JP2015166306A - カバーガラスおよびカバーガラス付き表示装置 - Google Patents

カバーガラスおよびカバーガラス付き表示装置 Download PDF

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【課題】高い取り扱い性および硬さを備えた材料によって補強されたカバーガラスを提供する。【解決手段】カバーガラスは、ガラスからなる単位基材と、単位基材の第1面上に設けられ、所定の色を呈する加飾部と、単位基材の少なくとも側面上に設けられ、硬化性材料を含む補強部と、を備えている。補強部および加飾部は、カバーガラスの観察者側から見た場合に互いに連続的に視認されるよう配置されている。補強部は、樹脂を含み、かつ所定の色を呈するよう構成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、表示装置の観察者側に設けられるカバーガラスに関する。また本発明は、カバーガラスが設けられた表示装置に関する。
従来から、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置の観察者側に、表示装置の表示面を保護するためのカバーガラスを設けることが知られている。タッチパネル機能が表示装置に搭載される場合、カバーガラスは、表示装置や、表示装置の観察者側に設けられるタッチパネルセンサを保護するという役割も果たす。なお、カバーガラスとタッチパネルセンサとが一体に構成されたものも知られている。
近年、スマートフォンやタブレットPCなど、表示装置付きの携帯端末の普及が著しい。携帯端末においては、使用環境において生ずる落下衝撃に対する耐久性が求められる。よって表示装置を保護するカバーガラスには、頻繁に生じる衝撃に耐え得るような高い強度が求められる。このような背景の下、例えば特許文献1において、圧縮応力が生じている圧縮応力層がその表面に形成されている強化ガラスを用いてカバーガラスを構成することが提案されている。
特許文献1においては、大型の強化ガラスを分割して個片化することにより、個々の表示装置の寸法に対応した寸法を有するカバーガラスが作製されている。ところで強化ガラスの圧縮応力層は、化学処理、又は、熱処理によってガラス表面に形成されるものである。従って、特許文献1のように大型の強化ガラスを分割した場合、得られるカバーガラスの側面には、引張応力が生じている引張応力層が露出することになる。このため特許文献1に記載の方法によっては、側面における十分な強度を備えたカバーガラスを製造することができないと考えられる。
一方、カバーガラスの側面上に樹脂を設けることによってカバーガラスの側面の強度を高めるという手法が提案されている。例えば特許文献2においては、カバーガラスの側面の少なくとも一部をポリマーコーティングによって覆うことが提案されている。
特開2012−88946号公報 特表2012−527399号公報
カバーガラスの側面の耐擦傷性を高める上では一般に、カバーガラスの側面に設けられたコーティングの硬度が高いほど好ましい。一方、コーティングの硬度が高くなるほど、コーティングを構成する材料の取り扱い性が低下することが考えられる。例えば、ガラスに対してコーティングが密着し難くなることや、ガラス側面上におけるコーティングの厚みを十分に確保できなくなることが考えられる。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、高い取り扱い性および硬さを備えた材料によって補強されたカバーガラスおよびカバーガラス付き表示装置を提供することを目的とする。
第1の本発明は、表示装置の観察者側に設けられるカバーガラスであって、表示装置側を向く第1面、前記第1面の反対側にある第2面、および前記第1面と前記第2面との間に広がる側面を含み、ガラスからなる単位基材と、前記単位基材の第1面上に設けられ、所定の色を呈する加飾部と、前記単位基材の少なくとも側面上に設けられた樹脂材料からなる補強部と、を備え、前記補強部および前記加飾部は、前記カバーガラスの観察者側から見た場合に互いに連続的に視認されるよう配置されており、前記補強部は、樹脂を含み、かつ所定の色を呈するよう構成されている、カバーガラスである。
第1の本発明によるカバーガラスにおいて、前記補強部は、前記加飾部が呈する色と同色の色を呈するよう構成されていてもよい。
第1の本発明によるカバーガラスにおいて、前記補強部は、前記樹脂中に分散され、所定の色を呈する複数のフィラーをさらに含んでいてもよい。
第1の本発明によるカバーガラスにおいて、好ましくは、前記補強部のユニバーサル硬度が500〜750N/mmの範囲内である。
第1の本発明によるカバーガラスにおいて、前記フィラーは、カーボンブラック、酸化チタンまたは窒化チタンを含んでいてもよい。
第1の本発明によるカバーガラスにおいて、前記補強部における前記フィラーの含有量が0.1〜15重量%の範囲内であってもよい。
第1の本発明によるカバーガラスにおいて、前記補強部の前記樹脂は、所定の色を呈するよう構成されていてもよい。
第1の本発明によるカバーガラスにおいて、前記補強部は、前記樹脂に添加され、所定の色を呈する染料をさらに含んでいてもよい。
第2の本発明は、表示装置の観察者側に設けられるカバーガラスであって、表示装置側を向く第1面、前記第1面の反対側にある第2面、および前記第1面と前記第2面との間に広がる側面を含み、ガラスからなる単位基材と、前記単位基材の少なくとも側面上に設けられた樹脂材料からなる補強部と、を備え、前記補強部は、バインダー樹脂と、バインダー樹脂中に分散された複数のフィラーと、を含み、前記補強部のユニバーサル硬度が500〜750N/mmの範囲内である、カバーガラスである。
第2の本発明によるカバーガラスにおいて、前記フィラーは、酸化珪素を含んでいてもよい。
第2の本発明によるカバーガラスにおいて、前記補強部における前記フィラーの含有量が1〜15重量%の範囲内であってもよい。
本発明によるカバーガラスにおいて、前記単位基材は、少なくとも前記第1面および前記第2面に形成された圧縮応力層と、前記第1面側の前記圧縮応力層と前記第2面側の前記圧縮応力層との間に位置する引張応力層と、を含み、前記単位基材の前記側面に前記引張応力層が露出していてもよい。
本発明によるカバーガラスにおいて、前記単位基材の前記第1面上に、タッチパネルセンサ部の少なくとも一部が設けられていてもよい。
本発明によるカバーガラスにおいて、前記補強部は、前記単位基材の前記第2面と同一平面上で前記単位基材の前記第2面の端部から側方へ延びる面を含んでいてもよい。
本発明は、表示装置と、前記表示装置の観察者側に配置されたカバーガラスと、を備え、前記カバーガラスが、上記記載のカバーガラスからなる、カバーガラス付き表示装置である。
第1の本発明によれば、ガラスからなる単位基材の少なくとも側面上に設けられる補強部は、樹脂を含み、かつ所定の色を呈するよう構成されている。また補強部は、所定の色を呈する加飾部と連続的に視認されるよう配置される。このため補強部は、加飾部とともに、カバーガラスの意匠性を高めるよう機能することができる。従って第1の本発明によれば、強度および意匠性に優れたカバーガラスを提供することができる。
第2の本発明によれば、ガラスからなる単位基材の少なくとも側面上に設けられる補強部は、バインダー樹脂と、バインダー樹脂中に分散された複数のフィラーと、を含んでいる。このため、フィラーの硬さを適切に設定することによって、補強部の硬さを調整することができる。従って、高い取り扱い性を維持しながら、補強部の硬さを500〜750N/mmの範囲内にすることができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるカバーガラス付き表示装置を示す展開図。 図2は、図1のカバーガラスに設けられたタッチパネルセンサ部を示す平面図。 図3は、図2のカバーガラスの、III線に沿った断面図。 図4は、図2のカバーガラスの、IV線に沿った断面図。 図5は、図3のカバーガラスの側面を拡大して示す断面図。 図6Aは、大型の強化ガラスからなる基材を用いて、単位基材および保護膜を有する単位中間体を形成する工程の一部を示す図。 図6B(a)(b)は、大型の強化ガラスからなる基材を用いて、単位基材および保護膜を有する単位中間体を形成する工程の一部を示す図。 図6Cは、大型の強化ガラスからなる基材を用いて、単位基材および保護膜を有する単位中間体を形成する工程の一部を示す図。 