JP2015168433A - 酸素吸収性容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】レトルト処理などの高温雰囲気もしくは高温多湿雰囲気に曝された場合であっても、容器のガスバリア性を確保することのできる酸素吸収性容器を提供する。
【解決手段】内層2と外層3との間に、酸素吸収性および酸素に対するガスバリア性を有する中間層4が設けられている合成樹脂材料からなるシート1を成形して構成される酸素吸収性容器11において、前記中間層4は、酸素バリア機能を有する合成樹脂材料中に有機系酸素吸収性樹脂を含む材料によって形成され、かつ前記内層2および外層3は、ポリプロピレン系樹脂によって構成されるとともに、それらの前記成形に伴って最も薄くなる箇所の厚さがそれぞれ0.2mm以上1.0mm以下に構成されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、内層と外層との間に、酸素吸収性およびガスバリア性のある中間層が設けられている合成樹脂材料からなる酸素吸収性容器に関するものである。
この種の容器の一例が特許文献1に記載されている。その容器は、内層と外層との間に、酸素に対するガスバリア性を有する第1中間層と、酸素吸収性を有する第2中間層とが設けられている。第1中間層はエチレンビニルアルコール共重合体によって形成され、第2中間層はポリプロピレン系樹脂に鉄系脱酸素剤および吸水材を配合して形成されている。その鉄系脱酸素剤としては還元鉄や酸化第1鉄などが用いられる。上記の容器は、第1中間層で容器外部から内部への酸素の透過を抑制し、第2中間層で容器内の酸素によって還元鉄や酸化第1鉄を酸化させることにより前記酸素を消費して、容器内の酸素濃度を低下させている。
また、特許文献2には、上記の容器として成形される多層フィルムが記載されている。その多層フィルムは、容器に成形した際に内容物に触れる内側から順に、ヒートシール性を有する樹脂層、ガスバリア性を有する環状ポリオレフィン系樹脂層、酸素吸収性樹脂層、ポリオレフィン系樹脂層を積層して構成されている。上記の酸素吸収性樹脂層は、遷移金属系触媒の存在下で被酸化性樹脂が酸素によって酸化されることにより前記酸素を吸収するように構成されている。
特許第2830739号公報 特開2011−869号公報
特許文献1の発明で鉄系脱酸素剤として使用している還元鉄や酸化第1鉄などは、有機系の脱酸素剤と比較して、酸素との反応性が高いため、上記の容器を透過する酸素を速やかに吸収することができる。しかしながら、還元鉄や酸化第1鉄など無機系の酸素吸収剤は黒色などの濃い色であるために容器の装飾やデザインが制約されてしまう。
これに対して、特許文献2の発明で使用されている被酸化性樹脂は有機系の脱酸素剤であって、上記の鉄系脱酸素剤と比較して酸素との反応性が低いものの、透明あるいは半透明であり、そのため、容器の装飾やデザインに対する制約を回避できる。しかしながら、特許文献2に記載された多層フィルムを使用した容器を内容物のレトルト処理によって加熱すると、ポリオレフィン系樹脂層や環状ポリオレフィン系樹脂層などのガスバリア層にレトルト釜中の水分や内容物の水分が浸透してそれらのガスバリア性が一時的に低下し、酸素吸収性樹脂層に浸透する酸素量が増大する可能性がある。その酸素吸収性樹脂層は上述したように酸素との反応性が低いため、容器内の酸素濃度が高くなって、内容物が飲食物であればその賞味期間が短くなる可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、レトルト処理などの高温雰囲気もしくは高温多湿雰囲気に曝された場合であっても、容器のガスバリア性を確保することのできる酸素吸収性容器を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、内層と外層との間に、酸素吸収性および酸素に対するガスバリア性を有する中間層が設けられている合成樹脂材料からなるシートを成形して構成される酸素吸収性容器において、前記中間層は、酸素バリア機能を有する合成樹脂材料中に有機系酸素吸収性樹脂を含む材料によって形成され、かつ前記内層および外層は、ポリプロピレン系樹脂によって構成されるとともに、それらの前記成形に伴って最も薄くなる箇所の厚さがそれぞれ0.2mm以上1.0mm以下に構成されていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記内層および外層は、40℃でかつ相対湿度90%の雰囲気中における水蒸気透過係数が1.2×10−6g・mm/m・sec以上2.3×10−6g・mm/m・sec以下に構成されていることを特徴とする酸素吸収性容器である。