JP2006202628A - 偏光光照射装置、偏光光照射方法、光配向膜、及び位相差フィルム - Google Patents

偏光光照射装置、偏光光照射方法、光配向膜、及び位相差フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 高度に平行化された光を用いることなく、均一な配向能を配向膜に付与することが可能で、更に大面積の光配向を効率良く行え、且つ耐久性に優れる偏光光照射装置を提供することを主目的とする。
【解決手段】 光源と、前記光源からの光を非平行光を含む投射光とする投射手段と、前記投射光における中心部の入射方向に対してブリュースター角だけ傾けて1枚配置されるか或いは複数の硝子板を所定の間隔をあけて平行配置されて成る、前記投射光を通過させる偏光素子と、前記投射光におけるブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像を含む直線と垂直な方向に被照射基材を移動させる基材移動手段とを有する、偏光光照射装置を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶表示素子の配向膜に偏光光を照射して光配向させるのに好適に用いられる偏光光照射装置及び偏光光照射方法、これらを用いた光配向膜、並びに位相差フィルムに関するものである。
液晶表示素子は、通常2枚の基板から構成され、一方の基板に液晶を駆動するための駆動素子(例えば薄膜トランジスタ)や透明導電膜で形成された液晶駆動用電極、液晶を特定方向に配向させる配向膜等が形成され、他方の基板には、ブラックマトリックスと呼ばれる遮光膜、またカラー液晶表示素子の場合にはカラーフィルタおよび上記配向膜が形成される。2枚の基板の配向膜は、間に挟まれる液晶の分子を特定方向に配向させる働きをする。
一方、液晶ディスプレイの視野角を改善する方法として、光学補償するための位相差フィルムを偏光板と液晶表示素子の間に挿入する方法が知られている。位相差フィルムの作製方法としては、配向能を付与した配向膜上に液晶材料を塗布して液晶材料を所定の方式で配向させることにより複屈折性を付与する方法がある。
これらの配向膜に配向能を付与する方式としては、回転するローラに巻き付けた布で表面を擦るラビング法が知られているが、このラビング法では、摩擦帯電による静電気が発生すること、また布等から塵埃が発生することがあるなどの問題が本質的に避けられない。そこで、ラビング法を用いずに液晶分子を配向させる方法の開発が必要とされ、種々の方法が提案されている。
ラビング法を用いない配向方法としては、例えば、光二量化反応や光分解反応、或いは光異性化反応による配向膜の形成方法などがあり、例えば、非特許文献1には、偏光紫外線を照射してポリビニルシンナメート配向膜の架橋結合の生成する方向を制御する方法、非特許文献2には、光紫外線照射によりポリイミド配向膜の分解反応に異方性を持たせる方法が開示されている。
上記光二量化反応や光分解反応、或いは光異性化反応による配向膜の形成時に用いられる偏光紫外線の形成部材としては、プリズム偏光子や、紫外線領域で二色性を示す物質を用いた偏光フィルムなどが知られており、さらに、特許文献1には、間隔をおいて平行配置した複数枚の硝子板を主光線に対してブリュースター角だけ傾けて配置した偏光素子が開示されている。
しかしながら、上記プリズム偏光子では、大型化が困難で大面積の偏光を得ることが難しい。また、上記紫外線領域で二色性を示す物質を用いた偏光フィルムは、紫外線光源からの光の吸収に伴う劣化や発熱から耐久性に問題がある。また、ブリュースター角を利用した偏光素子を用いる方式では、偏光方向が入射光の入射角度に依存するため、広がりを持つ光線では偏光軸がばらつくという問題があり、大面積に均一な偏光軸分布を得るためには高度に平行化された光を偏光素子に入射させなければならなかった。大面積に対応した高度に平行化された光を作るのは大掛かりな装置が必要であり、大面積化にも限界があるため、高度に平行化された光を用いることなく配向膜に配向能を付与する手段が望まれていた。
特開平10−90684号公報 M. Schadt et al., JPN. J. Appl. Phys., 31, p2155-2164 (1992) M. Nishikawa et al., Liquid Crystals, 26, p575-580 (1990)
本発明はこのような問題点を考慮してなされたものであり、高度に平行化された光を用いることなく、均一な配向能を配向膜に付与することが可能で、更に大面積の光配向を効率良く行え、且つ耐久性に優れる偏光光照射装置および偏光光照射方法を提供することを主目的とするものである。
