JP2015168831A - 金属装飾物の製造方法とその製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】陽極酸化処理にあって、金属装飾物の表面にグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する製造方法と製造装置を提供する。
【解決手段】電解液13中に陽極としての金属部材14と陰極としての電極部材15とを配置して、金属部材14に電圧を印加し、表面を陽極酸化させる金属装飾物の製造方法であって、金属部材14を電極部材15から遮蔽する遮蔽部材21を設け、金属部材14または遮蔽部材21を電解液13中で移動させて、金属部材14と電極部材15の対向位置を変化させながら、電圧を変化させて印加する。対向面積の小さい時に電圧を高くし、対向面積の大きいときに電圧を低くなる様に印加し、対向位置及び電圧の変化除々に変化させることにより、陽極酸化により形成される酸化膜を除々に変化させ、色調を連続的に変調し、グラデーションを表現する。
【選択図】図1
【解決手段】電解液13中に陽極としての金属部材14と陰極としての電極部材15とを配置して、金属部材14に電圧を印加し、表面を陽極酸化させる金属装飾物の製造方法であって、金属部材14を電極部材15から遮蔽する遮蔽部材21を設け、金属部材14または遮蔽部材21を電解液13中で移動させて、金属部材14と電極部材15の対向位置を変化させながら、電圧を変化させて印加する。対向面積の小さい時に電圧を高くし、対向面積の大きいときに電圧を低くなる様に印加し、対向位置及び電圧の変化除々に変化させることにより、陽極酸化により形成される酸化膜を除々に変化させ、色調を連続的に変調し、グラデーションを表現する。
【選択図】図1
Description
本発明は、装飾用の金属部材の表面に陽極酸化皮膜を形成し、発色させる製造方法にあって、特に、金属部材にグラデーションカラー模様の酸化皮膜を形成する金属装飾物の製造方法とその製造装置に関する。
いわゆる、陽極酸化処理方法は、電解液中で、例えば、アルミニウム、チタン、ステンレス、タングステン、マグネシウム等の金属を陽極として電解処理をすると、その金属表面に光透過性の酸化皮膜の層が形成され、その層の光の干渉作用によって独特な色の発色効果を得る方法である。
このような陽極酸化処理の発色において、色に明瞭な境界なく徐々に変化するグラデーションカラーを形成する製造方法が提案されている。
すなわち、金属を被覆した文字板を陽極酸化処理して発色させるに当たり、連続的に文字板を陽極酸化処理槽からゆっくり引き上げながら、同時に処理電圧を次第にあげてゆく。この工程により、文字板のうち処理液内に入っている部分は次第に陽極酸化皮膜が厚くなり、干渉色が次第に変化し、色調が連続的に変化する文字板を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
あるいは、陽極酸化処理後、染色溶液に金属部材を浸漬し、浸漬の深さを順次変動させて染色の度合いを調整し、色を連続階調にして、グラデーションを表現する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、特許文献1に示した従来技術は、電解液槽からゆっくり文字板を引き上げ電圧も徐々に高めてグラデーションカラーを形成しようとするものであるが、電解液槽上面の電解液と空気の界面は、電解液の撹拌、そして、文字板を引き上げる際の電解液の表面張力等により波立ち、界面が常に振動する。従って、その界面の不安定さが酸化皮膜の膜厚形成を不定にして、グラデーションカラーの体裁をなさない不良を発生する問題があった。
特許文献2に示した従来技術は、陽極酸化処理だけでグラデーションカラーを形成するものでなく、陽極酸化処理したものを染色溶液に浸漬して染色する工程を加えることによって、グラデーションを実現しようとするものであって、陽極酸化処理で形成した透明皮膜の光の干渉効果による独特の発色を実現するものではない。
本発明の金属装飾物の製造方法は、このような課題を解決するためにある。そして、その目的は、陽極酸化処理にあって、金属装飾物の表面にグラデーションカラーを形成する製造方法と製造装置を提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明の金属装飾物の製造方法と製造装置は、以下の製造方法と構成を採用するものである。
電解液中に陽極としての金属部材と陰極としての電極部材とを配置して、金属部材に電圧を印加し、表面を陽極酸化させる金属装飾物の製造方法であって、金属部材を電極部材から遮蔽する遮蔽部材を設け、金属部材または遮蔽部材を電解液中で移動させて、金属部材と電極部材の対向位置を変化させながら電圧を印加することを特徴とする。
金属部材または遮蔽部材を電解液中で移動させ、電圧を変化させてもよい。
金属部材と電極部材の対向位置の変化は、対向面積の変化であってもよい。
電圧は、対向面積が小さいときに電圧は高くなるように、対向面積が大きいときは電圧が低くなるように変化させてもよい。
遮蔽部材に開口部を設けてもよい。
電解液中に陽極としての金属部材と陰極としての電極部材とを配置して、金属部材に電圧を印加し、表面を陽極酸化させる金属装飾物の製造装置であって、電解液中に金属部材と電極部材を保持して印加する電圧を制御する電圧制御手段と、金属部材を電極部材から遮蔽する遮蔽手段と、金属部材または遮蔽手段を電解液中で相対位置を変化させる位置制御手段と、を備えることを特徴とする。
位置制御手段によって制御される金属部材または遮蔽手段の位置によって印加する電圧を電圧制御手段が制御してもよい。
