JP2015169884A - 光配向用偏光光照射装置及び光配向用偏光光照射方法 - Google Patents

光配向用偏光光照射装置及び光配向用偏光光照射方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 搬送系を工夫することで露光量の面内均一性をより高くすることができる実用的な光配向技術を提供する。【解決手段】 長尺な発光部を成す光源3からの光が偏光素子ユニット4を介して照射領域Rに照射され、ワーク搬送系2は基板Sを第一の方向に搬送して照射領域Rを通過させながら往復させる。各偏光素子41の境界線40は第一の方向に沿っており、搬送系2は、往路の搬送の後、復路の搬送の前に光照射器移動機構8により偏光素子41を第二の方向に搬送する。基板Sから見て境界線40の位置が変位した状態となるので、露光量が均一になる。【選択図】 図1

Description

本願の発明は、光配向を行う際に行われる偏光光の照射技術に関するものである。
近年、液晶パネルを始めとする液晶表示素子の配向膜や、視野角補償フィルムの配向層を得る際、光照射により配向を行なう光配向と呼ばれる技術が採用されるようになってきた。以下、光照射により配向を生じさせた膜や層を総称して光配向膜と呼ぶ。尚、「配向」ないし「配向処理」とは、対象物の何らかの性質について方向性を与えることである。
光配向を行う場合、光配向膜用の膜(以下、膜材という)に対して偏光光を照射することにより行われる。膜材は、例えばポリイミドのような樹脂製であり、所望の方向(配向させるべき方向)に偏光させた偏光光が膜材に照射される。所定の波長の偏光光の照射により、膜材の分子構造(例えば側鎖)が偏光光の向きに揃った状態となり、光配向膜が得られる。
光配向膜は、それが使用される液晶パネルの大型化と共に大型化している。そのため、要求される偏光光の光照射領域の幅は1500mm又はそれ以上となっており、幅広化してきている。このような幅の広い光照射領域に偏光光を照射する偏光光照射装置として、例えば特許文献1に開示された装置がある。この装置は、光照射領域の幅に相当する長さの棒状の光源と、この光源からの光を偏光するワイヤーグリッド偏光素子とを備え、光源の長手方向に対して直交する方向に搬送される膜材に対して偏光光を照射する。光配向には可視から紫外域の波長の偏光光を照射する必要があるため、棒状の光源としては高圧水銀ランプのような紫外線光源が使用されることが多い。
特開2006−126464公報 特許第4815995号公報
光配向処理の品質の指標として重要なものに、露光量の均一性がある。露光量の均一性といった場合、単に積算露光量が膜材の面内で均一であることを意味するのでなく、偏光光がどれだけ均一な量で照射されているかということである。即ち、偏光されていない光(以下、無偏光光という)をなるべく照射しないようにし、偏光光だけを照射した状態として露光量を均一にする必要がある。局所的に無偏光光を多く含んだ状態で露光がされると、その部分だけ光配向が十分にされない状態となる。即ち、光配向の均一性という点では品質が低下することになる。
偏光光の均一な照射という観点で問題になることは、偏光素子の有限性である。ワイヤーグリッド偏光素子は、可視から紫外域の光を偏光できるものとして優れたものであるが、大きなサイズのものを製造することが難しい。このため、複数のワイヤーグリッド偏光素子を並べてユニット化したものを使用し、光照射領域をカバーしている。
複数のワイヤーグリッド偏光素子を並べた場合、各偏光素子の境界部分(端面の接触部分)からは無偏光光が照射され、各偏光子の境界部分の直下の位置では光配向処理を行うことができない。このような不均一な偏光光の分布の状態で光配向処理を行うと、ワーク(膜材)の表面のうち各偏光素子の境界部分の直下の位置を通過した領域では光配向が不十分な状態となり、光配向処理の面内均一性が低下する。
このような問題を考慮し、特許文献1では、各偏光素子の境界部分を塞ぐように遮光板を設け、境界部分からは無偏光光が出射されないようにしている。遮光板を配置することで、遮光板の直下の位置を通過した領域では露光量が低下するが、無偏光の光が多く照射されて光配向が局所的に不十分になるよりは良いとの考えである。遮光板の直下の位置での偏光光の照度低下は、光源の出力を大きくして全体に照度を高くしたり、照射距離を長くして偏光光の回り込みにより照度低下を緩和したりすることはできる。尚、以下の説明において、照度や露光量といった場合、偏光光についての照度や露光量を意味する。
また、遮光板の直下の位置での照度低下の問題を解消するため、特許文献2は、光源及び偏光素子ユニットから成る光照射器をワークの搬送方向に二つ並べた構造を開示している。この構造では、偏光素子ユニットにおける各ワイヤーグリッド偏光素子の境界線が二つの光照射器において同一直線上に並ばないようにし、ワークの搬送方向に対して垂直な方向にずれた配置となるようにしている。二つの光照射器の間をワークが通過して偏光光が照射されると、一つの光照射器においては境界線の直下の位置(即ち、遮光板の直下の位置)を通過したワークの表面領域であっても、もう一つの光照射器では境界線の直下の位置を通過することはないので、全体として露光量は均一になる。
これら特許文献1や特許文献2の技術によってもある程度は均一な偏光光の照射は可能であるものの、高い生産性が要求されたり、より高い均一性が要求されたりする場合には十分に対応できない面がある。