本発明者は、照射する偏光光の偏光軸と液晶の配向角に関して鋭意研究した結果、ブリュースター角を用いた偏光素子にある程度の広がりを持つ光が入射する場合の偏光軸10(光線の入射面の投影像の方向)の分布は、図4のように、ブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像を含む直線11に対して対称であることを見出し、これに着目して、当該対称軸となる投影像を含む直線11に対して垂直な方向12に配向膜を移動させながら照射すると、偏光軸が変化する範囲の中心、すなわちブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像の方向に配向させることが可能なことを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、光源と、前記光源からの光を非平行光を含む投射光とする投射手段と、前記投射光における中心部の入射方向に対してブリュースター角だけ傾けて1枚配置されるか或いは複数の硝子板を所定の間隔をあけて平行配置されて成る、前記投射光を通過させる偏光素子と、前記投射光におけるブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像を含む直線と垂直な方向に被照射基材を移動させる基材移動手段とを有する、偏光光照射装置を提供することにより、上記課題を解決するようにした。
本発明によれば、ブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像を含む直線と垂直な方向に被照射基材を移動させる基材移動手段を有することにより、ブリュースター角だけ傾けて平行配置された偏光素子に非平行光を含む投射光を入射して得られる、偏光軸が対称にバラツキを有する偏光光を用いても、配向膜の配向能を均一に付与でき、更に大面積の光配向を効率良く行える。また、本発明に用いられる偏光素子は硝子板から構成されるため、本発明によれば耐久性にも優れる。
本発明においては、前記被照射基材上の被照射領域のうち、前記基材上の前記投影像を含む直線に達する前を前照射、当該直線に達する後を後照射とした場合に、どの点においても該前照射による照射量の積算値と該後照射による照射量の積算値を略等しくするために、少なくとも照度と基材の移動速度を含む条件を制御する制御手段を有することが好ましい。配向膜の配向方向は偏光軸の方向に依存するが、この場合には、移動させる基材上のある点において、例えば前照射時に基材上の前記投影像を含む直線に対して−x°偏光軸が傾いた偏光光と、後照射時に基材上の前記投影像を含む直線に対して+x°偏光軸が傾いた偏光光との両方を各々相殺されるように照射されるため、概略、配向膜の配向方向を偏光軸が変化する範囲の中心、すなわちブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像の方向に配向させることが可能となり、その結果、配向膜の配向方向のバラツキが小さくなるからである。
また本発明においては、前記基材を一定照度で照射し、且つ略一定速度で移動させることが好ましい。この場合には、前記基材上の前記投影像を含む直線に達する前を前照射、当該直線に達する後を後照射とした場合に、どの点においても該前照射による照射量の積算値と該後照射による照射量の積算値を略等しくすることを、比較的容易にできるからである。
本発明においては、前記基材が長尺状であっても良い。基材移動手段を適宜選択することにより、長尺状基材であっても好適に均一な配向膜を形成可能だからである。例えば、長尺状基材に配向膜と液晶材料を配向させた位相差層を有する位相差フィルムとすることができる。
また、本発明は、
a)光源を準備する工程と
b)前記光源からの光を非平行光を含む投射光とする投射手段を準備する工程と、
c)前記投射光における中心部の入射方向に対してブリュースター角だけ傾けて1枚配置されるか或いは複数の硝子板を所定の間隔をあけて平行配置されて成る、前記投射光を通過させる偏光素子を準備する工程と、
d)被照射基材を準備する工程と、
e)前記投射光のうちブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像を含む直線と垂直な方向に被照射基材を移動させながら、前記投射光を前記偏光素子に通過させて得られた偏光光を当該被照射基材に照射する工程、を有する偏光光照射方法を提供することにより、上記課題を解決するようにした。本発明によれば、ブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像を含む直線と垂直な方向に被照射基材を移動させながら、前記投射光を前記偏光素子に通過させて得られた偏光光を当該被照射基材に照射する工程を有することにより、ブリュースター角だけ傾けて平行配置された偏光素子に非平行光を含む投射光を入射して得られる、偏光軸が対称にバラツキを有する偏光光を用いても、配向膜の配向能が均一に付与され得る。
更に、本発明は、上記本発明に係る偏光光照射装置、或いは、上記本発明に係る偏光光照射方法を用いて作製された光配向膜を提供する。本発明の光配向膜は、摩擦帯電による静電気の発生や布等からの塵埃の発生などのラビング処理による問題が本質的に存在せず、且つ、高度に平行化された光を用いることなく均一な配向能を有することが可能で、プロセス上有利である。
また、本発明は、上記本発明に係る偏光光照射装置、或いは、上記本発明に係る偏光光照射方法を用いて作製された位相差フィルムを提供する。本発明の位相差フィルムは、摩擦帯電による静電気の発生や布等からの塵埃の発生などのラビング処理による問題が本質的に存在せず、且つ、高度に平行化された光を用いることなく均一な配向、ひいては均一な光学特性を有することが可能で、プロセス上有利である。
