JP2015168399A - 車両駆動装置、および車両駆動方法 - Google Patents

車両駆動装置、および車両駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】クラッチ機構が固着した状態でモータ走行に切り替えられた際に駆動部にかかる負担を軽減すること。【解決手段】内燃機関を含む主動力出力部と、主動力出力部とは異なる補助動力出力部と、主動力出力部により出力された動力を無段階に変速して駆動輪側に伝達する無段変速機と、無段変速機と駆動輪とを締結状態または解放状態にする締結部と、締結部の状態を検出する締結状態検出部と、締結状態検出部により締結部の締結が解除不能な固着状態であることが検出された場合、無段変速機の変速比が一定以上となるように制御する変速比制御部とを備えて車両駆動装置を構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両駆動装置、および車両駆動方法に関する。
ハイブリッド車両において、エンジンと駆動輪との間に連結された差動機構と、差動機構に動力伝達可能に連結されたモータとを有する差動部について、正常に動作できなくなったときに、非差動の状態に切り替え、切り替え時に発生する駆動トルクの増加、または被駆動トルクの増加を低減する側に自動変速部の変速比を変更するという構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような構成により、差動部が非差動の状態に切り替わるときのトルク増加が低減され、運転者に違和感を与えないようにすることができる。
特開2010−070170号公報
例えば、車両の故障として、エンジンの動力を伝達するクラッチ機構が締結されたまま固着するという状態が挙げられる。ハイブリッド車両において、クラッチ機構が固着状態となった場合、エンジンの動力によるエンジン走行からモータの動力によるモータ走行に切り替えたとしても、エンジンが駆動輪から切り離されずに接続されたままの状態となる。
このように、エンジンが駆動輪と接続されたままの状態でモータ走行が行われると、エンジンなどの駆動部の回転数が過剰に引き上げられてしまい、駆動部に過大な負担がかかってしまう場合がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、クラッチ機構が固着した状態でモータ走行に切り替えられた際に駆動部にかかる負担を軽減することを目的の一つとする。
請求項1記載の発明は、内燃機関(10)を含む主動力出力部(10、15)と、前記主動力出力部とは異なる補助動力出力部(55)と、前記主動力出力部により出力された動力を無段階に変速して駆動輪側に伝達する無段変速機(20)と、前記無段変速機と前記駆動輪とを締結状態または解放状態にする締結部(50)と、前記締結部の状態を検出する締結状態検出部(82)と、前記締結状態検出部により前記締結部の締結が解除不能な固着状態であることが検出された場合、前記無段変速機の変速比が一定以上となるように制御する変速比制御部(83)とを備える車両駆動装置(1)である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記変速比制御部は、前記主動力出力部から出力される動力によらず前記補助動力出力部から出される動力により車両を走行させる補助動力走行モードに移行する際に、前記締結状態検出部により前記固着状態であることが検出された場合に、前記無段変速機の変速比が一定以上となるように制御するものである。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記変速比制御部により前記無段変速機の変速比が一定以上となるように制御されている状態において、前記補助動力出力部が出力する動力に応じて前記無段変速機に作用する流入イナーシャトルクが、前記無段変速機が伝達可能な変速機伝達可能トルクを超えないように制御するトルク制御部(84)をさらに備えるものである。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記トルク制御部は、前記無段変速機の状態に基づいて前記変速機伝達可能トルクを導出し、前記補助動力出力部の制御状態と前記車両の仕様とに基づいて前記流入イナーシャトルクを導出し、前記流入イナーシャトルクを前記変速機伝達可能トルクに略一致させるように変化させたときの前記補助動力出力部のトルクに基づいて前記補助動力出力部に対して与えるべき指示モータトルクを決定し、決定された指示モータトルクが前記補助動力出力部に与えられるように制御するものである。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記トルク制御部は、前記補助動力出力部の制御状態としてのドライバ要求モータトルクを、アクセル開度と車速とに基づいて導出するものである。
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の発明において、前記トルク制御部は、前記補助動力出力部に与えることが許容される許容最大モータトルク以下の範囲で前記指示モータトルクを決定するものである。
請求項7記載の発明は、請求項1から6のうちいずれか1項記載の発明において、前記無段変速機を、トロイダル型の無段変速機としてものである。
請求項8記載の発明は、内燃機関を含む主動力出力部と、前記主動力出力部とは異なる補助動力出力部と、前記主動力出力部により出力された動力を無段階に変速して駆動輪側に伝達する無段変速機と、前記無段変速機と前記駆動輪とを締結状態または解放状態にする締結部とを備える車両駆動装置の制御コンピュータが、前記締結部の状態を検出し、前記締結部の締結が解除不能な固着状態であることが検出された場合、無段変速機の変速比が一定以上となるように制御する車両駆動方法である。
