JP2015169639A - ノズルチップの回収装置とこれを用いた分注装置、及びノズルチップの回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成を有し、廃棄したノズルチップの連結を防止しやすいノズルチップの回収装置を提供する。【解決手段】ノズルチップの回収装置8は、ノズルチップ13を分注装置から取り外し、ノズルチップ13を、軸線13cが鉛直方向を向きノズルチップ先端部13aが下端となる姿勢で、重力により落下させる取外し機構5と、ノズルチップ13を回収する廃棄箱6と、取外し機構5の直下であって、廃棄箱6の内部または上方に位置するノズルチップ分散機構16と、を有している。ノズルチップ分散機構16はノズルチップ13が衝突する上面16aを有し、上面16aは少なくともノズルチップが衝突する位置に、凹部または水平面を有している。【選択図】図4
Description
本発明は、分注装置のノズルの先端部に装着されるノズルチップの回収装置とこれを用いた分注装置、及びノズルチップの回収方法に関し、特にノズルチップを分注装置から取り外した後に回収する回収装置の構成に関する。
従来から試料の分注を行う分注装置が知られている。分注装置は、例えば人体から採取した血液や血清等の検体や、検体と混合して所定の反応を行わせる試薬等を複数の容器に分配するために用いられている。分注装置は、血液サンプルや試薬を分注する分注ユニットとして、免疫学的測定装置などの測定装置に内包されている場合もある。
このような分注装置では、分注された血液や試薬によるコンタミネーションの防止のために、ノズルの先端部にディスポーザブル式の樹脂製のノズルチップが取り付けられている。ノズルチップは径の小さいノズルチップ先端部と、ノズルに取り付けられる径の大きい装着端部とを有している。ノズルに取り付けられたノズルチップは、分注する試料や試薬を吸引するたびに交換される。
使用済みのノズルチップは、一般にはノズルチップの取外し機構によりノズルの先端部から抜き取られ、重力で落下して廃棄箱に回収される。廃棄箱にある程度の数のノズルチップが溜まると、ノズルチップは分注装置外に廃棄される。
ノズルチップの取外し機構により抜き取られたノズルチップは、取外し機構から落下して、廃棄箱の取外し機構の直下の付近に積み重なっていく。多数のノズルチップが積み重なった場合、新たに抜き取られたノズルチップが鉛直方向に立った状態、すなわち、ノズルチップ間の隙間にノズルチップ先端部が突き刺さり、装着端部が上を向いた状態となることがある。次に抜き取られたノズルチップは、鉛直方向に立ったノズルチップに向かって落下し、ノズルチップの先端部が鉛直方向に立ったノズルチップの装着端部に挿入される。このように、一旦ノズルチップが鉛直方向に立つと複数のノズルチップが鉛直方向に立った状態で次々と連結される。ノズルチップは最後には取外し機構まで達し、ノズルチップの抜き取りが不可能となる。
この問題を解決するため、ノズルチップの落下する位置を分散させる様々な方法が考案されている。例えばノズルチップの落下をセンサで検知し、落下するノズルチップに圧縮された空気を吹付ける方法が提案されている(特許文献1)。この方法によれば、ノズルチップの姿勢を空気によって変えるとともに、廃棄箱内でのノズルチップが落下する位置を分散させることができる。
また、取外し機構の直下に細線状の障害物を設置する方法が提案されている(特許文献2)。障害物はステンレス鋼などの細線材料からなり、その線径は1mm程度である。ノズルチップが障害物に衝突し方向を変えることにより、廃棄箱内でのノズルチップが落下する位置を分散させることができる。
特許文献1に記載の方法は、センサや、圧縮空気を発生させ吹付ける機構が必要になるため、装置が複雑になる。
特許文献2に記載の方法は、ノズルチップの落下位置が障害物の中心からずれると、ノズルチップが細線状の障害物の表面を滑ってほとんど姿勢を変えることなく落下する可能性がある。これは、細線状の障害物の表面が、ノズルチップが衝突する位置で、障害物の中心から離れる方向で下向きに傾斜しているためである。従って、ノズルチップが鉛直方向に立った状態で廃棄箱に落下する可能性は依然として高く、ノズルチップを十分に分散させることも難しい。
本発明は、簡易な構成を有し、廃棄したノズルチップの連結を防止しやすいノズルチップの回収装置を提供することを目的とする。
