JP2015169114A - ポンプ装置又はその製造方法 - Google Patents

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利季 伊倉
Toki Ikura
利季 伊倉
貴廣 伊藤
Takahiro Ito
貴廣 伊藤
俊裕 小泉
Toshihiro Koizumi
俊裕 小泉
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Abstract

【課題】
組付けの作業性を向上することができるポンプ装置を提供すること。
【解決手段】
各ギヤ4の一側面に摺接するよう配置され、各ギヤ4の歯先をシールするシール部7bを備えたシールブロック7と、各ギヤ4の他側面に摺接するよう配置され、シールブロック7に接触して当接面62a,62bを構成するシール部を備えたサイドプレート6とを備えたポンプ装置1であって、ポンプケース2に設けられた回転防止ピン装着孔214と、回転防止ピン装着孔214に装着された回転防止ピン9cと、サイドプレート6のシール部(当接面62a,62b)をシールブロック7(シール部7b)に対して付勢するための板バネ5とを有し、回転防止ピン9cは、回転防止ピン装着孔214に装着されることで、板バネ5に接触しつつ、板バネ5を弾性変形させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポンプ装置に関する。
従来、各ギヤの一側面に摺接するよう配置され、各ギヤの歯先をシールする歯先シール部を備えたシールブロックと、各ギヤの他側面に摺接するよう配置され、シールブロックに接触してシール面を構成するシール部を備えたサイドプレートとを有するポンプ装置が知られている(例えば特許文献1)。
特開2012−47123号
しかし、従来のポンプ装置では、組付けの作業性を向上する余地があった。本発明の目的とするところは、組付けの作業性を向上することができるポンプ装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のポンプ装置は、好ましくは、シールブロック又はハウジングのピン装着孔に装着されるピンと、サイドプレートのシール部をシールブロックに対して付勢するための付勢部材とを有し、ピンは、ピン装着孔に装着されることで、付勢部材に係合しつつ、付勢部材を弾性変形させる。
よって、組付けの作業性を向上することができる。
実施例1のポンプ装置をリアケースが取付けられる側から見た斜視図である。 実施例1のポンプ装置をリアケースが取付けられる側から見た正面図である。 図2のI-I視断面を示す。 実施例1のサイドプレートの斜視図である。 実施例1の回転防止ピンの斜視図である。 実施例1の板バネの斜視図である。 実施例1の板バネを設置した状態のサイドプレートの斜視図である。 実施例1の回転防止ピンの近傍におけるポンプ装置の断面図(図2のI-I視断面)であり、回転防止ピンの圧入工程における途中の状態を示す。 実施例1の回転防止ピンの近傍におけるポンプ装置の断面図(図2のI-I視断面)であり、回転防止ピンの圧入後の状態を示す。
以下、本発明のポンプ装置又はその製造方法を実現する形態を、図面に示す実施例に基づき説明する。
[実施例1]
[構成]
まず、構成を説明する。実施例1のポンプ装置1(以下、単に装置1という。)は、自動車のブレーキシステムにおいて車両の複数のホイルシリンダに液圧を供給するためのブレーキ装置の液圧源として用いられる。装置1は、互いに噛合う外歯歯車を用いた外接ギヤポンプである。図1は、リアケースを外した状態の装置1を、リアケースが取付けられる側から見た斜視図である。図2は、リアケースを外した状態の装置1を、リアケースが取付けられる側から見た正面図である。図3は、図2のI-I視断面を示す。装置1は、内部にポンプ室20が設けられたハウジングとしてのポンプケース2と、ポンプ室20内に収容されるポンプ組立体とを有している。ポンプケース2は、図外のリアケースとフロントケース21を有している。フロントケース21とリアケースは組み合わされて1つのケースを構成し、その内部にポンプ室20を形成する。以下、装置1の軸方向(駆動軸3a及び従動軸3bが延びる方向)であってリアケースの側を軸正方向側、フロントケース21の側を軸負方向側という。
フロントケース21は金属材料によって有底円筒状に形成されている。フロントケース21には、フロントケース21の軸正方向側の面212に開口する有底円筒状の凹部210と、凹部210の底面211に開口する2つの有底円筒状の軸受凹部(図外)とが形成されている。凹部210にはポンプ組立体が設置される。軸受凹部には軸受としてのニードルベアリングが圧入される。また、フロントケース21の内部には、凹部210の底面211に開口すると共にフロントケース21の外部に連通する吸入ポート201及び吐出ポート202が形成されている。フロントケース21には、固定ピン装着孔213と回転防止ピン装着孔214と位置決めピン装着孔215が形成されている。固定ピン装着孔213と回転防止ピン装着孔214は、凹部210の底面211に開口する。位置決めピン装着孔215は、凹部210を囲む内壁の肉厚部に形成されており、フロントケース21の軸正方向側の面212に開口する。位置決めピン装着孔215には、ダウエルピン(ノックピン)9aが軽く圧入される。リアケースは金属材料により有底円筒状に形成されており、その内部には、リアケースの軸負方向側の面に開口する2つの有底円筒状の軸受凹部と、一方の軸受凹部の底部に開口してリアケースを軸方向に貫通する駆動軸貫通孔とが形成されている。フロントケース21の軸正方向側の面212にリアケースが取付けられる。リアケースはピン9aによりフロントケース21に対して位置決めされ、両者はボルトにより締結固定される。フロントケース21の凹部210は、リアケース(および図外のシール部材)により封止され、1つの閉空間を形成しており、この空間はポンプ室20を構成する。