本発明の偏光光照射装置及び偏光光照射方法は、高度に平行化された光を用いることなく、均一な配向能を配向膜に付与することが可能で、更に大面積の光配向を効率良く行え、且つ耐久性に優れるといった効果を奏するものである。本発明の偏光光照射装置及び偏光光照射方法は、高度に平行化された光を用いる必要がないため、装置が簡便でプロセス上も有利である。また、長尺状の基材に対しても、高度に平行化された光を用いることなく、連続して一定の配向能を付与することが可能である。更に、大面積の光配向を行う場合に、従来に比べて装置の小型化が可能である。
また、本発明の光配向膜は、摩擦帯電による静電気の発生や布等からの塵埃の発生などのラビング処理による問題が本質的に存在せず、且つ、高度に平行化された光を用いることなく均一な配向能を有することが可能で、プロセス上有利である。
更に、本発明の位相差フィルムは、摩擦帯電による静電気の発生や布等からの塵埃の発生などのラビング処理による問題が本質的に存在せず、且つ、高度に平行化された光を用いることなく均一な配向、ひいては均一な光学特性を有することが可能で、プロセス上有利である。
本発明は、偏光光照射装置及び偏光光照射方法、光配向膜、さらには位相差フィルムを含むものである。以下、それぞれについて詳述する。
なお、本発明において光とは、紫外線、可視光、X線等を含む活性光線である。
A.偏光光照射装置
まず、本発明の偏光光照射装置について説明する。
本発明の偏光光照射装置は、光源と、前記光源からの光を非平行光を含む投射光とする投射手段と、前記投射光における中心部の入射方向に対してブリュースター角だけ傾けて1枚配置されるか或いは複数の硝子板を所定の間隔をあけて平行配置されて成る、前記投射光を通過させる偏光素子と、前記投射光におけるブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像を含む直線と垂直な方向に被照射基材を移動させる基材移動手段とを有するものである。
図1は、本発明に係る偏光光照射装置の一例の構成を示す図である。本発明の偏光光照射装置は、光源1と、光源からの光を非平行光を含む投射光とする投射手段2と、偏光素子3とを備え、更に、被照射基材4を移動6させる基材移動手段5を備えている。
図2は、図1に示される偏光光照射装置を移動6方向の上流方向から見た図であり、基材移動手段の図示は省略してある。本発明の偏光光照射装置においては、投射手段2により前記光源1から投射される光線は、非平行光を含む投射光7である。ここで、本発明における非平行光を含む投射光は、ある方向に投射された、投影像がスポットとなる光であって、ある程度の広がりを有する光であり、拡散光とも平行光とも異なるものである。
非平行光を含む投射光7の中心部を7aとした場合に、本発明の光照射装置における偏光素子3は、図3に示したように複数の硝子板3aを所定の間隔をあけて中心部7aの入射方向に対してブリュースター角(θ)だけ傾けて平行配置されたものである。中心部7aの入射方向に対してブリュースター角(θ)だけ傾けた場合に、厳密にブリュースター角をなすのは、必ずしも中心部7a全体ではなく中心部7aのうちいずれかの光であるため、厳密にブリュースター角をなす光を“ブリュースター角をなす光”と称する。尚、この硝子板は、通常は、2枚以上(複数)硝子板を平行配置して用いるが、1枚のみでも目的とする用途において十分な消光比を得られる場合は、1枚のみでも良い。
ブリュースター角だけ傾けた硝子板に平行光が入射すると、水平偏光成分P(以下P偏光という)は100%硝子板を透過し、垂直偏光成分S(以下S偏光という)は約85%透過する。なお、ブリュースター角とは、P偏光の反射係数が零になる光の入射角をいう。したがって、図3に示すように、硝子板を間隔をあけて複数枚配置し、該硝子板にブリュースター角だけ傾いた光を入射することにより、硝子板を透過する光のS偏光に対するP偏光の比を大きくすることができる。上記原理を利用して、複数枚の硝子板を間隔をあけて平行配置し、これらの硝子板を平行光に対してブリュースター角だけ傾けて配置すれば、偏光素子を構成することができるのである。また本発明の光照射装置は、更に、ブリュースター角をなす光線、すなわち主光線7aの入射面8の基材4上への投影像9を含む直線11と垂直な方向12に被照射基材を移動6させる基材移動手段5(図2では図示せず)を有している。
図1及び図2において、光源1が放射する光は、光源からの光を投射する手段2により集光されて非平行光を含む投射光にされ、偏光素子3に入射する。偏光素子3は、上記のようにP偏光を透過させS偏光の大部分を反射するので、偏光素子3から出射する光は主としてP偏光となる。
本発明においては、偏光素子3に広がりを持つ非平行光を含む投射光7が入射するため、偏光素子3から出射されたP偏光の偏光軸10(光線の入射面の投影像の方向)の分布は、図4のように、ブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像を含む直線11に対して対称となる。
本発明においては、基材移動手段5により、当該対称軸となる投影像を含む直線と垂直な方向12に配向膜を移動させながらP偏光を照射することができるので、前記被照射基材上の被照射領域のうち、前記基材上の前記投影像を含む直線に達する前を前照射、当該直線に達する後を後照射とした場合に、どの点においても該前照射による照射量の積算値と該後照射による照射量の積算値を略等しくすることにより、偏光軸が変化する範囲の中心、すなわちブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像の方向に光配向させることが可能である。
