JP2015171868A - ステアリング装置 - Google Patents

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達 坂田
Tatsu Sakata
達 坂田
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Abstract

【課題】取付剛性が高く且つ安定した衝撃吸収荷重を得ることができるステアリング装置を提供する。
【解決手段】車体7に取り付けられるカプセル8が、ステアリングコラムを支持する固定ブラケット6の取付板5を二次衝突時のコラム移動方向X1に離脱可能に支持する。カプセル8は、取付板5の上下に配置され互いに一体化される上部材31及び下部材32と、1又は2つの衝撃荷重発生用の樹脂ピン34と、ガタ取り樹脂35とを含む。樹脂ピン34は、取付板5の第1孔29と下部材32の第2孔33とに射出成形により充填される。ガタ取り樹脂35は、樹脂ピン34と一体に樹脂成形され、取付板5の下面5aと下部材32との間に形成される隙間に充填される。
【選択図】図5

Description

本発明はステアリング装置に関する。
特許文献1のステアリング装置においては、ステアリングコラムを支持する固定ブラケットの固定板部が、カプセルを介して、車両側固定部の取付面に固定されている。カプセルと固定板部とは、カプセルの挿通孔および固定板部のピン用孔に、樹脂材料を射出成形して形成された樹脂ピンを介して連結されている。
特許文献2のステアリング装置においては、車体側固定部とステアリングコラムとの間に介在するカプセル構造部が、車体側固定部に固定されるカプセル本体と、二次衝突時に前記ステアリングコラムと一体移動するリテーナとを備えている。前記リテーナは、ステアリングコラムのブラケットに固定される固定ピンと、ブラケットの挿通孔およびカプセル本体の挿通孔を挿通する二次衝突時剪断用の2本の第一ピンおよび2本の第二ピンという合計4本の樹脂ピンを備える。
特開2012−171585号公報 特開2010−2221952号公報
先行技術では、樹脂ピンが、カプセルをブラケットに固定する機能と、二次衝突時の離脱荷重(剪断荷重)を発生する機能との両機能を担っている。しかしながら、樹脂ピンのみで、カプセルをブラケットに固定する機能を担うため、取付剛性が低い。
また、カプセルの固定のために、切欠き溝の周縁に近接した位置に4本という多数本の樹脂ピンを配置している。しかしながら、多数本の樹脂ピンを用いる場合、二次衝突時に各樹脂ピンが剪断するタイミングにずれが生じ易い。このため、衝撃吸収ストロークに対する衝撃吸収荷重の特性が不安定になるおそれがある。
そこで、本発明の目的は、取付剛性が高く且つ安定した衝撃吸収荷重を得ることができるステアリング装置を提供することである。
請求項1の発明は、一端に操舵部材(2)が連結されたステアリングシャフト(3)を回転可能に支持するステアリングコラム(4)と、取付板(5)を含み、前記ステアリングコラムを支持するブラケット(6)と、前記取付板を二次衝突時のコラム移動方向(X1)に離脱可能に支持し車体(7)に取り付けられるカプセル(8)と、を備え、前記取付板は、第1孔(29;29S)と、前記コラム移動方向とは反対方向(X2)に開放する切欠き溝(28)と、を含み、前記カプセルは、嵌合孔(30)を含み、前記取付板の上方に配置された上部材(31)と、第2孔(33;33S)を含み、前記取付板の下方に配置された下部材(32;32P;32Q;32R;32S)と、前記第1孔および前記第2孔に射出成形により充填されて前記取付板と前記下部材とを連結し二次衝突時に破断して前記取付板の前記コラム移動方向への離脱を許容する1つまたは2つの樹脂ピン(34)と、前記樹脂ピンと射出成形により一体に形成されて前記取付板の下面(5a)と前記下部材との間に形成される隙間に充填されたガタ取り樹脂(35)と、を含むステアリング装置(1)を提供する。