遮蔽手段に開口部を設けてもよい。
本発明の金属装飾物の製造方法とその製造装置は、電解液の中で金属装飾物となる金属部材を遮蔽手段で覆い、部分的に露出した箇所に印加電圧に応じた酸化皮膜を生成し、露出箇所を変えながらこれを繰り返すことで、電解槽上面の電解液と空気との界面の影響を受けることなく、多種多様のグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を金属部材の表面に形成することが可能となり、多色かつ、色の変化がより滑らかで装飾性の高い金属装飾物を提供することができる。
本発明の金属装飾物の製造方法とその製造装置は、電解液の中に浸漬した金属部材と遮蔽手段で形成される金属部材の露出部分に、印加電圧に応じた酸化皮膜を形成し、露出部分を変え酸化皮膜の形成を繰り返することによって、電解液槽上面の電解液と空気との界面の影響を受けることなく、グラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成することが特徴的である。
以下、図面を用いて金属部材にグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する金属装飾物の製造方法とその製造装置を説明する。なお、以下に説明する実施形態において、いわゆる、チタン及びチタン合金にグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する金属装飾物の製造方法とその製造装置の例で説明する。
図1から図3を用いて第1の実施形態を説明する。次に、図4と図5を用いて第2の実施形態を説明し、図6から図8を用いて第3の実施形態を説明する。
第1の実施形態には、遮蔽手段の移動によるグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する金属装飾物の製造方法とその製造装置の構成例を示す。遮蔽手段の遮蔽部材21の移動方向の違いにより2つの実施形態があり、それぞれ説明する。第2の実施形態には、金属部材141、142の複数面にグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する構成例を示し、表裏面、そして、全周の面の違いにより2つの実施形態があり、それぞれ説明する。第3の実施形態には、開口部を有する遮蔽手段によるグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する金属装飾物の製造方法の例を示す。開口部形状の違いにより2つの実施形態があり、それぞれ説明する。
第1の実施形態には、遮蔽手段の移動によるグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する金属装飾物の製造方法とその製造装置の構成例を示す。遮蔽手段の遮蔽部材21の移動方向の違いにより2つの実施形態があり、それぞれ説明する。第2の実施形態には、金属部材141、142の複数面にグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する構成例を示し、表裏面、そして、全周の面の違いにより2つの実施形態があり、それぞれ説明する。第3の実施形態には、開口部を有する遮蔽手段によるグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する金属装飾物の製造方法の例を示す。開口部形状の違いにより2つの実施形態があり、それぞれ説明する。
[第1の実施形態の説明:図1、図2]
まず、図1、図2を用いて金属装飾物の製造方法とその製造装置である第1の実施形態を説明する。
図1(a)は、金属装飾物の製造装置のブロック図を含む模式的な断面図であり、図1(b)は、図1(a)の陽極の金属部材14と陰極の電極部材15と遮蔽手段の構成を説明するための部分斜視図である。図2は、図1(a)の続きの工程を説明する断面図で、構成が図1(a)と全く同じであるので同じ構成部材は同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
なお、図1(a)においては、金属部材14と電極部材15の面を並べて配置したが、これは説明を分かりやすくするためであって、実際は、図1(b)のように、金属部材14と電極部材15の面が対向する配置関係にある。
まず、図1、図2を用いて金属装飾物の製造方法とその製造装置である第1の実施形態を説明する。
図1(a)は、金属装飾物の製造装置のブロック図を含む模式的な断面図であり、図1(b)は、図1(a)の陽極の金属部材14と陰極の電極部材15と遮蔽手段の構成を説明するための部分斜視図である。図2は、図1(a)の続きの工程を説明する断面図で、構成が図1(a)と全く同じであるので同じ構成部材は同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
なお、図1(a)においては、金属部材14と電極部材15の面を並べて配置したが、これは説明を分かりやすくするためであって、実際は、図1(b)のように、金属部材14と電極部材15の面が対向する配置関係にある。
まず、図1(a)(b)において、金属装飾物の陽極酸化処理について説明する。
図1(a)に示すように、金属装飾物の陽極酸化処理の製造装置1において、電解槽11は、蓋12で覆われ、その中に電解液13が蓄えられている。電解液13は、無機酸、有機酸、無機塩基の溶液等であり、その電解液13の中に陽極と陰極が浸漬されている。陽極は、チタン及びチタン合金の金属装飾物となる金属部材14であり、陰極は、チタン或いはステンレス鋼等の電極部材15である。