配向膜の配向方向は偏光軸の方向に依存するが、この場合には、移動させる基材上のある点において、例えば前照射時に基材上の前記投影像を含む直線に対して−x°偏光軸が傾いた偏光光と、後照射時に基材上の前記投影像を含む直線に対して+x°偏光軸が傾いた偏光光との両方を各々相殺されるように照射されるため、概略、配向膜の配向方向を偏光軸が変化する範囲の中心、すなわちブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像の方向に配向させることが可能となり、その結果、配向膜の配向方向のバラツキが小さくなるからである。配向膜の配向方向のバラツキとしては、±0.5°以内であることが好ましい。なお、どの点においても該前照射による照射量の積算値と該後照射による照射量の積算値が略等しいとは、配向膜の配向方向のバラツキが±0.5°以内となれば、該前照射と該後照射とで照射量の積算値が完全に一致していなくても良く、上記バラツキを満たす限りの差を有していても良いという意味である。ここで、配向膜における配向方向のバラツキの程度は、配向膜上に液晶分子を配向させて、液晶分子における配向方向のバラツキの程度を、例えば位相差測定装置によって見積もることができる。
従って、本発明に係る偏光光照射装置には、前記被照射基材上の被照射領域のうち、前記基材上の前記投影像を含む直線に達する前を前照射、当該直線に達する後を後照射とした場合に、どの点においても該前照射による照射量の積算値と該後照射による照射量の積算値を略等しくするために、少なくとも照度と基材の移動速度を含む条件を制御する制御手段を有することが好ましい。
中でも、前記基材を一定照度で照射し、且つ略一定速度で移動させることが好ましい。この場合には、前記移動させる基材上の被照射領域のうち、前記基材上の前記投影像を含む直線に達する前を前照射、当該直線に達する後を後照射とした場合に、どの点においても該前照射と該後照射とで照射量の積算値が略同じとすることを、比較的容易にできるからである。なおここで、一定照度で照射するとは、被照射領域における照度分布が均一である偏光光を照射することである。
1.光源
本発明に用いられる光源としては、活性光線を含む光を放出するものであれば特に限定されず、点光源でも線光源でも用いることができる。超高圧水銀ランプなどの放電ランプ等の紫外線光源が、特に好適に用いられる。
2.投射手段
投射手段としては、前記光源からの光を、後述するような非平行光を含む投射光とすることが可能であれば、特に限定されない。投射手段としては、楕円(回転楕円体、或いは楕円柱)集光鏡、集光レンズ、インテグレータなどが挙げられる。
本発明において、非平行光を含む投射光とは、ブリュースター角を利用した偏光素子を透過する光線が配向膜を光配向させることが可能な消光比(P波成分とS波成分の比、P/S)を有する偏光となる範囲の広がりを持つ光線である。本発明において非平行光を含む投射光の消光比P/Sは、3以上であることが好ましく、更に5以上であることが好ましい。また、非平行光を含む投射光のうち、ブリュースター角をなす光線からの広がり角度は、10度以下であることが好ましく、更に5度以下であることがこのましい。
3.偏光素子
本発明に用いられる偏光素子は、1枚の硝子板(等の透明板)の配置のみでも構成可能である。但し、通常は十分な消光比を得る為に、複数の硝子板3aを所定の間隔をあけて主光線7aの入射方向に対してブリュースター角(θ)だけ傾けて平行配置されたものから構成される。用いられる硝子板としては、光配向に対して効果の大きい365nmの紫外光に対する内部透過率が高いものを用いるのが望ましく、365nmの紫外光に対する内部透過率が98%以上ある石英ガラスを用いるのが望ましい。中でも、石英板を用いることが好ましい。又、硝子板は通常は、平板形状のものを用いるが、要求される照射光の特性如何によっては、湾曲板等の非平板を用いることも可能である。更に、本発明においては、透明板に入射する光のブリュースター角における透過光のP偏光の消光比向上効果を利用できれば足りる。よって、硝子板の他にも、樹脂板、透明セラミック板、螢石板等の各種の透明板を使用することも可能である。
また、平行配置される硝子板の枚数は必要とされる消光比によって適宜選択されるが、例えば5:1の場合には10〜15枚、さらに25〜30枚であることが好ましい。
4.被照射基材
本発明に用いられる被照射基材は、硝子板や樹脂製基材などの基板上に少なくとも光配向可能な配向膜が形成されているものである。基板に液晶を駆動するための駆動素子や透明導電膜が形成された液晶駆動用電極上に更に光配向可能な配向膜が形成されているものであっても良いし、基板に遮光膜やカラーフィルタが形成され、更に光配向可能な配向膜が形成されているものであっても良い。また、長尺状の透明樹脂基材上に光配向可能な配向膜が形成されているものであっても良い。長尺状の透明樹脂基材上に配向能を有する配向膜を形成し、その上に適宜液晶材料を配向させることにより位相差フィルムを形成することができる。この場合の長尺状の透明樹脂基材としては、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂材料などが好適に用いられる。なお、配光膜の材料については、後述する「C.光配向膜」において、長尺状の基材については、後述する「D.位相差フィルム」において、詳述する。
