JP2015166502A - ポリエステル繊維構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、十分な耐久性のある高吸放湿性と洗濯耐久性などの実用特性が極めて高く、経時的な強度低下のない、しかも風合いの柔軟な吸湿放湿速度が速いポリエステル繊維構造物を提供する。
【解決手段】
本発明のポリエステル繊維構造物は、繊維構造物の単繊維表面に吸湿性を有する高分子化合物が皮膜状に付着されており、あるいは繊維構造物の単繊維間隙に吸湿性を有する高分子化合物が被膜状につながって付着されており、その被膜の平均厚さが500nm以上3000nm以下で、吸湿係数が0.02以上0.5以下であり、かつ放湿係数が0.05以上0.5以下のポリエステル繊維構造物である。
【選択図】 図2
本発明は、十分な耐久性のある高吸放湿性と洗濯耐久性などの実用特性が極めて高く、経時的な強度低下のない、しかも風合いの柔軟な吸湿放湿速度が速いポリエステル繊維構造物を提供する。
【解決手段】
本発明のポリエステル繊維構造物は、繊維構造物の単繊維表面に吸湿性を有する高分子化合物が皮膜状に付着されており、あるいは繊維構造物の単繊維間隙に吸湿性を有する高分子化合物が被膜状につながって付着されており、その被膜の平均厚さが500nm以上3000nm以下で、吸湿係数が0.02以上0.5以下であり、かつ放湿係数が0.05以上0.5以下のポリエステル繊維構造物である。
【選択図】 図2
Description
本発明は、吸放湿性や洗濯耐久性などの実用特性が極めて高く、経時的な強度低下の少ない吸湿放湿速度が速いポリエステル繊維構造物に関するものである。
ポリエステル繊維等の合繊繊維は、多くの優れた特性を有するため、広く衣料や工業用途に用いられている。しかしながら、このような合繊繊維は、疎水性でかつ緻密な分子構造であることから、綿や麻等の天然繊維あるいはレーヨン等の化学繊維に比べて、吸水性や吸湿性が低く、運動時などの着用快適性が要求される分野での使用は不向きとされていた。
従来、ポリエステル繊維等の合繊繊維に、吸水性や吸湿性機能を付与しようとする試みが種々検討されてきた。
例えば、繊維内部にポリアルキレンオキサイドを配合し、かつ繊維表面にポリアルキレングリコール誘導体がグラフト重合されているポリエステル繊維が提案されている(特許文献1参照。)。しかしながら、このポリエステル繊維は、ポリアルキレンオキサイドが繊維内部に存在するため、繊維外部にある水分と接触する確率が低く、また繊維表面に存在するポリアルキレングリコール誘導体は吸湿性を向上させる効果は小さく、天然繊維並の吸湿性は得られていない。
また、中空糸の中空部にアクリル酸系重合体やメタクリル酸系重合体を充填・固定化する方法が提案されている(特許文献2参照。)。しかしながら、この提案では染色加工時の熱水により芯部の吸湿性ポリマーが大きく膨潤するため、繊維表面にひび割れが生じ、水に対する親和性が高い芯部のポリマーが外部に流出してしまうという課題があった。
また、疎水系ラジカル開始剤、フタルイミド系化合物およびエチレン性不飽和有機酸を混合し、浴中で重合させる方法が提案されている(特許文献3参照。)。しかしながら、この提案では浴中でフタルイミド系化合物およびエチレン性不飽和有機酸が重合されるため、重合ムラが発生しやすいという課題があった。また、繰り返しの洗濯や空気中の水分により、加水分解を起こし、経時的に徐々に繊維の強度低下を起こし、実用上、非常に大きな課題を有していた。
また別に、親水性高分子とジビニルモノマーと重合開始剤とを含有する処理剤を用いて浴中処理する方法が提案されている(特許文献4参照。)。しかしながら、この提案では繊維表面に吸湿性高分子を皮膜状に付与するため、繰り返しの洗濯により皮膜が剥離し、洗濯耐久性に欠けるものであった。
また、ポリスチレン系、ポリアクリロニトリル系、ポリアクリル酸エステル系およびポリメタアクリル酸エステル系などで、スルホン酸基、カルボン酸基およびリン酸基などの親水基を有し、架橋剤で架橋された架橋重合体の高吸湿性微粒子が付着されてなる処理方法が提案されている(特許文献5参照。)。しかしながら、この提案では、繊維表面に吸湿粒子をバインダーで付着するため、繰り返しの洗濯により皮膜が剥離し、洗濯耐久性に欠けるものであった。
また、繊維表面に吸湿発熱性を有する高分子化合物が付着される処理方法が提案されている(特許文献6参照。)。しかしながら、この提案では、繊維表面に存在する親水基は吸湿性を向上させる効果は小さく、天然繊維並の吸湿性は得られていない。同時に単繊維表面に吸湿性高分子を皮膜状に付与しないため、風合いがよくないものであり、繰り返しの洗濯により皮膜状吸湿性高分子化合物が剥離し、やはり洗濯耐久性に欠けるものであった。
そこで本発明の目的は、上記の従来技術の課題に鑑み、さらに十分に耐久性のある高吸放湿性と洗濯耐久性などの実用特性が極めて高く、経時的な強度低下のない、しかも風合いの柔軟な吸湿放湿速度が速いポリエステル繊維構造物を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するために、次の手段を採用するものである。すなわち、本発明のポリエステル繊維構造物は、ポリエステル繊維からなる繊維構造物において、前記繊維構造物の単繊維表面に吸湿性を有する高分子化合物が皮膜状に付着されており、および/または、前記繊維構造物の単繊維間隙に吸湿性を有する高分子化合物が被膜状につながって付着されており、その被膜の平均厚さが500nm以上3000nm以下で、吸湿係数が0.02以上0.5以下であり、かつ放湿係数が0.02以上0.5以下であることを特徴とするポリエステル繊維構造物である。
本発明のポリエステル繊維構造物の好ましい態様によれば、前記の繊維構造物の単繊維表面におよび/または単繊維間隙に被膜状に付着されている吸湿性を有する高分子化合物は、窒素が繊維構造物の全繊維質量に対し0.05〜2.0質量%含まれており、かつ、スルホン酸基が繊維構造物の全繊維質量に対し0.3〜12.0質量%含まれているものである。
本発明のポリエステル繊維構造物の好ましい態様によれば、前記の繊維構造物の分解糸強力低下率(%)は80%以上であり、前記の繊維構造物のカンチレバー法による剛軟度向上率は100%以上140%以下である。
本発明のポリエステル繊維構造物の好ましい態様によれば、前記の吸湿性を有する高分子化合物は、下記一般式[I]
−CO−NH−X1−SO3R [I]
(式中、X1は脂肪族基または芳香族基を表し、RはHまたは金属を表す。)で示される構造を有する高分子化合物である。
−CO−NH−X1−SO3R [I]
(式中、X1は脂肪族基または芳香族基を表し、RはHまたは金属を表す。)で示される構造を有する高分子化合物である。
本発明によれば、合繊繊維の特性を有しながら、綿や絹などの天然繊維や化学繊維に近い耐久性のある吸放湿性能を有し、かつ、経時的な物性変化がないポリエステル系繊維構造物が得られる。特に、その洗濯前後の吸湿性は、綿繊維並の吸湿性を有するポリエステル繊維構造物が得られる。
本発明のポリエステル繊維構造物は、高吸放湿性を付与することにより、着用時の蒸れ感等が軽減されるため、肌着などのインナーは勿論、ドレスシャツやズボンなどの衣料や、快適性と保温性のあるスポーツ用の衣料や、シーツや布団カバーなどの寝装品、および布団類の中綿材用途としても好適に使用することができる。
本発明は、綿および絹などの天然繊維や化学繊維に近い耐久性のある吸放湿性能を有し、かつ、経時的な物性変化がないポリエステル系繊維構造物の創出について鋭意検討した結果、後述するように、吸湿性を有する高分子化合物が、単繊維表面に被膜状に付着されており、および/または、単繊維間隙に被膜状につながって付着されている形態とすることにより、前記の課題を一挙に解決することを見いだし本発明に到達したものである。
すなわち、本発明のポリエステル繊維構造物は、ポリエステル繊維からなる繊維構造物において、前記繊維構造物の単繊維表面に吸湿性を有する高分子化合物が皮膜状に付着されており、および/または、前記繊維構造物の単繊維間隙に被膜状につながって付着おり、その被膜の平均厚さが500nm以上3000nm以下で、吸湿係数が0.02以上0.5以下であり、かつ放湿係数が0.02以上0.5以下のポリエステル繊維構造物である。
次に、本発明のポリエステル繊維構造物について詳細に説明する。
まず、本発明のポリエステル繊維構造物を図面により説明する。
図1は、本発明のポリエステル繊維構造物の断面を例示説明するための模式図である。図1のポリエステル繊維からなる構造物において、(ポリエステル)単繊維3の単繊維表面に、被膜状に付着されている吸湿性を有する高分子化合物2と、単繊維3と単繊維3の単繊維間隙4に被膜状につながって付着されている吸湿性を有する高分子化合物1が存在する。
図1において、単繊維表面に、被膜状に付着されている吸湿性を有する高分子化合物2は、その吸湿性を有する高分子化合物が好ましくは被覆率60%以上の割合で単繊維表面に被膜状に付着されている被覆被膜層である。
また、単繊維3と単繊維3の単繊維間隙4に被膜状につながって付着されている吸湿性を有する高分子化合物1は、単繊維間隙4にあってこれも吸湿性を有する高分子化合物が被膜層を呈して単繊維3と単繊維3に被膜状につながって付着されている。
このように、本発明のポリエステル繊維構造物においては、被膜状の吸湿性を有する高分子化合物は、単繊維表面および/または単繊維3と単繊維3との間隙である単繊維間隙4に被膜層として介在されている。
後述するように、単繊維3と単繊維3との間隙である単繊維間隙4に、吸湿性を有する高分子化合物が点状または塊状等の形態で存在しないものがよく、本発明のポリエステル繊維構造物においては、点状または塊状等の形態のものの占有率は好ましくは0〜20質量%である。
この占有率の測定判定方法は、図1のような走査型電子顕微鏡(SEM)あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)による2次元観察写真を撮って、全体被覆面積に対する点状または塊状等の形態の面積比から占有率を計算する。ランダムな10点の写真で測定した上記被膜の平均占有率のうち、最大値および最小値を除いた8点の数平均値を意味するものとする。