一方、このような光配向の技術において、偏光光照射の対象物(ワーク)は、膜材が連続して連なった長尺なもの(以下、長尺ワーク)である場合の他、膜材が基板上に既に設けられていて、膜材付きの基板がワークである場合がある。このような板状のものがワークである場合、搬送機構としては種々のバリエーションがあり、自由度が大きい。従って、搬送機構を工夫することで、上記遮光板の採用による照度分布不均一化を補償して均一性の高い光配向処理を実現できる可能性があると考えられる。
本願の発明は、上記の点を考慮して為されたものであり、搬送機構を工夫することで露光量の面内均一性をより高くすることができる実用的な光配向技術を提供する意義を有している。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、長尺な発光部を成す光源部と、光源部から放射する光を偏光する、発光部の長手方向に沿って複数並べられた偏光素子と、偏光素子を通過した光により形成された光照射領域を通過するようにしてワークを搬送するワーク搬送機構と、偏光素子を移動させる偏光素子移動機構とを備えた光配向用偏光光照射装置であって、ワーク搬送機構は、ワークを保持したワーク保持体を、発光部の長手方向に交差する第一の方向に移動させることで光照射領域を通過するようにワークを搬送するものであり、偏光素子移動機構は、並べられた各偏光素子の境界線の方向に交差する第二の方向に偏光素子を移動させるものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記ワーク搬送機構による第一の方向への移動は、ワークを保持した前記ワーク保持体が光照射領域を通過するように前記ワーク保持体を往復移動させるものであり、前記偏光素子移動機構は、前記ワーク搬送機構によるワーク保持体の往路移動が完了した後の復路移動の前に偏光素子を前記第二の方向への移動を行うものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記ワーク搬送機構によるワーク保持体の前記第一の方向への移動を行っている際に、前記偏光素子移動機構による偏光素子の前記第二の方向への移動を行うものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記光照射部は、第一・第二の複数の光照射部となっており、前記偏光素子は、複数の光照射部のそれぞれに設けられており、第一の光照射部における各偏光素子の境界線と、第二の光照射部における各偏光素子の境界線とは、前記第二の方向にお互いにずれているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、長尺な発光部を成す光源からの光を偏光素子を通して光照射領域に照射し、光照射領域を通過するようにしてワークを搬送することでワークに偏光光を照射する光配向用偏光光照射方法であって、偏光素子は、発光部の長手方向に沿って複数並べられており、発光部の長手方向に交差する第一の方向にワークを移動させることで光照射領域を通過するようにワークを搬送する工程と、偏光素子を各偏光素子の境界線の方向に交差する第二の方向に移動させる工程とを含むという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、前記請求項5の構成において、前記第一の方向への移動は、ワークが光照射領域を往復して通過するように移動させるものであって、ワークの往路移動が完了した後の復路移動の前に、偏光素子を前記第二の方向に移動するという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、前記請求項5の構成において、ワークの前記第一の方向への移動を行っている際に、偏光素子を前記第二の方向へ移動するという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項8記載の発明は、前記請求項5乃至7いずれかの構成において、前記偏光素子は、前記第一の方向に沿って複数列に並べられており、 第一の列の各偏光素子の境界線と、第二の列の各偏光素子の境界線とは、前記第二の方向にお互いにずれた状態であるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の請求項1又は5記載の発明によれば、ワークを第一の方向に搬送して光照射領域を通過させる際、偏光素子を第二の方向に移動することでワークから見た各偏光素子の境界線の位置が第二の方向に相対的に変位した状態にするので、境界線の存在にかかわらずワークの被照射面内での露光量が均一になる。
また、請求項2又は6記載の発明によれば、上記効果に加え、ワークを往復動させるので、多くの露光量が必要な場合に好適となる。また、光照射領域の一方の側でワークの搭載と回収が行われるので、構造や動作が簡略化される。
また、請求項3又は7記載の発明によれば、上記効果に加え、偏光素子の第二の方向への移動が第一の方向への搬送の最中に行われるので、タクトタイムが短くなり、生産性が向上する。
また、請求項4又は8記載の発明によれば、上記効果に加え、光照射器が複数設けられているので、露光量を多くするのが容易であり、二つの偏光素子ユニットにおいて偏光素子の境界線がずれているので、露光量が均一になる。そして、偏光素子の第二の方向の移動を導入しているので、さらに露光量を均一にできる。
