JP2015165286A - 撮像レンズおよび撮像レンズを備えた撮像装置 - Google Patents

撮像レンズおよび撮像レンズを備えた撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】広画角化および全長の短縮化を達成し、高画素化に対応可能な高い結像性能を実現した撮像レンズおよびこの撮像レンズを備えた撮像装置を実現する。【解決手段】撮像レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第1レンズL1と、両凹形状である第2レンズL2と、正の屈折力を有し、物体側に凹面を向けたメニスカス形状である第3レンズL3と、負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けた第4レンズL4と、負の屈折力を有し、像側に凹面を向けた第5レンズL5とから構成される実質的に5個のレンズからな所定の条件式を満足する。【選択図】図1

Description

本発明は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子上に被写体の光学像を結像させる固定焦点の撮像レンズ、およびその撮像レンズを搭載して撮影を行うデジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話機および情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistance)、スマートフォン、タブレット型端末および携帯型ゲーム機等の撮像装置に関する。
パーソナルコンピュータの一般家庭等への普及に伴い、撮影した風景や人物像等の画像情報をパーソナルコンピュータに入力することができるデジタルスチルカメラが急速に普及している。また、携帯電話、スマートフォン、またはタブレット型端末に画像入力用のカメラモジュールが搭載されることも多くなっている。このような撮像機能を有する機器には、CCDやCMOSなどの撮像素子が用いられている。近年、これらの撮像素子のコンパクト化が進み、撮像機器全体ならびにそれに搭載される撮像レンズにも、コンパクト性が要求されている。また同時に、撮像素子の高画素化も進んでおり、撮像レンズの高解像、高性能化が要求されている。例えば5メガピクセル以上、よりさらに好適には8メガピクセル以上の高画素に対応した性能が要求されている。
このような要求を満たすために、レンズ枚数が比較的多い5枚構成とした撮像レンズが提案されている。例えば、特許文献1および2には、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、正の屈折力を有する第3レンズ、負の屈折力を有する第4レンズ、負の屈折力を有する第5レンズからなる5枚構成のレンズ系が提案されている。
米国特許第8379325号明細書 米国特許第8547649号明細書
一方で、特に携帯端末、スマートフォン、またはタブレット型端末などに用いられるようなレンズ全長が比較的短い撮像レンズにおいては、レンズ全長の短縮化の要求に加え、広画角化の要求も高まっている。
しかしながら、上記特許文献1および2に記載されたレンズ系は、焦点距離を維持したまま、レンズ全長の短縮化の要求と広画角化の要求の双方に応えることが難しい。また、特許文献2に記載されたレンズ系は、レンズ全長をより短縮化することが求められる。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、その目的は、レンズ全長の短縮化を図りつつ、広画角化を達成し、中心画角から周辺画角まで高い結像性能を実現することができる撮像レンズ、およびその撮像レンズを搭載して高解像の撮像画像を得ることができる撮像装置を提供することにある。
本発明の撮像レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第1レンズと、両凹形状である第2レンズと、正の屈折力を有し、物体側に凹面を向けたメニスカス形状である第3レンズと、負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けた第4レンズと、負の屈折力を有し、像側に凹面を向けた第5レンズとから構成される実質的に5個のレンズからなり、下記条件式を満足することを特徴とする。
−1.2<f/f4<−0.2 (1)
−1.18<f/f5<−0.35 (2)
ただし、
f:全系の焦点距離
f4:第4レンズの焦点距離
f5:第5レンズの焦点距離
本発明の撮像レンズにおいて、さらに、次の好ましい構成を採用することで、光学性能をより良好なものとすることができる。
本発明の撮像レンズにおいて、第5レンズが両凹形状であることが好ましい。
本発明の撮像レンズにおいて、第1レンズが両凸形状であることが好ましい。
本発明の撮像レンズにおいて、第4レンズが両凹形状であることが好ましい。
本発明の撮像レンズは、以下の条件式(1−1)〜(1−2)、(2−1)〜(2−2)、(3)〜(3−2)、(4)〜(4−2)、(5)〜(5−2)、(6)および(7)のいずれか一つ、あるいは任意の組合せを満足することが好ましい。
−1<f/f4<−0.25 (1−1)