ポンプ組立体は、駆動軸3aと、従動軸3bと、一対のギヤ4a,4bと、サイドプレート6と、シールブロック7と、サイドシール8と、シールリング(図外)とを有している。駆動ギヤ4aは金属材料により形成された外歯歯車であり、その中心軸上には、駆動軸3aが貫通して設置される。駆動軸3aは、外部の電動モータ等の駆動源に接続され、駆動源により駆動されて回転する。駆動軸3aの軸負方向側の一端はフロントケース21側の軸受凹部(ニードルベアリング)により支持される。駆動軸3aの軸正方向側の他端はリアケース側の軸受凹部(ニードルベアリング)により支持されると共に、駆動軸貫通孔を通ってリアケースの軸正方向側に突出し、駆動源に接続される。駆動ギヤ4aは、係合用のピンを介して駆動軸3aにより駆動され、駆動軸3aと一体に回転する。従動ギヤ4bは金属材料により形成された外歯歯車であり、その中心軸上には、従動軸3bが貫通して設置される。従動軸3bは駆動軸3aと略平行に配置される。従動軸3bの軸負方向側の一端はフロントケース21側の軸受凹部(ニードルベアリング)により支持される。従動軸3bの軸正方向側の他端はリアケース側の軸受凹部(ニードルベアリング)により支持される。従動ギヤ4bの歯は、駆動ギヤ4aの歯と噛合っている。従動ギヤ4bは、駆動ギヤ4aを介して駆動軸3aにより駆動されて回転する。従動軸3bは、係合用のピンを介して従動ギヤ4bにより駆動され、従動ギヤ4bと一体に回転する。両ギヤ4a,4bは、側板を構成するサイドプレート6とシールブロック7とにより挟み込まれるように配置される。
図4はサイドプレート6の斜視図である。サイドプレート6は第1側板であり、樹脂材料により形成されている。サイドプレート6の摩擦係数は、駆動ギヤ4a及び従動ギヤ4bの摩擦係数よりも小さい。サイドプレート6は、その軸負方向側の面が駆動ギヤ4a及び従動ギヤ4bの軸正方向側に摺接するよう、両ギヤ4a,4bの軸正方向側の面とリアケースの軸負方向側の面との間に配置される。サイドプレート6には、駆動軸3a及び従動軸3bがそれぞれ挿通される2つの貫通孔60a,60bが軸方向に延びて設けられている。貫通孔60a,60bの径はそれぞれ軸3a,3bの径よりも若干大きい。以下、2つの貫通孔60a,60b(両軸3a,3b)の軸心を含む平面を平面αpという。2つの貫通孔60a,60bの略中間位置で軸方向に延び、平面αpに直交する平面を平面βpという。
サイドプレート6の外周には、平面αpに対して一方側に、各ギヤ4の歯先で形成される円(外接円)と略等しい円弧形状を含む当接面62が、平面βpを挟んで2つ設けられている。これらの当接面62a,62bは、後述するシールブロック7のシール部7bのシール面72a,72bと当接する接触面である。当接面62a,62bが形成されたサイドプレート6の外周部位は、シールブロック7のシール部7b(シール面72a,72b)に接触してシール面を構成するシール部である。サイドプレート6の外周には、両貫通孔60a,60bの間(2つの当接面62a,62bが交わる位置)に、平面βp上でサイドプレート6を軸方向に貫通するように、吸込用流通溝61が形成されている。サイドプレート6の軸負方向側の面には、2つの貫通孔60a,60bの周囲に、他の部位よりも軸負方向側に突出して、両ギヤ4a,4bに摺接する摺接部63が設けられている。サイドプレート6の軸正方向側の面には、他の部位よりも軸正方向側に突出してリアケースに対向する対向部64が、2つの貫通孔60a,60b及び吸込用流通溝61を取り囲むように設けられている。サイドプレート6の軸正方向側の面の外周側には、対向部64を取り囲むように、シール溝65が設けられている。シール溝65は、サイドプレート6の軸正方向側の面に設けられた段部である。シール溝65の周方向両端部はそれぞれ当接面62a,62bに交差して開口する。
サイドプレート6の外周は、平面αpを挟んで当接面62a,62bと反対側の一部分が、平面αpと略平行な平面状に形成されている。サイドプレート6の軸正方向側の面には、他の部位よりも軸負方向側に陥没する有底の凹部として、装着部67が形成されている。装着部67は平面βpを跨るように設けられている。装着部67は、その軸正方向側が開口する一方、その軸負方向側が底部670により閉塞される。底部670を囲む装着部67の内壁は、平面αpに略平行な面と、この面の長手方向両端に連続して略円弧状に湾曲する面とを有している。この湾曲面はサイドプレート6の外周の上記平面状部分に連続している。すなわち、装着部67は、サイドプレート6の外周の上記平面状部分に開口しており、上記連続部分がこの開口部の縁672を構成する。この開口部の両縁672a,672bは平面βpに向って突出しており、これにより上記開口部が巾着状に狭まっている。上記湾曲面を含む装着部67の上記内壁は、保持部671を構成する。言換えると、保持部671の内壁は、円弧状に湾曲したアール形状を有している。装着部67の底部670には、嵌合凹部66が設けられている。嵌合凹部66は、底部670を軸方向に貫通し、サイドプレート6の外周の上記平面状部分に開口する。嵌合凹部66は、平面βpを跨るように設けられており、平面βpに略平行な2面660a,660bを有している。
シールブロック7は、両ギヤ4a,4bの側面摺接部としての第2側板7aと、両ギヤ4a,4bの歯先摺接部としてのシール部7bとが一体的に構成された部材であり、軸方向断面がL字状であって、樹脂材料により一体に形成されている。シールブロック7の摩擦係数は、駆動ギヤ4a及び従動ギヤ4bの摩擦係数よりも小さく設けられている。第2側板7aは、その軸正方向側の面が駆動ギヤ4a及び従動ギヤ4bの軸負方向側の面に摺接するよう、両ギヤ4a,4bの軸負方向側の面とフロントケース21の凹部210の底面211との間に配置される。第2側板7aには、駆動軸3a及び従動軸3bがそれぞれ挿通される2つの貫通孔が軸方向に延びて設けられている。以下、上記2つの貫通孔(両軸3a,3b)の軸心を含む平面を平面αbといい、上記2つの貫通孔の略中間位置で軸方向に延び平面αsに直交する平面を平面βbという。第2側板7aの軸正方向側の面には、上記2つの貫通孔の周囲に、他の部位よりも軸正方向側に突出して、両ギヤ4a,4bに摺接する摺接部70が設けられている。第2側板7aの軸負方向側の面には、上記2つの貫通孔及び後述する固定孔74を取り囲むように、1つの環状のシール溝71が設けられている。シール溝71にはサイドシール8が設置される。サイドシール8は、(ゴム等の)弾性体により形成された環状のシール部材であり、第2側板7aの軸負方向側の面とフロントケース21の凹部210の底面211との間で軸方向に潰されるように設置される。