図1(a)に示すように、金属装飾物の陽極酸化処理の製造装置1において、電解槽11は、蓋12で覆われ、その中に電解液13が蓄えられている。電解液13は、無機酸、有機酸、無機塩基の溶液等であり、その電解液13の中に陽極と陰極が浸漬されている。陽極は、チタン及びチタン合金の金属装飾物となる金属部材14であり、陰極は、チタン或いはステンレス鋼等の電極部材15である。
陽極の金属部材14と陰極の電極部材15は、電圧制御手段31のプラス極とマイナス極にそれぞれ電気的に接続されている。遮蔽手段である遮蔽部材21は、円筒形状であっ
て、材質は例えば、テフロン(登録商標)、チタン等からなり、位置制御手段32に連結されて上下方向に移動自在に支持されている。そして、陽極の金属部材14を陰極の電極部材15から遮蔽している。
て、材質は例えば、テフロン(登録商標)、チタン等からなり、位置制御手段32に連結されて上下方向に移動自在に支持されている。そして、陽極の金属部材14を陰極の電極部材15から遮蔽している。
位置制御手段32は、遮蔽部材21の上下方向の移動に応じた信号を電圧制御手段31に伝達し、電圧制御手段31は、その信号に基づき、陽極の金属部材14と陰極の電極部材15との間に電圧を印加し、金属部材14の表面に酸化皮膜を形成する。なお、これらの処理を行う電圧制御手段31、及び、位置制御手段32は、それぞれ内蔵している図示しない信号処理回路、駆動回路の動作及び電気信号の説明は、すでに知られている技術であるため省略する。
すなわち、位置制御手段32により遮蔽部材21が上方向に移動すると、その移動に応じて金属部材14の面が露出し、電極部材15との対向面積、或いは、対向位置が変化する構成である。そして、その金属部材14の露出箇所と電極部材15との間に、位置制御手段32からの信号によって電圧制御手段31で制御される電圧が印加され、その電圧に応じて金属部材14の露出箇所に形成された酸化皮膜が光の干渉作用によって発色する。この位置制御手段32による遮蔽部材21の移動と電圧制御手段31による印加電圧の制御を繰り返すことにより、金属部材14にグラデーションカラーで発色する酸化皮膜の形成が可能となる。
図1(b)に示すように、金属部材14と電極部材15は、互いに面を対向して電解液13の中に固定配置され、プラス極とマイナス極に接続されている。円筒形状の遮蔽部材21は、その中央部に金属部材14を配置し、電極部材15から遮蔽する壁をその周囲に形成している。
次に、金属部材14に主として3色のグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する金属装飾物の製造方法について説明する。
図1(a)に示すように、第1の製造工程であるセッティング工程において、上述したように、金属部材14と電極部材15が電圧制御手段31にそれぞれプラス極とマイナス極で電気的に接続され、そして、電解液13の中に両者ともに完全に浸漬される位置に固定配置されている。そして、陽極酸化処理中においては金属部材14が電解槽11上面の電解液13と空気との界面から出ることはない。
図1(a)に示すように、第1の製造工程であるセッティング工程において、上述したように、金属部材14と電極部材15が電圧制御手段31にそれぞれプラス極とマイナス極で電気的に接続され、そして、電解液13の中に両者ともに完全に浸漬される位置に固定配置されている。そして、陽極酸化処理中においては金属部材14が電解槽11上面の電解液13と空気との界面から出ることはない。
遮蔽部材21は、電極部材15に対して金属部材14を完全に遮蔽して、露出部分がない位置に位置制御手段32で配置保持されている。この工程にあっては、電圧制御手段31はスタンバイ状態にあり電圧の印加はしてない。
次に、図2(a)に示すように、第2の製造工程である第1酸化皮膜形成工程においては、位置制御手段32によって遮蔽部材21が上方に引き上げられ、電極部材15に対して金属部材14の対向位置が変わり対向面a部が露出する。そして、金属部材14の露出したa部に、位置制御手段32からの信号に基づいて、電圧制御手段31が金属部材14のa部と電極部材15との間に電圧を印加する。この最初の陽極酸化処理における印加電圧は、3色のグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する酸化皮膜形成工程の中で最も高い電圧であり、例えば、桃色に発色する酸化皮膜の厚さを形成する電圧を印加する。
次に、図2(b)に示すように、第3の製造工程である第2酸化皮膜形成工程においては、位置制御手段32によって遮蔽部材21が更に上方に引き上げられ、電極部材15に対して金属部材14の対向位置が変わり対向面b部が新たに露出し、a部とb部が露出する。金属部材14の追加露出したb部に、位置制御手段32からの信号に基づいて、電圧
制御手段31が金属部材14のa部、b部の露出部分と電極部材15との間に電圧を印加する。この第2酸化皮膜形成工程の陽極酸化処理における印加電圧は、3色の酸化皮膜形成工程の中で中間の電圧であり、例えば、紫色に発色する酸化皮膜の厚さに対応する電圧であって、先の第1酸化皮膜形成工程においてa部を陽極酸化したときの前工程より印加電圧が低く設定されている。
制御手段31が金属部材14のa部、b部の露出部分と電極部材15との間に電圧を印加する。この第2酸化皮膜形成工程の陽極酸化処理における印加電圧は、3色の酸化皮膜形成工程の中で中間の電圧であり、例えば、紫色に発色する酸化皮膜の厚さに対応する電圧であって、先の第1酸化皮膜形成工程においてa部を陽極酸化したときの前工程より印加電圧が低く設定されている。
