JP6223773B2 - 荷重支持機構 - Google Patents

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Description

本発明は、様々な物品等の荷重を支持するための支持機構に関し、特に対象の物品を所望の位置にかつ変位可能に支持するための荷重支持機構に関する。
従来より、コンピューターやテレビのモニター装置、OA机や作業テーブルの天板、重量物等の物品を所望の高さ位置にかつ昇降可能に支持するために、様々な支持機構が提案されている。例えば、モニター装置を上下に移動でき、一定の支持力で位置決めできるモニター装置支持機構が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1記載のモニター装置支持機構は、少なくとも1つのカムと、少なくとも1つのカム従動部材と、ばね等のエネルギー保存部材と、モニター装置を取り付けるための移動体とを備える。このモニター装置支持機構は、固定された基台に沿って移動体が移動すると、ばねがカムによって圧縮/伸張し、該ばねに保存される弾性エネルギーが増加/減少する。前記ばねのばね力は、カム従動部材に対するカム面からの反力に変換され、この反力には、移動体の移動方向への第1成分と、それに略直交する第2成分とが含まれる。カムの形状は、ばねの圧縮/伸張によって第2成分が増加/減少しても、移動方向への第1成分が一定に保たれ、移動体及びモニター装置に対して略一定の支持力が作用するように設計される。
特許文献1によれば、このようなばねとカム形状との組み合わせによって、移動中の移動体及びモニターをその移動方向に付勢する力は略一定に保たれる。従って、移動体又はモニター装置に手で僅かな力を加えると、モニター装置を簡単に移動でき、前記力を解除すると、移動体及びモニター装置はその新たな支持位置に定位する。
特開2002−303304号公報
この種の物品支持機構は、実用上の観点から見て、構造が簡単で部品点数が少なく、小型かつ軽量に構成することが好ましい。ところが、特許文献1に記載のモニター装置支持機構では、エネルギー保存部材のコイルばねが、その軸方向をモニター装置の移動方向と略直交させた向きに配置され、そのばね力で、移動体に回転可能に取り付けられた腕部材の先端のカム従動部材をカム面に押圧している。モニター装置を支持する力は、カム従動部材に対するカム面からの反力の全部ではなく、移動体の移動方向の第1成分によってのみ得られる。
そのため、エネルギー保存部材として、移動体及びモニター装置の重量よりも相当大きいばね力を発揮し得る大型のコイルばねが必要である。しかも、このコイルばねは、カムの前側及び/又は背後に配置されている。その結果、特許文献1のモニター装置支持機構は、装置全体が特に奥行き方向に大型化し、構造が複雑になるから、小型化・軽量化を図ることは困難である。
更に、特許文献1に記載のモニター装置支持機構は、モニター装置の支持力がばねとカム形状との組み合わせによって決定されるから、重量の異なるモニター装置を支持するためには、ばねとカム形状とを取り替えたり支持機構自体を交換することが必要になる。そのため、支持する対象物品の重量毎に個別の支持機構又は構成部品を用意しなければならず、価格も高くなるという問題が生じる。
また、物品を所望の高さ位置で静止させ得る場合、その静止位置では常に該物品の荷重とこれを押し上げる力とは垂直方向に平衡していることになるので、比較的小さな力で容易に別の高さ位置に移動させることができる。他方、移動中の物品に働く慣性力は、その質量が大きくほど大きくなるので、所望の位置で停止させることが困難になる。特に、物品が予め設定されたストロークの範囲を越えて移動した場合、衝突等の危険を生じる虞がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、物品等の荷重を静止した状態でかつ変位可能に支持することができる荷重支持機構であって、構造が比較的簡単で部品点数が少なく、容易に小型化を図ることができ、物品等を所望の位置に安全に移動させ得る荷重支持機構を提供することにある。
本発明の荷重支持機構は、固定部材に関して所定の移動方向に沿って所定の範囲で移動可能な、荷重を支持するための支持部材と、
支持部材と共にその移動方向に沿って変位する第1可動カム面と、
第1可動カム面に対向し、前記移動方向に沿って変位する第2可動カム面と、
固定部材に一端が固定され、他端において、第2可動カム面を前記移動方向に沿って第1可動カム面に向けて付勢する付勢力を発揮するばね部材と、
固定部材に設けられた固定カム面と、
第1可動カム面、第2可動カム面及び固定カム面に当接して、それらカム面の間に保持されるカムフォロアと、
前記荷重に対して、第1可動カム面に前記付勢力の方向と直交する向きへの変位を規制する反力を発生する第1側方支持部と
前記付勢力に対して、第2可動カム面に該付勢力の方向と直交する向きにその変位を規制する反力を発生する第2側方支持部とを備え、
ばね部材は、支持部材の移動方向に関して一方の側に配置され、
第1可動カム面は、カムフォロアとの接点において前記荷重を伝達するように、前記付勢力の方向に関して傾斜し、
第2可動カム面は、カムフォロアとの接点において前記付勢力を伝達するように、前記付勢力の方向に関して第1可動カム面と逆向きに傾斜し、
固定カム面は、前記移動方向に沿って、カムフォロアへの押圧力が、該カムフォロアとの接点において少なくとも前記付勢力の方向に直交する方向の成分を含むように、ばね部材の付勢力の方向に沿って第1可動カム面及び第2可動カム面に向けて湾曲し、
第1可動カム面並びに第2可動カム面の傾斜及び固定カム面の湾曲は、カムフォロアに、第1可動カム面から作用する前記荷重、第2可動カム面から作用するばね部材の付勢力、及び固定カム面から作用する押圧力と、第1側方支持部の第1可動カム面への反力と、第2側方支持部の第2可動カム面への反力とカムフォロア周りに平衡して、支持部材が移動可能な前記所定の範囲で静止するように設計され、
第1可動カム面、第2カム面及び固定カム面の少なくとも1つの傾斜又は湾曲は、
カムフォロアに、第1可動カム面から作用する前記荷重、第2可動カム面から作用するばね部材の付勢力、固定カム面から作用する押圧力と、第1側方支持部の第1可動カム面への反力と、第2側方支持部の第2可動カム面への反力とがカムフォロア周り平衡して、支持部材が静止する平衡領域と、
カムフォロアに、第1可動カム面から作用する荷重、第2可動カム面から作用するばね部材の付勢力、固定カム面から作用する押圧力と、第1側方支持部の第1可動カム面への反力と、第2側方支持部の第2可動カム面への反力とがカムフォロア周り平衡せず、支持部材が静止しない非平衡領域とを有するように設けられていることを特徴とする。
ここで、「平衡」とは、本願明細書を通して、或る物体又は部材(例えば、カムフォロア)にいくつかの外力が作用しているときに、それらの合力が0であり、その結果、その物体又は部材が静止している状態にあることをいうものとする。また、前記物体又は部材に作用する外力には、該物体又は部材と他の物体又は部材との間に発生する摩擦力、該物体又は部材に前記外力を作用させる他の物体又は部材において発生する摩擦力が含まれる。
このような構成において、第1及び第2可動カム面からカムフォロアへの押圧力は、前記付勢力の方向に沿った第1方向の成分と、それに直交する第2方向の成分とを含み、この第2方向の成分は第1及び第2側方支持部の第1及び第2可動カムへの反力である。従って、カムフォロア周りに作用する前記荷重、付勢力、押圧力及び反力が平衡状態にあるとき、前記付勢力の方向には、前記荷重と、ばね部材の付勢力と、固定カム面のカムフォロアへの押圧力の第1方向の成分とが平衡し、前記付勢力の方向に直交する方向には、第1及び第2側方支持部の第1及び第2可動カム面への反力、即ち第1及び第2可動カムからカムフォロアへの押圧力の第2方向の成分と、固定カム面のカムフォロアへの押圧力の第2方向の成分とが平衡している。
通常、ばね部材の付勢力はその変位によって変動するから、支持部材の位置によって荷重より小さく又は大きくなる。本発明によれば、カムフォロア周りで前記荷重、付勢力、押圧力及び反力が平衡状態にあるとき、前記付勢力の方向において、固定カム面のカムフォロアへの押圧力の第1方向の成分、ばね部材の付勢力が荷重より小さい場合は、これを補助する向きに作用し、荷重より大きい場合は、これを削減する向きに作用することになる。従って、荷重を支持した状態で支持部材は、その移動可能な所定の範囲において、所望の位置に保持しかつ少ない力で簡単に移動させることができる。
第1、第2可動カム面及び/又は固定カム面が、カムフォロア周りに作用する力の平衡領域と非平衡領域とを有することによって、非平衡領域において、固定カム面のカムフォロアへの押圧力の第1方向の成分、ばね部材の付勢力を補助する向きの力又はこれを削減する向きの力が、平衡状態の場合に要求される力よりも増減する。そのため、固定カム面に沿って移動中の支持部材は、平衡領域から非平衡領域に入ることによって、移動速度が減速されるので、支持部材を操作する際の安全性が向上する。また、支持部材の移動速度の変動によって一時的に軽い衝撃が発生するので、移動中の支持部材の高さ位置を知ることができ、操作性が向上する。
或る実施態様では、固定カム面平衡領域から前記付勢力の方向の一方にかつ/又は他方延長する非平衡領域を有し、固定カム面の湾曲は、カムフォロアとの接点における接線方向の前記付勢力の方向に関する傾きが、非平衡領域において平衡領域から非平衡領域に向けて小さくなっている。これにより、固定カム面の非平衡領域では、固定カム面からカムフォロアへの押圧力は、平衡領域から非平衡領域に向けて第1方向の成分が減少する。