−0.85<f/f4<−0.3 (1−2)
−1.17<f/f5<−0.44 (2−1)
−1.1<f/f5<−0.7 (2−2)
1.5<f・P34<5 (3)
1.6<f・P34<4 (3−1)
2.4<f・P34<3 (3−2)
−2<f・P45<1.1 (4)
−1.5<f・P45<0 (4−1)
−1.2<f・P45<−0.5 (4−2)
0.08<(L2r+L2f)/(L2r−L2f)<1 (5)
0.09<(L2r+L2f)/(L2r−L2f)<0.99 (5−1)
0.1<(L2r+L2f)/(L2r−L2f)<0.985 (5−2)
0<f・tanω/L5r<0.7 (6)
1<f/f1<3 (7)
ただし、
f:全系の焦点距離
f1:第1レンズの焦点距離
f4:第4レンズの焦点距離
f5:第5レンズの焦点距離
L2r:第2レンズの像側の面の近軸曲率半径
L2f:第2レンズの物体側の面の近軸曲率半径
L5r:第5レンズの像側の面の近軸曲率半径
ω:無限遠物体に合焦した状態における最大画角の半値
P34:第3レンズの像側の面と第4レンズの物体側の面とにより形成される空気レンズの屈折力であり、該空気レンズの屈折力は以下の式(P1)で求められる。
P45:第4レンズの像側の面と第5レンズの物体側の面とにより形成される空気レンズの屈折力であり、該空気レンズの屈折力は以下の式(P2)で求められる。
ここで、
Nd3:第3レンズのd線に対する屈折率
Nd4:第4レンズのd線に対する屈折率
L3r:第3レンズの像側の面の近軸曲率半径
L4f:第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
D7:第3レンズと第4レンズの光軸上の空気間隔
ここで、
Nd4:第4レンズのd線に対する屈折率
Nd5:第5レンズのd線に対する屈折率
L4r:第4レンズの像側の面の近軸曲率半径
L5f:第5レンズの物体側の面の近軸曲率半径
D9:第4レンズと第5レンズの光軸上の空気間隔
なお、本発明の撮像レンズにおいて、「実質的に5個のレンズからなる」とは、本発明の撮像レンズが、5個のレンズ以外に、実質的に屈折力を有さないレンズ、絞りやカバーガラス等レンズ以外の光学要素、レンズフランジ、レンズバレル、手振れ補正機構等の機構部分、等を持つものも含むことを意味する。
なお、上記のレンズの面形状や屈折力の符号は、非球面が含まれているものについては近軸領域で考えるものとする。また、曲率半径の符号は、物体側に凸面を向けた面形状のものを正とし、像側に凸面を向けた面形状のものを負とすることにする。
本発明による撮像装置は、本発明の撮像レンズを備えたものである。
本発明の撮像レンズによれば、全体として5枚というレンズ構成において、各レンズ要素の構成を最適化し、特に第1乃至第5レンズの形状を好適に構成したので、レンズ全長の短縮化を図りつつ、広画角化を達成し、高画素化に対応可能に中心画角から周辺画角まで高い結像性能を実現できるレンズ系を実現できる。
また、本発明の撮像装置によれば、本発明の撮像レンズを備えているので、撮像レンズの光軸方向の装置サイズを短縮化することが可能であり、高解像の撮影画像を取得することができる。
本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第1の構成例を示すものであり、実施例1に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第2の構成例を示すものであり、実施例2に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第3の構成例を示すものであり、実施例3に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第4の構成例を示すものであり、実施例4に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第5の構成例を示すものであり、実施例5に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第6の構成例を示すものであり、実施例6に対応するレンズ断面図である。 図1に示す撮像レンズの光路図である。 本発明の実施例1に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す。 本発明の実施例2に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す。 本発明の実施例3に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す。 本発明の実施例4に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す。 本発明の実施例5に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す。 本発明の実施例6に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す。 本発明に係る撮像レンズを備えた携帯電話端末である撮像装置を示す図である。 