本願発明の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置の斜視概略図である。 図1に示す光照射器の断面概略図であり、(1)は、光照射領域の短辺の方向での断面概略図、(2)は光照射領域の長辺の方向での断面概略図である。 図1に示すステージの斜視概略図である。 実施形態の装置における搬送機構と光照射器の動作を示した平面概略図である。 実施形態の装置における光照射器の偏光素子の第二の方向への移動距離について示した平面概略図である。 第二の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置の斜視概略図である。 第二の実施形態における各偏光素子ユニットの配置位置を概略的に示した平面図である。 第二の実施形態の装置における搬送機構と光照射器の偏光素子の動作を示した平面概略図である。 第二の実施形態の装置における光照射器の偏光素子ユニットの第二の方向への移動距離について示した平面概略図である。 第三の実施形態の光配向用偏光光照射装置及び方法について示した平面概略図である。 第二の方向への基板の搬送を導入することで積算露光量が均一になることを確認した実験の結果を示す図である。
次に、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。
図1は、本願発明の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置の斜視概略図である。図1に示す偏光光照射装置は、膜材付き液晶基板のような板状のワーク(以下、基板という)Sに対して光配向処理する装置となっている。
具体的には、図1の装置は、設定された光照射領域Rに偏光光を照射する光照射器1と、光照射領域Rを通過するようにして基板Sを搬送するワーク搬送機構2と、光照射器1を基板Sの搬送方向に対して直交する方向に移動する光照射器移動機構8を備えている。図1に示すように、光照射領域Rは、長方形の水平な領域として設定されている。光照射器1は、長尺な発光部を成す光源3を含んでいる。光源3の発光部の長手方向は、光照射領域Rの長辺の方向に一致している。
図2は、図1に示す光照射器1の断面概略図であり、(1)は、光照射領域Rの短辺の方向での断面概略図、(2)は光照射領域Rの長辺の方向での断面概略図である。図2に示すように、光照射器1は、長尺な発光部を成す光源3と、光源3と光照射領域Rに間に配置された偏光素子ユニット4とを備えている。
光源3としては、棒状の高圧水銀ランプが使用されている。この他、メタルハライドランプやLEDが使用されることもある。尚、棒状の光源3は長尺な発光部を成す光源3の一例であるが、点光源3を一列に並べたものも長尺な発光部を成すということができる。
光源3の背後(光照射領域Rとは反対側)には、ミラー31が配置されている。ミラー31は、光源3の長手方向に延びた長尺なものであり、光源3の背後を覆って光を光照射領域Rの側に反射させて光の利用効率を高めるものである。ミラー31は、反射面の断面形状が楕円の円弧又は放物線を成している。
偏光素子ユニット4は、複数の偏光素子41と、複数の偏光素子41を保持したフレーム42とより成るものである。この実施形態では、各偏光素子41は、ワイヤーグリッド偏光素子41である。各偏光素子41は、方形の板状であり、光源3の発光部の長手方向に並べられている。従って、各偏光素子41の境界線は、発光部の長手方向に垂直である。
各偏光素子41を保持したフレーム42は、各偏光素子41を並べた方向に長い長方形の枠状である。
尚、各境界線40を覆うようにして、遮光板43が設けられている。遮光板43は、境界線40の部分から無偏光光が出射されないようにするものである。
また、光源3及びミラー31は、ランプハウス32内に収容されている。偏光素子ユニット4は、ランプハウス32の光照射用開口に取り付けられている。
ワーク搬送機構2は、基板Sを保持したワーク保持体を移動させることで基板Sを搬送するものである。この実施形態では、ワーク保持体としてはステージ5が使用されている。図3は、図1に示すステージ5の斜視概略図である。
図1及び図3に示すように、ステージ5は方形であり、上側のほぼ中央で基板Sを保持するようになっている。ステージ5は、上面から少し浮いた位置で基板Sを保持するよう保持ピン51を備えている。保持ピン51は、ステージ5によって一体に保持されており、ステージ5が移動すると、保持した基板Sも一緒に移動するようになっている。
保持ピン51は、方形の角の位置に四つ設けられている。この他、基板Sのサイズに応じて、中央やその他の位置にも設けられることもある。各保持ピン51は、管状であり、不図示の真空排気系に接続されており、上端の開口から吸引して基板Sを真空吸着するものとなっている。
尚、基板Sに対する保持ピン51の接触位置は、基板Sを使用した製品の製造プロセスにおいて支障のない位置となっている。例えば、基板Sが液晶ディスプレイ製造用のものであり、1枚の基板から複数の液晶ディスプレイを製造する場合、各液晶ディスプレイ製造のために使用する領域を外れた場所で保持ピン51が接触するようにする。
ワーク搬送機構2は、基板Sの搬送のため、ステージ5を移動させるステージ移動機構を備えている。
この実施形態において、ワーク搬送機構2は、第一の方向に基板Sを搬送するものとなっている。第一の方向は、光源3が成す発光部の長手方向に垂直な水平方向(図1におけるY方向)となっている。
光照射器移動機構8は、光照射器1全体を第二の方向に移動するものであり、第二の方向とは、光照射器1に取り付けられている偏光素子ユニット4における各偏光素子41の境界線40の方向に交差する方向(図1におけるX方向)である。
この実施形態では、第二の方向は、各偏光素子41の境界線40の方向に垂直な水平方向である。前述したように、偏光素子ユニット4は、各境界線40の方向が発光部の長手方向に垂直な水平方向になるように配置されるから、第一の方向は各境界線40の方向に一致し、第二の方向は各境界線40の方向に垂直な水平方向となっている。
