JP2015167319A - 電子部品パッケージ及び圧電デバイス - Google Patents

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Yoshimitsu Iizuka
芳光 飯塚
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Abstract

【課題】接合時に接着剤が枠部の外側にはみ出すことを抑制し、外形寸法が設計値より拡大することを防止して不良品の発生を低減する。【解決手段】枠部51が形成されたベース50と、枠部51に接合される上側パッケージ20とを有し、枠部51に形成された第1接続電極(電極)55a等及び第2接続電極(電極)56a等と上側パッケージ20に形成された接続電極(電極)35a等とが電気的に接続される電子部品パッケージ10であって、枠部51は、上側パッケージ20の裏面の平面部33に当接する第1接合面53と、平面部33に対して離間しかつ平面部33との間で接着剤94が配置される第2接合面54とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品パッケージ及び圧電デバイスに関する。
携帯端末や携帯電話などの電子機器では、圧電振動子や発振器などの圧電デバイスが搭載されている。このような圧電デバイスとしては、例えば、表面に励振電極が形成された圧電振動片と、圧電振動片を収容するとともに励振電極と電気的に接続された裏面電極が平面状の裏面に形成されたパッケージと、を備えた圧電振動子が知られている。さらに、枠部を備えたベースをこの圧電振動子の裏面側に接合するとともに、枠部内の凹部にICやLSIなどの発振回路を収容した発振器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この発振器では、圧電振動片と発振回路とを電気的に接続するため、枠部の上面に発振回路と電気的に接続する接続電極を用いて、この接続電極と、上側パッケージの裏面電極とをはんだや導電性接着剤を介して接合することが行われている。
特開2006−114976号公報
枠部上面の接続電極と、上側パッケージの裏面電極との電気的な接続を行うためには十分な量の導電性接着剤等が塗布される必要がある。その一方、枠部上面や上側パッケージ裏面は互いに平面どうしであるため、接合時に接着剤が押しつぶされ、接合面に沿って拡がってしまう。その際、接着剤が枠部の外側にはみ出して、そのまま硬化すると外形寸法が設計値より大きくなり、不良品となる場合がある。接着剤の塗布量を少なくすることも可能であるが、電気的な接続確保や、上側パッケージと枠部との間の気密封止を考慮すると相当量の接着剤の塗布が必要である。
以上のような事情に鑑み、本発明では、接合時に接着剤が外側にはみ出すことを抑制し、外形寸法が設計値より拡大するのを防止して不良品の発生を低減させることが可能な電子部品パッケージ及び電子デバイスを提供することを目的とする。
本発明では、枠部が形成されたベースと、枠部に接合される上側パッケージとを有し、枠部に形成された電極と上側パッケージに形成された電極とが電気的に接続される電子部品パッケージであって、枠部は、上側パッケージの裏面の平面部に当接する第1接合面と、平面部に対して離間しかつ平面部との間で接着剤が配置される第2接合面とを備える。
また、第1接合面は、第2接合面の外側に配置されてもよい。また、第1接合面及び第2接合面の少なくとも一方に、上側パッケージの電極と接続可能な電極が形成されてもよい。また、枠部は、上側パッケージの裏面外周に沿って形成されてもよい。また、第1接合面の幅は、枠部の幅に対して1/3〜1/4に設定されてもよい。また、第1接合面と第2接合面との段差は、10μm〜100μmに設定されてもよい。また、第2接合面は、平面部に対して離間する距離が異なる複数の接合面を有してもよい。
また、本発明は、圧電デバイスであって、上記した電子部品パッケージと、ベースに保持される電子デバイスと、を含み、上側パッケージは、電子デバイスと電気的に接続される圧電振動片を収容する。
本発明によれば、接合時に接着剤が枠部の外側にはみ出すことを抑制することができ、外形寸法が設計値より拡大することを防止して不良品の発生を低減することができる。