図7は、単位中間体の単位基材の側面に樹脂を設けることによって、側面が補強されたカバーガラスを得る工程の一部を示す図。 図8Aは、比較の形態におけるカバーガラスを作製する工程の一部を示す図。 図8Bは、比較の形態におけるカバーガラスを作製する工程の一部を示す図。 図9は、第1の実施の形態の第1の変形例におけるカバーガラスを示す断面図。 図10は、第1の実施の形態の第2の変形例におけるカバーガラスを示す断面図。 図11Aは、第1の実施の形態の第3の変形例における単位中間体を示す断面図。 図11Bは、図11Aに示す単位中間体の単位基材の側面上に塗布液が塗布された状態を示す断面図。 図11Cは、図11Bに示す単位中間体から溢れ出ていた塗布液が掻きとられた状態を示す断面図。 図11Dは、第1の実施の形態の第3の変形例におけるカバーガラスを示す断面図。 図12Aは、第1の実施の形態の第4の変形例において、単位基材および保護膜を有する単位中間体を形成する工程の一部を示す図。 図12Bは、第1の実施の形態の第4の変形例において、単位基材および保護膜を有する単位中間体を形成する工程の一部を示す図。 図12Cは、第1の実施の形態の第4の変形例において、単位基材および保護膜を有する単位中間体を形成する工程の一部を示す図。 図13Aは、第1の実施の形態の第4の変形例において、単位中間体の単位基材の側面に補強部を形成する工程の一部を示す図。 図13Bは、第1の実施の形態の第4の変形例において、単位中間体の単位基材の側面に補強部を形成する工程の一部を示す図。 図13Cは、第1の実施の形態の第4の変形例において、単位中間体の単位基材の側面に補強部を形成する工程の一部を示す図。 図14は、本発明の第2の実施の形態におけるカバーガラスを示す断面図。 図15は、カバーガラスの曲げ強度を測定するために用いた測定器を示す図。 図16は、第1の実施の形態の第6の変形例におけるカバーガラスを示す平面図。 図17は、第1の実施の形態の第6の変形例において、補強部を形成する方法の一例を示す図。
第1の実施の形態
以下、図1乃至図7を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
(カバーガラス付き表示装置)
はじめに図1を参照して、カバーガラス付き表示装置10について説明する。図1に示すように、カバーガラス付き表示装置10は、表示装置15とカバーガラス20とを組み合わせることによって構成されている。図示された表示装置15は、フラットパネルディスプレイとして構成されている。表示装置15は、表示面16aを有した表示パネル16と、表示パネル16に接続された表示制御部(図示せず)と、を有している。表示パネル16は、映像を表示することができるアクティブエリアA1と、アクティブエリアA1を取り囲むようにしてアクティブエリアA1の外側に配置された非アクティブエリア(額縁領域とも呼ばれる)A2と、を含んでいる。表示制御部は、表示されるべき映像に関する情報を処理し、映像情報に基づいて表示パネル16を駆動する。表示パネル16は、表示制御部の制御信号に基づいて、所定の映像を表示面16aに表示する。すなわち、表示装置15は、文字や図等の情報を映像として出力する出力装置としての役割を担っている。
図1に示すように、カバーガラス20は、表示装置15の観察者側において表示パネル16の表示面16a上に配置されている。このカバーガラス20は例えば、表示装置15の表示面16a上に接着層(図示せず)を介して接着されている。図1において、カバーガラス20の表示装置側の面(第1面)が符号20aで表され、観察者側の面(第2面)が符号20bで表されている。
なお本実施の形態において、カバーガラス20は、表示装置15を保護するという役割だけでなく、タッチパネル機能をも果たすように構成されている。具体的には、カバーガラス20の表示装置15側の第1面20aには、外部導体の接近や接触を検知するためのセンサ電極を含むタッチパネルセンサ部40が設けられている。またカバーガラス20の第1面20aの非アクティブエリアAa2には、所定の色を呈する加飾部60がさらに設けられている。
(タッチパネルセンサ)
次に図2を参照して、カバーガラス20の第1面20aに設けられたタッチパネルセンサ部40について説明する。図2は、カバーガラス20を第1面20a側から見た場合を示す平面図である。なお図2においては、説明の便宜上、加飾部60が省略されている。図2に示されたタッチパネルセンサ部40は、投影型の静電容量結合方式として構成され、タッチパネルセンサ部40への外部導体(例えば、人間の指)の接触位置(タッチ位置とも称する)を検出可能に構成されている。
図2に示すように、カバーガラス20の第1面20aは、表示パネル16のアクティブエリアA1および非アクティブエリアA2に対応して、タッチ位置を検出され得る領域に対応するアクティブエリアAa1と、アクティブエリアAa1の周辺に位置する非アクティブエリアAa2と、に区画される。またタッチパネルセンサ部40は、アクティブエリアAa1に配置された複数のセンサ電極41,42と、対応するセンサ電極41,42に接続されるとともに、カバーガラス20の非アクティブエリアAa2に配置された複数の取出配線43と、対応する取出配線43に接続された複数の端子部44と、を備えている。
センサ電極41,42は、図2に示すように、第1方向D1に沿って延びる複数の第1センサ電極41と、第1方向D1に直交する第2方向D2に沿って延びる複数の第2センサ電極42と、を有している。第1センサ電極41は、第1方向D1に沿って直線状に延びる第1ライン部41aと、第1ライン部41aから膨出した第1膨出部41bと、を有していてもよい。同様に第2センサ電極42は、第2方向D2に沿って延びる第2ライン部42aと、第2ライン部42aから膨出した第2膨出部42bと、を有していてもよい。
取出配線43は、対応するセンサ電極41,42によって検出された信号を端子部44まで伝達するために非アクティブエリアAa2に設けられたものである。取出配線43によって端子部44まで伝達された信号は、端子部44に取り付けられたフレキシブル基板(図示せず)などを介して検出制御部へ伝達される。
(カバーガラス、タッチパネルセンサ部および加飾部の層構成)
次に図3乃至図5を参照して、カバーガラス20およびカバーガラス20の第1面20aに設けられたタッチパネルセンサ部40および加飾部60の層構成について説明する。図3および図4はそれぞれ、図2に示すカバーガラス20の線IIIおよび線IVに沿った断面図である。また図5は、図3のカバーガラス20の側面20c近傍を拡大して示す断面図である。
はじめにカバーガラス20のアクティブエリアAa1に配置される構成要素の層構成について説明する。図3および図4に示すように、タッチパネルセンサ部40の第1ライン部41a、第1膨出部41bおよび第2膨出部42bは、同一平面上に形成されたものであってもよい。この場合、酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電性材料からなる透明導電層51をパターニングすることによって、第1ライン部41a、第1膨出部41bおよび第2膨出部42bを同時に形成することが可能である。
図3および図4に示すように、第1ライン部41aおよび第2ライン部42aは、カバーガラス20の法線方向から見た場合に互いに部分的に重なるよう形成されている。この場合、第1ライン部41aと第2ライン部42aとの間に絶縁層47を介在させることにより、第1ライン部41aと第2ライン部42aとの間が導通することを防ぐことができる。なお図示はしないが、絶縁層47は、第1ライン部41aと第2ライン部42aとの間だけでなく、第1膨出部41b上や第2膨出部42b上にも設けられていてもよい。
第2ライン部42aが導電性を有する限りにおいて、第2ライン部42aを構成する材料が特に限られることはない。例えば第2ライン部42aは、第1ライン部41a、第1膨出部41bおよび第2膨出部42bと同様に酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電性材料から構成されていてもよく、若しくは、銀合金や銅などの不透過の導電性材料から構成されていてもよい。本実施の形態においては、第2ライン部42aが、取出配線43および端子部44にも含まれる金属層52によって構成されている例について説明する。