別の実施態様では、第1可動カム面及び/又は第2可動カム面は、平衡領域から付勢力の方向の一方にかつ/又は他方に湾曲して延長する非平衡領域を有し、第1可動カム面及び/又は第2可動カム面の非平衡領域の湾曲は、カムフォロアとの接点における接線方向の付勢力の方向に関する傾きが、平衡領域から非平衡領域に向けて大きくなっている。これにより、第1及び第2可動カム面の非平衡領域では、該可動カム面からカムフォロアへの押圧力は、平衡領域から非平衡領域に向けて第2方向の成分が減少するから、固定カム面からカムフォロアへの押圧力及びその第1方向の成分が減少する
これらの実施態様において、固定カム面、第1及び第2可動カム面の非平衡領域で、前記付勢力の方向と同じ側は、ばね部材の付勢力を補助する力が減少し、逆に前記付勢力の方向と反対側は、ばね部材の付勢力を削減する向きに作用する力が減少する。その結果、非平衡領域では、支持部材にその移動方向とは逆向きに減速作用が働くので、支持部材が所定の移動範囲を超えて移動した場合に生じ得る不都合を解消することができる。
第1可動カム面と第2可動カム面とでカムフォロアを押圧することによって、カムフォロアから固定カム面に水平方向に作用する押圧力を容易に大きくすることができる。これにより、固定カム面からカムフォロアへの押圧力即ち反力の第1方向の成分も大きくなるから、固定カム面の前記付勢力の方向に対する傾きを小さくしても、ばね部材の付勢力を補助し又は削減する力を同じ大きさにすることができる。
固定カム面は、前記付勢力の方向に対する傾きが小さくなると、全体として、それだけ前記付勢力の方向に直交する向きの寸法が小さくなる。従って、装置全体を、特に前記付勢力の方向に直交する向きに小型化することができる。
更に、かかる第1可動カム面及び/又は第2可動カム面にも、支持部材の減速作用を発揮する延長部を設けることによって、より安全性を高めることができる。
図1は、本発明による荷重支持機構の基本構成を示す図である。 図2は、図1のII-II線における矢視図である。 図3は、カムフォロアが横向きカム面の第1領域S1にある状態での要部間の関係を説明する図である。 図4は、カムフォロアが横向きカム面の第2領域S2にある図3と同様の説明図である。 図5は、カムフォロアが横向きカム面の第3領域S3にある図3と同様の説明図である。 図6は、本発明を適用した物品支持装置の実施態様の斜視図である。 図7は、図6の実施態様の分解斜視図である。 図8は、支持フレーム部が最上位置にある主要部の正面図である。 図9は、図8のIX-IX線における拡大断面図である。 図10は、支持フレーム部が中間位置にある図8と同様の正面図である。 図11は、支持フレーム部が最下位置にある図8と同様の正面図である。 図12は、横向きカム面の上端付近を示す部分拡大図である。 図13は、横向きカム面の下端付近を示す部分拡大図である。 図14は、第1可動カム面の上端付近を示す部分拡大図である。 図15は、第2可動カム面の下端付近を示す部分拡大図である。 図16は、本実施態様のブレーキ機構を示す部分拡大斜視図である。 図17は、図16のブレーキ機構の正面図である。 図18は、上昇時のブレーキ機構の解除動作を示す正面図である。 図19は、下降時のブレーキ機構の解除動作を示す正面図である。 図20は、スピードリミッター機構を物品支持装置の背面側から見た部分破砕拡大図である。 (a)及び(b)図は、それぞれ遠心ブレーキ機構の非作動時及び作動時の部分破砕拡大正面図である。
以下に、添付図面を参照しつつ、本発明の好適な実施態様を詳細に説明する。尚、添付図面において、本明細書全体を通して類似の構成要素には、同様の参照符号を付して表すこととする。
図1及び図2は、本発明による荷重支持機構の基本構成を概念的に示している。同図に示すように、荷重支持機構1は、固定部2と、物品支持部3と、例えば引っ張りコイルばねからなるばね4と、ばね力伝達部材5と、第1及び第2可動カム6,7と、固定部2に取り付けられた固定カム8と、カムフォロア9とを備える。
物品支持部3は、その上端に物品Aを載せて、垂直方向に上下移動可能である。ばね4は、上端が固定部2に固定され、かつ下端にばね力伝達部材5が取り付けられ、垂直方向に伸縮して垂直方向上向きの付勢力を発生する。荷重支持機構1は、物品支持部3が上下に移動する際に、それを水平方向から支持してその水平方向への変位を規制する第1側方支持部10と、ばね4が垂直方向に伸縮する際に、それに伴って垂直方向に上下移動するばね力伝達部材5を水平方向から支持してその水平方向への変位を規制する第2側方支持部11とを更に備える。
第1可動カム6は、物品支持部3の下端に一体に移動可能に設けられ、該物品支持部の移動方向に関して傾斜した下向きの第1可動カム面12を有する。第2可動カム7は、ばね力伝達部材5に一体に移動可能に設けられ、物品支持部3の移動方向に関して傾斜した上向きの第2可動カム面13を有する。下向きの第1可動カム面12と上向きの第2可動カム面13とは、互いに傾斜方向を逆向きにして、カムフォロア9を挟んで対向するように配置される。
固定カム8は、第1可動カム面12及び第2可動カム面13側を向いた、即ち図1において右向きの固定された横向きカム面14を有する。横向きカム面14は、その接線方向の傾きが上端から下端まで全長に亘って又は部分的に変化するように、前記第1可動カム面及び第2可動カム面を向いて即ち図中右向きに凸状に湾曲している。
カムフォロア9は、断面円形の真直ぐなロッド形状をなし、第1可動カム面12、第2可動カム面13及び横向きカム面22の間に水平に、かつその外周面で前記各カム面に当接するように配置される。1可動カム面12はカムフォロア9を押圧して物品Aの荷重をばね4側に伝達し、第2可動カム面13は前記カムフォロアを押圧してばね4の付勢力を物品支持部3側に伝達する。
本発明によれば、ばね4は、物品支持部3の移動方向即ち垂直方向に関して一方の側に配置される。本実施態様では、ばね4は、図1及び図2に示すように、物品支持部3の移動方向及びカムフォロア9の軸方向に関して該物品支持部と左右に並列に配置されている。このように配置することによって、荷重支持機構1を実際の装置に実現する際に、該装置の奥行き寸法をより小さく設計することができる。これは、支持する荷重が大きくなって大きな付勢力が要求され、ばね4が大型化した場合に有利である。
ここでいう「一方の側に配置」とは、図1のようにばね4と物品支持部3とが左右に並列に配置される狭義の意味に限定されるものではない。例えば、図1のばね4の伸縮方向にその延長線上に配置する場合、図1において物品支持部3の前方や後方などの全ての側及びその延長線上を含むものであると、広義に解釈されるべきものである。
別の実施態様では、ばね4に、引っ張りばねに代えて圧縮ばねを用いることができる。その場合、圧縮ばねは、図1においてばね力伝達部材5を挟んで上下反対側に配置され、その下端が固定され、かつ上端にばね力伝達部材5が取り付けられる。また別の実施態様では、図1のばね4に加えて、それとはばね力伝達部材5を挟んで上下反対側に別の圧縮コイルばねを追加することができる。この場合、追加のコイルばねは、下端を固定しかつ上端にばね力伝達部材5が取り付けられる。いずれの場合も、実際に装置化する際に、その奥行き寸法をより小さく設計することができる。
更に本実施態様では、図2に示すように、第1可動カム6、第2可動カム7及び固定カム8が、それぞれカムフォロア9の軸方向に沿って2つずつ左右対称の対をなすように設けられている。このような配置によって、前記各カムからカムフォロア9に作用する押圧力が該カムフォロアの軸方向に沿って分散しかつそれぞれ左右対称になる。それにより、カムフォロア9が第1可動カム面12、第2可動カム面13及び横向きカム面14の間で水平に容易に保持されるので、好都合である。
また、カムフォロア9には、前記各カムから押圧力がそれぞれの当接位置に集中して作用するので、軸方向に長過ぎると、過度の撓みや変形を生じたり折損する虞がある。本実施態様では、左右にそれぞれ対をなす第1可動カム6、第2可動カム7及び固定カム8同士の間に別の構成要素が存在しないので、カムフォロア9の軸方向長さを短くすることができ、有利である。
また、横向きカム面14は、カムフォロア9と当接する範囲がその位置によって次の3つの領域に分けられる。第1領域S1は、カムフォロア9との接点における法線方向が水平方向に関して上向きの領域である。第2領域S2は、前記カムフォロアとの接点における法線方向が実質的に水平方向の領域である。別言すれば、第2領域S2では、前記カムフォロアとの接点における接線方向が実質的に垂直である。ここで、実質的とは、完全な水平方向よりも僅かに上向き又は下向きであるが、その程度は、本発明の作用効果上又は本実施態様の動作もしくは機能上無視できるほどに小さく、水平方向と見なし得る場合を含むという意味である。また、第3領域S3は、カムフォロア9との接点における法線方向が水平方向に関して下向きの領域である。
図1では、物品Aを載せた物品支持部3が、カムフォロア9が横向きカム面14の第1領域S1内にある上方位置で静止している。図3は、この静止位置においてカムフォロア9、第1可動カム6(物品支持部3)、第2可動カム7(ばね力伝達部材5)、固定カム8、第1及び第2側方支持部10,11からなる系に作用する力の平衡状態を模式的に示している。図3では、図面を簡略化するため、第1及び第2側方支持部10,11を1つの構成要素として表している。
また、説明を簡単化するため、物品支持部3及びばね力伝達部材5の荷重、第1及び第2側方支持部10,11と前記物品支持部及びばね力伝達部材5との間の摩擦力は省略する。実際の設計では、これらの要素を考慮しなければならないことは言うまでもなく、前記支持部材及びばね力伝達部材の荷重を、前記カムフォロア部材、固定コラム、可動コラム、ばね力伝達部材及びカムプレートからなる系に作用する力に加え、それらの合力が、前記可動コラムと固定コラム及び前記ばね力伝達部材との間で発生する摩擦力より小さければ、前記平衡状態は保たれる。