本発明に係る撮像レンズを備えたスマートフォンである撮像装置を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像レンズの第1の構成例を示している。この構成例は、後述の第1の数値実施例(表1、表2)のレンズ構成に対応している。同様にして、後述の第2乃至第6の実施形態に係る数値実施例(表3〜表12)のレンズ構成に対応する第2乃至第6の構成例の断面構成を、図2〜図6に示す。図1〜図6において、符号Riは、最も物体側のレンズ要素の面を1番目として、像側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の曲率半径を示す。符号Diは、i番目の面とi+1番目の面との光軸Z1上の面間隔を示す。なお、各構成例共に基本的な構成は同じであるため、以下では、図1に示した撮像レンズの構成例を基本にして説明し、必要に応じて図2〜図6の構成例についても説明する。また、図7は図1に示す撮像レンズにおける光路図であり、無限遠物体に合焦した状態における軸上光束2、最大画角の光束3の各光路および最大画角の半値ωを示す。なお、最大画角の光束3において、最大画角の主光線4を一点鎖線で示す。
本発明の実施の形態に係る撮像レンズLは、CCDやCMOS等の撮像素子を用いた各種撮像機器、特に、比較的小型の携帯端末機器、例えばデジタルスチルカメラ、カメラ付き携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末およびPDA等に用いて好適なものである。この撮像レンズLは、光軸Z1に沿って、物体側から順に、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5とを備えている。
図14に、本発明の実施の形態に係る撮像装置1である携帯電話端末の概観図を示す。本発明の実施の形態に係る撮像装置1は、本実施の形態に係る撮像レンズLと、この撮像レンズLによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するCCDなどの撮像素子100(図1〜6参照)とを備えて構成される。撮像素子100は、この撮像レンズLの結像面に配置される。
図15に、本発明の実施の形態に係る撮像装置501であるスマートフォンの概観図を示す。本発明の実施の形態に係る撮像装置501は、本実施の形態に係る撮像レンズLと、この撮像レンズLによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するCCDなどの撮像素子100(図1〜6参照)とを有するカメラ部541を備えて構成される。撮像素子100は、この撮像レンズLの結像面に配置される。
第5レンズL5と撮像素子100との間には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、種々の光学部材CGが配置されていても良い。例えば撮像面保護用のカバーガラスや赤外線カットフィルタなどの平板状の光学部材が配置されていてもよい。この場合、光学部材CGとして例えば平板状のカバーガラスに、赤外線カットフィルタやNDフィルタ等のフィルタ効果のあるコートが施されたもの、あるいは同様の効果を有する材料を使用しても良い。
また、光学部材CGを用いずに、第5レンズL5にコートを施す等して光学部材CGと同等の効果を持たせるようにしてもよい。これにより、部品点数の削減と全長の短縮を図ることができる。
この撮像レンズLはまた、第1レンズL1の物体側の面より物体側に配置された開口絞りStを備えることが好ましい。開口絞りStをこのように配置した場合には、特に結像領域の周辺部において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。なお、「第1レンズL1の物体側の面より物体側に配置」とは、光軸方向における開口絞りの位置が、軸上マージナル光線と第1レンズL1の物体側の面の交点と同じ位置かそれより物体側にあることを意味する。
さらに、開口絞りStを光軸方向において第1レンズL1の物体側の面よりも物体側に配置した場合において、開口絞りStを第1レンズL1の物体側の面頂点よりも像側に配置してもよい。このように、開口絞りStを第1レンズL1の物体側の面頂点よりも像側に配置した場合には、開口絞りStを含めた撮像レンズLの全長を短縮化することができる。また、開口絞りStを第1レンズL1の物体側の面頂点よりも物体側に配置してもよい。開口絞りStが第1レンズL1の物体側の面頂点よりも物体側に配置されている場合には、開口絞りStが第1レンズL1の物体側の面頂点よりも像側に配置されている場合より周辺光量の確保の観点からはやや不利であるが、結像領域の周辺部において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのをさらに好適に抑制することができる。なお、図1〜図6に示す開口絞りStは必ずしも大きさや形状を表すものではなく、光軸Z1上の位置を示すものである。