次にカバーガラス20の非アクティブエリアAa2に配置される構成要素の層構成について説明する。図3および図4に示すように、非アクティブエリアAa2には、加飾部60が、上述の取出配線43よりも観察者側に位置するよう配置されている。この場合、加飾部60が、観察者側に居るユーザーからカバーガラス20を介して視認されることになる。すなわち、カバーガラス付き表示装置10において、非アクティブエリアAa2の見え方は、加飾部60およびその周辺の構成要素によって決定されることになる。
加飾部60の色は、カバーガラス付き表示装置10に対して求められる意匠性に応じて選択される。例えば加飾部60の色の例として、黒色、白色、水色、桃色、緑色などを挙げることができる。加飾部60を構成する材料は、選択された色に応じて決定されるが、例えば白色が求められる場合、加飾部60は、酸化チタンなどの着色顔料が分散された樹脂材料から構成される。
次にカバーガラス20の構成について説明する。図3および図4に示すように、カバーガラス20は、単位基材22および補強部26を備えている。単位基材22は、ガラスから構成されており、補強部26は、樹脂材料から構成されている。単位基材22は、表示装置側の第1面22a、第1面22aと反対側の第2面22b、および、第1面22aと第2面22bとの間に広がる側面22c、を含んでいる。また図5に示すように、加飾部60は、表示装置側の第1面60a、単位基材22の第1面22aに面する第2面60b、および、第1面60aと第2面60bとの間に広がる側面60c、を含んでいる。そして補強部26は、単位基材22の側面22cおよび加飾部60の側面60cに接するように設けられている。
後述するように、単位基材22は、大型の強化ガラスからなる基材30を分割して個片化することによって得られたものである。この単位基材22は、図5に示すように、第1面22aおよび第2面22bに形成された圧縮応力層24aと、第1面22a側の圧縮応力層24aと第2面22b側の圧縮応力層24aとの間に位置する引張応力層24bと、を含んでいる。圧縮応力層24aとは、圧縮応力が生じている層のことであり、引張応力層24bとは、引張応力が生じている層のことである。これら圧縮応力層24aおよび引張応力層24bを生じさせる方法としては、物理強化(風冷強化)や化学強化が知られている。例えば化学強化においては、歪点以下の温度で、ガラス中に含まれるアルカリイオンを、よりイオン半径の大きな他のアルカリイオンに交換するという化学的な処理が実施される。これによって、イオンが交換された表層付近に圧縮応力を発生させることができる。圧縮応力層24aを形成することにより、第1面22aまたは第2面22bに何らかの衝撃が加えられ、これによって第1面22aまたは第2面22bにクラックなどの傷が形成された場合であっても、傷が拡大することを防ぐことができる。このため、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bは、衝撃に対する高い耐久性を有している。単位基材22を構成する材料としては、例えばアルミノシリケートガラスが用いられ得る。
一方、図5に示すように、単位基材22の引張応力層24bは、単位基材22の側面22cにまで達している。すなわち単位基材22の側面22cでは引張応力層24bが露出している。このため単位基材22の側面22cは、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bと比較して、クラックなどの損傷に対して弱くなっている。上述の補強部26は、このような単位基材22の側面22cを保護する役割を果たすことができる。
単位基材22の厚みは、求められる強度や、カバーガラス20の面積などに応じて適切に設定されるが、例えば0.1mm〜1mmの範囲内になっている。また、単位基材22の圧縮応力層24aの厚みは、求められる強度や、後述する基材30を切断する際に求められる切断性などに応じて適切に設定されるが、例えば10〜50μmの範囲内になっている。
次に、補強部26について詳細に説明する。図5に示すように、補強部26は、単位基材22の側面22cの法線方向に沿って見た場合に単位基材22の側面22cおよび加飾部60の側面60cと重なる側面26cを含んでいる。また補強部26は、加飾部60の第1面60aと同一平面上で第1面60aの端部60aeから側方へ延びる第1面26a、および/または、単位基材22の第2面22bと同一平面上で第2面22bの端部22beから側方へ延びる第2面26bを含んでいてもよい。補強部26がこのような第1面26aおよび第2面26bを含む場合、補強部26と加飾部60および/または単位基材22との間に段差が全くまたはほとんど存在しないことになる。このため、補強部26と加飾部60および/または単位基材22との間の境界が観察者から視認されてしまうことを抑制することができる。従って、補強部26によるカバーガラス20の側面20cの強度の確保と、カバーガラス20の意匠性の確保とを両立させることができる。また、タッチパネルの操作感が段差によって阻害されてしまうこともない。
また補強部26は、単位基材22の第2面22b側の鋭い端部22beが露出することを抑制する、という役割を果たすこともできる。このため、カバーガラス20を表示装置15に組み合わせて表示装置10を作製する際に、作業者の手が端部22beに触れて手を怪我してしまうことを抑制することができる。また、本実施の形態のように表示装置10がタッチパネル機能を有する場合には、タッチパネル操作時に使用者の手が端部22beに触れて手を怪我してしまうことを抑制することができる。
なお図5においては、単位基材22の側面22cが、第1面22aと第2面22bとの間をほぼ平坦に広がる平坦面として構成されている例が示されている。しかしながら、側面22cの形態が平坦面に限られることはない。例えば、側面22cは湾曲面であってもよい。また側面22cは、様々な方向に広がる複数の面の組合せとして構成されていてもよい。この場合、「側面22cの法線方向」は、第1面22aまたは第2面22bの少なくとも一方に直交する仮想的な平面の法線方向として定義されてもよい。
単位基材22の側面22cと同様に、加飾部60の側面60cの形態も、平坦面に限られることはない。
図5において、単位基材22の側面22c上における補強部26の被覆寸法(初期の被覆寸法)が符号Tで表されている。補強部26の被覆寸法Tは、カバーガラス20の側面20cなどに衝撃が加えられた場合であっても単位基材22の側面22cを保護することができるよう、適切に設定されている。例えば補強部26の被覆寸法Tは、50μm以上、より好ましくは100μm以上に設定されている。一方、補強部26の被覆寸法Tが大きくなりすぎると、カバーガラス20に衝撃が加えられた場合に補強部26が単位基材22から剥離しやすくなることが考えられる。また、カバーガラス20におけるガラスの割合が減少し、樹脂の割合が増加するので、カバーガラス20の強度が低下することも考えられる。この点を考慮し、補強部26の被覆寸法Tは、例えば500μm以下に設定される。
次に、補強部26を構成する材料について説明する。
図5に示すように、補強部26は、バインダー樹脂28aと、バインダー樹脂28a中に分散された複数のフィラー28bと、を含んでいる。フィラー28bとは、補強部26の機能を高めるために配置される無機または有機の微粒子のことである。フィラー28bを利用して補強部26を形成することにより、補強部26に、バインダー樹脂28aに基づく特性に加えて、フィラー28bに基づく特性を付与することができる。例えば、成形性および密着性に優れたバインダー樹脂28a中に、硬質のフィラー28bを分散させることにより、優れた成形性および密着性を有し、かつ十分な機械的強度を備えた補強部26を得ることができる。
好ましくは補強部26は、そのユニバーサル硬度が500〜750N/mmの範囲内となるよう、構成されている。例えば、フィラー28bを構成する材料や、補強部26におけるフィラー28bの含有量を調整することにより、上記のユニバーサル硬度を実現することができる。例えば、補強部26におけるフィラー28bの含有量が、0.1〜15重量%の範囲内に設定される。上記のユニバーサル硬度を実現することにより、衝撃などに起因する外力が補強部26に加えられた場合に、補強部26が損傷してしまうことを抑制することができる。
補強部26のユニバーサル硬度は、例えばDIN50359に規定された試験方法によって測定され得る。
また本実施の形態において、補強部26のフィラー28bとしては、無色透明のものではなく、所定の色を呈することができるものが用いられる。従って、フィラー28bが分散されている補強部26も、所定の色を呈するものとして観察者によって視認される。このように本実施の形態において、フィラー28bは、機械的強度を補強部26に付与するだけでなく、意匠性を補強部26に付与することもできる。