図2は、本発明のポリエステル繊維構造物の断面を示す図面代用写真であり、単繊維表面に被膜状に付着されている、あるいは単繊維隙間に被膜状につながって付着されている吸湿性を有する高分子化合物の存在を示すSEM写真である。
図2においては図1と同様に、繊維構造物の単繊維表面に、被膜状に付着されている吸湿性を有する高分子化合物2が、好ましくは被覆率60%以上の割合で単繊維表面に被膜状に付着されて被覆被膜層を形成している。
また、図2においては図1と同様に、単繊維3と単繊維3の単繊維間隙4に被膜状につながって付着されている吸湿性を有する高分子化合物1が、単繊維間隙4にあってこれも被膜層を呈して単繊維3と単繊維3に被膜状につながって付着されている。
本発明のポリエステル繊維構造物においては、後述するように、単繊維3と単繊維3との間隙である単繊維間隙4に、吸湿性を有する高分子化合物が点状または塊状等の形態で存在しないものがよく、本発明のポリエステル繊維構造物においては、点状または塊状等の形態のものの占有率は好ましくは0〜20質量%である。
図3は、従来のポリエステル繊維構造物の断面を示す図面代用写真であり、単繊維3と単繊維3の単繊維隙間4に、点状につながっている吸湿性を有する高分子化合物5が存在することを示すSEM写真である。
図3において、点状につながっている吸湿性を有する高分子化合物5は、その占有率が60%質量以下の割合で存在している点状不連続形ポリマー層である。
図4と図5は、従来の他のポリエステル繊維構造物の断面を示す図面代用写真であり、単繊維3と単繊維3の単繊維間隙に塊状に充填されている吸湿性を有する高分子化合物6が存在することを示すSEM写真である。
ここでは、吸湿性を有する高分子化合物は単繊維表面に被膜状に付着しておらず、単繊維隙間に塊状に充填されている。図4と図5において、吸湿性を有する高分子化合物の単繊維間隙占有率は、20%質量以上である。
さらに、本発明のポリエステル繊維構造物において、吸湿性を有する高分子化合物の繊維間隙占有率は、好ましくは30質量%以下であるものがよく、吸湿性を有する高分子化合物の繊維間隙占有率が30質量%を超えると、繊維間隙に吸湿性を有する高分子化合物が被膜状に被覆せず、充填型に付着するため、吸湿性は維持できるが、繊維構造物の風合いが硬くなり、通気性が低下する傾向が出てきてしまい、繊維構造物の快適性を維持できにくくなる。繊維間隙占有率は、より好ましくは0〜10質量%である。
ここで、繊維間隙とは、繊維糸束断面において、図1の単繊維3の重心X相互を図1のように直線で結んでできる空間の最大面積から、そこに含まれる単繊維断面の面積を差し引いた空間である。具体的には、図1の単繊維3の重心X相互を直線で結んでできる最大面積の空間から、そこに含まれる単繊維の断面の面積を引いた空間である。また、繊維間隙占有率とは、先に定義した繊維間隙中(直線内)に、どれだけ吸湿性を有する高分子化合物が占有されているのかを示す尺度であり、次の式で求められる。
・繊維間隙占有率(%)=吸湿性を有する高分子化合物の繊維間隙空間を占める面積/繊維間隙面積
次に、本発明の吸湿性を有する高分子化合物がを付与された繊維構造物について、さらに具体的に説明する。
・繊維間隙占有率(%)=吸湿性を有する高分子化合物の繊維間隙空間を占める面積/繊維間隙面積
次に、本発明の吸湿性を有する高分子化合物がを付与された繊維構造物について、さらに具体的に説明する。
本発明で使用される高吸湿性である高分子化合物の状態は、単繊維表面を被覆して付着されている被膜状、あるいは、単繊維隙間につながって付着されている被膜状であることが重要である。このような被膜状態とすることにより、被膜の厚さを3000nm以下の厚さに好適に調整することができる。
また、本発明においては、吸湿性を有する高分子化合物の繊維構造物に対する付着量(絶乾状態:105℃×2時間)は、3〜30質量%であることが好ましい。付着量が3質量%未満では、吸湿性が低くなる原因となり、逆に30質量%を超える付着量であると風合いは硬くなり、通気性が悪くなるものになる傾向を示す。
本発明の繊維表面に被膜状に付着される吸湿性を有する高分子化合物は、後述するように、好ましくは吸湿モノマーと架橋モノマーが重合されたポリマーである。この重合されたポリマーは、単繊維表面に被膜状に付着されている、および/または単繊維隙間に被膜状につながって付着されており、このように、単繊維表面に被膜状に付着する場合は、未処理ポリエステル繊維に比較して、加水分解によるポリエステル繊維の強度低下と言う問題が少なく、単繊維表面に一本一本に密着に皮膜状に付着すると、繰り返し洗濯により皮膜が剥離しない、良好の洗濯耐久性がある。
これに対し、単繊維表面に一本一本に皮膜状に付着することではなく、図3のように吸湿性を有する高分子化合物5が単繊維間隙に点状に付着する場合は、繰り返し洗濯により皮膜が剥離して、吸湿性が大幅に低下する傾向がある。また、図4と図5のように、吸湿性を有する高分子化合物6が単繊維間隙4に塊状に充填される場合は、素材の風合いが硬化したり、通気性や吸水性が低下したり、ストレーチ素材に対するストレーチ性が抑制する傾向がある。
本発明のポリエステル繊維構造物において、単繊維表面に付着されている高分子化合物の被膜の平均厚さは、3000nm以下であり、更に被膜の平均厚さは、吸湿発熱性、洗濯耐久性およびソフト感などの性能の観点から、500nm以上1500nm以下であることが好ましい態様である。被膜の平均厚さが500nm未満の場合は、吸湿性能が低くなる傾向にあり、また、被膜の平均厚さが1500nmを越える場合は風合いが硬化する。
本発明において、被膜の厚さとは、単繊維表面に付着されている吸湿性を有する高分子化合物の厚さを意味し、具体的には、単繊維の長さ方向に対する垂直な方向のポリエステル単繊維の表層から、単繊維に付着している吸湿性を有する高分子化合物の表層までの走査型電子顕微鏡(SEM)あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)による2次元測長から得られる長さである。被膜の平均厚さは、ランダムな20点の位置で測定した上記被膜の平均厚さうち、最大値および最小値を除いた18点の数平均値を意味するものとする。
本発明において、繊維表面に吸湿性を有する高分子化合物を付着させる方法としては、後述するように、好ましくは吸湿モノマー、架橋モノマー、触媒および助剤等を配合して調液した処理剤の水溶液に、ポリエステル繊維構造物を浸漬し、水溶液の付着量が好適には30〜200質量%になるようにマングルで絞り、次いで、飽和高温水蒸気で湿熱処理し、乾燥処理を行う方法が挙げられる。
本発明で用いられる単繊維表面に被膜状に付着される吸湿性を有する高分子化合物は、その被膜において、窒素が全繊維質量に対し好ましくは0.05〜2.0質量%およびスルホン酸基が全繊維質量に対し好ましくは0.3〜12.0重量%含まれており、更に窒素が全繊維質量に対し好ましくは0.5〜1.5質量%およびスルホン酸基が全繊維質量に対し好ましくは3.0〜10.0質量%含まれている。
全繊維質量に対し、窒素が0.05質量%未満およびスルホン酸基が0.3質量%未満になると、吸湿性および吸湿速度が低下し、また、全繊維質量に対し、窒素が2.0質量%およびスルホン酸基が12.0質量%を超えると、吸湿性及が向上しても、吸放湿速度が低下したり、風合いが硬化したり、洗濯耐久性も低下する傾向がある。
本発明では、吸湿性を有する高分子化合物は、好ましくは吸湿モノマー、架橋モノマー、触媒および助剤等を配合して調液した処理剤の水溶液に、ポリエステル繊維構造物を浸漬し、被膜が形成される。
本発明で用いられる架橋モノマーとしては、好ましくはEO含有アクリレートが挙げられる。EO含アクリレートの具体例としては、例えば、ポリエチレングリコールメジタクリレート、多官能アクリレートおよびポリアルキレンアルキルエーテルモノメタクリル酸エステルなどが挙げられる。本発明では、これらのモノマーを2種類以上用いることもできる。特に、分子量が800から2000までのメジタクリレートが好ましく用いられる。また、分子量が1000から3000までのエトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレートが好ましく用いられる。また、イソアルキル基数が10から100までのポリアルキレンアルキルエーテルモノメタクリル酸エステルが好ましく用いられる。
本発明のポリエステル繊維構造物に天然繊維を含有させる場合は、発色性の面から、AMPS−Naやスチレンスルホン酸ナトリウムが好ましく用いられる。
本発明で用いられる吸湿モノマーとしては、ビニルカルボン酸および/またはビニルスルホン酸等が挙げられる。ビニルカルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸およびマレイン酸などが挙げられる。また、ビニルスルホン酸の具体例としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(以下、「AMPS」ということがある。)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(以下、「AMPS−Na」ということがある。)、2−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、およびスチレンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。本発明では、これらのモノマー2種類以上用いることもできる。特に、被膜効率と吸放湿係数の面から、AMPSおよびスチレンスルホン酸ナトリウムが好ましく用いられる。天然繊維含有する場合は、発色性の面から、AMPS−Naおよびスチレンスルホン酸ナトリウムが好ましく用いられる。