ここで、ばね定数kの引っ張りコイルばねからなるばね4のばね力Fsは、前記引っ張りコイルばねの軸方向の変位x(ばねの自由長即ち無負荷状態の長さからの変位:ここでは、圧縮方向に正とする)についてFs=k・xで表される。物品支持部3の上限位置において、物品Aを静止状態で支持できるように、前記引っ張りコイルばねは、自由長から所定の初期変位量x0だけ予め伸張させた状態に保持され、既に垂直方向上向きに初期ばね力(Fs0=k・x0)を発揮している。
図3において、カムフォロア9と第1可動カム面12との接点Paでは、物品Aの荷重Wと、カムフォロア9から第1可動カム面12の法線方向に作用する反力Raと、第1側方支持部10から物品支持部3に作用する水平方向の反力Rd1とが平衡している。反力Raの垂直方向成分Ra1の大きさは荷重Wに等しく、水平方向成分Ra2の大きさは第1側方支持部10からの反力Rd1に等しい。第1可動カム面12がカムフォロア9を押圧する力Faは、荷重Wと反力Rd1との合力である。
カムフォロア9と第2可動カム面13との接点Pbでは、ばね4のばね力Fsと、カムフォロア9から第2可動カム面13の法線方向に作用する反力Rbと、第2側方支持部11からばね力伝達部材5に水平方向に作用する反力Rd2とが平衡している。反力Rbの垂直方向成分Rb1の大きさはばね力Fsに等しく、水平方向成分Rb2の大きさは第2側方支持部11からの反力Rd2に等しい。第2可動カム面13がカムフォロア9を押圧する力Fbは、ばね力Fsと反力Rd2との合力である。
カムフォロア9と横向きカム面14との接点Pcでは、前記カムフォロアに第1可動カム面12及び第2可動カム面13から作用する力Fa、Fbと、横向きカム面14から法線方向に作用する反力Rcとが平衡している。カムフォロア9は横向きカム面14の第1領域S1内にあるので、反力Rcは上向きの垂直方向成分Rc1を有する。反力Rcの水平方向成分Rc2の大きさは、物品支持部3及びばね力伝達部材5がそれぞれ第1及び第2側方支持部10,11から受ける反力Rd1と反力Rd2との合計である。
カムフォロア9が横向きカム面14上の或る位置で静止しているとき、荷重Wとばね力Fsと反力Rcの垂直方向成分Rc1との間には、力の作用方向を垂直方向上向き正として、次の関係が理論上常に成立する。
W+Fs+Rc1=0
尚、実際の設計では、前述したように各部材の間で摩擦力が発生し、この関係式で表す合力が0でなく、僅かに値を持っていたとしても、その合力が前記各部材間の摩擦力よりも小さければ、平衡状態が保たれる。
図3の場合、ばね4のばね力Fsの大きさは、荷重Wよりも小さい。そこで、ばね力Fsに、横向きカム面14から上向きに作用している反力Rcの垂直方向成分Rc1をアシスト力として加えることによって、垂直方向に荷重Wとの平衡を実現している。この状態で物品支持部3を押し下げ又は押し上げると、その力が荷重W又はばね力Fsに付加されて、前記平衡が崩れるため、物品Aを比較的小さい力で簡単に昇降させることができる。
物品支持部3を昇降させると、カムフォロア9は、前記横向きカム面、第1可動カム面及び第2可動カム面に沿って左右方向に変位しながら、下方又は上方に移動する。カムフォロア9が横向きカム面14の第1領域S1の範囲内にある間、反力Rcの上向きの垂直方向成分Rc1がばね力Fsを、荷重Wと平衡させるように補助する。
第1領域S1の範囲内において、ばね4のばね力Fsは、物品支持部3の下降によりカムフォロア9に押圧されたばね力伝達部材5が下方に移動し、前記引っ張りコイルばねの変位が大きくなるのに対応して増大する。ばね力Fsの増大に伴って、反力Rcの垂直方向成分Rc1によるアシスト力も小さくて済むようになる。横向きカム面14の接線方向の垂直方向に対する傾きも、下方へ第2領域S2に近付くほど小さくなる。
第1可動カム面12及び第2可動カム面13からの押圧力によってカムフォロア9が横向きカム面14を水平方向に押圧する力が大きくなるほど、反力Rcの水平方向成分Rc2が大きくなり、従って反力Rc及びその垂直方向成分Rc1が大きくなる。反力Rd1及び反力Rd2は、それぞれ前記第1可動カム面及び第2可動カム面の垂直方向に対する傾きを小さくすれば大きくなり、大きくすれば小さくなる。第1可動カム面12及び第2可動カム面13の垂直方向に対する傾きを調整することによって、横向きカム面14に対する適当な大きさの押圧力が得られる。
別言すれば、横向きカム面14の反力Rcは、該横向きカム面に対する水平方向の押圧力が大きいと、前記横向きカム面の垂直方向に対する傾きを小さくして、同じ大きさの垂直方向成分Rc1、即ちばね力Fsへの垂直方向上向きのアシスト力を得ることができる。横向きカム面14は、垂直方向に対する傾きが小さくなると、それだけ緩い即ち湾曲の小さい横向き凸形状に設計することができる。これにより、固定カム8全体の幅寸法を小さくすることができる。
逆に、第1可動カム面12及び/又は第2可動カム面13の垂直方向に対する傾きを大きくしたり、第1可動カム面12又は第2可動カム面13の一方を省略すると、横向きカム面14に対する水平方向の押圧力が小さくなり、それだけ横向きカム面14からの反力Rcは小さくなる。ここで、同じ大きさの上向き垂直方向成分Rc1を得るためには、横向きカム面14の垂直方向に対する傾きを大きくしなければならず、それだけきつい即ち湾曲の大きい横向き凸形状になる。これは、固定カム8全体の幅寸法を大きくすることになる。
図4は、物品Aを載せた物品支持部3を図1の上方位置から押し下げて、図1に想像線で示すように、カムフォロア9が横向きカム面14の第2領域S2内にある中間位置で静止させたとき、カムフォロア9、第1可動カム6、第2可動カム7、固定カム8、第1及び第2側方支持部10,11からなる前記系に作用する力の平衡状態を模式的に示している。同様に簡単化のため、支持部材3及びばね力伝達部材5の荷重、物品支持部3及び前記ばね力伝達部材と第1及び第2側方支持部10,11との間の摩擦力は省略して説明する。
図3の場合と同様に、カムフォロア9と第1可動カム面12との接点Paでは、物品Aの荷重Wと、カムフォロア9から第1可動カム面12の法線方向に作用する反力Raと、第1側方支持部10から物品支持部3に作用する水平方向の反力Rd1とが平衡している。反力Raの垂直方向成分Ra1の大きさは荷重Wと等しく、水平方向成分Ra2の大きさは第1側方支持部10,11からの反力Rd1と等しい。第1可動カム面12がカムフォロア9を押圧する力Faは、荷重Wと反力Rd1との合力である。
カムフォロア9と第2可動カム面13との接点Pbでは、ばね4のばね力Fsと、カムフォロア9から第2可動カム面13の法線方向に作用する反力Rbと、第2側方支持部11からばね力伝達部材5に作用する水平方向の反力Rd2とが平衡している。反力Rbの垂直方向成分Rb1の大きさはばね力Fsと等しく、水平方向成分Rb2の大きさは第2側方支持部11からの反力Rd2と等しい。第2可動カム面13がカムフォロア9を押圧する力Fbは、ばね力Fsと反力Rd2との合力である。
カムフォロア9と横向きカム面14との接点Pcでは、前記カムフォロアに第1可動カム面12及び第2可動カム面13から作用する力Fa、Fbと、横向きカム面14から法線方向に作用する反力Rcとが平衡している。カムフォロア9は横向きカム面14の第2領域S2内にあるので、反力Rcは、実質的に水平方向成分だけであり、垂直方向成分を有していない。従って、反力Rcの大きさは、物品支持部3及びばね力伝達部材5に第1及び第2側方支持部10,11から作用する反力Rd1と反力Rd2との合計である。
このようにカムフォロア9が横向きカム面14の第2領域S2に位置するとき、垂直方向にばね4のばね力Fsと荷重Wとが実質的に平衡している。従って、ばね力Fsは、横向きカム面14からの反力Rcによるアシスト力を必要としない。この状態でも、物品支持部3を押し下げ又は押し上げると、その力が荷重W又はばね力Fsに付加されて、前記平衡が崩れるため、物品Aを比較的小さい力で簡単に昇降させることができる。
図5は、物品Aを載せた物品支持部3を更に押し下げて、図1に想像線で示すように、カムフォロア9が横向きカム面14の第3領域S3内にある下方位置で静止させたとき、カムフォロア9、第1可動カム6、第2可動カム7、固定カム8、第1及び第2側方支持部10,11からなる前記系に作用する力の平衡状態を模式的に示している。同様に簡単化のため、支持部材3及びばね力伝達部材5の荷重、物品支持部3及び前記ばね力伝達部材と第1及び第2側方支持部10,11との間の摩擦力は省略して説明する。
同図において、カムフォロア9と第1可動カム面12との接点Paでは、物品Aの荷重Wと、カムフォロア9から第1可動カム面12の法線方向に作用する反力Raと、第1側方支持部10から物品支持部3に水平方向に作用する反力Rd1とが平衡している。反力Raの垂直方向成分Ra1の大きさは荷重Wと等しく、水平方向成分Ra2の大きさは第1側方支持部10からの反力Rd1と等しい。第1可動カム面12がカムフォロア9を押圧する力Faは、荷重Wと反力Rd1との合力である。
カムフォロア9と第2可動カム面13との接点Pbでは、ばね4のばね力Fsと、カムフォロア9から第2可動カム面13の法線方向に作用する反力Rbと、第2側方支持部11からばね力伝達部材5に水平方向に作用する反力Rd2とが平衡している。反力Rbの垂直方向成分Rb1の大きさはばね力Fsと等しく、水平方向成分Rb2の大きさは第2側方支持部11からの反力Rd2と等しい。第2可動カム面13がカムフォロア9を押圧する力Fbは、ばね力Fsと反力Rd2との合力である。
カムフォロア9と横向きカム面14との接点Pcでは、前記カムフォロアに第1可動カム面12及び第2可動カム面13から作用する力Fa、Fbと、横向きカム面14から法線方向に作用する反力Rcとが平衡している。カムフォロア9は横向きカム面14の第3領域S3内にあるので、反力Rcは下向きの垂直方向成分Rc1を有する。反力Rcの水平方向成分Rc2の大きさは、物品支持部3及びばね力伝達部材5がそれぞれ第1及び第2側方支持部10,11から受ける反力Rd1と反力Rd2との合計である。