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記中間層は、その前記成形に伴って最も薄くなる箇所の厚さが0.05mm以上0.5mm以下に構成されていることを特徴とする酸素吸収性容器である。
請求項1の発明によれば、内層および外層は、ポリプロピレン系樹脂によって構成されており、そのポリプロピレン系樹脂層は、例えばポリエステル(登録商標)やナイロン(登録商標)に比較して、水に対する親和性が低い。また、内層および外層はそれらの最小厚さ(成形に伴って最も薄くなった箇所の厚さ。以下、同じ)がそれぞれ0.2mm以上1.0mm以下に構成されており、十分な厚みが確保されている。それらの結果、内層および外層に水分が浸透しにくい。これにより、内層および外層を水分が透過したり、その透過した水分が中間層に浸透したりすることを抑制できる。また中間層に水分が浸透することによって、中間層での酸素に対するガスバリア性あるいはその機能が低下したり、それに伴って中間層に侵入する酸素量が増大したりして中間層での酸素吸収性能に不足が生じることを未然に防止できる。さらに、中間層が有機系の合成樹脂によって形成されているので、無機系の酸素吸収剤を使用する場合に比較して、容器の装飾やデザイン、特に容器の色の選択の自由度を向上させることができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、内層および外層は、40℃でかつ相対湿度90%の雰囲気中における水蒸気透過係数が1.2×10−6以上2.3×10−6g・mm/m・sec以下に構成されている。そのため、内容物を充填した容器をレトルト処理などによって加熱したとしても、その内容物の水分がそれらの層を透過しにくい。その結果、上記の高温雰囲気中もしくは高温多湿雰囲気中においても、酸素バリア性の良好な容器とすることができる。
請求項3の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、中間層は、その最小厚さ(成形に伴って最も薄くなった箇所の厚さ。以下、同じ)が0.05mm以上0.5mm以下に構成されているため、つまり十分な厚みが確保されているため、中間層でのガスバリア性および酸素吸収性を維持することができる。
この発明に係る酸素吸収性容器を構成している多層構造のシートの一例を示す断面図である。 この発明に係る酸素吸収性容器の一例を示す断面図である。 容器の各部における各層の厚さをまとめ示す図表である。 実施例1および実施例2の各容器内での酸素濃度の変化を示す図である。 実施例1および実施例2の各容器内への累積酸素侵入量を示す図である。 比較例1から比較例3の各容器内での酸素濃度の変化を示す図である。 比較例1から比較例3の各容器内への累積酸素侵入量を示す図である。 実施例3および実施例4の各容器内での酸素濃度の変化を示す図である。 実施例3および実施例4の各容器内への累積酸素侵入量を示す図である。
つぎに、この発明を具体的に説明する。図1は、この発明に係る酸素吸収性容器を構成している多層構造のシート1の一例を示す断面図であり、そのシート1は、内層2と外層3と、これらの層2,3の間に配置されかつ酸素に対するガスバリア性および酸素吸収性を有する中間層4とを積層して構成されている。上記の内層2は、シート1を容器に成形した場合にその容器の最も内側に配置される第1内層5と、これよりも外層3側に配置される第2内層6とを備え、これらの内層5,6はポリプロピレン系樹脂(以下、PP樹脂と記す。)によって構成されている。上記の第1内層5は、前記内容物と直接接するため、第1内層5を構成する合成樹脂材料から生じる臭気が前記内容物に移らないようにするために、PP樹脂のうち臭気の少ない樹脂によって構成されている。上記の第2内層6は、PP樹脂のうち成形性の良好な樹脂によって構成されており、その成形性を向上させるために、第1内層5よりも厚く形成されている。それらの第1内層5および第2内層6を互いに熱融着することにより上述した内層2が構成されている。この内層2が接着剤7を介して中間層4の一方の面に接着されている。