また、繊維との親和性を高めるために各種の界面活性剤を使用することができる。例えば、イソプロピルアルコールなどのアルコール類や、アニオン系界面活性剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムや、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどがあり、非イオン系界面活性剤では、オクチルフェノールのエチレンオキサイド付加物などの各種界面活性剤が使用される。
本発明において用いられる吸湿性を有する高分子化合物の一部としては、下記一般式[I]
−CO−NH−X1−SO3R [I]
(式中、X1は脂肪族基または芳香族基を表し、RはHまたは金属を表す。)で示される構造を有する高分子化合物が挙げられる。上記の金属としては、Na、Mg、Zn、Caなどが挙げられる。
−CO−NH−X1−SO3R [I]
(式中、X1は脂肪族基または芳香族基を表し、RはHまたは金属を表す。)で示される構造を有する高分子化合物が挙げられる。上記の金属としては、Na、Mg、Zn、Caなどが挙げられる。
本発明のポリエステル繊維構造物は、吸湿係数が0.02以上0.5以下であり、放湿係数が0.02以上0.5以下である性能を示しており、更に吸湿係数が0.05以上0.15以下であることが好ましく、放湿係数が0.05以上0.35以下であることが好ましい。吸湿係数が0.02未満および放湿係数が0.05未満の場合は、環境変化に対応する湿度を調整する速度が遅く、吸湿係数が0.5を超える場合および放湿係数が0.5を超える場合は、風合いが硬化したり、洗濯耐久性も低下する。
また、本発明において、吸湿係数とは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置し、更に20℃×65%RH絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に放置する場合は、ポリエステル繊維構造物等の布帛の吸湿速度係数を意味し、詳細な計算方法については、下述している。次に、本発明で用いられる測定方法等について説明する。
<吸湿速度係数の計算方法>
吸湿速度係数は、次式により計算する。
・吸湿速度係数:K(吸湿)=(MR2(t)−MR1)/t
MR1とは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)である。MR2とは、20℃×65%RH絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)である。MR2(t)とは、20℃×65%RH絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下にt時間放置したときの吸湿率(%)である。tとは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置した状態から30℃×90%RH雰囲気下に数分(分)に放置して、MR2(t)がMR2同等な吸湿率(%)になるときの時間(分)である。
吸湿速度係数は、次式により計算する。
・吸湿速度係数:K(吸湿)=(MR2(t)−MR1)/t
MR1とは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)である。MR2とは、20℃×65%RH絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)である。MR2(t)とは、20℃×65%RH絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下にt時間放置したときの吸湿率(%)である。tとは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置した状態から30℃×90%RH雰囲気下に数分(分)に放置して、MR2(t)がMR2同等な吸湿率(%)になるときの時間(分)である。
測定方法は、次のとおりである。
(1)約3gの試験片を3枚採取する。
(2)試験片を質量が既知の秤量ビン1に入れ、60℃の温度に設定した熱風乾燥機に蓋をとって30分間予備乾燥を行う。
(3)予備乾燥後、20℃×65%RHに設定した恒温恒湿機内(風速約1m)で24時間調湿する。
(4)秤量ビンの蓋をした後、恒温恒湿機から取り出し直ちに質量を計る(少数点以下4けたまで読み取り、これより秤量ビンの質量を除いた値をW1とする)。
(5)次に、30℃×90%RHに設定した恒温恒湿機内(風速約1m)で秤量ビンの蓋をとってt時間(数分に)放置調湿して、秤量ビンの蓋をした後、恒温恒湿機から取り出し直ちに質量を計る(少数点以下4けたまで読み取り、これより秤量ビンの質量を除いた値をW2(t)とする)。
(6)105±2℃の熱風乾燥機内で秤量ビンの蓋をとって2時間乾燥する。
(7)絶乾後、直ちに秤量ビンの蓋をした後、デシケーターに入れて室内3で30分間放冷する。
(8)放冷後のデシケーターから秤量ビンを取り出し質量を計る(少数点以下4けたまで読み取り、これより秤量ビンの質量を除いた値をW3とする)。
(9)上記で求めた絶乾前後の試験片の質量から、次の式によって20℃×65%RHと30℃×90%RHの吸湿率(%)を求めて、その吸湿速度係数を算出し、3枚の平均値で表わす(少数点以下1けたまで)。)。
・MR1=(W1−W3)×100/W3(%)
・ MR2(t)=(W2(t)−W3)×100/W3(%)
ここに、W1は20℃×65%RHで24時間に調湿した試験片(除く秤量ビン)の質量(g)であり、W2(t)は30℃×90%RHでt時間に調湿したにおける試験片(除く秤量ビン)の質量(g)であり、W3は絶乾状態における試験片(除く秤量ビン)の質量(g)である。
(1)約3gの試験片を3枚採取する。
(2)試験片を質量が既知の秤量ビン1に入れ、60℃の温度に設定した熱風乾燥機に蓋をとって30分間予備乾燥を行う。
(3)予備乾燥後、20℃×65%RHに設定した恒温恒湿機内(風速約1m)で24時間調湿する。
(4)秤量ビンの蓋をした後、恒温恒湿機から取り出し直ちに質量を計る(少数点以下4けたまで読み取り、これより秤量ビンの質量を除いた値をW1とする)。
(5)次に、30℃×90%RHに設定した恒温恒湿機内(風速約1m)で秤量ビンの蓋をとってt時間(数分に)放置調湿して、秤量ビンの蓋をした後、恒温恒湿機から取り出し直ちに質量を計る(少数点以下4けたまで読み取り、これより秤量ビンの質量を除いた値をW2(t)とする)。
(6)105±2℃の熱風乾燥機内で秤量ビンの蓋をとって2時間乾燥する。
(7)絶乾後、直ちに秤量ビンの蓋をした後、デシケーターに入れて室内3で30分間放冷する。
(8)放冷後のデシケーターから秤量ビンを取り出し質量を計る(少数点以下4けたまで読み取り、これより秤量ビンの質量を除いた値をW3とする)。
(9)上記で求めた絶乾前後の試験片の質量から、次の式によって20℃×65%RHと30℃×90%RHの吸湿率(%)を求めて、その吸湿速度係数を算出し、3枚の平均値で表わす(少数点以下1けたまで)。)。
・MR1=(W1−W3)×100/W3(%)
・ MR2(t)=(W2(t)−W3)×100/W3(%)
ここに、W1は20℃×65%RHで24時間に調湿した試験片(除く秤量ビン)の質量(g)であり、W2(t)は30℃×90%RHでt時間に調湿したにおける試験片(除く秤量ビン)の質量(g)であり、W3は絶乾状態における試験片(除く秤量ビン)の質量(g)である。
<放湿係数>
放湿係数とは、絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置し、更に30℃×90%RH雰囲気下から20℃×65%RH雰囲気下に放置する場合は、布帛の放湿速度係数である。詳細な計算方法については、下述している。放湿係数は、次式により計算する。
・放湿係数:k(放湿)=MR2−MR1(t)/t
MR1とは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)をいい、洋服ダンスの中に入っている状態、すなわち着用前の環境に相当する。MR2とは、20℃×65%RH雰囲気下から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)である。MR1(t)とは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置した状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置した態から20℃×65%RH雰囲気下にt時間放置したときの吸湿率(%)である。tとは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置した状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置した態から20℃×65%RH雰囲気下に数分(分)に放置して、MR1(t)がMR1同等な吸湿率(%)になるときの時間(分)である。
放湿係数とは、絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置し、更に30℃×90%RH雰囲気下から20℃×65%RH雰囲気下に放置する場合は、布帛の放湿速度係数である。詳細な計算方法については、下述している。放湿係数は、次式により計算する。
・放湿係数:k(放湿)=MR2−MR1(t)/t
MR1とは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)をいい、洋服ダンスの中に入っている状態、すなわち着用前の環境に相当する。MR2とは、20℃×65%RH雰囲気下から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)である。MR1(t)とは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置した状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置した態から20℃×65%RH雰囲気下にt時間放置したときの吸湿率(%)である。tとは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置した状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置した態から20℃×65%RH雰囲気下に数分(分)に放置して、MR1(t)がMR1同等な吸湿率(%)になるときの時間(分)である。