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
また、請求項2のように、前記2つの樹脂ピンの、前記コラム移動方向に関する位置が等くされていてもよい。
また、請求項3のように、前記取付板の前記第1孔は、前記切欠き溝よりもコラム移動方向側に配置されていてもよい。
また、請求項4のように、前記下部材は、前記取付板の前記下面に対向する対向面(38a;38Pa;38Qa;38Ra)を含み、前記対向面は、前記隙間の一部を区画する溝部(40;40P;40Q;40R)を含んでいてもよい。
また、請求項5のように、前記溝部の少なくとも一部は、前記下部材の外縁(32a;32Qa)に沿って配置されていてもよい。
また、請求項6のように、前記溝部は、前記下部材の外縁(32Pa;32Ra)に沿って設けられた壁部(43;43R)に沿って配置されていてもよい。
また、請求項7のように、前記下部材は、前記切欠き溝を挿通して前記上部材の嵌合孔に圧入された第1部分(36)と、前記第1部分の周囲に配置され、前記切欠き溝に嵌合して前記上部材の下面に当接した第2部分(37)と、前記第2部分の周囲に配置され、前記対向面を有する第3部分(38;38P;38Q;38R)と、前記第1部分、前記第2部分および前記第3部分を挿通し、車体への固定ボルトが挿通されるボルト挿通孔(39)と、を含んでいてもよい。
また、請求項8のように、前記上部材は、前記嵌合孔の周囲に配置されて前記下部材の前記第2部分に面接触する平坦部(41)を含む鋼板を含んでいてもよい。
また、請求項9のように、前記鋼板は、4つの隅部(31C)と、各隅部に設けられ前記平坦部とは反対方向に突出する凸部からなる受け部(42)と、を含んでいてもよい。
請求項1の発明によれば、衝撃吸収荷重発生用の樹脂ピンと、カプセルとブラケットとの間のガタ取り用のガタ取り樹脂とで、それぞれが担う機能を分担する。衝撃吸収荷重を考慮する必要がなくて位置、形状等の設定の自由度が高いガタ取り樹脂を用いて、取付剛性を確実に向上することができる。また、樹脂ピンとしてカプセルとブラケットの取付を考慮する必要がないので、1〜2本の少数の樹脂ピンを自由な位置に配置することができ、その結果、衝撃吸収荷重が安定する。
請求項2の発明によれば、コラム移動方向に関する位置が等しい2つの樹脂ピンによって、回転方向のガタつきを抑制することができる。
請求項3の発明によれば、取付板において、樹脂ピン用の第1孔を切欠き溝よりもコラム移動方向側に配置したので、第1孔の大きさや、切欠き溝と第1孔との距離等の設定に制約がない。したがって、樹脂ピンの径や配置位置に関する設計の自由度が高く、安定した衝撃吸収荷重を得ることができる。
請求項4の発明によれば、第3部分に設けられた溝部が、ガタ取り樹脂充填用の隙間の一部を区画するので、ガタ取り樹脂を確実に充填させて取付剛性をより向上することができる。
請求項5の発明によれば、ガタ取り樹脂の少なくとも一部が、下部材の外縁に沿って配置されるので、ガタつき防止に格段の効果を発揮でき、取付剛性が向上する。
請求項6の発明によれば、壁部によって、溝部から樹脂制成形時の樹脂が漏れ出ることを抑制することができる。したがって、漏れ出し防止用の治具等を廃止ないし簡略化することができ、樹脂成形が容易になる。
請求項7の発明によれば、第1部分が上部材の嵌合孔に圧入されて下部材と上部材とが一体化される。第2部分が取付板の切欠き溝に嵌合して上部材の下面に突き当てられた状態で、取付板の下面と第2部分の周囲の第3部分の対向面との間に形成される広範囲な隙間に、ガタ取り樹脂が充填されるので、取付剛性を格段に向上することができる。
請求項8の発明によれば、平面精度が高く剛性のある鋼板(上部材)の平坦部が、下部材の第2部分に面接触するので、取付剛性が格段に向上する。
請求項9の発明によれば、上部材が、鋼板の4つの隅部に設けられた凸部からなる受け部によって荷重を受けるので、上部材の姿勢、ひいてはカプセルの姿勢が安定し、取付剛性の向上に寄与する。
