JP2015166142A - 液体吐出ヘッド、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルタ部の目詰まりの有無及び程度を高精度に検出することができない。【解決手段】フィルタ部9は、圧電素子91及び振動板部材3の一部92と第1絶縁膜21で構成され、これらの圧電素子91及び振動板部材3の一部92を連続して貫通する貫通孔からなる複数のフィルタ孔93が複数形成され、圧電素子11を駆動して個別液室6内の液体を加圧し、ノズル4から液滴を吐出させたとき、個別液室6の圧力変動がフィルタ部9に伝搬し、フィルタ部9が振動するので、圧電素子91の電極113、114間から振動に応じた電気的出力が得られ、電気的出力はフィルタ孔93の閉塞個数に応じたものとなる。【選択図】図1
Description
本発明は液体吐出ヘッド、画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)からなる記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。
液体吐出ヘッドとしては、流路中に複数の貫通孔が形成されたフィルタプレートを配置し、フィルタプレートの一表面に配置された圧電層及び圧電層の表面に設けられた電極を有し、フィルタプレートを振動させる圧電アクチュエータを備えるものが知られている(特許文献1)。
上述したように異物をろ過するフィルタ部を流路中に配置した場合、フィルタ孔に異物が詰まって閉塞されるフィルタ孔が多くなると、フィルタ部での流体抵抗が大きくなってノズルに通じる個別液室への液体供給量が減少し、リフィルが間に合わなくなる。
そこで、特許文献1に開示の構成にあっては、圧電アクチュエータをフィルタ孔(貫通孔)がない領域に配置してフィルタプレートを振動させるようにしている。
そのため、特許文献1に開示の構成にあっても、フィルタに目詰まりが生じていることまでは検知することができないという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、フィルタの目詰まりを高精度に検知できるようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、
液滴を吐出するノズルが通じる流路中にフィルタ孔が形成されたフィルタ部が配置され、
前記フィルタ部は、圧電層の両面に電極を有する圧電素子を含み、
前記圧電素子には、前記フィルタ孔が形成されている
構成とした。
液滴を吐出するノズルが通じる流路中にフィルタ孔が形成されたフィルタ部が配置され、
前記フィルタ部は、圧電層の両面に電極を有する圧電素子を含み、
前記圧電素子には、前記フィルタ孔が形成されている
構成とした。
本発明によれば、フィルタの目詰まりを高精度に検知できる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図1ないし図3を参照して説明する。図1は同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図、図2は同ヘッドのノズル配列方向に沿う断面説明図、図3は同ヘッドの平面説明図である。なお、平面図(図3)では、フィルタ部圧電素子の部分のみ分かり易くするために図と同様なハンチングの面塗りを施している。
この液体吐出ヘッドは、ノズル板1と流路板2とを接着接合し、流路板2と一体に振動板部材3を形成している。これにより、ノズル4が通じる個別液室6、個別液室6に通じる流体抵抗部7、流体抵抗部7が通じる液導入部8、液導入部8を形成し、液導入部8はフィルタ部であるフィルタ部9を介して共通液室10に通じている。
本実施形態では、個別液室6、流体抵抗部7及び液導入部8で個別流路40を構成している。
ここで、振動板部材3は、個別液室6の壁面の一部をなす変形可能な振動領域(これを「振動板」という。)30を形成している。そして、この振動板部材3の振動板30の個別液室6と反対側の面には、振動板30と一体的に圧電素子11が設けられ、振動板30と圧電素子11によって圧電アクチュエータ構成している。
圧電素子11は、振動板30側から下部電極13、圧電層(圧電体)12及び上部電極14を順次積層形成して構成している。
振動板30の長手方向の一端部側には、第1絶縁膜(層間絶縁膜)21が形成され、第1絶縁膜21上に共通電極15が形成され、共通電極15を覆って第2絶縁膜(パッシベーション層)22が形成されている。共通電極15は下部電極13に接続され、また、バイパス配線17が接続されている。
振動板30の長手方向の他端部側には、第1絶縁膜21が形成され、第1絶縁膜21上に個別電極16が形成され、個別電極16を覆って第2絶縁膜22が形成されている。個別電極16は上部電極14に接続され、また、個別電極パッド部18を介して図示しない駆動ICに接続されている。
なお、圧電素子11は、上部電極14と下部電極13の間に電圧を与えることで、圧電層12が電極積層方向、すなわち電界方向に伸張し、振動板30と平行な方向に収縮する。このとき、下部電極13側は振動板30で拘束されているため、振動板30の下部電極13側に引っ張り応力が発生し、振動板30が個別液室6側に撓み、内部の液体を加圧することで、ノズル4から液滴が吐出される。
そして、振動板30及び圧電素子11を収容する凹部からなる振動室50を形成する保護部材51を設けている。