なお、本願発明の実施形態においては、光照射器移動機構8により光照射器1全体を第二の方向に移動することにより偏光素子41を第二の方向に移動させる例を示すが、偏光素子ユニット4のみを第二の方向に移動させることにより偏光素子41を第二の方向に移動させるように構成してもよい。
第一の方向の搬送は、基板Sの搭載位置から光照射領域Rに基板Sを搬送し、且つ光照射領域Rを通過させながら基板Sを回収位置に到達させるための搬送である。第二の方向の搬送は、基板Sの面内における露光量を均一にするための搬送である。
図1に示すように、ワーク搬送機構2は、第一の方向にステージ5を移動させるものである。ステージ5は、ベース板21上に搭載されており、ワーク搬送機構2は、ベース板21を移動させることでステージ5を移動させるものとなっている。
また、光照射器移動機構8は、第二の方向に支柱台81を移動させるものである。光照射器1は、ワーク搬送機構2の両側2ヶ所に設けた支柱11により支持されている。支柱11は支柱台81に固定され、光照射器移動機構8は、支柱台81を移動させることで光照射器1を移動させるものとなっている。
この実施形態では、光照射領域Rの一方の側に基板搭載位置が設定されている。ステージ移動機構は、基板搭載位置から光照射領域Rに向かって延びる第一のボールねじ611と、第一のボールねじ611の両側で第一のボールねじ611と平行に延びる一対の第一のリニアガイド612と、第一のボールねじ611を駆動する第一の駆動源613等から構成されている。
図1に示すように、第一のボールねじ611及び一対の第一のリニアガイド612は、光照射領域Rを貫いて水平に延びている。第一のボールねじ611の一端には第一の駆動源613が連結されており、他端は軸受けで支持されている。
ベース板21の下面のほぼ中央には、第一のボールねじ611に螺合された(ねじが噛み合っている)第一の被駆動ブロック22が固定されている。また、ベース板21の下面には、一対の第一のガイドブロック23が固定されている。第一のガイドブロック23の固定位置は、両側の第一のリニアガイド612の位置に対応している。第一のガイドブロック23内にはベアリングが設けられており、両側のリニアガイドが第一のガイドブロック23を貫通している。
第一の駆動源613はACサーボモータのようなモータであり、第一の駆動源613がボールねじを回転させると、一対の第一のリニアガイド612にガイドされながらベース板21及びステージ5が一体に直線移動する。これにより、ステージ5に保持された基板Sが第一の方向に搬送される。
また、光照射器移動機構8も、ワーク搬送機構2と同様な構成であり、第二のボールねじ621と、一対の第二のリニアガイド622と、第二のボールねじ621を駆動する第二の駆動源623等から構成されている。
なお、光照射器1はワーク搬送機構2をまたぎ、その両側を2本の支柱11支持されるので、支柱台81はワーク搬送機構2両側に設けられる。光照射器1を第二の方向に移動させるためには、2つの支柱台81は同期して移動する必要がある。そのためには、一方の支柱台81にのみ第二のボールねじ621と第二の駆動源623を設け、他方の支柱台81には第二のリニアガイド622を設けるだけでよい。
第二のボールねじ621及び一対の第二のリニアガイド622は、第二の方向に延びるよう固定されている。支柱台81の下面中央には、第二のボールねじ621に螺合された第二の被駆動ブロック24が固定されている。また、支柱台81の下面には、一対の第二のガイドブロック25が固定されている。第二のガイドブロック25の固定位置は、両側の第二のリニアガイド622の位置に対応している。第二のガイドブロック25内にはベアリングが設けられ、両側のリニアガイドが第二のガイドブロック25を貫通している。
第二の駆動源623がボールねじを回転させると、一対の第二のリニアガイド622にガイドされながら支柱台81は直線移動する。これにより、支柱台81に支柱11を介して支持された光照射器1が第二の方向に搬送される。
図4は、実施形態の装置におけるワーク搬送機構2と光照射器移動機構8の動作を示した平面概略図である。図4(1)に示すように、初期状態において、ステージ5は基板搭載位置に位置している。基板Sがステージ5上に載置されて各保持ピン51で保持されると、ワーク搬送機構2は、第一の駆動源613を駆動し、ベース板21及びステージ5を第一の方向(Y方向)に前進させる。ステージ5が第一の前進限度位置に達すると、第一の駆動源613は停止される。図4(2)に示すように、第一の前進限度位置は、ステージ5上の基板Sが光照射器1の下に形成される光照射領域を完全に通過する位置である。「完全に通過」とは、基板Sの後縁が光照射領域を通過することを意味する。
ワーク搬送機構2が第一の前進限度位置でステージ5を停止させた後、光照射器移動機構8が第二の駆動源623を動作させ、支柱台81を移動させることにより光照射器1を第二の方向(X方向)に移動させる。第二の駆動源623は、支柱台81が第二の前進限度位置に達したら停止する(図4(3))。
次に、ワーク搬送機構2は、第一の駆動源613を再び動作させ、ステージ5を第一の方向であって逆向きに移動させる。即ち、第一のボールねじ611が逆向きに回転するように第一の駆動源613を動作させる。第一の駆動源613は、ステージ5が光照射領域Rを再び通過し、基板回収位置に達したら停止する(図4(4))。