実施形態に係る電子部品パッケージ及び圧電デバイスの一例を示す断面図である。 図1の電子部品パッケージのベースを示す平面図である。 (a)は図2のA−A線に沿った要部断面図、(b)は、図2のB−B線に沿った要部断面図である。 ベースに塗布された接着剤を示す要部断面図であり、(a)は上側パッケージとの接合前、(b)は上側パッケージとの接合後である。 ベースの枠部の第1〜第4変形例を示す要部断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、以下の実施形態を説明するため、図面においては一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。また、図面においてハッチングした部分は、電極(パッド)及び接着剤を表している。
以下の各図において、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系においては、電子部品パッケージの上面や裏面に平行な平面をXZ平面とする。このXZ平面において長手方向をX方向と表記し、X方向に直交する方向をZ方向と表記する。XZ平面に垂直な方向(電子部品パッケージの厚さ方向)はY方向と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。
実施形態に係る電子部品パッケージ10及び圧電デバイス100について、図1〜図3を用いて説明する。図1に示すように、電子部品パッケージ10は、上側パッケージ20とベース50とを有している。上側パッケージ20は、ベース部30とカバー部40とを有し、圧電振動片70を収容する。ベース部30は、Y方向から見てZ方向を短辺かつX方向を長辺とする略矩形状に形成される。ベース部30の表面(+Y側の面)には、凹部31と、凹部31を囲む接合面32とが形成される。凹部31は、第1キャビティー61として用いられ、圧電振動片70が収容される。ベース部30の裏面(−Y側の面)には、後述するベース50と接合される平面部33を有している。
ベース部30は、安価で形成が容易なセラミック材料から形成され、例えば、ガラス−セラミックやアルミナセラミックなどが用いられる。なお、ベース部30は、このようなセラミック材料に代えて、ガラス、シリコン、樹脂、金属などが用いられてもよい。ベース部30は、第1セラミック部30aと、第1セラミック部30aの上側(+Y側)に配置された第2セラミック部30bとが積層されて形成される。第1セラミック部30aは板状部材である。第2セラミック部30bは、第1キャビティー61を形成する部分が抜かれた枠状の部材である。なお、ベース部30は、このような積層構造に限定されず、例えば一体として形成されてもよい。
第1及び第2セラミック部30a、30bは、同一の厚さを有し、かつ同種類のセラミック材料から形成されるが、異なる厚さあるいは異なる種類のセラミック材料から形成されてもよい。ベース部30は、上記した構成に限定されず、例えば、Y方向から見たときの形状として、正方形状、円形状、楕円形状、長円形状などであってもよい。また、ベース部30には、凹部31が設けられなくてもよい。また、凹部31には、後述する圧電振動片70を保持するための段部が設けられてもよい。
底部31aの表面には、圧電振動片70に接合するための接続パッド34a、34bが形成される。接続パッド34a、34bは、矩形状かつ同一の大きさに形成され、Z方向に並んで配置される。接続パッド34a、34bは、圧電振動片70の励振電極73、74と導電性接着剤91、92を介して接合される。これにより、ベース部30に圧電振動片70が保持されるとともに、接続パッド34a、34bと励振電極73、74とが電気的に接続される。
接続パッド34a、34bは、導電性の金属膜が用いられる。このような金属膜としては、例えば、ベース部30との密着性を高める下地層として、ニッケル(Ni)や、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、あるいはニッケルクロム(NiCr)や、ニッケルチタン(NiTi)、ニッケルタングステン(NiW)合金などが成膜され、この下地層の上に主電極層として、金(Au)や、銀(Ag)、銅(Cu)などの金属、あるいはこれらの金属を含む合金などが成膜された2層構造が採用される。なお、この金属膜は、2層構造に限定されず、1層構造あるいは3層以上の構造であってもよい。
接続パッド34a、34bは、例えばメタルマスク等を用いた真空蒸着やスパッタ蒸着などにより金属膜が成膜されて形成される。なお、接続パッド34a、34bは、フォトリソグラフィー法及びエッチングにより形成されてもよく、金属ペーストや導電性フィラーを用いてスクリーン印刷などの印刷手法により形成された下地層の表面にめっきを施して形成されてもよい。なお、接続パッド34a、34bの形状は任意である。