請求項1記載の発明によれば、締結部の締結が解除不能な固着状態であることが検出された場合、無段変速機の変速比が一定以上となるように制御されるため、締結部が固着した状態でモータ走行に切り替えられた際に駆動部にかかる負担を軽減することができる。
請求項2記載の発明によれば、補助動力走行モードに移行する際に、締結部が固着状態であることが検出された場合に、無段変速機の変速比が一定以上となるように制御されるため、補助動力走行モードでのエンジンの回転を抑制してエンジンにかかる負担を軽減することができる。
請求項3記載の発明によれば、無段変速機の変速比が一定以上の状態において、無段変速機の流入イナーシャトルクが、無段変速機が伝達可能な変速機伝達可能トルクを超えないように制御されため、流入イナーシャトルクによる無段変速機の負担を抑制することができる。
請求項4記載の発明によれば、流入イナーシャトルクを変速機伝達可能トルクに略一致させるように変化させたときの補助動力出力部のトルクに基づいて補助動力出力部に対して与えるべき指示モータトルクが決定されるため、流入イナーシャトルクが変速機伝達可能トルクを超えないように適切に制御することができる。
請求項5記載の発明によれば、補助動力出力部の制御状態としてドライバ要求モータトルクが導出されるため、流入イナーシャトルクを適切に導出することができる。
請求項6記載の発明によれば補助動力出力部に与えることが許容される許容最大モータトルク以下の範囲で指示モータトルクが決定されるため、許容最大モータトルクを超えることがないように適切な指示モータトルクを決定することができる。
実施形態に係る車両駆動装置1の構成例を示す図である。 トロイダル型無段変速機である無段変速機20の構成の一例を示す断面図である。 無段変速機20の構成の他の例を示す断面図である。 無段変速機20の構成の他の例を示す断面図である。 無段変速機20の変速比と油圧とに応じた変速機伝達可能トルクの変化特性の一例を示す図である。 車両駆動装置1における走行モードの遷移例を示す図である。 エンジン走行モードからモータ走行モードに移行するためにハイブリッドECU80が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。 ハイブリッドECU80が実行する指示モータトルク決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図8の処理において使用されるパラメータを説明するための図である。
以下、図面を参照し、本発明の車両駆動装置、および車両駆動方法の実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る車両駆動装置1の構成例を示す図である。車両駆動装置1は、例えば、エンジン10と、第1モータ15と、無段変速機20と、オイルポンプ45と、油圧センサ47と、クラッチ機構50と、第2モータ55と、バッテリ60と、車輪(駆動輪)70と、ハイブリッドECU(Electronic Control Unit)80と、変速機ECU90とを備える。
エンジン10は、ガソリン等の炭化水素系の燃料を燃焼させることで、車両駆動装置1が搭載される車両の走行用の動力を出力する。
第1モータ15は、エンジン10の出力軸であるクランクシャフトに出力軸が連結され、エンジン10を始動させて所望の回転数まで引き上げる機能と、エンジン10の出力する動力を用いて発電する機能を有する。
無段変速機20は、エンジン10により出力された動力を無段階に変速して車輪(駆動輪)70側に伝達する。本実施形態の無段変速機20は、例えば、トロイダル型無段変速機である。
図2は、トロイダル型無段変速機である無段変速機20の構成の一例を示す断面図である。無段変速機20は、入力回転軸21の両端寄り部分の周囲に1対の入力側ディスク22a、22bを、それぞれがトロイド曲面である内側面同士を互いに対向させた状態で、入力回転軸21と同期した回転を可能に支持している。
また、無段変速機20は、入力回転軸21の中間部の周囲に出力筒23を、入力回転軸21に対して回転可能に支持している。また、無段変速機20は、出力筒23の外周面において、軸方向中央部に出力歯車24を固設するとともに、軸方向両端部に1対の出力側ディスク25a、25bを、スプライン係合により出力筒23と同期した回転を可能に支持している。
出力側ディスク25a、25bの内側面は、トロイド曲面となっており、それぞれ入力側ディスク22a、22bの内側面と対向している。
また、無段変速機20は、入力側ディスク22aと出力側ディスク25aとの間、および入力側ディスク22bと出力側ディスク25bとの間に、それぞれの周面を球状凸面とした複数個のパワーローラ26を挟持している。
各パワーローラ26は、それぞれトラニオン27に回転自在に支持されており、入力側ディスク22a、22bの回転に伴って回転しつつ、これら入力側ディスク22a、22bから出力側ディスク25a、25bに動力を伝達する。すなわち、無段変速機20の運転時には、駆動軸28により一方(図2の左方)の入力側ディスク22aを、押圧装置29を介して回転駆動する。
この結果、入力回転軸21の両端部に支持された1対の入力側ディスク22a、22bが、互いに近づく方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、各パワーローラ26を介して出力側ディスク25a、25bに伝わり、出力歯車24から取り出される。
また、無段変速機20は、入力回転軸21の両端部近傍で入力側ディスク22a、22bを軸方向両側から挟む位置に、それぞれ予圧ばね30a、30bを設けている。そして、押圧装置29の非作動時(駆動軸28の停止時)にも、各パワーローラ26の周面と、入力側ディスク22a、22b、出力側ディスク25a、25bの内側面との転がり接触部(トラクション部)の面圧を、必要最低限だけは確保するようにしている。従って、これら各転がり接触部は、無段変速機20の運転開始直後から、過大な滑りを生じることなく、動力伝達を開始する。