この工程で特徴的なのは、第2酸化皮膜形成工程のa部とb部に印加される電圧が第1酸化皮膜形成工程の電圧より低く設定されていることである。電圧によって形成される酸化皮膜の膜厚が決まっており、電圧の高い方が酸化皮膜の厚さが厚く形成される。一度酸化皮膜が形成されると、それより低い電圧では反応が進まず、厚さが変わらない。従って、a部とb部に電圧が印加されるものの、a部は桃色に発色する酸化皮膜がそのまま保持され、b部だけに印加電圧に応じた紫色に発色する酸化皮膜が形成される。
このa部の酸化皮膜形成電圧よりb部の酸化皮膜形成電圧が低いことが、グラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する必須の条件であり、これを逆にすると、先に形成したa部の酸化皮膜がb部の酸化皮膜と同じ厚さにまで成長し、a部b部とも同じ厚さの酸化皮膜となり同色の発色となる問題が生ずる。
次に、図2(c)に示すように、第4の製造工程である第3酸化皮膜形成工程において、位置制御手段32によって遮蔽部材21が更に上方に引き上げられ金属部材14全てが露出し、酸化皮膜の形成されていないc部が対向面として最後に露出する。そして、位置制御手段32からの金属部材14の最後のc部露出の信号に基づいて、電圧制御手段31が金属部材14と電極部材15との間に電圧を印加する。この第3酸化皮膜形成工程の陽極酸化処理における印加電圧は、3色の酸化皮膜形成工程の中で最も低い電圧であり、例えば、黄金色に発色する酸化皮膜の厚さの電圧を印加する。
上述したように、a部、b部、c部の酸化皮膜形成でそれぞれに印加される電圧の高さは、a部の酸化皮膜形成電圧>b部の酸化皮膜形成電圧>c部の酸化皮膜形成電圧の関係となっている。すなわち、金属部材14の露出面積が増加する、言い換えると、金属部材14と電極部材15の対向面積が増加すると、印加電圧を低くする関係であることが、グラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成するため必須条件である。
以上のような金属装飾物の製造方法によって、この第1の実施形態においては、基本的な一例として3段階の酸化皮膜形成を説明したが、この分割の段階をより細かくして、グラデーションカラーの酸化皮膜を形成することは容易である。更には、位置制御手段32で遮蔽部材21を連続して引き上げ、その位置信号に基づき同期して電圧制御手段31の印加電圧を高い電圧から連続的に下げて酸化皮膜を形成することにより、多色かつ、色の変化がより滑らかで本格的なグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成することが可能な金属装飾物の製造方法が得られる。
[第1の実施形態の変形例の説明:図3]
次に、図3において、第1の実施形態と同様、金属部材14に主として3色のグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する金属装飾物の製造方法である第1の実施形態の変形例を説明する。
図3は、金属部材14にグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する金属装飾物の製造方法を説明する断面図で、図2と同じ構成部材は同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
次に、図3において、第1の実施形態と同様、金属部材14に主として3色のグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する金属装飾物の製造方法である第1の実施形態の変形例を説明する。
図3は、金属部材14にグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する金属装飾物の製造方法を説明する断面図で、図2と同じ構成部材は同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
第2の実施形態の特徴は、第1の実施形態と異なり、遮蔽部材21が引き下げられ、金属部材14と電極部材15の対向面積が減少する移動方向の動作で酸化皮膜を形成する製
造工程を有することである。
造工程を有することである。
図3(a)に示すように、第1の製造工程であるセッティング工程において、金属部材14と電極部材15がそれぞれプラス極とマイナス極で電気的に接続され、そして、電解液13の中に両者ともに完全に浸漬される位置に固定配置されている。遮蔽部材21は、金属部材14をその中央部に配置可能であるが、上方に退避して陰極の電極部材15に対して金属部材14の対向面が完全に露出し保持されている。この工程にあっては、電圧制御手段はスタンバイ状態であり電圧の印加はしていない。
次に、金属部材14が全部露出している状態のまま、第2の製造工程である第1酸化皮膜形成工程において、位置制御手段32からの信号に基づいて、電圧制御手段31により金属部材14と電極部材15との間に電圧を印加する。この第1酸化皮膜形成工程の陽極酸化処理における印加電圧は、3色の酸化皮膜形成工程の中で最も低い電圧であり、例えば、黄金色に発色する酸化皮膜の厚さを形成する電圧を印加し、金属部材14の対向面全体が黄金色に発色する酸化皮膜が形成される。この黄金色の皮膜は、最終的には、第1の実施形態と同様、c部を形成する部分となる。