本発明のノズルチップの回収装置は、分注装置に装着された使用済みのノズルチップを順次回収する。ノズルチップは、ノズルチップ先端部と、他のノズルチップのノズルチップ先端部を収容可能な開口を有し分注装置に装着される装着端部と、を備え、ノズルチップ先端部と装着端部とを結ぶ軸線に沿った細長い形状を有している。回収装置は、ノズルチップを分注装置から取り外し、ノズルチップを、軸線が鉛直方向を向きノズルチップ先端部が下端となる姿勢で、重力により落下させる取外し機構と、ノズルチップを回収する廃棄箱と、取外し機構の直下であって、廃棄箱の内部または上方に位置するノズルチップ分散機構と、を有している。ノズルチップ分散機構はノズルチップが衝突する上面を有し、上面は少なくともノズルチップが衝突する位置に、凹部または水平面を有している。
分注装置から取り外されたノズルチップは重力によって落下し、ノズルチップ分散機構の上面に衝突する。ノズルチップ分散機構の上面は少なくともノズルチップが衝突する位置に凹部または水平面を有しているため、ノズルチップ分散機構の上面に衝突したノズルチップはただちに上面から滑り落ちることなく、一定の期間、上面上に保持される。その間にノズルチップはノズルチップ先端部を中心として回動し、軸線が徐々に傾いていく。このため、ノズルチップは水平な姿勢で、または装着端部を下端として落下しやすくなり、ノズルチップ先端部を下端として落下する可能性が低下する。ノズルチップが傾いていく方向は不規則であるため、ノズルチップはノズルチップ分散機構を中心とした様々な方向に分散して落下する。これらの効果により、複数のノズルチップが鉛直方向に立った状態で次々と連結されることが防止しやすくなる。
本発明によれば、簡易な構成を有し、廃棄したノズルチップの連結を防止しやすいノズルチップの回収装置を提供することができる。
以下に好ましい実施形態を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は例示の実施形態に限定されるものではない。
まず、分注装置の概略構成を説明する。本発明のノズルチップの回収装置を備えた分注装置は単独で使用するだけでなく、例えば免疫学的測定装置の中に組み込まれる分注ユニットとして使用することもできる。
図1は、分注装置の概略構成図である。分注装置1はノズルチップ格納部2と、検体等を収容するウェル3と、試薬を収容する試薬ホルダ4と、ノズルチップの取外し機構5と、ノズルチップを回収する廃棄箱6と、を有している。これらの部材は基台7上に設置されている。ノズルチップの取外し機構5と、ノズルチップの廃棄箱6は本発明のノズルチップの回収装置8の一部を構成する。分注装置1はさらに、ウェル3に収容された検体等を試薬が収容された試薬ホルダ4に移動させる分注ピペット9を有している。分注ピペット9は基台7上をZ方向(鉛直方向)に移動するZロボット10に保持され、Zロボット10は基台7上をX,Y方向(水平方向)に移動するXYロボット11に保持されている。従って、分注ピペット9は任意の方向に移動することができる。分注ピペット9の先端にはノズル12が設けられ、ノズル12の先端部に交換可能なノズルチップ13が装着されている。
検体を試薬ホルダ4に移動させる手順は以下の通りである。まず、XYロボット11とZロボット10の動作により分注ピペット9がウェル3に移動し、ノズル12に装着されたノズルチップ13がウェル3の検体に接触させられる。次に分注ピペット9が動作して、検体がノズルチップ13に導入される。次に、XYロボット11とZロボット10の動作によりノズルチップ13がウェル3から離され、分注ピペット9が試薬ホルダ4に移動し、ノズルチップ13が試薬ホルダ4に挿入される。次に、分注ピペット9が動作して検体が試薬中に排出され、検体と試薬が混合される。次に、XYロボット11とZロボット10の動作により、分注ピペット9がノズルチップの取外し機構5に移動し、使用済みのノズルチップ13がノズル12から抜き取られる。次に、XYロボット11とZロボット10の動作により、分注ピペット9がノズルチップ格納部2に移動し、新しいノズルチップ13がノズル12に装着される。その後、上記のステップが繰り返される。