シール部7bは、第2側板7aの軸正方向側の面であって平面αbに対して一方側の部位から軸正方向側に延びる。ポンプ組立体がポンプ室20内に設置された状態で、シール部7bは、各ギヤ4を跨いでサイドプレート6まで延び、その軸正方向側の面がリアケースの軸負方向側の面に対向するように配置される。シール部7bは、両ギヤ4a,4bの歯先に対向して配置される。シール部7bの面72a,72bが、サイドプレート6の外周に当接すると共に、駆動ギヤ4a及び従動ギヤ4bの噛合い部近傍の歯先をシールする。シール部7bの上記面72a,72bは、両ギヤ4a,4bの円周方向の上記一定範囲において各ギヤ4の歯先に近接する。具体的には、シール部7bには、平面αbに対向する側に、サイドプレート6の各当接面62a,62bと略等しい(隙間無く嵌り合う)形状であって軸方向に延びるシール面72a,72bが、平面βbを挟んで2つ設けられている。シール面72a,72bは、その軸正方向側の所定範囲で、サイドプレート6の各当接面62a,62bとそれぞれ当接することで、サイドプレート6(当接面62a,62b)との間の隙間をシールする。シール面72a,72bは、その軸負方向側の(サイドプレート6との当接部位を除く)所定範囲で、駆動ギヤ4a及び従動ギヤ4bの歯先にそれぞれ対向し、歯先との間の隙間をシールする歯先シール面を構成する。この歯先シール面を含むシール部7bは、歯先シール部である。
シール部7bには、2つのシール面72a,72bの間(これらの面72a,72bが交わる位置)に、平面βb上で軸方向に延びるように、吸込用流通溝73bが形成されている。吸込用流通溝73bは、第2側板7aを軸方向に貫通する吸込用流通孔73aに連続する。吸込用流通溝73bは、シールブロック7がサイドプレート6と組み合わされたときに、吸込用流通孔73a及びサイドプレート6の吸込用流通溝61と共に1つの吸込用流通孔を構成するように設けられている。この吸込用流通孔は、その全体又は一部が、フロントケース21に設けられた吸入ポート201と軸方向で重なるように設けられており、吸入ポート201の一部を構成する。シールブロック7には、シール部7bの内部を平面βb上で延びてシールブロック7を軸方向に貫通するように、固定孔74が形成されている。シール部7bの軸正方向側の面には、他の部位よりも軸正方向側に突出してリアケースに対向する対向部75が、固定孔74を取り囲むように設けられている。シール部7bの軸正方向側の面の外周側には、対向部75を取り囲むように、シール溝76が設けられている。シール溝76は、シール部7bの軸正方向側の面に設けられた段部である。シール溝76は、シールブロック7がサイドプレート6と組み合わされたときにサイドプレート6のシール溝65と連続して1つの環状のシール溝を構成するように設けられている。シール溝65,76にはシールリングが設置される。シールリングは、(ゴム等の)弾性体により形成された環状のシール部材であり、サイドプレート6の軸正方向側の面及びシール部7bの軸正方向側の面と、リアケースの軸負方向側の面との間で軸方向に潰されるように設置される。
固定孔74には固定ピン9bが収容される。固定ピン9bは、円柱状のダウエルピン(ノックピン)である。固定ピン9bは、その軸負方向側の端がフロントケース21の固定ピン装着孔213に軽く圧入されることで、フロントケース21の凹部210内で軸方向に、すなわち駆動軸3a及び従動軸3bと略平行に延びるように設置される。固定ピン9bの軸方向中間部位は、シールブロック7の固定孔74に僅かな隙間を介して嵌合される。固定ピン9bの軸正方向側の端は、リアケース側に設けられた固定ピン装着孔に僅かな隙間を介して嵌合される。なお、固定ピン9bは、フロントケース21の固定ピン装着孔213に隙間を介して嵌合されることとしてもよい。第2側板7aの両貫通孔の軸心とサイドプレート6の両貫通孔60a,60bの軸心とをそれぞれ合わせた状態で、第2側板7aの外周は、サイドプレート6の外周と略一致する形状に設けられている。上記状態で、平面αbを挟んでシール部7bと反対側の第2側板7aの外周の一部分は、サイドプレート6の外周の上記平面状部分よりも若干突出する形状に形成されている。第2側板7aには、嵌合凹部77が設けられている。嵌合凹部77は、第2側板7aを軸方向に貫通し、第2側板7aの外周の上記突出部分に開口する。嵌合凹部77は、平面βbを跨るように設けられており、平面βbに略平行な2面770a,770bを有している。上記状態で、嵌合凹部77はサイドプレート6の嵌合凹部66と軸方向で重なる。
嵌合凹部77には回転防止ピン9cが設置される。図5は回転防止ピン9cの斜視図である。回転防止ピン9cは、金属材料により形成された段付きピンであり、小径部90と大径部91と案内面92とを一体に備えている。小径部90はピンの細い側である。小径部90の長さは、フロントケースの凹部210の軸方向寸法(深さ)よりも若干長い。大径部91はピンの太い側である。案内面92は、小径部90と大径部91との間に設けられたテーパ面であり、大径部91から小径部90へ向うにつれて徐々に縮径する部分の外周面である。回転防止ピン9cは、その小径部90の先端側がフロントケース21の回転防止ピン装着孔214に圧入されることで、フロントケース21の凹部210内で軸方向に、すなわち駆動軸3a及び従動軸3bと略平行に延びるように設置される。小径部90の中間側は、シールブロック7の嵌合凹部77(2面770a,770bの間)に僅かな隙間を介して嵌合される。大径部91は、サイドプレート6の嵌合凹部66(2面660a,660bの間)に若干の隙間を介して嵌合されると共に、板バネ5に接触する。案内面92は、回転防止ピン9cの上記装着(圧入)時に板バネ5と接触して板バネ5を案内する。