前記下方位置では、ばね4のばね力Fsの大きさが荷重Wよりも大きい。そこで、横向きカム面14から下向きに作用している反力Rcの垂直方向成分Rc1が、ばね力Fsによる上向きの付勢力即ち押し上げ力を削減する向きに作用することによって、垂直方向に荷重Wとの平衡を実現している。
この状態でも、物品支持部3を押し下げ又は押し上げると、その力が荷重W又はばね力Fsに付加されて、前記平衡が崩れるため、物品Aを比較的小さい力で簡単に上昇させることができる。物品支持部3を昇降させると、カムフォロア9は、前記横向きカム面、第1可動カム面及び第2可動カム面に沿って左右方向に変位しながら、下方又は上方へ移動する。カムフォロア9が横向きカム面14の第3領域S3の範囲内にある間、反力Rcの下向きの垂直方向成分Rc1が、ばね力Fsによる押し上げ力を削減して荷重Wと平衡させる向きに作用する。
第3領域S3の範囲内において、ばね4のばね力Fsは、物品支持部3の上昇によりカムフォロア9に抗してばね力伝達部材5が上方に移動し、前記引っ張りコイルばねの変位が小さくなるのに対応して減少する。これに伴って、ばね力Fsによる押し上げ力を削減する反力Rcの垂直方向成分Rc1も、小さくて済むようになる。従って、横向きカム面14の接線方向の垂直方向に対する傾きも、上方へ第2領域S2に近付くほど小さくなる。
第3領域S3においても、第1可動カム面12及び第2可動カム面13からの押圧力によってカムフォロア9が横向きカム面14を水平方向に押圧する力が大きくなるほど、反力Rcの水平方向成分Rc2が大きくなり、従って反力Rc及びその垂直方向成分Rc1が大きくなる。反力Rd1及び反力Rd2は、それぞれ第1可動カム面12及び第2可動カム面13の垂直方向に対する傾きを小さくすれば大きくなり、大きくすれば小さくなる。第1可動カム面12及び第2可動カム面13の垂直方向に対する傾きを調整することによって、横向きカム面14に対する適当な大きさの押圧力が得られる。
別言すれば、横向きカム面14の反力Rcは、該横向きカム面に対する水平方向の押圧力が大きいと、前記横向きカム面の垂直方向に対する傾きを小さくしても、同じ大きさの垂直方向成分Rc1、即ち前記押し上げ力を削減する垂直方向下向きの力が得られる。横向きカム面14は、垂直方向に対する傾きが小さくなると、それだけ緩い即ち湾曲の小さい横向き凸形状に設計することができる。
逆に、第1可動カム面12及び/又は第2可動カム面13の垂直方向に対する傾きを大きくしたり、第1可動カム面12又は第2可動カム面13の一方を省略すると、横向きカム面14に対する水平方向の押圧力が小さくなり、それだけ横向きカム面14からの反力Rcは小さくなる。ここで、同じ大きさの下向き垂直方向成分Rc1を得るためには、横向きカム面14の垂直方向に対する傾きを大きくしなければならず、それだけきつい即ち湾曲の大きい横向き凸形状になる。これは、固定カム8全体の幅寸法を大きくすることになる。
横向きカム面14全体として、垂直方向に対して傾斜した第1可動カム面12と第2可動カム面13とから、それぞれカムフォロア9を介して横向きカム面14を水平方向に押圧する力を付与しかつその大きさを適当に設定することによって、必要かつ十分な大きさの垂直方向成分Rc1を確保することができ、第1〜第3領域S1〜S3を通して緩やかな即ち湾曲の小さい横向き凸形状にすることができる。これによって、固定カム8全体の幅寸法を比較的小さくすることができ、実際に装置化する際にその小型化が図られる。
このように本実施態様によれば、横向きカム面14の全領域で、カムフォロア9、第1可動カム6、第2可動カム7、固定カム8、第1及び第2側方支持部10,11からなる系に作用する物品Aの荷重W、ばね4のばね力Fs、固定カム8からの反力、及び第1及び第2側方支持部10,11からの反力が、カムフォロア9周りで平衡している。それにより、物品Aを載せた物品支持部3をその上下ストロークの範囲において、所望の高さ位置に静止させかつその位置を保持し、また比較的少ない力で簡単に昇降させることができる。
上述した本発明の基本構成は、様々な変形・変更を加えて実施することができる。例えば、物品支持部3を挟んで図1のばね4と反対側に追加のばねを並列に配置し、その上端を固定しかつ下端をばね力伝達部材5を取り付けることができる。これにより、物品Aを載せた物品支持部3を左右にバランス良く支持しかつ昇降させることができる。
更に、図1の第1可動カム6、第2可動カム7、固定カム8及びカムフォロア9と同じ第1可動カム、第2可動カム、固定カム及びカムフォロアをもう1組、前記追加のばね側に鏡面対称に配置することができる。このとき、追加の第1可動カム及び第2可動カムは、それぞれ共通の物品支持部3及びばね力伝達部材5に設けることが好ましい。このように左右対称に構成することによって、前記各カムが負担する荷重及びばね力を少なくし、全体として、より大きな荷重を安定して支持することができる。
このような本発明の変形例を具体的に適用した物品支持装置の好適な実施態様を、図6及び図7に示す。本実施態様の物品支持装置20は、テレビモニター等の比較的大きい重量の物品Bを支持するためのもので、床面等に設置されるスタンド21と、該基台に固定される固定フレーム部22と、前記固定フレーム部に昇降可能に取り付けられる支持フレーム部23と、左右ばね部24,25とを備える。物品Bは、支持フレーム部23に一体にかつ取り外し可能に取り付けられる。
スタンド21は、所定の間隔をもって平行に配置された左右1対の垂直な下向きY字状の脚21aと、両脚21a間に横架された複数の水平な横桿21bとを備える。固定フレーム部22は、スタンド21の横桿21bに、例えば適当な留め具によって吊り下げ式に取り外し可能に固定される。
固定フレーム部22は概ね矩形の枠構造からなり、水平に延長する上部及び下部フレーム26,27と、前記上部フレームと下部フレーム間を垂直に延長する左及び右側部フレーム28,29とを有する。更に固定フレーム部22には、その中央に前記上部フレームと下部フレーム間を垂直に延長する第1ブレーキレール30が設けられている。各側部フレーム28,29には、それぞれ前記枠構造の内側に開口する断面コ字状のスライドレール31が該側部フレームの上端から下端まで形成され、かつ、それぞれ前記側部フレームを左右に貫通するガイド溝32,33が、その中央付近から下端まで形成されている。
支持フレーム部23は概ね矩形の枠構造からなり、垂直に延長する左及び右側ガイドフレーム34,35と、前記両ガイドフレーム間を水平に延長する上部フレーム36及び上下に少し離隔された2つの下部フレーム37a,37bと、その前側に物品Bを固定するために、それぞれ前記ガイドフレームの内側を垂直に延長する左右1対の取付ステー38とを有する。更に支持フレーム部23には、その上部中央に設けられたブレーキ装置39と、該ブレーキ装置を解除して前記支持フレーム部を昇降させるための操作ハンドル40とを有する。操作ハンドル40は、その両端に結合された左右の垂直な伝達ロッド41を介してブレーキ装置39を操作可能に取り付けられている。
支持フレーム部23は固定フレーム部22に、左及び右側ガイドフレーム34,35をそれぞれ前記固定フレーム部の対応する左及び右側部フレーム28,29のスライドレール31内に摺動可能に嵌装して、前記スライドレールに沿って上下に移動可能に装着される。左及び右側ガイドフレーム34,35には、スライドレール31内を摺動する際にその内面との間で生じ得る摩擦その他の抵抗を低減又は解消するために、スライドレール31内面に摺接して転動する複数のローラー42が取り付けられている。これにより、支持フレーム部23は、固定フレーム部22に対して左右にガタついたり変位することなく、上下方向に円滑に移動することができる。
左右ばね部24,25は、それぞれ固定フレーム部22の左右直ぐ外側に、支持フレーム部23の移動方向即ち垂直方向に関して該支持フレーム部と並列に配置されている。各ばね部24,25は、それぞれ平行に配置された2本の引っ張りコイルばね43,44を有する。各引っ張りコイルばね43,44は、上端を固定フレーム部22の上部フレーム26に固定して垂直に吊り下げられ、下端が共通のばね力伝達部材45の左右両端部45a,45bに結合されている。
支持フレーム部23の下側の下部フレーム37bには、第1可動カム部材46が一体に取り付けられている。第1可動カム部材46は、図中前後に平行に配置された2枚の概ね逆二等辺三角形状の第1カムプレート46a,46bを有する。第1カムプレート46a,46bは、それぞれ前記逆二等辺三角形の左右下辺の端面からなる1対の下向きの第1可動カム面47,48を有する。第1可動カム面47,48は、支持フレーム部23の移動方向即ち垂直方向に関して互いに逆向きにかつ同じ傾きをもって傾斜させて左右対称に設けられている。
ばね力伝達部材45には、第2可動カム部材49が一体に形成されている。第2可動カム部材49は、図中前後に平行に配置された2枚の概ね二等辺三角形状の第2カムプレート49a,49bを有する。第2カムプレート49a,49bは、前記二等辺三角形の左辺及び右辺の端面からなる1対の上向きの第2可動カム面50,51を有する。第2可動カム面50,51は、支持フレーム部23の移動方向即ち垂直方向に関して互いに逆向きにかつ同じ傾きをもって傾斜させて左右対称に設けられている。
ばね力伝達部材45は、第2カムプレート49a,49bを固定フレーム部22の枠構造の内側に配置し、かつ左右両端部45a,45bをそれぞれ左右側部フレーム28,29のガイド溝32,33に外側に挿通させて、該ガイド溝に沿って上下に摺動可能に取り付けられている。ばね力伝達部材45の上限位置は、ガイド溝32,33の上端によって規定される。物品Bを支持する際に、この上限位置でばね力伝達部材45が静止し得るように、各引っ張りコイルばね43,44は予め自由長から所定の変位量だけ伸張され、垂直方向上向きに所定の初期ばね力を発揮するように設定されている。