フィラー28bを構成する材料は、補強部26に対して求められる色に応じて適切に設定される。例えばフィラー28bがカーボンブラックを含む場合、補強部26は黒色を呈することができる。カーボンブラックを含むフィラー28bの粒子径の平均値は、例えば0.01〜0.1μmの範囲内となっている。また、フィラー28bが酸化チタンを含む場合、補強部26は白色を呈することができる。酸化チタンを含むフィラー28bの粒子径の平均値は、例えば0.01〜2.0μmの範囲内となっている。また、フィラー28bが窒化チタンを含む場合、補強部26は黒色を呈することができる。窒化チタンを含むフィラー28bの粒子径の平均値は、例えば0.01〜0.1μmの範囲内となっている。
ところで上述のように、補強部26は、加飾部60の側面60cと接するよう設けられている。このため、カバーガラス20の観察者側から補強部26および加飾部60を見た場合、補強部26および加飾部60は、互いに連続的に視認される。すなわち、観察者側からカバーガラス20を見た場合、加飾部60によって呈される色と、補強部26によって呈される色とが連続的に隙間無く視認される。このため、補強部26が無色透明なものである場合に比べて、所望の色を呈することができる非アクティブエリアAa2の範囲をより外側に広げることができる。これによって、カバーガラス20の外周部からの光漏れの防止など、意匠性の向上を図ることができる。
補強部26は、加飾部60が呈する色と同色の色を呈するよう構成されていてもよい。例えば、補強部26のフィラー28bが呈する色が、加飾部60が呈する色と同色になるよう、フィラー28bが選択される。これによって、同一の色を呈することができる非アクティブエリアAa2の範囲をより外側に広げることができる。
なお「同色」とは、肉眼では色の違いを判別できない程度に2つの色の色度が近接していることを意味している。より具体的には、「同色」とは、2つの色の色差ΔE abが10以下、好ましくは3以下であることを意味している。また「異色」とは、2つの色の色差ΔE abが10よりも大きいことを意味している。ここで色差ΔE abとは、L表色系におけるL、aおよびbに基づいて算出される値であり、肉眼で観察された場合の色の相違に関する指標となる値である。
補強部26のバインダー樹脂28aとしては、アクリル系樹脂などのUV硬化性樹脂材料、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂やウレタン系樹脂などを用いることができる。
(カバーガラスの製造方法)
次に、以上のような構成からなるカバーガラス20を製造する方法について、図6A〜図7を参照して説明する。
はじめに図6A〜図6Cを参照して、大型の強化ガラスからなる基材30をベースとして、基材30が分割された単位基材22を含む単位中間体35を形成する工程について説明する。なお図6A、図6B(a)および図6Cは、本工程における基材30を示す断面図である。また図6B(b)は、本工程における基材30を示す平面図である。
まず図6Aに示すように、大型の強化ガラスからなる基材30を準備する。基材30は、第1面30a、第1面30aの反対側にある第2面30b、および、第1面30aと第2面30bとの間に広がる側面30c、を含んでいる。図6Aに示すように、基材30の第1面30a、第2面30bおよび側面30cには圧縮応力層24aが形成されており、そして圧縮応力層24aの内側には引張応力層24bが存在している。このように基材30の表面は全て圧縮応力層24aによって形成されている。
次に図6B(a)(b)に示すように、基材30の第1面30a上において、所定の複数の区画に加飾部60およびタッチパネルセンサ部40を形成する(要素部形成工程)。例えば図6B(b)においては、基材30の第1面30aを紙面の上下方向で2行に区画し紙面の左右方向で3列に区画することによって得られる6区画のそれぞれに、加飾部60およびタッチパネルセンサ部40が形成される。なお基材30の区画数が特に限られることはない。第1面30a側に加飾部60およびタッチパネルセンサ部40を形成する方法としては、公知の方法が適宜用いられ、例えばフォトリソグラフィー法が用いられる。なお以下の説明において、タッチパネルセンサ部40および加飾部60を要素部70と総称することもある。
その後、図6Cに示すように、基材30の各区画に沿って基材30を切断する切断工程を実施する。基材30を切断する方法は特には限られないが、例えば、レーザーを用いた加工によって基材30を切断することができる。このようして、単位基材22を含む単位中間体35を得ることができる。なお基材30の切断面(単位基材22の側面22c)の平坦性や鏡面性を確保するため、切断後にエッチングや研磨によって基材30の切断面を整えてもよい。
次に、単位中間体35の単位基材22の側面22cに補強部(樹脂等)を設けることによって、側面が補強されたカバーガラス20を得る工程について、図7を参照して説明する。
はじめに、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂などの硬化性材料を含む塗布液27を単位基材22の側面22c上および側面60c上に塗布する塗布工程を実施する。ここでは、アクリル系樹脂からなるバインダー樹脂28aと、フィラー28bと、光重合開始剤とを含む塗布液27が用いられる場合について説明する。
塗布工程において、単位基材22は、塗布液27がその上に塗布される側面22cが上方を向くよう保持される。この状態で、ディスペンサー法やロールコート法などを用いることによって、単位基材22の所定の側面22c上および加飾部60の側面60c上に塗布液27を塗布する。その後、塗布液27に紫外線などの光を照射する硬化工程を実施することによって、塗布液27を硬化させる。これによって、単位基材22の所定の側面22c上に補強部26が形成される。これら塗布工程および硬化工程を全ての側面22cに対して実施することによって、図7に示すように、単位基材22と、単位基材22の側面22c上および加飾部60の側面60c上に設けられた補強部26と、を備えたカバーガラス20を得ることができる。
本実施の形態によれば、単位基材22の側面22c上に、バインダー樹脂28aと、バインダー樹脂28a中に分散された複数のフィラー28bと、を含む補強部26が設けられている。このため、フィラー28bの硬さを適切に設定することによって、補強部26の硬さを調整することができる。従って、高い取り扱い性を維持しながら、補強部26の硬さを十分に高めることができ、これによって、単位基材22の側面22cにクラックなどの損傷が生じることを抑制することができる。このことにより、仮に単位基材22の側面22cに圧縮応力層が形成されていない場合であっても、カバーガラス20の耐衝撃性などの耐久性を十分に高くすることができる。
また本実施の形態において、補強部26のフィラー28bとして上述のように、所定の色を呈するものが用いられる。また補強部26は、所定の色を呈する加飾部60と連続的に視認されるよう配置される。このため補強部26は、加飾部60とともに、カバーガラス20の意匠性を高めるよう機能することができる。従って本実施の形態によれば、強度および意匠性に優れたカバーガラス20を提供することができる。
また本実施の形態によれば、カバーガラス20の側面20cが、樹脂からなる補強部26によって構成されていることから、カバーガラス20の側面20cがガラスで構成されている場合に比べて、カバーガラス20の側面20cのエッジ部について、面取りなどによる裂傷防止加工をする必要がない。
比較の形態
次に、本実施の形態の効果を、比較の形態と比較して説明する。図8Aおよび図8Bは、比較の形態におけるカバーガラス120を作製する工程を示す図である。なお比較の形態による補強部126は、フィラーや着色顔料を含むものではない。
比較の形態においては、上述のように、補強部126にはフィラーや着色顔料が含まれていない。このため、所定の色を呈することができる領域をより外側に広げるためには、図8Aに示すように単位基材22の側面22c上に補強部126を設けた後、図8Bに示すように、既に設けられている加飾部60の外側に追加加飾部62を設ける工程をさらに実施する必要がある。
