JP2015165824A - 酵素を用いた測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便かつ効率的な酵素を用いた測定方法の提供。【解決手段】測定対象物に作用して生成物(C)を生成する酵素(A)と、生成物(C)を特異的に検出する酵素(B)とを用いて測定対象物を測定する方法であって、i)測定対象物非存在下で酵素(A)と酵素(B)とが共存した試薬(D)を準備すること、ii)測定対象物を酵素(A)及び酵素(B)と接触させ、酵素(A)を測定対象物に作用させて酵素(B)が実質的に作用しない生成物(E)を測定対象物から生成させること、iii)測定対象物に作用して生成物(C)を生成する酵素(A)とは異なる酵素(F)又は酵素(A)を、測定対象物及び又は生成物(E)に作用させて生成物(C)を生成させること、並びに、iv)酵素(B)に前記生成物(C)を検出させること、を含む測定対象物の測定方法。【選択図】なし

Description

本開示は、酵素を用いた測定方法、及びそれに用いる試薬キットに関する。
酵素を用いて測定対象物を測定する方法は、数多く存在する。第1のタイプとして、測定対象物に対して特異性のある酵素が直接作用し、検出する方法がある。第1のタイプの例としては、測定対象物がグルコースで、酵素がグルコースオキシダーゼ又はグルコースデヒドロゲナーゼを用いる方法や、測定対象物が尿酸で、酵素がウリカーゼを用いる方法が知られている。また、第2のタイプとして、測定対象物に作用する酵素を用いて測定対象物に由来する生成物を生成させた後に、この生成物に対して特異性のある酵素を作用させて検出する場合がある。第2のタイプの例としては、測定対象物が糖化タンパク質で、測定対象物に作用する酵素としてプロテアーゼを、特異性のある酵素としてフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)を用いる方法、測定対象物がコレステロールで、測定対象物に作用する酵素としてコレステロールエステラーゼを、特異性のある酵素としてコレステロールオキシダーゼを用いる方法、測定対象物がクレアチニンで、測定対象物に作用する酵素としてクレアチニナーゼを、特異性のある酵素としてサルコシンオキシダーゼを用いる方法などが知られている。
第2のタイプの方法において、特異性のある酵素と測定対象物に作用する酵素の添加順序は、測定対象物に作用する酵素よりも後に特異性のある酵素を添加する場合、測定対象物に作用する酵素よりも前に特異性のある酵素を添加する場合、測定対象物に作用する酵素と特異性のある酵素を同時に添加する場合がある。
測定対象物に作用する酵素よりも後に特異性のある酵素を添加する場合には、特異性のある酵素が反応する物質が予め測定対象物から生成されているので、特異性のある酵素の反応が速やかに行われる利点がある。
測定対象物に作用する酵素よりも前に特異性のある酵素を添加する場合には、測定精度を損なう原因となる物質を除去できるという利点がある。すなわち、測定対象物に作用する酵素が生成する測定対象物に由来する生成物が既に試料中に内因性物質として存在するときに、この内因性物質は、測定精度を損なう原因となる。特異性のある酵素を先に添加することにより、この内因性物質を予め消去できる。
測定対象物に作用する酵素と特異性のある酵素を同時に添加する場合には、1つの試薬とすることができる利点がある。
酵素を用いた糖化タンパク質の測定方法として、糖化タンパク質にプロテアーゼを作用させ、糖化アミノ酸又は糖化ペプチドを生成させ、これらの糖化アミノ酸又は糖化ペプチドにFAODを作用させて生成した過酸化水素を測定する方法が知られている。
FAODは、基質特異性によって幾つかの種類があるが、何れも、糖化アミノ酸、若しくは短い糖化ペプチドにしか反応せず、例えば、特許文献17及び18には、6アミノ酸からなる糖化ペプチドに反応することが開示されている。しかし、それを超えるアミノ酸からなる糖化ペプチドや糖化タンパク質に直接に反応するFAODは知られていない。
このため、FAODを用いて糖化タンパク質を測定するためには、糖化タンパク質を糖化アミノ酸又は6以下のアミノ酸からなる糖化ペプチドに分解する必要がある。分解する方法として、酸やアルカリを用いた化学法もあるが、その手間や簡便性から考えて、プロテアーゼと糖化タンパク質変性剤の組合せで使用する方法が最も有効である。該方法によれば、例えば、糖化タンパク質から5分程度で測定可能な程度の糖化アミノ酸や糖化ペプチドを生成させることができる。
タンパク質の糖化は、N末端のアミノ基又は途中のリジンやアルギニンの側鎖のアミノ基にグルコースなどの糖が結合することで起こるため、タンパク質の分子内の複数の部位で糖化が起こる。このため糖化タンパク質には、タンパク分子内のN末端のアミノ基、若しくは、途中のリジンやアルギニンのアミノ基の何れか又は複数の部位が糖化した糖化タンパク質が存在することとなり、非常に多くの種類が存在することとなる。
ヘモグロビンのβ鎖N末端のみが糖化したHbA1cにおいて該糖化部位のみ、つまり、β鎖N末端の糖化部位のみを特異的に測定する方法が実用化されている。その一方で、糖化タンパク質の複数ある糖化部位のうち一部分の糖化部位を測定する方法が一般的に行われている。なぜなら、タンパク質の途中のリジンやアルギニンの特定の1箇所の糖化のみを測定することは、実用的ではないからである。その原因としては、プロテアーゼを特異的に作用させて特定の部位のみから糖化アミノ酸若しくは糖化ペプチドを生成しなければならないこと、タンパク質の状態によって個々の部位の糖化の速度が変動したりする可能性があることが挙げられる。
グルコースなどの糖とアミノ酸が共存すると、容易に糖化アミノ酸が生成することが知られている。糖化タンパク質に対するプロテアーゼの作用時間を長くするためには、プロテアーゼを最初に添加することが望ましい。しかし、一方で、糖化アミノ酸が試料中に含まれている可能性があるため、糖化タンパク質の量を正しく測定するためにFAODを先に添加して消去することが望ましい。プロテアーゼをFAODの後から添加し、1つのプロテアーゼを用いて糖化タンパク質の全ての糖化部位に由来する糖化アミノ酸又は糖化ペプチドを生成するためには、プロテアーゼ濃度を高くしたり、特異性の低いプロテアーゼを用いたり、長時間作用させたりする必要がある。
このため、複数のプロテアーゼを用いることも検討されている。HbA1cの測定においては、ヘモグロビンのβ鎖N末端にプロテアーゼを直接作用させることが困難であるため、二種類のプロテアーゼを併用する方法が提案されている。例えば、α−アミノ基が糖化されたアミノ酸を遊離させる酵素と他のプロテアーゼを併用する方法(特許文献1及び2)、セリンカルボキシペプチダーゼと適当なエンドプロテアーゼ又はエキソプロテアーゼ等を用いて酵素処理する方法(特許文献3)、ヘモグロビンのβ鎖N末端から3番目のロイシンのカルボキシル基側を切断出来るプロテアーゼでの処理に次いで生成したフルクトシルバリルヒスチジルロイシンからヒスチジルロイシンを切り取ることが出来るプロテアーゼで処理する方法(特許文献4)、Glu−Cと他のプロテアーゼを組み合わせる方法(特許文献5)などがある。
また、複数のプロテアーゼを用いた糖化アルブミンや糖化ヘモグロビンの測定においては、プロテアーゼの反応の前後若しくは同時に他のエンドプロテアーゼ、又は他のエキソプロテアーゼを作用させる方法(特許文献6)、エンド型及びエキソ型のプロテアーゼなどを単独であるいは組み合わせて用いる方法(特許文献7〜12)、選択的に分解するプロテアーゼと一般のプロテアーゼを併用する方法(特許文献13)などが開示されている。