保護部材51は共通液室10の一部も形成している。この保護部材51は、接着剤によって第2絶縁膜22などを介して流路板2に接合されている。また、個別流路40の間の隔壁41の剛性を高めて液室(個別流路)全体を支える支柱52を形成している。
次に、各部の具体例について説明する。
ノズル板1は、液滴を吐出する複数のノズル4を有している。ノズル板1は、例えば、SUS板にプレス加工と研磨加工によってノズル4を形成しているが、これに限るものではない。例えば、ニッケル(Ni)の金属プレートをエレクトロフォーミング法(電鋳)で製造したもの、その他の金属部材、樹脂部材、樹脂層と金属層の積層部材などを用いることができる。また、ノズル板1の液滴吐出側面(吐出方向の表面:吐出面)には撥液層を設けている。
流路板2は、シリコン基板上のシリコン酸化膜を介してシリコンが貼り合されたSOI基板を用いて、シリコン酸化膜をエッチングストップ層としてエッチングし、個別液室6、流体抵抗部7、液導入部8、フィルタ部9のフィルタ孔などを構成する溝部及び貫通穴を形成したものである。
流路板2の材料はこれに限るものではない。例えば、シリコン以外のガラス、セラミックスなどの無機材料、SUSなどの合金材料、樹脂などで形成することができる。
流路板2に一体に設けた振動板部材3の振動板30上に圧電素子11を形成することによりユニモルフ型の圧電アクチュエータを構成している。
また、振動板30(振動板部材3)の材質は、無機材料を用いることが好ましい。例えば、半導体、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物を挙げることができる。半導体としては、多結晶Si、アモルファスSi,Geなどを挙げることができ、金属酸化物や金属窒化物は一般的なセラミックスに用いられるSi化合物、Al化合物、Zr化合物、Ti化合物、Y化合物、Ta化合物、Sn化合物、In化合物などが挙げられる。
振動板30は、単一膜でも多層膜のいずれでもよい。シリコン基板を用いて流路板2に振動板30を形成する場合には、CVDやスパッタリングなどの気相法によって成膜することもできる。これらの成膜方法を用いることで、表面粗さの少ない振動板とすることができ、振動板30上に形成される電極13、14や圧電層12の信頼性を高めることができる。
圧電素子11の上部電極14及び下部電極13の材料は導電性材料である必要があり、金属及び合金、導電性化合物などを用いることができる。材料は、振動板30及び圧電層12との密着性の高い材料を用いる必要があるが、各界面に密着性を高める密着層を形成することで対応することもできる。
上部電極14及び下部電極13の材料としては、例えば、Ag,Au,Pt,Ir,Pd,W,Taなどの高融点金属が好ましい。
また、上部電極14及び下部電極13と圧電層12との界面、下部電極13と振動板30との界面には、相互拡散を防止するために、耐熱性が高く、電極材料と相互拡散しづらい化学的安定性の高い材料を用いることが好ましい。例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物などが利用でき、さらにこれらの複合化合物を用いることもできる。また、導電性をもつ化合物を用いることで電極としての機能を持たせても良い。
圧電層12を形成する圧電材料としては、公知の材料を用いることができる。圧電材料としては、高い圧電定数と高い信頼性、安定した温度特性をもつチタン酸ジルコン酸鉛を用いることが好ましい。圧電体の組成は、所望の圧電性能、信頼性から任意に設定することができる。
次に、この液体吐出ヘッドにおけるフィルタ部9について説明する。
フィルタ部9は、本実施形態では、共通液室10と液導入部(供給部)8との間の流路中に設けられている。なお、振動板部材3がフィルタ部9を構成しないのであれば、共通液室10内に設けることもできるし、あるいは、個別流路40内の流路中に設けることもできる。
このフィルタ部9は、圧電素子91及び振動板部材3の一部92と第1絶縁膜21で構成され、これらの圧電素子91及び振動板部材3の一部92を連続して貫通する貫通孔からなる複数のフィルタ孔93が複数形成されている。なお、圧電素子91の壁面は第1絶縁膜21で被覆されている。
圧電素子91は、圧電層112及び圧電層112の両面に設けた電極113、114で構成されている。この圧電素子91は圧電素子11を形成するときに同時に形成したものであり、圧電層及び各電極を形成する電極層は同じものである。
このように圧電アクチュエータを構成する圧電層及び電極層を使用してフィルタ部9を構成する圧電素子を形成することで、圧電アクチュエータの圧電素子11と同一工程で圧電素子91を製作することができる。
そして、電極113は共通電極115を介してバイパス配線117に接続され、電極114は個別電極116を介して個別電極パッド部118に接続されて、圧電素子91の出力を外部に取り出せるようにしている。
次に、このように構成したフィルタ部9の作用について図4も参照して説明する。
圧電素子11を駆動して個別液室6内の液体を加圧し、ノズル4から液滴を吐出させたとき、個別液室6の圧力変動がフィルタ部9に伝搬し、フィルタ部9が振動するので、圧電素子91の電極113、114間から振動に応じた電気的出力が得られる。
ここで、フィルタ部9の振動の程度は、図4に示すように、フィルタ部9のフィルタ孔93が異物によって閉塞されているか否か及び閉塞されているフィルタ孔93の数(閉塞数)によって変化する。
したがって、圧電素子91の電気的出力を閉塞の有無及び閉塞数の応じて予め定めた閾値と比較することによって、閉塞の有無及び閉塞数を検出することができる。