図2は、ノズルチップ13の概略構成を示している。ノズルチップ13は、ノズルチップ先端部13aと、分注装置1(ノズル12)に装着される装着端部13bと、を備えている。ノズルチップ13は、ノズルチップ先端部13aの中心と装着端部13bの中心とを結ぶ軸線13cに沿った細長い形状を有している。より詳細には、ノズルチップ13は、ノズルチップ13の装着端部13bからノズルチップ先端部13aに向けて徐々に外径が減少する、軸線13cを中心軸とする概ね円錐形の形状を有している。ノズルチップ13の内部には検体等を収容できる中空部ないし空間部が設けられ、ノズルチップ先端部13aと装着端部13bにはそれぞれ開口13d,13eが設けられている。検体等は、分注ピペット9の動作によりノズルチップ先端部13aの開口13dから導入、排出される。
ノズルチップ13の装着端部13bは、ノズルチップ13が装着されるノズル12の先端部12aよりも大きな外径を有している。ノズルチップ13は、装着端部13bがノズル12の先端部12aを覆うようにノズル12に嵌合してノズル12に装着される。装着端部13bの内径はノズルチップ先端部13aの外径よりも大きい。従って、装着端部13bの開口13eは、他のノズルチップ13のノズルチップ先端部13aを収容可能である。他のノズルチップ13をノズルチップ13の中空部にさらに押し入れると、他のノズルチップ13の側面がノズルチップ13の中空部を画定する内側側面と係合し、他のノズルチップ13はノズルチップ13と連結される。
図3は、ノズルチップ13の取外し機構の概略構成を示している。図3(a)を参照すると、取外し機構5はU字状、すなわち長方形の一辺にこれと同じ直径の半円が連結された形状の切欠き15を有する平板14を備えている。上述の通り、ノズルチップ13の装着端部13bはノズル12の先端部12aよりも大きな外径を有している。また、切欠き15の幅はノズル12の先端部12aの外径よりも大きく、ノズルチップ13の装着端部13bの外径よりも小さい。従って、ノズルチップ13が装着されたノズル12を、ノズルチップ13の装着端部13bが平板14の下側となるようにして切欠き15に挿入し、ノズル12を上方に引き上げることで、ノズルチップ13をノズル12から抜き取ることができる。
図3(b)には取外し機構の他の実施形態105が示されている。図3(c)は図3(b)のA−A線に沿った断面図である。取外し機構105は、開口115を備えた平板114と、平板114の下側で開口115を挟んで対向する一対の爪部材116a,116bと、を有している。爪部材116a,116bの互いに対向する先端部は断面が絞られた爪の形状を有している。開口115は、ノズルチップ13とノズルチップ13が装着されるノズル12の先端部12aのいずれよりも大きな径を有し、これらを貫通させることができる。平板114の下側には一対の圧縮バネ117a,117bが設けられ、一端が平板114の下面に固定されたバネ押さえ118a,118bに、他端が爪部材116a,116bの先端部の反対に位置する端部に固定されている。ノズルチップ13が装着されたノズル12を平板114の上方から下降させ、開口115及び対向する爪部材116a,116bの間を貫通させると、ノズルチップ13の側面が圧縮バネ117a,117bに当接する。これによって、圧縮バネ117a,117bは互いに離れる方向に圧縮される。ノズルチップ13が爪部材116a,116bの先端部を通過した後は、圧縮バネ117a,117bは引き続きノズル12の先端部12aに圧縮力を加える。すなわち一対の圧縮バネ117a,117bは常に閉じる方向ないしは互いに近接する方向の力をノズルチップ13及びノズル12に加えている。その後ノズル12を上方に引き抜くと、ノズルチップ13が爪部材116a,116bに引っ掛かり、ノズル12から取り外される。
次に、ノズルチップの回収装置8の構成についてさらに詳細に説明する。図4はノズルチップの回収装置8の概略構成を示している。ノズルチップの回収装置8は、分注装置1に装着された使用済みのノズルチップ13を順次回収する。ノズルチップの回収装置8は前述の取外し機構5と廃棄箱6に加え、さらにノズルチップ13の取外し機構5の直下に位置するノズルチップ分散機構16を備えている。ノズルチップ分散機構16はノズルチップ13が衝突する上面16aを備えた本体部16bと、本体部16bを支持する脚部16cと、を有している。本体部16bの上面16aは上面16aに落下したノズルチップ13の落下姿勢を変化させるとともに、ノズルチップ13が落下する位置を分散させる。廃棄箱6は取外し機構5の下方に設けられており、取外し機構5によってノズル12から抜き取られノズルチップ分散機構16に衝突して落下したノズルチップ13を回収する。