なお、プロテアーゼは、タンパク質であるFAODも分解し失活させることが容易に予想される。FAODがプロテアーゼによって失活してしまう課題への対策として以下の方法が公開されている。特許文献14は、プロテアーゼによるFAODの失活を防止するために、FAOD処理の前にプロテアーゼを失活させる方法を開示し、特許文献15は、プロテアーゼに耐性能が高いFAODを使用した方法を開示する。さらには、特許文献16は、プロテアーゼがFAODを失活させることを積極的に利用する方法を開示する。
WO2000−50579 WO2000−061732 特開2001−57897号公報 特開2000−300294号公報 特開2005−110657号公報 特開2004−333455号公報 特開1998−262695号公報 特開2005−172533号公報 特開2001−095598号公報 WO2005−049858 WO2005−049857 特開2001−258593号公報 WO2002−006519 WO1998−048043 WO2007−125779 WO2003−033729 WO2008−108385 WO2004−038034
測定対象物に作用する酵素よりも前に特異性のある酵素を添加する場合の欠点として、測定対象物に作用する酵素の作用が速やかに終わらないと、特異性のある酵素の基質の濃度が低くなり反応性が低下するという問題がある。なかでも、測定対象物に作用する酵素が生成する生成物に再度該酵素が作用したものが、特異性のある酵素が作用できる物質である場合には、特に大きな欠点となることがある。
特に糖化タンパク質の測定においては大きな問題を発生させる。糖化タンパク質の全て若しくは複数の糖化部位を測定する場合、1種のプロテアーゼで糖化タンパク質や大きな糖化ペプチド断片の全体から糖化アミノ酸や短い糖化ペプチドを得る必要がある。そのため、比較的特異性が低いプロテアーゼが必要となる。その上、糖化アミノ酸や短い糖化ペプチドを短時間で生成するためにはプロテアーゼを非常に多量に添加することが必要となる。しかし、プロテアーゼの作用速度には限界があるため多量に添加しても、糖化アミノ酸や短い糖化ペプチドを短時間で生成できないことも知られている。また、プロテアーゼを多量に添加すると、プロテアーゼがFAODやPODなどの共存する酵素タンパクにも作用してこれらを失活させてしまい、FAODやPODなどの酵素を多量に添加する必要が発生する。また、プロテアーゼを多量に添加したとしても、プロテアーゼもタンパク質であるため、自己消化によるプロテアーゼの安定性の悪化や、プロテアーゼ反応を阻害するため、短時間で糖化タンパク質を分解できないことが示唆される。また、プロテアーゼを高濃度で使用したり、長時間作用させたりする場合には、目的物以外の糖化タンパク質にも作用してしまう可能性や、プロテアーゼ自身の自己分解が発生する可能性も存在する。
一方で、2種類のプロテアーゼを組み合わせて使用した場合については以下の課題がある。特許文献1及び2は、α−アミノ基が糖化されたアミノ酸を遊離させるプロテアーゼ(第2のプロテアーゼ)と他のプロテアーゼ(第1のプロテアーゼ)を併用する方法を開示する。第2のプロテアーゼは、α−アミノ基が糖化されたアミノ酸を遊離させるプロテアーゼという基質特異性の狭いプロテアーゼであることが開示されている。しかし、第1のプロテアーゼについては、「糖化タンパク質等を別の酵素(例えば、プロテアーゼ等)で分解させてもよい」との記載があるのみで、特別な開示も限定もない。
特許文献3は、セリンカルボキシペプチダーゼ(第2のプロテアーゼ)と適当なエンドプロテアーゼ又はエキソプロテアーゼ(第1のプロテアーゼ)等を用いて酵素処理する方法を開示する。第2のプロテアーゼは、セリンカルボキシペプチダーゼという限定された基質特異性を持つ酵素である。しかし、特許文献3には、第1のプロテアーゼに関して「上記N末端のバリンがフルクトシル化されているペプチドは、かかる配列を有するペプチド又はタンパク質を、適当なエンドプロテアーゼ又はエキソプロテアーゼ等を用いて処理することにより、調製することができる。これらプロテアーゼとしては、例えばエラスターゼ、プロテイナーゼK、ペプシン、アルカリプロテアーゼ、トリプシン、プロリン特異エンドプロテアーゼ、V8プロテアーゼ、カルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼB等が挙げられる」と記載されているのみで、第1のプロテアーゼについての特別な開示も限定もない。
特許文献4は、ヘモグロビンのβ鎖N末端から3番目のロイシンのカルボキシル基側を切断出来るプロテアーゼでの処理、及び、生成したフルクトシルバリルヒスチジルロイシンからヒスチジルロイシンを切り取ることが出来るプロテアーゼで処理を開示する。同文献に記載のプロテアーゼ(ヘモグロビンのβ鎖N末端から3番目のロイシンのカルボキシル基側を切断出来るプロテアーゼ)は、非常に特異性が高くHbA1c(糖化タンパク質)には作用しないため、第2のプロテアーゼになる。このため、HbA1cを予め分解する第1のプロテアーゼが必須であるが、特別な開示も限定もない。
特許文献5は、HbA1cをエンドプロテイナーゼGlu−Cにより処理することでα−糖化ヘキサペプチドを生成させ、その後、α−糖化ジペプチドを遊離させる能力を有するプロテアーゼを作用させることが記載されているが、特別な開示も限定もない。
特許文献6〜13は、複数のプロテアーゼを組み合わせることで糖化タンパク質の分解速度が向上することを開示している。しかし、FAODとプロテアーゼを共存させた場合、FAODがプロテアーゼにより分解してしまう可能性についての記載や、同一の試薬に処方することの開示もない。
特許文献14は、FAOD処理の前にプロテアーゼを失活させることは、3ステップ(プロテアーゼ処理、プロテアーゼ失活処理、FAOD処理)とステップが増えることが開示されているが、一般的にステップは少ないほうがよい。また、FAODとプロテアーゼを共存させることは記載されていない。
特許文献15は、糖化タンパク質の測定という短い時間におけるプロテアーゼがFAODを失活させることについての開示があるが、FAODとプロテアーゼを同一の試薬にした場合を示唆する内容の開示もされていない。また、FAODには種々の基質特異性があり、様々な基質特異性のFAODにおいてプロテアーゼに耐性があることを開示しているわけでもなく、さらに、これら全てのFAODについてプロテアーゼ耐性を発見することは、非常に困難である。
このため、糖化タンパク質の測定試薬の構成として、下記の3種類が開示されてきた。
従来1:第1試薬=プロテアーゼ、第2試薬=FAOD;
従来2:第1試薬=FAOD、第2試薬=プロテアーゼ;
従来3:第1試薬=FAOD、第2試薬=プロテアーゼ、第3試薬=FAOD。
そこで、本開示は、測定対象物(例えば、糖化タンパク質)に作用して生成物(C)を生成する酵素(A)(例えば、プロテアーゼ)と、前記生成物(C)を特異的に検出する酵素(B)(例えば、FAOD)とを用いて測定対象物を測定する方法であって、測定対象物から生成物(C)をより簡便かつ効率的に生成できる測定方法を提供する。