次に、図3(b)に示すように、第3の製造工程である第2酸化皮膜形成工程において、位置制御手段32によって遮蔽部材21が下方に引き下げられ金属部材14のc部の領域となる部分を遮蔽する。そして、位置制御手段32からの金属部材14のb部露出の信号に基づいて、電圧制御手段31が金属部材14と電極部材15との間に電圧を印加する。この第2酸化皮膜形成工程の酸化皮膜処理における印加電圧は、3色の酸化皮膜処理工程の中で中間の電圧であり、第1酸化皮膜形成工程の印加電圧より高く、例えば、紫色に発色する酸化皮膜の厚さを形成する電圧を印加する。その結果、遮蔽されたc部以外の領域が全て、b部の紫色に発色する酸化皮膜が形成される。
これは、第1の実施形態の酸化皮膜の形成順序と全く逆である。第1酸化皮膜形成工程で黄金色に発色する酸化皮膜が形成されたc部に印加した電圧に対して、b部で印加する電圧を高く設定することで、反応が進みc部の皮膜の上に、より厚い紫色に発色する酸化皮膜がb部として形成される。
すなわち、c部の次にb部に酸化皮膜を形成する時に印加する電圧は、b部の酸化皮膜形成電圧>c部の酸化皮膜形成電圧、の関係が必須の条件であり、これを逆にすると、それより先に反応が進まず酸化皮膜の形成が不可能で最初に形成したc部の発色しか出来ない問題が生ずる。
すなわち、c部の次にb部に酸化皮膜を形成する時に印加する電圧は、b部の酸化皮膜形成電圧>c部の酸化皮膜形成電圧、の関係が必須の条件であり、これを逆にすると、それより先に反応が進まず酸化皮膜の形成が不可能で最初に形成したc部の発色しか出来ない問題が生ずる。
次に、図3(c)に示すように、第4の製造工程である第3酸化皮膜形成工程において、位置制御手段32によって遮蔽部材21が更に下方に引き下げられ金属部材14のb部の領域となる部分を遮蔽する。そして、位置制御手段32からの金属部材14のa部露出の信号に基づいて、電圧制御手段31が金属部材14と電極部材15との間に電圧を印加する。この第3酸化皮膜形成工程の酸化皮膜処理における印加電圧は、3色の酸化皮膜処理工程の中で最も高い電圧であり、例えば、桃色に発色する酸化皮膜の厚さを形成する電圧を印加する。
以上のような金属装飾物の製造方法によって、第1の実施形態と同様に、a部、b部、c部の酸化皮膜形成でそれぞれに印加される電圧の高さは、a部の酸化皮膜形成電圧>b部の酸化皮膜形成電圧>c部の酸化皮膜形成電圧の関係となっている。異なる点は、遮蔽部材21による金属部材14の遮蔽が全体の露出から徐々に露出面積が減少することで、印加電圧は面積の減少に従って高く設定される。すなわち、金属部材14と電極部材15の対向面積が減少するに従って、印加電圧を高くして、グラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成することが可能となる。
また、本実施形態において上述した基本的な3段階の酸化皮膜を形成する工程を説明したが、第1の実施形態と同様、遮蔽部材21による遮蔽の段階を細かく設定し印加電圧を対応してグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成することが容易であり、更に、位置制御手段32で遮蔽部材21を連続して引き下げ、その位置信号に基づき同期して電圧制御手段31の印加電圧を低い電圧から連続的に上げて酸化皮膜を形成することにより、多色かつ、色の変化がより滑らかで本格的なグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を金属部材14に形成することが可能な金属装飾物の製造方法が得られる。
第2の実施形態は、金属部材14の複数面にグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する構成例を示し、2つの実施形態として、金属部材14の表裏に酸化皮膜を形成する例と、全周の面に酸化皮膜を形成する例をそれぞれ説明する。
[第2の実施形態の説明:図4]
図4を用いて金属部材141の表面と裏面に同時に酸化皮膜を形成する第2の実施形態を説明する。図4は、陽極の金属部材141の両面に酸化皮膜を形成する陰極の電極部材15と遮蔽手段の構成を説明するための部分斜視図である。
図4を用いて金属部材141の表面と裏面に同時に酸化皮膜を形成する第2の実施形態を説明する。図4は、陽極の金属部材141の両面に酸化皮膜を形成する陰極の電極部材15と遮蔽手段の構成を説明するための部分斜視図である。
図4に示すように、マイナス極に接続された2枚の電極部材15がプラス極に接続された金属部材141を挟んで面を対向して配置され、そして、その金属部材141と2枚の電極部材15の対向した面を遮蔽する形で、遮蔽手段であるコの字形状の遮蔽部材22を構成する遮蔽板221、222が配置されている。
すなわち、2枚の遮蔽板221、222を有する遮蔽部材22は、位置制御手段32で上下移動可能に保持されており、第1の実施形態と同様に、金属部材141の電極部材15と対向面積を変えて、電圧制御手段31で電圧を制御することにより、金属部材141の表裏の2面にグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を同時に形成することが可能となる。
遮蔽部材22の形状については、コの字形状で説明したが、金属部材141の両面に遮蔽部材22を配置すればよく、第1の実施形態と同様の円筒形状、或いは、中空の四角柱、或いは、2枚の平板でも同様に金属部材141の表裏面に酸化皮膜を形成することが可能である。
[第2の実施形態の変形例の説明:図5]
図5を用いて金属部材142の全周に同時に酸化皮膜を形成する第2の実施形態の変形例を説明する。図5は、陽極の金属部材142の全周の面に酸化皮膜を形成する陰極の電極部材151と遮蔽手段の構成を説明するための斜視図である。
