機構に関し、特に対象の物品を所望の位置にかつ変位可能に支持するための荷重支持機構に関する。
従来より、コンピューターやテレビのモニター装置、OA机や作業テーブルの天板、重量物等の物品を所望の高さ位置にかつ昇降可能に支持するために、様々な支持機構が提案されている。例えば、モニター装置を上下に移動でき、一定の支持力で位置決めできるモニター装置支持機構が知られている(例えば、特許文献1、2を参照)。
特許文献1記載のモニター装置支持機構は、少なくとも1つのカムと、少なくとも1つのカム従動部材と、ばね等のエネルギー保存部材と、モニター装置を取り付けるための移動体と、移動体にカム従動部材を連結する揺動自在な腕部材とを備える。このモニター装置支持機構は、固定された基台に沿って移動体が移動すると、ばねがカムによって圧縮/伸張する。このばねのばね力は、カム面によってカム従動部材に対する反力に変換され、この反力に含まれる移動体の移動方向への第1反力成分が、腕部材を介して移動体及びモニター装置への支持力を作り出す。
特許文献1によれば、カムの形状は、移動方向への第1反力成分が一定に保たれるように設計される。このようなばねとカム形状との組み合わせによって、移動中の移動体及びモニターをその移動方向に付勢する力は略一定に保たれる。従って、移動体又はモニター装置に手で僅かな力を加えると、モニター装置を簡単に移動でき、前記力を解除すると、移動体及びモニター装置はその新たな支持位置に定位する。また、特許文献1には、カムを軸周りに回転させてカム間の間隔を調節することによってモニター装置支持機構にかかる可変負荷を調節するための調節機構が開示されている。
更に特許文献2には、同様に移動体及びモニター装置に作用させる略一定の支持力を調整するための別の力調節機構が記載されている。この力調節機構は、カムの案内面にカムフォロア(ローラー)を押圧する板ばねの実効長さ及び予張力を変化させることによって、モニター装置支持機構において様々な重量の負荷を支持できるようにしている。
また、導管等の荷重を概ね一定のばね付勢力で支持するために、荷重を懸吊支持するための主ばね機構と、主ばね機構の付勢力の変化を補償するための付加ばね機構とを備えた懸吊装置が知られている(例えば、特許文献3を参照)。主ばね機構は、垂直なスリーブに外挿され、かつ該スリーブの上端に固定された上側のヘッド部材とケーシングに固定された下側のばね受けとの間に介装された上下方向の主ばねを有し、該主ばねの上向き付勢力によって、スリーブの下端に作用する下向きの荷重を支持する。
付加ばね機構は、ヘッド部材に設けられたカムフォロアと、ケーシングに揺動自在に取り付けられたカムアーム及び該カムアームに一体に形成されたカム面と、カムアームを水平方向に付勢してカム面をカムフォロアに押圧させる付加ばねとが、それぞれ1対ずつ左右対称に配置されている。荷重によるスリーブの上下方向の変位は、それによる主ばねの付勢力の変化が付加ばねの付勢力で相殺されるように、湾曲したカム面に沿ってカムフォロアが転動することによって相殺される。
特開2002−215055号公報 特開2002−303304号公報 米国特許第4613119号公報
この種の物品支持機構は、実用上の観点から見て、構造が簡単で部品点数が少なく、小型かつ軽量に構成することが好ましい。それに加えて、特に壁面に沿って配置されることが多いテレビ等のモニター装置を支持する場合、モニター装置の薄型化に伴って、支持機構自体の装置の薄型化即ち奥行き寸法の小型化が要求されている。
ところが、特許文献1、2に記載のモニター装置支持機構では、エネルギー保存部材のコイルばねが、その軸方向をモニター装置の移動方向と略直交させた向きに配置され、そのばね力のみで移動体及びモニター装置を支持している。しかも、移動体及びモニター装置を支持する力を作り出しているのは、カム面のカム従動部材に対する反力の全部ではなく、移動体の移動方向の第1反力成分だけである。
そのため、エネルギー保存部材として、支持するべき移動体及びモニター装置の重量よりも相当大きいばね力を発揮し得る大型のコイルばねが必要である。しかも、このコイルばねは、カムの前側及び/又は背後に配置されている。更に、移動体への支持力は、カム従動部材から揺動自在な腕部材を介して伝達される。そのため、大型で大重量のモニター装置を支持するためには、例えば特許文献1、2の図4A等に記載されているように、分厚く頑丈で大きな腕部材を使用しなければならない。その結果、特許文献1、2のモニター装置支持機構は、装置全体が特に奥行き方向に大型化するので、薄型化を図ることが困難である。また、その構造が複雑なため、容易に装置の小型化・軽量化を図ることができない。
更に、特許文献1、2に記載のモニター装置支持機構は、移動体及びモニター装置の支持力がカム従動部材を付勢するばねとカム形状との組み合わせだけで決定されるから、これら文献に開示される力調節機構では、モニター装置の重量が大きく変化した場合、十分に対応できない虞がある。そのため、重量が大きく異なるモニター装置を支持するためには、ばねとカムとを取り替えたり支持機構自体を交換することが必要な場合があり得る。その結果、支持する対象物品の重量毎に個別の支持機構又は構成部品を用意しなければならず、価格も高くなるという問題が生じる。
特許文献3に記載の懸吊装置は、導管を予め決められた一定の高さ位置に安定して支持するための緩衝機構に過ぎない。そのため、導管等を所望の高さ位置に移動させかつ該高さ位置に静止した状態で支持することはできない。
また、最近のモニター装置は、一層の大画面化によってより重量化する傾向にある。そのため、物品支持機構は、より高荷重に耐え得る構造が要求されている。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、物品等の荷重を静止した状態でかつ変位可能に支持することができる荷重支持機構であって、構造が比較的簡単で部品点数が少なく、容易に小型化、特に奥行き寸法の小さい薄型化を図ることができる荷重支持機構を提供することにある。
更に本発明は、上記目的に加えて、高荷重に耐え得る十分な強度を有する荷重支持機構を提供することを目的とする。
本発明の荷重支持機構は、固定支持部と、
固定支持部に関して所定の方向に沿って所定の範囲で移動可能な、荷重を受けるための可動支持部と、
固定支持部に設けられ、固定カム面を有する固定カムと、
可動支持部に設けられ、互いに対向する第1可動カム面と第2可動カム面とを有し、可動支持部の移動方向と交差する向きに延長するカム溝と、
第1可動カム面又は第2可動カム面に接しつつ、カム溝内を該カム溝に沿って移動可能なカムフォロアと、
前記荷重を支持するように固定支持部と可動支持部との間に介装された第1ばねと、
カムフォロアを固定カム面に付勢する第2ばねとを備え、
固定カム面のカムフォロアに対する反力が、可動支持部の移動可能な前記所定の範囲においてその位置によって発生する可動支持部の移動方向に沿った第1方向の成分と、少なくとも可動支持部の移動方向に直交する第2方向の成分とを含み、
固定カム面が、カムフォロア周りに作用する前記荷重と第1ばねの付勢力と固定カム面のカムフォロアに対する反力と第2ばねの付勢力とが、可動支持部の移動可能な前記所定の範囲において平衡するカム形状を有することを特徴とする。
このような構成において、カムフォロア周りに作用する前記力が平衡状態にあるとき、可動支持部の移動方向には、前記荷重と、第1ばねの付勢力と、固定カム面の反力の第1方向の成分とが平衡する。従って、可動支持部は、他の構成要素又は外力を用いることなく、所望の位置で荷重を支持した状態に保持することができる。
ここで、「平衡」とは、本願明細書を通して、或る物体又は部材(例えば、カムフォロア)にいくつかの外力が作用しているときに、それらの合力が0であり、その結果、その物体又は部材が静止している状態にあることをいうものとする。また、この或る物体又は部材に作用する外力には、前記或る物体又は部材自体の荷重即ち自重に加えて、該或る物体又は部材と他の物体又は部材との間に発生する摩擦力、該或る物体又は部材に前記外力を作用させる他の物体又は部材において発生する摩擦力や抵抗等が含まれる。実際の使用において、これらの摩擦力等は、前記或る物体又は部材及び他の物体又は部材の重量を、カムフォロア周りに作用する前記力に加えたとき、それらの合力に等しいかそれより大きい場合、前記或る物体又は部材を静止位置に保持する力として働かせることができる。
荷重を支持して移動する可動支持部と固定カムを有する固定支持部との間には、第1ばねとカムフォロアとのみが存在し、荷重と第1ばねのばね力との差の力は、両者間で可動支持部のカム溝からカムフォロアを介して直接伝達されるので、第2ばねの付勢力を有効に荷重の支持に利用できると共に、少ない部品点数で、より小型かつ簡単な構成で、構造的に高い強度を実現することができる。
第1ばねの付勢力はその変位によって変動するから、可動支持部の位置によって荷重より小さく又は大きくなったり等しくなる。本発明によれば、可動支持部の移動方向に前記力が平衡状態にあるとき、固定カム面の反力の第1方向の成分が、第1ばねの付勢力が荷重より小さい場合に、これを補助する向きに作用し、荷重より大きい場合に、これを削減する向きに作用する。従って、可動支持部は、荷重を支持した状態で、その移動可能な所定の範囲において所望の位置に保持しかつ少ない力で簡単に移動させることができる。