固定フレーム部22には、その枠構造の内側に固定カム部材52,53が左右対称に取り付けられている。固定カム部材52,53は、それぞれ図中前後に平行に配置された2枚の上下方向に長い第3カムプレート52a,52b,53a,53bからなり、それらの上端が、第1ブレーキレール30上に固定された取付板54に、枢支ピン54a,54bによって左右に揺動可能に支持されている。前記第3カムプレートの下端は、固定フレーム部22の下部フレーム27に突設したステー55,56にねじ止めして固定される。ステー55,56は、下部フレーム27に対して左右方向に或る範囲で移動可能に設けられており、その位置を変更することによって、前記第3カムプレートの位置を前記枢支ピン周りに調節することができる。
第1可動カム部材46と第2可動カム部材49とは、左右の対応する第1可動カム面47,48と第2可動カム面50,51とが互いに対向しかつ逆向きに傾斜するように配置されている。固定カム部材52,53は、それぞれ上下方向に延長する内向きの、即ち対応する前記第1可動カム面及び第2可動カム面の側を向いた端面からなる横向きカム面57,58を有する。
横向きカム面57,58は、その上端から下端まで略全長に亘って又は部分的に接線方向の傾きが変化するように、前記対応する前記第1可動カム面及び第2可動カム面を向いて凸状に湾曲している。横向きカム面57,58全体の傾きは、下部フレーム27におけるステー55,56の位置を変更して前記第3カムプレートを回転させることによって、容易に調節することができる。
図8及び図9に示すように、左右の対応する第1可動カム面47と第2可動カム面50と横向きカム面57との間、及び第1可動カム面48と第2可動カム面51と横向きカム面58との間に、それぞれ1つのカムフォロア部材59,60が、前記各カム面と当接するように配置されている。カムフォロア部材59,60は、例えば金属製の真直ぐな円形ロッドからなり、その外周に軸方向に沿って各6つの転がり軸受が嵌装されている。図9に示すように、各転がり軸受61a,61b,62a,62b,63a,63bは、それぞれ前記各カム面と個別に当接するように配置される。
図9において、第1カムプレート46a,46b、第2カムプレート49a,49b及び第3カムプレート52a,52bは、それぞれカムフォロア部材59の軸方向に沿って2つずつ左右対称をなすように配置されているので、前記各カムプレートがカムフォロア部材59を押圧する力は、その軸方向に沿って分散しかつそれぞれ左右対称に作用する。これにより、カムフォロア部材59は、第1可動カム面47第2可動カム面50及び横向きカム面57の間で容易に安定して水平に保持される。
また、カムフォロア部材59は、互いに対をなす第1カムプレート46a,46b、第2カムプレート49a,49b及び第3カムプレート52a,52bの間に別の構成要素が存在せず、軸方向に間隔を短くして配置することができる。その結果、カムフォロア部材59の軸方向長さを短くすることができ、長過ぎる場合に生じ得る過度の撓みや変形又は折損の虞を解消することができる。
横向きカム面57,58も同様に、カムフォロア部材59,60との当接位置によって3つの領域に分けられる。第1領域S1は、前記カムフォロア部材との接点における法線方向が水平方向に関して上向きの領域である。第2領域S2は、前記カムフォロア部材との接点における法線方向が実質的に水平方向、即ち接線方向が実質的に垂直方向の領域である。実質的とは、上述したように完全な水平方向よりも僅かに上向き又は下向きであるが、その程度は、物品支持装置20の作用効果上又はその動作もしくは機能上無視できるほどに小さく、水平方向と見なし得る場合を含むという意味である。また、第3領域S3は、前記カムフォロア部材との接点における法線方向が水平方向に関して下向きの領域である。
図8は、物品Bを載せた支持フレーム部23が最上位置にある場合を示している。カムフォロア部材59,60は、横向きカム面57,58の第1領域S1の上端で静止している。この位置において、前記カムフォロア部材、固定フレーム部22、前記支持フレーム部、ばね力伝達部材45及び固定カム部材52,53からなる系に作用する物品Bの荷重W、ばね部材24,25のばね力Fs、前記固定フレーム部からの反力、及び前記固定カム部材からの反力は、前記カムフォロア部材の周りで平衡している。
第1領域S1では、各引っ張りコイルばね43,44の変位が小さく、そのばね力Fsは物品Bの荷重Wより小さい。カムフォロア部材59に横向きカム面57,58から作用する反力Rcは、上向きの垂直方向成分を含むから、これをアシスト力としてばね力Fsに加えることによって、垂直方向に荷重Wと平衡している。
図10は、物品Bを載せた支持フレーム部23が中間位置にある場合を示している。カムフォロア部材59,60は、横向きカム面57,58の第2領域S2内の位置で静止している。この中間位置でも、前記カムフォロア部材、固定フレーム部、支持フレーム部、ばね力伝達部材及び固定カム部材からなる前記系作用する物品Bの荷重W、前記ばね部材のばね力Fs、前記固定フレーム部からの反力、及び前記固定カム部材からの反力は、前記カムフォロア部材の周りで平衡している。
第2領域S2では、横向きカム面57,58からの反力Rcが実質的に水平方向成分だけであり、垂直方向成分を有していない。垂直方向には、ばね部材24,25のばね力Fsと荷重Wとが実質的に平衡している。
図11は、物品Bを載せた支持フレーム部23が最下位置にある場合を示している。カムフォロア部材59,60は、横向きカム面57,58の第3領域S3の下端で静止している。この下端位置でも、前記カムフォロア部材、固定フレーム部、支持フレーム部、ばね力伝達部材及び固定カム部材からなる前記系作用する物品Bの荷重W、前記ばね部材のばね力Fs、前記固定フレーム部からの反力、及び前記固定カム部材からの反力は、前記カムフォロア部材の周りで平衡している。
第3領域S3では、各引っ張りコイルばね43,44の変位が大きく、そのばね力Fsは物品Bの荷重Wより大きい。カムフォロア部材59,60に横向きカム面57,58から作用する反力Rcは、下向きの垂直方向成分を含み、これが、ばね力Fsによる押し上げ力を削減する向きに作用することによって、垂直方向に荷重Wと平衡している。
物品Bの荷重Wが小さくなると、ばね部材24,25は変更がないから、そのばね力Fsは相対的に大きくなる。従って、横向きカム面57,58は、第1領域S1〜第3領域S3を全体的に上方へシフトして、第1領域S1では、前記横向きカム面によるばね力Fsへのアシスト力を小さくし、第3領域S3では、ばね力Fsによる押し上げ力を削減する下向きの力を大きくする必要がある。
他方、物品Bの荷重Wが大きくなると、ばね部材24,25は変更がないから、そのばね力Fsは相対的に小さくなる。従って、横向きカム面57,58は、第1領域S1〜第3領域S3を全体的に下方へシフトして、第1領域S1では、前記横向きカム面によるばね力Fsへのアシスト力を大きくし、第3領域S3では、ばね力Fsによる押し上げ力を削減する下向きの力を小さくする必要がある。
物品支持装置20では、上述したように、下部フレーム27におけるステー55,56の位置を変更して第3カムプレート52a,52b,53a,53bを枢支ピン54a,54b周りに回転させ、所望の位置で固定して横向きカム面57,58全体の傾きを調節する。荷重Bが小さい場合は、左右の前記各第3カムプレートの下端を互いに近付ける向きに前記ステーを移動させればよい。逆に、荷重Bが大きい場合は、左右の前記各第3カムプレートの下端を互いに離隔する向きに前記ステーを移動させる。
物品支持装置20において、物品Bは、静止位置で垂直方向に力が平衡しているので、どの高さ位置からであっても、比較的小さな力で容易に別の高さ位置に移動させることができる。その反面、物品の質量が大きくなると、それだけ移動中の物品に働く慣性力が大きくなるから、所望の位置で停止させることが困難になる虞がある。最悪の場合、物品Bを載せた支持フレーム部23が、上下ストロークの上端又は下端で固定フレーム部22に激しく衝突する。
かかる問題を解消する手段として、一般に、運動エネルギーを減衰又は吸収するダンパー、ショックアブソーバーやゴム等の弾性体が知られている。例えば、流体抵抗を利用したガススプリングやオイルダンパーを使用すると、装置全体が複雑で大型化・重量化し、扱い難くなるだけでなく、高価格になる。ゴム等の弾性体は、常に十分な効果を得られるとは限らない。
本実施態様の物品支持装置20は、支持フレーム部23の上下ストロークの上端及び下端において支持フレーム部23の移動を減速させ、大きな衝撃を生じることなく停止させるために効果的で簡単な構成の緩衝機構を備えている。この緩衝機構は、以下に説明するように、本発明の基本的な技術思想に基づいて、カムフォロア部材59を従動させる前記カムプレートに新規で斬新な工夫を加えることによって、効果的に実現される。
図12は、図中左側の第3カムプレート52aの横向きカム面57の上端付近を拡大して示している。同図において、実線で示すカムフォロア部材59と横向きカム面57との接点が、物品Bを取り付けた支持フレーム部23を所望の高さ位置で静止させる機能が発揮される前記横向きカム面の有効領域Sの上限位置C1である。横向きカム面57には、上限位置C1から更に上方へ延長して、上部緩衝域L1と上部ストッパ域M1とが連続して設けられている。
上部緩衝域L1は、図中想像線で示す仮想の横カム面延長部57’とは逆向きに大きく湾曲し、途中、その接線方向が垂直方向を向く点D1を通り、更に上部ストッパ域M1に向けて湾曲している。上部ストッパ域M1は、カムフォロア部材59の上方への移動を完全に阻止する下向きの水平面である。
上部緩衝域L1は、上限位置C1から点D1まで、垂直方向に関する接線方向の傾きが急激に小さくなり、それに伴って、横向きカム面57からカムフォロア部材59への押圧力即ち反力は、上向きの垂直方向成分が急激に減少して、点D1で0となる。それにより、ばね部24,25の付勢力へのアシスト力が急激に失われて、物品B及び支持フレーム部23の上昇は大きく減速される。