本発明の第1実施形態のステアリング装置の概略側面図である。 (a)は固定ブラケットおよびステアリングコラムの平面図であり、(b)は固定ブラケットの概略図である。 カプセルの上部材、固定ブラケットの取付板、およびカプセルの下部材の分解斜視図である。 (a)はカプセルの上部材の平面図であり、(b)は固定ブラケットの取付板の平面図であり、(c)は下部材の平面図である。 カプセルを含むステアリングコラム取付構造の拡大断面図である。 本発明の第2実施形態において、下部材の平面図である。 本発明の第3実施形態において、下部材の平面図である。 本発明の第4実施形態において、下部材の平面図である。 本発明の第5実施形態において、(a)はカプセルの上部材の平面図であり、(b)は固定ブラケットの取付板の平面図であり、(c)は下部材の平面図である。
本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態のステアリング装置1の一部破断側面図である。図1を参照して、ステアリング装置1は、一端にステアリングホイール等の操舵部材2が連結されたステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3を回転可能に支持する筒状のステアリングコラム4とを備える。
また、ステアリング装置1は、取付板5を含み、ステアリングコラム4を支持する固定ブラケット6と、取付板5を二次衝突時のコラム移動方向X1に離脱可能に支持し、車体7に取り付けられるカプセル8とを備える。カプセル8は、車体7に設けられたスタッドボルト等の固定ボルト9と、固定ボルト9の先端に螺合するナット10とによって、車体7に固定されている。
カプセル8は、取付板5の上下に配置されて互いに一体に連結された上部材31および下部材32と、取付板5と下部材32とを連結し二次衝突時に破断してカプセル8からの取付板5の離脱を許容する樹脂ピン34と、取付板5の下面5aと下部材32との間の隙間に充填されたガタ取り樹脂35とを含む。
樹脂ピン34とガタ取り樹脂35とは、上部材31と下部材32と取付板5とを車体7に組み付けた状態で行われる射出成形によって、一体に形成されている。
操舵部材2が回転操作されると、ステアリングシャフト3が回転する。図示していないが、ステアリングシャフト3の回転が中間軸を介して、例えばラックピニオン式のステアリングギヤ機構に伝達され、これにより、車輪の転舵方向が変更される。
ステアリングシャフト3は、一端(軸方向上端)に操舵部材2が固定されるアッパーシャフト11と、アッパーシャフト11とスプライン嵌合により軸方向Xに相対摺動可能に且つ一体回転可能に連結されるロアーシャフト(図示せず)とを備える。
ステアリングコラム4は、アッパーシャフト11を収容しアッパーシャフト11を軸受12を介して回転可能に支持するアウター側のアッパーチューブ13と、ロアーシャフトを収容し、アッパーチューブ13と軸方向Xに相対摺動可能に嵌合するインナー側のロアーチューブ14とを備える。ステアリングコラム4は、軸方向Xに伸縮可能である。アッパーシャフト11とアッパーチューブ13とは、軸受12を介して、軸方向Xに同行移動可能である。
ステアリングコラム4の車両前方側(図1において左方)の部分は、車体に固定された支持ブラケット(図示せず)を介して、車体に支持されている。
ステアリングコラム4の車両後方側の部分(図1において示される部分)は、前記固定ブラケット6を介して車体7に固定されている。
すなわち、ステアリング装置1は、車体7に固定される固定ブラケット6と、ステアリングコラム4のアッパーチューブ13に固定されたコラムブラケット15(ディスタンスブラケットに相当)と、ロック機構16とを備える。ロック機構16によって、両ブラケット6,15がロックされることにより、ステアリングコラム4の位置が車体7に対して固定されて、操舵部材2の位置が固定される。