このように、圧電素子がフィルタ部を兼ねることによって、簡単な構成で、フィルタ部の目詰まり(目詰まりの有無及びその程度)を検知することができる。
これにより、目詰まりが多くなったときには異物を排出するために必要なメンテナンス動作を行うことができるようになる。
次に、本発明の第2実施形態に係る液体吐出ヘッドついて図5及び図6を参照して説明する。図5は同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図、図6は同ヘッドの平面説明図である。
本実施形態では、各個別流路40に対応するフィルタ部9の圧電素子91を構成する圧電層112及び電極113を複数(ここではすべて)の個別流路40で共通とし、電極114のみを個別流路40毎に分割している。
このように構成することで、電極113の電極層と圧電層112のエッチング精度を下げることができ、製作し易くなる。また、第1実施形態に比べて、剛性を高められることから曲がりにくくなり、感度は下がるものの、破損を低減することができて、信頼性を高めることができる。
また、ノズル配列方向で圧電素子91間に対応する振動板部材3の領域に隔壁41を接合することにより、この領域の剛性を上げることができる。これにより、隣接するチャンネル間の圧力変動の相互干渉を小さくできる。
次に、本発明に係る画像形成装置の一例について図7を参照して説明する。図7は同画像形成装置の平面説明図である。
この画像形成装置は、シリアル型インクジェット記録装置であり、図示しない左右の側板に横架した主ガイド部材401及び図示しない従ガイド部材でキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して主走査方向(キャリッジ移動方向)に往復移動する。
このキャリッジ403には、本発明に係る液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド404を搭載している。記録ヘッド404は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出する4列のノズル列404nを有している。また、記録ヘッド404は、複数のノズルからなるノズル列404nを主走査方向と直交する副走査方向に配置し、滴吐出方向を下方に向けて装着している。
一方、用紙410を搬送するために、用紙を静電吸着して記録ヘッド404に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト412を備えている。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413とテンションローラ414との間に掛け渡されている。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。この搬送ベルト412は、周回移動しながら図示しない帯電ローラによって帯電(電荷付与)される。
さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に記録ヘッド404の維持回復を行う維持回復機構420が配置され、他方側には搬送ベルト412の側方に記録ヘッド404から空吐出を行う空吐出受け421がそれぞれ配置されている。
維持回復機構420は、例えば記録ヘッド404のノズル面(ノズル4が形成された面)をキャッピングするキャップ部材420a、ノズル面を払拭するワイパ部材420bなどで構成されている。
また、キャリッジ403の主走査方向に沿って両側板間に、所定のパターンを形成したエンコーダスケール423を張装し、キャリッジ403にはエンコーダスケール423のパターンを読取る透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ424を設けている。これらのエンコーダスケール423とエンコーダセンサ424によってキャリッジ403の移動を検知するリニアエンコーダ(主走査エンコーダ)を構成している。
また、搬送ローラ413の軸にはコードホイール425を取り付け、このコードホイール425に形成したパターンを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ426を設けている。これらのコードホイール425とエンコーダセンサ426によって搬送ベルト412の移動量及び移動位置を検出するロータリエンコーダ(副走査エンコーダ)を構成している。
このように構成したこの画像形成装置においては、図示しない給紙トレイから用紙410が帯電された搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド4を駆動することにより、停止している用紙410にインク滴を吐出して1行分を記録する。そして、用紙410を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙410の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙410を図示しない排紙トレイに排紙する。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図8を参照して説明する。図8は同制御部のブロック説明図である。
この制御部500は、装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。