或る実施態様では、それぞれに固定支持部、可動支持部、第1ばね、第2ばね、カムフォロア、固定カム及びカム溝を備える複数の支持機構からなり、前記複数の支持機構が、それぞれの固定支持部及び可動支持部を共通にしている。これにより、複数の支持機構に荷重の負担が分散されるので、より大きい荷重、より重い物品をバランス良く支持することが容易になる。また、固定支持部及び可動支持部を共通化することによって、より大きな面積で荷重を受けることができ、より長大な物品等を支持することが可能になる。
別の実施態様では、それぞれに固定支持部、可動支持部、第1ばね、第2ばね、カムフォロア、固定カム及びカム溝を備える第1支持機構と第2支持機構とからなり、第1支持機構と第2支持機構とが、それぞれの固定支持部、可動支持部及び第2ばねを共通にし、可動支持部の移動方向に関して左右対称に配置されている。これにより、より大きい荷重でも、第1支持機構と第2支持機構とで左右にバランス良く支持し、可動支持部をより安定して所望の静止位置に保持しかつ移動させることができる。
また、別の実施態様では、固定支持部が、可動支持部の移動方向の両側にそれぞれ外枠部分を有し、該外枠部分によって可動支持部の両側部が前記移動方向に案内されるように構成される。可動支持部の両側部は、このように固定支持部の外枠部分で案内されることによって、該外枠部分に支持されるから、可動支持部及び荷重支持機構の全体の構造強度を向上させることができる。
或る実施態様では、可動支持部がその移動方向に直交する向きに延長する支持部材を有し、カム溝が該支持部材に設けられ、第2ばねが、該支持部材に外装又は内装されてカムフォロアを支持部材の延長方向に付勢する圧縮コイルばねである。これにより、可動支持部の一部を構成する支持部材によって第2ばねを支持し、かつ第2ばねがその圧縮変位によって生じ得る座屈を、追加の部材を設けることなく防止でき、部品点数を少なくしかつ装置全体の構造をより簡単化することができる。
別の実施態様では、カム溝が支持部材の一端付近から反対側に向けて延長し、第2ばねがカムフォロアを支持部材の前記一端に向けて付勢するように設けられる。これにより、カムフォロアを固定カム面に当接させつつ移動させ得る範囲をより大きく設定することができる。その結果、第2ばねの付勢力の変動幅、従って固定カムの反力及びその第1方向成分の変動幅をより大きくとることができ、それだけ前記力の平衡状態を維持しながら可動支持部を移動させ得る範囲を拡大することができる。
更に別の実施態様では、カムフォロアが、カム溝をばね支持部材の前後方向に貫通する第1カムフォロア部材と、カム溝から突出する第1カムフォロア部材の前後両端にそれぞれ設けられた前後1対の第2カムフォロア部材とからなり、固定カムが、各第2カムフォロア部材を当接させる前後1対の固定カム部材からなる。これにより、固定カムからカムフォロアに作用する力が、第1カムフォロア部材の軸方向に沿ってバランス良く前後に分散し、カムフォロアがカム溝に安定して保持されるので、好都合である。
更に、ばね支持部材と前後の固定カム部材との間に別の構成要素が存在しないので、第1カムフォロア部材の軸方向長さを短くすることができ、固定カム部材からの反力による過度の撓みや変形、折損等の虞を解消することができる。固定カムにとっても、カムフォロアから受ける力の分散により、各固定カム部材の負担が小さくなるので、それらをより薄板化することができる。このように第1カムフォロア部材の軸方向長さを短くし、固定カム部材を薄板化することにより、装置全体の薄型化、軽量化を図ることができる。
また、別の実施態様では、第1ばねと第2ばねとが、可動支持部の移動方向に直交する向きに平面視したとき、互いに少なくとも部分的に重複するように配置されている。このような配置によって、荷重支持機構の奥行き寸法をより小さく即ちより薄型に設計することができる。
本発明による荷重支持機構の基本構成を示す正面図である。 図1のII-II線における矢視図である。 第2カムフォロアが固定カム面の第1領域S1にある状態での要部間の関係を説明する図である。 第2カムフォロアが固定カム面の第2領域S2にある図3と同様の説明図である。 第2カムフォロアが固定カム面の第3領域S3にある図3と同様の説明図である。 本発明を適用した物品支持装置の実施態様の斜視図である。 図6の実施態様の分解斜視図である。 支持フレーム部が最上位置にある物品支持装置の正面図である。 一方のカムフォロア部材を上から見た図8の部分拡大縦断面図である。 固定カム部材を省略して示す図9のIX-IX線における矢視図である。 支持フレーム部の下側の下部フレーム及び第2ばねを示す拡大図である。 支持フレーム部を上方から平面視した部分拡大図である。 図8の固定カム面及びカムフォロア部材を示す部分拡大図である。 支持フレーム部が中間位置にある図8と同様の正面図である。 図12の固定カム面及びカムフォロア部材を示す部分拡大図である。 支持フレーム部が最下位置にある図8と同様の正面図である。 図15の固定カム面及びカムフォロア部材を示す部分拡大図である。 固定カム面の上端付近を示す部分拡大図である。 固定カム面の下端付近を示す部分拡大図である。 本実施態様のブレーキ機構を示す部分拡大斜視図である。 図19のブレーキ機構の正面図である。 上昇時のブレーキ機構の解除動作を示す正面図である。 下降時のブレーキ機構の解除動作を示す正面図である。 スピードリミッター機構を物品支持装置の背面側から見た部分破砕拡大図である。 (a)及び(b)図は、それぞれ遠心ブレーキ機構の非作動時及び作動時の部分破砕拡大正面図である。
以下に、添付図面を参照しつつ、本発明の好適な実施態様を詳細に説明する。尚、添付図面において、本明細書全体を通して類似の構成要素には、同様の参照符号を付して表すこととする。
図1及び図2は、本発明による荷重支持機構の基本構成を概念的に示している。同図に示すように、荷重支持機構1は、例えば床や台上に設置される固定支持部2と、物品の荷重を受ける可動支持部3と、例えば引張コイルばねからなる第1ばね4とを備える。例えばテレビのモニター装置である物品Aは、可動支持部3上に設けられた取付ステー5により、荷重支持機構1の前面側に取り付けて支持することができる。
固定支持部2は、本実施態様において、垂直な左右の縦枠部材6a,6bと、前記両縦枠部材の上端間に水平に架設された横枠部材7とからなる外枠構造を有する。一方の縦枠部材6aには、その上下方向中央付近から下端付近まで延長する固定カム8が、一体に設けられている。
固定カム8は、他方の縦枠部材6b側に向けて即ち図1において右向きに凸状に、かつその接線方向の傾きが上端から下端まで全長に亘って又は部分的に変化するように湾曲している固定カム面9を有する。好ましくは、図2に示すように、縦枠部材6aの前後側部に1つずつ、1対の固定カム8,8及び固定カム面9,9が前後対称に設けられる。
可動支持部3は、本実施態様において、固定支持部2の縦枠部材6a,6b間を水平に延長する上側及び下側の横枠部材10a,10bと、垂直な左右の縦枠部材11a,11bとからなる矩形枠構造を有する。縦枠部材11a,11bは、固定支持部2の各縦枠部材6a,6b内側のガイド12a,12bに沿って上下に移動可能に設けられる。これにより可動支持部3は、物品Aを取り付けた状態で前記ガイドに案内されて、固定支持部2に関して上下方向に移動可能である。
第1ばね4は、その上端4aが固定支持部2の横枠部材7に固定され、かつ下端4bが可動支持部3の上側の横枠部材10aに固定され、垂直方向に伸縮して垂直方向上向きの付勢力FAを発生する。この第1ばね4の付勢力FAによって、可動支持部3及び物品Aは垂直方向に変位可能に支持される。
更に可動支持部3には、該可動支持部と共に移動する可動カムとして、下側の横枠部材10bを前後方向に貫通し、かつ前記可動支持部の移動方向に直交する向きに即ち水平方向に延長するカム溝13が設けられている。カム溝13は、互いに対向する平行な上側下向きの第1可動カム面14aと下側上向きの第2可動カム面14bとを有する。
カム溝13には、カムフォロア部材15が設けられている。カムフォロア部材15は、カム溝13を前後方向に貫通する断面円形の真直ぐなロッド形状又は円管形状の第1カムフォロア16と、前記カム溝から前後に突出する第1カムフォロア16の前後両端にそれぞれ設けられたローラー状の第2カムフォロア17,17とを有する。
第1カムフォロア16は、その外周面で第1及び/又は第2可動カム面14a,14bに接触しつつ、カム溝13内を該カム溝に沿って左右に移動することができる。第2カムフォロア17は、好適には第1カムフォロア16の前記両端に関して自在に回動可能であり、それぞれ対応する固定カム8の固定カム面9に当接するように配置される。
可動支持部3の下側の横枠部材10bには、圧縮コイルばねからなる第2ばね18が外装されている。第2ばね18は、固定カム8側の端部18aが第1カムフォロア16に固定され、かつ反対側の端部18bが横枠部材10bの固定カム8とは反対側の適当な位置に固定されている。第2ばね18は、第2カムフォロア17が固定カム面9に常時押圧された状態にカムフォロア部材15を付勢するように設けられる。
このとき、第2ばね18の付勢力FBは、後述するように、固定カム面9の傾きによって第2カムフォロア17に対する垂直方向上向き又は下向きの力を生じる。また、横枠部材10bの存在によって第2ばね18は、常に座屈することなく圧縮された状態で真直に保持される。
本実施態様では、カム溝13が、横枠部材10bの固定カム8側の端部付近から反対側に向けて延長している。これによって、カムフォロア部材15が第2カムフォロア17を固定カム面9に当接させつつ水平方向に移動可能な範囲、即ち水平ストロークをできるだけ大きく設定することができる。従って、第2ばね18の付勢力FBを第2カムフォロア17による固定カム面9の押圧に利用可能な範囲を、より広くとることができる。