ノズルチップ分散機構16の脚部16cの底部には一定の面積を有するベース16dが設けられており、ノズルチップ分散機構16が廃棄箱6の底部で自立することを可能としている。あるいは、ノズルチップ分散機構16を廃棄箱6に固定するために、廃棄箱6を鉄などの磁性体で、ベース16dを磁石で構成してもよい。あるいは、クランプ止め、ネジ止めなど公知の方法でノズルチップ分散機構16を廃棄箱6の底部に固定することもできる。図示は省略するが、廃棄箱6を跨ぐ細線部材や幅の狭い板状部材にノズルチップ分散機構16を固定してもよい。
いずれの形態においても、ノズルチップ13に付着している検体や試薬がノズルチップ分散機構16に付着する可能性がある。そのため、ノズルチップ分散機構16を定期的に交換し、または廃棄箱6に回収されたノズルチップ13と同時に廃棄できるように、ノズルチップ分散機構16は廃棄箱6に取り外し可能に取り付けられるディスポーザブル方式が好ましい。
図5にノズルチップ分散機構の様々な実施形態を示している。図5(a)は一実施形態に係るノズルチップ分散機構16の斜視図を、図5(b)は図5(a)のB−B線に沿った断面図を示している。ノズルチップ分散機構16の上面16aは凹部16eを有し、凹部16eは半球形状の表面を有している。図示は省略するが、凹部16eは半球形状に限定されず、様々な曲面形状をとることができる。例えば、凹部16eは卵形の半部や、球形または卵形を任意の面で切断して得られる形状を有していてもよい。凹部16eは鉛直軸に関して非対称であってもよい。しかし、ノズルチップ13が凹部16eに拘束されることを避けるため、凹部16eは底部から開口部に向かって外側に広がる形状であることが好ましい。
図4に示すノズルチップの回収装置8は、図5(a),(b)に示すノズルチップ分散機構16を備えている。図4を参照して、ノズルチップ13の回収方法を説明する。まず、ノズルチップ13が、上述の方法に従い取外し機構5によって分注装置1のノズル12から取り外される。ノズルチップ13は、ノズル12に取り付けられている姿勢、すなわち軸線13cが鉛直方向Zを向きノズルチップ先端部13aが下端となる姿勢で、重力により自然落下する。ノズルチップ分散機構16の上面16aの少なくともノズルチップ13が衝突する位置には凹部16eが設けられているため、ノズルチップ先端部13aは凹部16eに衝突する。ノズルチップ13は、ノズルチップ先端部13aが凹部16eの中心、つまり最深部に移動しながらわずかに傾き、その後バランスを失ってより大きく傾く。ノズルチップ先端部13aは半球形状の凹部16eの表面を滑り、ノズルチップ13の側面が凹部16eの周縁部16fにあたり、ノズルチップ13はそこを中心としてさらに傾く。最終的に、ノズルチップ13は重力によってノズルチップ分散機構16の上面16aから離れ、廃棄箱6に向けて自然落下する。このようにしてノズルチップ13は廃棄箱6に回収される。なお、ノズルチップ先端部13aが凹部16eの中心に衝突した場合も、最終的にはノズルチップ13はバランスを失って傾き始める。
ノズルチップ13は、廃棄箱6に積み上げられたノズルチップ13の上に落下する際に相当程度傾いている。いくつかのノズルチップ13は、図4に破線で示すように装着端部13bを下にしてノズルチップ13の上に落下する。しかしノズルチップ13は、落下後には最も安定した姿勢である横向きの姿勢、すなわち軸線13cが概ね水平方向を向いた姿勢で廃棄箱6内のノズルチップ13の上に積み上げられる。廃棄箱6に収容されているノズルチップ13の個数によっては、ノズルチップ13は十分に傾く前に廃棄箱6内のノズルチップ13の上に落下する場合もあるが、最終的には横向きの姿勢で廃棄箱6に積み上げられる。このようにして、ノズル12に取り付けられている姿勢、すなわち軸線13cが鉛直方向Zを向きノズルチップ先端部13aが下端となる姿勢を保ってノズルチップ13の上に落下する可能性が低減される。
ノズルチップ13が傾く方向は、ノズルチップ先端部13aが凹部16eのどの位置に衝突するかに大きく依存し、衝突する位置のわずかなばらつきでノズルチップ13はあらゆる方向に傾き得る。さらに通常、ノズルチップ13には検体等が付着しているため、ノズルチップ13毎に重心位置が異なっている。このような要因によってもノズルチップ13の傾く方向は大きな変動する。