また、制御部500は、PCなどのホスト(情報処理装置)600との間でデータの転送を司るホストI/F506と、記録ヘッド4を駆動制御する画像出力制御部511と、エンコーダ解析部512を備えている。エンコーダ解析部512は、主走査エンコーダセンサ424、副走査エンコーダセンサ426からの検出信号を入力して解析する。
また、制御部500は、主走査モータ405を駆動する主走査モータ駆動部513と、副走査モータ416を駆動する副走査モータ駆動部514と、各種センサ及びアクチュエータ517との間のI/O516なども備えている。
画像出力制御部511は、印刷データを生成するデータ生成手段、記録ヘッド404を駆動制御するための駆動波形を発生する駆動波形発生手段、駆動波形から所要の駆動信号を選択するためのヘッド制御信号及び印刷データを転送するデータ転送手段などを含む。
そして、キャリッジ403側に搭載された記録ヘッド404を駆動するためのヘッド駆動回路であるヘッドドライバ510に対して駆動波形、ヘッド制御信号、印刷データなどを出力して、記録ヘッド404のノズルから印刷データに応じて液滴を吐出させる。
また、エンコーダ解析部512は、検出信号から移動方向を検知する方向検知部520と、移動量を検知するカウンタ部521とを備えている。
制御部500は、エンコーダ解析部512からの解析結果に基づいて、主走査モータ駆動部513を介して主走査モータ405を駆動制御することでキャリッジ403の移動制御を行う。また、副走査モータ駆動部514を介して副走査モータ416を駆動制御することで用紙410の送り制御を行う。
また、制御部500は、フィルタ部9を構成している圧電素子91からの出力信号を入力してフィルタ部の目詰まりを検出する目詰まり検出部531を備えている。
目詰まり検出部531は、例えば図9に示すように、圧電素子91の出力信号をアンプ550で増幅した信号を、予め定めた閾値552と比較して目詰まりを検出する検出回路551を有している。なお、圧電素子91の出力信号は図4の第1ピークのレベルを閾値と比較する。
次に、この制御部によるフィルタ部の目詰まり検出に係る制御の一例について図10のフロー図を参照して説明する。
まず、印字を開始するときには、記録ヘッド404をキャップ20aに対向する位置にして、画像形成に寄与しない液滴(空吐出滴)を吐出する印刷前空吐出動作を行う。なお、空吐出動作で吐出する液滴を受けるための空吐出受けを備えることもできる。
この印刷前空吐出動作では、すべてのノズル(チャンネル)から同時に空吐出滴を吐出する動作を開始する。この空吐出動作中に、1チャンネルずつすべてのノズル4に対応するすべて圧電素子91の出力(電極間電位差)を測定し、測定値を内部RAM503に一時記憶する。
ここで、全チャンネルを駆動して1チャンネルずつ測定を行うのは、次の理由による。すなわち、振動板部材3の一部92がフィルタ部9を構成していることで、同じノズル列のフィルタ部9が同一平面に並んでいることから、液体の流れ方向によって異物が移動してしまい、異物数の検知に誤差が生じることがあるためである。
また、この場合、1チャンネルにつき複数回以上測定して、測定値を平均化することで、より精度良く検知することができる。
そして、全チャンネルの空吐出動作を終了する。
その後、測定した圧電素子91の出力(測定値)と予め定めた閾値(所定値)とを比較して、測定値が所定値(閾値)以上のチャンネルがあるか否かを判別する。
このとき、測定値が所定値以上のチャンネルがあれば、つまり、目詰まりが発生しているフィルタ部9があれば、フィルタ部9のフィルタ孔93の目詰まりを解消するためのメンテナンス動作(目詰まり解消メンテナンス動作)を実施する。
この目詰まり解消メンテナンス動作では、例えば、キャップ420aでノズル面をキャッピングしてノズルからインクを吸引排出させることで、共通液室10から個別流路40へのインク流れを生じさせる吸引排出動作を行う。あるいは、共通液室10側にインクを加圧して供給することで共通液室10から個別流路40へのインク流れを生じさせる加圧排出動作を行う。あるいは、これらの吸引排出動作と加圧排出動作を組み合わせて行う。
このメンテナンス動作終了後、再度全チャンネルの空吐出動作を行って測定値が所定値以上のチャンネルがあるか否かの判別処理を行う。
そして、測定値が所定値以上のチャンネルがなくなれば、印刷動作を開始する。
この場合、前述したように圧電素子91の出力からフィルタ孔93の閉塞数も検出することができる(図4参照)ので、閉塞数を検出して、閉塞数に応じたメンテナンス動作を行うようにすることができる。
例えば、フィルタ孔93の閉塞数が所定数以下であれば、前述した吸引排出動作、あるいは、加圧排出動作を行い、所定数を超えているときには、吸引及び加圧排出動作を行うようにすることもできる。
また、上述したように空吐出動作シーケンス内でフィルタ部9の目詰まり検出を行うのは、通常の印刷時の液滴吐出は滴の大きさなどで駆動波形が異なり、フィルタ部9に伝搬する圧力変動が異なり、正確な検知を行うことができなくなるためである。
すべてのチャンネルを同じ駆動波形を駆動することができる空吐出動作シーケンス内でセンシング(目詰まり検知)を行うことで、安定した検知が可能となる。なお、センシングを行う空吐出動作は、印刷前後の空吐出動作や自動メンテナンスの一つとしての空吐出動作などのいずれでもよい。
次に、制御部によるフィルタ部の目詰まり検出に係る制御の他の例について図11のフロー図を参照して説明する。