なお、この必要最低限の面圧を確保するための弾力は、押圧装置29の内径側に配置した予圧ばね30aにより得られる。この予圧ばね30aの弾力は、入力回転軸21の先端部に螺着したローディングナット31の締め付け量により調整することができる。
入力回転軸21の先端部に螺着したローディングナット31と入力側ディスク22bの外側面との間に配置した予圧ばね30bは、押圧装置29の急な作動時に加わる衝撃を緩和するものであり、省略することもできる。予圧ばね30bを設ける場合には、十分に(大きなトルクを伝達する際にも完全に押し潰されない程度に)大きな弾力を持たせるとよい。
また、無段変速機20は、図3に示す構成を有するものとしてよい。図3は、無段変速機20の構成の他の例(以下、無段変速機20aと称する)を示す断面図である。
無段変速機20aは、入力回転軸21aの先端部外周面に、全周にわたって係止溝32を形成し、この係止溝32に係止環33を係止している。そして、無段変速機20aは、係止環33の内側面(図3の左側面)を入力側ディスク22bの外側面に当接させている。油圧式の押圧装置29aの非作動時に、各パワーローラ26の周面と、入力側ディスク22a、22b、および出力側ディスク25a、25bの内側面との転がり接触部の面圧を必要最低限確保するための、皿ばね30aの弾力の調整は、係止環33として適切な軸方向の厚さ寸法を有するものを選択することにより図ることができる。
また、無段変速機20aは、入力回転軸21aの先端部に設けた抑え環34が、係止環33が係止溝32から抜け出るのを防止する。係止環33は、円輪部35と円筒部36とを備え、円輪部35を入力回転軸21aの先端部に外嵌し、この円筒部36の内周面を、係止環33の外周面に当接または近接対向させる。このような係止環33は、入力回転軸21aの先端部に係止した止め輪37により軸方向の変位が阻止される。
また、無段変速機20は、図4に示す構成を有するものとしてよい。図4は、無段変速機20の構成の他の例(以下、無段変速機20bと称する)を示す断面図である。
無段変速機20bでは、係止環33aが、それぞれが部分円弧状である複数の素子を組み合わせて全体を円環状としている。係止環33aは、これら各素子を組み合わせた状態で、入力回転軸21bの先端部外周面に形成した係止溝32に係止される係止部40と、この係止部40の軸方向端面(図4の右側面)から軸方向に突出した状態で形成した嵌合筒部41とを備える。このような係止環33aをトロイダル型無段変速機に組み付ける際は、各素子を径方向内方に変位させつつ、係止溝32に係止部40を係止するとともに、この係止部40の内側面(図4の左側面)を入力側ディスク22bの外側面に当接させる。上記の状態で、嵌合筒部41の内周面は、入力回転軸21bの先端部外周面に形成した雄スプラインを構成する各スプライン歯の頂部に、当接または近接対向する。
なお、嵌合筒部41の内周面は、単なる円筒面でも良いが、雄スプラインとスプライン係合する、雌スプラインとすることもできる。いずれにしても、入力回転軸21bの先端部に外嵌した嵌合筒部41を、単一円筒状の抑えリング42により強く抑え付ける(この抑えリング42の内径側に、嵌合筒部41を圧入する)。これにより、各素子が径方向外方に変位するのを阻止して、嵌合筒部41を、入力回転軸21bの先端部に外嵌固定し、係止環33aを入力回転軸21bに支持固定する。
無段変速機20bでは、押圧装置29(図2〜図3参照)の非作動時に、各パワーローラ26(図2参照)の周面と、入力側ディスク22a、22b、および出力側ディスク25a、25bの内側面との転がり接触部の面圧を必要最低限確保するための、皿ばね30a(図3参照)の弾力の調整は、係止環33aとして、係止部40の厚さが適切なものを選択することにより図ることができる。
また、無段変速機20bでは、係止環33aを入力回転軸21bの先端部に支持固定した状態で、係止部40の内周面と、係止溝32の底面との間部分には、径方向隙間43を設けている。さらに、無段変速機20bでは、抑えリング42の外周面を、入力回転軸21bをケーシング内に回転自在に支持するためのラジアルニードル軸受の内輪軌道としている。
オイルポンプ45は、図2〜図4で例示した構造を有する無段変速機20(または20a、20b;以下同様)に対し、オイル(潤滑油)を供給する。オイルポンプ45は、例えばエンジン10の出力軸であるクランクシャフトに連結され、クランクシャフトの回転に連動してオイルを無段変速機20内に送出する。油圧センサ47は、オイルポンプ45から無段変速機20に送出されるオイルの油圧を測定し、ハイブリッドECU80に出力する。
クラッチ機構50は、無段変速機の出力軸と、車輪70とを、連動して回転する状態(締結状態)、または切り離された状態(解放状態)とするように切り替える。クラッチ機構50は、例えば、ハイブリッドECU80によって状態が制御される。
第2モータ55は、車輪70に連結された車軸に走行用の駆動力を出力したり、車軸から入力される動力を用いて発電(回生)したりする。第1モータ15および第2モータ55が消費または発電した電力は、バッテリ60から供給されまたは蓄えられる。
ハイブリッドECU80は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが実行するプログラムをはじめとする各種情報を記憶する記憶部85、通信インターフェース等が、バスを介して接続された構成を有する。記憶部85としては、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等が用いられる。