固定ブラケット6は、図2(a)に示すように、ステアリングコラム4を車幅方向Z(車両の左右方向に相当)に跨ぐように配置されて車体7への固定機能を担う第1ブラケット17と、図2(b)に示すように、第1ブラケット17に固定されてチルト機能を担う第2ブラケット18(チルトブラケットに相当)とを含む。
図2(a)に示すように、第1ブラケット17は、板金製であり、ステアリングコラム4を車幅方向Zに挟んだ両側に配置された一対の取付板5と、一対の取付板5間を連結する連結板19とを備える。
図2(b)に示すように、第2ブラケット18は、下向きに開放する溝形板である。すなわち、第2ブラケット18は、一対の固定側板20と、一対の固定側板20の上端間を連結し、第1ブラケット17の連結板19の下面に固定された天板21とを備える。
再び図1を参照して、コラムブラケット15は、板金製であり、上向きに開放する溝形板である。すなわち、コラムブラケット15は、ステアリングコラム4のアッパーチューブ13の下側部分に上端が固定された一対のコラム側板22と、一対のコラム側板22の下端間を連結する連結板23とを備える。
ロック機構16は、第2ブラケット18(チルトブラケット)の固定側板20に形成されたチルト溝24およびコラムブラケット15のコラム側板22に形成されたテレスコ溝25を挿通する締付軸26と、締付軸26の中心軸線回りに一体回転する操作レバー27とを備える。
ロック機構16は、操作レバー27の回転に伴って、一対の固定側板20に対応するコラム側板22に締め付けてロックを達成する例えばカム機構等の締付機構(図示せず)を備えている。ロック機構16によるロック状態で、コラムブラケット15が第2ブラケット18に連結されるとともに、ステアリングコラム4がコラムブラケット15を介して第2ブラケット18に支持される。
図3、図4を参照して、第1ブラケット17の各取付板5は、コラム移動方向X1とは反対方向X2(車両後方)に開放する切欠き溝28と、切欠き溝28からコラム移動方向X1に離隔した位置に設けられた第1孔29とを備える。切欠き溝28は、奥側(コラム移動方向X1)に向かうにしたがって溝幅が狭くなる台形状に形成されている。
図3に示すように、カプセル8は、嵌合孔30を含み、取付板5の上方に配置された上部材31と、取付板5の下方に配置され、切欠き溝28を通して上部材31と一体化される下部材32とを備える。下部材32は、第1孔29と対向する第2孔33を含む。
図5に示すように、カプセル8は、取付板5の第1孔29と下部材32の第2孔33とに樹脂成形により充填され取付板5と下部材32とを連結した樹脂ピン34と、樹脂ピン34と射出成形により一体に形成され、取付板5と下部材32との間に形成される隙間に充填されたガタ取り樹脂35とを備える。
樹脂ピン34は、二次衝突時に破断(剪断)して、取付板5のコラム移動方向X1への離脱を許容する。ガタ取り樹脂35は、取付板5とカプセル8との間のガタつきの発生を未然に防止する。
図3および図5を参照して、下部材32は、切欠き溝28を挿通して上部材31の嵌合孔30に圧入された第1部分36と、第1部分36の周囲に配置され、切欠き溝28を挿通して上部材31の下面に当接した第2部分37とを備える。第2部分37は、切欠き溝28に丁度嵌まる台形状をなしている。第1部分36は、第2部分37と相似の台形状をなして、第2部分37から上方へ突出している。
下部材32は、第2部分37の周囲(具体的には第2部分37のなす台形の上底と一対の脚)に配置され第3部分38と、第1部分36、第2部分37および第3部分38を挿通し、車体7への固定ボルト9が挿通されるボルト挿通孔39とを備える。
第3部分38は、取付板5の下面5aとの間に、ガタ取り樹脂35が充填される隙間を設けて対向する対向面としての上面38aを含む。すなわち、第3部分38の上面38a(対向面)と取付板5の下面5aとの間に、ガタ取り樹脂35を充填するための隙間が形成される。