偏光光照射装置は、装置の各部の動作を制御する制御部を備えている。また、装置内にはステージ5や光照射器1の位置を監視するセンサ(不図示)が各所に設けられており、各センサの信号が制御部に送られるようになっている。さらに、実施形態の装置では、ロボットが基板Sをステージ5上に搭載し、また露光済みの基板Sをステージ5から回収することが想定されているが、ロボットとの間で、偏光光照射装置の制御部は信号のやり取りをするようになっている。
偏光光照射装置の制御部には、ワーク搬送機構2や光照射器移動機構8の各駆動源を含む各部を最適に制御するためのシーケンスプログラムが実装されている。シーケンスプログラムは、センサからの信号に従い、各部に制御信号を送り、図4に示すように搬送機構2を動作させる。
上記光照射器移動機構8において、第二の方向への光照射器1の移動距離(図4にdで示す)は、基板Sの面内における露光量均一化の観点から最適化される。以下、この点について図5を使用して説明する。図5は、実施形態の装置における光照射器1に設けられた偏光素子41の第二の方向への移動距離について示した平面概略図である。
第二の方向への光照射器1の移動を行うのは、前述した偏光素子4の境界線40の直下の位置における照度低下に起因した露光量の不均一化の問題を回避するためである。 上述したように、実施形態の装置においてワーク搬送機構2はステージ5を第一の方向において往復動させる。この際、ステージ5が同じ経路を通って戻ってくるのではなく、光照射器1(偏光素子41)を少し横方向(X方向)にシフトさせ、ステージ5上の基板Sが、光照射領域Rに対して相対的に、異なる経路を通って戻ってくるようにしている。
往路と復路とで光照射領域Rを基板Sが通過する際、同じ経路であると、往路において境界線40の直下を通過した基板S上の箇所は、復路においても同様に境界線40の直下の位置を通過することになる。このような基板Sの搬送では、局所的な偏光光の照度低下に起因した露光量の不均一化は解消されない。
一方、相対的に異なる経路を通って基板Sが戻ってくると、往路で照度低下の箇所を通過した基板S上の箇所は、復路では照度低下の箇所ではない箇所を通過して戻ってくるから、全体として露光量は均一になる。
但し、この実施形態では、複数の偏光素子41が成す境界線40は複数存在している(偏光素子41は三つ以上)。従って、境界線40間dの距離(又はdの整数倍の距離)に移動距離dが一致してしまうと、往路で照度の低い位置を通過した基板S上の領域が復路でも照度の低い位置を通過することになってしまい、露光量の均一化は達成されない。従って、第二の方向への移動距離dは、偏光素子ユニット4において各偏光素子41が成す境界線40の離間距離(以下、境界線40間距離)dの整数倍から外れていれば良い(d≠n・d,nは整数)。タクトタイム短縮の観点から、移動距離dは短い方が好ましい。従って、移動距離dは、d<dの範囲内で適宜決定される。
また、移動距離dが境界線40間距離daからどの程度外れれば良いかは、各境界線40の直下の領域における偏光光の照度低下の状況がどのようであるかによる。図5には、第二の方向への移動距離d、各境界線40間距離dとともに、境界線40の直下の領域における照度分布が概略的に示されている。ここに示す照度分布は、光照射領域Rのうち境界線40の直下の位置を通る第二の方向の直線上での照度分布である。
図5(1)に示すように、照度分布の低下が境界線40の直下の位置のごく狭い領域に限られる場合、移動距離dmは、照度低下が生じている領域の片側の幅wを越える僅かな距離で足りる。
一方、図5(2)に示すように、照度低下が生じている領域の幅wがある程度広い場合、その幅wを超えるように移動距離dは設定されるが、幅wは、各境界線40間距離dの1/2を越えることはない。従って、移動距離dは、各境界線40間距離dの1/2としておけば良いことになる。即ち、d=d/2としておけば、幅wによらず均一な露光量が達成できることになる。但し、幅wが小さい場合には、d<d/2としても良く、第二の方向への移動距離を小さくしてタクトタイムを短くすることはあり得る。
また、幅wの取り方についても、必要な露光量均一性との関係から最適化される。例えば露光量均一性が±5%であれば、幅wは最大照度から10%以上低下している領域の片側の幅とされる。
いずれにしても、移動距離dは、予め装置の制御部に入力されて制御値として記憶部に記憶される。そして、第二の駆動源623に対して動作量として送られる。
以上の構成に係る実施形態の光配向用偏光光照射装置の全体の動作について、以下に説明する。以下の説明は、光配向用偏光光照射方法の発明の実施形態の説明でもある。
装置の制御部は、光源3を点灯させる。光源3からの光は各偏光素子41を経ることで偏光光となり、光照射領域Rに照射される。ワーク搬送機構2は、ステージ5をスタンバイ位置である基板搭載位置に位置させる。
光配向される基板Sは、AGV(Auto Guided Vehicle)のようなロット搬送機構、又はエアコンベアのような枚葉搬送機構により偏光光照射装置まで搬送される。そして、不図示のロボットにより、一枚の基板Sがステージ5に搭載される。基板Sは、各保持ピン51の上に載置され、各保持ピン51上で真空吸着される。
ロボットからの基板搭載完了の信号を受信すると、制御部は、ワーク搬送機構2と光照射器移動機構8に信号を送り、前述した一連の搬送動作を行わせる。これにより、ステージ5は光照射領域Rを通過しながら往復し、通過の際、ステージ5上の基板Sに偏光光が照射される。そして、基板Sは、復路では光照射領域Rに対して相対的に移動距離dmだけシフトした経路を移動し、基板Sの面内の各点は均一に露光される。