物品Aを荷重支持機構1に支持しているとき、物品Aの荷重Wは、第1ばね4を下向きに伸長させ、この力は可動支持部3を介して伝達され、カム溝13の下向きの第1可動カム面14aによりカムフォロア部材15を押下げるように作用する。他方、第1ばね4の付勢力FAは、同じく可動支持部3を介して伝達され、カム溝13の上向きの第2可動カム面14bによりカムフォロア部材15を押上げるように作用する。
上述したように構成することによって、第1ばね4と第2ばね18とは、図2から分かるように、可動支持部3の移動方向に直交する平面即ち水平面において上下に少なくとも部分的に重なるように配置することができる。このような配置によって、荷重支持機構1を実際の装置に実現する際に、その奥行き寸法をより小さく即ちより薄型に設計することができる。これは、支持する荷重が大きくなって第1ばね4及び/又は第2ばね18に大きな付勢力が要求され、それらのばねが大型化する場合にも有利である。
別の実施態様では、第1ばね4に、引張コイルばねに代えて圧縮コイルばねを用い、可動支持部3を押し上げるように、その下側に配置することができる。また別の実施態様では、図1の第1ばねに加えて、可動支持部3の下側にそれを押し上げるように、圧縮コイルばねを追加することができる。いずれの場合も、実際に装置化する際に、その奥行き寸法をより小さく設計することができる。
本実施態様では、図2に示すように、固定カム8と第2カムフォロア17が、それぞれ第1カムフォロア16の軸方向に沿って2つずつ、下側の横枠部材10bを挟んで前後対称の対をなすように設けられている。このような配置によって、固定カム8からカムフォロア部材15に作用する力が、第1カムフォロア16の軸方向に沿ってバランス良く前後対称に分散するので、前記第1カムフォロアに撓みや変形を生じ難く好都合である。このような力の分散により、個々の固定カム8はその負担が小さくなるので、より薄板化することができる。それにより、装置全体の薄型化、軽量化を図ることができる。
更に、第1カムフォロア16には、各固定カム8からの押圧力がそれぞれ当接位置に集中してかつ同じ向きに作用するので、その軸方向長さに長過ぎると、過度の撓みや変形を生じたり折損する虞がある。本実施態様では、カム溝13を設けた横枠部材10bと固定カム8との間に別の構成要素が存在しないので、第1カムフォロア16の軸方向長さを短くすることができ、有利である。
また、固定カム面9は、第2カムフォロア17と当接する範囲がその位置によって次の3つの領域に分けられる。第1領域S1は、前記第2カムフォロアとの接点における法線方向が水平方向に関して上向きの領域である。第2領域S2は、前記第2カムフォロアとの接点における法線方向が実質的に水平方向の領域である。別言すれば、第2領域S2では、前記第2カムフォロアとの接点における接線方向が実質的に垂直である。ここで、実質的とは、完全な水平方向よりも僅かに上向き又は下向きであるが、その程度は、本発明の作用効果上又は本実施態様の動作もしくは機能上無視できるほどに小さく、水平方向と見なし得る場合を含むという意味である。また、第3領域S3は、前記第2カムフォロアとの接点における法線方向が水平方向に関して下向きの領域である。
図1、図2では、物品Aを載せた可動支持部3が、第2カムフォロア17が固定カム面9の第1領域S1内にある上方位置で静止している。この位置では、第1ばね4の変位量が小さく、そのばね力FAの大きさは荷重Wよりも小さい。図3は、この静止位置においてカムフォロア部材15、可動支持部3及び固定カム8からなる系に作用する力の平衡状態を模式的に示している。
また、説明を簡単化するため、可動支持部3、第2ばね18及びカムフォロア部材15の荷重、並びに固定支持部2のガイド12a,12bと可動支持部3の縦枠部材11a,11bとの間、第1カムフォロア16とカム溝13との間及び第2カムフォロア17と固定カム8との間の摩擦力は省略する。実際の設計では、これらの要素を考慮しなければならないことは言うまでもない。
このとき、前記可動支持部、第2ばね及びカムフォロア部材の荷重即ち重量を、前記カムフォロア部材、可動支持部、固定カムからなる系に作用する力に加えたとき、それらの合力が、前記ガイドと縦枠部材との間、第1カムフォロアとカム溝との間及び前記第2カムフォロアと固定カムばねとの間で発生する摩擦力に等しいかそれより小さければ、前記平衡状態は保たれる。これらの摩擦力によって可動支持部3は、前記平衡状態で或る位置に静止しているとき、その静止位置に保持することができる。
このように前記可動支持部を静止位置に保持する力としては、例えば、第1カムフォロア16と第2カムフォロア17間にトルクリミッターを設けた場合、該トルクリミッターによって前記両カムフォロア間に働く力が考えられる。また、この静止位置保持力は、第2カムフォロア17の固定カム面9との接触面をゴム等の摩擦係数の大きな材料で構成した場合、このゴム面と前記固定カム面間で働く摩擦力によっても得られる。
一般にばね定数kのコイルばねのばね力Fは、前記コイルばねの軸方向の変位x(ばねの自由長即ち無負荷状態の長さからの変位:ここでは、圧縮方向に正とする)についてF=k・xで表される。可動支持部3の上限位置において、物品Aを静止状態で支持できるように、第1ばね4は、自由長から所定の初期変位量xA0だけ予め伸張させた状態で、既に垂直方向上向きに初期ばね力(FA0=kA・xA0)を発揮し、同時に第2ばね18は、同様に自由長から所定の初期変位量xB0だけ予め圧縮させた状態で、既に垂直方向上向きに初期ばね力(FB0=kB・xB0)を発揮している。
図3において、第1カムフォロア16とカム溝13との間では、第1可動カム面14aとの接点Paにおいて、可動支持部3を介して物品Aの荷重Wが前記第1可動カム面から前記第1カムフォロアに対して垂直下向きに作用している。この状態で理想的には、第1カムフォロア16が、前記第1可動カム面との間だけでなく、第2可動カム面14bとの間でも力伝達可能に当接していると仮定することができる。その場合、それらの接点Pbでは、第1ばね4の付勢力FAが前記第1カムフォロアに対して垂直上向きに作用すると考えられる。
実際には、このような理想的な状態で第1カムフォロア16と第2可動カム面14bとが力伝達可能に当接することは困難で、その場合、それらの接点Pbで相互に作用する力は存在しない。このとき、接点Paでは、第1可動カム面14aから第1カムフォロア16に対して、恰も物品Aの荷重Wから第1ばね4の付勢力FAを差し引いた大きさの力Fvが垂直下向きに作用しているのと等価である。いずれの場合にも、カム溝13から第1カムフォロア16には、実質的に物品Aの荷重Wから第1ばね4の付勢力FAを差し引いた大きさの力Fvが、垂直下向きに作用していることになる。
第2カムフォロア17と固定カム面9との接点Pcでは、前記第2カムフォロアから前記固定カム面への押圧力と、前記固定カム面からその法線方向に作用する反力Rcとが平衡している。前記第2カムフォロアから前記固定カム面への押圧力は、第2ばね18の付勢力FBと、上述したように第1カムフォロア16に作用する垂直下向きの力Fvとの合力である。前記固定カム面の反力Rcは、上向きの垂直方向成分Rc1と、水平方向成分Rc2とを有する。
前記第2カムフォロアが前記固定カム面上の或る位置で静止しているとき、荷重Wと第1ばね4のばね力FAと反力Rcの垂直方向成分Rc1との間には、力の作用方向を垂直方向上向きを正として、次の関係が理論上常に成立する。
W+FA+Rc1=0
尚、実際の設計では、前述したように各部材の間で摩擦力が発生し、この関係式で表す合力が0でなく、僅かに値を持っていたとしても、その合力が前記各部材間の摩擦力よりも小さければ、平衡状態が保たれる。
第2ばね18の付勢力FBと反力Rcの水平方向成分Rc2の間には、水平方向に力の作用方向を図中右向きを正として、次の関係が理論上常に成立する。
FB+Rc2=0
従って、反力Rcの水平方向成分Rc2の大きさは、第2ばね18の付勢力FBに等しい。この付勢力FBの大きさによって、反力Rcの大きさ、従って垂直方向成分Rc1の大きさが決定される。
図3の場合、第1ばね4のばね力FAの大きさが荷重Wよりも小さいので、前記固定カム面から上向きに作用している反力Rcの垂直方向成分Rc1をアシスト力として加えることによって、垂直方向に荷重Wとの平衡を実現している。この状態で可動支持部3を押し下げ又は押し上げると、その力が荷重W又はばね力FAに付加されて、前記平衡が崩れるため、物品Aを比較的小さい力で簡単に昇降させることができる。
可動支持部3を昇降させると、カムフォロア部材15は、第1カムフォロア16がカム溝13に沿ってかつ第2カムフォロア17が固定カム面9に沿って、左右方向に変位しながら下方又は上方に移動する。前記第2カムフォロアが前記固定カム面の第1領域S1の範囲内にある間、反力Rcの上向きの垂直方向成分Rc1が第1ばね4のばね力FAを、荷重Wと平衡させるように補助する。
第1領域S1の範囲内において、可動支持部3が下降して第1ばね4の変位が大きくなると、それに対応してばね力FAが増大し、それに伴って反力Rcの垂直方向成分Rc1によるアシスト力も小さくて済むようになる。従って、固定カム面9の接線方向の垂直方向に対する傾きも、下方へ第2領域S2に近付くほど小さくなる。