測定方法は、次のとおりである。
(1)約3gの試験片を3枚採取する。
(2)試験片を質量が既知の秤量ビン1に入れ、60℃の温度に設定した熱風乾燥機に蓋をとって30分間予備乾燥を行う。
(3)予備乾燥後、20℃×65%RHに設定した恒温恒湿機内(風速約1m)で24時間調湿した後、30℃×90%RHに設定した恒温恒湿機内(風速約1m)で24時間調湿する。
(4)秤量ビンの蓋をした後、恒温恒湿機から取り出し、直ちに質量を計る(少数点以下4けたまで読み取り、これより秤量ビンの質量を除いた値をW2とする)。
(5)次に、20℃×65%RHに設定した恒温恒湿機内(風速約1m)で秤量ビンの蓋をとってt時間(数分に)放置調湿して、秤量ビンの蓋をした後、恒温恒湿機から取り出し、直ちに質量を計る(少数点以下4けたまで読み取り、これより秤量ビンの質量を除いた値をW1(t)とする)。
(6)105±2℃の熱風乾燥機内で秤量ビンの蓋をとって2時間乾燥する。
(7)絶乾後、直ちに秤量ビンの蓋をした後、デシケーターに入れて室内3で30分間放冷する。
(8)放冷後のデシケーターから秤量ビンを取り出し質量を計る(少数点以下4けたまで読み取り、これより秤量ビンの質量を除いた値をW3とする)。
(9)上記で求めた絶乾前後の試験片の質量から、次の式によって20℃×65%RHと30℃×90%RHの吸湿率(%)を求めて、その吸湿速度係数を算出し、3枚の平均値で表わす(少数点以下1けたまで)。)
・MR1(t)=(W1(t)−W3)×100/W3(%)
・MR2=(W2−W3)×100/W3(%)
ここに、W1(t)は20℃×65%RHでt時間に調湿した試験片(除く秤量ビン)の質量(g)であり、W2(t)は30℃×90%RHで24時間に調湿したにおける試験片(除く秤量ビン)の質量(g)であり、W3は絶乾状態における試験片(除く秤量ビン)の質量(g)である。
(1)約3gの試験片を3枚採取する。
(2)試験片を質量が既知の秤量ビン1に入れ、60℃の温度に設定した熱風乾燥機に蓋をとって30分間予備乾燥を行う。
(3)予備乾燥後、20℃×65%RHに設定した恒温恒湿機内(風速約1m)で24時間調湿した後、30℃×90%RHに設定した恒温恒湿機内(風速約1m)で24時間調湿する。
(4)秤量ビンの蓋をした後、恒温恒湿機から取り出し、直ちに質量を計る(少数点以下4けたまで読み取り、これより秤量ビンの質量を除いた値をW2とする)。
(5)次に、20℃×65%RHに設定した恒温恒湿機内(風速約1m)で秤量ビンの蓋をとってt時間(数分に)放置調湿して、秤量ビンの蓋をした後、恒温恒湿機から取り出し、直ちに質量を計る(少数点以下4けたまで読み取り、これより秤量ビンの質量を除いた値をW1(t)とする)。
(6)105±2℃の熱風乾燥機内で秤量ビンの蓋をとって2時間乾燥する。
(7)絶乾後、直ちに秤量ビンの蓋をした後、デシケーターに入れて室内3で30分間放冷する。
(8)放冷後のデシケーターから秤量ビンを取り出し質量を計る(少数点以下4けたまで読み取り、これより秤量ビンの質量を除いた値をW3とする)。
(9)上記で求めた絶乾前後の試験片の質量から、次の式によって20℃×65%RHと30℃×90%RHの吸湿率(%)を求めて、その吸湿速度係数を算出し、3枚の平均値で表わす(少数点以下1けたまで)。)
・MR1(t)=(W1(t)−W3)×100/W3(%)
・MR2=(W2−W3)×100/W3(%)
ここに、W1(t)は20℃×65%RHでt時間に調湿した試験片(除く秤量ビン)の質量(g)であり、W2(t)は30℃×90%RHで24時間に調湿したにおける試験片(除く秤量ビン)の質量(g)であり、W3は絶乾状態における試験片(除く秤量ビン)の質量(g)である。
本発明で用いられる上記の処理液は、基本的には、重合性モノマーの混合加工液もしくは単独とそれに重合開始剤とで構成されるが、さらに必要に応じて仕上げ加工剤、例えば、撥水剤、柔軟剤、難燃剤および抗菌防臭加工剤などをすることができる。
また、架橋促進のために、風合いをあまり粗硬にしない程度に、メチロール基を有するビニルモノマー、例えば、N−メチロールアクリルアミドやN−メチロールメタクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミドなどを添加することができる。
本発明においては、より高い吸湿性を得るためには、後加工により導入された酸性基の少なくとも一部を金属塩で置換することが好ましい態様である。これらの手法としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム等の少なくとも1種を溶解した水浴中に浸漬し、好ましくは60〜80℃の温度で好ましくは10〜30分間処理を行うことにより、塩化に置換することができる。
また、同様の手法で導入した酸性基の一部を、亜鉛、銅および銀などの金属塩に置換することも可能であり、このように亜鉛、銅および銀などの金属塩に置換することにより、吸湿性能の他に消臭性能や抗菌性能をも得ることができる。
本発明で用いられるポリエステル繊維は、通常のフラットヤーン以外に、仮撚加工糸、強撚糸およびタスラン加工糸や、太細糸および混繊糸等のフィラメントヤーンであってもよく、ステープルファイバーやトウ、あるいは紡績糸などの各種形態の繊維であってもよい。ポリエステル繊維構造物としては、織物、編物および不織布などの布帛の形態のものを使用することができる。
本発明のポリエステル繊維構造物は、繊維構造物の単繊維表面に吸湿性を有する高分子化合物が皮膜状に付着されており、あるいは単繊維表面に吸湿性を有する高分子化合物が皮膜状に架橋され方法で吸湿性および高吸放湿性を付与することで蒸れ感等が軽減されるため、肌着などのインナーは勿論、ドレスシャツやズボンなどの衣料や、シーツ、布団カバーなどの寝装品およびワタとして布団ワタなどにも好適に使用できる。
次に、実施例により本発明のポリエステル繊維構造物について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、実施例中の性能評価は、次の方法で測定したものである。
・ 質量変化率(%)=[(加工後質量(g)−加工前質量(g))/加工前質量(g)]×100
・ 測定回数:3回。
・ 測定回数:3回。
<繊維間隙占有率>
繊維間隙占有率の測定判定方法は、図1の走査型電子顕微鏡(SEM)あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)による2次元観察写真を撮って、全体被覆面積に対する点状または塊状等の形態の面積比から、占有率を計算します。ランダムな10点の写真で測定した上記被膜の平均占有率のうち、最大値および最小値を除いた8点の数平均値を意味するものとする。
繊維間隙占有率の測定判定方法は、図1の走査型電子顕微鏡(SEM)あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)による2次元観察写真を撮って、全体被覆面積に対する点状または塊状等の形態の面積比から、占有率を計算します。ランダムな10点の写真で測定した上記被膜の平均占有率のうち、最大値および最小値を除いた8点の数平均値を意味するものとする。
<被膜の平均厚さ>
被膜の厚さとは、単繊維表面に付着されている吸湿性を有する高分子化合物の厚さを意味し、具体的には、単繊維の長さ方向に対する垂直な方向のポリエステル単繊維の表層から、単繊維に付着している吸湿性を有する高分子化合物の表層までの走査型電子顕微鏡(SEM)あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)による2次元測長から得られる長さである。被膜の平均厚さは、ランダムな20点の位置で測定した上記被膜の平均厚さうち、最大値および最小値を除いた18点の数平均値を意味するものとする。
被膜の厚さとは、単繊維表面に付着されている吸湿性を有する高分子化合物の厚さを意味し、具体的には、単繊維の長さ方向に対する垂直な方向のポリエステル単繊維の表層から、単繊維に付着している吸湿性を有する高分子化合物の表層までの走査型電子顕微鏡(SEM)あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)による2次元測長から得られる長さである。被膜の平均厚さは、ランダムな20点の位置で測定した上記被膜の平均厚さうち、最大値および最小値を除いた18点の数平均値を意味するものとする。
<吸湿率差;△MR(%)>
次の条件により吸湿率差を求め、吸湿率差から吸湿性能を確認した。
(1)約1gの試験片を3枚採取する。(n数=3)
(2)試験片を質量が既知の秤量ビン1に入れ、60℃の温度に設定した熱風乾燥機に蓋をとって30分間予備乾燥を行う。
(3)予備乾燥後、20℃×65%RHに設定した恒温恒湿機内(風速約1m)で24時間調湿する。
(4)秤量ビンの蓋をした後、恒温恒湿機から取り出し、直ちに質量を計る(少数点以下4けたまで読み取り、これより秤量ビンの質量を除いた値をW1とする)。
(5)次に、30℃×90%RHに設定した恒温恒湿機内(風速約1m)で秤量ビンの蓋をとって24時間調湿する。
(6)秤量ビンの蓋をした後、恒温恒湿機から取り出し、直ちに質量を計る(少数点以下4けたまで読み取り、これより秤量ビンの質量を除いた値をW2とする)。
(7)105±2℃の熱風乾燥機内で秤量ビンの蓋をとって2時間乾燥する。
(8)絶乾後、直ちに秤量ビンの蓋をした後、デシケーターに入れて室内3で30分間放冷する。
(9)放冷後のデシケーターから秤量ビンを取り出し質量を計る(少数点以下4けたまで読み取り、これより秤量ビンの質量を除いた値をW3とする)。