本開示は、測定対象物に作用する酵素(A)と、前記測定対象物から生成される生成物(C)を特異的に検出する酵素(B)とを用いて測定対象物を測定する方法であって、i)測定対象物非存在下で酵素(A)と酵素(B)とが共存した試薬(D)を準備すること、ii)測定対象物を前記試薬(D)と接触させることによって、前記酵素(A)を前記測定対象物に作用させて前記酵素(B)が実質的に作用しない生成物(E)を前記測定対象物から生成させること、iii)前記酵素(A)とは異なる酵素(F)又は酵素(A)を、前記測定対象物及び又は前記生成物(E)に作用させて生成物(C)を生成させること、並びに、iv)前記酵素(B)に前記生成物(C)を検出させること、を含む測定対象物の測定方法(以下、「本開示の測定方法」ともいう)に関する。
本開示は、測定対象物から生成物(C)をより短時間で効率的に生成することができ、測定対象物の測定精度を高めることができるという効果を奏しうる。
図1は、実施例1及び比較例1の結果を示すグラフである。 図2は、実施例2及び比較例2の結果を示すグラフである。 図3は、実施例3及び比較例3の結果を示すグラフである。
本開示は、測定対象物に作用して生成物(C)を生成する酵素(A)と、生成物(C)を特異的に検出する酵素(B)とを用いて測定対象物を測定する方法において、酵素(A)と酵素(B)とが共存した試薬を使用することで生成物(C)をより短時間で効率的に生成することができるという知見に基く。また、本開示は、測定対象物に作用して生成物(C)を生成する酵素(A)と、生成物(C)を特異的に検出する酵素(B)とを用いて測定対象物を測定する方法において、酵素(A)と酵素(B)とを共存させた状態で測定対象物に接触させることによって、生成物(C)をより短時間で効率的に生成することができるという知見に基づく。
本開示の測定方法によれば、酵素(A)と酵素(B)とが共存した試薬を使用することで、第1に、酵素(A)により測定対象物をより生成物(C)を生成しやすい形態とすることで生成物(C)の生成スピードを向上でき、第2に、酵素(B)により測定誤差を与えうる内因性物質を除去できる。より具体的には、本開示の測定方法によれば、酵素(A)と酵素(B)とが共存した試薬(D)を測定対象物に接触させることによって、試薬(D)に共存する酵素(A)と酵素(B)とを測定対象物に接触させ、これにより、一又は複数の実施形態において、酵素(A)による生成物(C)の生成スピードの向上と、酵素(B)による測定誤差を与えうる内因性物質の除去とを同時に行うことができる。
[測定対象物]
本明細書において、測定対象物とは、本開示の測定方法の測定対象となる、糖化タンパク質、タンパク質、尿素、トリグリセライド等の脂肪酸、クレアチニン、グルコース等をいう。また、前記糖化タンパク質としては、糖化ヘモグロビン、糖化アルブミン、HbA1c、又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。
[測定対象物に作用して生成物(C)を生成する酵素(A)及び酵素(F)]
本明細書において、「測定対象物に作用して生成物(C)を生成する酵素(A)又は測定対象物に作用する酵素(A)」とは、測定対象物に作用して生成物(C)を生成する又は生成しうる酵素、測定対象物に作用して生成物(C)を生成しうる生成物(E)を生成する又は生成しうる酵素をいう。本開示における酵素(A)としては、一又は複数の実施形態において、プロテアーゼ、リポプロテインリパーゼ、クレアチニナーゼ、ヘキソキナーゼ、アミラーゼ等が挙げられる。
本明細書において、酵素(F)は、一又は複数の実施形態において、酵素(A)とは異なるが、同じプロテアーゼにカテゴライズされる酵素や、生成物(C)を生成するキナーゼ、クレアチナーゼ、グルコース6リン酸デヒドロゲナーゼ、αグルコシダーゼ等をいう。生成物(C)を生成するキナーゼとしては、一又は複数の実施形態において、ピルビン酸キナーゼ、グリセロールキナーゼ等が挙げられる。
[生成物(C)を特異的に検出する酵素(B)]
本明細書において、「生成物(C)を特異的に検出する酵素(B)」とは、一又は複数の実施形態において、フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)、アミノ酸オキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、グリセロール−3−リン酸オキシダーゼ、サルコシンオキシダーゼ、ジアホラーゼ等をいう。アミノ酸オキシダーゼとしては、一又は複数の実施形態において、トリプトファンに特異的に作用するもの(特開2001−69974号公報)、リジンに特異的に作用するもの(特開平8−509367号公報)などが挙げられる。
[生成物(C)]
本明細書において、「生成物(C)」とは、測定対象物から直接生成されるか、又は測定対象物から生成された生成物(E)から生成される生成物であって、測定対象物及び又は生成物(E)に酵素(F)又は酵素(A)が作用して生成される生成物である。本開示における「生成物(C)」としては、一又は複数の実施形態において、糖化アミノ酸、糖化アミノ酸を含むアミノ酸残基が2〜6の糖化ペプチド、ピルビン酸、グリセロール−3−リン酸、サルコシン、NADH等をいう。
[生成物(E)]
本明細書において、「酵素(B)が実質的に作用しない生成物(E)」とは、酵素(A)と測定対象物とが作用して生成され、かつ酵素(A)又は酵素(F)と作用して生成物(C)を生成しうる生成物である。本開示における「生成物(E)」としては、一又は複数の実施形態において、アミノ酸残基が2〜6又はそれ以上の糖化ペプチド、グルコース6−リン酸、ADP、グリセロール、クレアチン、コレステロール等をいう。
測定対象物、酵素(A)、生成物(E)、酵素(F)、生成物(C)及び酵素(B)の組み合わせの一又は複数の実施形態は、下記の通りである。
Figure 2015165824
プロテアーゼとしては、一又は複数の実施形態において、サーモリシン、トリプシン、α−キモトリプシン、アルカラーゼ、中性プロテアーゼ、及びアルカリ性プロテアーゼ等が挙げられる。トリプシンとしては、一又は複数の実施形態において、ブタ膵由来トリプシン、及びウシ膵由来トリプシン等が挙げられる。α−キモトリプシンとしては、一又は複数の実施形態において、ウシ膵由来α−キモトリプシン等が挙げられる。アルカリ性プロテアーゼとしては、一又は複数の実施形態として、アルカラーゼ(商標、Novozymes製、Bacillus lichenifrmis)、及びサブチリシン309(商品名:Savinase(商標)、Novozymes製、Bacillus sp)等が挙げられる。
酵素(A)がプロテアーゼである場合、酵素(A)と酵素(F)との組み合わせとしては、特に限定されない一または複数の実施形態において、酵素(A)がプロテアーゼであり、酵素(F)が酵素(A)とは異なるプロテアーゼである組み合わせ、並びに、酵素(A)がサーモリシン、トリプシン、α−キモトリプシン、アルカラーゼ、中性プロテアーゼ、及びアルカリ性プロテアーゼから選択され、酵素(F)がアルカリ性プロテアーゼ(但し、酵素(A)で使用したアルカリ性プロテアーゼを除く)との組み合わせが挙げられる。本開示における「酵素(A)とは異なるプロテアーゼ」としては、一又は複数の実施形態において、基質、基質特異性、切断部位、活性構造、及び至適pH等の少なくともいずれかの点で酵素(A)とは異なるプロテアーゼが挙げられる。
[試薬(D)]
本開示の測定方法は、酵素(A)と酵素(B)とが共存した試薬(D)を用いることを技術的特徴の1つとする。一実施形態において、試薬(D)は、酵素(A)、酵素(B)、及びこれらがパッケージされた容器を含む市販パッケージ又はその一部の試薬である。
酵素(A)がプロテアーゼである場合、プロテアーゼは、タンパク質を分解する酵素であるため他の酵素と共存させることが困難であり、プロテアーゼと他の酵素(例えば、FAOD)とを同一の試薬とすることはされてこなかった。