第3部分38の上面38a(対向面)は、ガタ取り樹脂充填用の前記隙間の一部を区画する溝部40を含む。溝部40は、第3部分38の上面38a(対向面)から窪むように設けられている。溝部40の少なくとも一部は、下部材32の外縁32a(第3部分38の外縁に相当)に沿って配置されている。
上部材31は、板金成形された例えば矩形状の鋼板により構成されている。上部材31の下面は、嵌合孔30の周囲に配置されて下部材32の第2部分37に面接触する平坦部41を含む。
また、上部材31は、4つの隅部31Cと、各隅部31Cに設けられ平坦部41とは反対方向に突出する凸部からなる受け部42とを含む。受け部42は、車体7(車体側部材)の受け面に当接することにより、固定ボルト9による締結荷重を受ける。
本実施形態によれば、衝撃吸収荷重発生用の樹脂ピン34と、カプセル8と固定ブラケット6(第1ブラケット17)との間のガタ取り用のガタ取り樹脂35とで、それぞれが担う機能を分担する。衝撃吸収荷重を考慮する必要がなくて位置、形状等の設定の自由度が高いガタ取り樹脂35を用いて、取付剛性を確実に向上することができる。また、樹脂ピンとしてカプセル8と固定ブラケット6との取付を考慮する必要がないので、例えば1〜2本(本実施形態では1本)の少数の樹脂ピン34を自由な位置に配置することができ、その結果、衝撃吸収荷重が安定する。また、取付板5に車両取付の軸力が負荷されないので、摩擦による影響(ばらつき等)がなく、衝撃吸収荷重が安定する。
また、下部材32の第3部分38に設けられた溝部40が、ガタ取り樹脂充填用の隙間の一部を区画するので、ガタ取り樹脂を確実に充填させて取付剛性をより向上することができる。
また、取付板5において、第1孔29を切欠き溝28よりもコラム移動方向X1側に配置したので、第1孔29の大きさや、切欠き溝28と第1孔29との距離等の設定に制約がない。したがって、樹脂ピン34の径や配置位置に関する設計の自由度が高く、安定した衝撃吸収荷重を得ることができる。
また、溝部40の少なくとも一部が、下部材32の外縁32a(第3部分38の外縁に相当)に沿って配置される。したがって、ガタ取り樹脂35の少なくとも一部が、下部材32の外縁32aに沿って配置されるので、ガタつき防止に格段の効果を発揮でき、取付剛性が向上する。
また、下部材32の第1部分36が上部材31の嵌合孔30に圧入されて下部材32と上部材31とが一体化される。下部材32の第2部分37が取付板5の切欠き溝28に嵌合して上部材31の下面に突き当てられた状態で、取付板5の下面5aと第2部分37の周囲の第3部分38の上面38a(対向面)との間に形成される広範囲な隙間に、ガタ取り樹脂35が充填されるので、取付剛性を格段に向上することができる。
また、平面精度が高く剛性のある鋼板(上部材31)の平坦部41が、下部材32の第2部分37に面接触すので、取付剛性が格段に向上する。
また、上部材31が、鋼板の4つの隅部31Cに設けられた凸部からなる受け部42によって、固定ボルト9による締結荷重を受けるので、上部材31の姿勢、ひいてはカプセル8の姿勢が安定し、取付剛性の向上に寄与する。すなわち、固定ボルト9から十分に離隔した4点で荷重を受けるので、上部材31を傾かせるようなモーメント荷重の発生を抑制することができ、上部材31の姿勢を安定させることができる。
(第2実施形態)
図6は本発明の第2実施形態における下部材32Pの平面図である。図6の第2実施形態の下部材32Pが、図4(c)の第1実施形態の下部材32と異なるのは、下部材32Pの第3部分38Pの上面38Pa(対向面)に設けられた溝部40Pが、下部材32Pの外縁32Paに沿って設けられた略コの字形形状の壁部43の内側に沿って配置されることである。