サイドプレート6と回転防止ピン9cとの間には、板バネ5が設置される。板バネ5は、サイドプレート6をシールブロック7のシール部7bに向って常時付勢する弾性部材である。板バネ5は、サイドプレート6の装着部67に装着される。回転防止ピン9cと板バネ5とは、サイドプレート6を上記のように付勢するための付勢機構を構成する。図6は板バネ5の斜視図である。板バネ5は、金属材料により形成された単板バネであり、サイドプレート6とは別体の部材として設けられている。板バネ5は、撓み部50と被保持部51を有している。撓み部50は、板バネ5の長手方向両端に挟まれた中間部分であって、「く」の字状に折れ曲がった形状を有している。被保持部51は、板バネ5の長手方向両端に設けられ、略円筒状に湾曲した形状を有している。図7は板バネ5を設置した状態のサイドプレート6の斜視図である。板バネ5の被保持部51は、サイドプレート6の装着部67の保持部670に嵌合する。これにより、板バネ5は装着部67に保持される。板バネ5の板幅方向の一側面は装着部67の底部670に当接する。板バネ5の板幅は装着部67の深さ(軸方向寸法)と略等しく設けられている。平面αpに直交する方向で、板バネ5の寸法(被保持部51の外周の径)は、装着部67の寸法(内壁から開口部までの距離)と略等しく設けられている。撓み部50の折れ曲がった頂点500は平面βp内で装着部67の内壁から所定距離だけ離れ、嵌合凹部66内に位置する。
図8は、回転防止ピン9cの近傍における装置1の断面図(図2のI-I視断面)であり、回転防止ピン9cの圧入工程における途中の状態を示す。図9は、回転防止ピン9cの近傍における装置1の断面図(図2のI-I視断面)であり、回転防止ピン9cの圧入後の状態を示す。以下、回転防止ピン9cの圧入工程を含む装置1の組付け工程の概略を説明する。まず、フロントケース21の凹部210内に、シールブロック7、各ギヤ4、及びサイドプレート6等を設置する。その際、図7のようにサイドプレート6に板バネ5を予め組付けておく。この状態で、サイドプレート6を、シールブロック7に仮置きする。すなわち、サイドプレート6の当接面62a,62bをそれぞれシールブロック7のシール部7bのシール面72a,72bに嵌合させつつ、サイドプレート6の軸負方向側の面が各ギヤ4の軸正方向側の面に対向するように配置する。その後、回転防止ピン9cを軸正方向側からサイドプレート6の嵌合凹部66及びシールブロック7(第2側板7a)の嵌合凹部77を通ってフロントケース21の回転防止ピン装着孔214に装着する。その際、回転防止ピン9cが、板バネ5に接触することで、板バネ5を撓ませる。回転防止ピン9cは、板バネ5を弾性変形させつつ、板バネ5に係合する(板バネ5に弾性的に係合する)。
すなわち、板バネ5の板材は軸方向に延び広がるように装着部67に設置される。板バネ5の撓み部50は装着部67の平面αpに略平行な内壁に対向する。これにより、板バネ5が平面αpに直交する方向に弾性変形可能となっている。板バネ5の被保持部51は保持部670により保持される。この状態で、撓み部50の長手方向の略中央は、平面αpに直交する方向であって当接面62a,62bから遠ざかる側へ凸に、折れ曲がっている。板バネ5に回転防止ピン9cが接触する前の状態で、撓み部50の上記折れ曲がり部位すなわち頂点500と装着部67の上記内壁との間には、隙間が設けられている。回転防止ピン9cの大径部91の外周面は、撓み部50の上記折れ曲がり部位(頂点500)に接触する。回転防止ピン9c(大径部91)は撓み部50を装着部67の上記内壁に向って(すなわち当接面62a,62bの側へ)平面αpに直交する方向に押し上げる。これにより、撓み部50は上記隙間を縮めつつ装着部67の上記内壁に向って撓む。被保持部51が保持部670により保持されつつ撓み部50が撓むことで、板バネ5が弾性力を発生し、板バネ5(被保持部51)が装着部67の上記内壁を押圧する。回転防止ピン9cは上記弾性力の反力を受ける。これにより、サイドプレート6(当接面62a,62b)が平面αpに直交する方向でシールブロック7(シール部7b)の側へ付勢され、シール部7b(シール面72a,72b)に押付けられる。なお、回転防止ピン9cとの接触時に撓み部50が装着部67の上記内壁と干渉しない範囲で撓むよう、上記隙間や撓み部50の撓み代が設けられている。
具体的には、まず、回転防止ピン9cの小径部90の先端側を回転防止ピン装着孔214に圧入する。これにより、回転防止ピン9cの装着作業を開始する。小径部90の圧入量が第1の所定値以下であるとき、言換えると小径部90の先端が回転防止ピン装着孔214内の第1の軸方向位置よりも浅い位置にあるとき、平面αpに直交する方向で、小径部90が板バネ5に対向する(大径部91及び案内面92は、板バネ5に対して軸方向にオフセットした位置にある)。そして、平面αpに直交する方向で(平面βp内で)、板バネ5の撓み部50の頂点500と小径部90の外周面との間には所定の隙間があるように設けられているため、小径部90は板バネ5に接触しない。よって、板バネ5は撓まず(弾性変形せず)、弾性力を発生しない。また、回転防止ピン9c(及びフロントケース21)は板バネ5の反力を受けない。
小径部90の圧入量が第1の所定値よりも増大すると、言換えると小径部90の先端が回転防止ピン装着孔214内における第1の軸方向位置よりも深い位置にあるとき、平面αpに直交する方向で、案内面92の軸方向の一部が板バネ5の軸正方向側と対向する。小径部90の圧入量が増大する(板バネ5に対向する案内面92の径が増大する)のに応じて、板バネ5の撓み部50の頂点500と小径部90の外周面との間の隙間が小さくなり、ある圧入量以上で、図8に示すように案内面92が板バネ5(頂点500の軸正方向側)に接触するようになる。板バネ5(頂点500の軸正方向側)は、案内面92に乗り上げ、平面αpに直交する方向で(平面βp内で)対向するサイドプレート6の装着部67の内壁に向って変位する。このように板バネ5の撓み部50がこの方向で若干撓むことにより弾性力を発生する。この弾性力は板バネ5の被保持部51を介して装着部67の保持部670に伝達される。これにより板バネ5はサイドプレート6をシール部7bの側へ押付ける。回転防止ピン9c(及びフロントケース21)は上記弾性力の反力を受ける。小径部90の圧入量の増大に伴い、案内面92と板バネ5との接触部位における回転防止ピン9cの径が増大し、板バネ5(頂点500)の変位する量(撓み量)が増大する。これにより、板バネ5が発生する上記弾性力(付勢力)が増大する。なお、案内面92の一部には板バネ5の角部(頂点500の軸正方向側)が押付けられつつ移動することで多少の傷が付く可能性があるが、これが回転防止ピン9cの強度等に与える影響はほとんどない。