[測定方法]
本開示の測定方法は、i)測定対象物非存在下で酵素(A)と酵素(B)とが共存した試薬(D)を準備すること、ii)測定対象物を酵素(A)及び酵素(B)と接触させ、酵素(A)を測定対象物に作用させて酵素(B)が実質的に作用しない生成物(E)を測定対象物から生成させること、iii)測定対象物に作用して生成物(C)を生成する酵素(A)とは異なる酵素(F)又は酵素(A)を、測定対象物及び又は生成物(E)に作用させて生成物(C)を生成させること、並びに、iv)酵素(B)に前記生成物(C)を検出させること、という少なくとも4つの工程を含む測定対象物の測定方法である。
本開示の測定方法において、測定対象物と酵素(A)及び酵素(B)との接触は、工程i)で予め準備した試薬(D)と測定対象物とを接触させることにより行ってもよい。すなわち、測定対象物に接触させる酵素(A)及び酵素(B)は、工程i)で準備した試薬(D)に含まれる酵素(A)及び酵素(B)であってもよい。また、工程iv)において生成物(C)の検出に用いる酵素(B)は、工程ii)で測定対象物と接触させた酵素(B)であることが好ましい。
工程i)における酵素(A)と酵素(B)とが共存した試薬(D)は、一又は複数の実施形態において、工程ii)、すなわち測定対象物と接触させる直前に酵素(A)と酵素(B)とを混合させることによって調製してもよいし、予め調製されて保存されたものであってもよい。試薬(D)を長期間保存することによる酵素(A)及び/又は酵素(B)の活性の低下を低減する点からは、測定対象物と接触させる直前に酵素(A)と酵素(B)とを混合させることによって調製した試薬(D)を使用することが好ましい。
本開示の測定方法は、上記工程iii)について少なくとも3つの実施形態が挙げられる。
第1の形態は、酵素(A)を2回添加する形態である。すなわち、前記工程iii)が、前記工程ii)の後にさらに酵素(A)を添加することにより行われる。
第2の形態は、酵素(A)と酵素(F)とを別々に添加する形態である。すなわち、前記工程iii)が、前記工程ii)の後に酵素(F)を添加することにより行われる。
第3の形態は、酵素(A)を1回添加し、かつ、後で活性化させる形態である。すなわち、前記工程iii)が、前記工程ii)の後に酵素(A)を活性化することにより行われる。第3の形態において、工程iii)で測定対象物及び又は生成物(E)に作用させる酵素(A)は、工程i)で予め準備した試薬(D)に含まれる酵素(A)であってもよい。
本開示の測定方法において、工程iv)における検出は、一又は複数の実施形態において、吸光度で測定する方法、又は電気化学的に測定する方法等により行うことができる。
本開示の測定方法において、酵素(A)、酵素(B)、酵素(A)と酵素(B)とを含む試薬(D)、及び酵素(F)の形態は、一または複数の実施形態において、液状試薬、及び凍結乾燥又は温風乾燥させた乾燥系試薬等が挙げられる。乾燥系試薬を使用する場合、測定前に溶解して使用してもよいし、液系の試料と混合することによって溶解させてもよい。
本開示は、その他の態様として、測定対象物に作用して生成物(C)を生成する酵素(A)と、生成物(C)を特異的に検出する酵素(B)とを用いて測定対象物を測定する方法であって、ii')測定対象物を、酵素(A)と酵素(B)とを含む乾燥試薬(D)と接触させることによって、前記酵素(A)を前記測定対象物に作用させて前記酵素(B)が実質的に作用しない生成物(E)を前記測定対象物から生成させること、iii')前記酵素(A)を、前記測定対象物及び又は前記生成物(E)に作用させて生成物(C)を生成させること、並びにiv)前記酵素(B)に前記生成物(C)を検出させることを含む、測定対象物の測定方法に関する。本態様の測定方法において、酵素(A)、酵素(B)、生成物(C)、及び生成物(E)は、上述の通りである。
乾燥試薬(D)は、一又は複数の実施形態において、酵素(A)を含む試薬層と、酵素(B)を含む試薬層とを含む第1の試薬層を備える。乾燥試薬(D)の一又は複数の実施形態において、酵素(A)と酵素(B)とが混合した状態であってもよいし、酵素(A)を含む層と酵素(B)を含む層が積層された状態であってもよい。
乾燥試薬(D)は、一又は複数の実施形態において、酵素(F)を含んでいてもよい。酵素(F)は上記のものが使用できる。乾燥試薬(D)は、一又は複数の実施形態において、第1の試薬層に加え第2の試薬層を備え、第2の試薬層が酵素(F)を含む。乾燥試薬(D)は、一又は複数の実施形態において、分析対象物と接触する側から順に酵素(A)を含む層、酵素(B)を含む層及び酵素(F)を含む層が積層又は基板上に並列に並んだ形態であってもよいし、酵素(B)を含む層、酵素(A)を含む層及び酵素(F)を含む層が積層又は基板上に並列に並んだ形態であってもよいし、酵素(A)及び酵素(B)を含む層、並びに酵素(F)を含む層が積層又は基板上に並列に並んだ形態であってもよい。
工程iii')は、一又は複数の実施形態において、前記測定対象物及び又は前記生成物(E)に、前記酵素(A)及び前記酵素(F)を作用させて生成物(C)を生成させることを含んでいてもよい。
以下、本開示の測定方法の特に限定されない一又は複数の実施形態として、測定対象物が糖化タンパク質であり、酵素(A)及び酵素(F)がプロテアーゼであり、酵素(B)がFAODであるケースを例にとり説明する。
第1の形態
第1の形態では、i)糖化タンパク質非存在下でプロテアーゼとFAODとが共存した第1試薬を準備すること、ii)糖化タンパク質をプロテアーゼ及びFAODと接触させ、プロテアーゼを糖化タンパク質に作用させてFAODが実質的に作用しない生成物を測定対象物から生成させること、iii)工程i)(第1試薬)と同じプロテアーゼである第2試薬を、糖化タンパク質及び又は前記生成物に作用させてFAODの基質(糖化アミノ酸及び又は糖化ペプチド)を生成させること、並びに、iv)FAODに前記基質を検出させること、を含む。
第1の形態における工程ii)の反応条件は、測定対象である糖化タンパク質から、FAODが反応できる糖化アミノ酸や短い糖化ペプチドを実質的に生成することはないようにすることが好ましい。
第1の形態は、FAOD及びプロテアーゼを含む第1試薬と、第1試薬と同じプロテアーゼを含む第2試薬とを含む試薬キットを用いて行うことができる。
本開示の第1の形態の方法の一例としては、FAODとプロテアーゼとを含む第1試薬を試料と接触させた後、ついで第1試薬と同じプロテアーゼを含む第2試薬を添加することによって行う方法が挙げられる。このように、本開示の第1の形態の方法によれば、一又は複数の実施形態において、FAOD及びプロテアーゼを含む第1試薬と、第1試薬と同じプロテアーゼを含む第2試薬との2種類の試薬のみの使用によっても測定対象物の測定を行うことができる。
第1試薬の保存条件では、プロテアーゼによるFAODの活性の低下が実質的になく、プロテアーゼもFAODも安定に存在することができることが好ましい。また、第1試薬の保存条件は、プロテアーゼが活性のある状態である、若しくは、第1試薬中ではプロテアーゼが不活性な状態であることが好ましく、試料と混合されることでプロテアーゼが活性化することが好ましい。また、基質特異性が広いプロテアーゼである場合、第1試薬では低濃度で使用することが好ましい。
第2の形態