上記の外層3は、容器の最も外側に配置される第1外層8と、これよりも内層2側に配置される第2外層9とを備え、これらの外層8,9はPP樹脂によって構成されている。上記の第1外層8は、遮光や隠蔽のためにPP樹脂に白色顔料が多く添加されて構成されている。上記の第2外層9は、PP樹脂のうち成形性のよい樹脂によって構成されており、その成形性を向上するために、第1外層8よりも厚く形成されている。それらの第1外層8および第2外層9を互いに熱融着することにより外層3が構成されている。この外層3が接着剤10を介して中間層4の他方の面に接着されている。
また、上記構成の内層2および外層3は、それらの水蒸気透過係数が、40℃、90%RHの雰囲気下において、1.2×10−6g・mm/m・sec以上2.3×10−6g・mm/m・sec以下(0.1g・mm/m・day以上0.2g・mm/m・day以下)に構成されていることが好ましい。こうすることにより、上記構成のシート1を成形して構成された容器を上記の高温多湿雰囲気に曝露した場合おいて、内外層2,3での水蒸気に対するガスバリア性あるいはその機能(以下、水蒸気バリア機能と記す。)を確保しまた維持することができる。上記の水蒸気透過係数は、内外層2,3の水蒸気透過度と、内外層2,3の厚さとの積であり、また、上記の水蒸気透過度は、例えば、内外層2,3に使用されるPP樹脂の密度、および、内外層2,3の厚さなどに応じて変化する。そのため、内外層2,3の水蒸気透過係数が上述した範囲になるように、内外層2,3に使用されるPP樹脂の密度が選択され、また内外層2,3の厚みなどが設定される。なお、上述した雰囲気下において、上記の水蒸気透係数が1.2×10−6g・mm/m・sec未満となるように内外層2,3を構成した場合には、そのシート1を成形して構成された容器における内外層2,3での水蒸気バリア機能を十分に確保できる。しかしながら、各内層2,3の厚さが増大して容器を成形しにくくなる可能性がある。これに対して、上記の水蒸気透過係数が2.3×10−6g・mm/m・secよりも大きくなるように内外層2,3を構成した場合には、シート1の成形性は良好であるものの、そのシート1を成形して構成された容器における内外層2,3での水蒸気バリア機能に不足を生じる可能性がある。
上記の内外層2,3に使用するPP樹脂の材質について更に説明する。上述したPP樹脂は、その曲げ弾性率が1100MPa以上2300MPa以下であることが好ましい。こうすることにより、シート1を容器に成形する際の成形性を確保することができる。上記の曲げ弾性率が1100MPa未満の場合には、容器の剛性に不足が生じる可能性がある。これに対して、曲げ弾性率が2300MPaよりも大きい場合には、容器を成形しにくくなる可能性がある。また、PP樹脂の密度が、0.90g/cm以上0.91g/cm以下であることが好ましい。こうすることにより、内外層2,3の水蒸気バリア機能、および、成形性を確保することができる。PP樹脂の密度が0.9g/cm未満の場合には、成形性は良好であるものの、シート1を成形した容器での水蒸気バリア機能に不足が生じる可能性がある。これに対して、PP樹脂の密度が0.91g/cmよりも大きい場合には、水蒸気バリア機能は良好であるものの、成形しにくくなる可能性がある。