点D1から上部ストッパ域M1までの範囲では、逆に、横向きカム面57からカムフォロア部材59への反力は下向きの垂直方向成分を発生する。これにより、カムフォロア部材59を押し下げる力が作用するので、物品B及び支持フレーム部23の上昇は更に大きく減速される。
このように下向きの減速作用が働くことによって、支持フレーム部23のガイドフレーム34,35が固定フレーム部22のスライドレール31の上端に衝突したり、ばね力伝達部材45の端部45a,45bが前記固定フレーム部のガイド溝32,33の上端に衝突することなく、カムフォロア部材59は、前記支持フレーム部と同時に、上部緩衝域L1内で停止するか、停止しない場合でも、比較的低速で上部ストッパ域M1に入って停止する。この停止位置では、物品B及び支持フレーム部23は、それらの重量がばね部24,25の押し上げ力を上回っているので、非常に僅かな時間停止した後、自重でゆっくりと僅かに下降し、カムフォロア部材59が上限位置C1付近に戻って静止する。
図13は、第3カムプレート52aの横向きカム面57の下端付近を拡大して示している。同図において、実線で示すカムフォロア部材59と横向きカム面57との接点は、前記横向きカム面の有効領域Sの下限位置C2である。横向きカム面57には、下限位置C2から更に下方へ延長して、下部緩衝域L2が設けられている。
下部緩衝域L2は、上部緩衝域L1は、図中想像線で示す仮想の横カム面延長部57”とは逆向きに大きく湾曲し、途中、その接線方向が垂直方向を向く点D2を通り、更に湾曲している。下限位置C2からD2まで、垂直方向に関する接線方向の傾きが急激に小さくなり、それに伴って、横向きカム面57からカムフォロア部材59への反力は、下向きの垂直方向成分が急激に減少して、点D2で0となる。これにより、ばね部24,25の付勢力に抗して支持フレーム部23を押し下げる力が急激に失われて、物品B及び前記支持フレーム部の下降は大きく減速される。
点D2を超えた範囲では、逆に、横向きカム面57からカムフォロア部材59への反力は上向きの垂直方向成分を発生する。これにより、カムフォロア部材59を押し上げる力が作用するので、物品B及び支持フレーム部23の下降は更に大きく減速される。
このように上向きの減速作用が働くことによって、支持フレーム部23のガイドフレーム34,35が固定フレーム部22のスライドレール31の下端に衝突したり、ばね力伝達部材45の端部45a,45bが前記固定フレーム部のガイド溝32,33の下端に衝突することなく、カムフォロア部材59は、前記支持フレーム部と同時に、下部緩衝域L2内で停止する。この停止位置では、物品B及び支持フレーム部23は、それらの重量をばね部24,25の押し上げ力が上回っているので、非常に僅かな時間停止した後、前記ばね部の付勢力で僅かに上昇し、カムフォロア部材59が横向きカム面57の下限位置C2付近に戻って静止する。
図12及び図13では、図中左側の第3カムプレート52aについてのみ説明したが、右側の第3カムプレート52bについても、同様に上部緩衝域L1と上部ストッパ域M1及び下部緩衝域L2を設けることができる。当然ながら、前記両第3カムプレートの一方にのみ設けてもよい。また、上部緩衝域L1と上部ストッパ域M1又は下部緩衝域L2の一方だけを設けることもできる。
図14は、図13の変形例であり、図13と同様に、第3カムプレート52aの横向きカム面57の下端付近を拡大して示している。同図において、実線で示すカムフォロア部材59と横向きカム面57とは、前記横向きカム面の有効領域Sにおいて、支持フレーム部23の最下位置に対応する下限位置C2で当接している。横向きカム面57は、下限位置C2より下側に或る範囲で、その傾きを有効領域Sと同じ機能を発揮し得るように形成した延長領域Eを設けている。
第1カムプレート46aの第1可動カム面47は、支持フレーム部23の最下位置において、接点G1でカムフォロア部材59に当接している。本実施態様において、この接点は、支持フレーム部23が最上位置と最下位置間を移動する際に、カムフォロア部材59が第1可動カム面47に当接しつつ移動し得る上限位置である。
第1可動カム面47は、上限位置G1より下側の領域が、垂直方向に関して一定の傾きで傾斜している。この傾きは、上述したように第2可動カム面50及び横向きカム面57と協働して支持フレーム部23が最上位置と最下位置間で所望の高さ位置で静止し得るように、カムフォロア部材59が前記第1可動カム面に押圧されて、横向きカム面57に対して水平方向に所望の押圧力を付与するべく設定されている。
第1可動カム面47には、上限位置G1から更に上方へ延長して、緩衝域N1が設けられている。緩衝域N1は、その傾きが水平方向に近付く向きに即ち垂直方向に関して大きくなるように湾曲している。そのため、第1可動カム面47から同じ大きさの力でカムフォロア部材59を押圧しても、その水平方向成分は、上限位置G1より下方の領域と同じ傾きの場合に比して小さくなる。それに伴って、カムフォロア部材59から横向きカム面57への押圧力の水平方向成分は、前記第1可動カム面の傾きが上限位置G1より下方の領域と同じである場合よりも小さくなる。
これにより、横向きカム面57のカムフォロア部材59に対する反力は、下向きの垂直方向成分が減少する。その結果、ばね部24,25の付勢力に抗して支持フレーム部23を押し下げる力が急激に失われて、物品B及び前記支持フレーム部の下降は大きく減速される。
このように上向きの減速作用が働くことによって、支持フレーム部23と固定フレーム部22との間及び/又はばね力伝達部材45と前記固定フレーム部との間で衝突等を生じることなく、カムフォロア部材59は、前記支持フレーム部と同時に、緩衝域N1内で停止する。この停止位置では、物品B及び支持フレーム部23は、それらの重量をばね部24,25の押し上げ力が上回っているので、瞬間的に停止した後、前記ばね部の付勢力で僅かに上昇し、カムフォロア部材59が第1可動カム面47の上限位置G1付近に戻って静止する。
図15は、図13の別の変形例であり、図13と同様に、第3カムプレート52aの横向きカム面57の下端付近を拡大して示している。図14と同様に、実線で示すカムフォロア部材59と横向きカム面57とは、前記横向きカム面の有効領域Sにおいて、支持フレーム部23の最下位置に対応する下限位置C2で当接している。横向きカム面57は、下限位置C2より下側に或る範囲で、その傾きを有効領域Sと同じ機能を発揮し得るように形成した延長領域Eを設けている。
第2カムプレート49aの第2可動カム面50は、支持フレーム部23の最下位置において、接点H1でカムフォロア部材59に当接している。本実施態様において、この接点は、支持フレーム部23が最上位置と最下位置間を移動する際に、カムフォロア部材59が第2可動カム面50に当接しつつ移動し得る下限位置である。
第2可動カム面50は、下限位置H1より上側の領域が、垂直方向に関して一定の傾きで傾斜している。この傾きは、上述したように第1可動カム面47及び横向きカム面57と協働して支持フレーム部23が最上位置と最下位置間で所望の高さ位置で静止し得るように、カムフォロア部材59が前記第2可動カム面に押圧されて、横向きカム面57に対して水平方向に所望の押圧力を付与するべく設定されている。
第2可動カム面50には、下限位置H1から更に下方へ延長して、緩衝域N2が設けられている。緩衝域N2は、その傾きが水平方向に近付く向きに即ち垂直方向に関して大きくなるように湾曲し、途中、その接線方向が水平方向を向く点H2を通り、更に上向きに湾曲している。
そのため、緩衝域N2において、下限位置H1から点H2までは、第2可動カム面50から同じ大きさの力でカムフォロア部材59を押圧しても、その水平方向成分は、下限位置H1より上方の領域と同じ傾きの場合に比して小さくなる。それに伴って、カムフォロア部材59から横向きカム面57への押圧力の水平方向成分は、前記第2可動カム面の傾きが下限位置H1より上方の領域と同じである場合よりも、小さくなる。
これにより、横向きカム面57のカムフォロア部材59に対する反力は、下向きの垂直方向成分が減少する。その結果、ばね部24,25の付勢力に抗して支持フレーム部23を押し下げる力が急激に失われて、物品B及び前記支持フレーム部の下降は大きく減速される。
点H2から先の範囲では、逆に、第2可動カム面50からカムフォロア部材59への押圧力が上向きに作用する。この押圧力は、カムフォロア部材59への押圧力を削減する向きの水平方向成分と、上向きの垂直方向成分とを有する。これにより、更にカムフォロア部材59を押し上げる力が大きくなるので、物品B及び支持フレーム部23の下降は更に大きく減速される。
このように上向きの減速作用が働くことによって、支持フレーム部23と固定フレーム部22との間及び/又はばね力伝達部材45と前記固定フレーム部との間で衝突等を生じることなく、カムフォロア部材59は、前記支持フレーム部と同時に、緩衝域N2内で停止する。この停止位置では、物品B及び支持フレーム部23は、それらの重量をばね部24,25の押し上げ力が上回っているので、瞬間的に停止した後、前記ばね部の付勢力で僅かに上昇し、カムフォロア部材59が第2可動カム面50の下限位置H1付近に戻って静止する。
図14及び図15では、図中左側の第1カムプレート46a及び第2カムプレート49aについてのみ説明したが、右側の第1カムプレート46b及び第2カムプレート49bについても、同様に適用することができる。また、第1可動カム面47又は第2可動カム面50の一方だけでなく、両方に同時に前記緩衝域を設けることもできる。
本実施態様では、支持フレーム部23を上下ストロークの上端及び下端において減速かつ/又は停止させるために、横向きカム面57を有効領域Sの上方及び下方に延長させ、カムフォロア部材59周りに作用する力が非平衡になる緩衝域を設けている。別の実施態様では、このように、カムフォロア部材59周りの力が非平衡になる領域を、前記カムフォロア部材周りの力が平衡になる領域の間に、即ち横向きカム面57の有効領域Sの範囲内に設けることができる。