この撮像レンズLにおいて、第1レンズL1は、光軸近傍において正の屈折力を有する。このことにより、レンズ全長の短縮化に有利となる。また、第1レンズL1は、光軸近傍において物体側に凸面を向けている。このため、撮像レンズLの主たる結像機能を担う第1レンズL1の正の屈折力を十分に強めることができ、より好適にレンズ全長の短縮化を実現することができる。また、第1レンズL1を光軸近傍において両凸形状とすることが好ましい。この場合には、正の屈折力を第1レンズL1の物体側の面と像側の面の両面で分担することにより、第1レンズL1において発生する球面収差を抑制することができる。
第2レンズL2は、光軸近傍において負の屈折力を有する。また、第2レンズL2を光軸近傍において両凹形状である。この場合には、第2レンズL2の負の屈折力を強めることが容易となり、強い正の屈折力を有する第1レンズL1によって生じる色収差を補正するために有利である。また、第2レンズL2を光軸近傍において両凹形状にすることにより、第2レンズL2の物体側の面と像側の面の両面で負の屈折力を確保しつつ、収差の発生を好適に抑制することができる。
第3レンズL3は、光軸近傍において正の屈折力を有する。このことにより、撮像レンズLの全体の正の屈折力の一部を第3レンズL3が適度に負担することができるため、球面収差の発生を抑制することができる。また、第3レンズL3は、光軸近傍において物体側に凹面を向けたメニスカス形状である。このため、第3レンズL3を通過する光線の物体側の面における入射角(第3レンズL3の物体側の面の法線と入射光線とのなす角)が大きくなりすぎることを抑制でき、さらに、第3レンズL3を通過する光線の像側の面における射出角(第3レンズL3の像側の面の法線と射出光線とのなす角)が大きくなりすぎることを抑制できるため、非点収差を良好に補正できる。
第4レンズL4は、光軸近傍において負の屈折力を有する。このことにより、結像領域の周辺部における光量の低下を防止しやすく、像面湾曲と非点収差を良好に補正することができる。また、第4レンズL4は、光軸近傍において物体側に凹面を向けている。このため、レンズ全長の短縮化と球面収差の補正に有利である。また、第4レンズL4を光軸近傍において両凹形状としてもよい。この場合には、球面収差を良好に補正することができる。また、撮像レンズLにおいて、第1レンズL1から第3レンズL3からなるレンズ群を正の屈折力を有する第1レンズ群とみなし、第4レンズL4と第5レンズL5からなるレンズ群を負の屈折力を有する第2レンズ群とみなすと、撮像レンズLは全体としてテレフォト型構成とされている。第4レンズL4を光軸近傍において両凹形状とすることにより、第4レンズL4を十分な強さの負の屈折力を備えるように構成しやすく、第4レンズL4と第5レンズL5からなる第2レンズ群の負の屈折力を十分強いものとして、撮像レンズLをテレフォト型構成にしたことによるレンズ全長の短縮化の効果を好適に奏することができる。また、第4レンズL4を光軸近傍において物体側に凹面を向けたメニスカス形状とすることができる。この場合には、非点収差を良好に補正することができる。
第5レンズL5は、光軸近傍において負の屈折力を有する。このことにより、像面湾曲を良好に補正することができる。また、撮像レンズLの最も像側に負の屈折力を有するレンズを配置することで、好適にレンズ全長の短縮化を実現することができる。また、第5レンズL5は、光軸近傍において像側に凹面を向けている。このため、さらにレンズ全長の短縮化に有利であり、像面湾曲と球面収差と軸上色収差を良好に補正することができる。また、第5レンズL5を、光軸近傍において両凹形状とすることが好ましい。この場合には、撮像レンズLの最も像側に配置される第5レンズL5を十分な強さの負の屈折力を備えるように構成しやすく、球面収差が補正不足になることを抑制することができる。
また、第5レンズL5は、像側の面が像側の面と最大画角の主光線との交点から光軸に向かって半径方向内側に少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状であることが好ましい。この場合には、特に結像領域の周辺部において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。また、第5レンズL5を、像側の面が像側の面と最大画角の主光線との交点から光軸に向かって半径方向内側に少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状とした場合には、歪曲収差を良好に補正することができる。なお、上記「変曲点」は、面形状が像側に対して凸形状から凹形状(または凹形状から凸形状)に切り替わる点を意味する。なお、本明細書中において、「像側の面と最大画角の主光線との交点から光軸に向かって半径方向内側」とは、像側の面と最大画角の主光線との交点と同じ位置かそれより光軸に向かって半径方向内側を意味する。また、第5レンズL5の像側の面に設けられた変曲点は、第5レンズL5の像側の面と最大画角の主光線との交点と同じ位置かそれより光軸に向かって半径方向内側の任意の位置に配置することができる。
上記撮像レンズLによれば、全体として5枚というレンズ構成において、第1レンズL1乃至第5レンズL5の各レンズ要素の構成を最適化したので、レンズ全長のレンズ全長の短縮化を図りつつ、広画角化を達成し、高画素化に対応可能に中心画角から周辺画角まで高い結像性能を実現できるレンズ系を実現できる。
この撮像レンズLは、高性能化のために、第1レンズL1乃至第5レンズL5のそれぞれのレンズの少なくとも一方の面を非球面形状とすることが好適である。