ステージ5が基板回収位置に達すると、制御部は、真空吸着をオフにした後、ロボットに信号を送り、ステージ5から基板Sを回収させる。
以上説明した構成及び動作に係る実施形態の偏光光照射装置又は偏光光照射方法によれば、ワーク搬送機構2が光照射領域Rを通過させながら基板Sを往復させるとともに、往路の搬送が終了した後復路の搬送の前に、光照射器移動機構8が光照射器1(偏光素子41)を第二の方向に移動させることで、基板Sが、復路の経路を往路とは相対的に異なる経路とするものであり、その際の移動距離dmが各偏光素子41における境界線40間距離daを外れたものであるので、各偏光素子41の境界線40の直下の位置における照度低下が補償され、基板Sの面内での露光量が均一になる。
次に、第二の実施形態の装置及び方法について説明する。
図6は、第二の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置の斜視概略図である。図6に示す第二の実施形態の装置は、二つの光照射器1を備えている。各光照射器1の構造は、第一の実施形態の装置が備えるものとほぼ同様である。
図6に示すように、二つの光照射器1は、光源3の発光部の長手方向が第一の方向に対して垂直な水平方向となっている。そして、二つの光照射器1は、偏光素子ユニット4における各偏光素子41の配置が互いにずれたものとなっている。この点について、図7を使用して説明する。図7は、第二の実施形態における各偏光素子ユニット4の配置位置を概略的に示した平面図である。
図7に示すように、二つの光照射器1において偏光素子ユニット4は基本的に同じ構造のものであるが、各偏光素子41の配置位置が若干異なっている。即ち、一方の偏光素子ユニット4の各偏光素子41は、他方の偏光素子ユニット4の各偏光素子41に対して光源(図9中不図示)の発光部の長手方向にずれて配置されている。ずれ量は、この実施形態では、各偏光素子41の幅tの1/2となっている。
尚、このようにずれた位置とするには、フレーム42や各偏光素子41の寸法形状、各偏光素子41の数は、二つの偏光素子ユニット4で同じとしておき、ランプハウス32に対する取付け位置をずらした位置としておけば良い。
図8は、第二の実施形態の装置におけるワーク搬送機構2と光照射器移動機構8の動作を示した平面概略図である。第二の実施形態においても、ワーク搬送機構2は、基板Sを保持したステージ5を第一の方向に移動させるものであり、第一の方向の移動は往復動であって往路と復路との双方で基板Sが光照射領域Rを通過し、この際に基板Sに偏光光が照射される。そして、光照射器移動機構8は、二つの光照射器1を第二の方向に移動させるものであり、第二の方向の移動は、往路移動と往路移動との間に行われるもので、往路と復路とで基板Sが相対的に異なる経路を通って光照射領域Rを通過するようにするものである。尚、二つの光照射器1はそれぞれの光照射領域Rに偏光光を照射する。
図9は、第二の実施形態の装置における、偏光素子41の第二の方向への移動距離について示した平面概略図である。尚、図9では、参考のため、第二の方向の移動をしない場合も示されている。図9(1)が移動しない場合、(2)が移動する場合である。
図9(1)(2)において、第一の光照射器1による照度分布をIで示し、第二の光照射器1による照度分布をIで示す。I及びIは、図5と同様に、各境界線40の直下の位置を通る第二の方向の直線上での照度分布である。また、Eは、往復の搬送が終了した後の基板Sの面内の露光量の分布を示す。
上記説明から解るように、基板Sは、往路と復路とでそれぞれの光照射領域Rを順次通過し、偏光光の照射を受ける。従って、露光量Eは、それぞれの光照射領域Rの通過時の露光量を合算したものとなる。この場合、ステージ5が第二の方向に移動しない場合(同じ経路で往復する場合)でも、各偏光素子41の配置がずれているので、図5(1)に示すように、露光量Eはある程度は均一になる。
第二の実施形態の装置は、露光量をさらに均一化させるため、偏光素子41の第二の方向への移動距離dmを最適に設定する。図5(1)に示すように、第二の方向への移動をさせない場合の露光量Eの分布において、露光量が極小値をとっている箇所は、二つの偏光素子ユニット4のうちのいずれかの偏光素子ユニット4における境界線40の直下を通過した箇所である。第二の実施形態において、二つの偏光素子ユニット4は、一つの偏光素子41の幅の半分(t/2)だけずれて配置されているから、極小値を取る箇所の間隔もt/2となる。極小値を取る箇所は、いずれかの偏光素子ユニット4の境界線40の直下を通過した箇所であるから、各境界線間距離dがt/2であるとも言える。
従って、図5(1)に示す状態からさらに露光量を均一にするには、境界線間距離da=t/2だから、移動距離dmは、t/2(又はその整数倍)に一致しなければ良いということになる。
そして、露光量が低下する領域の片側の幅wは、図5に示した場合と本質的に同様で、境界線40間距離dの1/2を越えることはない。従って、第一の実施形態の場合と同様で、移動距離d=d/2=t/4(又はその自然数倍)としておけば最適ということになる。
第二の実施形態の場合も、照度低下領域の片側の幅wは、必要とされる露光量均一性の程度に応じて選択され、幅wが狭い場合、移動距離dは、t/4よりも短い距離とされることもある。
次に、第三の実施形態の装置及び方法について説明する。図10は、第三の実施形態の光配向用偏光光照射装置及び方法について示した平面概略図である。