第2の形態では、i)糖化タンパク質非存在下でプロテアーゼとFAODとが共存した第1試薬を準備すること、ii)糖化タンパク質をプロテアーゼ及びFAODと接触させ、プロテアーゼを糖化タンパク質に作用させてFAODが実質的に作用しない生成物を測定対象物から生成させること、iii)工程i)(第1試薬)と異なるプロテアーゼである第2試薬を、糖化タンパク質及び又は前記生成物に作用させてFAODの基質(糖化アミノ酸及び又は糖化ペプチド)を生成させること、並びに、iv)FAODに前記基質を検出させること、を含む。
第2の形態における工程ii)の反応条件は、測定対象である糖化タンパク質から、FAODが反応できる糖化アミノ酸や短い糖化ペプチドを実質的に生成することはないようにすることが好ましい。
第2の形態は、FAOD及びプロテアーゼを含む第1試薬と、第1試薬と異なるプロテアーゼを含む第2試薬とを含む試薬キットを用いて行うことができる。
本開示の第2の形態の方法の一例としては、FAODとプロテアーゼとを含む第1試薬を試料と接触させた後、ついで第1試薬と異なるプロテアーゼを含む第2試薬を添加することによって行う方法が挙げられる。このように、本開示の第2の形態の方法によれば、一又は複数の実施形態において、FAOD及びプロテアーゼを含む第1試薬と、第1試薬と異なるプロテアーゼを含む第2試薬との2種類の試薬のみの使用によっても測定対象物の測定を行うことができる。
第1試薬の保存条件では、プロテアーゼによるFAODの活性の低下が実質的になく、プロテアーゼもFAODも安定に存在することができることが好ましい。また、第1試薬の保存条件は、プロテアーゼが活性のある状態である、若しくは、第1試薬中ではプロテアーゼが不活性な状態であることが好ましく、試料と混合されることでプロテアーゼが活性化することが好ましい。また、基質特異性が広いプロテアーゼである場合、第1試薬では低濃度で使用することが好ましい。但し、第1試薬におけるプロテアーゼは、基質特異性が狭いプロテアーゼであることが好ましく、具体例としては、トリプシン、Glu−C、Lys−C、Asp−Nなどが挙げられる。
第2の形態の第2試薬のプロテアーゼとしては、第1試薬のプロテアーゼにより生成した糖化タンパク質由来の大きなペプチドに作用し、FAODが反応できる糖化アミノ酸や短い糖化ペプチドを生成できるプロテアーゼが好ましい。また、第2試薬のプロテアーゼのみを、十分に糖化タンパク質に反応させれば、第2試薬のプロテアーゼのみで糖化タンパク質からFAODが反応できる糖化アミノ酸や短い糖化ペプチドを生成できてもよい。或いは、第2試薬のプロテアーゼのみを十分に糖化タンパク質に反応させても、糖化タンパク質からFAODが反応できる糖化アミノ酸や短い糖化ペプチドを生成できなくてもよい。測定対象物が糖化ヘモグロビンや糖化アルブミンの場合、比較的、基質特異性が広いプロテアーゼであることが好ましい。
第3の形態
第3の形態では、i)糖化タンパク質非存在下でプロテアーゼとFAODとが共存した第1試薬を準備すること、ii)糖化タンパク質をプロテアーゼ及びFAODと接触させ、プロテアーゼを糖化タンパク質に作用させてFAODが実質的に作用しない生成物を測定対象物から生成させること、iii)第1試薬のプロテアーゼを活性化させて糖化タンパク質及び又は前記生成物に作用させてFAODの基質(糖化アミノ酸及び又は糖化ペプチド)を生成させること、並びに、iv)FAODに前記基質を検出させること、を含む。
第3の形態は、FAOD及びプロテアーゼを含む第1試薬と、第1試薬のプロテアーゼの活性化剤を含む第2試薬とを含む試薬キットを用いて行うことができる。
本開示の第3の形態の方法の一例としては、FAODとプロテアーゼとを含む第1試薬を試料と接触させた後、ついで第1試薬に含まれるプロテアーゼを活性化するプロテアーゼ活性化剤を含む第2試薬を添加することによって行う方法が挙げられる。このように本開示の第3の形態の方法によれば、一又は複数の実施形態において、FAOD及びプロテアーゼを含む第1試薬と、上記プロテアーゼ活性化剤を含む第2試薬との2種類の試薬のみの使用によっても測定対象物の測定を行うことができる。
第3の形態における工程ii)の反応条件は、プロテアーゼが不活性な状態である、若しくは、測定対象である糖化タンパク質から、FAODが反応できる糖化アミノ酸や短い糖化ペプチドを実質的に生成することができない程度の活性であることが好ましい。
第3の形態における第1試薬のプロテアーゼは、活性化状態では糖化タンパク質を分解してFAODが反応できる糖化アミノ酸や糖化ペプチドを生成できるが、試料と混合されることでプロテアーゼが完全に活性化することはないことが好ましい。第1試薬の保存条件では、プロテアーゼによるFAODの活性の低下が実質的になく、プロテアーゼもFAODも安定に存在することができることが好ましい。また、第1試薬の保存条件は、不活性なプロテアーゼの状態でもプロテアーゼは安定に存在できるか、プロテアーゼが低い活性の状態である、若しくは、第1試薬中ではプロテアーゼが不活性な状態であることが好ましく、試料と混合されることでプロテアーゼが低い活性の状態となることが好ましい。
第3の形態における第2試薬のプロテアーゼ活性化剤とは、プロテアーゼの活性を活性化させる物質、又は測定対象物を変性させることでプロテアーゼが測定対象物に作用できるようにする物質のいずれかであることが好ましい。一又は複数の実施形態において、プロテアーゼとしてトリプシンを用いる場合、プロテアーゼ活性化剤としてカルシウムを用いることができる。
第1〜3の形態における工程iv)における検出は、FAODが生成した過酸化水素をPODと発色剤を用い色素を生成させて吸光度で測定する方法、FAODが生成した過酸化水素を過酸化水素電極で測定する方法、或いは、FAODが反応するメディエータを共存させて電気化学的に測定する方法を含んでもよい。
第1〜3の形態において、プロテアーゼによる糖化タンパク質の分解を促進させる点から、第1試薬及び/又は第2試薬は、一又は複数の実施形態において、糖化タンパク質の変性剤を含んでいてもよい。変性剤としては、一又は複数の実施形態において、界面活性剤、酸化剤、及び還元剤等が挙げられる。
以下、本開示の特に限定されない一又は複数の実施形態として、試薬が乾燥試薬であり、測定対象物が糖化タンパク質であり、酵素(A)及び酵素(F)がプロテアーゼであり、酵素(B)がFAODであるケースを例にとり説明する。
本実施形態によれば、プロテアーゼによるFAODの失活をより抑制できることから、FAODをより安定的に保存することができる。また、乾燥試薬を用いた場合、試料中のタンパク質の濃度が高いことによりプロテアーゼの基質阻害が発生したり、反応性を高めるためにプロテアーゼを増量するとプロテアーゼ自身が反応を阻害することによって、糖化タンパク質をプロテアーゼで分解する反応が阻害され、測定値が低下する場合がある。このような場合に、2種類のプロテアーゼを用いることでプロテアーゼ量を減少させることができ、反応液中のタンパク質濃度を低下させることによって反応を短時間で終了させることができるメリットがある。反応時間の短縮は、POCTに用いるときには特に有効で、採血から結果の出力までの時間短縮は、患者の負担を減らすことにつながる。
乾燥試薬の構造は、特に制限されるものではないが、プロテアーゼによるFAOD等の失活を抑制する点から、試料によって各酵素が順番に溶解される構造が好ましい。溶解させる順番としては、特に限定されない一または複数の実施形態において、以下の3通りの順序が挙げられる。
順序1:酵素(A)→酵素(B)→酵素(F)
順序2:酵素(B)→酵素(A)→酵素(F)
順序3:酵素(A)及び酵素(B)→酵素(F)