ハイブリッドECU80は、プロセッサがプログラムを実行することにより機能する機能部として、例えば、走行モード制御部81、締結状態検出部82、変速比制御部83およびトルク制御部84を備える。なお、これらの機能のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。また、ハイブリッドECU80は、記憶部85を備える。
走行モード制御部81は、走行モードを切り替える。本実施形態において、走行モードは、まず、エンジン走行モード(主動力走行モード)とモータ走行モード(補助動力走行モード)とに分けられる。
エンジン走行モードは、エンジン10が出力する動力を含む動力によって車両を走行させる走行モードである。エンジン走行モードは、さらに単独エンジン走行モードと、併用エンジン走行モードとに分けられる。
単独エンジン走行モードは、エンジン10および第1モータ15のみによる動力によって車両を走行させるエンジン走行モードである。併用エンジン走行モードは、エンジン10および第1モータ15と、第2モータ55との双方により出力される動力によって車両を走行させるエンジン走行モードである。
また、モータ走行モードは、エンジン10から出力される動力によらず、第2モータ55から出力される動力によって車両を走行させるモードである。
締結状態検出部82は、クラッチ機構50の状態を検出する。即ち、締結状態検出部82は、クラッチ機構50が締結状態と解放状態のいずれの状態にあるのかを検出することができる。
そのうえで、締結状態検出部82は、クラッチ機構50が締結したまま解除不能な固着状態であることを検出することができる。クラッチ機構50が締結したまま解除不能な固着状態とは、クラッチ機構50が故障した状態の1つである。このような故障の状態について、以降においてはクラッチスティックとも呼ぶ。即ち、本実施形態の締結状態検出部82は、正常状態におけるクラッチの締結状態と解放状態とを検出するとともに、クラッチスティックによる故障の発生も検出することができる。
例えば、締結状態検出部82は、以下のようにクラッチスティックの発生を検出することができる。即ち、締結状態検出部82は、クラッチ機構50の締結状態を解除させるための解除要求が発生するのに応じて、クラッチ機構50におけるクラッチ圧の検出を開始する。クラッチ圧は、クラッチ機構50の圧着力に対応する圧力である。
例えば、クラッチ解除要求に際しては、クラッチ圧を0とすべきことが指示される。例えば、クラッチ機構50が油圧式である場合、締結状態検出部82は、油圧の測定値に基づいてクラッチ圧を検出することができる。
締結状態検出部82は、検出したクラッチ圧と、予め定められたクラッチ圧閾値とを比較する。締結状態検出部82は、クラッチ圧がクラッチ圧閾値よりも高い状態が予め定めた一定時間以上継続した場合に、クラッチスティックが発生したと判定する。
変速比制御部83は、無段変速機20の変速比を制御する。そのうえで、変速比制御部83は、モータ走行モードに移行する際に、締結状態検出部82によりクラッチスティックの状態であることが検出された場合に、無段変速機20の変速比が一定以上となるように制御する。
例えば、クラッチスティックが発生した状態のもとで、エンジン走行モードからモータ走行モードに切り替えられたときに、変速比が小さい状態であると、第2モータ55の回転に応じて、エンジン10が過剰な高速で回転する状態となる可能性がある。このようにエンジン10が過剰な高速で回転してしまうと、エンジン10に過度の負担がかかる。
そこで、本実施形態の変速比制御部83は、モータ走行モードに移行する際にクラッチスティックの状態であることが検出された場合には、無段変速機20の変速比を一定以上とする。
変速比が一定以上となることで、第2モータ55の回転数に対してエンジン10の回転数が低減されることとなり、エンジン10にかかる負担が軽減される。また、エンジン10の回転数が低減されることで、振動騒音(NV)も抑えられる。
なお、以降においては、一定以上の変速比の一例として、変速比を最大とする場合について説明する。
トルク制御部84は、変速比制御部83により無段変速機20の変速比が最大となるように制御されている状態において、無段変速機20の流入イナーシャトルクが変速機伝達可能トルクを超えないように制御する。
変速機伝達可能トルクは、無段変速機20において車輪70(駆動輪)側からエンジン10側に伝達できるトルクである。
図5は、無段変速機20の変速比と油圧とに応じた変速機伝達可能トルクの変化特性の一例を示している。同図においては縦軸が変速機伝達可能トルクを示し、横軸が変速比を示す。
同図に示す曲線CV1は、無段変速機20の油圧が最低の条件での変速比に応じた変速機伝達可能トルクを示す。曲線CV2は、無段変速機20の油圧が最高の条件での変速比に応じた変速機伝達可能トルクを示す。変速機伝達可能トルクは、変速比が同じ条件では、矢印Aにより例示するように、油圧に応じて、曲線CV1と曲線CV2との間の範囲で変化する。
クラッチスティックが発生しているとき、モータ走行モードのもとであってもクラッチ機構50は解除されていないため、エンジン10は第2モータ55の回転に伴って回転する状態にある。
従って、エンジン10にはイナーシャ(慣性モメント)と回転数の変化率に応じたイナーシャトルクが発生する。また、エンジン10以外の第1モータ15、車輪70、クラッチ機構50、無段変速機20なども、それぞれのイナーシャと回転数の変化率に応じたイナーシャトルクが発生する。
そして、無段変速機20には、上記の各コンポーネント(第1モータ15、エンジン10、車輪70、クラッチ機構50、無段変速機20自体)のイナーシャトルクが流入する。このように各コンポーネントから無段変速機20に流入するイナーシャトルクの総量が流入イナーシャトルクである。即ち、流入イナーシャトルクは、第2モータ55が出力する動力に応じて無段変速機20に作用するトルクである。