小径部90の圧入量が(第1の所定値よりも大きい)第2の所定値以上になると、言換えると小径部90の先端が回転防止ピン装着孔214における(第1の軸方向位置よりも深い)第2の軸方向位置よりも深い位置にあるとき、平面αpに直交する方向で、大径部91が板バネ5に対向する。すなわち、板バネ5(頂点500)は案内面92を乗り越えて大径部91に乗り上げ、大径部91が板バネ5(頂点500)に接触するようになる。板バネ5は、大径部91の外周面に当接しつつ弾性変形するように、回転防止ピン9cに係合する。これにより、板バネ5(頂点500)の上記変位する量(撓み量)が最大となり、板バネ5が発生する弾性力(付勢力)が最大(正規の値)となる。小径部90を規定位置まで回転防止ピン装着孔214に圧入すると、回転防止ピン9cの装着作業を終了する。この状態では、図3に示すように、板バネ5(頂点500)の軸方向全範囲に大径部91が対向して当接する。案内面92は、板バネ5に対して軸負方向にオフセットした、サイドプレート6と第2側板7a(嵌合凹部77)との間の位置にある。
[作用]
次に、作用を説明する。装置1の作動時には、駆動ギヤ4aが一方向に回転すると、従動ギヤ4bは逆方向へ回転する。この回転により吸入ポート201の近傍で両ギヤ4a,4bの噛合った歯が離れることで、吸入ポート201の周りの空間の体積が増え、これに伴い吸入ポート201から作動液が吸入される。吸入ポート201の周りの作動液は、両ギヤ4a,4bの回転により両ギヤ4a,4bの歯溝に収容され、両ギヤ4a,4bの回転方向に沿って搬送される。搬送された作動液は、両ギヤ4a,4bの回転に伴い、歯溝から流れ出る。吸入ポート201の周辺と吐出ポート202の周辺とは、各部品のシールにより、作動液の連通が抑制されるようになっている。このため、歯溝から流れ出た作動液により、吐出ポート202の周辺では圧力が上昇し、吐出ポート202から作動液が吐出される。このような動作を連続して行うことで、ポンプ室20に高圧領域と低圧領域とが形成される。
この高圧領域と低圧領域は、両ギヤ4a,4bの噛合い部、両ギヤ4a,4bの歯先とシールブロック7(シール部7b)との近接面、両ギヤ4a,4bの軸正方向側の面とサイドプレート6(摺接部63)との摺接面、両ギヤ4a,4bの軸負方向側の面とシールブロック7(第2側板7aの摺接部70)との摺接面、シールブロック7(シール部7bのシール面72)とサイドプレート6(当接面62)との当接面、フロントケース21とシールブロック7(第2側板7a)とに潰されるサイドシール8、並びに、リアケースとシールブロック7(シール部7b)及びサイドプレート6とに潰されるシールリングにより、区画される。サイドシール8とシールリングよりも内周側、両ギヤ4a,4bの軸正方向側の面とサイドプレート6との摺接面、両ギヤ4a,4bの軸負方向側の面とシールブロック7(第2側板7a)との摺接面が低圧となり、それ以外の部位は高圧になる。このように、ポンプ室20に高圧領域と低圧領域とを区画することにより、高圧領域と低圧領域との間のシール性を向上し、高圧側から低圧側へ作動液が戻ること(ポンプ室20内部の液漏れ)を抑制できるため、装置1の容積効率を向上することができる。
装置1では、シールブロック型ギヤポンプの特長として、歯先隙間はギヤ4とサイドプレート6及びシールブロック7との寸法関係で決まり、多くの部品の公差が集積することによる影響を受けないため、性能のバラツキが少ない。また、慣らし運転時にシール部7bの内面(シール面72)をギヤ4で削り取る(当り付けを行う)ことで公差を吸収し、微小な歯先隙間とすることで、容積効率を向上することができる。
固定ピン9bは、シールブロック7(シール部7b)に係合することでシールブロック7(シール部7b)をポンプ室20内に位置決めする位置決めピンである。フロントケース21に支持される固定ピン9bがシールブロック7の固定孔74に嵌合されることにより、シールブロック7(シール部7b)の、駆動軸3a又は従動軸3bと直交する面内での移動と、駆動軸3a又は従動軸3bと平行な面内での回転(軸に対する傾き)とが抑制される。また、シールブロック7に対する荷重が固定ピン9bにより支えられるため、シールブロック7の材料として樹脂材料を選択することが容易となる。また、荷重に対するシール部7bの変形が少なくなるため、シール部7bのシール面72と歯先との間の隙間を小さく保つことができ、シール性を向上できる。更に、フロントケース21に支持される回転防止ピン9c(小径部90)がシールブロック7の嵌合凹部77に嵌合されることにより、シールブロック7(シール部7b)の、駆動軸3a又は従動軸3bと直交する面内での固定ピン9bを中心とした回転が抑制される。このようにシールブロック7の回転抑制のために回転防止ピン9cを用いることで、シールブロック7の回転抑制のために各部品に作用する圧力バランスを調整するといった手間や構成を省くことができる。
シールブロック7(シール部7bのシール面72)とサイドプレート6(当接面62)との間のシールについて見ると、実際に装置1が作動している間は、両ギヤ4a,4bの外周側の吐出ポート202に連通する空間の圧力は吸入ポート201の圧力よりも高い。この圧力差は、シールブロック7のシール部7bとサイドプレート6とを互いに圧接させるように作用する。しかし、ポンプの吐出圧が十分に発生する前、例えば装置1の作動停止時や運転開始後の低圧力時においては、上記圧力差が小さいため、シール部7b(シール面72)とサイドプレート6(当接面62)との間のシールが不十分となるおそれがある。これに対し、板バネ5は、弾性変形した状態で設置されており、駆動軸3a又は従動軸3bと直交する面内で、回転防止ピン9cに対しサイドプレート6をシール部7bが位置する側へと常時押圧する。ここで、回転防止ピン9cは、上記のようにシールブロック7を位置決めする機能の他、板バネ5を保持・支持する機能を担っている。これにより、サイドプレート6の各当接面62a,62bがシール部7bの各シール面72a,72bと当接するように押付けられ、サイドプレート6がシールブロック7に圧接した状態で固定される。なお、板バネ5の弾性力は、サイドプレート6とシール部7bとの間のシール性を確保するのに必要十分な大きさとなるように設定される。よって、ポンプ室20に十分な圧力差が発生していない状態であっても、上記押付け力によりサイドプレート6とシール部7bとの間のシールが行われるため、装置1の低回転時(吐出圧が低いとき)における容積効率を向上することができる。例えば、装置1の駆動開始直後における液圧の立ち上がりを良くして吐出能力を向上することができる。