上記の中間層4は、酸素に対するガスバリア性あるいはその機能(以下、酸素バリア機能と記す。)を有する合成樹脂材料に、有機系の酸素吸収性材料を配合して構成されている。換言すると、いわゆるパッシブバリア機能を有する合成樹脂材料に、いわゆるアクティブバリア機能を有する樹脂材料を配合することで構成されている。酸素バリア機能を有する合成樹脂材料としては、エチレンビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと記す。)、あるいは、MXナイロン(登録商標)などを用いることができる。これらのうち、酸素バリア機能および成形性などの点でEVOHを用いるのが好ましい。上記の酸素吸収性材料は、遷移金属系触媒の存在下で酸素によって酸化されることにより前記酸素を消費するものであり、例えば共役ジエン重合体を用いることができる。なお、その共役ジエン重合体のうち触媒なしでも高分子鎖酸化反応によって酸素を消費するものを用いることもできる。
図2は、この発明に係る酸素吸収性容器の一例を示す断面図である。その酸素吸収性容器(以下、単に容器と記す。)11は、上記の多層構造のシート1を成形してカップ状に構成されており、その容器11の底部12は、ここに示す例では円形に形成されている。その底部12の中心部12aは、底部12の外周部12bに比較して容器11の内部側に突出している。底部12の半径方向で上記の外周部12bにおける縁部13は、滑らかに湾曲して形成されており、その縁部13から図1での斜め上方に立ち上がるように、テーパー状の胴部14が形成されている。その胴部14における容器11の開口部15側に、屈曲部16が形成されている。その屈曲部16の端部に、容器11の半径方向で外側に延びるフランジ部17が形成されている。そのフランジ部17の上面に図示しない蓋部が熱融着されて容器11が密封されるようになっている。
(実施例1)
先ず、密度0.90g/cm、曲げ弾性率1100MPaのPP樹脂を使用して上記構成の内層2および外層3を構成する。それらの内外層2,3の各厚さは0.5mmとした。また、共役ジエン重合体を配合した厚さ0.15mmのEVOHを用意し、これを中間層4とした。それらの内外層2,3と中間層4とを接着剤で貼り合わせてシート1とした。このシート1を、プラグアシスト法によって図2に示すカップ状に成形して上記構成のテスト容器11とした。
(評価1)
上記の容器11における底部12の中心部12a、および、外周部12b、縁部13、胴部14における下部14a、同上部14b、フランジ部17のそれぞれから小片を切り出し、それらの小片の断面をマイクロスコープで観察しながら、上述した各部における各層の厚さをデジタルシックネスゲージを用いて測定した。図3は、それらの各部における各層の厚さをまとめ示す図表である。この図3に示すように、フランジ部17あるいは底部12において、各層2,3,4が最も厚くなることが認められた。上記の容器11では、底部12の中心部12aにおいて内層2が最も厚くなっており、その厚さは0.419mmであった。また、フランジ部17において外層3および中間層4が最も厚くなっており、外層3の厚さは0.473mm、中間層4の厚さは0.157mmであった。フランジ部17の厚さすなわち各層2,3,4を合計した厚さは1.016mmであり、底部12の中心部12aの厚さは1.025mmであった。
一方、胴部14において、各層2,3,4が薄くなっており、特に、胴部14の下部14aにおいて、それらの層2,3,4が前記成形に伴って最も薄くなっていることが認められた。胴部14の下部14aの厚さは0.486mmであり、内層2が0.217mm、外層3が0.215mm、中間層4が0.054mmであった。すなわち、この実施例では、成形により、各層2,3,4の最小の厚さは、それぞれ初期の厚さの約40%程度になっていることが認められた。このような成形前のシート1における各層2,3,4の厚さと、成形後の各部における各層2,3,4の厚さとには相関関係があり、詳細は図示しないが、後述する実施例2から実施例4、および、比較例1から比較例3に示すシートをこの実施例1と同様のカップ状の容器11に成形した場合も、これと同様の傾向がある。
次いで、上記構成の容器11の酸素バリア機能をレトルト処理を模した下記に記す方法によって試験した。容器11内に予め定めた量の水を充填し、これを図示しない蓋部材によって密封した。容器11を20℃、60%RHの室温に調整したチャンバー内に30分間、静置した後に、その容器11内の酸素濃度を測定し、これを初期値とした。容器内の酸素濃度の測定は、非接触・非破壊酸素濃度計Fibox3(Precision Sensing 社製)を用いて行った。次いで、その容器11を125℃、50分レトルト殺菌処理した後、40℃、60%RHに調整したチャンバー内に戻して保管した。適宜、所定時間経過後における容器11内の酸素濃度を上記の初期値測定と同様にして測定した。