ベース部30の裏面において、平面部33を含む領域に、4つの接続電極35a〜35dが形成される。接続電極35a等は、それぞれY方向から見て略矩形状に形成されており、ベース部30の裏面の4つの角部の領域にそれぞれ形成される。これら4つの接続電極35a〜35dのうち2つは、例えば、第1セラミック部30aを貫通する貫通電極や、第1セラミック部30aの角部又は側面部においてY方向に形成されるキャスタレーション電極などを介して接続パッド34a、34bと電気的に接続される。接続電極35a〜35dのうち残る2つは、ダミー電極である。ただし、ダミー電極を設けるか否かは任意である。
接続電極35a等は、四角形以外の多角形状、円形状、長円形状、楕円形状などの形状であってもよく、一部あるいは全ての形状及び大きさは異なってもよい。また、接続電極35a等は、角部の領域に代えて、例えば辺部の中央領域に形成されてもよい。接続電極35a等は、例えば、上記した接続パッド34a、34bと同一の金属膜から構成される。この場合、上記した接続パッド34a、34bの成膜法と同様の手法により形成されてもよい。
ベース部30の接合面32は、シールリング93を介してカバー部40の接合面41に接合される。シールリング93は、枠状に形成され、ベース部30の接合面32に、例えば銀ろうなどのろう材(不図示)を介して接合される。シールリング93は、カバー部40と同一の材料から形成されるが、異なる材料が用いられてもよい。
カバー部40は、Y方向から見てX方向を長辺かつZ方向を短辺とする略矩形状の板状部材である。カバー部40としては、例えばニッケル(Ni)や、42アロイ(Fe−Ni)、コバール(Fe−Ni−Co)、鉄(Fe)、銅(Cu)などの金属材料が用いられる。カバー部40は、裏面(−Y側の面)外周に沿って接合面41が形成される。この接合面41は、シールリング93の表面(+Y側の面)に接合される。これにより、上側パッケージ20において第1キャビティー61が形成される。第1キャビティー61は、真空雰囲気あるいは窒素などの圧電振動片70に対して不活性なガス雰囲気に設定される。
なお、カバー部40は、金属材料に代えて、例えば、セラミックスや、シリコン、ガラス、樹脂などが用いられてもよい。また、カバー部40は、ベース部30と同一の材料により形成されてもよい。また、カバー部40の裏面(−Y側の面)の接合面41に囲まれた領域には、第1キャビティー61が形成される凹部が設けられてもよい。カバー部40とベース部30との接合は、シールリング93を用いて行うことに限定されず、例えば、ろう材、はんだ、各種接合材を介して接合されてもよく、接合材などを用いずに直接接合されてもよい。
ベース50は、電子デバイス80を保持しかつ収容する。ベース50は、Y方向から見て上側パッケージ20と同一の形状及び大きさに形成され、かつ上側パッケージ20とY方向に重なるように配置される。ベース50は、図2に示すように、上側パッケージ20の裏面外周に沿って形成される枠部51と、枠部51に囲まれた凹部52とを備える。ベース50は、上記した上側パッケージ20と同様に、安価で形成が容易なセラミック材料から形成され、例えば、ガラス−セラミックやアルミナセラミックなどが用いられる。なお、ベース50は、このようなセラミック材料に代えて、ガラス、シリコン、樹脂、金属などが用いられてもよい。また、ベース50は、上側パッケージ20と異なる材料から形成されてもよい。
図1に示すように、ベース50は、例えば、第1セラミック部50aと、第1セラミック部50aの上側(+Y側)に配置された第2セラミック部50bと、第2セラミック部50bの上側(+Y側)に配置された第3セラミック部50cとが積層されて形成される。第1セラミック部50aは板状部材である。第2及び第3セラミック部50b、50cは、第2キャビティー62を形成する部分が抜かれた枠状の部材であり、枠部51を形成する。第3セラミック部50cは、第2セラミック部50bより打ち抜き領域を大きくしている。なお、ベース50は、このような積層構造に限定されず、例えば一体として形成されてもよい。第1〜第3セラミック部50a〜50cは、同種類のセラミック材料でもよく、また、異なる種類のセラミック材料が用いられてもよい。
なお、ベース50は、Y方向から見て上側パッケージと異なる形状あるいは大きさに形成されてもよい。また、ベース50は、Y方向から見て上側パッケージ20に対してX方向あるいはZ方向にずれた状態で配置されてもよい。これらの場合には、枠部51の一部あるいは全部は、上側パッケージ20の裏面外周に沿って形成されなくてもよい。
枠部51の+Y側の面は、第1接合面53と第2接合面54とを備える。第1接合面53及び第2接合面54は、上側パッケージ20の裏面の平面部33に対して平行な面である。第1接合面53は、第2接合面54の外側に配置され、平面部33に当接する。第2接合面54は、平面部33に対して離間しかつ平面部33との間で後述する接着剤94が配置される。