これに対して上述の本実施の形態によれば、補強部26は、所定の色を呈するフィラー28bを含んでいる。このため、加飾部60だけでなく補強部26も、カバーガラス20の意匠性に寄与することができる。従って、補強部26および加飾部60が互いに連続的に視認されるよう補強部26および加飾部60を配置することにより、意匠性に優れた備えたカバーガラス20をより少ない工数で得ることができる。このため、カバーガラス20を作製することに要するコストを低減することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、いくつかの変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1の変形例)
図9に示すように、補強部26は、単位基材22の側面22cや加飾部60の側面60cだけでなく単位基材22の第2面22bの一部や加飾部60の第1面60aの一部を覆うよう、設けられていてもよい。この場合、単位基材22の第1面22aの法線方向に沿って見た場合に補強部26と加飾部60とが部分的に重なるので、補強部26および加飾部60が連続的に視認されるようになる。このような補強部26は、例えばディップコート法によって上述の塗布液27を単位基材22の側面22cおよび加飾部60の側面60cに設けることにより、作製され得る。
(第2の変形例)
上述の本実施の形態においては、基材30の第1面30a上に加飾部60およびタッチパネルセンサ部40を含む要素部70を形成する要素部形成工程が、基材30を切断して単位中間体35を形成する工程や、単位中間体35の単位基材22の側面22cに補強部26を形成する工程に先行して実施される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、基材30を切断する工程を、タッチパネルセンサ部40は設けられてないが加飾部60は設けられている状態の基材30に対して実施してもよい。また図10に示すように、タッチパネルセンサ部40は設けられてない状態の単位基材22の側面22cおよび加飾部60の側面60cに補強部26を形成して、カバーガラス20を得てもよい。その後、カバーガラス20の第1面20a上にタッチパネルセンサ部40を形成してもよい。若しくは、タッチパネルセンサ部40を別個形成し、接着剤などを用いて組み合わせることによりカバーガラス20を形成した後に、表示装置15と組み合わせたりしてもよい。
(第3の変形例)
本変形例においては、単位基材22の第1面22aおよび第2面22b上に設けられた第1保護膜81および第2保護膜82を利用して、単位基材22の側面22c上および加飾部60の側面60c上に高い外形寸法精度で補強部26を形成する例について説明する。
まず図11Aに示すように、単位基材22と、単位基材22の第1面22a上の要素部70上に設けられた第1保護膜81および単位基材22の第2面22b上に設けられた第2保護膜82と、を有する単位中間体35を準備する。第1保護膜81は、加飾部60の第1面60aよりも側方に突出するよう構成されており、かつ、第2保護膜82は、単位基材22の第2面22bよりも側方に突出するよう構成されている。第1保護膜81および第2保護膜82は、基材30を切断して単位基材22を得る前に設けられたものであってもよく、若しくは、基材30を切断して単位基材22を得た後に設けられたものであってもよい。第1保護膜81および第2保護膜82を構成する材料としては、例えば、50〜100μm程度の厚みを有する二軸延伸ポリプロピレンや無延伸ポリプロピレンなどを用いることができる。
なお図11Aに示す例においては、第1保護膜81の形状が、単位基材22上の加飾部60の形状に追従できず、この結果、第1保護膜81と単位基材22の第1面22aとの間に隙間が形成されている。このような隙間は、加飾部60の厚みが大きい場合(例えば、加飾部60が白色系の物である場合など)や、加飾部60の側面60cと第1保護膜81の端面81cまでの距離が短い場合などに形成され得る。
次に図11Bに示すように、単位基材22の側面22c、加飾部60の側面60c、第1保護膜81および第2保護膜82によって囲われた空間内に塗布液27を充填する塗布工程を実施する。塗布液27は、図11Bに示すように、第1保護膜81の端面81c上および第2保護膜82の端面82c上にも溢れ出る程度に塗布されてもよい。
その後、第1保護膜81の端面81c上および第2保護膜82の端面82c上に溢れ出ている塗布液27を、スキージなどを用いて掻きとる。これによって図11Cに示すように、塗布液27の表面が、第1保護膜81の端面81cおよび第2保護膜82の端面82cに一致するようになる。
次に、単位基材22の側面22c上に設けられた塗布液27を硬化させる硬化工程を実施する。例えば、塗布液27に紫外線などの光を照射することによって、塗布液27を硬化させる。これによって、単位基材22の側面22c上および加飾部60の側面60c上に補強部26が形成される。
その後、第1保護膜81および第2保護膜82を除去する。これによって、図11Dに示すように、単位基材22と、単位基材22の側面22c上および加飾部60の側面60c上に設けられた補強部26と、を備えたカバーガラス20を得ることができる。
本変形例によれば上述のように、補強部26は、加飾部60の第1面60aから側方に突出した第1保護膜81および単位基材22の第2面22bから側方に突出した第2保護膜82によって位置決めされた空間内に形成される。このため図11Dに示すように、加飾部60の第1面60aと同一平面上に位置する第1面26aと、単位基材22の第2面22bと同一平面上に位置する第2面26bと、を含む補強部26をより確実に得ることができる。すなわち、補強部26と加飾部60および/または単位基材22との間の段差をより確実に無くすことができ、または段差をより小さくすることができる。このため、補強部26と加飾部60および/または単位基材22との間の境界が観察者から視認されてしまうことをさらに抑制することができる。また、カバーガラス20を表示装置15に組み合わせて表示装置10を作製する作業やタッチパネルの操作感が、段差によって阻害されてしまうことを、さらに抑制することができる。
また本変形例においては上述のように、第1保護膜81の端面81c上および第2保護膜82の端面82c上に溢れ出ている塗布液27を、スキージなどを用いて掻きとることによって、補強部26の側面26cが整面されている。このため、塗布液27を硬化させることによって得られる補強部26において、その第1面26aの端部26aeの位置は、第1保護膜81の端面81cの位置に一致することになる。同様に、補強部26の第2面26bの端部26beの位置は、第2保護膜82の端面82cの位置に一致することになる。このように本実施の形態によれば、補強部26の第1面26aの端部26aeの位置および第2面26bの端部26beの位置を、保護膜81,82の端面81c,82cの位置に基づいて定めることができる。従って、保護膜81,82の端面81c,82cの位置を精密に定めることにより、カバーガラス20の端部の位置を精度良く定めることができる。このことにより、カバーガラス20と表示装置15、ケースとの組立ての際に、工程の容易さや歩留りを高めることができる。また本実施の形態のようにカバーガラス20に加飾部60やタッチパネルセンサ部40が設けられている場合、表示装置15に対する加飾部60やタッチパネルセンサ部40の加工精度も高めることができる。このことにより、カバーガラス付き表示装置10の高い意匠性や操作性を実現することができる。
(第4の変形例)
本変形例においては、上述の第1保護膜81および第2保護膜82が、フッ酸などを用いたウェットエッチングによって基材30を分割する際に要素部70を保護するレジストとしても機能する例について説明する。
はじめに、図6Aおよび図6B(a)(b)に示す上述の本実施の形態の場合と同様にして、要素部70が設けられた基材30を準備する。次に、基材30の第1面30a上および第2面30b上において所定の複数の区画に第1保護膜81および第2保護膜82を設ける保護膜形成工程を実施する。まず図12Aに示すように、基材30の第1面30a上に、複数の区画にそれぞれ設けられた要素部70を連続的に覆う第1保護膜81を設ける。また基材30の第2面30b上に第2保護膜82を設ける。図12Aに示す例においては、第1保護膜81および第2保護膜82が、基材30の第1基材30を分割するために用いられるエッチング液に対する耐性を有する限りにおいて、保護膜81,82を構成する材料が特に限られることはない。例えば保護膜81,82を構成する材料として、上述の第3の変形例の場合と同様に、50〜100μm程度の厚みを有する二軸延伸ポリプロピレンや無延伸ポリプロピレンなどを用いることができる。この場合、例えば20μm程度の厚みを有する粘着層を介して二軸延伸ポリプロピレンや無延伸ポリプロピレンのシートを基材30の第1面30a上および第2面30b上に貼り付けることにより、保護膜81,82が構成される。