図8には、本実施形態のノズルチップ分散機構16の代わりに特許文献2に開示された障害物51が設けられたノズルチップの回収装置を示している。ノズルチップ13が障害物51の中心からずれた位置に接触すると、ノズルチップ13は障害物51の側面を滑りながら落下し、装着端部13bが上を向いた状態で廃棄箱6に回収される。この結果、ノズルチップ13は廃棄箱6のノズルチップ13の上に突き刺さりやすくなる。その後、別のノズルチップ13が同じ姿勢で同じ位置に落下すると、別のノズルチップ13のノズルチップ先端部13aが先に落下したノズルチップ13の装着端部13bに挿入され、ノズルチップ13同士が鉛直方向Zに連結される。これに対し、本実施形態によればノズルチップ13は大きく傾いた状態で廃棄箱6のノズルチップ13に落下し、かつ落下する位置が分散されるため、ノズルチップ13同士が連結される可能性が低減される。ノズルチップ13は重力によって自然落下するため、特許文献1に関連して述べた血液サンプルや試薬の飛散も防止しやすい。
図5(c)は他の実施形態に係るノズルチップ分散機構116の斜視図を、図5(d)は図5(c)のC−C線に沿った断面図を示している。本実施形態では、凹部116eは平坦な底面116gを有している。本実施形態では、落下したノズルチップ13のノズルチップ先端部13aは平坦な底面116gに衝突する。ノズルチップ13はわずかの時間鉛直方向に立った姿勢を維持するが、その後バランスを失いいずれかの方向に傾く。凹部116eの底面116gが平坦であるため、ノズルチップ13は鉛直方向に立った姿勢を保ったまま底面116g上を滑る可能性があるが、最終的に側壁116hに衝突し、傾いて落下する。凹部116eは円筒形、円錐台、直方体など任意の形状をとることができる。円筒形や円錐台など底面の周縁部116jが曲線で構成されている場合、底面の周縁部116jにノズルチップ先端部13aが引っかかりにくくなり、より確実にノズルチップ13を落下させることができる。
以上説明したいずれの実施形態においても(以下の説明は図5(a)の形態で代表する)、凹部16eは閉じた周縁部16fを上面16aに有している。凹部16eが広い場合、凹部16eに落下したノズルチップ13が倒れた状態で凹部16eに滞留する可能性がある。これを防止するため、上面16aにおける凹部16eの周縁部の2点間の最大距離がノズルチップ13の軸線13c方向における全長Lの半分以下であり、かつノズルチップ13の重心13fと装着端部13bとの間の距離Lg1以下であることが望ましい。周縁部の2点間の最大距離とは、凹部16eが円筒形である場合その直径Dを、直方体形状である場合水平面で切った断面における対角線の長さを意味する。
凹部16eの深さDpは、ノズルチップ先端部13aが凹部16eの底部の周縁部に引っ掛かることを防止するために、ノズルチップ13の重心13fからノズルチップ先端部13aまでの長さLg2の1/2以下であることがより好ましい。さらに、凹部16eの広さにもよるが、落下してきたノズルチップ13が跳ねて凹部16eから飛び出すことを防止するため、凹部16eの深さDpは2mm以上であることが好ましい。
図5(e)は他の実施形態に係るノズルチップ分散機構216の斜視図を示している。凹部216eは図5(a),(b)に示した形態と同様に曲面形状の表面を有しているが、本実施形態では凹部16eは一方向に延びる溝216aである。溝216aの形状は限定されないが、円筒形をその中心軸と平行な平面に沿って分割して得られる形状、特には中心軸を含む平面に沿って二等分して得られる形状であることが好ましい。図示は省略するが、溝216aは底面が平坦であってもよく、例えば細長い直方体形状であってもよい。
ノズルチップ分散機構16は、ノズルチップ13の取外し機構5の直下にある限り、廃棄箱6の上方に位置していてもよい。しかし、図6に示すように、ノズルチップ分散機構16は廃棄箱6の内部に位置していることが好ましい。ノズルチップ分散機構16は、取外し機構5に装着されたノズルチップ13のノズルチップ先端部13aが凹部16eの表面に接触せずかつ凹部16eの内側にある高さに位置していることがさらに望ましい。これによって、ノズルチップ先端部13aが凹部16eに入りやすくなり、ノズルチップ13がノズルチップ先端部13aを中心として回動して、径の大きい装着端部13bを下にして落下しやすくなる。さらに、ノズルチップ13の落下時の衝撃が緩和されるとともに、跳ね上がりも生じにくくなる。ノズルチップ先端部13aと凹部16eの底部との間の距離Cは、ノズルチップ13の落下位置のばらつきを考慮し5mm以下であることが好ましい。