5.基材移動手段
本発明に用いられる基材移動手段は、ブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像を含む直線と垂直な方向に上記被照射基材を移動させることができれば、特に限定されない。被照射基材の形状により適宜選択して用いることができる。例えば、被照射基材の形状が液晶表示素子の部材のような所定の大きさの基板であれば、例えば長辺方向に移動させるような手段として、例えば1軸異動ステージ、及び直交2軸ステージ等が挙げられる。
また、被照射基材が、長尺状基材である場合には、長尺方向に移動させるような手段として、例えば、ウェブコーター等が挙げられる。
6.制御手段
本発明において用いられる制御手段は、どの点においても上記前照射による照射量の積算値と上記後照射による照射量の積算値を略等しくするために、少なくとも照度と基材の移動速度を含む条件を制御することが含まれる制御手段である。本発明における制御手段は、運転過程を制御する手段であって、少なくとも条件設定を入力可能な入力手段と制御信号を各駆動手段に送る発信部を有するものである。制御手段は、光源や基材移動手段に各々付設されているものであっても良いし、独立して設置されていても良く、また、複数あっても良い。
入力手段は、少なくとも照度と基材の移動速度を含む条件を制御するために必要な開始、停止又は運転条件等の指示を入力して信号化(指示信号の作成)し、指示信号を制御部や発信部に伝達する手段である。
入力手段は、例えば、指示を入力するためのインターフェイス部と、入力した情報を信号化する変換部と、生成した指示信号を制御部や発信部に送る送信部から構成され、さらに必要に応じて、自動運転のために信号を蓄積し、蓄積された信号の一部を適切な時刻に発信するプログラム記録部等の他の部材を含んでいても良い。
制御部としては、例えば、制御プログラムを蓄積するプログラム部、入力手段からの指示信号や各種センサーからのフィードバック情報を制御プログラムに照合して運転条件の適否判定又は最適条件の決定を行う演算部などから構成される。
制御手段は、その他、制御信号を各駆動手段に送る発信部、及び、必要に応じてその他の部材から構成される。
B.偏光光照射方法
本発明に係る偏光光照射方法は、
a)光源を準備する工程と
b)前記光源からの光を非平行光を含む投射光とする投射手段を準備する工程と、
c)前記投射光における中心部の入射方向に対してブリュースター角だけ傾けて1枚配置されるか或いは複数の硝子板を所定の間隔をあけて平行配置されて成る、前記投射光を通過させる偏光素子を準備する工程と、
d)被照射基材を準備する工程と、
e)前記投射光のうちブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像を含む直線と垂直な方向に被照射基材を移動させながら、前記投射光を前記偏光素子に通過させて得られた偏光光を当該被照射基材に照射する工程、を有するものである。
本発明に係る偏光光照射方法によれば、ブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像を含む直線と垂直な方向に被照射基材を移動させながら、前記投射光を前記偏光素子に通過させて得られた偏光光を当該被照射基材に照射する工程を有することにより、ブリュースター角だけ傾けて平行配置された偏光素子に非平行光を含む投射光を入射して得られる、偏光軸が対称にバラツキを有する偏光光を用いても、上述のように偏光軸の対称のバラツキを相殺することが可能であるため、配向膜の配向能が均一に付与され得る。更に大面積の光配向を効率良く行え、また、長尺状の基材に対しても、高度に平行化された光を用いることなく、連続して一定の配向能を付与することが可能である。更に、高度に平行化された光を用いる必要がないため、手段が簡便でプロセス上有利である。
a)光源を準備する工程と、b)前記光源からの光を非平行光を含む投射光とする投射手段を準備する工程と、c)前記投射光における中心部の入射方向に対してブリュースター角だけ傾けて1枚配置されるか或いは複数の硝子板を所定の間隔をあけて平行配置されて成る前記投射光を通過させる偏光素子を準備する工程と、d)被照射基材を準備する工程については、各々上記「A.偏光光照射装置」において説明したようなものを準備すればよく、ここでは説明を省略する。
e)前記光のうちブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像を含む直線と垂直な方向に被照射基材を移動させながら、前記非平行光を含む投射光を前記偏光素子に通した偏光光を当該被照射基材に照射する工程においては、被照射基材の形状により適宜選択された上記「A.偏光光照射装置」で説明した基材移動手段を用いて、ブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像を含む直線と垂直な方向に被照射基材を移動させればよい。