前述のように、モータ走行モードにおいてクラッチスティックの状態である場合には変速比制御部83により無段変速機20の変速比が最大となるように制御される。図4における点Pは、上記のように無段変速機20の変速比が最大に制御されたときの油圧に応じた変速機伝達可能トルクの一例を示している。
このとき、コンポーネントの回転数の変化が大きいような状態では、無段変速機20の流入イナーシャトルクが大きくなって、変速機伝達可能トルクを超える可能性がある。このように変速機伝達可能トルクに対して流入イナーシャトルクのほうが大きくなった場合、変速機伝達可能トルクに対する流入イナーシャトルクの過剰分が無段変速機20に過度な負担を与えることになる。
そこで、本実施形態のトルク制御部84は、流入イナーシャトルクが変速機伝達可能トルクを超えないように制御する。これにより、無段変速機20にかかる過度な負担を軽減し、無段変速機20の保護を図ることができる。
上記のように流入イナーシャトルクを制御するにあたり、トルク制御部84は、無段変速機20の状態(例えば、図5にて説明した変速比と油圧)に基づいて変速機伝達可能トルクを導出する。
また、トルク制御部84は、前述のように、第2モータ55の制御状態と車両の仕様とに基づいて流入イナーシャトルクを導出する。
より具体的には、トルク制御部84は、第2モータ55の制御状態として、アクセル開度センサ86が検出するアクセル開度と、車速センサ87が検出する車速とに基づいて、ドライバ要求モータトルクを導出する。ドライバ要求モータトルクは、現在の速度のもとでのアクセル開度に応じて求められる第2モータ55のモータトルクについての制御値である。
そのうえで、トルク制御部84は、流入イナーシャトルクを算出するために、車両駆動装置1における各コンポーネントのイナーシャトルクを算出する。トルク制御部84は、各コンポーネントのイナーシャ(車両の仕様)とドライバ要求モータトルクに応じた回転数変化率とに基づいて、各コンポーネントのイナーシャトルクを算出する。トルク制御部84は、上記のように算出したコンポーネントごとのイナーシャトルクを総合することにより流入イナーシャトルクを算出することができる。
そして、トルク制御部84は、流入イナーシャトルクを変速機伝達可能トルクに一致させるように変化させたときの第2モータ55のトルクに基づいて、第2モータ55に対して与えるべき指示モータトルクを決定する。そして、トルク制御部84は、上記のように決定した指示モータトルクが第2モータ55に与えられるように制御を行う。
これまでの説明から理解されるように、無段変速機20の変速比が最大となるように制御された状態のもとで、上記のように決定された指定モータトルクを第2モータ55に与えるように制御が行われる。
このように第2モータ55のトルクが制御されることで、無段変速機20に流入する流入イナーシャトルクが変速機伝達可能トルクを超えないように制限される。これにより、無段変速機20にかかる負担が軽減され、無段変速機20の保護が図られる。
次に、図6を参照して、本実施形態における車両駆動装置1の走行モード遷移例について説明する。
モータ走行モードMD1において、ハイブリッドECU80はモータ走行に対応する制御を実行する(ステップS10)。モータ走行モードMD1のとき、エンジンは停止状態となるように制御されている。
モータ走行モードMD1からエンジン走行モードに遷移するにあたっては、ハイブリッドECU80においてエンジン始動要求が発生する。エンジン始動要求に応じて、ハイブリッドECU80は、エンジン走行移行モードMD2に遷移する。エンジン走行移行モードMD2は、エンジン走行モードに移行するための準備動作が行われるモードである。
エンジン走行移行モードMD2において、ハイブリッドECU80は、エンジン10の回転数の引き上げを行う(ステップS20)。また、ハイブリッドECU80は、例えば現在の速度などの条件に応じた変速比となるように無段変速機20を制御する(ステップS22)。
また、モータ走行モードMD1の際には、クラッチ機構50は解放の状態にある。そこで、ハイブリッドECU80は、クラッチ機構50を締結させる(ステップS24)。
そして、ハイブリッドECU80は、車輪70にかかるトルクが第2モータ55側からエンジン10側に切り替わるようにトルク架け替えの制御を実行する(ステップS26)。
このようにしてエンジン走行移行モードMD2としての処理が完了するとエンジン走行モードMD3への移行が行われる。
エンジン走行モードMD3において、ハイブリッドECU80は、エンジン走行に対応する制御を実行する(ステップS30)。
エンジン走行モードからモータ走行モードに移行する際には、ハイブリッドECU80においてモータ走行要求が出力される。モータ走行要求に応じて、ハイブリッドECU80は、モータ走行移行モードMD4に遷移する。モータ走行移行モードMD4は、モータ走行モードに移行するための準備動作が行われるモードである。
モータ走行移行モードMD4において、ハイブリッドECU80は、これまで締結状態にあったクラッチ機構50を解除する制御を実行する(ステップS40)。
次に、ハイブリッドECU80は、ステップS40の制御に応じたクラッチ機構50の状態から、クラッチスティックが発生しているか否かについて判定する(ステップS42)。クラッチスティックが発生していなければ、ハイブリッドECU80は、エンジン10を停止させる(ステップS44)。
このようにしてモータ走行移行モードMD4としての処理が完了するとモータ走行モードMD1への移行が行われる。
また、クラッチスティックが発生していた場合、ハイブリッドECU80は、クラッチスティック対応モータ走行モードMD5に移行する。