図3(a)に示すように、枠部51の−X側の幅(X方向の距離)は、W1に設定される。枠部51の+X側の幅もW1に設定されるが、異なってもよい。第1接合面53の−X側の幅(X方向の距離)は、W3に設定される。第1接合面53の+X側の幅もW3に設定されるが、異なってもよい。また、図3(b)に示すように、枠部51の+Z側の幅(Z方向の距離)は、W2に設定される。枠部51の−Z側の幅もW2に設定されるが、異なってもよい。第1接合面53の−Z側の幅(Z方向の距離)は、W4に設定される。第1接合面53の+Z側の幅もW4に設定されるが、異なってもよい。また、上記した幅W1と幅W2とは同一に設定されてもよく、異なってもよい。また、上記した幅W3と幅W4とは同一に設定されてもよく、異なってもよい。
図3(a)及び(b)に示すように、幅W3、W4は、例えば、幅W1、W2に対して1/3〜1/4に設定される。幅W3、W4が幅W1、W2の1/3より大きいと、第2接合面54が小さくなり、接着剤94が第1接合面53上にも多く塗布される可能性がある。また、幅W3、W4が幅W1、W2の1/4より小さいと、平面部33との当接面が小さくなり、接合時の強度が不足する可能性がある。また、幅W3、W4は、部分的に変化させてもよく、例えば、角部に近い部分では幅W3、W4を他より小さくしてもよい。なお、これらの第1接合面53と第2接合面54に関する事項については、特に説明する場合を除き、後述する変形例においても同様である。
第1接合面53と第2接合面54との段差はHに設定される。この段差Hは、10μm〜100μmに設定される。段差Hが10μmより小さいと、第2接合面54に塗布される接着剤94の多くが接合時に第1接合面53上に広がる可能性がある。また、段差Hが100μmより大きいと、第2接合面54に塗布される接着剤94が平面部33に十分に当接しない可能性がある。なお、段差Hは、部分的に変化させてもよく、例えば、角部に近い部分では段差Hを他より大きくしてもよい。また、段差Hを部分的に0としてもよい。段差Hが0の部分は、第1接合面53と第2接合面54とが同一面となる。なお、これらの事項については、後述する変形例においても同様である。
図2に戻り、枠部51の上面において、4つの角部を含んだL字状の領域には、それぞれ第1接合面53上に第1接続電極55a〜55dが形成され、第2接合面54上に第2接続電極56a〜56dが形成される。第1接続電極55a〜55dと、第2接続電極56a〜56dとは、それぞれ一体に形成される。なお、第1接続電極55a等は、角部を含んだ領域に代えて、例えば辺部の中央領域に形成されてもよい。第1接続電極55a等は、例えば、上記した接続パッド34a、34bと同一の金属膜から構成される。なお、このような第1接続電極55a等及び第2接続電極56a等の一方は形成されなくてもよい。
第1接続電極55a等は、接続電極35a〜35dのそれぞれに対応する領域に形成される。ただし、接続電極35a〜35dのうち2つのダミー電極に対応して第1接続電極55a等を設けるか否かは任意である。第1接続電極55a等及び第2接続電極56a等は、接続電極35a等と当接してまたは接着剤94を介して接続電極35a等と電気的に接続される。これにより、上側パッケージ20に形成された電極と枠部51に形成された電極との電気的な接続が図られる。
凹部52は、第2キャビティー62として用いられ、電子デバイス80が収容可能に形成される。凹部52の+Y側の表面には、6つの接続パッド57が形成される。接続パッド57は、それぞれ後述する電子デバイス80の6つの端子の各位置に対応する領域に形成される。接続パッド57の形状や数は任意である。接続パッド57は、例えば、上記した接続パッド34a、34bと同一の金属膜から構成され、同様の手法で形成される。
接続パッド57は、不図示の引回し電極等を介して、第1接続電極55a等や後述する外部電極58a〜58dに接続される。このような引回し電極は、例えば、ベース50の一部をY方向に貫通する貫通電極や、角部又は側面部においてY方向に沿って形成されるキャスタレーション電極などを含んで形成される。6つの接続パッド57のうち2つは、引回し電極及び第1接続電極55a等を介して、上側パッケージ20の圧電振動片70に備える励振電極73、74と電気的に接続される。また、残る4つは、引回し電極を介して外部電極58a〜58dと電気的に接続される。
ベース50の裏面(−Y側の面)には、外部電極58a〜58dが形成される。外部電極58a〜58dは、Y方向から見てそれぞれ同一の略矩形状に形成されており、それぞれベース50の裏面(−Y側の面)の4つの角部の領域に形成される。なお、外部電極58a等の形状は任意である。外部電極58a等は、例えば、上記した接続パッド34a、34bと同一の金属膜から構成され、同様の手法で形成される。