第三の実施形態の装置は、光照射器移動機構8による光照射器1の移動のタイミングが第一第二の実施形態と異なっている。第一第二の実施形態では、第一の方向の基板Sの搬送は往復動であり、往路の搬送と復路の搬送との間で光照射器1(光照射領域R)の第二の方向の搬送が行われた。しかし、第三の実施形態では、ワーク搬送機構2による基板Sの第一の方向の搬送と、光照射器移動機構8による光照射器1の第二の方向の移動とが同時に行われるようになっている。
即ち、偏光光照射装置の制御部は、第一の駆動源613と第二の駆動源623に信号を送り、第一の駆動源613と第二の駆動源623とを同時に動作させる。但し、第二の駆動源623の動作は、第一の駆動源613の動作中に常に動作させる必要はなく、基板Sが光照射領域Rを通過している最中にのみ動作すれば良い。
図10には、第三の実施形態において、光量の面内均一性がより高くなる好適な基板Sの搬送が示されている。図10(1)に示すように、基板Sが第一の方向に搬送されてきて前縁が光照射領域Rの縁に到達した時点で、光照射器1(光照射領域R)の第二の方向の搬送が始まり、基板Sの後縁が光照射領域Rを通過する時点で、光照射器1(光照射領域R)の第二の方向の搬送が終了するのが好適である。
なお、光照射器1(光照射領域R)の第二の方向への移動が、基板Sが光照射領域Rを通過する時間帯を含む前後の時間帯にまたがって行われても良い。
さらに、図12(2)に示すように、光照射器1(光照射領域R)の第二の方向への移動が直線的ではなく、往復を繰り返すものであっても良い。
図12に示すいずれの場合にも、光照射器1(光照射領域R)の第二の方向への移動距離dは、前述した実施形態と同様とされる。尚、いずれの実施形態において、移動距離dは、境界線間距離aの整数倍に一致しないことが必要とされるが、この他、光照射器1(光照射領域R)の第二の方向への移動により、基板Sが一部でも光照射領域Rを外れてしまうことがないようにしなければならない。
この第三の実施形態では、ワーク搬送機構2による基板Sの搬送を、往路だけとすることが可能である。この場合、光照射領域Rの一方の側で基板Sをステージ5に搭載し、他方の側で基板Sをステージ5から回収することになる。往路の搬送だけとすると、タクトタイムが短くなるので、生産性の点で好適である。
但し、第三の実施形態においても、往復の搬送を行って基板Sに偏光光を照射するようにしても良い。この場合、往路と復路との光照射領域Rを通過中に、光照射器1(光照射領域R)の第二の方向の搬送も同時に行うようにすることが好ましい。
尚、往復の搬送によって基板Sに偏光光を照射するようにすると、往路のみの場合に比べて露光量が2倍になる(搬送速度を変えない場合)。従って、多くの露光量が必要な光配向処理の場合に好適となる。基板Sを往復搬送させると、光照射領域Rの一方の側で基板Sの搭載と回収とを行うことができるので、装置やその周辺の構造が簡略化される。復路の分だけタクトタイムが長くなるが、搬送速度を高くすることでタクトタイムを短くすることもできる。
上述した各実施形態において、光照射器移動機構8による第二の方向へのワーク保持体の移動は、基板Sから見た各偏光素子41の境界線40の位置を、光照射の際に第二の方向に相対的に変位させるものであるということができる。光照射の際に境界線40の位置が相対的に変位していることで、境界線40の影響による照度低下の領域が基板Sの面内で変位し、これによって露光量の均一化を達成するものである。
尚、各実施形態において、第一の方向の基板Sの搬送は、光源3の発光部の長手方向に垂直な方向であったが、これに限られるものではない。第一の方向の搬送は、基板Sが光照射領域Rを通過するようにするためのものであり、光源3の発光部の長手方向に交差していれば良い。尚、特許文献2には、光源3の発光部の長手方向に対して斜めの方向に基板Sを搬送しながら偏光光を照射させる技術が開示されているが、このようにしても各偏光素子41の境界線40の存在による露光量の不均一化を補償することができ、均一な露光を行うことができる。この場合も、光照射器1(偏光素子41)の第二の方向の移動を導入するとさらに露光量が均一になる。
また、第二の方向は、上記各実施形態及び実施例では、各偏光素子41の境界線40の方向に垂直な方向であったが、これに限られるものではない。境界線40の方向に沿って基板Sを搬送させても露光量均一化の効果は得られないが、境界線40の方向に交差する方向であれば、効果が得られる。
尚、各実施形態及び実施例において、ステージ5は、搬送中に基板Sを保持する部材の一例として採用されたものであり、ステージ5以外の部材が採用されることもあり得る。
また、ワーク搬送機構2としては、前述したボールネジを駆動源で回転させるものの他、例えば特許第4581641号公報に開示されているような磁気を利用した搬送機構(リニアモータステージ)が採用されることもある。この機構は、上面に碁盤の目状に磁性体の凸極を並べたプラテン上に、磁極を設けたステージ5を配置し、エア噴射等によってステージ5をプラテンから僅かに浮かせながら、各磁極の極性を制御することでステージ5を移動させる機構である。この機構を採用する場合も、基板Sの搬送方向の精度を保つため、ステージ5の移動をガイドするリニアガイドを両側に設けることが好ましい。
尚、磁気を利用した搬送機構と、前述したようなボールねじと駆動源とを利用した搬送機構とを併用しても良い。例えば、第一の方向の搬送にはリニアモータステージを利用した搬送機構を用い、第二の方向の搬送にはボールねじと駆動源を利用した搬送機構を使用することが考えられる。
尚、ワークは、1個ずつ切り離されたものでワーク保持体によって保持されるものであれば、板状のものでなくとも良い。「切り離された」とは、帯状の連なったものでロールツーロールで搬送されるものを除外する趣旨である。