例えば、横向きカム面57の第1領域S1内に、上向きのアシスト力を平衡状態よりも減じる方向の傾きの非平衡領域と再び前記アシスト力を元の大きさに戻す方向の傾きの非平衡領域とを連続させて、平衡領域と平衡領域との間に設けることができる。また、横向きカム面57の第3領域S3内では、ばねの付勢力を削減する下向きの力を平衡状態よりも減じる向きの傾きの非平衡領域と再びその力を元の大きさに戻す向きの傾きの非平衡領域とを連続させて、平衡領域と平衡領域との間に設けることができる。
これによって、移動中の支持フレーム部23は、平衡領域から非平衡領域に入り、また平衡領域に戻る際に、一時的な移動速度の変動及びそれによる軽い衝撃を受けることになる。そのため、操作ハンドル40を操作しているユーザーは、移動中の支持フレーム部23の高さ位置を知ることができる。
また、非平衡領域内で傾きの方向が変わる位置は、カムフォロア部材59周りの力が平衡状態になる。従って、この位置を予め設定しておくことによって、支持フレーム部23を所望の高さ位置で静止させることが容易になる。このような高さ位置として、例えば支持フレーム部23の上下ストロークの中間位置がある。
更に、本実施態様の物品支持装置20は、外部から振動や衝撃等の力が加わった場合でも、支持フレーム部23を所望の高さ位置に保持し、簡単な操作で容易に移動させ又は停止させることができるブレーキ機構を備えている。このブレーキ機構は、支持フレーム部23のブレーキ装置39と固定フレーム部22の第1ブレーキレール30とで構成される。
ブレーキ装置39は、図16に示すように、支持フレーム部23の上部フレーム36の直ぐ前方に僅かに離隔してそれと平行に、かつ固定支持フレーム部22の第1ブレーキレール30の直ぐ背後に配置され、左右方向に延長する伝達プレート71を有する。伝達プレート71は、例えば適当なステー72を用いて、左右両端部をそれぞれ左右の伝達ロッド41の上端部に固定して一体に取り付けられている。
各伝達ロッド41は、隣接する支持フレーム部23の左及び右側ガイドフレーム34,35に相対的に上下に予め決められた僅かな範囲で移動可能に取り付けられている。具体的には、伝達ロッド41及び伝達プレート71は、図17に示すホーム位置と、図18に示す上向き解除位置及び図19に示す下向き解除位置との間で上下に移動させることができる。
少なくとも一方の伝達ロッド41には、ラック73が一体に設けられ、該ラックに歯合するピニオン74が、前記両ガイドフレーム間に軸方向に回動自在に横架されたばね軸75に同軸にかつ一体に装着されている。ばね軸75には、ピニオン74及びラック73を介して伝達ロッド41を上向きに付勢するための、例えばコイルばねからなる戻しばね76が緩やかに巻装されている。戻しばね76は、その一端76aが、ばね軸75上のツメ75aに伝達ロッド41を上向きに付勢する向きに係着され、他端76bが、ばね軸75の回転位置によって前記ガイドフレームの係止部(図示せず)と係脱自在に設けられている。
図17のホーム位置では、戻しばね76は他端76bが前記係止部に係合して、伝達ロッド41及び伝達プレート71を上向きに付勢している。操作ハンドル40を手で押し下げて、前記伝達ロッド及び伝達プレートを前記ホーム位置から図19の下向き解除位置に動かしたとき、戻しばね76の他端76bは依然として前記係止部に係合している。この後、手を前記操作ハンドルから離すと、前記伝達ロッド及び伝達プレートは戻しばね76の付勢力で上方へ移動し、前記ホーム位置に復帰する。
逆に、操作ハンドル40を手で押し上げて、前記ホーム位置から図18の上向き解除位置に動かすと、戻しばね76の他端76bは前記係止部との係合を解除し、前記戻しばねの付勢力は失われる。この後、手を前記操作ハンドルから離すと、前記伝達ロッド及び伝達プレートは自重で降下し、前記戻しばねの付勢力が再び得られる前記ホーム位置に復帰して静止する。
伝達プレート71には、第1ブレーキレール30を挟んで左右対称に各1対の伝達ピン77a,77b,78a,78bが前方に向けて一体に突設されている。伝達ピン77a,77b,78a,78bは、第1ブレーキレール30の直ぐ外側に、かつ各対が互いに上下に或る距離をもって離隔して配置されている。
支持フレーム部23の上部フレーム36には、第1ブレーキレール30を挟んで前記伝達ピンよりも外側にかつ左右対称に各1対の支軸79a,79b,80a,80bが前方に向けて一体に突設されている。上側の支軸79a,80aは上側の伝達ピン77a,78aより下方に、下側の支軸79b,80bは下側の伝達ピン77b,78bより上方に配置されている。前記各支軸の先端は伝達プレート71に開設された抜き孔(図示せず)を挿通して、該伝達プレートの前方まで延出している。伝達プレート71の前記抜き孔は、上述した操作ハンドル40による該伝達プレートの上下移動を妨げないように十分大きく形成される。
伝達プレート71の全面から突出する各支軸79a,79b,80a,80bの先端には、それぞれブレーキアーム81a,81b,82a,82bが、該伝達プレート71の平面に沿って回動自在に枢着されている。上側のブレーキアーム81a,82aは、その先端部が隣接する上側の伝達ピン77a,78aより上方に、下側のブレーキアーム81b,82bは、その先端部が隣接する下側の伝達ピン77b,78bより下方に位置するように配置される。
前記各ブレーキアームの基端部には、その外周に歯車部83a,83b,84a,84bが形成され、上下各対のブレーキアーム81a,81bと82a,82bの前記歯車部が互いに歯合している。これにより、前記各対のブレーキアームは、一方を回転させると、他方が連動して逆向きに回転するようになっている。
前記各ブレーキアームの先端には、それぞれブレーキシュー85a,85b,86a,86bが設けられている。上下各対のブレーキアーム81a,81bと82a,82bの先端部は、それらの間に引っ張りばね87a,87bが介装され、それにより互いに接近する向きに付勢されている。引っ張りばね87a,87bの付勢力によって、前記各ブレーキシューは、それぞれ図17のホーム位置において、第1ブレーキレール30の側面に押圧されている。前記各引っ張りばねのばね強さは、前記ブレーキシューと第1ブレーキレール30側面との間に、物品Bを取り付けた支持フレーム部23を静止位置から容易に移動させない十分な摩擦抵抗が生じ得るように設定される。
操作ハンドル40を持ち上げて、伝達プレート71を図18に示す上向き開放位置に動かすと、上側の伝達ピン77a,78aが上側のブレーキアーム81a,82aの側縁に当接し、これを引っ張りばね87a,87bの付勢力に抗して上方外向きに回転させる。これに連動して、下側のブレーキアーム81b,82bが下方外向きに回転する。これによって、前記各ブレーキシューと第1ブレーキレール30側面との係合が解除されるので、そのまま操作ハンドル40を持ち上げて、支持フレーム部23を自由に上方へ移動させることができる。
逆に、操作ハンドル40を引き下げて、伝達プレート71を図19に示す下向き開放位置に動かすと、下側の伝達ピン77b,78bが下側のブレーキアーム81b,82bの側縁に当接し、これを引っ張りばね87a,87bの付勢力に抗して下方外向きに回転させる。これに連動して、上側のブレーキアーム81a,82aが上方外向きに回転する。これによって、前記各ブレーキシューと第1ブレーキレール30側面との係合が解除されるので、そのまま操作ハンドル40を引き下げて、支持フレーム部23を自由に下方へ移動させることができる。
支持フレーム部23は、比較的小さい力で昇降させることができるので、ユーザーが操作ハンドル40を思い掛けず強い力で操作したとき、所望の位置で停止できないような、又は前記緩衝機構によっても十分な減速緩衝効果を得られないような速い速度で移動する虞がある。かかる問題を解消するために、本実施態様の物品支持装置20は、支持フレーム部23の移動速度を抑制又は制限するためのスピードリミッター機構を更に備えている。
図20に示すように、本実施態様のスピードリミッター機構90は、支持フレーム部23に設けられた遠心ブレーキ装置100と、固定フレーム部22に設けられた第2ブレーキレール92とから構成される。第2ブレーキレール92は、前記固定フレーム部の第1ブレーキレール30の後側に配置され、上部フレーム26の中央から垂直下向きに、前記支持フレーム部の上下ストロークを十分にカバーする長さに延長している。第2ブレーキレール92は、正面側に開口する断面コ字状をなし、その一方の内側面には、垂直方向に延長するラック92aが一体に形設されている。
遠心ブレーキ装置100は、支持フレーム部23の上部フレーム36と上側の下部フレーム37aとの間を垂直に延長する中央プレート91と第2ブレーキレール92との間に配置されている。遠心ブレーキ装置100は、中央プレート91の背面に固着された円形フレーム101と、該円形フレーム内にその中心軸103aに回動自在に支持された回転プレート102とを有する。回転プレート102は、1対の平行な長辺と1対の円弧状の短辺とを有し、その中央に小歯車103が一体にかつ前記円形フレームの中心軸103aと同心に設けられている。
図21(a)に示すように、回転プレート102には、その一方の前記短辺に1対のブレーキアーム104a,104bが、それぞれ基端部において支軸105a,105bを中心に揺動可能にかつ前記回転プレートの長辺方向に関して左右対称に取り付けられている。ブレーキアーム104a,104bは、それぞれ円形フレーム101の内周面に沿って湾曲する半円弧形状をなし、それらの間に介装された引っ張りばね107により互いに接近する向きに付勢されている。各ブレーキアーム104a,104bは、それぞれ自由端に突設したピン109a,109bを、回転プレート102に形成された長穴108a,108b内に挿通させ、それによって揺動可能な範囲を制限している。