接着剤94としては、導電性接着剤が採用される。また、導電性接着剤としては、例えばY方向のみ導通性を備える異方導電性接着剤が採用される。このような異方導電性接着剤が採用されることにより、上側パッケージ20の接続電極53a等とこれらに対応する第2接続電極56a等との導通が確保されるとともに、隣接する電極間における導通が防止されて短絡が回避される。なお、接着剤94としては、非導電性接着剤が採用されてもよく、この場合の電気的接続は、第1接続電極55a等により確保される。
圧電デバイス100は、図1に示すように、電子部品パッケージ10と、圧電振動片70と、電子デバイス80と、を含んで構成される。この圧電デバイス100は、発振器である。圧電振動片70は、ベース部30の底部31aにおいて片持ちされた状態で支持され、第1キャビティー61に収容される。電子デバイス80は、ベース50の底部52aの表面に、例えば、バンプ95によって保持され、第2キャビティー62に収容される。バンプ95としては、例えば、金バンプ、はんだバンプ、はんだボールなどが用いられる。
圧電振動片70は、例えばATカットの水晶振動片が用いられる。ATカットは、圧電振動子が常温付近で使用されるにあたって良好な周波数特性が得られる等の利点があり、人工水晶の3つの結晶軸である電気軸、機械軸及び光学軸のうち、光学軸に対して結晶軸周りに35°15′だけ傾いた角度で切り出す加工手法である。圧電振動片70は、Y方向から見てX方向を長辺かつZ方向を短辺とする略矩形に形成される。圧電振動片70は、電子部品パッケージ10の第1キャビティー61内に収容可能な寸法に形成される。圧電振動片70の振動部71の表面(+Y側の面)及び裏面(−Y側の面)には、それぞれ励振電極73、74が形成される。圧電振動片70の表面(+Y側の面)には、励振電極73から−X方向に引き出された引出電極75が形成される。引出電極75は、励振電極73から引き出された後、圧電振動片70の側面を通って裏面に引き出される。また、圧電振動片70の裏面には、励振電極74から同じく−X方向に引き出された引出電極76が形成される。
励振電極73、74及び引出電極75、76は、例えば導電性の金属膜により形成される。この金属膜としては、例えば水晶材との密着性を高める下地層としてクロム(Cr)や、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、あるいはニッケルクロム(NiCr)や、ニッケルチタン(NiTi)、ニッケルタングステン(NiW)合金などが成膜され、この下地層の上に金(Au)や銀(Ag)などの主電極層が成膜された2層構造が採用される。
圧電振動片70は、励振電極73、74に所定の電圧が印加されることにより所定の振動数で振動する。引出電極75は、導電性接着剤91を介して接続パッド34aと電気的に接続され、引出電極76は、導電性接着剤92(導電性接着剤91に対して−Z方向に位置している。)を介して接続パッド34bと電気的に接続される。従って、励振電極73、74のそれぞれは、引出電極75、76、接続パッド34a、34b及び引回し電極を介して、接続電極35a等に電気的に接続される。
なお、圧電振動片70は、上記した構成に限定されず、例えば、BTカットやGTカットや、XTカットなどの水晶振動片が用いられてもよい。また、圧電振動片70は、水晶材に限定されず、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムなどが用いられてもよい。また、圧電振動片70は、Y方向から見たときに四角形状以外の多角形状など、種々の形状であってもよく、音叉型であってもよい。また、圧電振動片70の一方または双方の主面は、振動部71の厚さが周辺部72に対して段階的に厚く形成されたメサ部が設けられてもよく、曲面状であってもよい。
導電性接着剤91、92としては、例えば揮発しにくく作業性に優れ、高温雰囲気下においても性能劣化が生じにくいシリコン系導電性接着剤が用いられるが、ポリイミド系、ウレタン系、あるいはエポキシ系の導電性接着剤などが用いられてもよい。また、導電性接着剤91、92には、それぞれ同一の種類の接着剤が用いられるが、異なる種類が用いられてもよい。
電子デバイス80は、6つの端子81を有する。これらの6つの端子81は、それぞれバンプ95を介して接続パッド57と電気的に接続される。また、これら6つの端子81のうち2つの端子81は、励振電極73、74と電気的に接続される。残る4つの端子81は、それぞれ、発振回路からの出力用端子、駆動用電圧用端子、グラウンド用端子、スタンバイ機能用端子である。なお、電子デバイス80としては、例えば、ICやLSIなどの集積回路であってもよい。また、電子デバイス80の端子数は6つ以外であってもよい。なお、この場合、接続パッド57は、端子数に対応して形成される。