なお、両ギヤ4a,4bに対する側板6,7aの軸方向のシールについて見ると、シール部材(サイドシール8及びシールリング)が潰されることで発生する付勢力(反発力)により、サイドプレート6とシールブロック7(第2側板7a)が両ギヤ4a,4bに向って押付けられる。この押付け力によって、サイドプレート6及びシールブロック7(第2側板7a)と両ギヤ4a,4bとの間がシールされる。よって、ポンプ室20に十分な圧力差が発生していない状態でも、上記押付け力により両ギヤ4a,4bに対する軸方向のシールが行われるため、上記と同様の効果を得ることができる。
なお、サイドプレート6及びシールブロック7(第2側板7a)を樹脂以外の材料、例えば金属材料により形成してもよい。本実施例では、サイドプレート6及びシールブロック7(第2側板7a)を樹脂材料により形成したため、これらを金属材料により形成した場合よりも摩擦係数を小さく設定することが容易である。これにより、サイドプレート6及びシールブロック7(第2側板7a)と両ギヤ4a,4bとの摺動抵抗を小さくし、装置1の機械効率を向上することができる。また、上記摺動抵抗の変動を抑制して、容積効率を安定化させることが可能である。また、サイドプレート6及びシールブロック7(第2側板7a)を樹脂材料により形成したため、これらのシール面(摺接部63、摺接部70)と両ギヤ4a,4bとの摺動時の発熱による焼き付きを抑え、長時間の連続駆動が可能となる。また、例えばアルミニウムも摩擦係数が小さいが、樹脂はアルミニウムよりも耐摩耗性が高い。よって、装置1の耐久性を向上することができる。また、樹脂は高い成形性を有しており、製作性が良い。よって、例えば、高精度の成形が求められるシール面(シール部7bのシール面72a,72bや、摺接部63、摺接部70)の形成を型抜きによって容易に行うことができる。したがって、製造コストを低減することができる。特に、シール部7bと第2側板7aとを一体とした複雑な形状のシールブロック7を樹脂により形成したため、シールブロック7を容易に成形することができる。また、シール部7bと第2側板7aとを一度に形成することができるため、製造コストを低減することができる。なお、シール部7bと第2側板7aとを一体の部材(シールブロック7)としたため、部品点数を削減することができる。一方、リアケース22及びフロントケース21を金属材料により形成したため、駆動軸3a等を支持するポンプケース2の強度を十分に確保し、ポンプ室20の液密性を向上することができる。
以下、組付けの作業性について説明する。上記のように、板バネ5(付勢部材)と回転防止ピン9c(支持部材)は、ポンプの吐出圧が十分に発生する前にサイドプレート6をシール部7bの側へ付勢し、シール部7bに押付けるための付勢機構を構成する。ここで、装置1の組付け時に、板バネ5よりも先に回転防止ピン9cが設置される場合、板バネ5を弾性変形させつつ回転防止ピン9cに設置する必要がある。よって、組付けの作業性が悪化するおそれがある。板バネ5をサイドプレート6と一体化することで、部品点数を削減しつつ、組付けの作業性を向上することが可能になる、とも考えられる。例えば、サイドプレート6を樹脂により形成する際、サイドプレート6と一体に、弾性変形可能な構造(弾性部材)としてアーム状の突起合わせ部を成形して、これを付勢部材とする。シールブロック7を樹脂により形成する際、シールブロック7と一体に樹脂によって突起部を形成して、これを支持部材とする(なお、ポンプケース2に突起部を設置してもよい)。サイドプレート6とシールブロック7が組付けられた状態で、突起部が突起合わせ部を弾性変形させつつ突起合わせ部に係合することで、サイドプレート6がシール部7bに押付けられるようにする。しかし、この場合、組付け時に、突起部が突起合わせ部よりも先に設置されることとなる。よって、突起合わせ部を弾性変形させつつ突起部に設置する必要がある。また、サイドプレート6の当接面62a,62bをシール部7b(シール面72a,72b)に対して位置決めし、かつ突起合わせ部を弾性変形させながら突起部に設置する必要がある。よって、例えば、サイドプレート6を軸に対し斜めに傾けながらシールブロック7等の側に組付ける必要があるため、作業性が悪い。
これに対し、本実施例では、付勢部材(弾性部材)としての板バネ5よりも後に、支持部材(突起部)としての回転防止ピン9cが設置される。すなわち、回転防止ピン9cが回転防止ピン装着孔214に装着される前に、板バネ5はサイドプレート6に組付けられた(仮置きされた)状態となっている。そして、回転防止ピン9cが回転防止ピン装着孔214に装着される際に板バネ5を弾性変形させる。これにより、板バネ5がサイドプレート6を付勢する弾性力を発生するようになる。言換えると、回転防止ピン9cの装着と同時に(並行して)板バネ5の最終的な設置状態が実現される。このため、板バネ5を弾性変形させつつ回転防止ピン9cに設置する作業が不要となる。よって、組付けの作業性が悪化するおそれを抑制できる。また、板バネ5を弾性変形させる(回転防止ピン9cが回転防止ピン装着孔214に装着される)前から、サイドプレート6の当接面62a,62bはシール部7b(シール面72a,72b)に対して位置決めされており、シール面同士で対向した状態で嵌合している。よって、サイドプレート6を傾斜させながら組付ける必要がないため、作業性が良好になる。回転防止ピン装着孔214は、シールブロック7に設けられていてもよい。本実施例では、ポンプケース2(フロントケース21)に回転防止ピン装着孔214を設けたため、固定ピン9bと組合せることにより、回転防止ピン9cにシールブロック7の回転を抑制する機能を持たせることができる。これにより、例えば圧力バランスの調整によってシールブロック7の回転を抑制することが不要となり、簡便に回転を抑制することができる。また、板バネ5を支持する機能と回転抑制機能との両方を回転防止ピン9cに担わせることができるため、装置1の構成を簡素化することができる。