(実施例2)
上述したシート1における内層2の厚さを0.8mmにした以外は、上述した実施例と同様にしてそのシートを容器に成形した。
(比較例1)
上述したシート1における内外層2,3の各厚さを0.2mmにした以外は、上述した実施例と同様にしてそのシートを容器に成形した。
(比較例2)
上述したシート1における外層3の厚さを0.2mmにした以外は、上述した実施例と同様にしてそのシートを容器に成形した。
(比較例3)
上述したシート1における外層3の厚さを0.2mm、内層2の厚さを0.8mmにした以外は、上述した実施例と同様にしてそのシートを容器に成形した。
(実施例3)
上述したシート1における外層3の厚さを0.8mmにした以外は、上述した実施例と同様にしてそのシートを容器に成形した。
(実施例4)
上述したシート1における内外層2,3の各厚さを0.8mmにした以外は、上述した実施例と同様にしてそのシートを容器に成形した。
(評価2)
図4は、実施例1および実施例2の各容器内での酸素濃度の変化を示す図である。その図4に、実施例1における酸素濃度(%)の変化を符号Aで示し、実施例2における酸素濃度(%)の変化を符号Bで示してある。図4に示すように、室温雰囲気下では、いずれの容器内の酸素濃度の初期値はほぼ同じであり、顕著な差は認められない。また、上述したレトルト殺菌処理後においても、各容器内の酸素濃度の上昇は認められなかった。これは、実施例1および実施例2では、内外層2,3が十分な厚さを有しており、そのため、上述した高温高湿度の雰囲気下においても、水蒸気バリア機能を維持することができたと推定される。また、それらの容器内の酸素は、EVOHに配合した共役ジエン重合体と反応してその内部の酸素濃度が次第に低下していることが認められた。
図5は、実施例1および実施例2の各容器内への累積酸素侵入量を示す図である。図5に示すように、レトルト殺菌処理の前後で実施例1および実施例2の各容器内への酸素侵入は認められなかった。これは、上述した理由により、それらの各容器内への酸素の侵入を抑制することができたためであると推定される。
図6は、比較例1から比較例3の各容器内での酸素濃度の変化を示す図である。その図6に、比較例1における酸素濃度(%)の変化を符号Cで示し、比較例2における酸素濃度(%)の変化を符号Dで示し、比較例3における酸素濃度(%)の変化を符号Eで示してある。図6に示すように、室温雰囲気下では、いずれの容器内の酸素濃度の初期値はほぼ同じであり、顕著な差は認められない。一方、それらの容器を一旦、高温高湿度の雰囲気下に曝露すると、そのレトルト殺菌処理によって各容器内の酸素濃度が増大した。特に、比較例1の容器では、容器内の酸素濃度が顕著に増大した。比較例1の容器では、他の比較例2,3よりも、内外層2,3が共に薄いため、高温高湿度の雰囲気下では、内外層2,3の水蒸気バリア機能を維持することができず、これにより中間層4に水分が浸透したと推定される。その中間層4であるEVOHは水分を吸収すると、その酸素バリア機能が低下する。以上のことにより比較例1では、レトルト殺菌処理によって容器内の酸素濃度が顕著に増大したと推定される。
比較例2および比較例3では、それらの容器の外層3が比較例1と同様に薄いため、上記のレトルト殺菌処理によってそれらの外層3での水蒸気バリア機能を維持することができなかったと推定される。そして、外層3を介して中間層4に水分が浸透してその酸素バリア機能が低下し、また水分が中間層4を透過して内層2の両面が水分に曝されたと推定される。これにより、内層2の水蒸気バリア機能を維持することができなくなったと推定される。以上のことにより、比較例2および比較例3の各容器内への酸素透過量が増大して、各容器内の酸素濃度が増大したと推察される。