(10)上記で求めた絶乾前後の試験片の質量から、次の式によって20℃×65%RHと30℃×90%RHの吸湿率(%)を求めて、その吸湿率差ΔMR(%、吸湿率差)を算出し、3枚の平均値で表わす(少数点以下1けたまで)。
・ΔMR(%)=MR2−MR1
ここに、MR1は20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)であり、MR2は30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)である。
・ΔMR(%)=MR2−MR1
・MR1=(W1(t)−W3)×100/W3(%)
・MR2=(W2−W3)×100/W3(%)
ここに、W1は20℃×65%RHにおける試験片(除く秤量ビン)の質量(g)であり、W2は30℃×90%RHにおける試験片(除く秤量ビン)の質量(g)であり、W3は絶乾状態における試験片(除く秤量ビン)の質量(g)である。
次の条件により吸湿率差を求め、吸湿率差から吸湿性能を確認した。
(1)約1gの試験片を3枚採取する。(n数=3)
(2)試験片を質量が既知の秤量ビン1に入れ、60℃の温度に設定した熱風乾燥機に蓋をとって30分間予備乾燥を行う。
(3)予備乾燥後、20℃×65%RHに設定した恒温恒湿機内(風速約1m)で24時間調湿する。
(4)秤量ビンの蓋をした後、恒温恒湿機から取り出し、直ちに質量を計る(少数点以下4けたまで読み取り、これより秤量ビンの質量を除いた値をW1とする)。
(5)次に、30℃×90%RHに設定した恒温恒湿機内(風速約1m)で秤量ビンの蓋をとって24時間調湿する。
(6)秤量ビンの蓋をした後、恒温恒湿機から取り出し、直ちに質量を計る(少数点以下4けたまで読み取り、これより秤量ビンの質量を除いた値をW2とする)。
(7)105±2℃の熱風乾燥機内で秤量ビンの蓋をとって2時間乾燥する。
(8)絶乾後、直ちに秤量ビンの蓋をした後、デシケーターに入れて室内3で30分間放冷する。
(9)放冷後のデシケーターから秤量ビンを取り出し質量を計る(少数点以下4けたまで読み取り、これより秤量ビンの質量を除いた値をW3とする)。
(10)上記で求めた絶乾前後の試験片の質量から、次の式によって20℃×65%RHと30℃×90%RHの吸湿率(%)を求めて、その吸湿率差ΔMR(%、吸湿率差)を算出し、3枚の平均値で表わす(少数点以下1けたまで)。
・ΔMR(%)=MR2−MR1
ここに、MR1は20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)であり、MR2は30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)である。
・ΔMR(%)=MR2−MR1
・MR1=(W1(t)−W3)×100/W3(%)
・MR2=(W2−W3)×100/W3(%)
ここに、W1は20℃×65%RHにおける試験片(除く秤量ビン)の質量(g)であり、W2は30℃×90%RHにおける試験片(除く秤量ビン)の質量(g)であり、W3は絶乾状態における試験片(除く秤量ビン)の質量(g)である。
<分解糸強力低下率(%);加速試験前後の分解糸強力測定>
加速試験;130℃の温度の熱水中に編物を浸漬し、240分間浴中処理を行った後、取り出し、水洗し脱水し風乾した。
加速試験;130℃の温度の熱水中に編物を浸漬し、240分間浴中処理を行った後、取り出し、水洗し脱水し風乾した。
分解糸強力測定;JIS L1013(1999)に準拠し、島津製作所製オートグラフを用いて、加速試験前後において、編物から取り出したフィラメント(以下、「分解糸」という。)の強力を測定した。分解糸は、編物の異なる場所からそれぞれ繊維を取出し合計5本とし、5本の測定値の平均を求めた(n数=5)。低下率は、次式により求めた。
・分解糸強力低下率(%)=(加速試験後の分解糸強力/加速試験前の分解糸強力)×100。
・分解糸強力低下率(%)=(加速試験後の分解糸強力/加速試験前の分解糸強力)×100。
<吸湿速度;質量増加率(%)>
絶乾状態(105℃×2時間放置)の重量をスタートとし、30℃×90%RH雰囲気下に1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,30分放置したときの質量増加率(%)を調べた。
・質量増加率(%)={(A−B)/B}×100
ここに、Aは30℃×90%RH雰囲気下の質量であり、Bは絶乾状態(105℃×2時間放置)の質量である。
絶乾状態(105℃×2時間放置)の重量をスタートとし、30℃×90%RH雰囲気下に1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,30分放置したときの質量増加率(%)を調べた。
・質量増加率(%)={(A−B)/B}×100
ここに、Aは30℃×90%RH雰囲気下の質量であり、Bは絶乾状態(105℃×2時間放置)の質量である。
<吸湿係数>
吸湿係数は、次式により求めた。
・吸湿係数:K(吸湿)=(MR2(t)−MR1)/t
ここにおいて、MR1とは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)である。MR2とは、20℃×65%RH絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)である。MR2(t)とは、20℃×65%RH絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下にt時間放置したときの吸湿率(%)である。tとは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置した状態から30℃×90%RH雰囲気下に数分(分)に放置して、MR2(t)がMR2同等な吸湿率(%)になるときの時間(分)である。
吸湿係数は、次式により求めた。
・吸湿係数:K(吸湿)=(MR2(t)−MR1)/t
ここにおいて、MR1とは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)である。MR2とは、20℃×65%RH絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)である。MR2(t)とは、20℃×65%RH絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下にt時間放置したときの吸湿率(%)である。tとは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置した状態から30℃×90%RH雰囲気下に数分(分)に放置して、MR2(t)がMR2同等な吸湿率(%)になるときの時間(分)である。
<放湿係数>
放湿係数は、次式により求めた。
・放湿係数:k(放湿)=MR2−MR1(t)/t
MR1とは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)をいい、洋服ダンスの中に入っている状態、すなわち着用前の環境に相当する。
放湿係数は、次式により求めた。
・放湿係数:k(放湿)=MR2−MR1(t)/t
MR1とは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)をいい、洋服ダンスの中に入っている状態、すなわち着用前の環境に相当する。
MR2とは、20℃×65%RH絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)である。
MR1(t)とは絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置した状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置した態から20℃×65%RH雰囲気下にt時間放置したときの吸湿率(%)である。
tとは絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置した状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置した態から20℃×65%RH雰囲気下に数分(分)に放置して、MR1(t)がMR1同等な吸湿率(%)になるときの時間(分)である。
<剛軟度向上率>
剛軟度向上率は、次式により求めた。
・剛軟度向上率(%)=(C2−C1)×100/C1
ここにおいて、C1は処理前の剛軟度の平均値(mm)であり、C2は処理後の剛軟度の平均値(mm)である。
・処理方法:水酸化ナトリウム溶液中に処理して、吸湿速度が0になる上に、処理後の分解糸強力が処理前より低下しなかった方法。
・剛軟度測定方法:JIS L 1096「一般織物試験方法」剛軟度 (1999)に準拠し、処理試験前後において、繊維構造物から取り出した布帛を測定した。測定用布帛は、繊維構造物の異なる場所からそれぞれ布帛を取出し合計20枚(縦、横 各10枚)とし、20枚の測定値の平均を求めた(n数=5)。
(実施例1〜8、比較例1〜3)
84デシテックス72フィラメントからなるポリエステル糸を用い、36ゲージで目付227g/m2の編物を作成し、常法により精練した後、180℃の温度でピンテンターを使用し熱セットを行い、得られた編物を、次に示す方法で処理し、性能を評価した。結果を表1に示す。 <重合開始剤>
触媒A(過硫酸アンモニウム)を、表1に記載の使用量で用いた。
剛軟度向上率は、次式により求めた。
・剛軟度向上率(%)=(C2−C1)×100/C1
ここにおいて、C1は処理前の剛軟度の平均値(mm)であり、C2は処理後の剛軟度の平均値(mm)である。
・処理方法:水酸化ナトリウム溶液中に処理して、吸湿速度が0になる上に、処理後の分解糸強力が処理前より低下しなかった方法。
・剛軟度測定方法:JIS L 1096「一般織物試験方法」剛軟度 (1999)に準拠し、処理試験前後において、繊維構造物から取り出した布帛を測定した。測定用布帛は、繊維構造物の異なる場所からそれぞれ布帛を取出し合計20枚(縦、横 各10枚)とし、20枚の測定値の平均を求めた(n数=5)。