支持部材としての回転防止ピン9cは、サイドプレート6以外(ポンプケース2やシールブロック7)の側で板バネ5の反力を受けつつこれを支持することが可能な部材ないし部分であればよく、ポンプケース2側の部材(フロントケース21の開口部を閉塞するリアケース等)又はシールブロック7と一体に構成されていてもよい。本実施例では、回転防止ピン9cは、ポンプケース2側の部材又はシールブロック7とは別体に構成されている。よって、板バネ5を弾性変形させつつ回転防止ピン9cを装着する際に、回転防止ピン9cと一体の他の部材の組み付けを考慮する必要がなく(例えば上記他の部材を傾斜させながら組付ける必要がなく)、回転防止ピン9cのみの組み付けを考慮すればよい。このため、組付けの作業性を良好にできる。また、回転防止ピン9cの素材をシールブロック7等から独立して選択することが容易である。例えば、シールブロック7を樹脂で構成した場合でも、本実施例のように回転防止ピン9cを金属材料により形成することで、板バネ5の反力を受けるのに十分な強度を容易に確保し、回転防止ピン9cの耐久性を向上することができる。また、回転防止ピン9cがシールブロック7等とは別体であるため、回転防止ピン9cの形状を比較的自由に設定することができる。
回転防止ピン9cは、異径の段付き形状でなくてもよい。例えば、回転防止ピン9cはその軸方向の略全範囲で同径であってもよい。しかし、この場合、回転防止ピン9cを圧入する初期の時点から、板バネ5の弾性力に抗して回転防止ピン9cに加える径方向の力を加減しつつ、回転防止ピン9cを圧入する必要があるため、圧入の作業性を向上できないおそれがある。これに対し、本実施例では、回転防止ピン9cは、小径部90と大径部91を備えた段付き形状である。これにより、回転防止ピン9cの装着時、小径部90の側から回転防止ピン9cを圧入することで、圧入の初期には回転防止ピン9cが板バネ5と干渉しないようにすることができるため、板バネ5の弾性力に抗しつつ(回転防止ピン9cに加える径方向の力を加減しつつ)回転防止ピン9cを圧入する必要がない。なお、圧入の後期に大径部91によって板バネ5を弾性変形させる際には、回転防止ピン9cはすでに径方向にフロントケース21に対して固定支持されているため、圧入の作業性が低下するおそれを抑制できる。また、小径部90と大径部91との間にテーパ状の案内面92を設けている。これにより、圧入の途中では案内面92によって板バネ5を大径部91に案内することができるため、回転防止ピン9cの装着(圧入)と同時に(並行して)板バネ5の最終的な設置状態が自動的に実現される。よって、板バネ5を弾性変形させつつ回転防止ピン9cを装着する際の作業性をより良好にできる。
なお、板バネ5の代わりに、コイルばねや皿ばね等の弾性部材を用いることも可能である。本実施例では弾性部材として板バネ5を用いたため、より容易に組付けの作業性を向上することができる。また、板バネ5の代わりに、サイドプレート6と一体に構成された弾性部材を用いてもよい。本実施例では、サイドプレート6とは別体に構成された弾性部材(板バネ5)を用いたため、弾性部材の形状やばね特性を比較的自由に設定することができる。また、弾性部材の素材をサイドプレート6から独立して選択することが容易である。例えば、サイドプレート6を樹脂で構成した場合でも、本実施例のように板バネ5を金属材料により形成することで、必要な弾性力を発生するのに十分な強度を容易に確保し、板バネ5の耐久性を向上することができる。板バネ5の耐久性を向上することで、サイドプレート6とシール部7bとの間のシール性をより確実に確保することができる。
サイドプレート6の装着部67には板バネ5が弾性変形可能に装着される。言換えると、装着部67は、板バネ5を弾性的に装着する。このような装着部67を設けたことで、板バネ5の装着性を向上することができる。板バネ5の被保持部51は装着部67の保持部670内に保持される。撓み部50が撓む際、略円筒状の被保持部51は(同じく略円筒状の)保持部670に対して若干回転変位する。これにより、回転防止ピン9cの圧入(撓み部50の弾性変形)の前後で、被保持部51の形状はほとんど変化せず、装着部67の内壁における板バネ5(被保持部51)の接触部位や接触範囲が大きく変化することがない。よって、板バネ5からサイドプレート6へ弾性力(押付け力)を安定して作用させることができる。平面αpに直交する方向での装着部67の開口部は、円弧状に湾曲する保持部671の内壁により、その両縁672a,672b間の距離が狭められている。このように開口部が巾着状に狭められているため、被保持部51が保持部670内に保持された状態で、装着部67に装着された板バネ5が、平面αpに直交する方向で上記開口部から脱落することが規制される。したがって、板バネ5の保持性を向上することができる。例えば、回転防止ピン9cを圧入しつつ板バネ5を弾性変形させる工程で、板バネ5の脱落のおそれを低減できるため、回転防止ピン9cを装着する際の作業性を良好にできる。また、装着部67の軸負方向側は底部670により閉塞されている。底部670は、装着部67に装着された板バネ5が軸方向に各ギヤ4の側へ移動することを規制する規制壁を構成している。よって、サイドプレート6からの板バネ5の軸方向での脱落を抑制し、板バネ5の保持性を向上することができる。また、回転防止ピン9cを圧入しつつ板バネ5を弾性変形させる際、回転防止ピン9c(案内面92等)に接触する板バネ5が回転防止ピン9cに押されて軸負方向側に移動しようとしても、軸負方向側に位置する底部670により上記移動が規制されるため、回転防止ピン9cを装着する際の作業性を良好にできる。
[効果]
以下、実施例1のポンプ装置1及びその製造方法の効果を列挙する。
(1)ポンプケース2(ハウジング)内に収容され、駆動軸3aにより駆動される駆動ギヤ4aと、駆動ギヤ4aに歯合して回転する従動ギヤ4bと、各ギヤ4の一側面(軸負方向側の面)に摺接するよう配置され、各ギヤ4の歯先をシールするシール部7b(歯先シール部)を備えたシールブロック7と、各ギヤ4の他側面(軸正方向側の面)に摺接するよう配置され、シールブロック7に接触してシール面を構成するシール部(当接面62a,62b)を備えたサイドプレート6とを備えたポンプ装置1であって、シールブロック7又はポンプケース2(フロントケース21)に設けられた回転防止ピン装着孔214(ピン装着孔)と、回転防止ピン装着孔214に装着された回転防止ピン9c(ピン)と、サイドプレート6のシール部(当接面62a,62b)をシールブロック7(シール部7b)に対して付勢するための板バネ5(付勢部材)とを有し、回転防止ピン9cは、回転防止ピン装着孔214に装着されることで、板バネ5に接触(係合)しつつ、板バネ5を弾性変形させる。