図5を用いて金属部材142の全周に同時に酸化皮膜を形成する第2の実施形態の変形例を説明する。図5は、陽極の金属部材142の全周の面に酸化皮膜を形成する陰極の電極部材151と遮蔽手段の構成を説明するための斜視図である。
図5に示すように、金属部材142は、例えば、六角柱形状の金属部材142である。この全周の6つの面に同時に酸化皮膜を形成するために、陰極の電極部材151は、6つの面と対向する面を有する円筒形状に形成され、そして、遮蔽部材21も金属部材142と電極部材151を遮蔽するため円筒形状に形成されている。
すなわち、第1の実施形態と同様に、遮蔽部材21は、位置制御手段32で上下移動可能に保持され、金属部材142と電極部材151との対向面積を変えて、電圧制御手段31で電圧を制御することにより、金属部材142の全周の6つの面にグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を同時に形成することが可能となる。
電極部材151の形状については、円筒形状で説明したが、金属部材142の形状に合わせた形状、たとえば多角形とすることで金属部材142と電極部材151との距離を一定にすることができ、安定した品質のグラデーションカラーで発色する酸化皮膜の形成が可能となる。
従って、第2の実施形態の変形例の構成とすることで、3次元的なグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成することが可能な金属装飾物の製造装置を提供することが可能となる。
[第3の実施形態の説明:図6、図7]
次に、図6を用いて金属部材14にグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する金属装飾物の製造方法の第3の実施形態を説明する。
図6(a)は、図1(b)と同様に、陽極の金属部材14と陰極の電極部材15と遮蔽手段の構成を説明するための部分斜視図である。図6(b)は、第1の実施形態の図2と同様の金属装飾物の製造方法を説明するための模式的な断面図であり、図7は、図6(b)の後の工程を説明する断面図である。これらの図面は、第1の実施形態と同じ構成部材は同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
次に、図6を用いて金属部材14にグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する金属装飾物の製造方法の第3の実施形態を説明する。
図6(a)は、図1(b)と同様に、陽極の金属部材14と陰極の電極部材15と遮蔽手段の構成を説明するための部分斜視図である。図6(b)は、第1の実施形態の図2と同様の金属装飾物の製造方法を説明するための模式的な断面図であり、図7は、図6(b)の後の工程を説明する断面図である。これらの図面は、第1の実施形態と同じ構成部材は同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
第3の実施形態の特徴は、円筒形状の遮蔽部材23がその胴部に帯状の開口部231を有していることであり、金属部材14の任意の位置に帯状に配色されたグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する金属装飾物の製造方法が提供可能である。
図6(a)に示すように、金属部材14は、酸化皮膜を形成する面を電極部材15の面と対向してセッティングされ、遮蔽部材23は、円筒形状の胴部に帯状の開口部231が形成されている。そして、遮蔽部材23の中央部に金属部材14を配置し、その周囲を囲む壁を形成しているが、第1の実施形態と異なり、電極部材15からは、開口部231を通して金属部材14の一部に対向面を有する配置になっている。すなわち、開口部231を上下に移動することにより、電極部材15と金属部材14との対向位置を変えて開口部231に応じた酸化皮膜を形成することが可能である。
図6(b)においては、図1と同様に、金属部材14と電極部材15の面が並べて配置されているが、これは構成部材の位置関係の説明を容易にするための模式的な断面図であって、実際は、金属部材14と電極部材15の配置は、図6(a)のように配置されている。
次に、第1の実施形態と同様に、金属部材14に主として3色のグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成する金属装飾物の製造方法について説明する。
図6(b)に示すように、第1の製造工程であるセッティング工程において、金属部材14と電極部材15がプラス極とマイナス極に電気的に接続されており、そして、電解液13の中に両者ともに完全に浸漬される位置に固定配置されている。
図6(b)に示すように、第1の製造工程であるセッティング工程において、金属部材14と電極部材15がプラス極とマイナス極に電気的に接続されており、そして、電解液13の中に両者ともに完全に浸漬される位置に固定配置されている。
遮蔽部材23は、その中央部に金属部材14を配置して、陰極の電極部材15に対して開口部231を通して金属部材14の一番下で、c部が露出した対向位置にある。このセッティング状態では、電圧制御手段はスタンバイ状態にあり電圧の印加はまだしていない。
次に、第2の製造工程である第1陽極酸化皮膜形成工程として、位置制御手段32からこのセッティング状態の位置関係の信号に基づいて、電圧制御手段31が金属部材14と電極部材15との間に電圧を印加する。例えば、3色を形成する中で最も低い電圧であり