他方、第2ばね18は、可動支持部3の下降により第2カムフォロア17が固定カム面9を下方に移動するにつれて、圧縮変位が大きくなり、ばね力FBが増大する。それに伴い、前記第2カムフォロアから前記固定カム面への押圧力、従って反力Rcが増大する。固定カム面9の傾きは、第1ばね4のばね力FAの変化に加えて、第2ばね18のばね力FBの変化をも考慮して、反力Rcの垂直方向成分Rc1によるアシスト力が最適となるように決定することが好ましい。
図4は、物品Aを載せた可動支持部3を図1の上方位置から押し下げて、図1に想像線で示すように、第2カムフォロア17が固定カム面14の第2領域S2内にある中間位置で静止させたとき、カムフォロア部材15、可動支持部3、固定カム8からなる前記系に作用する力の平衡状態を模式的に示している。同様に簡単化のため、可動支持部3、第2ばね18及びカムフォロア部材15の荷重、並びに固定支持部2のガイド12a,12bと可動支持部3の縦枠部材11a,11bとの間、第1カムフォロア16とカム溝13との間及び第2カムフォロア17と固定カム8との間の摩擦力は省略して説明する。
この場合、第1カムフォロア16とカム溝13との間では、垂直方向に第1ばね4のばね力FAと荷重Wとが実質的に平衡している。従って、ばね力FAは、固定カム面9からの反力Rcによるアシスト力を必要としない。
第2カムフォロア17と固定カム面9との接点Pcでは、固定カム面14からの反力Rcが、前記第2カムフォロアに第2ばね18から作用する付勢力FBと平衡しており、垂直方向成分を有しない。この状態でも、可動支持部3を押し下げ又は押し上げると、その力が荷重W又はばね力FAに付加されて、前記平衡が崩れるため、物品Aを比較的小さい力で簡単に昇降させることができる。
物品Aを載せた可動支持部3を更に押し下げて、図1に想像線で示すように、第2カムフォロア17が固定カム面9の第3領域S3内にある下方位置で静止させる。このとき、第1ばね4は変位が更に増大して、そのばね力FAの大きさは荷重Wよりも大きくなる。
図5は、この静止位置において、カムフォロア部材15、可動支持部3、固定カム8からなる前記系に作用する力の平衡状態を模式的に示している。同様に簡単化のため、可動支持部3、第2ばね18及びカムフォロア部材15の荷重、並びに固定支持部2のガイド12a,12bと可動支持部3の縦枠部材11a,11bとの間、第1カムフォロア16とカム溝13との間及び第2カムフォロア17と固定カム8との間の摩擦力は省略して説明する。
同図において、第1カムフォロア16とカム溝13との間では、第2可動カム面14bとの接点Pbにおいて、第1ばね4の付勢力FAが前記第1カムフォロアに対して垂直上向きに作用している。この状態で理想的には、第1カムフォロア16が、前記第2可動カム面との間だけでなく、第1可動カム面14aとの間でも力伝達可能に当接していると仮定することができる。その場合、それらの接点Paでは、可動支持部3を介して物品Aの荷重Wが前記第1可動カム面に対して垂直下向きに作用すると考えられる。
実際には、このような理想的な状態で第1カムフォロア16と第1可動カム面14aとが力伝達可能に当接することは困難で、その場合、それらの接点Paで相互に作用する力は存在しない。このとき、接点Pbでは、第2可動カム面14bから第1カムフォロア16に対して、恰も第1ばね4の付勢力FAから物品Aの荷重Wを差し引いた大きさの力Fvが垂直上向きに作用しているのと等価である。いずれの場合にも、第1カムフォロア16には、実質的に第1ばね4の付勢力FAから物品Aの荷重Wを差し引いた大きさの力Fvが、カム溝13から垂直上向きに作用していることになる。
第2カムフォロア17と固定カム面9との接点Pcでは、前記第2カムフォロアから前記固定カム面への押圧力と、前記固定カム面からその法線方向に作用する反力Rcとが平衡している。前記第2カムフォロアから前記固定カム面への押圧力は、第2ばね18の付勢力FBと、上述したように第1カムフォロア16に作用する垂直上向きの力Fvとの合力である。前記固定カム面の反力Rcは、下向きの垂直方向成分Rc1と、水平方向成分Rc2とを有する。
前記下方位置では、第1ばね4のばね力FAの大きさが荷重Wよりも大きいので、固定カム面9から下向きに作用している反力Rcの垂直方向成分Rc1が、ばね力FAによる上向きの付勢力即ち押し上げ力を削減する向きに作用することによって、垂直方向に荷重Wとの平衡を実現している。この状態でも、可動支持部3を押し下げ又は押し上げると、その力が荷重W又はばね力FAに付加されて、前記平衡が崩れるため、物品Aを比較的小さい力で簡単に昇降させることができる。
可動支持部3を昇降させると、カムフォロア部材15は、第1カムフォロア16がカム溝13に沿ってかつ第2カムフォロア17が固定カム面9に沿って、左右方向に変位しながら下方又は上方に移動する。前記第2カムフォロアが前記固定カム面の第3領域S3の範囲内にある間、反力Rcの下向きの垂直方向成分Rc1が、第1ばね4のばね力FAによる押し上げ力を削減して荷重Wと平衡させる向きに作用する。
第3領域S3の範囲内において、可動支持部3が上昇して第1ばね4の変位が小さくなると、それに対応してばね力FAが減少し、それに伴って、ばね力FAによる押し上げ力を削減する反力Rcの垂直方向成分Rc1も小さくて済むようになる。従って、固定カム面9の接線方向の垂直方向に対する傾きも、上方へ第2領域S2に近付くほど小さくなる。
他方、第2ばね18は、可動支持部3の上昇により第2カムフォロア17が固定カム面9を上方に移動するにつれて、圧縮変位が大きくなり、ばね力FBが増大する。それに伴い、前記第2カムフォロアから前記固定カム面への押圧力、従って反力Rcが増大する。固定カム面9の傾きは、第1ばね4のばね力FAの変化に加えて、第2ばね18のばね力FBの変化をも考慮して、ばね力FAによる押し上げ力の削減が最適となるように、決定することが好ましい。
このように本実施態様によれば、固定カム面9の全領域で、カムフォロア部材15、可動支持部3及び固定カム8からなる系に作用する物品Aの荷重W、第1ばね4のばね力FA、第2ばね18のばね力FB及び固定カム8からの反力が、カムフォロア部材15周りで平衡している。それにより、物品Aを載せた可動支持部3をその上下ストロークの範囲において、所望の高さ位置に静止させかつその位置を保持し、また比較的少ない力で簡単に昇降させることができる。
上述した本発明の基本構成は、様々な変形・変更を加えて実施することができる。例えば、第2ばね18は、横枠部材10bを管状部材で構成し、その中に内装することもできる。また、可動支持部3は、上述した矩形枠以外の様々な構造が可能である。
更に、図1の固定カム8、カム溝13、カムフォロア部材15及び第2ばね18をもう1組追加して、固定支持部2及び可動支持部3の左右方向の中心線に関して鏡面対称に配置することができる。このとき、前記第2ばねは1つの共通の圧縮ばねで構成し、その両端にそれぞれ前記カムフォロア部材15を設けることが好ましい。このように左右対称に構成することによって、前記固定カムが負担する荷重を少なくし、全体として、より大きな荷重を左右にバランス良く安定して支持することができる。
このような本発明の変形例を具体的に適用した物品支持装置の好適な実施態様を、図6乃至図8に示す。本実施態様の物品支持装置20は、大画面テレビモニター等のような比較的大きい重量の物品Bを支持するためのもので、床面等に移動可能に設置される基台21と、該基台に固定される固定フレーム部22と、前記固定フレーム部に昇降可能に取り付けられる支持フレーム部23と、第1ばね24と、支持フレーム部23を昇降操作するための操作ハンドル部25とを備える。
物品Bは、後述するように支持フレーム部23に一体にかつ取り外し可能に取り付けられる。固定フレーム部22は、その下部を基台21の台板21a上面にステー21bによってしっかりと立設固定される。
固定フレーム部22は概ね矩形の枠構造からなり、水平に延長する上部及び下部フレーム26,27と、前記上部フレームと下部フレーム間を垂直に延長する左右側部フレーム28,29とを有する。更に固定フレーム部22には、左右側部フレーム28,29間を水平に延長する略中間高さの中間フレーム30と前記上部フレームとの間を垂直に延長する第1ブレーキレール31が中央に設けられている。
図9(a)は、固定フレーム部22の一方の側部フレーム28の断面を示しているが、他方の側部フレーム29も側部フレーム28と全く対称に構成されているので、図面は省略する。図9(a)に示すように、側部フレーム28,29には、それぞれ前記枠構造の内側に開口する断面コ字状のガイドレール32,33が、該側部フレームの略上端から下端まで形成されている。
固定フレーム部22の左右側部フレーム28,29には、中間フレーム30より下側部分の内側に、固定カム部材34,35が左右対称に取り付けられている。固定カム部材34,35は、それぞれ側部フレーム28,29の前後面に互いに平行に固定された2枚の上下方向に長いカムプレートを有する。固定カム部材34,35はそれぞれ、その上端付近から下端付近まで延長する固定カム面36,37を有する。固定カム面36,37は互いに対向する向きに凸状をなし、その接線方向の傾きが上端から下端まで全長に亘って又は部分的に変化するように湾曲するように設けられている。