乾燥試薬の構造としては、一又は複数の実施形態において、上記順序で各酵素が溶解するように各酵素を含む試薬層が積層された構造であってよいし、基材上に並列に配置された構造であってもよい。順序1及び2の場合、特に限定されない一又は複数の実施形態において、酵素(A)及び(B)が時間差なく速やかに溶解されるように配置することが好ましい。
[キット及び市販パッケージ]
本開示は、その他の態様として、本開示の測定方法に使用する市販パッケージであって、酵素(A)、酵素(B)、及びこれらがパッケージされた容器を含む市販パッケージに関する。本明細書において、市販パッケージの試薬は、本開示の測定方法を行う実験室で調製された試薬を含まず、本開示の測定方法に使用されるために製造業者によって調製されて市販される試薬をいう。酵素(A)及び酵素(B)は、同一の容器にパッケージされていてもよいし、異なる容器にパッケージされていてもよい。具体例として、プロテアーゼ、FAOD、及びこれらがパッケージされた容器を含む市販パッケージが挙げられる。本開示の市販パッケージには、本開示の測定方法が記載された取扱説明書が添付されていてもよい。
本開示は、さらにその他の態様として、本開示の測定方法に使用する試薬キットであって、酵素(A)と酵素(B)とが共存する試薬容器を含む試薬キットに関する。本明細書において、試薬キットは、本開示の測定方法を行う実験室で調製された試薬を含まず、本開示の測定方法に使用されるために製造業者によって調製されて市販される試薬又は試薬の組合せをいう。本開示の試薬キットは、さらに、別の容器にパッケージされた酵素(A)又は酵素(F)を含んでもよく、本開示の測定方法が記載された取扱説明書が添付されてもよい。本開示の試薬キットの具体例として、プロテアーゼとFAODとが共存する試薬容器を含む試薬キットが挙げられる。
本開示は、さらにその他の態様として、本開示の測定方法に使用する試薬キットであって、酵素(A)及び酵素(B)を含む乾燥試薬(D)を含む試薬キットに関する。乾燥試薬(D)の一又は複数の実施形態において、酵素(A)と酵素(B)とが混合した状態であってもよいし、酵素(A)を含む層と酵素(B)を含む層が積層された状態であってもよい。乾燥試薬(D)は、一又は複数の実施形態において、酵素(F)を含んでいてもよい。乾燥試薬(D)は、一又は複数の実施形態において、試薬と接触する側から順に酵素(A)を含む層、酵素(B)を含む層及び酵素(F)を含む層が積層又は基板上に並列に並んだ形態であってもよいし、酵素(B)を含む層、酵素(A)を含む層及び酵素(F)を含む層が積層又は基板上に並列に並んだ形態であってもよいし、酵素(A)及び酵素(B)を含む層、並びに酵素(F)を含む層が積層又は基板上に並列に並んだ形態であってもよい。
本開示は、以下の態様、すなわち、
〔1〕 測定対象物に作用して生成物(C)を生成する酵素(A)と、生成物(C)を特異的に検出する酵素(B)とを用いて測定対象物を測定する方法であって、
i)測定対象物非存在下で酵素(A)と酵素(B)とが共存した試薬(D)を準備すること、
ii)測定対象物を酵素(A)及び酵素(B)と接触させることによって、酵素(A)を測定対象物に作用させて酵素(B)が実質的に作用しない生成物(E)を測定対象物から生成させること、
iii)測定対象物に作用して生成物(C)を生成する酵素(A)とは異なる酵素(F)又は酵素(A)を、測定対象物及び又は生成物(E)に作用させて生成物(C)を生成させること、並びに
iv)酵素(B)に前記生成物(C)を検出させることを含む、測定対象物の測定方法;
〔2〕 測定対象物に作用する酵素(A)と、前記測定対象物から生成される生成物(C)を特異的に検出する酵素(B)とを用いて測定対象物を測定する方法であって、
i)測定対象物非存在下で酵素(A)と酵素(B)とが共存した試薬(D)を準備すること、
ii)測定対象物に前記試薬(D)を接触させ、前記酵素(A)を前記測定対象物に作用させて前記酵素(B)が実質的に作用しない生成物(E)を前記測定対象物から生成させること、
iii)前記酵素(A)とは異なる酵素(F)又は酵素(A)を、前記測定対象物及び又は前記生成物(E)に作用させて生成物(C)を生成させること、並びに
iv)前記酵素(B)に前記生成物(C)を検出させることを含む、測定対象物の測定方法;
〔3〕 前記試薬(D)が、酵素(A)、酵素(B)、及びこれらがパッケージされた容器を含む市販パッケージ又はその一部の試薬である〔1〕又は〔2〕記載の測定方法;
〔4〕 前記工程iii)が、前記工程ii)の後にさらに酵素(A)を添加することにより行われる〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の測定方法;
〔5〕 前記工程iii)が、前記工程ii)の後に酵素(F)を添加することにより行われる〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の測定方法;
〔6〕 前記工程iii)が、前記工程ii)の後に酵素(A)を活性化することにより行われる〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の測定方法;
〔7〕 測定対象物に作用する酵素(A)と、前記測定対象物から生成される生成物(C)を特異的に検出する酵素(B)とを用いて測定対象物を測定する方法であって、
ii')測定対象物を、酵素(A)と酵素(B)とを含む乾燥試薬(D)と接触させることによって、前記酵素(A)を前記測定対象物に作用させて前記酵素(B)が実質的に作用しない生成物(E)を前記測定対象物から生成させること、
iii')前記酵素(A)を、前記測定対象物及び又は前記生成物(E)に作用させて生成物(C)を生成させること、並びに
iv)前記酵素(B)に前記生成物(C)を検出させることを含む、測定対象物の測定方法;
〔8〕 前記乾燥試薬(D)は、前記酵素(A)を含む試薬層と、前記酵素(B)を含む試薬層とを含む第1の試薬層を備える、〔7〕記載の測定方法;
〔9〕 前記乾燥試薬(D)は、さらに酵素(F)を含む第2の試薬層を備え、
工程iii')において、前記測定対象物及び又は前記生成物(E)に、前記酵素(A)及び前記酵素(F)を作用させて生成物(C)を生成させる、〔7〕又は〔8〕に記載の測定方法;
〔10〕 測定対象物が糖化タンパク質である〔1〕から〔9〕のいずれかに記載の測定方法;
〔11〕 糖化タンパク質が、糖化ヘモグロビン、糖化アルブミン、HbA1c、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される〔10〕記載の測定方法;
〔12〕 前記酵素(A)及び(F)がプロテアーゼである〔1〕から〔6〕、〔9〕及び〔10〕のいずれかに記載の測定方法;
〔13〕 前記酵素(B)がフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)である〔1〕から〔12〕のいずれかに記載の測定方法;
〔14〕 前記生成物(E)が、糖化アミノ酸を含む7以上のアミノ酸残基を有する糖化ペプチドである〔1〕から〔13〕のいずれかに記載の測定方法;
〔15〕 〔1〕から〔14〕のいずれかに記載の測定方法に使用する市販パッケージであって、酵素(A)、酵素(B)、及びこれらがパッケージされた容器を含む市販パッケージ;
〔16〕 〔1〕から〔6〕及び〔10〕から〔14〕のいずれかに記載の測定方法に使用する試薬キットであって、酵素(A)と酵素(B)とが共存する試薬容器を含む試薬キット;
〔17〕 さらに、別の容器にパッケージされた酵素(A)又は酵素(F)を含む〔16〕記載の試薬キット;