工程e)において、前記被照射基材上の被照射領域のうち、前記基材上の前記投影像を含む直線に達する前を前照射、当該直線に達する後を後照射とした場合に、どの点においても該前照射による照射量の積算値と該後照射による照射量の積算値が略等しくなるように照射することが好ましい。この場合においては、上述のように偏光軸が変化する範囲の中心、すなわちブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像の方向に光配向させることが可能だからである。被照射基材のうち、配向能を付与したい箇所の全範囲が、該前照射による照射量の積算値と該後照射による照射量の積算値が略等しくなるように照射する。従って、図5に示されるように、被照射基材のうち配向能を付与したい箇所の端部13の照射開始位置は、偏光光を照射可能な区域14のうち最も上流側15とすべきである。この場合において、条件の設定は前述のような制御手段を用いて行うことが好ましい。
また、前記工程e)においては、略一定速度で移動させながら、前記基材を一定照度で照射することが好ましい。この場合には、配向膜の全体をより均一に、偏光軸が変化する範囲の中心、すなわちブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像の方向に光配向させ易いからである。
C.光配向膜
本発明に係る光配向膜は、上記本発明に係る偏光光照射装置、或いは、上記本発明に係る偏光光照射方法を用いて作製された光配向膜である。本発明の光配向膜は、上記本発明に係る偏光光照射装置、或いは、上記本発明に係る偏光光照射方法を用いて光配向材料が光配向することにより作製されたものであるので、摩擦帯電による静電気の発生や布等からの塵埃の発生などのラビング処理による問題が本質的に存在せず、且つ、高度に平行化された光を用いることなく均一な配向能を有することが可能で、プロセス上有利である。
本発明に係る光配向膜は、例えば、基板に液晶を駆動するための駆動素子や透明導電膜が形成された液晶駆動用電極上に形成されているものであっても良いし、基板に遮光膜やカラーフィルタが形成され、更にその上に形成されているものであっても良い。また、長尺状の樹脂基材上に形成されているものであっても良い。
本発明に係る光配向膜は、少なくとも光異性化反応や光二量化反応などにより配向能を付与可能な光配向材料を用いて形成される。
光配向材料としては、特に限定されず用いることができる。
例えばアゾベンゼン基等の光異性化によるもの、シンナモイル基、クマリン基、カルコン基、ベンゾフェノン基等の光二量化反応によるもの、ポリイミド樹脂等の光分解によるもの等が挙げられる。これらの光異性化、光二量化や光分解反応を利用した光配向材料は、ガラス等の基板に塗布した際に均一な膜が得られるように、ポリマーなどの高分子化合物が用いられることが多く、アゾベンゼン基、シンナモイル基等の光配向性を示す構成単位がこの高分子化合物の側鎖や主鎖に導入される場合が多い。また、光配向性を有する分子をゲスト分子とし、高分子化合物からなるホスト化合物に分散させて用いる場合もある。
また、WO9637807号公報に開示されているような、光異性化可能であって二色性を示す構成単位及び反応性官能基を有する樹脂を用いても良い。更に、特開2000−53766号公報や特許2962473号公報、特開2002−265442号公報などに開示されているような、重合開始剤の不要な光重合性基であるマレイミド基を有する化合物を用いた光配向材料であっても良い。
D.位相差フィルム
また、本発明は、上記本発明に係る偏光光照射装置、或いは、上記本発明に係る偏光光照射方法を用いて作製された位相差フィルムを提供する。本発明の位相差フィルムは、上記本発明に係る偏光光照射装置、或いは、上記本発明に係る偏光光照射方法を用いて光配向材料が光配向することにより作製された配向膜を備えたものであるので、摩擦帯電による静電気の発生や布等からの塵埃の発生などのラビング処理による問題が本質的に存在せず、且つ、高度に平行化された光を用いることなく均一な配向、ひいては均一な光学特性を有することが可能で、プロセス上有利である。長尺状であっても、高度に平行化された光を用いることなく、連続して一定の配向能が付与され、効率的に生産されるものである。
図6に本発明の位相差フィルム20の層構成の一例を示す。図6において、21は樹脂製基材、22は樹脂製基材21上に形成された配向膜、23は配向膜22上に形成された位相差層である。
1.樹脂製基材
樹脂製基材の種類は、目的とする位相差フィルムの用途に応じて決定する。位相差フィルムを、位相差板、偏光子、ディスプレイ用のカラーフィルター等の光学補償シートとして用いる場合、樹脂製基材としては透明樹脂製基材が用いられる。透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。
透明樹脂製基材の材料例としては、セルロース系ポリマー、商品名アートン(JSR(株)製)および商品名ゼオネックス(日本ゼオン(株)製)などのノルボルネン系ポリマー、商品名ゼオノア(日本ゼオン(株)製)等のシクロオレフィン系ポリマー、およびポリメチルメタクリレートなどが挙げられる。セルロース系ポリマーとしては、セルロースエステル、更にセルロースアセテートが好ましく、その例としては、ジアセチルセルロースおよびトリアセチルセルロースなどが挙げられる。