ここでは、前述した処理と同様にして、、測定値が所定値(閾値)以上のチャンネルがあるか否かを判別する。
このとき、測定値が所定値以上のチャンネルがあれば、つまり、目詰まりが発生しているフィルタ部9があれば、ユーザに異常通知をし、ユーザが逆洗浄液シーケンスを選択したか否かを判別す。
ここで、逆洗浄液シーケンスが選択されたときには、逆洗浄液シーケンスを実施する。逆洗浄液シーケンスは、記録ヘッド404のノズル面側に洗浄液を収容した洗浄液容器を密閉状態で設置し、記録ヘッド404にインクを送液する図示しない送液ポンプを逆転駆動してノズルから洗浄液を記録ヘッド404に吸引し、フィルタ部9を洗浄液で洗浄するシーケンスである。
そして、逆洗浄液シーケンス実施後、再度、目詰まりが解消されたか否かを、前述した空吐出動作及び圧電素子91の出力測定、測定値と所定値(閾値)との比較を行って、判別する。
このとき、目詰まりが解消されれば、印刷動作を開始し、目詰まりが解消されなければ、エラー処理に移行する。
なお、本願において、「用紙」とは材質を紙に限定するものではなく、OHP、布、ガラス、基板などを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含む。また、画像形成、記録、印字、印写、印刷はいずれも同義語とする。
また、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
また、「インク」とは、特に限定しない限り、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いる。
また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。
また、画像形成装置には、特に限定しない限り、シリアル型画像形成装置及びライン型画像形成装置のいずれも含まれる。
1 ノズル板
2 流路板
3 振動板部材
4 ノズル
6 個別液室
8 液導入部
9 フィルタ部
10 共通液室
11 圧電素子
91 圧電素子
93 フィルタ孔
403 キャリッジ
404 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
2 流路板
3 振動板部材
4 ノズル
6 個別液室
8 液導入部
9 フィルタ部
10 共通液室
11 圧電素子
91 圧電素子
93 フィルタ孔
403 キャリッジ
404 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
Claims (6)
- 液滴を吐出するノズルが通じる流路中にフィルタ孔が形成されたフィルタ部が配置され、
前記フィルタ部は、圧電層の両面に電極を有する圧電素子を含み、
前記圧電素子には、前記フィルタ孔が形成されている
ことを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 複数の前記ノズルが各々通じる複数の個別流路と、
前記複数の個別流路に液体を供給する共通液室と、
前記共通液室から前記個別流路との間に前記フィルタ部が配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。 - 前記個別流路を形成する部材と前記共通液室を形成する部材との間に、前記ノズルが通じる個別液室の変形可能な振動領域を形成する振動板部材が配置され、
前記フィルタ部は、前記圧電素子及び前記振動板部材の一部で構成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。 - 前記フィルタ部を構成する前記圧電素子は、前記個別流路ごとに分割されている
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の液体吐出ヘッド。 - 前記フィルタ部を構成する前記圧電素子は、前記電極の少なくとも一方が前記個別流路ごとに分割されている
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の液体吐出ヘッド。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えていることを特徴とする画像形成装置。
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JP (1) | JP2015166142A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017013389A (ja) * | 2015-07-02 | 2017-01-19 | セイコーエプソン株式会社 | 液体吐出装置、および、液体吐出装置の制御方法 |
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2014
- 2014-03-03 JP JP2014040977A patent/JP2015166142A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017013389A (ja) * | 2015-07-02 | 2017-01-19 | セイコーエプソン株式会社 | 液体吐出装置、および、液体吐出装置の制御方法 |
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