図6の第2実施形態の構成要素において、図4(c)の第1実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図4(c)の第1実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同じ効果を奏することができる。さらに、樹脂ピンおよびガタ取り樹脂を射出成形するときに、第2孔33を通して溝部40Pに導入された樹脂材料が、溝部40Pから漏れ出ることを、溝部40Pを取り囲む壁部43によって抑制することができる。したがって、樹脂成形が容易になる。
(第3実施形態)
図7は本発明の第3実施形態における下部材32Qの平面図である。図7の第3実施形態の下部材32Qが、図4(c)の第1実施形態の下部材32と異なるのは、下部材32Qの第3部分38Qの上面38Qa(対向面)の溝部40Qに連通する2つの樹脂ピン充填用の第2孔33Qを設ける点にある。溝部40Qの少なくとも一部が、下部材32Qの外縁32Qaに沿って配置されている。
2つの第2孔33Qのコラム移動方向X1の位置は互いに等しくされている。図示していないが、取付板に設けられる第1孔も、対応する第2孔33Qに連通するように2つ設けられる。
図7の第3実施形態の構成要素において、図4(c)の第1実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図4(c)の第1実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
第3実施形態によれば、第1実施形態と同じ効果を奏することができる。さらに、2本の樹脂ピンを用いることで、高い衝撃吸収荷重が必要とされる場合に対応することができる。また、コラム移動方向に関する位置が等しい2つの樹脂ピンによって、回転方向のガタつきを抑制することができる。
(第4実施形態)
図8は本発明の第4実施形態における下部材32Rの平面図である。図8の第4実施形態の下部材32Rが、図6の第2実施形態の下部材32Pと異なるのは、下部材32Rの第3部分38Rの上面38Ra(対向面)の溝部40Rに連通する2つの樹脂ピン充填用の第2孔33Rを設ける点にある。
2つの第2孔33Rのコラム移動方向X1の位置は互いに等しくされている。図示していないが、取付板に設けられる第1孔も、対応する第2孔33Rに連通するように2つ設けられる。
下部材32Rの第3部分38Rに設けられた溝部40Rは、下部材32Rの外縁32Raに沿って設けられた略コの字形形状の壁部43Rの内側に沿って配置されている。
図8の第4実施形態の構成要素において、図6の第2実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図6の第2実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
第4実施形態によれば、第2実施形態と同じ効果を奏することができる。さらに、2本の樹脂ピンを用いることで、高い衝撃吸収荷重が必要とされる場合に対応することができる。また、コラム移動方向に関する位置が等しい2つの樹脂ピンによって、回転方向のガタつきを抑制することができる。
(第5実施形態)
図9は(a),(b)および(c)は、本発明の第5実施形態における上部材31、固定ブラケット6Sの(第1ブラケット17Sの)取付板5S、および下部材32Sの平面図である。
本第5実施形態は、単一の樹脂ピン34が設けられる図4の第1実施形態の変更例である。図9の本第5実施形態が、図4の第1実施形態と異なるのは、取付板5Sの第1孔29Sおよび下部材32Sの第2孔33Sの断面、すなわち形成される樹脂ピンの断面が、円形断面以外の異形断面とされている点である。異形断面は、図示のような楕円形断面であってもよいし、多角形断面(図示せず)であってもよい。
図9の第5実施形態の構成要素において、図4の第1実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図4の第1実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
本実施形態によれは、異形断面の樹脂ピンを用いることで、単一の樹脂ピンであっても、モーメント荷重の発生を抑制することができる。