樹脂製基材の厚さは、20μm乃至500μmであることが好ましく、50μm乃至200μmであることがさらに好ましい。樹脂製基材とその上に設けられる配向膜との密着性を改善するため、樹脂製基材に表面処理(例、ケン化処理、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよく、プライマー層(接着剤層)を形成してもよい。
2.配向膜
本発明に係る位相差フィルムに用いられる配向膜は、上記本発明に係る偏光光照射装置、或いは、上記本発明に係る偏光光照射方法を用いて光配向材料が光配向することにより作製された配向膜である。従って、当該配向膜としては、上記「C.光配向膜」において述べたのと同様の光配向材料を少なくとも用いて、基材上に塗布して乾燥して塗膜を形成後、上記本発明に係る偏光光照射装置、或いは、上記本発明に係る偏光光照射方法を用いて光配向能を付与して形成することができる。
3.位相差層
位相差層としては、ネマチック液晶やコレステリック液晶を用いることができる。かかる材料としては、これらのみで位相差層を形成した場合に、ネマチック規則性、スメクチック規則性、またはコレステリック規則性を有する液晶を形成し得る液晶材料であれば特に限定されるものではなく、ポリマー液晶及び重合性液晶化合物のどちらでもよい。また重合性液晶化合物としては、分子の両末端に重合性官能基があることが耐熱性のよい光学素子を得る上で好ましい。位相差層は二層以上積層されていてもよい。
また、ネマチック液晶にカイラル剤を加えた、コレステリック規則性を有するカイラルネマチック液晶であってもよい。カイラル剤としては、光学活性な部位を有する低分子化合物であり、分子量1500以下の化合物を意味する。カイラル剤は主として正の一軸ネマチック規則性に螺旋ピッチを誘起させる目的で用いられる。
位相差層は、液晶性ポリマーが用いられる場合、液晶性ポリマー及び他の化合物を溶剤に溶解した溶液を配向膜上に塗布し、乾燥し、次いで液晶相形成温度まで加熱し、その後配向状態を維持して冷却することにより得られる。あるいは、重合性液晶化合物及び他の化合物(更に、例えば重合性モノマー、光重合開始剤)を溶剤に溶解した溶液を配向膜上に塗布し、乾燥し、次いで液晶相形成温度まで加熱したのちUV照射、または電子線照射により重合させ、さらに冷却することにより位相差層を得られる。
位相差層は異なる液晶層の二層以上から形成されていてもよく、複数層が同一種類の液晶層であっても、ネマチック規則性、スメクチック規則性、またはコレステリック規則性から選ばれた異なる種類の液晶層であってもよい。
位相差層を形成するための形成用塗布液には、液晶性化合物、場合によりカイラル剤、光重合開始剤以外に、界面活性剤、重合性モノマー(例えば、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基及びメタクリロイル基を有する化合物)、及びポリマーなどを、液晶性化合物の配向を阻害しない限り添加してもよい。これらの界面活性剤、重合性モノマー及びポリマーを選択することにより表面側(空気側)の液晶の傾斜角を調整することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明する。
(実施例1)
光源として高圧水銀ランプ(TOSCURE751:株式会社ハリソン東芝ライティング製)による紫外線光源を用い、楕円集光鏡を用いて形成した非平行光を含む投射光を、25枚の石英板を所定の間隔をあけて平行配置させた偏光素子に対して、非平行光を含む投射光の中心部がブリュースター角の方向となるように入射したところ、光源からの投射光の広がり角度は約10°であった。基材上の偏光軸は、ブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像を含む直線となる中心部を0°としたときに、照射区域の最上流部では−7°、最下流部では+7°であった。消光比は、照射区域の中心部では約16:1、照射区域の端部では約5:1であった。また、照度分布は照射区域内で一定であった。なお、照射区域は、約400mm角であった。基材搬送速度を5m/分としたときの露光量が10mJ/cmとなるように光源の照度を調整し、配向膜層を形成した長尺状の基材を5m/分で、ブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像を含む直線と垂直な方向に搬送させながら、偏光紫外線照射を行った。照射の全領域は、長尺(流れ)方向で約10m、幅方向で約400mmとなった。
配向膜を形成した長尺状基材としては、長尺状トリアセチルセルロースフィルム上に、光配向材料を塗布し、乾燥して配向膜を形成したものを用いた。
上記の方法で配向能を付与された配向膜に対し、ネマチック液晶材料を約1μm塗布したところ、約100nmの位相差を有する位相差フィルムを得ることができた。
得られた位相差フィルムの配向角を位相差測定装置(RETS−1250V:大塚電子株式会社製)を用いて、所定間隔ごと(長尺方向1m、幅方向150mm)に測定した所、位相差フィルムの長尺方向(流れ方向)及び幅方向の何れの方向に対しても、配向角のバラツキが±0.5°以内であり、位相差値に有意なバラツキはなかった。
(比較例1)