(実施例1〜8、比較例1〜3)
84デシテックス72フィラメントからなるポリエステル糸を用い、36ゲージで目付227g/m2の編物を作成し、常法により精練した後、180℃の温度でピンテンターを使用し熱セットを行い、得られた編物を、次に示す方法で処理し、性能を評価した。結果を表1に示す。 <重合開始剤>
触媒A(過硫酸アンモニウム)を、表1に記載の使用量で用いた。
触媒B(ベンゾイルパーオキサイドとトルイルオア−オキサイド混合物とのキシレン溶液)として、“ナイパーBMT−K40”(日本油脂(株)製)を、各実施例において表1に示す使用量で用いた。
<重合性モノマー>
架橋モノマーA(二官能ポリエチレングリコールジメタクリレート)として、“NKエステル23G”(新中村化学工業(株)製)を、表1に記載の使用量で用いた。
<重合性モノマー>
架橋モノマーA(二官能ポリエチレングリコールジメタクリレート)として、“NKエステル23G”(新中村化学工業(株)製)を、表1に記載の使用量で用いた。
架橋モノマーB(多官能ポリエチレングリコールジメタクリレート)として、“NKエステル35E”(新中村化学工業(株)製)を、表1に記載の使用量で用いた。
架橋モノマーC(ポリアルキレンアルキルエーテルモノメタクリル酸エステルとポリオキシエチレンオレイルエーテルの復配品)として、表1に記載の使用量で用いた。
吸湿モノマーA(2−アクリルアミド−2−メチルプロパアンスルホン酸)として、“AMPS”(共栄社化学(株)製)を、表1に記載の使用量で用いた。
吸湿モノマーB(有機酸)として、アクリル酸および/またはメタクリル酸を、各実施例において表1に記載のとおりの使用量で用いた。
<界面活性剤>
ても 界面活性剤(ポリオキシエチレンオレイルエーテル)として、“エマルゲン420”(花王株式会社製)を、各実施例において表1に記載のとおりの使用量で用いた。
ても 界面活性剤(ポリオキシエチレンオレイルエーテル)として、“エマルゲン420”(花王株式会社製)を、各実施例において表1に記載のとおりの使用量で用いた。
各実施例において表1に記載のとおりの使用量で用いた。
<前処理剤>
前処理剤A(カチオン系ポリマー)として、“AFI−03”(センカ株式会社製)を、各実施例において表1に記載のとおりの使用量で用いた。 前処理剤B(カチオン化樹脂のエポキシ変性物)として、“KZ−122K”(センカ株式会社製)を、各実施例において表1に記載のとおりの使用量で用いた。
前処理剤A(カチオン系ポリマー)として、“AFI−03”(センカ株式会社製)を、各実施例において表1に記載のとおりの使用量で用いた。 前処理剤B(カチオン化樹脂のエポキシ変性物)として、“KZ−122K”(センカ株式会社製)を、各実施例において表1に記載のとおりの使用量で用いた。
前処理剤C(多価フェノール縮合物誘導体)として、“フィックス501”(センカ株式会社製)を、各実施例において表1に記載のとおりの使用量で用いた。
前処理剤D(多価フェノール縮合物誘導体)として、“フィックス剤E−0001”(日華化学株式会社製)を、各実施例において表1に記載のとおりの使用量で用いた。
<前処理方法>
次(1)と(2)の前処理について、各実施例において、表1に記載の処理を採用した。
次(1)と(2)の前処理について、各実施例において、表1に記載の処理を採用した。
(1)浴中カチオン化処理;
編物と、カチオン化処理剤を1〜10%o.w.f.溶解した水溶液との質量比を1:10〜50に調整した。次いでMiniカラー染色機(テクサム技研社製)で40℃から2℃/分の昇温速度で昇温し、100℃の温度で1〜120分間処理した。上記処理液を降温、湯洗、水洗し、次いで蒸熱処理を行った。
編物と、カチオン化処理剤を1〜10%o.w.f.溶解した水溶液との質量比を1:10〜50に調整した。次いでMiniカラー染色機(テクサム技研社製)で40℃から2℃/分の昇温速度で昇温し、100℃の温度で1〜120分間処理した。上記処理液を降温、湯洗、水洗し、次いで蒸熱処理を行った。
(2)浴中アニオン化処理;
編物と、アニオン化処理剤を1〜10%o.w.f.溶解した水溶液との質量比を1:10〜50に調整した。次いでMiniカラー染色機(テクサム技研社製)で40℃から2℃/分の昇温速度で昇温し、100℃の温度で1〜120分間処理した。
上記処理液を降温、湯洗、水洗し、次いで蒸熱処理を行った。
編物と、アニオン化処理剤を1〜10%o.w.f.溶解した水溶液との質量比を1:10〜50に調整した。次いでMiniカラー染色機(テクサム技研社製)で40℃から2℃/分の昇温速度で昇温し、100℃の温度で1〜120分間処理した。
上記処理液を降温、湯洗、水洗し、次いで蒸熱処理を行った。
<処理方法>
次のA、BおよびCの蒸熱処理と乾熱処理について、各実施例において、表1に記載の処理を採用した。
次のA、BおよびCの蒸熱処理と乾熱処理について、各実施例において、表1に記載の処理を採用した。
(1)熱処理A;
表1に記載の処理剤の水溶液に編物を浸漬し、水系液の付着量が30〜200質量%になるようにマングルで絞った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で5〜10分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、60〜80℃で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。
表1に記載の処理剤の水溶液に編物を浸漬し、水系液の付着量が30〜200質量%になるようにマングルで絞った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で5〜10分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、60〜80℃で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。
(2)熱処理B;
まずは表1に記載の処理剤の水溶液に編物を浸漬し、水系液の付着量が30〜200質量%になるようにマングルで絞った。130℃の温度で乾燥した後、160℃で3分間の熱処理を行った。
まずは表1に記載の処理剤の水溶液に編物を浸漬し、水系液の付着量が30〜200質量%になるようにマングルで絞った。130℃の温度で乾燥した後、160℃で3分間の熱処理を行った。
(3)熱処理C;
まずは表1に記載の処理剤の水溶液に編物を浸漬し、水系液の付着量が30〜200重量%になるようにマングルで絞った。次いで、100〜130℃の温度で1〜3分間処理を行った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で5〜10分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、60〜80℃の温度で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。
まずは表1に記載の処理剤の水溶液に編物を浸漬し、水系液の付着量が30〜200重量%になるようにマングルで絞った。次いで、100〜130℃の温度で1〜3分間処理を行った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で5〜10分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、60〜80℃の温度で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。
[実施例1]
この染色上がりの編物を、下記薬品を含む水溶液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で5分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、70℃の温度で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃の温度で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を、表1に示す。表1に示すように、ストレッチ特性に優れているとともに、吸湿性と制電性を有する繊維構造物であった。
・架橋モノマーA(NKエステル23G) 30g/l
・架橋モノマーB(NKエステル35E) 15g/l
・吸湿モノマーA(AMPS) 20g/l
・吸湿モノマーB(アクリル酸:メタクリル酸=1:2) 10g/l
・触媒A(過硫酸アンモニウム) 3g/l。
この染色上がりの編物を、下記薬品を含む水溶液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で5分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、70℃の温度で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃の温度で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を、表1に示す。表1に示すように、ストレッチ特性に優れているとともに、吸湿性と制電性を有する繊維構造物であった。
・架橋モノマーA(NKエステル23G) 30g/l
・架橋モノマーB(NKエステル35E) 15g/l
・吸湿モノマーA(AMPS) 20g/l
・吸湿モノマーB(アクリル酸:メタクリル酸=1:2) 10g/l
・触媒A(過硫酸アンモニウム) 3g/l。
[実施例2]