クラッチスティック対応モータ走行モードMD5において、ハイブリッドECU80は、クラッチスティック対応のモータ走行のための制御を実行する(ステップS50)。
また、クラッチスティック対応モータ走行モードMD5からエンジン走行モードMD3に移行するにあたっては、ハイブリッドECU80においてエンジン始動要求が発生する。
エンジン始動要求に応じて、ハイブリッドECU80は、エンジン走行モードMD3に遷移する。即ち、クラッチスティック対応モータ走行モードMD5においては、クラッチ機構50が締結したままの状態である。従って、この場合には、クラッチ機構50の締結の制御を含むエンジン走行移行モードMD2を経ることなく、エンジン走行モードMD3へ遷移すればよい。
図7は、エンジン走行モードからモータ走行モードに移行するためにハイブリッドECU80が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、ハイブリッドECU80の走行モード制御部81は、エンジン停止要求が発生したか否かについて判定する(ステップS100)。なお、エンジン停止要求は、図6にて説明したモータ走行要求に対応する。
エンジン停止要求が発生していないと判定した場合には、特に処理を実行することなく、同図に示す処理を一旦終了する。即ち、この場合には、これまでのエンジン走行モードが維持される。
一方、エンジン停止要求が発生した場合、走行モード制御部81は、クラッチ解除要求を発生させる(ステップS102)。クラッチ解除要求に応じて、クラッチ機構50は、これまでの締結状態が解除されるように制御される。図6におけるステップS40のクラッチ解除の制御は、当該ステップS102に対応する。
クラッチ解除要求の後、締結状態検出部82は、クラッチスティックが発生しているか否かについて判定する(ステップS104)。図6におけるステップS42のクラッチスティックについての判定は、当該ステップS104に対応する。
前述のように、締結状態検出部82は、クラッチ圧がクラッチ圧閾値よりも高い状態が予め定めた一定時間以上継続した場合に、クラッチスティックが発生していることを検出する。一方、クラッチ圧がクラッチ圧閾値よりも低い状態が一定以上維持されれば、締結状態検出部82は、クラッチスティックは発生していないと判定する。
クラッチスティックが発生していない場合、ハイブリッドECU80は、以下のように通常のモータ走行モードに遷移するための処理を実行する。ここでの通常のモータ走行モードは、図6のモータ走行モードMD1に対応する。
まず、走行モード制御部81は、エンジン走行からモータ走行へのトルク架け替え制御を実行する(ステップS106)。即ち、走行モード制御部81は、車輪70がエンジン10から出力される動力により駆動される状態から、第2モータ55から出力される動力により駆動される状態に切り替えを行う。
次に、変速比制御部83は、無段変速機20の変速比について、エンジン10の停止に応じた変速比となるまで、変速比の変更要求を段階的に出力する(ステップS108)。この際、走行モード制御部81は、変速比への変更要求を段階的に出力するごとに、エンジン10の停止に応じた変速比までの変更が完了したか否かについて判定する(ステップS110)。
上記のようにエンジン10の停止に応じた変速比への変更が完了すると、エンジン10の停止したことが判定されるまで(ステップS114)、トルク制御部84は、第1モータ15のトルクの減衰要求を、繰り返し実行する(ステップS112)。ステップS108〜S114までの処理は、図6のステップS44のエンジン停止の制御に対応する。
そして、エンジン10が停止したことが判定されると、以降において通常のモータ走行モードによる走行が行われる状態となる。
一方、ステップS104にてクラッチスティックが発生したことが判定された場合、ハイブリッドECU80は、以下のように、クラッチスティック対応のモータ走行モードに遷移するための処理を実行する。
まず、変速比制御部83は、無段変速機20の変速比を最大とするための変速比要求を発生して(ステップS116)、無段変速機20の変速比を最大とするように制御する。
次に、走行モード制御部81は、エンジン走行からモータ走行へのトルク架け替え制御を実行する(ステップS118)。
次に、トルク制御部84は、第2モータ55に与えるべきトルク(指示モータトルク)を決定するための処理(指示モータトルク決定処理)を実行する(ステップS120)。
図8は、図7のステップS120としての指示モータトルク決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図8の指示モータトルク決定処理にあたっては、図9に示すパラメータが用いられる。
図9において示されるパラメータは、変速機伝達可能トルクTtm、変速比Ract、変速機油圧Poil、流入イナーシャトルクTiner、コンポーネントイナーシャIcomp(i)、コンポーネント回転数変化率dNcomp(i)、ドライバ要求モータトルクTmot_drv、修正モータトルクTmot_mod、指示モータトルクTmot、許容最大モータトルクTmot_maxである。
変速機伝達可能トルクTtmは、前述のように無段変速機20において車輪70(駆動輪)側からエンジン10側に伝達できるトルクである。
変速比Ractは、無段変速機20の変速比である。
変速機油圧Poilは、無段変速機20にかかる油圧である。
流入イナーシャトルクTinerは、前述のように、各コンポーネント(第1モータ15、エンジン10、車輪70、クラッチ機構50、無段変速機20自体)から無段変速機20に流入するイナーシャトルクの総量である。
コンポーネントイナーシャIcomp(i)は、複数のコンポーネントのうちのi番目のコンポーネントのイナーシャである。