、黄金色に発色する酸化皮膜の厚さが形成される電圧を印加し、c部に黄金色に発色する酸化皮膜が形成される。
、黄金色に発色する酸化皮膜の厚さが形成される電圧を印加し、c部に黄金色に発色する酸化皮膜が形成される。
次に、図7(a)に示すように、第3の製造工程である第2酸化皮膜形成工程において、位置制御手段32によって遮蔽部材23が上方に引き上げられ金属部材14の一番上でb部の領域となる対向位置に開口部231がセットされる。そして、位置制御手段32からの金属部材14のb部露出の信号に基づいて、電圧制御手段31が金属部材14と電極部材15との間に、例えば、3色を形成する中で、中間の電圧であり、紫色に発色する酸化皮膜の厚さが形成される電圧を印加し、金属部材14の露出部のb部が紫色に発色する酸化皮膜が形成される。
次に、図7(b)に示すように、第4の製造工程である第3酸化皮膜形成工程において、位置制御手段32によって遮蔽部材23が下方に引き下げられ金属部材14の中央でa部の領域となる対向位置に開口部231がセットされる。そして、位置制御手段32からの金属部材14のa部露出の信号に基づいて、電圧制御手段31が金属部材14と電極部材15との間に、例えば、3色を形成する中で、最も高い電圧であり、桃色に発色する酸化皮膜の厚さが形成される電圧を印加して、金属部材14の露出部のa部が桃色に発色する酸化皮膜が形成される。
すなわち、金属部材14にセットした帯状の開口部231の部分だけに酸化皮膜が形成される。従って、a部、b部、c部の発色は任意の色が選定可能であり、第1の実施形態のように膜厚の形成順序を考慮した色の並びのグラデーションカラーに束縛されず、金属部材14に任意の色配列のグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成することが可能となる。
[第3の実施形態の変形例の説明:図8]
次に、図8を用いて金属装飾物の製造方法の第3の実施形態の変形例を説明する。
図8(a)は、図6(a)と同様に、開口部を有する遮蔽手段と陽極の金属部材14と陰極の電極部材15の構成を説明するための部分斜視図である。図8(b)は、この遮蔽手段を用いてグラデーションカラーで発色する酸化皮膜が形成された金属部材14を示す図である。
次に、図8を用いて金属装飾物の製造方法の第3の実施形態の変形例を説明する。
図8(a)は、図6(a)と同様に、開口部を有する遮蔽手段と陽極の金属部材14と陰極の電極部材15の構成を説明するための部分斜視図である。図8(b)は、この遮蔽手段を用いてグラデーションカラーで発色する酸化皮膜が形成された金属部材14を示す図である。
第3の実施形態の変形例の特徴は、遮蔽手段が矩形の開口部を有する平板形状であり、そして、位置制御手段32による開口部の移動と、その移動動作に同期した電圧制御手段31による印加電圧の制御によって金属部材14にグラデーションカラーで発色する酸化皮膜の形成が可能となることである。
図8(a)に示すように、金属部材14は、酸化皮膜を形成する面を電極部材15の面と対向して電解液13の中に固定配置され、その両者の間に配置されている遮蔽手段である遮蔽部材24は、平板形状であって、その中央部に矩形の開口部241が形成されている。従って、円筒形状の遮蔽部材と異なり金属部材14の裏面に酸化皮膜の回り込みが見られるが、裏面を用いない金属装飾物であれば問題ない。
金属部材14の不要な部分に酸化皮膜が形成されないようにするために、遮蔽部材24を第2の実施形態で説明したような中空の四角柱、或いは、2枚の平板とし、開口部241を設けた形状としてもよい。
図8(b)は、金属部材14の表面にグラデーションカラーを発色する酸化皮膜を形成する例の図である。そして、実際は、連続的なグラデーションカラーで発色する酸化皮膜が形成されるが、説明しやすいように金属部材14の表面をa〜fの6つの領域で説明す
る。
る。
遮蔽部材24の開口部241は、金属部材14の表面のa〜f領域のそれぞれの大きさとほぼ一致した形状に開けられている。そして、まず初めに、位置制御手段32によって開口部241が金属部材14のa領域の対向位置にセットされている。開口部241は、陽極酸化処理の開始にあたって、酸化皮膜形成の最低電圧が印加され、そして、矢印A方向に移動し、b領域、c領域に進む、その動きに同期して電圧制御手段31からの印加電圧がその場所に応じた信号によって最低電圧から徐々に電圧を上昇する。すなわち、b領域、c領域に進むに従って形成される酸化皮膜の膜厚が徐々に厚くなる。開口部241が通過した後の領域は、電圧が高く印加されても電極部材15に対し遮蔽部材24によって遮蔽されているので、それ以上の膜厚の成長はない。これは、開口部を遮蔽部材24に設けた長所となっている。
そして、更に、開口部241がc領域からd領域と進み、そして、矢印B方向に移動してe領域、f領域に至る。その間、電圧制御手段31からの印加電圧も更に徐々に上昇してf領域で最も厚い酸化皮膜を形成する。すなわち、図8(b)に示すように、a領域からf領域の順序で連続的に印加電圧を上昇し、酸化皮膜が連続的に徐々に厚くなり、例えば、黄金色から桃色に変化するグラデーションカラーで発色する酸化皮膜が金属部材14に形成される。
その他、この遮蔽部材24の開口部241を用いて酸化皮膜を形成する方法は、第3の実施形態と同様に、位置制御手段32により対向位置のa〜f領域にランダムに一つずつ開口部241を移動し配置し、そして、その都度、電圧制御手段31により任意の電圧を印加し、a〜f領域に任意の発色をバラバラに形成することによって、複雑な色配列を有する金属部材14の提供が可能となる。