支持フレーム部23は概ね矩形の枠構造からなり、垂直に延長する左右ガイドフレーム38,39と、前記両ガイドフレーム間を水平に延長する上部フレーム40及び上下に少し離隔された2つの下部フレーム41,42とを有する。支持フレーム部23は固定フレーム部22に、左右ガイドフレーム38,39をそれぞれ前記固定フレーム部の対応する左右側部フレーム28,29のガイドレール32,33内に摺動可能に嵌装させ、前記ガイドレールに沿って上下に移動可能に装着される。
左右ガイドフレーム38,39には、ガイドレール32,33内を摺動する際にその内面との間で生じ得る摩擦その他の抵抗を低減又は解消するために、前記ガイドレール内面に摺接して転動する複数のローラー43が取り付けられている。これにより、支持フレーム部23は、固定フレーム部22に対して左右にガタついたり変位することなく、上下方向に円滑に移動することができる。
このように支持フレーム部23をその外枠が固定フレーム部22の外枠に直接支持されるように取り付けることによって、支持フレーム部23それ自体及び装置全体の構造強度が向上する。それにより、物品Bの大重量化に対応可能な耐高荷重かつ高強度な構造の物品支持装置20を実現することができる。
支持フレーム部23には、物品Bを固定するために、それぞれ前記ガイドフレームの直ぐ前側を垂直に延長する左右1対の取付ステー44が設けられている。更に支持フレーム部23には、上部フレーム40の中央にブレーキ装置45が設けられている。前記ブレーキ装置は、後述するように、操作ハンドル部25によって係合させ又は係合解除することができる。
第1ばね24は、支持フレーム部23の左右ガイドフレーム38,39の直ぐ内側にそれぞれ2本ずつ左右対称にかつ左右方向に並列に配置された引張コイルばね46,47を有する。各引張コイルばね46,47は、上端を固定フレーム部22の上部フレーム26に固定して垂直に吊り下げられ、下端が支持フレーム部23の上側の下部フレーム41に固定されている。
図10に示すように、支持フレーム部23の下側の下部フレーム42には、該下部フレームを前後方向に貫通する2つのカム溝48、49が左右対称に設けられている。図中左側のカム溝48について図9(a)、(b)に示すように、各カム溝48、49は、下部フレーム42の左右両端付近から反対側に向けて水平に所定の長さ延長し、互いに対向する平行な上側下向きの第1可動カム面50a、51aと、下側上向きの第2可動カム面50b,51bとを有する。
下部フレーム42には、圧縮コイルばねからなる第2ばね52が外装されている。第2ばね52は、このように支持フレーム部23の一部を構成する真直ぐな下部フレーム42に外装することによって、その圧縮により生じ得る座屈を確実に防止することができる。別の実施例では、筒状をなす下部フレーム42の内部に第2ばね52を装着することもできる。
第2ばね52の左右両端には、下部フレーム42に摺動自在に外挿されたカムフォロアホルダー53,54を介して、それぞれカムフォロア部材55,56が設けられている。図中左側のカムフォロア部材55について図9(a)に示すように、カムフォロア部材55,56は、カム溝48、49を前後方向に貫通する断面円形の真直ぐなロッド状の第1カムフォロア57,58を有する。更にカムフォロア部材55,56は、前記カム溝から前後に突出する第1カムフォロア57,58の前後両端にそれぞれ設けられたローラー状の第2カムフォロア59,60を有する。
第1カムフォロア57,58は、その外周面で第1可動カム面50a、51a及び第2可動カム面50b,51bに接触しつつ、カム溝48、49内を該カム溝に沿って左右に移動することができる。第2カムフォロア59,60は、例えば転がり軸受を介して第1カムフォロア57,58の前記両端に関して回動自在に装着することもできる。
第2カムフォロア59,60は、それぞれ対応する固定カム部材34,35の固定カム面36,37に当接するように配置される。また、第2カムフォロア59,60は、第2ばね52によってそれぞれ水平方向外向きに付勢され、対応する固定カム部材34,35の固定カム面36,37に押圧される。
図中左側のカムフォロアホルダー53について図9(b)に示すように、カムフォロアホルダー53,54は、第2ばね52の軸方向に沿って外側の第1ホルダー部材61,62と内側の第2ホルダー部材63,64とからなる。前記第1ホルダー部材は、例えば軸受を介して第1カムフォロア57,58を回動自在に保持する。前記第2ホルダー部材は、その端面で第2ばね52の端部を受けるためのばね受けである。
第1ホルダー部材61,62と第2ホルダー部材63,64とは、互いに接合されて噛み合いジョイントを構成するように、相補的に係合可能な複数の段差を周方向に階段状に設けた突き合わせ面をそれぞれ有する。第1ホルダー部材61,62と第2ホルダー部材63,64とを周方向に相対的に回転させて、それらの突き合わせ位置を変えることによって、カムフォロアホルダー53,54の軸方向長さを変えることができる。
図9(a)に示すように、固定カム部材34の前記各カムプレートは、それぞれカムフォロア部材55の軸方向に沿って2つずつ前後対称をなすように配置されているので、前記各カムプレートがカムフォロア部材55を押圧する力は、その軸方向に沿って分散しかつそれぞれ前後対称に作用する。図示しないが、他方のカムフォロア部材56についても、同様に固定カム部材35の前記各カムプレートによる押圧力が、その軸方向に沿って分散しかつそれぞれ前後対称に作用する。これにより、カムフォロア部材55、56は、カム溝48、49内で安定して水平に保持される。更にこのような力の分散によって、固定カム部材35は、各前記各カムプレートの負担が小さくなるので、それらをより薄板化することができる。それにより、装置全体の薄型化、軽量化を図ることができる。
また、固定カム部材34、35の前記各カムプレートは、カム溝48、49が設けられた支持フレーム部23の下部フレーム42との間に別の構成要素が存在しないので、それらを前後方向に間隔を小さくして配置することができる。その結果、カムフォロア部材55、56は、第1カムフォロア57,58の軸方向長さを短くすることができ、それらが長過ぎる場合に生じ得る過度の撓みや変形又は折損の虞を予め解消することができる。
図11は、支持フレーム部23の図中左側部分を部分的に拡大して上方から平面視した図である。同図に示すように、本実施態様の物品支持装置20は、第1ばね24の引張コイルばね46の略全体が、第2ばね52と上下に重なるように平面配置されている。図示しないが、反対側の引張コイルばね47も同様に、略全体が、第2ばね52と上下に重なる関係に平面配置されている。このような配置によって、仮令第1ばね24及び/又は第2ばね52の外径が大きくなっても、物品支持装置20の奥行き寸法を最小に抑制して、薄型に設計することができる。
図8に示すように、固定カム面36,37は、図1に関連して説明したと同様に、第2カムフォロア59,60との当接位置によって次の3つの領域に分けられる。第1領域S1は、前記第2カムフォロアとの接点における法線方向が水平方向に関して上向きの領域である。第2領域S2は、前記第2カムフォロアとの接点における法線方向が実質的に水平方向、即ち接線方向が実質的に垂直方向の領域である。実質的とは、上述したように完全な水平方向よりも僅かに上向き又は下向きであるが、その程度は、物品支持装置20の作用効果上又はその動作もしくは機能上無視できるほどに小さく、水平方向と見なし得る場合を含むという意味である。また、第3領域S3は、前記第2カムフォロアとの接点における法線方向が水平方向に関して下向きの領域である。
操作ハンドル部25は、支持フレーム部23の左右両ガイドフレーム38,39の前部に取り付けられた左右の垂直な伝達ロッド65を有する。各伝達ロッド65の下部には、略L字型の連結ステー66がそれぞれ結合され、前方へ突出する両連結ステー66の先端部によって、左右方向に延長する長尺なハンドル桿67が保持されている。このハンドル桿67を手で持って操作ハンドル部25を操作することにより、支持フレーム部23及び物品Bを昇降させることができる。
図8及び図12は、物品Bを取り付けた支持フレーム部23がその移動範囲の最上位置にある場合を示している。第2カムフォロア59,60は、固定カム面36,37の第1領域S1の上端で静止している。この位置において、カムフォロア部材55、56、固定フレーム部22び支持フレーム部23からなる系に作用する物品Bの荷重W、第1ばね24のばね力FA、第2ばね52のばね力FB、及び前記固定カム面からの反力は、前記カムフォロア部材の周りで平衡している。
第1領域S1では、第1ばね24の各引張コイルばね46,47の変位が小さく、そのばね力FAは物品Bの荷重Wより小さい。第2カムフォロア59に固定カム面36から作用する反力Rcは、上向きの垂直方向成分を含むから、これをアシスト力として第1ばね24のばね力FAに加えることによって、垂直方向に荷重Wと平衡している。
図13及び図14は、物品Bを取り付けた支持フレーム部23がその移動範囲の中間位置にある場合を示している。第2カムフォロア59,60は、固定カム面36,37の第2領域S2内の位置で静止している。この中間位置でも、前記カムフォロア部材、固定フレーム部及び支持フレーム部からなる前記系に作用する物品Bの荷重W、前記第1ばねのばね力FA、前記第2ばねのばね力FB、及び前記固定カム面からの反力が、前記カムフォロア部材の周りで平衡している。
第2領域S2では、第1ばね24のばね力FAと荷重Wとが実質的に平衡している。固定カム面36,37からの反力Rcは実質的に水平方向成分だけで、第2ばね52のばね力FBと平衡しており、垂直方向成分は有しない。