〔18〕 プロテアーゼとフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)とが共存する試薬容器を含む糖化タンパク質を測定するための試薬キット;
〔19〕 血清又は血漿試料中の糖化タンパク質をプロテアーゼで処理し、生成した糖化アミノ酸及び/又は糖化ペプチドをフルクトシルアミノ酸オキシダーゼで処理することにより、糖化タンパク質の含有量を測定する方法において、
前記試料中の糖化タンパク質にプロテアーゼ及びフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを同時に接触させた後、前記プロテアーゼとは異なるプロテアーゼを添加することによって、前記糖化タンパク質を加水分解して糖化アミノ酸及び/又は糖化ペプチドを生成させること、及び、
生成した糖化アミノ酸及び/又は糖化ペプチドをペルオキシダーゼ存在下で前記フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ及び発色試薬と作用させることを含む、糖化タンパク質の含有量を測定する方法;
〔20〕 血清又は血漿試料中の糖化タンパク質をプロテアーゼで処理し、生成した糖化アミノ酸及び/又は糖化ペプチドをフルクトシルアミノ酸オキシダーゼで処理することにより、糖化タンパク質の含有量を測定する方法において、
前記試料を、プロテアーゼ及びフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを含む乾燥試薬と接触させた後、前記プロテアーゼとは異なるプロテアーゼを添加することによって、前記試料中の糖化タンパク質を加水分解して糖化アミノ酸及び/又は糖化ペプチドを生成させること、及び、
生成した糖化アミノ酸及び/又は糖化ペプチドを前記フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ及びペルオキシダーゼと作用させることを含む、測定方法;
に関する。
以下に、実施例を用いて本発明をさらに説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定して解釈されない。
なお、本明細書の記載において、以下の略語を使用する。
TES:N-Tris(hydroxymethyl)methyl-2-aminoethanesulfonic acid
EDTA:ethylenediaminetetraacetic acid
POD:peroxidase
HTIB:[Hydroxy(tosyloxy)iodo]benzene
TAPS:N-[Tris(hydroxymethyl)methyl]-3-aminopropanesulfonic acid sodium
4−AA:4-Aminoantipyrine
プロテアーゼとしては、Thermolysin(和光純薬製、Bacillus thermoproteolyticus由来)及びSavinase(登録商標)(Novozymes製、Bacillus clausis由来)を使用した。FAODとしては、FAOD−E(商品名、キッコーマン製、組み換えE. coli由来)を使用した。
下記の第1試薬(試薬(D))と第2試薬とを準備し、試料として標準液(商品名:ルシカGA−L キャリブレータ、旭化成ファーマ製)を使用して糖化アルブミンの測定を行った。
(第1試薬:試薬(D))
TES 50mmol/L
Mg−EDTA 3mmol/L
CaCl2 5mmol/L
Triton X−100 0.3%
POD 25KU/L
HTIB 4mmol/L
FAOD(酵素(B)) 80KU/L
Thermolysin(酵素(A)) 4000KU/L
pH8.2
(第2試薬)
TAPS 180mmol/L
4−AA 5mmol/L
POD 80KU/L
Savinase(登録商標)(酵素(F)) 8000KU/L
pH8.0
試料2μL及び検体希釈液8μLを混合した後、第1試薬(試薬(D))を80μL添加して測定を開始した。測定開始から5分後に第2試薬を20μL添加した。なお、検体希釈液としては精製水を使用した。測定は、日本電子社製のBM−1650自動分析装置を用い、測定波長は、主波長=546nm、副波長=694nmとした。ブランクとして、試料として生理食塩水を使用した以外は、同様に測定を行った。試料として標準液を用いて得られた吸光度からブランクの吸光度を引いたものを測定値とし、その結果を図1に示す。
(比較例1)
比較例1として、上記第1試薬として下記の第1試薬−2を使用した以外は、実施例1と同様にして測定を行った。その結果を図1に示す。
(第1試薬−2)
TES 50mmol/L
Mg−EDTA 3mmol/L
CaCl2 5mmol/L
Triton X−100 0.3%
POD 25KU/L
HTIB 4mmol/L
FAOD(酵素(B)) 80KU/L
pH8.2
図1に示すように、実施例1のように第1試薬(試薬(D))としてプロテアーゼとFAODとが共存した試薬を使用することによって、速やかに反応が終了し、また、第1試薬としてFAODを添加し、ついで第2試薬としてプロテアーゼを添加する比較例1と比べて、測定開始から10分後における吸光度が上昇した。したがって、第1試薬(試薬(D))としてプロテアーゼとFAODとが共存した試薬を使用することによって、測定対象物から生成物(C)をより短時間で効率的に生成することができ、測定対象物の測定精度を高めることができることが確認できた。
実施例1−1として、Thermolysinの代わりに下記のいずれかを酵素(A)として添加した以外は、実施例1と同様の測定を行った。また、比較例1−1として、第1試薬に酵素(A)を添加しない以外は、実施例1と同様の測定を行った。
Trypsin(ブタ膵由来) 500KUSPUnit/L
Trypsin(ウシ膵由来) 18KU/L
α−Chymotrypsin(ウシ膵由来) 10KU/L
Alcalase(商標) 13AU-A/L
Neutral Protease 1300KU/L
測定により得られた「第2試薬の添加から5分後の吸光度」から「第2試薬の添加の直前の吸光度」を差し引いた吸光度を求めた。その結果、無添加(比較例)の場合が52mAbs.であるのに対して、Trypsin(ブタ膵由来)では59mAbs.、Trypsin(ウシ膵由来)では58mAbs.、α−Chymotrypsin(ウシ膵由来)では54mAbs.、Alcalaseでは54mAbs.、Neurtral Proteaseでは55mAbs.であった。
第2試薬の添加から同じ時間である5分後の吸光度が、無添加(比較例)に対して高くなっていることは、第1試薬(試薬(D))としてプロテアーゼとFAODとが共存した試薬を使用することによって、測定対象物から生成物(C)をより効率的により多く生成できたことを示しており、測定対象物の測定精度を高めることができることが確認できた。
試料として健常人血清を用いた以外は、実施例1と同様に測定を行った。その結果を図2に示す。
(比較例2)
比較例2として、試料として健常人血清を用いた以外は、比較例1と同様に測定を行った。その結果を図2に示す。
図2に示すように、実施例2のように第1試薬(試薬(D))としてプロテアーゼとFAODとが共存した試薬を使用することによって、速やかに反応が終了し、また、第1試薬としてFAODを添加し、ついで第2試薬としてプロテアーゼを添加する比較例2と比べて、測定開始から10分後における吸光度が上昇した。