図示していないが、図6の第3実施形態において、第2孔33およびこれに対応する第1孔を異形断面としても、同じ効果を奏することができる。
本発明は各前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
1…ステアリング装置、2…操舵部材、3…ステアリングシャフト、4…ステアリングコラム、5;5S…取付板、5a…下面、6;6S…固定ブラケット、7…車体、8…カプセル、9…固定ボルト、10…ナット、13…アッパーチューブ、14…ロアーチューブ、15…コラムブラケット、16…ロック機構、17;17S…第1ブラケット、18…第2ブラケット、28…切欠き溝、29;29S…第1孔、30…嵌合孔、31…上部材、31C…隅部、32;32P;32Q;32R;32S…下部材、33;33Q;33R;33S…第2孔、34…樹脂ピン、35…ガタ取り樹脂、36…第1部分、37…第2部分、38;38Q;38R…第3部分、38a;38Pa;38Qa;38Ra…上面(対向面)、39…ボルト挿通孔、40;40P;40Q;40R…溝部、41…平坦部、42…受け部、43R…壁部、X…軸方向、X1…コラム移動方向、X2…(コラム移動方向とは)反対方向、Z…車幅方向

Claims (9)

  1. 一端に操舵部材が連結されたステアリングシャフトを回転可能に支持するステアリングコラムと、
    取付板を含み、前記ステアリングコラムを支持するブラケットと、
    前記取付板を二次衝突時のコラム移動方向に離脱可能に支持し車体に取り付けられるカプセルと、を備え、
    前記取付板は、第1孔と、前記コラム移動方向とは反対方向に開放する切欠き溝と、を含み、
    前記カプセルは、嵌合孔を含み、前記取付板の上方に配置された上部材と、第2孔を含み、前記取付板の下方に配置された下部材と、前記第1孔および前記第2孔に射出成形により充填されて前記取付板と前記下部材とを連結し二次衝突時に破断して前記取付板の前記コラム移動方向への離脱を許容する1つまたは2つの樹脂ピンと、前記樹脂ピンと射出成形により一体に形成されて前記取付板の下面と前記下部材との間に形成される隙間に充填されたガタ取り樹脂と、を含むステアリング装置。
  2. 請求項1において、前記2つの樹脂ピンの、前記コラム移動方向に関する位置が等くされているステアリング装置。
  3. 請求項1または2において、前記取付板の前記第1孔は、前記切欠き溝よりもコラム移動方向側に配置されているステアリング装置。
  4. 請求項1から3の何れか一項において、前記下部材は、前記取付板の前記下面に対向する対向面を含み、前記対向面は、前記隙間の一部を区画する溝部を含むステアリング装置。
  5. 請求項4において、前記溝部の少なくとも一部は、前記下部材の外縁に沿って配置されているステアリングコラム装置。
  6. 請求項4において、前記溝部は、前記下部材の外縁に沿って設けられた壁部に沿って配置されているステアリング装置。
  7. 請求項4から6の何れか一項において、前記下部材は、前記切欠き溝を挿通して前記上部材の嵌合孔に圧入された第1部分と、前記第1部分の周囲に配置され、前記切欠き溝に嵌合して前記上部材の下面に当接した第2部分と、前記第2部分の周囲に配置され、前記対向面を有する第3部分と、前記第1部分、前記第2部分および前記第3部分を挿通し、車体への固定ボルトが挿通されるボルト挿通孔と、を含むステアリング装置。
  8. 請求項1〜7の何れか一項において、前記上部材は、前記嵌合孔の周囲に配置されて前記下部材の前記第2部分に面接触する平坦部を含む鋼板を含むステアリング装置。
  9. 請求項8において、前記鋼板は、4つの隅部と、各隅部に設けられ前記平坦部とは反対方向に突出する凸部からなる受け部と、を含むステアリング装置。
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