この染色上がりの編物を、下記薬品を含む水溶液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で5分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、70℃の温度で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃の温度で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を、表1に示す。表1に示すように、ストレッチ特性に優れているとともに、吸湿性と制電性を有する繊維構造物であった。
・架橋モノマーA(NKエステル23G) 30g/l
・架橋モノマーB(NKエステル35E) 30g/l
・吸湿モノマーA(AMPS) 60g/l
・触媒A(過硫酸アンモニウム) 3g/l。
この染色上がりの編物を、下記薬品を含む水溶液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で5分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、70℃の温度で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃の温度で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を、表1に示す。表1に示すように、ストレッチ特性に優れているとともに、吸湿性と制電性を有する繊維構造物であった。
・架橋モノマーA(NKエステル23G) 30g/l
・架橋モノマーB(NKエステル35E) 30g/l
・吸湿モノマーA(AMPS) 60g/l
・触媒A(過硫酸アンモニウム) 3g/l。
[実施例3]
この染色上がりの編物を、下記薬品を含む水溶液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で5分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、70℃の温度で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃の温度で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を表1に示す。表1に示すように、ストレッチ特性に優れているとともに、吸湿性と制電性を有する繊維構造物であった。
・架橋モノマーA(NKエステル23G) 60g/l
・架橋モノマーB(NKエステル35E) 30g/l
・吸湿モノマーA(AMPS) 60g/l
・触媒A(過硫酸アンモニウム) 3g/l。
この染色上がりの編物を、下記薬品を含む水溶液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で5分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、70℃の温度で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃の温度で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を表1に示す。表1に示すように、ストレッチ特性に優れているとともに、吸湿性と制電性を有する繊維構造物であった。
・架橋モノマーA(NKエステル23G) 60g/l
・架橋モノマーB(NKエステル35E) 30g/l
・吸湿モノマーA(AMPS) 60g/l
・触媒A(過硫酸アンモニウム) 3g/l。
[実施例4]
この染色上がりの編物を、下記薬品を含む水溶液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で5分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、60℃の温度で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃の温度で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を表1に示す。表1に示すように、ストレッチ特性に優れているとともに、吸湿性と制電性を有する繊維構造物であった。
・架橋モノマーA(NKエステル23G) 78g/l
・架橋モノマーB(NKエステル35E) 39g/l
・架橋モノマーC 5g/l
・吸湿モノマーA(AMPS) 60g/l
・触媒A(過硫酸アンモニウム) 3g/l。
この染色上がりの編物を、下記薬品を含む水溶液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で5分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、60℃の温度で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃の温度で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を表1に示す。表1に示すように、ストレッチ特性に優れているとともに、吸湿性と制電性を有する繊維構造物であった。
・架橋モノマーA(NKエステル23G) 78g/l
・架橋モノマーB(NKエステル35E) 39g/l
・架橋モノマーC 5g/l
・吸湿モノマーA(AMPS) 60g/l
・触媒A(過硫酸アンモニウム) 3g/l。
[実施例5]
この染色上がりの編物を、下記薬品を含む水溶液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で7分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、60℃の温度で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃の温度で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を表1に示す。表1に示すように、ストレッチ特性に優れているとともに、吸湿性と制電性を有する繊維構造物であった。
・架橋モノマーA(NKエステル23G) 120g/l
・吸湿モノマーA(AMPS) 60g/l
・触媒A(過硫酸アンモニウム) 3g/l
・界面活性剤(エマルゲン420) 0.5g/l。
この染色上がりの編物を、下記薬品を含む水溶液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で7分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、60℃の温度で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃の温度で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を表1に示す。表1に示すように、ストレッチ特性に優れているとともに、吸湿性と制電性を有する繊維構造物であった。
・架橋モノマーA(NKエステル23G) 120g/l
・吸湿モノマーA(AMPS) 60g/l
・触媒A(過硫酸アンモニウム) 3g/l
・界面活性剤(エマルゲン420) 0.5g/l。
[実施例6]
この染色上がりの編物を、カチオン化処理剤を5%o.w.f.溶解した水溶液との質量比を1:20に調整した。次いでMiniカラー染色機(テクサム技研社製)で40℃の温度から2℃/分の昇温速度で昇温し、100℃の温度で20分間処理した。上記処理液を降温、湯洗、水洗し、次いで蒸熱処理を行った前処理編物を、下記薬品を含む水溶液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で7分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、60℃の温度で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を表1に示す。表1に示すように、ストレッチ特性に優れているとともに、吸湿性と制電性を有する繊維構造物であった。
・架橋モノマーA(NKエステル23G) 120g/l
・吸湿モノマーA(AMPS) 60g/l
・触媒A(過硫酸アンモニウム) 3g/l
・界面活性剤(エマルゲン420) 1g/l。
この染色上がりの編物を、カチオン化処理剤を5%o.w.f.溶解した水溶液との質量比を1:20に調整した。次いでMiniカラー染色機(テクサム技研社製)で40℃の温度から2℃/分の昇温速度で昇温し、100℃の温度で20分間処理した。上記処理液を降温、湯洗、水洗し、次いで蒸熱処理を行った前処理編物を、下記薬品を含む水溶液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で7分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、60℃の温度で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を表1に示す。表1に示すように、ストレッチ特性に優れているとともに、吸湿性と制電性を有する繊維構造物であった。
・架橋モノマーA(NKエステル23G) 120g/l
・吸湿モノマーA(AMPS) 60g/l
・触媒A(過硫酸アンモニウム) 3g/l
・界面活性剤(エマルゲン420) 1g/l。
[実施例7]
この染色上がりの編物を、カチオン化処理剤を5%o.w.f.溶解した水溶液との質量比を1:20に調整した。次いでMiniカラー染色機(テクサム技研社製)で40℃の温度から2℃/分の昇温速度で昇温し、100℃の温度で1〜120分間処理した。上記処理液を降温、湯洗、水洗し、次いで蒸熱処理を行った前処理編物を、下記薬品を含む水溶液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で10分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、80℃で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を表1に示す。表1に示すように、ストレッチ特性に優れているとともに、吸湿性と制電性を有する繊維構造物であった。