その後、図12B(a)(b)に示すように、第1面30aおよび第2面30bの全域にわたって設けられていた第1保護膜81および第2保護膜82を、第1面30aおよび第2面30bの区画毎に分断する。これによって、各要素部70を覆う第1保護膜81、およびそれに対応する第2保護膜82に、各区画の境界に沿った間隙が形成される。
第1保護膜81および第2保護膜82を分断する具体的な方法が特に限られることはなく、様々な方法が採用され得る。例えば、図12B(b)に示す第1保護膜81の形状に対応した形状を有する金型を用いて、第1保護膜81の不要部分(間隙になる部分)を除去してもよい。第2面30b側においても、第1保護膜81用の金型に対応した形状を有する金型を用いることにより、第2保護膜82の不要部分(間隙になる部分)が除去され得る。その他にも、レーザー加工を利用して、第1保護膜81および第2保護膜82の不要部分を除去してもよい。
その後、図12C(a)に示すように、基材30の各区画に設けられた第1保護膜81および第2保護膜82の間隙に沿って基材30を切断する切断工程を実施する。具体的には、基材30の第1面30a側および第2面30b側から、第1保護膜81および第2保護膜82をレジストとして基材30をウェットエッチングすることによって、基材30を切断する。エッチング液としては、上述のようにフッ酸などが用いられ得る。これによって、図12C(a)に示すように、ガラスからなる単位基材22と、単位基材22の第1面22a側に設けられた要素部70と、単位基材22の第1面22a上に設けられ、要素部70を覆う第1保護膜81と、単位基材22の第2面22b上に設けられた第2保護膜82と、を有する単位中間体35を得ることができる。
図12C(b)は、図12C(a)に示す単位中間体35を拡大して示す断面図である。図12C(b)に示すように、第1保護膜81は、加飾部60の第1面60aよりも側方に突出するよう構成されている。また加飾部60は、単位基材22の第1面22aよりも側方に突出している。また第2保護膜82は、単位基材22の第2面22bよりも側方に突出するよう構成されている。単位基材22と第1保護膜81、加飾部60および第2保護膜82との間のこのような関係は、エッチング液を用いた上述の切断工程の際に、単位基材22の第1面22aおよび第2面22b双方からのエッチングにより単位基材22が貫通される程度の時間にわたってエッチング工程を継続することによって実現される。なおエッチング工程においては通常、単位基材22の側面22cのうち第1面22aおよび第2面22b近傍の位置において深さ方向および水平方向のいずれにおいても等方的にエッチングが進む。このため図12C(b)に示すように、単位基材22の側面22cのうち第1面22aおよび第2面22b近傍においては、第1面22aと第2面22bとの間の中間部分に比べて、エッチングが深く進む。この結果、単位基材22において、端部22aeに交わるとともに第2面22b側へ向かうにつれて外側へ広がる第1側面22dと、端部22beに交わるとともに第1面22a側へ向かうにつれて外側へ広がる第2側面22eと、が得られる。
次に図13A〜図13Cを参照して、単位中間体35の単位基材22の側面22cに補強部(樹脂等)を設けることによって、側面が補強されたカバーガラス20を得るための工程について説明する。
はじめに図13Aに示すように、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂などの硬化性材料を含む塗布液27を単位基材22の側面22c上に塗布する塗布工程を実施する。次に、第1保護膜81の端面81c上および第2保護膜82の端面82c上に溢れ出ている塗布液27を、スキージなどを用いて掻きとる。これによって図13Bに示すように、塗布液27の表面が、第1保護膜81の端面81cおよび第2保護膜82の端面82cに一致するようになる。その後、単位基材22の側面22c上に設けられた塗布液27を硬化させる硬化工程を実施する。これによって、単位基材22の側面22c上に補強部26が形成される。次に図13Cに示すように、単位基材22の第1面22a上の第1保護膜81および単位基材22の第2面22b上の第2保護膜82を除去する。このようにして、連続的に視認される補強部26および加飾部60を備えたカバーガラス20を得ることができる。
本変形例によれば、基材30を切断するためのウェットエッチングの際にレジストとして機能する第1保護膜81および第2保護膜82を利用して、単位基材22の側面22c上に高い外形寸法精度で補強部26を形成することができる。このため、高い耐衝撃性および意匠性を有するカバーガラス20を少ない工数で得ることができる。
また本変形例によれば、ウェットエッチングの際のレジストとして基材30の第1面30a上および第2面30b上に設けられた第1保護膜81および第2保護膜82によって、補強部26の形状が画定される。このため、単位基材22の第1面22aまたは加飾部60の第1面60aと同一平面上に位置する第1面26aと、単位基材22の第2面22bと同一平面上に位置する第2面26bと、を含む補強部26をより確実に得ることができる。すなわち、補強部26と加飾部60および/または単位基材22との間の段差をより確実に無くすことができ、または段差をより小さくすることができる。このため、補強部26と加飾部60および/または単位基材22との間の境界が観察者から視認されてしまうことをさらに抑制することができる。また、カバーガラス20を表示装置15に組み合わせて表示装置10を作製する作業やタッチパネルの操作感が、段差によって阻害されてしまうことを、さらに抑制することができる。
また本変形例によれば、基材30の切断工程において実施されるエッチング工程の時間や、加飾部60の位置を適切に調整することにより、エッチング工程によって得られる単位中間体35において、加飾部60が単位基材22の第1面22aよりも側方に突出するようにすることができる。この場合、図13Cに示すように、単位基材22の第1面22aの法線方向に沿って見た場合に補強部26と加飾部60とが部分的に重なることになる。このため、連続的に視認される補強部26および加飾部60を備えたカバーガラス20を、より少ない工数で得ることができる。
(第5の変形例)
上述の本実施の形態においては、補強部26が、バインダー樹脂28aと、バインダー樹脂28a中に分散され、所定の色を呈する複数のフィラー28bと、を含む例を示した。すなわち、フィラー28bによって補強部26に所定の色が付与される例を示した。しかしながら、補強部26に所定の色を付与する方法が特に限られることはない。
例えば補強部26を構成する樹脂が、所定の色を呈するよう構成されていてもよい。すなわち、補強部26を構成する樹脂自体が所定の色を有していてもよい。このような樹脂としては、例えばポリイミドを挙げることができる。ポリイミドは、それ自体が黄色、黄褐色、茶褐色や赤褐色を呈することができる。このようなポリイミドの具体的な例としては、無水ピロメリト酸(PMDA)と4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(ODA)から合成される、東レ・デュポン株式会社製のカプトン Hタイプや、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸無水物(BPDA)とp-フェニレンジアミン(PDA)から合成される、宇部興産株式会社製のユーピレックス-Sなどを挙げることができる。その他にも、黄褐色や茶褐色を呈することができるレゾール型フェノール樹脂やノボラック型フェノール樹脂などを、補強部26を構成する樹脂として用いることができる。
若しくは補強部26は、補強部26を構成する樹脂に添加され、所定の色を呈する染料をさらに含んでいてもよい。すなわち、樹脂に染料を添加することによって、補強部26に所定の色を付与してもよい。樹脂に添加される染料の種類としては、例えば、黄色染料、赤色染料、青色染料、紫色染料、緑色染料、黒色染料などを挙げることができる。