図15及び図16は、物品Bを取り付けた支持フレーム部23がその移動範囲の最下位置にある場合を示している。第2カムフォロア59,60は、固定カム面36,37の第3領域S3の下端で静止している。この下端位置でも、前記カムフォロア部材、固定フレーム部及び支持フレーム部からなる前記系に作用する物品Bの荷重W、前記第1ばねのばね力FA、前記第2ばねのばね力FB、及び前記固定カム面からの反力が、前記カムフォロア部材の周りで平衡している。
第3領域S3では、第1ばね24の各引張コイルばね46,47の変位が大きく、そのばね力FAは物品Bの荷重Wより大きい。第2カムフォロア59に固定カム面36から作用する反力Rcは、下向きの垂直方向成分を含んでおり、これが、第1ばね24のばね力FAによる押し上げ力を削減する向きに作用することによって、垂直方向に荷重Wと平衡している。
物品Bの荷重Wが小さくなると、第1ばね24に変更はないから、そのばね力FAは相対的に大きくなる。従って、第1領域S1では、前記固定カム面によるばね力FAへのアシスト力を小さくし、第3領域S3では、ばね力FAによる押し上げ力を削減する下向きの力を大きくする必要がある。
逆に、物品Bの荷重Wが大きくなると、第1ばね24のばね力FAは相対的に小さくなる。従って、第1領域S1では、前記固定カム面によるばね力FAへのアシスト力を大きくし、第3領域S3では、ばね力FAによる押し上げ力を削減する下向きの力を小さくする必要がある。
物品支持装置20では、カムフォロアホルダー53,54の軸方向長さを変更して第2ばね52の圧縮変位を調節することによって、支持フレーム部23の同じ高さ位置における第2ばね52の付勢力FB、従って前記固定カム面からの反力Rcを増減するように調整する。荷重Wが小さい場合は、前記カムフォロアホルダーの軸方向長さを短くして、第2ばね52の付勢力FBを減少させ、前記固定カム面からの反力Rc及びその垂直方向成分を小さくする。逆に、荷重Wが大きい場合は、前記カムフォロアホルダーの軸方向長さを長くして、第2ばね52の付勢力FBを増加させ、前記固定カム面からの反力Rc及びその垂直方向成分を大きくする。
物品支持装置20において、物品Bは、静止位置で垂直方向に力が平衡しているので、どの高さ位置からであっても、比較的小さな力で容易に別の高さ位置に移動させることができる。その反面、物品の質量が大きくなると、それだけ移動中の物品に働く慣性力が大きくなるから、所望の位置で停止させることが困難になる虞がある。最悪の場合、物品Bを載せた支持フレーム部23が、その移動範囲即ち上下ストロークの上端又は下端で固定フレーム部22に激しく衝突する虞がある。
かかる問題を解消する手段として、一般に、運動エネルギーを減衰又は吸収するダンパー、ショックアブソーバーやゴム等の弾性体が知られている。例えば、流体抵抗を利用したガススプリングやオイルダンパーを使用すると、装置全体が複雑で大型化・重量化し、扱い難くなるだけでなく、高価格になる。ゴム等の弾性体は、常に十分な効果を得られるとは限らない。
本実施態様の物品支持装置20は、支持フレーム部23の上下ストロークの上端及び下端において支持フレーム部23の移動を減速させ、大きな衝撃を生じることなく停止させるために効果的で簡単な構成の緩衝機構を備えている。この緩衝機構は、以下に説明するように、本発明の基本的な技術思想に基づいて、第2カムフォロア59,60を従動させる固定カム部材34、35の前記カムプレートに新規で斬新な工夫を加えることによって、効果的に実現される。
図17は、図中左側の固定カム部材34の固定カム面36の上端付近を拡大して示している。同図において、実線で示す第2カムフォロア59と固定カム面36との接点が、物品Bを取り付けた支持フレーム部23を所望の高さ位置で静止させる機能が発揮される前記固定カム面の有効領域Sの上限位置C1である。固定カム面36には、上限位置C1から更に上方へ延長して、上部緩衝域L1と上部ストッパ域M1とが連続して設けられている。
上部緩衝域L1は、図中想像線で示す仮想の固定カム面延長部36’とは逆向きに大きく湾曲し、途中、その接線方向が垂直方向を向く点D1を通り、更に上部ストッパ域M1に向けて湾曲している。上部ストッパ域M1は、第2カムフォロア59の上方への移動を完全に阻止する下向きの水平面である。
上部緩衝域L1は、上限位置C1から点D1まで、垂直方向に関する接線方向の傾きが急激に小さくなり、それに伴って固定カム面36から第2カムフォロア59への反力は、上向きの垂直方向成分が急激に減少して、点D1で0となる。それにより、固定カム面36から第1ばね24の付勢力FAへのアシスト力が急激に失われて、物品B及び支持フレーム部23の上昇は大きく減速される。
点D1から上部ストッパ域M1までの範囲では、逆に、固定カム面36から第2カムフォロア59への反力が下向きの垂直方向成分を発生する。これにより、第2カムフォロア59を押し下げる力が作用するので、物品B及び支持フレーム部23の上昇は更に大きく減速される。
このように下向きの減速作用が働くことによって、支持フレーム部23のガイドフレーム38,39が固定フレーム部22のガイドレール31の上端に衝突することなく、第2カムフォロア59は、上部緩衝域L1内で停止するか、停止しない場合でも、比較的低速で上部ストッパ域M1に入って停止する。この停止位置では、物品B及び支持フレーム部23は、それらの重量が第1ばね24の押し上げ力を上回っているので、非常に僅かな時間停止した後、自重でゆっくりと僅かに下降し、第2カムフォロア59が上限位置C1付近に戻って静止する。
図18は、固定カム面36の下端付近を拡大して示している。同図において、実線で示す第2カムフォロア59と固定カム面36との接点は、前記固定カム面の有効領域Sの下限位置C2である。固定カム面36には、下限位置C2から更に下方へ延長して、下部緩衝域L2が設けられている。
下部緩衝域L2は、上部緩衝域L1は、図中想像線で示す仮想の固定カム面延長部36”とは逆向きに大きく湾曲し、途中、その接線方向が垂直方向を向く点D2を通り、更に湾曲している。下限位置C2からD2まで、垂直方向に関する接線方向の傾きが急激に小さくなり、それに伴って、固定カム面36から第2カムフォロア59への反力は、下向きの垂直方向成分が急激に減少して、点D2で0となる。これにより、第1ばね24の付勢力に抗して支持フレーム部23を押し下げる力が急激に失われて、物品B及び前記支持フレーム部の下降は大きく減速される。
点D2を超えた範囲では、逆に、固定カム面36から第2カムフォロア59への反力が上向きの垂直方向成分を発生する。これにより、第2カムフォロア59を押し上げる力が作用するので、物品B及び支持フレーム部23の下降は更に大きく減速される。
このように上向きの減速作用が働くことによって、支持フレーム部23のガイドフレーム38,39が固定フレーム部22のガイドレール31の下端に衝突することなく、第2カムフォロア59は、下部緩衝域L2内で停止する。この停止位置では、物品B及び支持フレーム部23は、それらの重量を第1ばね24の押し上げ力が上回っているので、非常に僅かな時間停止した後、前記第1ばねの付勢力で僅かに上昇し、第2カムフォロア59が固定カム面36の下限位置C2付近に戻って静止する。
図17及び図18では、図中左側の固定カム部材34についてのみ説明したが、右側の固定カム部材35についても、同様に上部緩衝域L1と上部ストッパ域M1及び下部緩衝域L2を設けることができる。当然ながら、固定カム部材34,35の一方にのみ設けてもよい。また、上部緩衝域L1と上部ストッパ域M1又は下部緩衝域L2の一方だけを設けることもできる。
本実施態様では、支持フレーム部23を上下ストロークの上端及び下端において減速かつ/又は停止させるために、固定カム面36を有効領域Sの上方及び下方に延長させ、カムフォロア部材55周りに作用する力が非平衡になる緩衝域を設けている。別の実施態様では、このように、カムフォロア部材55周りの力が非平衡になる領域を、前記カムフォロア部材周りの力が平衡になる領域の間に、即ち固定カム面36の有効領域Sの範囲内に設けることができる。
例えば、固定カム面36の第1領域S1内に、上向きのアシスト力を平衡状態よりも減じる方向の傾きの非平衡領域と再び前記アシスト力を元の大きさに戻す方向の傾きの非平衡領域とを連続させて、平衡領域と平衡領域との間に設けることができる。また、固定カム面36の第3領域S3内では、ばねの付勢力を削減する下向きの力を平衡状態よりも減じる向きの傾きの非平衡領域と再びその力を元の大きさに戻す向きの傾きの非平衡領域とを連続させて、平衡領域と平衡領域との間に設けることができる。
これによって、移動中の支持フレーム部23は、平衡領域から非平衡領域に入り、また平衡領域に戻る際に、一時的な移動速度の変動及びそれによる軽い衝撃を受けることになる。そのため、操作ハンドル部25のハンドル桿67を手で持って操作しているユーザーは、移動中の支持フレーム部23の高さ位置を知ることができる。
また、非平衡領域内で傾きの方向が変わる位置は、カムフォロア部材55周りの力が平衡状態になる。従って、この位置を予め設定しておくことによって、支持フレーム部23を所望の高さ位置で静止させることが容易になる。このような高さ位置として、例えば支持フレーム部23の上下ストロークの中間位置がある。
上述した図1及び図6の実施態様では、カム溝13,48,49が横枠部材10b又は下部フレーム42を水平に延長するように設けられている。別の実施態様では、支持機構の構造や用途、設計条件等に応じて、斜めに即ち前記可動支持部又は支持フレーム部の移動方向に関して直交しない交差方向に設けることもできる。