コンポーネント回転数変化率dNcomp(i)は、複数のコンポーネントのうちのi番目のコンポーネントの回転数変化率である。
ドライバ要求モータトルクTmot_drvは、前述のように、現在の速度のもとでのアクセル開度に応じて求められる第2モータ55のトルクである。
修正モータトルクTmot_modは、流入イナーシャトルクを変速機伝達可能トルクに一致させるように変化させたときの第2モータ55のトルクである。
指示モータトルクTmotは、第2モータ55に対して与えるべきトルクである。
許容最大モータトルクTmot_maxは、第2モータ55に与えることが許容されるトルクの最大値である。許容最大モータトルクTmot_maxは、第2モータ55の仕様などに基づいて予め定められる。
図8において、まず、トルク制御部84は、ドライバ要求モータトルクTmot_drvを算出(導出)する(ステップS200)。トルク制御部84は、ドライバ要求モータトルクTmot_drvの算出にあたり、前述のように、アクセル開度センサ86が検出するアクセル開度と、車速センサ87が検出する車速とを利用する。
また、トルク制御部84は、変速機伝達可能トルクTtmを算出する(ステップS202)。図5においても説明したように、変速機伝達可能トルクTtmは、無段変速機20の状態(変速比と油圧)に基づいて一義的に求められる。
即ち、トルク制御部84は、以下の式1として示すように、変速比Ractと変速機油圧Poilとをパラメータとして用いた関数fにより変速機伝達可能トルクTtmを求めることができる。
Ttm←f(Ract,Poil)・・・式1
また、トルク制御部84は、流入イナーシャトルクTinerを算出する(ステップS204)。トルク制御部84は、以下の式2として示すように、コンポーネントイナーシャIcomp(i)と、コンポーネント回転数変化率dNcomp(i)とをパラメータとして用いた関数fにより流入イナーシャトルクTinerを求めることができる。
Tiner=f(Icomp(i),dNcomp(i))・・・式2
コンポーネントイナーシャIcomp(i)と、コンポーネント回転数変化率dNcomp(i)とによっては、i番目のコンポーネントのイナーシャトルクを求めることができる。関数f2は、各コンポーネントのイナーシャトルクを総合することにより流入イナーシャトルクTinerを求める関数である。
次に、トルク制御部84は、流入イナーシャトルクTinerが変速機伝達可能トルクTtmに一致させるように変化させ、このときの第2モータ55のトルクを修正モータトルクTmot_modとして求める(ステップS206)。
流入イナーシャトルクTinerは、式2から理解されるように、コンポーネント回転数変化率dNcomp(i)により変化する。そこで、トルク制御部84は、コンポーネント回転数変化率dNcomp(i)を変化させることで、流入イナーシャトルクTinerを変速機伝達可能トルクTtmに一致させるように変化させる。トルク制御部84は、流入イナーシャトルクTinerが変速機伝達可能トルクTtmと一致したときのコンポーネント回転数変化率dNcomp(i)に対応する第2モータ55のトルクを修正モータトルクTmot_modとして求める。
なお、上記のように修正モータトルクTmot_modを導出するにあたっては、コンポーネント回転数変化率dNcomp(i)に対応する第2モータ55のトルクを求めることになる。
このためには、例えばハイブリッドECU80における記憶部85が、コンポーネントごとに、第2モータ55のトルクとコンポーネント回転数変化率との対応関係を示したテーブルを記憶すればよい。
そして、トルク制御部84は、ステップS206において、ドライバ要求モータトルクTmot_drvを変更(補正)するごとに、テーブルを参照する。トルク制御部84は、テーブルから、流入イナーシャトルクTinerが変速機伝達可能トルクTtmと一致したときのコンポーネント回転数変化率dNcomp(i)に対応付けられたトルクの値を取得すればよい。
あるいは、トルク制御部84は、所定の関数を用いた演算によって、ドライバ要求モータトルクTmot_drvからコンポーネントごとのコンポーネント回転数変化率を求めるようにしてもよい。
なお、トルク制御部84は、例えば変速機伝達可能トルクTtmを基準とする一定範囲に流入イナーシャトルクTinerが収まった状態を、流入イナーシャトルクTinerが変速機伝達可能トルクTtmと一致したものとして処理してもよい。
次に、トルク制御部84は、ステップS206により導出した修正モータトルクTmot_modが、ステップS200により算出したドライバ要求モータトルクTmot_drvよりも小さいか否かについて判定する(ステップS208)。
修正モータトルクTmot_modがドライバ要求モータトルクTmot_drvよりも小さい場合、修正モータトルクTmot_modをそのまま与えればよい。そこで、この場合のトルク制御部84は、第1次指示モータトルク決定処理として、指示モータトルクTmotに、ステップS206により導出された修正モータトルクTmot_modの値を代入する(ステップS210)。
一方、修正モータトルクTmot_modがドライバ要求モータトルクTmot_drv以上である場合、トルク制御部84は、第1次指示モータトルク決定処理として、指示モータトルクTmotに、ステップS200にて算出されたドライバ要求モータトルクTmot_drvを代入する(ステップS212)。
例えば、ドライバ要求モータトルクTmot_drvより大きな修正モータトルクTmot_modをそのまま指示モータトルクTmotとして実際に制御を行った場合には、車両の速度がドライバのアクセル操作に応じて得られるはずの速度よりも高くなるように変化してしまう。
そこで、本実施形態では、上記のステップS212により、指示モータトルクTmotとしてドライバ要求モータトルクTmot_drvの値を適用する。このようにすれば、指示モータトルクTmotがドライバ要求モータトルクTmot_drvを超えることがなくなるために、上記のような不具合が回避される。