黄色染料の例としては、Solvent Yellow 33、 Solvent Yellow 93、 Solvent Yellow 56、 Solvent Yellow 16、 Solvent Yellow 14、Disperse Yellow 54などを挙げることができる。
青色染料の例としては、Solvent Blue 5、 Solvent Blue 70、Solvent Blue 35、Solvent Blue 94などを挙げることができる。
紫色染料の例としては、Solvent Violet 8などを挙げることができる。
緑色染料の例としては、Solvent Green 3などを挙げることができる。
黒色染料の例としては、Solvent Black 3、Solvent Black 7、Solvent Black 27、Solvent Black 29などを挙げることができる。
なお黒色染料は、黄色染料、赤色染料、青色染料や緑色染料を混合することによって得られた染料であってもよい。
(第6の変形例)
上述の本実施の形態や各変形例においては、単位基材22の側面のうち単位基材22の外形を構成する側面22c上に補強部26が形成される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図16に示すように単位基材22に貫通孔23が形成されている場合、貫通孔23の壁面23a上に補強部26を設けてもよい。すなわち、補強部26が設けられる単位基材22の側面は、単位基材22に形成されている貫通孔23の壁面23aであってもよい。貫通孔23は例えば、カメラやスピーカーなどを表示装置に搭載するために設けられるものである。
図17は、図16に示す貫通孔23の壁面23a上に補強部26を形成する方法の一例を示す図である。なお図20においては、貫通孔23の壁面23a上だけでなく、単位基材22の外形を構成する側面22c上にも補強部26が形成されている様子を示している。
図17に示す例において、第1保護膜81および第2保護膜82は、単位基材22の貫通孔23の壁面23aよりも内側に突出するように設けられている。このため、単位基材22の貫通孔23の壁面23a、第1保護膜81および第2保護膜82によって囲われた空間内に塗布液27を塗布することにより、図17に示すように、高い寸法精度で壁面23a上に補強部26を形成することができる。
なお単位基材22の貫通孔23の壁面23a上に補強部26を形成する方法が特に限られることはない。例えば、上述の本実施の形態の場合と同様に、第1保護膜81および第2保護膜82を用いることなく貫通孔23の壁面23a上に補強部26を形成してもよい。
また、貫通孔23を形成する方法が特に限られることはない。例えば、第1保護膜81および第2保護膜82を利用したウェットエッチングによって基材30を分割した上述の第4の変形例の場合と同様に、第1保護膜81および第2保護膜82を利用したウェットエッチングによって、基材30や単位基材22に貫通孔23を形成してもよい。この場合、ウェットエッチングによって貫通孔23を形成する際にレジストとして機能した第1保護膜81および第2保護膜82が、その後、上述のように、塗布液27を塗布するための空間を画定するよう機能してもよい。
その他にも、ドリルなどを用いた機械加工や、レーザー加工などによって、基材30や単位基材22に貫通孔23を形成してもよい。なお、機械加工やレーザー加工によって貫通孔23を形成する場合、貫通孔23の周囲にマイクロクラックが発生することがある。この場合、貫通孔23を形成した後に貫通孔23の周囲をウェットエッチングしてマイクロクラックを除去してもよい。
なお、上述した第1の実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
第2の実施の形態
次に図14(a)(b)を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態において、補強部26および加飾部60は、互いに連続的に視認されるようには設けられていない。第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
補強部26は、上述の第1の実施の形態の場合と同様に、バインダー樹脂28aと、バインダー樹脂28a中に分散された複数のフィラー28bと、を含んでいる。フィラー28bを構成する材料やフィラー28bの含有量は、補強部26のユニバーサル硬度が500〜750N/mmの範囲内となるよう、設定されている。例えば、補強部26におけるフィラー28bの含有量は、1〜15重量%の範囲内に設定されている。これによって、衝撃などに起因する外力が補強部26に加えられた場合に、補強部26が損傷してしまうことを抑制することができる。
補強部26のユニバーサル硬度を500〜750N/mmの範囲内とすることができる限りにおいて、補強部26に含まれるフィラー28bが特に限られることはない。例えば本実施の形態においては、酸化珪素を含むフィラーなど、無色透明のフィラー28bが用いられていてもよい。酸化珪素を含むフィラー28bの粒子径の平均値は、例えば0.03〜0.07μmの範囲内となっている。
なお、上述した第1の実施の形態に対する変形例が、単独または組合せで、本実施の形態に対して適用されてもよい。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
はじめに、補強部26を構成するための樹脂材料を準備し、その鉛筆硬度を測定した。樹脂材料としては、カーボンブラックからなる微粒子が分散されたエポキシ樹脂を準備した。微粒子の粒径は0.01〜0.05μmの範囲内であった。この樹脂材料からなる樹脂層を適切な基材上に形成し、JIS5600−5−4に準拠して当該樹脂層に対する鉛筆硬度試験を実施することにより、樹脂材料の鉛筆硬度を評価した。結果、鉛筆硬度は8Hであった。
また、上記樹脂材料からなる補強部26を備えたカバーガラス20を作製した。具体的には、まず、第1面22aおよび第2面22bには圧縮応力層24aが形成されているが、側面22cには圧縮応力層24aが形成されていない単位基材22を準備した。単位基材22の厚みは0.70mmであった。次に、この単位基材22の側面22c上および加飾部60の側面60c上に、上記樹脂材料からなる補強部26を形成した。側面22c上の補強部26の被覆寸法は50μmとした。
次に、DIN50359に準拠して、作製されたカバーガラス20の補強部26に対する鉛筆硬度試験を実施することにより、補強部26のユニバーサル硬度、すなわち補強部26を構成する材料のユニバーサル硬度を評価した。結果、補強部26のユニバーサル硬度は635N/mmであった。
また、作製されたカバーガラス20の曲げ強度を測定した。測定方法としては、四点曲げ試験法を採用した。測定器としては、引張/圧縮試験機(例えば島津製作所製のAG−I)と、四点曲げ試験用に作製した四点曲げ試験用治具とを組み合わせたものを用いた。用いた測定器を図15に示す。図15に示すように、測定器は、カバーガラス20の一方の側からカバーガラス20を押圧する一対の圧子91と、カバーガラス20の他方の側でカバーガラス20を支持する一対の支持具92と、を含んでいる。圧子91および支持具92としては、図15には描かれていないが、カバーガラス20に沿って延びる棒状のものを用いた。図15の紙面奥行方向における圧子91および支持具92の長さは、約15cmであった。また、一対の圧子91間の距離L’は10mmであり、一対の支持具92間の距離Lは30mmであった。また、一対の圧子91の先端部の半径R1は2.0mmであり、一対の支持具92の先端部の半径R2は3.0mmであった。また、測定対象としたカバーガラス20の幅lは約14cmであり、図15の紙面奥行方向におけるカバーガラス20の寸法は約7cmであり、カバーガラス20の厚みは0,7mmであった。なお、測定対象のカバーガラス20、圧子91および支持具92の位置合わせは、夫々の中心が一致するように目視で実施した。
曲げ強度の測定工程においては、一対の圧子91に負荷F(1つの内側圧子91に加えられる負荷はF/2)を加えることにより、7mm/mmの圧子変位速度で一対の圧子91を降下させた。そして、カバーガラス20が割れた時点での負荷Fを、カバーガラス20の強度とした。
上述の方法を用いた曲げ強度の測定を、以下の3つの状態のカバーガラス20に対してそれぞれ実施した。
(状態1)衝撃や摩擦が加えられる前のカバーガラス
(状態2)ハンマーを用いて側面に衝撃を加えた後のカバーガラス