ブレーキアーム104a,104bには、それぞれブレーキシュー106a,106bが、少なくとも一部を該ブレーキアームの外側周縁から円形フレーム101の内周面に向けて突出させて取り付けれている。ブレーキシュー106a,106bは、遠心ブレーキ装置100の非作動時には、図21(a)に示すように円形フレーム101内周面と接触しないように、かつ該遠心ブレーキ装置の作動時には、図21(b)に示すように前記円形フレーム内周面と係合し得るように配置される。
図20に示すように、遠心ブレーキ装置100と第2ブレーキレール92との間には、ギア部材93が、中央プレート91に固設された中心軸93bの周りに回動自在に設けられている。ギア部材93は、中心軸93bと同心に小歯車からなるピニオン94と外周に沿って設けられた大歯車95とを有する。ギア部材93は、ピニオン94が第2ブレーキレール92のラック92aに歯合し、かつ大歯車95が回転プレート102の小歯車103に歯合するように装着される。
支持フレーム部23を昇降させると、ラック92aとピニオン94とによってギア部材93が回転し、それにより回転プレート102が、大歯車95と小歯車103とのギア比に応じて高速で回転する。回転プレート102の回転速度は、支持フレーム部23の昇降速度によって増減する。
支持フレーム部23が静止しているとき、又は非常に遅い速度で移動しているとき、遠心ブレーキ装置100のブレーキアーム104a,104bは、引っ張りばね107の付勢力によって図21(a)に示す位置から全く揺動しない。そのため、は円形フレーム101内周面と接触しないから、支持フレーム部23をそのまま遅い速度で移動させることができる。
支持フレーム部23の移動速度が速くなってくると、ブレーキアーム104a,104bが引っ張りばね107の付勢力に抗して離反し始める。前記支持フレーム部の移動速度が比較的低速で、前記ブレーキアームの揺動が小さい場合には、同様に前記ブレーキシューが円形フレーム101内周面と接触しないので、支持フレーム部23をそのまま移動させることができる。
支持フレーム部23の移動速度が或る程度以上速くなると、前記ブレーキアームが引っ張りばね107の付勢力に抗して大きく離反し、前記各ブレーキシューが、図21(b)に示すように前記円形フレーム内周面と接触するようになる。そのため、支持フレーム部23の移動は、前記ブレーキシューと前記円形フレーム内周面との摩擦の大きさに応じて減速される。支持フレーム部23の移動が或る程度まで減速されると、前記ブレーキアームは引っ張りばね107によって互いに接近し、前記ブレーキシューは前記円形フレーム内周面との接触から解放される。従って、その減速された速度で支持フレーム部23を円滑に移動させることができる。
支持フレーム部23の移動速度が更に高速になると、前記ブレーキアームが引っ張りばね107の付勢力に抗して最大限に離反して、前記各ブレーキシューが、前記円形フレーム内周面に強く押圧される。そのため、支持フレーム部23は大きく減速され、場合によっては停止させることができる。支持フレーム部23の移動が或る程度まで減速され又は停止すると、同様に、前記ブレーキアームは引っ張りばね107によって互いに接近し、前記ブレーキシューは前記円形フレーム内周面との接触から解放される。従って、支持フレーム部23は、その減速された速度で円滑に又は再び移動させることができる。
このように本実施態様は、上述したスピードリミッター機構90によって、支持フレーム部23の移動速度を抑制又は制限することができるので、ユーザーの不用意な又は不注意な操作によって前記支持フレーム部の移動や停止を制御できなくなる虞を未然に解消することができる。従って、特に大型テレビモニター等の重量物を支持する場合に、より安全性を高めることができる。
以上、本発明の好適な実施態様について説明したが、本発明は、上記実施態様に限定されるものでなく、その技術的範囲内において様々な変形又は変更を加えて実施することができる。例えば、可動コラムの下向きカム面及びカムプレートの横向きカム面は、上述したカム溝の内周縁以外に、公知の様々な形態により形成することができる。また、物品支持装置1の使用可能な荷重範囲は様々に設定することができ、それに対応して、前記可動コラムの下向きカム面、前記ばね力伝達部材の上向きカム面、及び前記カムプレートの横向きカム面は、様々なカムプロフィールに設計することができる。更に、ばね部材は、上述した引っ張りコイルばね以外に、板ばね、渦巻きばね等の異なる形状のものや、空気ばね等の流体ばね、ゴム等の弾性材料や他の非金属材料からなるもの等、公知の様々なばねを適用することができる。
1 荷重支持機構
2 固定部
3 物品支持部
4 ばね
5 ばね力伝達部材
6 第1可動カム
7 第2可動カム
8 固定カム
9 カムフォロア
10 第1側方支持部
11 第2側方支持部
12 第1可動カム面
13 第2可動カム面
14 横向きカム面
20 物品支持装置
21 スタンド
22 固定フレーム部
23 支持フレーム部
24,25 ばね部
26 上部フレーム
27 下部フレーム
28,29 側部フレーム
30 第1ブレーキレール
31 スライドレール
34,35 ガイドフレーム
36 上部フレーム
37a,37b 下部フレーム
39 ブレーキ装置
40 操作ハンドル
41 伝達ロッド
43,44 引っ張りコイルばね
46 第1可動カム部材
46a,46b 第1カムプレート
47,48 第1可動カム面
49 第2可動カム部材
49a,49b 第2カムプレート
50,51 第2可動カム面
52,53 固定カム部材
52a,52b,53a,53b 第3カムプレート
57,58 横向きカム面
90 スピードリミッター機構
91 中央プレート
92 第2ブレーキレール
92a ラック
93 ギア部材
94 ピニオン
100 遠心ブレーキ装置
101 円形フレーム
102 回転プレート
104a,104b ブレーキアーム
106a,106b ブレーキシュー
107 引っ張りばね
E 延長領域
L1 上部緩衝域
L2 下部緩衝域
M1 上部ストッパ域

Claims (3)

  1. 固定部材に関して所定の移動方向に沿って所定の範囲で移動可能な、荷重を支持するための支持部材と、
    前記支持部材と共に前記移動方向に沿って変位する第1可動カム面と、
    前記第1可動カム面に対向し、前記移動方向に沿って変位する第2可動カム面と、
    前記固定部材に一端が固定され、他端において、前記第2可動カム面を前記移動方向に沿って前記第1可動カム面に向けて付勢する付勢力を発揮するばね部材と、
    前記固定部材に設けられた固定カム面と、
    前記第1可動カム面、前記第2可動カム面及び前記固定カム面に当接して、それらカム面の間に保持されるカムフォロアと、
    前記荷重に対して、前記第1可動カム面に前記付勢力の方向と直交する向きへの変位を規制する反力を発生する第1側方支持部と
    前記付勢力に対して、前記第2可動カム面に前記付勢力の方向と直交する向きにその変位を規制する反力を発生する第2側方支持部と
    を備え、
    前記第1可動カム面は、前記カムフォロアとの接点において前記荷重を伝達するように、前記付勢力の方向に関して傾斜し、
    前記第2可動カム面は、前記カムフォロアとの接点において前記付勢力を伝達するように、前記付勢力の方向に関して前記第1可動カム面と逆向きに傾斜し、
    前記固定カム面は、前記移動方向に沿って、前記カムフォロアへの押圧力が、前記カムフォロアとの接点において少なくとも前記付勢力の方向に直交する方向の成分を含むように、前記ばね部材の付勢力の方向に沿って前記第1可動カム面及び前記第2可動カム面に向けて湾曲し、
    前記第1可動カム面並びに前記第2可動カム面の傾斜及び前記固定カム面の湾曲は、前記カムフォロアに、前記第1可動カム面から作用する前記荷重、前記第2可動カム面から作用する前記ばね部材の付勢力、及び前記固定カム面から作用する押圧力と前記第1側方支持部の前記第1可動カム面への反力と、前記第2側方支持部の前記第2可動カム面への反力と前記カムフォロア周りに平衡して、前記支持部材が移動可能な前記所定の範囲で静止するように設計され、
    前記第1可動カム面、前記第2カム面及び記固定カム面の少なくとも1つの前記傾斜又は前記湾曲は、
    前記カムフォロアに、前記第1可動カム面から作用する前記荷重、前記第2可動カム面から作用する前記ばね部材の付勢力、前記固定カム面から作用する押圧力と、前記第1側方支持部の前記第1可動カム面への反力と、前記第2側方支持部の前記第2可動カム面への反力とが前記カムフォロア周り平衡して、前記支持部材が静止する平衡領域と、
    前記カムフォロアに、前記第1可動カム面から作用する前記荷重、前記第2可動カム面から作用する前記ばね部材の付勢力、前記固定カム面から作用する押圧力と、前記第1側方支持部の前記第1可動カム面への反力と、前記第2側方支持部の前記第2可動カム面への反力とが前記カムフォロア周り平衡せず、前記支持部材が静止しない非平衡領域とを有するように設けられていることを特徴とする荷重支持機構。
  2. 前記固定カム面前記平衡領域から前記付勢力の方向の一方にかつ/又は他方延長する前記非平衡領域を有し、前記固定カム面の湾曲は、前記カムフォロアとの接点における接線方向の前記付勢力の方向に関する傾きが、前記非平衡領域において前記平衡領域から前記非平衡領域に向けて小さくなることを特徴とする請求項1に記載の荷重支持機構。
  3. 前記第1可動カム面及び/又は前記第2可動カム面前記平衡領域から前記付勢力の方向の一方にかつ/又は他方に湾曲して延長する前記非平衡領域を有し、前記第1可動カム面及び/又は前記第2可動カム面の前記非平衡領域の湾曲は、前記カムフォロアとの接点における接線方向の前記付勢力の方向に関する傾きが、前記平衡領域から前記非平衡領域に向けて大きくなることを特徴とする請求項1又は2に記載の荷重支持機構。
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