また、比較例1から比較例3に示すいずれの容器も、ある程度の時間が経過すると、レトルト殺菌処理によって一旦、低下した酸素バリア機能が回復することが認められた。比較例1では、レトルト殺菌処理後に、酸素バリア機能が若干回復し、比較例2および比較例3では、酸素バリア機能が回復していると認められる。これは、吸着していた水分が気化して散逸するためであると推定される。そして、EVOHに配合した共役ジエン重合体と容器内の酸素とが反応して次第にそれらの容器内の酸素濃度が低下していることが認められた。
図7は、比較例1から比較例3の各容器内への累積酸素侵入量を示す図であり、この図7に示すように、比較例1では、レトルト殺菌処理後に酸素バリア機能が完全には回復していないため、累積酸素侵入量が次第に増大している。一方、比較例2および比較例3では、酸素バリア機能が完全にあるいはほぼ回復している。そのため、酸素バリア機能の回復後は、それらの各容器内への酸素の侵入を抑制できており、累積酸素侵入量は増大していない。
図8は、実施例3および実施例4の各容器内での酸素濃度の変化を示す図であり、その図8に、実施例3における酸素濃度(%)の変化を符号Fで示し、実施例4における酸素濃度(%)の変化を符号Gで示してある。また、図9は、実施例3および実施例4の各容器内への累積酸素侵入量を示す図である。それらの容器の内外層2,3は、上述した実施例1および実施例2よりも厚いため、実施例1および実施例2と同様の理由によりそれらの内外層2,3での水蒸気バリア機能が維持されて各容器内への酸素の侵入が抑制されたと推定される。それらの容器内の酸素は、EVOHに配合した共役ジエン重合体と反応してそれらの内部の酸素濃度が次第に低下している。
また、詳細は図示しないが、実施例1から実施例4に用いられるシート1の内外層2,3を40℃、90%RHの雰囲気中に曝露した場合におけるそれらの層2,3の水蒸気透過係数をモコン法(JIS−K7129B)によって測定した。その結果、実施例1から実施例4の容器の内外層2,3の水蒸気透過係数は1.5×10−6g・mm/m・secであった。
このようにこの発明に係る酸素吸収性容器11では、前記成形に伴って容器11の厚さが最も薄くなる箇所での内層2および外層3の厚さが0.2mm以上1.0mm以下に設計されているため、中間層4が酸素吸収性およびガスバリア性の有機系合成樹脂によって構成されているとしても、高温高湿度の雰囲気下での水蒸気バリア機能および酸素バリア機能を維持してその容器11内への酸素の侵入を抑制することができる。これにより容器11内の内容物の保存性を向上することができる。
なお、上記構成の酸素吸収性容器11では、内外層2,3をそれぞれ2層構造としたが、これに限定されるものではない。すなわち、内外層2,3の物性が、上述した2層構造の内外層2,3と同じかほぼ同じであれば、内外層2,3は2層以上の多層構造であっても、1層構造であってもよい。
1…シート、 2…内層、 3…外層、 4…中間層、 11…容器。

Claims (3)

  1. 内層と外層との間に、酸素吸収性および酸素に対するガスバリア性を有する中間層が設けられている合成樹脂材料からなるシートを成形して構成される酸素吸収性容器において、
    前記中間層は、酸素バリア機能を有する合成樹脂材料中に有機系酸素吸収性樹脂を含む材料によって形成され、
    前記内層および外層は、ポリプロピレン系樹脂によって構成されるとともに、それらの前記成形に伴って最も薄くなる箇所の厚さがそれぞれ0.2mm以上1.0mm以下に構成されていることを特徴とする酸素吸収性容器。
  2. 前記内層および外層は、40℃でかつ相対湿度90%の雰囲気中における水蒸気透過係数が1.2×10−6g・mm/m・sec以上2.3×10−6g・mm/m・sec以下に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の酸素吸収性容器。
  3. 前記中間層は、その前記成形に伴って最も薄くなる箇所の厚さが0.05mm以上0.5mm以下に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の酸素吸収性容器。
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