試薬(D)として市販のグリコアルブミン測定試薬(商品名:ルシカGA−L グリコアルブミン試薬、旭化成ファーマ製)の第1試薬にThermolysin(プロテアーゼ)を添加した試薬を使用し、試料として標準液(商品名:ルシカGA−L キャリブレータ、旭化成ファーマ製)を使用して糖化アルブミンの測定を行った。
具体的には、実施例1の第1試薬にかえて、ルシカGA−L グリコアルブミン試薬 第1試薬に、Thermolysin(酵素(A))を4000KU/L、及びCaCl2を5mmol/Lとなるように添加し、KAOD(ケトアミンオキシダーゼ、酵素(B))とThermolysin(酵素(A))とを共存させた試薬を使用し、また、第2試薬として、ルシカGA−L グリコアルブミン試薬 第2試薬をそのまま使用した以外は、実施例1と同様に測定を行った。その結果を図3に示す。
(比較例3)
比較例3として、ルシカGA−L グリコアルブミン試薬 第1試薬をそのまま用いた以外は、実施例3と同様に行った。その結果を図3に示す。
図3に示すように、実施例3のように第1試薬(試薬(D))としてプロテアーゼとKAODとが共存した試薬を使用することによって、速やかに反応が終了し、また、第1試薬としてKAODを添加し、ついで第2試薬としてプロテアーゼを添加する比較例3と比べて、測定開始から10分後における吸光度が上昇した。
本発明は、医療分野、ライフサイエンス分野、バイオ研究分野において有用である。

Claims (19)

  1. 測定対象物に作用する酵素(A)と、前記測定対象物から生成される生成物(C)を特異的に検出する酵素(B)とを用いて測定対象物を測定する方法であって、
    i)測定対象物非存在下で酵素(A)と酵素(B)とが共存した試薬(D)を準備すること、
    ii)測定対象物を前記試薬(D)と接触させることによって、前記酵素(A)を前記測定対象物に作用させて前記酵素(B)が実質的に作用しない生成物(E)を前記測定対象物から生成させること、
    iii)前記酵素(A)とは異なる酵素(F)又は酵素(A)を、前記測定対象物及び又は前記生成物(E)に作用させて生成物(C)を生成させること、並びに
    iv)前記酵素(B)に前記生成物(C)を検出させることを含む、測定対象物の測定方法。
  2. 前記試薬(D)が、酵素(A)、酵素(B)、及びこれらがパッケージされた容器を含む市販パッケージ又はその一部の試薬である、請求項1記載の測定方法。
  3. 前記工程iii)が、前記工程ii)の後にさらに酵素(A)を添加することにより行われる、請求項1又は2に記載の測定方法。
  4. 前記工程iii)が、前記工程ii)の後に酵素(F)を添加することにより行われる、請求項1又は2に記載の測定方法。
  5. 前記工程iii)が、前記工程ii)の後に酵素(A)を活性化することにより行われる、請求項1又は2に記載の測定方法。
  6. 測定対象物が糖化タンパク質である、請求項1から5のいずれかに記載の測定方法。
  7. 糖化タンパク質が、糖化ヘモグロビン、糖化アルブミン、HbA1c、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項6記載の測定方法。
  8. 前記酵素(A)及び(F)がプロテアーゼである、請求項1から7のいずれかに記載の測定方法。
  9. 前記酵素(B)がフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)である、請求項1から8のいずれかに記載の測定方法。
  10. 前記生成物(E)が、糖化アミノ酸を含む7以上のアミノ酸残基を有する糖化ペプチドである、請求項1から9のいずれかに記載の測定方法。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の測定方法に使用する市販パッケージであって、
    酵素(A)、酵素(B)、及びこれらがパッケージされた容器を含む市販パッケージ。
  12. 請求項1から10のいずれかに記載の測定方法に使用する試薬キットであって、酵素(A)と酵素(B)とが共存する試薬容器を含む、試薬キット。
  13. さらに、別の容器にパッケージされた酵素(A)又は酵素(F)を含む、請求項12記載の試薬キット。
  14. プロテアーゼとフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)とが共存する試薬容器を含む、糖化タンパク質を測定するための試薬キット。
  15. 血清又は血漿試料中の糖化タンパク質をプロテアーゼで処理し、生成した糖化アミノ酸及び/又は糖化ペプチドをフルクトシルアミノ酸オキシダーゼで処理することにより、糖化タンパク質の含有量を測定する方法において、
    前記試料中の糖化タンパク質にプロテアーゼ及びフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを同時に接触させた後、前記プロテアーゼとは異なるプロテアーゼを添加することによって糖化タンパク質を加水分解して糖化アミノ酸及び/又は糖化ペプチドを生成させること、及び、
    生成した糖化アミノ酸及び/又は糖化ペプチドをペルオキシダーゼ存在下で前記フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ及び発色試薬と作用させることを含む、糖化タンパク質の含有量を測定する方法。
  16. 測定対象物に作用する酵素(A)と、前記測定対象物から生成される生成物(C)を特異的に検出する酵素(B)とを用いて測定対象物を測定する方法であって、
    ii')測定対象物を、酵素(A)と酵素(B)とを含む乾燥試薬(D)と接触させることによって、前記酵素(A)を前記測定対象物に作用させて前記酵素(B)が実質的に作用しない生成物(E)を前記測定対象物から生成させること、
    iii')前記酵素(A)を、前記測定対象物及び又は前記生成物(E)に作用させて生成物(C)を生成させること、並びに
    iv)前記酵素(B)に前記生成物(C)を検出させることを含む、測定対象物の測定方法。
  17. 前記乾燥試薬(D)は、前記酵素(A)を含む試薬層と、前記酵素(B)を含む試薬層とを含む第1の試薬層を備える、請求項16記載の測定方法。
  18. 前記乾燥試薬(D)は、さらに酵素(F)を含む第2の試薬層を備え、
    工程iii')において、前記測定対象物及び又は前記生成物(E)に、前記酵素(A)及び前記酵素(F)を作用させて生成物(C)を生成させる、請求項16又は17に記載の測定方法。
  19. 血清又は血漿試料中の糖化タンパク質をプロテアーゼで処理し、生成した糖化アミノ酸及び/又は糖化ペプチドをフルクトシルアミノ酸オキシダーゼで処理することにより、糖化タンパク質の含有量を測定する方法において、
    前記試料を、プロテアーゼ及びフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを含む乾燥試薬と接触させた後、前記プロテアーゼとは異なるプロテアーゼを添加することによって、前記試料中の糖化タンパク質を加水分解して糖化アミノ酸及び/又は糖化ペプチドを生成させること、及び、
    生成した糖化アミノ酸及び/又は糖化ペプチドを前記フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ及びペルオキシダーゼと作用させることを含む、測定方法。
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