更に、カム溝13,48,49内の前記第1可動カム面及び第2可動カム面も、必ずしも平行に設けなくても良い。前記第1可動カム面及び第2可動カム面が互いに対向する向きに配置され、その一方とカムフォロア部材とが接触し、それらの間で荷重と第1ばねのばね力とが伝達可能に構成されていればよい。
更に、本実施態様の物品支持装置20は、外部から振動や衝撃等の力が加わった場合でも、支持フレーム部23を所望の高さ位置に保持し、簡単な操作で容易に移動させ又は停止させることができるブレーキ機構を備えている。このブレーキ機構は、支持フレーム部23のブレーキ装置45と固定フレーム部22の第1ブレーキレール31とで構成される。ブレーキ装置45は、操作ハンドル部25のハンドル桿67を操作することにより、伝達ロッド65を介して作動させ又はそれを解除することができる。
ブレーキ装置45は、図19に示すように、支持フレーム部23の上部フレーム40の直ぐ前方に僅かに離隔してそれと平行に、かつ固定支持フレーム部22の第1ブレーキレール31の直ぐ背後に配置され、左右方向に延長する伝達プレート71を有する。伝達プレート71は、例えば適当なステー72を用いて、左右両端部をそれぞれ左右の伝達ロッド65の上端部に固定して一体に取り付けられている。
伝達ロッド65は、隣接する支持フレーム部23の左右ガイドフレーム38,39に相対的に上下に予め決められた僅かな範囲で移動可能に取り付けられている。具体的には、伝達ロッド65及び伝達プレート71は、図20に示すホーム位置と、図21に示す上向き解除位置及び図17に示す下向き解除位置との間で上下に移動させることができる。
少なくとも一方の伝達ロッド65には、ラック73が一体に設けられ、該ラックに歯合するピニオン74が、前記両ガイドフレーム間に軸方向に回動自在に横架されたばね軸75に同軸にかつ一体に装着されている。ばね軸75には、ピニオン74及びラック73を介して伝達ロッド65を上向きに付勢するための、例えばコイルばねからなる戻しばね76が緩やかに巻装されている。戻しばね76は、その一端76aが、ばね軸75上のツメ75aに伝達ロッド65を上向きに付勢する向きに係着され、他端76bが、ばね軸75の回転位置によって前記ガイドフレームの係止部(図示せず)と係脱自在に設けられている。
図20のホーム位置では、戻しばね76は他端76bが前記係止部に係合して、伝達ロッド65及び伝達プレート71を上向きに付勢している。操作ハンドル部25を手で押し下げて、前記伝達ロッド及び伝達プレートを前記ホーム位置から図22の下向き解除位置に動かしたとき、戻しばね76の他端76bは依然として前記係止部に係合している。この後、手を前記操作ハンドル部から離すと、前記伝達ロッド及び伝達プレートは戻しばね76の付勢力で上方へ移動し、前記ホーム位置に復帰する。
逆に、操作ハンドル部25を手で押し上げて、前記ホーム位置から図21の上向き解除位置に動かすと、戻しばね76の他端76bは前記係止部との係合を解除し、前記戻しばねの付勢力は失われる。この後、手を前記操作ハンドルから離すと、前記伝達ロッド及び伝達プレートは自重で降下し、前記戻しばねの付勢力が再び得られる前記ホーム位置に復帰して静止する。
伝達プレート71には、第1ブレーキレール31を挟んで左右対称に各1対の伝達ピン77a,77b,78a,78bが前方に向けて一体に突設されている。伝達ピン77a,77b,78a,78bは、第1ブレーキレール31の直ぐ外側に、かつ各対が互いに上下に或る距離をもって離隔して配置されている。
支持フレーム部23の上部フレーム40には、第1ブレーキレール31を挟んで前記伝達ピンよりも外側にかつ左右対称に各1対の支軸79a,79b,80a,80bが前方に向けて一体に突設されている。上側の支軸79a,80aは上側の伝達ピン77a,78aより下方に、下側の支軸79b,80bは下側の伝達ピン77b,78bより上方に配置されている。前記各支軸の先端は伝達プレート71に開設された抜き孔(図示せず)を挿通して、該伝達プレートの前方まで延出している。伝達プレート71の前記抜き孔は、上述した操作ハンドル部25による該伝達プレートの上下移動を妨げないように十分大きく形成される。
伝達プレート71の全面から突出する各支軸79a,79b,80a,80bの先端には、それぞれブレーキアーム81a,81b,82a,82bが、該伝達プレート71の平面に沿って回動自在に枢着されている。上側のブレーキアーム81a,82aは、その先端部が隣接する上側の伝達ピン77a,78aより上方に、下側のブレーキアーム81b,82bは、その先端部が隣接する下側の伝達ピン77b,78bより下方に位置するように配置される。
前記各ブレーキアームの基端部には、その外周に歯車部83a,83b,84a,84bが形成され、上下各対のブレーキアーム81a,81bと82a,82bの前記歯車部が互いに歯合している。これにより、前記各対のブレーキアームは、一方を回転させると、他方が連動して逆向きに回転するようになっている。
前記各ブレーキアームの先端には、それぞれブレーキシュー85a,85b,86a,86bが設けられている。上下各対のブレーキアーム81a,81bと82a,82bの先端部は、それらの間に引張ばね87a,87bが介装され、それにより互いに接近する向きに付勢されている。引張ばね87a,87bの付勢力によって、前記各ブレーキシューは、それぞれ図22のホーム位置において、第1ブレーキレール31の側面に押圧されている。前記各引張ばねのばね強さは、前記ブレーキシューと第1ブレーキレール31側面との間に、物品Bを取り付けた支持フレーム部23を静止位置から容易に移動させない十分な摩擦抵抗が生じ得るように設定される。
操作ハンドル部25を持ち上げて、伝達プレート71を図21に示す上向き開放位置に動かすと、上側の伝達ピン77a,78aが上側のブレーキアーム81a,82aの側縁に当接し、これを引張ばね87a,87bの付勢力に抗して上方外向きに回転させる。これに連動して、下側のブレーキアーム81b,82bが下方外向きに回転する。これによって、前記各ブレーキシューと第1ブレーキレール31側面との係合が解除されるので、そのまま操作ハンドル部25を持ち上げて、支持フレーム部23を自由に上方へ移動させることができる。
逆に、操作ハンドル部25を引き下げて、伝達プレート71を図22に示す下向き開放位置に動かすと、下側の伝達ピン77b,78bが下側のブレーキアーム81b,82bの側縁に当接し、これを引張ばね87a,87bの付勢力に抗して下方外向きに回転させる。これに連動して、上側のブレーキアーム81a,82aが上方外向きに回転する。これによって、前記各ブレーキシューと第1ブレーキレール31側面との係合が解除されるので、そのまま操作ハンドル部25を引き下げて、支持フレーム部23を自由に下方へ移動させることができる。
支持フレーム部23は、比較的小さい力で昇降させることができるので、ユーザーが操作ハンドル部25を思い掛けず強い力で操作したとき、所望の位置で停止できないような、又は前記緩衝機構によっても十分な減速緩衝効果を得られないような速い速度で移動する虞がある。かかる問題を解消するために、本実施態様の物品支持装置20は、支持フレーム部23の移動速度を抑制又は制限するためのスピードリミッター機構を更に備えている。
図23に示すように、本実施態様のスピードリミッター機構90は、支持フレーム部23に設けられた遠心ブレーキ装置100と、固定フレーム部22に設けられた第2ブレーキレール92とから構成される。第2ブレーキレール92は、前記固定フレーム部の第1ブレーキレール31の後側に配置され、上部フレーム26の中央から垂直下向きに、前記支持フレーム部の上下ストロークを十分にカバーする長さに延長している。第2ブレーキレール92は、正面側に開口する断面コ字状をなし、その一方の内側面には、垂直方向に延長するラック92aが一体に形設されている。
遠心ブレーキ装置100は、支持フレーム部23の上部フレーム40の背面中央に固定された中央プレート91と第2ブレーキレール92との間に配置されている。遠心ブレーキ装置100は、中央プレート91の背面に固着された円形フレーム101と、該円形フレーム内にその中心軸103aに回動自在に支持された回転プレート102とを有する。回転プレート102は、1対の平行な長辺と1対の円弧状の短辺とを有し、その中央に小歯車103が一体にかつ前記円形フレームの中心軸103aと同心に設けられている。
図24(a)に示すように、回転プレート102には、その一方の前記短辺に1対のブレーキアーム104a,104bが、それぞれ基端部において支軸105a,105bを中心に揺動可能にかつ前記回転プレートの長辺方向に関して左右対称に取り付けられている。ブレーキアーム104a,104bは、それぞれ円形フレーム101の内周面に沿って湾曲する半円弧形状をなし、それらの間に介装された引張ばね107により互いに接近する向きに付勢されている。各ブレーキアーム104a,104bは、それぞれ自由端に突設したピン109a,109bを、回転プレート102に形成された長穴108a,108b内に挿通させ、それによって揺動可能な範囲を制限している。
ブレーキアーム104a,104bには、それぞれブレーキシュー106a,106bが、少なくとも一部を該ブレーキアームの外側周縁から円形フレーム101の内周面に向けて突出させて取り付けれている。ブレーキシュー106a,106bは、遠心ブレーキ装置100の非作動時には、図24(a)に示すように円形フレーム101内周面と接触しないように、かつ該遠心ブレーキ装置の作動時には、図24(b)に示すように前記円形フレーム内周面と係合し得るように配置される。