ステップS210またはステップS212による第1次指示モータトルク決定処理を実行した後、トルク制御部84は、第2次指示モータトルク決定処理を実行する(ステップS214)。
第2次指示モータトルク決定処理として、トルク制御部84は、ステップS210またはステップS212により決定された指示モータトルクTmotと、許容最大モータトルクTmot_maxのうちで、値の小さいほうを指示モータトルクTmotとする。
このように、トルク制御部84は、許容最大モータトルクTmot_max以下の範囲で指示モータトルクを決定する。これにより、指示モータトルクTmotについては、許容最大モータトルクTmot_maxを超えることがないように適切に制限される。
説明を図7に戻す。図8により説明したステップS120としての指示モータトルク決定処理の後、トルク制御部84は、ステップS120により決定された指示モータトルクTmotが第2モータ55に与えられるように制御を実行する(ステップS122)。
また、走行モード制御部81は、第1モータ15のトルクを0とする制御と、エンジン10への燃料供給を停止させるための制御とを実行する。また、この際に、ステップS116に応じて制御された無段変速機20の変速比が最大の状態が以降においても維持されるようにする(ステップS124)。
このように、ステップS124の制御が実行されることにより、以降において、エンジン10は、第2モータ55からの動力による車輪70の駆動に応じて、十分に低速で、トルクのほぼ無い状態により回転する状態が得られる。このように、本実施形態においては、クラッチスティックの状態のもとで、モータ走行に切り替えられた状態においてエンジン10の保護が図られる。
なお、上述のハイブリッドECU80の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のハイブリッドECU80としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。
1…車両駆動装置
10…エンジン(内燃機関、主動力出力部)
15…第1モータ(主動力出力部)
20…無段変速機
45…オイルポンプ
47…油圧センサ
50…クラッチ機構(締結部)
55…第2モータ(補助動力出力部)
60…バッテリ
70…車輪
81…走行モード制御部
82…締結状態検出部
83…変速比制御部
84…トルク制御部
85…記憶部
86…アクセル開度センサ
87…車速センサ

Claims (8)

  1. 内燃機関を含む主動力出力部と、
    前記主動力出力部とは異なる補助動力出力部と、
    前記主動力出力部により出力された動力を無段階に変速して駆動輪側に伝達する無段変速機と、
    前記無段変速機と前記駆動輪とを締結状態または解放状態にする締結部と、
    前記締結部の状態を検出する締結状態検出部と、
    前記締結状態検出部により前記締結部の締結が解除不能な固着状態であることが検出された場合、前記無段変速機の変速比が一定以上となるように制御する変速比制御部と、
    を備える車両駆動装置。
  2. 前記変速比制御部は、
    前記主動力出力部から出力される動力によらず前記補助動力出力部から出される動力により車両を走行させる補助動力走行モードに移行する際に、前記締結状態検出部により前記固着状態であることが検出された場合に、前記無段変速機の変速比が一定以上となるように制御する
    請求項1に記載の車両駆動装置。
  3. 前記変速比制御部により前記無段変速機の変速比が一定以上となるように制御されている状態において、前記補助動力出力部が出力する動力に応じて前記無段変速機に作用する流入イナーシャトルクが、前記無段変速機が伝達可能な変速機伝達可能トルクを超えないように制御するトルク制御部をさらに備える
    請求項2に記載の車両駆動装置。
  4. 前記トルク制御部は、
    前記無段変速機の状態に基づいて前記変速機伝達可能トルクを導出し、
    前記補助動力出力部の制御状態と前記車両の仕様とに基づいて前記流入イナーシャトルクを導出し、
    前記流入イナーシャトルクを前記変速機伝達可能トルクに略一致させるように変化させたときの前記補助動力出力部のトルクに基づいて前記補助動力出力部に対して与えるべき指示モータトルクを決定し、
    決定された指示モータトルクが前記補助動力出力部に与えられるように制御する
    請求項3に記載の車両駆動装置。
  5. 前記トルク制御部は、
    前記補助動力出力部の制御状態としてのドライバ要求モータトルクを、アクセル開度と車速とに基づいて導出する
    請求項4に記載の車両駆動装置。
  6. 前記トルク制御部は、
    前記補助動力出力部に与えることが許容される許容最大モータトルク以下の範囲で前記指示モータトルクを決定する
    請求項4または5に記載の車両駆動装置。
  7. 前記無段変速機は、トロイダル型の無段変速機である、
    請求項1から6のうちいずれか1項に記載の車両駆動装置。
  8. 内燃機関を含む主動力出力部と、前記主動力出力部とは異なる補助動力出力部と、前記主動力出力部により出力された動力を無段階に変速して駆動輪側に伝達する無段変速機と、前記無段変速機と前記駆動輪とを締結状態または解放状態にする締結部とを備える車両駆動装置の制御コンピュータが、
    前記締結部の状態を検出し、
    前記締結部の締結が解除不能な固着状態であることが検出された場合、無段変速機の変速比が一定以上となるように制御する
    車両駆動方法。
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