次に、電子部品パッケージ10及び圧電デバイス100の製造方法の一例について説明する。ベース部30は、先ず、第1セラミック部30aを多面取りする第1シート、第2セラミック部30bを多面取りする第2シートが用意される。第1及び第2シートとしては、例えば、所定の厚さのグリーンシートが用いられる。グリーンシートは、例えばガラスやアルミナなどを主原料とするセラミック粉末やバインダーなどの混合物から形成される。
続いて、第2シートは、第1キャビティー61を形成するためにプレス等により所定形状が抜かれる。第1及び第2シートは、位置合わせされ、積層された後、切断されて個別化され、さらに加熱されて焼成される。
続いて、底部31aの+Y側の表面の所定の領域には、メタルマスクを介して、スパッタ蒸着または真空蒸着等により、下地層、主電極層の順で金属膜が成膜され、接続パッド34a、34bが形成される。同様に、ベース部30の裏面(−Y側の面)の所定の領域には、接続電極35a等が形成される。
カバー部40は、先ず、所定の厚さに形成された板状の金属部材が用意される。続いて、この金属部材を所定の略矩形状に切断することによりカバー部40が形成される。カバー部40は、ベース部30に圧電振動片70を搭載した後に、シールリング93を介してベース部30に接合される。
圧電振動片70は、先ず、水晶結晶体からATカットにより所定の厚さで切り出された圧電ウェハ(水晶ウェハ)が用いられる。この圧電ウェハは、所定寸法に切断されて水晶片が形成される。水晶片は、洗浄された後、表面の所定の領域に励振電極73、74及び引出電極75、76が形成されて、圧電振動片50が完成する。
励振電極73、74及び引出電極75、76は、水晶片の表面に、メタルマスクを介して、スパッタ蒸着や真空蒸着により、下地層、主電極層の順で金属膜が成膜されて形成される。励振電極73等及び引出電極75等は、例えば同一材料により、かつ一体的に形成される。なお、励振電極73等は、フォトリソグラフィー法及びエッチングによる手法や、印刷手法等により形成されてもよい。また、水晶片に切断する前に、フォトリソグラフィー法及びエッチングによって圧電ウェハの表面や裏面にメサ部が形成されてもよい。メサ部は、圧電振動片70の振動部71に対応する位置に形成される。
圧電振動片70は、導電性接着剤91、92により、ベース部30の接続パッド34a、34bに保持される。続いて、真空雰囲気あるいは窒素など圧電振動片70に対して不活性なガス雰囲気に形成されたチャンバー内で、カバー部40がシールリング93とシーム溶接により接合される。これにより、圧電振動片70は、上側パッケージ20の第1キャビティー61内に気密封止された状態で収容される。
ベース50は、先ず、第1セラミック部50aを多面取りする第3シート、第2セラミック部50bを多面取りする第4シート、第3セラミック部50cを多面取りする第5シートが用意される。これらの第3〜第5シートは、例えば、所定の厚さのグリーンシートが用いられる。グリーンシートは、例えばガラスやアルミナなどを主原料とするセラミック粉末やバインダーなどの混合物から形成される。
続いて、第4シートは、第2キャビティー62を形成するためにプレス等により所定形状が抜かれる。第5シートは、第4シートより大きな領域がプレス等により抜かれる。第3〜第5シートは、位置合わせされ、かつこの順で積層された後、切断されて個別化され、さらに加熱されて焼成される。第5シートが第4シートより大きな領域を抜かれることにより、段差Hを持つ第1接合面53及び第2接合面54が形成される。なお、これら第1接合面53及び第2接合面54は、第5シートを用いることに代えて、第4シートの上面を加工することで形成されてもよい。
続いて、枠部51の+Y側の表面の所定の領域には、例えば、メタルマスクを介してスパッタ蒸着または真空蒸着等により、下地層、主電極層の順で金属膜が成膜され、第1接続電極55a等及び第2接続電極56a等が形成される。同様に、ベース50の裏面(−Y側の面)の所定の領域には、外部電極58a〜58dが形成され、凹部52の+Y側の表面の所定の領域には、接続パッド57形成される。電子デバイス80は、例えばチップマウンタにより接続パッド57と端子81との位置合わせを行いつつ、底部52aに搭載される。なお、底部52aの表面と電子デバイス80との隙間は、樹脂等が充填されてもよい。