・架橋モノマーA(NKエステル23G) 200g/l
・架橋モノマーB(NKエステル35E) 20g/l
・吸湿モノマーA(AMPS) 100g/l
・触媒A(過硫酸アンモニウム) 3g/l
・界面活性剤(エマルゲン420) 1g/l。
この染色上がりの編物を、カチオン化処理剤を5%o.w.f.溶解した水溶液との質量比を1:20に調整した。次いでMiniカラー染色機(テクサム技研社製)で40℃の温度から2℃/分の昇温速度で昇温し、100℃の温度で1〜120分間処理した。上記処理液を降温、湯洗、水洗し、次いで蒸熱処理を行った前処理編物を、下記薬品を含む水溶液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で10分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、80℃で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を表1に示す。表1に示すように、ストレッチ特性に優れているとともに、吸湿性と制電性を有する繊維構造物であった。
・架橋モノマーA(NKエステル23G) 200g/l
・架橋モノマーB(NKエステル35E) 20g/l
・吸湿モノマーA(AMPS) 100g/l
・触媒A(過硫酸アンモニウム) 3g/l
・界面活性剤(エマルゲン420) 1g/l。
[比較例1]
仕上げ加工処理を施さない染色上がりの編物の評価結果を、表1に示す。
仕上げ加工処理を施さない染色上がりの編物の評価結果を、表1に示す。
[比較例2]
この染色上がりの編物をアニオン化処理剤を、8%o.w.f.に溶解した水溶液との質量比を1:20に調整した。次いでMiniカラー染色機(テクサム技研社製)で40℃の温度から2℃/分の昇温速度で昇温し、100℃の温度で30分間処理した。上記処理液を降温し、湯洗し、水洗し、次いでピックアップ率80%に設定したマングルで絞った。次いで、130℃の温度で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を、表1に示す。
・架橋モノマーA(NKエステル23G) 60g/l
・架橋モノマーB(NKエステル35E) 30g/l
・吸湿モノマーA(AMPS) 60g/l
・触媒A(過硫酸アンモニウム) 3g/l。
この染色上がりの編物をアニオン化処理剤を、8%o.w.f.に溶解した水溶液との質量比を1:20に調整した。次いでMiniカラー染色機(テクサム技研社製)で40℃の温度から2℃/分の昇温速度で昇温し、100℃の温度で30分間処理した。上記処理液を降温し、湯洗し、水洗し、次いでピックアップ率80%に設定したマングルで絞った。次いで、130℃の温度で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を、表1に示す。
・架橋モノマーA(NKエステル23G) 60g/l
・架橋モノマーB(NKエステル35E) 30g/l
・吸湿モノマーA(AMPS) 60g/l
・触媒A(過硫酸アンモニウム) 3g/l。
[比較例3]
この染色上がりの編物を、下記薬品に溶解した水溶液との質量比を1:10に調整した。次いでMiniカラー染色機(テクサム技研社製)で40℃の温度から2℃/分の昇温速度で昇温し、120℃の温度で20分間処理した。上記処理液を降温、湯洗、水洗した後に、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、60℃の温度で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を、表1に示す。
・吸湿モノマーB(アクリル酸:メタクリル酸=1:2) 20%o.w.f.
・触媒B(ナイパーBMT−K40) 2g/l
・キャリャー剤 2g/l。
[比較例4]
この染色上がりの編物を、アニオン化処理剤を8%o.w.f.溶解した水溶液との質量比を1:20に調整した。次いで、Miniカラー染色機(テクサム技研社製)で40℃の温度から2℃/分の昇温速度で昇温し、100℃の温度で20分間処理した。上記処理液を降温、湯洗、水洗し、次いで蒸熱処理を行った前処理編物を、下記薬品を含む水溶液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で10分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、60℃の温度で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃の温度で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を表1に示す。表1に示すように、質量変化率が50%を超えて、被膜の平均厚さが3000nm以上になり、カンチレバー法による剛軟度向上率が140以上になれば、ストレッチ特性が無くなった吸湿性を有する繊維構造物であった。
・架橋モノマーA(NKエステル23G) 300g/l
・架橋モノマーB(NKエステル35E) 20g/l
・吸湿モノマーA(AMPS) 150g/l
・触媒A(過硫酸アンモニウム) 3g/l。
この染色上がりの編物を、下記薬品に溶解した水溶液との質量比を1:10に調整した。次いでMiniカラー染色機(テクサム技研社製)で40℃の温度から2℃/分の昇温速度で昇温し、120℃の温度で20分間処理した。上記処理液を降温、湯洗、水洗した後に、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、60℃の温度で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を、表1に示す。
・吸湿モノマーB(アクリル酸:メタクリル酸=1:2) 20%o.w.f.
・触媒B(ナイパーBMT−K40) 2g/l
・キャリャー剤 2g/l。
[比較例4]
この染色上がりの編物を、アニオン化処理剤を8%o.w.f.溶解した水溶液との質量比を1:20に調整した。次いで、Miniカラー染色機(テクサム技研社製)で40℃の温度から2℃/分の昇温速度で昇温し、100℃の温度で20分間処理した。上記処理液を降温、湯洗、水洗し、次いで蒸熱処理を行った前処理編物を、下記薬品を含む水溶液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞った。次いで、100℃の温度の飽和水蒸気で10分間処理を行った後、炭酸ナトリウム5g/Lのアルカリ水溶液を作成し、編物と炭酸ナトリウムのアルカリ水溶液の質量比を1:20に調整して、60℃の温度で30分間処理し金属塩化処理を行った後、60℃の温度で湯洗い、水洗し、脱水し、130℃の温度で乾燥した後、160℃の温度で3分間の熱処理を行った。仕上反の評価結果を表1に示す。表1に示すように、質量変化率が50%を超えて、被膜の平均厚さが3000nm以上になり、カンチレバー法による剛軟度向上率が140以上になれば、ストレッチ特性が無くなった吸湿性を有する繊維構造物であった。
・架橋モノマーA(NKエステル23G) 300g/l
・架橋モノマーB(NKエステル35E) 20g/l
・吸湿モノマーA(AMPS) 150g/l
・触媒A(過硫酸アンモニウム) 3g/l。
表1から、本発明のポリエステル繊維構造物は、高い吸放湿性と洗濯耐久性および経時劣化の少ない繊維構造物であると言える。
1:単繊維表面に被膜状に付着されている吸湿性を有する高分子化合物
2:単繊維間隙に被膜状につながって付着されている吸湿性を有する高分子化合物
3:単繊維
4:単繊維間隙
5:単繊維間隙に点状につながっている吸湿性を有する高分子化合物
6:単繊維間隙に塊状に充填されている吸湿性を有する高分子化合物
X:単繊維の重心
2:単繊維間隙に被膜状につながって付着されている吸湿性を有する高分子化合物
3:単繊維
4:単繊維間隙
5:単繊維間隙に点状につながっている吸湿性を有する高分子化合物
6:単繊維間隙に塊状に充填されている吸湿性を有する高分子化合物
X:単繊維の重心
Claims (5)
- ポリエステル繊維からなる繊維構造物において、前記繊維構造物の単繊維表面に吸湿性を有する高分子化合物が被膜状に付着されており、および/または、前記構造物の単繊維間隙に吸湿性を有する高分子化合物が被膜状につながって付着されており、その被膜の平均厚さが500nm以上3000nm以下で、吸湿係数が0.02以上0.5以下であり、かつ放湿係数が0.02以上0.5以下であることを特徴とするポリエステル繊維構造物。
- 繊維構造物の単繊維表面におよび/または単繊維間隙に被膜状に付着されている吸湿性を有する高分子化合物は、窒素が繊維構造物の全繊維質量に対し0.05〜2.0質量%含まれており、かつ、スルホン酸基が繊維構造物の全繊維質量に対し0.3〜12.0質量%含まれているものであることを特徴とする請求項1記載のポリエステル繊維構造物。
- 繊維構造物の分解糸強力低下率(%)が80%以上であることを特徴とする請求項1または2記載のポリエステル繊維構造物。
- 繊維構造物のカンチレバー法による剛軟度向上率が100%以上140%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル繊維構造物。
- 吸湿性を有する高分子化合物が、下記一般式[I]
−CO−NH−X1−SO3R [I]
(式中、X1は脂肪族基または芳香族基を表し、RはHまたは金属を表す。)で示される構造を有する高分子化合物である請求項1または2記載のポリエステル繊維構造物。
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JP2019085680A (ja) * | 2017-11-09 | 2019-06-06 | ユニチカトレーディング株式会社 | 吸水性編物 |
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