よって、回転防止ピン9cを回転防止ピン装着孔214に装着することで板バネ5を弾性変形させるため、組付け作業性を向上することができる。
(2)回転防止ピン9c(ピン)は、回転防止ピン装着孔214(ピン装着孔)に装着される小径部90と、板バネ5(付勢部材)に接触する大径部91と、小径部90と大径部91との間に設けられ、板バネ5を案内する案内面92とを備えた。
よって、案内面92により板バネ5を大径部91に案内することができるため、組付け作業性を向上することができる。
(3)サイドプレート6は、板バネ5(付勢部材)が弾性変形可能に装着される装着部67を備えた。
よって、板バネ5の装着性を向上することができる。
(4)装着部67に、板バネ5(付勢部材)の各ギヤ4側への移動を規制する底部670(規制壁)を形成した。
よって、板バネ5の脱落を抑制することができる。
(5)回転防止ピン9c(ピン)及び板バネ5(付勢部材)は金属で構成されている。
よって、回転防止ピン9c及び板バネ5の耐久性を向上し、サイドプレート6とシール部7bとの間のシール性をより確実に確保することができる。
(6)ポンプケース2(ハウジング)内に収容され、駆動軸3aにより駆動される駆動ギヤ4aと、駆動ギヤ4aに歯合して回転する従動ギヤ4bと、各ギヤ4の一側面(軸負方向側の面)に摺接するよう配置され、各ギヤ4の歯先をシールするシール部7b(歯先シール部)を備えたシールブロック7と、各ギヤ4の他側面(軸正方向側の面)に摺接するよう配置され、シールブロック7に接触して当接面62a,62b(シール面)を構成するシール部を備えたサイドプレート6と、ポンプケース2(フロントケース21)に設けられた回転防止ピン装着孔214(ピン装着孔)と、回転防止ピン装着孔214に装着された回転防止ピン9c(ピン)と、サイドプレート6のシール部(当接面62a,62b)をシールブロック7(シール部7b)に対して付勢するための板バネ5(付勢部材)とを有するポンプ装置1の製造方法であって、シールブロック7と各ギヤ4とサイドプレート6とをポンプケース2(フロントケース21)内に収容した後、回転防止ピン9cを回転防止ピン装着孔214に装着して板バネ5と接触(係合)させることで、板バネ5を弾性変形させる。
よって、各部品をポンプケース2(フロントケース21)内に収容した後に、回転防止ピン9cを回転防止ピン装着孔214に装着することで、板バネ5を弾性変形させるため、組付け作業性を向上することができる。
[他の実施例]
以上、本発明を実現するための形態を、実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。例えば、本発明のポンプ装置は、自動車のブレーキシステムに限らず、自動車のエンジンの燃料システム等に適用可能である。また、自動車に限らず、建設機械やロボット等にも適用可能である。ポンプ装置は、ポンプ室を軸方向に2つ有する所謂タンデム型でもよい。
1 ポンプ装置
2 ポンプケース(ハウジング)
21 フロントケース
214 回転防止ピン装着孔(ピン装着孔)
3a 駆動軸
4a 駆動ギヤ
4b 従動ギヤ
5 板バネ(付勢部材)
6 サイドプレート
62 当接面(シール面)
67 装着部
670 底部(規制壁)
7 シールブロック
7b シール部(歯先シール部)
9c 回転防止ピン(ピン)
90 小径部
91 大径部
92 案内面

Claims (6)

  1. ハウジング内に収容され、
    駆動軸により駆動される駆動ギヤと、
    前記駆動ギヤに歯合して回転する従動ギヤと、
    前記各ギヤの一側面に摺接するよう配置され、前記各ギヤの歯先をシールする歯先シール部を備えたシールブロックと、
    前記各ギヤの他側面に摺接するよう配置され、前記シールブロックに接触してシール面を構成するシール部を備えたサイドプレートと
    を備えたポンプ装置であって、
    前記シールブロック又は前記ハウジングに設けられたピン装着孔と、
    前記ピン装着孔に装着されたピンと、
    前記サイドプレートの前記シール部を前記シールブロックに対して付勢するための付勢部材とを有し、
    前記ピンは、前記ピン装着孔に装着されることで、前記付勢部材に係合しつつ、前記付勢部材を弾性変形させる
    ことを特徴とするポンプ装置。
  2. 請求項1に記載のポンプ装置において、
    前記ピンは、前記ピン装着孔に装着される小径部と、前記付勢部材に接触する大径部と、前記小径部と前記大径部との間に設けられ、前記付勢部材を案内する案内面とを備えたことを特徴とするポンプ装置。
  3. 請求項1又は2に記載のポンプ装置において、
    前記サイドプレートは、前記付勢部材が弾性変形可能に装着される装着部を備えたことを特徴とするポンプ装置。
  4. 請求項3に記載のポンプ装置において、
    前記装着部に、前記付勢部材の前記各ギヤ側への移動を規制する規制壁を形成したことを特徴とするポンプ装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載のポンプ装置において、
    前記ピン及び前記付勢部材は金属で構成されていることを特徴とするポンプ装置。
  6. ハウジング内に収容され、
    駆動軸により駆動される駆動ギヤと、
    前記駆動ギヤに歯合して回転する従動ギヤと、
    前記各ギヤの一側面に摺接するよう配置され、前記各ギヤの歯先をシールする歯先シール部を備えたシールブロックと、
    前記各ギヤの他側面に摺接するよう配置され、前記シールブロックに接触してシール面を構成するシール部を備えたサイドプレートと、
    前記ハウジングに設けられたピン装着孔と、
    前記ピン装着孔に装着されたピンと、
    前記サイドプレートの前記シール部を前記シールブロックに対して付勢するための付勢部材と
    を有するポンプ装置の製造方法であって、
    前記シールブロックと前記各ギヤと前記サイドプレートとを前記ハウジング内に収容した後、前記ピンを前記ピン装着孔に装着して前記付勢部材と係合させることで、前記付勢部材を弾性変形させる
    ことを特徴とするポンプ装置の製造方法。
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