(状態3)サンドペーパーを用いて側面を擦った後のカバーガラス
なお上記状態2を実現する際、ハンマーによってカバーガラス20に加えられる衝撃の方向は、単位基材22の側面22cの法線方向とした。また、ハンマーによる衝撃の大きさは4.4Jとし、衝撃の回数は5回とし、衝撃の周期は30秒とした。
また上記状態3を実現する際、サンドペーパーの掃引方向は、単位基材22の側面22cの法線方向に直交する方向とし、掃引回数は3回とし、掃引周期は30秒とした。サンドペーパーとしては、番手が#400のものを用いた。
結果、状態1のカバーガラス20の曲げ強度は750MPaであり、状態2のカバーガラス20の曲げ強度は700MPaであり、状態3のカバーガラス20の曲げ強度は700MPaであった。
(実施例2)
補強部26を構成するための樹脂材料として、SiOからなる微粒子が分散されたエポキシ樹脂を準備した。微粒子の粒径は0.03〜0.07μmの範囲内であった。また、実施例1の場合と同様にして、この樹脂材料の鉛筆硬度を評価した。結果、鉛筆硬度は9Hであった。
また実施例1の場合と同様にして、上記樹脂材料からなる補強部26を備えたカバーガラス20を作製した。側面22c上の補強部26の被覆寸法は50μmとした。また、実施例1の場合と同様にして、作製されたカバーガラス20の補強部26のユニバーサル硬度を測定した。結果、補強部26のユニバーサル硬度は715N/mmであった。また、作製されたカバーガラス20の曲げ強度を測定した。結果、状態1のカバーガラス20の曲げ強度は750MPaであり、状態2のカバーガラス20の曲げ強度は750MPaであり、状態3のカバーガラス20の曲げ強度は750MPaであった。
(実施例3)
補強部26を構成するための樹脂材料として、カーボンブラックからなる微粒子が分散されたウレタン樹脂を準備した。微粒子の粒径は0.01〜0.05μmの範囲内であった。また、実施例1の場合と同様にして、この樹脂材料の鉛筆硬度を評価した。結果、鉛筆硬度は6Hであった。
また実施例1の場合と同様にして、上記樹脂材料からなる補強部26を備えたカバーガラス20を作製した。側面22c上の補強部26の被覆寸法は100μmとした。また、実施例1の場合と同様にして、作製されたカバーガラス20の補強部26のユニバーサル硬度を測定した。結果、補強部26のユニバーサル硬度は525N/mmであった。また、作製されたカバーガラス20の曲げ強度を測定した。結果、状態1のカバーガラス20の曲げ強度は750MPaであり、状態2のカバーガラス20の曲げ強度は750MPaであり、状態3のカバーガラス20の曲げ強度は750MPaであった。
(比較例1)
補強部26が設けられていないこと以外は実施例1の場合と同一であるカバーガラス20を準備した。このカバーガラス20の曲げ強度を、実施例1の場合と同様にして測定した。結果、状態1のカバーガラス20の曲げ強度は750MPaであり、状態2のカバーガラス20の曲げ強度は200MPaであり、状態3のカバーガラス20の曲げ強度は200MPaであった。
(比較例2)
補強部26が設けられておらず、かつ、第1面22a、第2面22bおよび側面22cのいずれにも圧縮応力層24aが形成されている単位基材22が用いられていること以外は、実施例1の場合と同一であるカバーガラス20を準備した。このカバーガラス20の曲げ強度を、実施例1の場合と同様にして測定した。結果、状態1のカバーガラス20の曲げ強度は800MPaであり、状態2のカバーガラス20の曲げ強度は750MPaであり、状態3のカバーガラス20の曲げ強度は700MPaであった。
実施例1,2および比較例1,2における測定結果などをまとめて表1に示す。
実施例1,2と比較例1との比較から分かるように、補強部26を設けることにより、ハンマーやサンドペーパーによる衝撃や摩擦が加えられた後であっても500MPa以上の曲げ強度を達成することができた。また実施例1,2と比較例2との比較からわかるように、実施例1,2においては、第1面22a、第2面22bおよび側面22cのいずれにも圧縮応力層24aが形成されている単位基材22の場合と同等の曲げ強度を実現することができた。衝撃や摩擦が加えられた後のカバーガラス20を保護する上で、本発明による補強部26が非常に有効であることが分かる。
10 カバーガラス付き表示装置
15 表示装置
20 カバーガラス
22 単位基材
22a 第1面
22b 第2面
22c 側面
23 貫通孔
23a 壁面
24a 圧縮応力層
24b 引張応力層
26 補強部
26a 第1面
26b 第2面
26c 側面
27 塗布液
28a バインダー樹脂
28b フィラー
30 基材
35 単位中間体
40 タッチパネルセンサ部
60 加飾部
70 要素部
81 第1保護膜
81c 端面
82 第2保護膜
82c 端面

Claims (17)

  1. 表示装置の観察者側に設けられるカバーガラスであって、
    表示装置側を向く第1面、前記第1面の反対側にある第2面、および前記第1面と前記第2面との間に広がる側面を含み、ガラスからなる単位基材と、
    前記単位基材の第1面上に設けられ、所定の色を呈する加飾部と、
    前記単位基材の少なくとも側面上に設けられた樹脂材料からなる補強部と、を備え、
    前記補強部および前記加飾部は、前記カバーガラスの観察者側から見た場合に互いに連続的に視認されるよう配置されており、
    前記補強部は、樹脂を含み、かつ所定の色を呈するよう構成されている、カバーガラス。
  2. 前記補強部は、前記加飾部が呈する色と同色の色を呈するよう構成されている、請求項1に記載のカバーガラス。
  3. 前記補強部は、前記樹脂中に分散され、所定の色を呈する複数のフィラーをさらに含む、請求項1または2に記載のカバーガラス。
  4. 前記補強部のユニバーサル硬度が500〜750N/mmの範囲内である、請求項3に記載のカバーガラス。
  5. 前記フィラーは、カーボンブラックを含む、請求項3または4に記載のカバーガラス。
  6. 前記フィラーは、酸化チタンを含む、請求項3または4に記載のカバーガラス。
  7. 前記フィラーは、窒化チタンを含む、請求項3または4に記載のカバーガラス。
  8. 前記補強部における前記フィラーの含有量が0.1〜15重量%の範囲内である、請求項3乃至7のいずれか一項に記載のカバーガラス。
  9. 前記補強部の前記樹脂は、所定の色を呈するよう構成されている、請求項1または2に記載のカバーガラス。
  10. 前記補強部は、前記樹脂に添加され、所定の色を呈する染料をさらに含む、請求項1または2に記載のカバーガラス。
  11. 表示装置の観察者側に設けられるカバーガラスであって、
    表示装置側を向く第1面、前記第1面の反対側にある第2面、および前記第1面と前記第2面との間に広がる側面を含み、ガラスからなる単位基材と、
    前記単位基材の少なくとも側面上に設けられた樹脂材料からなる補強部と、を備え、
    前記補強部は、バインダー樹脂と、バインダー樹脂中に分散された複数のフィラーと、を含み、
    前記補強部のユニバーサル硬度が500〜750N/mmの範囲内である、カバーガラス。
  12. 前記フィラーは、酸化珪素を含む、請求項11に記載のカバーガラス。
  13. 前記補強部における前記フィラーの含有量が1〜15重量%の範囲内である、請求項11または12に記載のカバーガラス。
  14. 前記単位基材は、少なくとも前記第1面および前記第2面に形成された圧縮応力層と、前記第1面側の前記圧縮応力層と前記第2面側の前記圧縮応力層との間に位置する引張応力層と、を含み、
    前記単位基材の前記側面に前記引張応力層が露出している、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のカバーガラス。
  15. 前記単位基材の前記第1面上に、タッチパネルセンサ部の少なくとも一部が設けられている、請求項1乃至14のいずれか一項に記載のカバーガラス。
  16. 前記補強部は、前記単位基材の前記第2面と同一平面上で前記単位基材の前記第2面の端部から側方へ延びる面を含む、請求項1乃至15のいずれか一項に記載のカバーガラス。
  17. 表示装置と、
    前記表示装置の観察者側に配置されたカバーガラスと、を備え、
    前記カバーガラスが、請求項1乃至16のいずれか一項に記載のカバーガラスからなる、カバーガラス付き表示装置。
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