図7は他の実施形態に係るノズルチップ分散機構316の斜視図を示している。図7に示される実施形態では、ノズルチップ分散機構316の上面316aは少なくともノズルチップ13が衝突する位置に、水平面316kを有している。
図7(a)に示す実施形態のノズルチップ分散機構316の水平面316kは、ノズルチップ13のノズルチップ先端部13aとの間で好ましくは1以上の静止摩擦係数を有している。このような高い摩擦係数の水平面316kは、ノズルチップ分散機構316の本体部316bの表面にローレット加工などの粗面加工を施したり、目の粗い紙やすりを貼り付けたりすることで得ることができる。水平面が滑らかであると、落下してきたノズルチップ先端部13aが水平面を滑りやすくなり、ノズルチップ13が水平面に落下してくるときの姿勢を維持したまま廃棄箱6に落下する可能性がある。本実施形態では、落下してきたノズルチップ先端部13aが滑りにくい水平面316kで一定時間拘束されるため、その間にノズルチップ13がいずれかの方向に傾きやすくなる。1以上の静止摩擦係数を有する水平面316kは、ノズルチップ13が45°傾いた状態でもノズルチップ先端部13aを拘束することができる。
ノズルチップ分散機構316の上面316aの形状は特に限定されないが、円形や長方形などの任意の形状をとることができる。いずれの場合も、落下してきたノズルチップ13がノズルチップ分散機構316の上面316aで倒れ、落下することなく載置されたままとならないように、ある程度の広さを有することが好ましい。このため、水平面316kの2点間の最大距離はノズルチップ13の軸線方向における全長の半分以下であり、かつノズルチップ13の重心13fと装着端部13bとの間の距離以下(Lg1以下)であることが望ましい。周縁部の2点間の最大距離とは、水平面316kが円形である場合その直径Dを、長方形である場合その対角線の長さを意味する。
図7(b)に示すように、落下してきたノズルチップ13の衝撃を吸収し、ノズルチップ13が跳ねるのを防止するために、本体部416bの水平面上に弾性部材416mを貼り付けるのが好ましい。弾性部材416mは、例えば低反発のウレタンゴムやニトリルゴムなどのシート状の弾性体から構成することができる。ノズルチップ13が水平面上で跳ねると、再度落下したときに水平面上に落下せず、ノズルチップ先端部13aを下端として廃棄されたノズルチップ13の上に落下することがある。例えば、ノズルチップ13の取外し位置から5mm落下する場合、跳ね量を1mm程度に抑えれば、水平面から逸脱する可能性が小さくなる。したがって、弾性部材416mの水平面の反発弾性率は20%以下であることが好ましい。弾性部材416mの水平面は1以上の静止摩擦係数を有していることが望ましい。
1 分注装置
5,105 ノズルチップの取外し機構
6 廃棄箱
8 ノズルチップの回収装置
12 ノズル
12a 先端部
13 ノズルチップ
13a ノズルチップ先端部
13b 装着端部
13c 軸線
13d,13e 開口
13f 重心
16,116,216,316,416 ノズルチップ分散機構
16a 上面
16b 本体部
16e,116e 凹部
16f 周縁部
116g 底面
216a 溝
316k 水平面
416m 弾性部材
5,105 ノズルチップの取外し機構
6 廃棄箱
8 ノズルチップの回収装置
12 ノズル
12a 先端部
13 ノズルチップ
13a ノズルチップ先端部
13b 装着端部
13c 軸線
13d,13e 開口
13f 重心
16,116,216,316,416 ノズルチップ分散機構
16a 上面
16b 本体部
16e,116e 凹部
16f 周縁部
116g 底面
216a 溝
316k 水平面
416m 弾性部材
Claims (14)
- 分注装置に装着された使用済みのノズルチップを順次回収する、ノズルチップの回収装置であって、