続いて、第2接合面54の表面に接着剤94が塗布される。接着剤94は、例えばディスペンサーにより塗布される。図4は、枠部51に塗布された接着剤94を示す要部断面図であり、(a)は上側パッケージ20との接合前、(b)は上側パッケージ20との接合後である。なお、図4は、図1における要部を拡大した図である。また、図4では、第2接合面54に配置された接着剤94のうち、第2接続電極56aに配置された部分の接着剤94について示しているが、他の部分の接着剤94についても同様である。
図4(a)に示すように、塗布された接着剤94の厚さ(Y方向の距離)は、段差Hよりも若干厚くなるように配置される。続いて、ベース50と上側パッケージ20とは、互いに位置合わせされた状態で重ねられて押圧される。この際の押圧力が接着剤94に対して作用すると、接着剤94は、Y方向に潰されて第2接合面54に沿って拡がる。なお、接着剤94は、第1接合面53上に一部入り込んでも構わない。
図4(b)に示すように、上側パッケージ20の平面部33は、第1接合面53に受け止められるので、平面部33と第2接合面54との間隔が確保され、接着剤94が拡がるのを抑制する。さらに、第1接合面53が第2接合面54の外側に配置されるので、枠部51の外側(電子部品パッケージ10の外側)に接着剤94がはみ出すのを防止する。接着剤94は、段差Hを埋めた状態となり、加熱処理あるいは常温で硬化することにより、ベース50と上側パッケージ20とを接合させる。このとき、電子デバイス80が収容された第2キャビティー62が気密封止され、第2キャビティー62内にポッティング材等の入り込みが防止される。以上の工程により、圧電デバイス100が完成する。
このように、本実施形態によれば、接着剤94が枠部51の外側にはみ出すことを抑制し、電子部品パッケージ10の寸法が設計値より拡大するのを防止できる。第1接合面53及び第2接合面54に第1接続電極55a等及び第2接続電極56a等が形成されることにより、上側パッケージ20の接続電極35a等と直接または接着剤94を介して確実に電気的な接続を図ることができる。
続いて、第1〜第4変形例に係る枠部について、図5を用いて説明する。図5(a)〜(d)は、枠部151、251、351、451について、XY平面に平行な要部断面図である。なお、図5では、枠部151等の−X側の部分のみを表わしており、+X側の部分については対称形状となる。
第1変形例に係る枠部151は、図5(a)に示すように、ベース150に形成され、+Y側の表面に第1接合面153と第2接合面154とが形成される。第1接合面153は、第2接合面154の内側に配置されている。第1接合面153と第2接合面154との段差はHに設定される。この第1変形例によれば、平面部33が第1接合面153と当接することにより、平面部33と第2接合面154との間隔が確保されるので、接着剤94の塗布量を管理することで枠部151の外側に接着剤94がはみ出すのを抑制できる。
第2変形例に係る枠部251は、図5(b)に示すように、ベース250に形成され、+Y側の表面に第1接合面253と、2つの第2接合面254a、254bとが形成される。第2接合面254bは、第2接合面254aの外側に配置される。第1接合面253は、第2接合面254bの外側に配置される。第1接合面253と第2接合面254a、254bとの間には、それぞれ段差H1、H2が形成される。段差H1は、段差H2より大きく設定される。接着剤94は、第2接合面254a、254bの一方または双方に塗布される。第2接合面254a、254bの幅(例えばX方向の長さ)は、同一であってもよく、また異なってもよい。
この第2変形例によれば、平面部33が第1接合面253と当接した際、平面部33と第2接合面254a、254bとの間にそれぞれ段差H1、H2に相当する間隔が確保されるので、第2接合面254a、254bの一方または双方に接着剤94が配置されても、枠部251の外側に接着剤94がはみ出すのを抑制することができる。なお、この第2変形例では、段差H1が段差H2より大きく設定されるが、これとは逆に段差H2が段差H1より大きく設定されてもよい。また、第2変形例では、2つの第2接合面254a、254bが形成されるが、3つ以上の第2接合面が形成されてもよい。
第3変形例に係る枠部351は、図5(c)に示すように、ベース350に形成され、+Y側の表面に2つの第1接合面353a、353bと、第1接合面353a、353bに挟まれた第2接合面354とが形成される。第1接合面353a、353bと第2接合面354との段差はHに設定される。第1接合面353a、353bの幅(例えばX方向の長さ)は、同一であってもよく、また異なってもよい。また、第1接合面353a、353bの一方または双方は、部分的に形成されてもよく、例えば、第1接合面353bがベース150の角部や辺部中央に形成されてもよい。