配向膜を形成した基材を移動させなかったこと以外は、実施例1と同じ条件で、基材へ偏光紫外線照射を行い、配向膜を得た。照射の全領域は、約400mm角となった。実施例1と同様にネマチック液晶材料を約1μm塗布したところ、約100nmの位相差を有する位相差フィルムを得ることができた。
得られた位相差フィルムの配向角を位相差測定装置(RETS−1250V:大塚電子株式会社製)を用いて所定間隔ごと(長尺方向150mm、幅方向150mm)に測定した所、照射区域の中心部に対して、上流部で−7°のバラツキ、下流部で+7°のバラツキを有しており、位相差フィルムの長尺方向に対して、配向角のバラツキが大きくなっていた。
(比較例2)
楕円偏光鏡を用いずに光を拡散光としたこと以外は、実施例1と同じ条件で、基材を移動させながら偏光紫外線照射を行い、配向膜を得た。実施例1と同様にネマチック液晶材料を約1μm塗布したところ、液晶材料を配向させることができなかった。
消光比は、照射区域の中心部では約16:1、照射区域の端部では約1:1であった。
本発明の偏光光照射装置の一例を示す模式図である。 本発明の偏光光照射装置の一例を示す模式図である。 本発明に用いられる偏光素子を説明する図である。 広がりを持つ光を偏光素子に入射して得られた偏光光の偏光軸を示す図である。 偏光照射区域と基材の偏光照射位置を説明する図である。 本発明に係る位相差フィルムの一例を示す模式的断面図である。
1…光源
2…光源からの光を投射する手段
3…偏光素子
4…被照射基材
5…基材移動手段
6…移動
7…非平行光を含む投射光
7a…投射光における中心部
8…ブリュースター角をなす光の入射面
9…ブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像
10…偏光軸
11…ブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像を含む直線
12…ブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像を含む直線に垂直な方向
13…被照射基材の配向能を付与したい箇所の端部
14…偏光光を照射可能な区域
15…偏光光を照射可能な区域の最も上流側
20…位相差フィルム
21…樹脂製基材
22…配向膜
23…位相差層

Claims (10)

  1. 光源と、前記光源からの光を非平行光を含む投射光とする投射手段と、前記投射光における中心部の入射方向に対してブリュースター角だけ傾けて1枚配置されるか或いは複数の硝子板を所定の間隔をあけて平行配置されて成る、前記投射光を通過させる偏光素子と、前記投射光におけるブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像を含む直線と垂直な方向に被照射基材を移動させる基材移動手段とを有する、偏光光照射装置。
  2. 前記被照射基材上の被照射領域のうち、前記基材上の前記投影像を含む直線に達する前を前照射、当該直線に達する後を後照射とした場合に、どの点においても該前照射による照射量の積算値と該後照射による照射量の積算値を略等しくするために、少なくとも照度と基材の移動速度を含む条件を制御する制御手段を有することを特徴とする、請求項1に記載の偏光光照射装置。
  3. 前記被照射基材を一定照度で照射し、且つ略一定速度で移動させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の偏光光照射装置。
  4. 前記被照射基材が長尺状であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の偏光光照射装置。
  5. a)光源を準備する工程と
    b)前記光源からの光を非平行光を含む投射光とする投射手段を準備する工程と、
    c)前記投射光における中心部の入射方向に対してブリュースター角だけ傾けて1枚配置されるか或いは複数の硝子板を所定の間隔をあけて平行配置されて成る、前記投射光を通過させる偏光素子を準備する工程と、
    d)被照射基材を準備する工程と、
    e)前記投射光のうちブリュースター角をなす光の入射面の基材上への投影像を含む直線と垂直な方向に被照射基材を移動させながら、前記投射光を前記偏光素子に通過させて得られた偏光光を当該被照射基材に照射する工程、を有する偏光光照射方法。
  6. 前記工程e)において、前記被照射基材上の被照射領域のうち、前記基材上の前記投影像を含む直線に達する前を前照射、当該直線に達する後を後照射とした場合に、どの点においても該前照射による照射量の積算値と該後照射による照射量の積算値が略等しくなるように照射する、請求項5に記載の偏光光照射方法。
  7. 前記工程e)において、略一定速度で移動させながら、前記基材を一定照度で照射する、請求項5又は6に記載の偏光光照射方法。
  8. 前記被照射基材が長尺状である、請求項5乃至7のいずれかに記載の偏光光照射方法。
  9. 前記1乃至4のいずれかに記載の偏光光照射装置、或いは、前記5乃至8のいずれかに記載の偏光光照射方法を用いて作製された、光配向膜。
  10. 前記1乃至4のいずれかに記載の偏光光照射装置、或いは、前記5乃至8のいずれかに記載の偏光光照射方法を用いて作製された、位相差フィルム。
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