前記ノズルチップは、ノズルチップ先端部と、他の前記ノズルチップのノズルチップ先端部を収容可能な開口を有し前記分注装置に装着される装着端部と、を備え、前記ノズルチップ先端部と前記装着端部とを結ぶ軸線に沿った細長い形状を有し、
前記ノズルチップを前記分注装置から取り外し、前記ノズルチップを、前記軸線が鉛直方向を向き前記ノズルチップ先端部が下端となる姿勢で、重力により落下させる取外し機構と、
前記ノズルチップを回収する廃棄箱と、
前記取外し機構の直下であって、前記廃棄箱の内部または上方に位置するノズルチップ分散機構と、を有し、
前記ノズルチップ分散機構は前記ノズルチップが衝突する上面を有し、前記上面は少なくとも前記ノズルチップが衝突する位置に、凹部または水平面を有している、ノズルチップの回収装置。 - 前記ノズルチップ分散機構の前記上面は前記凹部を有し、前記凹部は曲面形状の表面を有している、請求項1に記載のノズルチップの回収装置。
- 前記凹部は半球形状の表面を有している、請求項2に記載のノズルチップの回収装置。
- 前記ノズルチップ分散機構の前記上面は前記凹部を有し、前記凹部は平坦な底面を有している、請求項1に記載のノズルチップの回収装置。
- 前記凹部は一方向に延びる溝である、請求項2または4に記載のノズルチップの回収装置。
- 前記凹部は閉じた周縁部を前記上面に有し、前記周縁部の2点間の最大距離が前記ノズルチップの前記軸線方向における全長の半分以下であり、かつ前記ノズルチップの重心と前記装着端部との間の距離以下である、請求項2から4のいずれか1項に記載のノズルチップの回収装置。
- 前記ノズルチップ分散機構は、前記取外し機構に装着された前記ノズルチップの前記ノズルチップ先端部が前記凹部の表面に接触せずかつ前記凹部の内側にある高さに位置している、請求項2から6のいずれか1項に記載のノズルチップの回収装置。
- 前記凹部の深さは前記ノズルチップの重心と前記ノズルチップ先端部との間の距離の半分以下である、請求項2から7のいずれか1項に記載のノズルチップの回収装置。
- 前記ノズルチップ分散機構の前記上面は前記水平面を有し、前記水平面は前記ノズルチップの前記ノズルチップ先端部との間で1以上の静止摩擦係数を有している、請求項1に記載のノズルチップの回収装置。
- 前記水平面の2点間の最大距離が前記ノズルチップの前記軸線方向における全長の半分以下であり、かつ前記ノズルチップの重心と前記装着端部との間の距離以下である、請求項9に記載のノズルチップの回収装置。
- 前記水平面の反発弾性率が20%以下である、請求項9または10に記載のノズルチップの回収装置。
- 前記ノズルチップ分散機構は前記廃棄箱に取り外し可能に取り付けられている、請求項1から11のいずれか1項に記載のノズルチップの回収装置。
- 請求項1から12のいずれか1項に記載のノズルチップの回収装置を有する分注装置。
- 分注装置に装着されたノズルチップであって、ノズルチップ先端部と、他の前記ノズルチップのノズルチップ先端部を収容可能な開口を有し前記分注装置に装着される装着端部と、を備え、前記ノズルチップ先端部と前記装着端部とを結ぶ軸線に沿った細長い形状を有する使用済みのノズルチップを順次回収する方法であって、
前記ノズルチップを前記分注装置から取り外し、前記ノズルチップを、前記軸線が鉛直方向を向き前記ノズルチップ先端部が下端となる姿勢で、重力により落下させることと、
廃棄箱の内部または上方に位置するノズルチップ分散機構の上面に前記ノズルチップを衝突させることと、
前記ノズルチップ分散機構の前記上面に衝突した前記ノズルチップを重力により前記上面から落下させて、前記廃棄箱で回収することと、を有し、
前記上面は少なくとも前記ノズルチップが衝突する位置に、凹部または水平面を有している、ノズルチップの回収方法。
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WO2019244427A1 (ja) * | 2018-06-21 | 2019-12-26 | 株式会社日立ハイテクノロジーズ | 自動分析装置 |
WO2020025972A1 (en) * | 2018-08-03 | 2020-02-06 | Randox Laboratories Ltd | Pipette tip disposal assembly |
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