図23に示すように、遠心ブレーキ装置100と第2ブレーキレール92との間には、ギア部材93が、中央プレート91に固設された中心軸93bの周りに回動自在に設けられている。ギア部材93は、中心軸93bと同心に小歯車からなるピニオン94と外周に沿って設けられた大歯車95とを有する。ギア部材93は、ピニオン94が第2ブレーキレール92のラック92aに歯合し、かつ大歯車95が回転プレート102の小歯車103に歯合するように装着される。
支持フレーム部23を昇降させると、ラック92aとピニオン94とによってギア部材93が回転し、それにより回転プレート102が、大歯車95と小歯車103とのギア比に応じて高速で回転する。回転プレート102の回転速度は、支持フレーム部23の昇降速度によって増減する。
支持フレーム部23が静止しているとき、又は非常に遅い速度で移動しているとき、遠心ブレーキ装置100のブレーキアーム104a,104bは、引張ばね107の付勢力によって図24(a)に示す位置から全く揺動しない。そのため、は円形フレーム101内周面と接触しないから、支持フレーム部23をそのまま遅い速度で移動させることができる。
支持フレーム部23の移動速度が速くなってくると、ブレーキアーム104a,104bが引張ばね107の付勢力に抗して離反し始める。前記支持フレーム部の移動速度が比較的低速で、前記ブレーキアームの揺動が小さい場合には、同様に前記ブレーキシューが円形フレーム101内周面と接触しないので、支持フレーム部23をそのまま移動させることができる。
支持フレーム部23の移動速度が或る程度以上速くなると、前記ブレーキアームが引張ばね107の付勢力に抗して大きく離反し、前記各ブレーキシューが、図24(b)に示すように前記円形フレーム内周面と接触するようになる。そのため、支持フレーム部23の移動は、前記ブレーキシューと前記円形フレーム内周面との摩擦の大きさに応じて減速される。支持フレーム部23の移動が或る程度まで減速されると、前記ブレーキアームは引張ばね107によって互いに接近し、前記ブレーキシューは前記円形フレーム内周面との接触から解放される。従って、その減速された速度で支持フレーム部23を円滑に移動させることができる。
支持フレーム部23の移動速度が更に高速になると、前記ブレーキアームが引張ばね107の付勢力に抗して最大限に離反して、前記各ブレーキシューが、前記円形フレーム内周面に強く押圧される。そのため、支持フレーム部23は大きく減速され、場合によっては停止させることができる。支持フレーム部23の移動が或る程度まで減速され又は停止すると、同様に、前記ブレーキアームは引張ばね107によって互いに接近し、前記ブレーキシューは前記円形フレーム内周面との接触から解放される。従って、支持フレーム部23は、その減速された速度で円滑に又は再び移動させることができる。
このように本実施態様は、上述したスピードリミッター機構90によって、支持フレーム部23の移動速度を抑制又は制限することができるので、ユーザーの不用意な又は不注意な操作によって前記支持フレーム部の移動や停止を制御できなくなる虞を未然に解消することができる。従って、特に大型テレビモニター等の重量物を支持する場合に、より安全性を高めることができる。
以上、本発明の好適な実施態様について説明したが、本発明は、上記実施態様に限定されるものでなく、その技術的範囲内において様々な変形又は変更を加えて実施することができる。例えば、物品支持装置1の使用可能な荷重範囲は様々に設定され、それに対応して、前記固定カム面は様々なカムプロフィールに設計することができる。更に、第1及び第2ばねは、上述したコイルばね以外に、板ばね、渦巻きばね等の異なる形状のものや、空気ばね等の流体ばね、ゴム等の弾性材料や他の非金属材料からなるもの等、公知の様々なばねを適用することができる。
1 荷重支持機構
2 固定支持部
3 可動支持部
4 第1ばね
5 取付ステー
6a,6b 縦枠部材
7 横枠部材
8 固定カム
9 固定カム面
10a,10b 横枠部材
11a,11b 縦枠部材
12a,12b ガイド
13 カム溝
14a 第1可動カム面
14b 第2可動カム面
15 カムフォロア部材
16 第1カムフォロア
17 第2カムフォロア
18 第2ばね
20 物品支持装置
21 基台
22 固定フレーム部
23 支持フレーム部
24 第1ばね
25 操作ハンドル部
26 上部フレーム
27 下部フレーム
28,29 側部フレーム
30 中間フレーム
31 第1ブレーキレール
32,33 ガイドレール
34,35 固定カム部材
36,37 固定カム面
38,39 ガイドフレーム
40 上部フレーム
41,42 下部フレーム
45 ブレーキ装置
46,47 引張コイルばね
48、49 カム溝
50a、51a 第1可動カム面
50b,51b 第2可動カム面
52 第2ばね
53,54 カムフォロアホルダー
55,56 カムフォロア部材
57,58 第1カムフォロア
59,60 第2カムフォロア
71 伝達プレート
81a,81b,82a,82b ブレーキアーム
83a,83b,84a,84b 歯車部
85a,85b,86a,86b ブレーキシュー
90 スピードリミッター機構
91 中央プレート
92 第2ブレーキレール
100 遠心ブレーキ装置
101 円形フレーム
102 回転プレート
104a,104b ブレーキアーム
106a,106b ブレーキシュー
107 引張ばね
E 延長領域
L1 上部緩衝域
L2 下部緩衝域
M1 上部ストッパ域
N1,N2 緩衝域

Claims (8)

  1. 固定支持部と、
    前記固定支持部に関して所定の方向に沿って所定の範囲で移動可能な、荷重を受けるための可動支持部と、
    前記固定支持部に設けられ、固定カム面を有する固定カムと、
    前記可動支持部に設けられ、互いに対向する第1可動カム面と第2可動カム面とを有し、前記可動支持部の移動方向と交差する向きに延長するカム溝と、
    前記第1可動カム面又は前記第2可動カム面に接しつつ、前記カム溝内を該カム溝に沿って移動可能なカムフォロアと、
    前記荷重を支持するように前記固定支持部と前記可動支持部との間に介装された第1ばねと、
    前記カムフォロアを前記固定カム面に付勢する第2ばねとを備え、
    前記固定カム面の前記カムフォロアに対する反力が、前記可動支持部の移動可能な前記所定の範囲においてその位置によって発生する前記可動支持部の移動方向に沿った第1方向の成分と、少なくとも前記可動支持部の移動方向に直交する第2方向の成分とを含み、
    前記固定カム面が、前記カムフォロア周りに作用する前記荷重と前記第1ばねの付勢力と前記固定カム面の前記カムフォロアに対する反力と前記第2ばねの付勢力とが、前記可動支持部の移動可能な前記所定の範囲において平衡するカム形状を有することを特徴とする荷重支持機構。
  2. それぞれに前記固定支持部、前記可動支持部、前記第1ばね、前記第2ばね、前記カムフォロア、前記固定カム、及び前記カム溝を備える複数の支持機構からなり、
    前記複数の支持機構が、それぞれの前記固定支持部及び前記可動支持部を共通にすることを特徴とする請求項1に記載の荷重支持機構。
  3. それぞれに前記固定支持部、前記可動支持部、前記第1ばね、前記第2ばね、前記カムフォロア、前記固定カム、及び前記カム溝を備える第1支持機構と第2支持機構とからなり、
    前記第1支持機構と前記第2支持機構とが、それぞれの前記固定支持部、前記可動支持部及び前記第2ばねを共通にし、前記可動支持部の移動方向に関して左右対称に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の荷重支持機構。
  4. 前記固定支持部が、前記可動支持部の移動方向の両側にそれぞれ外枠部分を有し、前記外枠部分によって前記可動支持部の両側部が前記移動方向に案内されることを特徴とする請求項1乃至3に記載の荷重支持機構。
  5. 前記可動支持部がその移動方向に直交する向きに延長する支持部材を有し、
    前記カム溝が前記支持部材に設けられ、
    前記第2ばねが、前記支持部材に外装又は内装されて前記カムフォロアを前記支持部材の延長方向に付勢する圧縮コイルばねであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の荷重支持機構。
  6. 前記カム溝が前記支持部材の一端付近から反対側に向けて延長し、前記第2ばねが前記カムフォロアを前記支持部材の前記一端に向けて付勢していることを特徴とする請求項5に記載の荷重支持機構。
  7. 前記カムフォロアが、前記カム溝を前記ばね支持部材の前後方向に貫通する第1カムフォロア部材と、前記カム溝から突出する前記第1カムフォロア部材の前後両端にそれぞれ設けられた前後1対の第2カムフォロア部材とからなり、
    前記固定カムが、前記各第2カムフォロア部材を当接させる前後1対の固定カム部材からなることを特徴とする請求項6に記載の荷重支持機構。
  8. 前記第1ばねと前記第2ばねとが、前記可動支持部の移動方向に直交する向きに平面視したとき、互いに少なくとも部分的に重複するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の荷重支持機構。
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