また、繰り返しになるが、本実施例においては、偏光素子移動機構として光照射器移動機構8を利用したが、光照射器を移動させずに偏光素子自体をX方向に移動させるように構成してもよい。
次に、上記のように第二の方向への基板Sの搬送を導入することにより露光量が均一になることを確認した実験の結果について、実施例として説明する。図11は、第二の方向への偏光素子41の移動を導入することで積算露光量が均一になることを確認した実験の結果を示す図である。
この実験では、第二の方向で見た光照射領域Rの幅は1500mm、光源3は高圧水銀ランプであって光照射領域Rでの照度は約130mW/cmであった。
各偏光素子41の幅tは150mmであり、従って境界線間距離は150mmである。図11(1)には、第二の方向への移動を行わず、往路と復路とで同じ経路で基板Sを搬送して偏光光照射を行った際の露光量分布が示され、(2)には、往路の搬送の後、偏光素子41を第二の方向に約距離80mm移動させてから復路の搬送を行った際のより均一になった露光量分布が示されている。露光量分布は、図5や図9と同様、第二の方向での分布である。
図11(1)に示すように、偏光素子41を第二の方向への移動を行わない場合、周期的に露光量が大きく低下する箇所が観察される。露光量の極小値となっている箇所は、各偏光素子41の境界線40の直下の位置を通過した箇所である。この例では、最小値は最大値に対して70.4%程度であった(±14.8%の均一性)。
一方、偏光素子41の約80mmの第二の方向への移動を導入した実施例では、図11(2)に示すように、均一性は大きく向上した。この例では、最小値は最大値に対して85%程度であった(±7.5%の均一性)。このように、第二の方向の移動を適宜導入することで、露光量の均一性は大きく向上することが判った。
1 光照射器
2 ワーク搬送機構
21 ベース板
3 光源
4 偏光素子ユニット
40 境界線
41 偏光素子
43 遮光板
5 ステージ
611 第一のボールねじ
612 第一のリニアガイド
613 第一の駆動源
611 第二のボールねじ
622 第二のリニアガイド
623 第二の駆動源
8 光照射器移動機構
S 基板
R 光照射領域

Claims (8)

  1. 長尺な発光部を成す光源部と、該光源部から放射する光を偏光する、前記発光部の長手方向に沿って複数並べられた偏光素子と、該偏光素子を通過した光により形成された光照射領域を通過するようにワークを搬送するワーク搬送機構と、前記偏光素子を移動させる偏光素子移動機構とを備えた光配向用偏光光照射装置であって、
    前記ワーク搬送機構は、前記ワークを保持したワーク保持体が、前記発光部の長手方向に交差する第一の方向に移動することで前記偏光照射領域を通過するように前記ワークを搬送するものであり、
    前記偏光素子移動機構は、並べられた各偏光素子の境界線の方向に交差する第二の方向に前記偏光素子を移動させるものであることを特徴とする光配向用偏光光照射装置。
  2. 前記ワーク搬送機構による第一の方向への移動は、前記ワークを保持した前記ワーク保持体が前記光照射領域を通過するように前記ワーク保持体を往復移動させるものであり、
    前記偏光素子移動機構は、前記ワーク搬送機構による前記ワーク保持体の往路移動が完了した後の復路移動の前に前記偏光素子を前記第二の方向への移動を行うものであることを特徴とする請求項1記載の光配向用偏光光照射装置。
  3. 前記ワーク搬送機構による前記ワーク保持体の前記第一の方向への移動を行っている際に、
    前記偏光素子移動機構による前記偏光素子の前記第二の方向への移動を行うものであることを特徴とする請求項1記載の光配向用偏光光照射装置。
  4. 前記光照射部は、第一・第二の複数の光照射部となっており、
    前記偏光素子は、該複数の光照射部のそれぞれに設けられており、
    前記第一の光照射部における各偏光素子の境界線と、前記第二の光照射部における各偏光素子の境界線とは、前記第二の方向にお互いにずれていることを特徴とする請求項1に記載の光配向用偏光光照射装置。
  5. 長尺な発光部を成す光源からの光を偏光素子を通して光照射領域に照射し、光照射領域を通過するようにしてワークを搬送することでワークに偏光光を照射する光配向用偏光光照射方法であって、
    前記偏光素子は、前記発光部の長手方向に沿って複数並べられており、
    前記発光部の長手方向に交差する第一の方向にワークを移動させることで前記光照射領域を通過するようにワークを搬送する工程と、前記偏光素子を各偏光素子の境界線の方向に交差する第二の方向に移動させる工程とを含むことを特徴とする光配向用偏光光照射方法。
  6. 前記第一の方向への移動は、前記ワークが前記光照射領域を往復して通過するように移動させるものであって、前記ワークの往路移動が完了した後の復路移動の前に、前記偏光素子を前記第二の方向に移動することを特徴とする請求項5記載の光配向用偏光光照射方法。
  7. 前記ワークの前記第一の方向への移動を行っている際に、前記偏光素子を前記第二の方向へ移動することを特徴とする請求項5記載の光配向用偏光光照射方法。
  8. 前記偏光素子は、前記第一の方向に沿って複数列に並べられており、第一の列の各偏光素子の境界線と、第二の列の各偏光素子の境界線とは、前記第二の方向にお互いにずれた状態である特徴とする請求項5乃至7いずれかに記載の光配向用偏光光照射方法。
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