この第3変形例によれば、平面部33が第1接合面353a、353bと当接することにより、平面部33と第2接合面354との間隔が確保されるので、接着剤94の塗布量を管理することで枠部351の外側に接着剤94がはみ出すのを抑制できる。また、この第3変形例では、第2接合面354の内側に第1接合面353bが配置されるので、接着剤94が第1キャビティー61内にはみ出すことを抑制できる。
第4変形例に係る枠部451は、図5(d)に示すように、ベース450に形成され、+Y側の表面に第1接合面453と第2接合面454とが形成される。第1接合面453は、第2接合面454の外側に配置される。第2接合面454は、第1接合面453(平面部33)に対して傾斜する傾斜面である。第1接合面453に対する第2接合面454の傾斜角度は任意である。なお、第2接合面454は、第1接合面453の外側に配置されてもよい。また、第1接合面453が平面部33に対して傾斜する傾斜面であってもよい。この第4変形例によれば、平面部33が第1接合面453と当接した際、平面部33と第2接合面454との間隔が、内側に向けて拡がった状態で確保されるので、接着剤94が枠部451の外側にはみ出すのを抑制できる。
以上、本発明の電子部品パッケージ及び圧電デバイスについて説明したが、本発明は、上記した説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、上記した実施形態及び変形例を組み合わせたものでもよい。また、圧電デバイス100は、発振器に限定されず、フィルタやSAWデバイスなどであってもよい。
また、第1キャビティー61には、圧電振動片70が収容されるがこれに限定されず、種々の電子部品などが収容されてもよい。この場合、電子部品パッケージに設けられる電極の構成及び配置は、収容される電子部品に対応するように適宜変更される。
10…電子部品パッケージ
20…上側パッケージ
33…平面部
35a、35b、35c、35d…接続電極(電極)
50、150、250、350、450…ベース
51、151、251、351、451…枠部
53、153、253、353、453…第1接合面
54、154、254、254a、254b、354、454…第2接合面
55a、55b、55c、55d…第1接続電極(電極)
56a、56b、56c、56d…第2接続電極(電極)
70…圧電振動片
80…電子デバイス
94…接着剤
100…圧電デバイス

Claims (8)

  1. 枠部が形成されたベースと、前記枠部に接合される上側パッケージとを有し、前記枠部に形成された電極と前記上側パッケージに形成された電極とが電気的に接続される電子部品パッケージであって、
    前記枠部は、前記上側パッケージの裏面の平面部に当接する第1接合面と、前記平面部に対して離間しかつ前記平面部との間で接着剤が配置される第2接合面とを備える電子部品パッケージ。
  2. 前記第1接合面は、前記第2接合面の外側に配置される請求項1記載の電子部品パッケージ。
  3. 前記第1接合面及び前記第2接合面の少なくとも一方に、前記上側パッケージの電極と接続可能な電極が形成される請求項1または請求項2記載の電子部品パッケージ。
  4. 前記枠部は、前記上側パッケージの裏面外周に沿って形成される請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子部品パッケージ。
  5. 前記第1接合面の幅は、前記枠部の幅に対して1/3〜1/4に設定される請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子部品パッケージ。
  6. 前記第1接合面と前記第2接合面との段差は、10μm〜100μmに設定される請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子部品パッケージ。
  7. 前記第2接合面は、前記平面部に対して離間する距離が異なる複数の接合面を有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電子部品パッケージ。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の電子部品パッケージと、
    前記ベースに保持される電子デバイスと、を含み、
    前記上側パッケージは、前記電子デバイスと電気的に接続される圧電振動片を収容する圧電デバイス。
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