すなわち、遮蔽手段に開口部を形成することで、金属部材14にグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成することが可能となるばかりではなく、多種多様の色付けをすることが可能な金属装飾物の製造方法とその製造装置を提供することが可能となる。
上述したように、各実施形態においては、遮蔽手段である遮蔽部材を移動する形態で説明したが、遮蔽部材を固定して、金属部材を移動する形態にしても酸化皮膜の形成は可能である。更には、遮蔽部材と金属部材の両者を相対的に移動し、相対位置、相対面積を変える形態にしても同様のグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成することが可能である。
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、金属装飾物は、アルミニウム、チタン、ステンレス、タングステン、マグネシウム以外の材料、例えば、洋白、真鍮、更には、プラスチック材料であっても、その材料表面にアルミニウム、チタン等を蒸着やイオンプレーティング等で薄膜を形成して、そこに酸化皮膜を形成してグラデーションカラーで発色する酸化皮膜を形成することも可能であることは言うまでもない。
なお、本発明は、上述した金属装飾物の製造方法とその製造装置の実施形態に限定されることはなく、それらの全てを行う必要もなく、特許請求の範囲の各請求項に記載した内容の範囲で種々に変更や省略をすることが出来ることは言うまでもない。
1 製造装置
11 電解槽
12 蓋
13 電解液
14、141、142 金属部材
15 電極部材
21、22、23、24 遮蔽部材
31 電圧制御手段
32 位置制御手段
221、222 遮蔽板
231、241 開口部
11 電解槽
12 蓋
13 電解液
14、141、142 金属部材
15 電極部材
21、22、23、24 遮蔽部材
31 電圧制御手段
32 位置制御手段
221、222 遮蔽板
231、241 開口部
Claims (8)
- 電解液中に陽極としての金属部材と陰極としての電極部材とを配置して、前記金属部材に電圧を印加し、表面を陽極酸化させる金属装飾物の製造方法であって、
前記金属部材を前記電極部材から遮蔽する遮蔽部材を設け、
前記金属部材または前記遮蔽部材を前記電解液中で移動させて、
前記金属部材と前記電極部材の対向位置を変化させながら前記電圧を印加する
ことを特徴とする金属装飾物の製造方法。 - 前記金属部材または前記遮蔽部材を前記電解液中で移動させ、前記電圧を変化させる
ことを特徴とする請求項1に記載の金属装飾物の製造方法。 - 前記金属部材と前記電極部材の対向位置の変化は、対向面積の変化である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の金属装飾物の製造方法。 - 前記電圧は、前記対向面積が小さいときに前記電圧は高くなるように、
前記対向面積が大きいときは前記電圧が低くなるように変化させる
ことを特徴とする請求項3に記載の金属装飾物の製造方法。 - 前記遮蔽部材に開口部を設ける
ことを特徴とする請求項1または2に記載の金属装飾物の製造方法。 - 電解液中に陽極としての金属部材と陰極としての電極部材とを配置して、前記金属部材に電圧を印加し、表面を陽極酸化させる金属装飾物の製造装置であって、
前記電解液中に前記金属部材と前記電極部材を保持して印加する電圧を制御する電圧制御手段と、
前記金属部材を前記電極部材から遮蔽する遮蔽手段と、
前記金属部材または前記遮蔽手段を前記電解液中で相対位置を変化させる位置制御手段と、
を備えることを特徴とする金属装飾物の製造装置。 - 前記位置制御手段によって制御される前記金属部材または前記遮蔽手段の位置によって印加する電圧を前記電圧制御手段が制御する
ことを特徴とする請求項6に記載の金属装飾物の製造装置。 - 前記遮蔽手段に開口部を設ける
ことを特徴とする請求項6または7に記載の金属装飾物の製造装置。
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JP2014042625A JP2015168831A (ja) | 2014-03-05 | 2014-03-05 | 金属装飾物の製造方法とその製造装置 |
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Cited By (1)
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CN109440171A (zh) * | 2018-12-29 | 2019-03-08 | 惠州市安泰普表面处理科技有限公司 | 渐变色电镀设备及方法 |
-
2014
- 2014-03-05 JP JP2014042625A patent/JP2015168831A/ja active Pending
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CN109440171A (zh) * | 2018-12-29 | 2019-03-08 | 惠州市安泰普表面处理科技有限公司 | 渐变色电镀设备及方法 |
CN109440171B (zh) * | 2018-12-29 | 2019-12-27 | 惠州市安泰普表面处理科技有限公司 | 渐变色电镀设备及方法 |
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