また、上記撮像レンズLを構成する第1レンズL1乃至第5レンズL5は接合レンズでなく単レンズとすることが好ましい。全てのレンズを単レンズにすれば、いずれかのレンズを接合レンズとした場合よりも空気に接触するレンズ面数が多くなるため、設計自由度が高くなり、レンズ全長の短縮化、広画角化の実現を図ることがより容易となる。
次に、以上のように構成された撮像レンズLの条件式に関する作用および効果をより詳細に説明する。なお、撮像レンズLは、下記各条件式について、各条件式のいずれか1つまたは任意の組合せを満足することが好ましい。満足する条件式は撮像レンズLに要求される事項に応じて適宜選択されることが好ましい。
まず、第4レンズL4の焦点距離f4および全系の焦点距離fは、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
−1.2<f/f4<−0.2 (1)
条件式(1)は第4レンズL4の焦点距離f4に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(1)の下限以下とならないように、第4レンズL4の屈折力を維持することにより、第4レンズL4の負の屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、球面収差が補正過剰になることを抑制することができる。条件式(1)の上限以上とならないように、第4レンズL4の屈折力を確保することにより、第4レンズL4の負の屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、倍率色収差と球面収差を良好に補正することができ、全長の短縮化の実現に有利である。この効果をより高めるために、条件式(1−1)を満たすことがより好ましく、条件式(1−2)を満たすことがより好ましい。
−1<f/f4<−0.25 (1−1)
−0.85<f/f4<−0.3 (1−2)
また、第5レンズL5の焦点距離f5および全系の焦点距離fは、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
−1.18<f/f5<−0.35 (2)
条件式(2)は第5レンズL5の焦点距離f5に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(2)の下限以下とならないように、第5レンズL5の屈折力を抑制することにより、第5レンズL5の負の屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、周辺画角において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。また、条件式(2)の下限以下とならないように、第5レンズL5の屈折力を抑制することにより、歪曲収差と非点収差の発生を抑制することができる。条件式(2)の上限以上とならないように、第5レンズL5の屈折力を確保することにより、第5レンズL5の負の屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、レンズ全長の短縮化を実現することができる。また、レンズ全長の短縮に伴ってバックフォーカスが短くなる傾向があるが、式(2)の上限を満足することにより、バックフォーカスを適切に維持して、像面湾曲を良好に補正することができる。この効果をより高めるために、条件式(2−1)を満たすことが好ましく、条件式(2−2)を満たすことがより好ましい。
−1.17<f/f5<−0.44 (2−1)
−1.1<f/f5<−0.7 (2−2)
また、全系の焦点距離fと第3レンズL3の像側の面と第4レンズL4の物体側の面とにより形成される空気レンズの屈折力P34は、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
1.5<f・P34<5 (3)
ここで、P34は、第3レンズL3のd線に対する屈折率Nd3、第4レンズL4のd線に対する屈折率Nd4、第3レンズL3の像側の面の近軸曲率半径L3r、第4レンズL4の物体側の面の近軸曲率半径L4f、第3レンズL3と第4レンズL4の光軸上の空気間隔D7を用いて以下の式(P1)で求められるものである。
屈折力は焦点距離の逆数であるから、第3レンズL3の像側の面と第4レンズL4の物体側の面とにより形成される空気レンズの焦点距離をf34aとすると、条件式(3)は、このf34aに対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(3)の下限以下とならないように構成することで、第3レンズL3の像側の面と第4レンズL4の物体側の面とにより形成される空気レンズの正の屈折力が弱くなりすぎず、特に中間画角から周辺画角において光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。条件式(3)の上限以上とならないように構成することで、第3レンズL3の像側の面と第4レンズL4の物体側の面とにより形成される空気レンズの屈折力が強くなりすぎず、球面収差の発生を抑制することができる。この効果をより高めるために、条件式(3−1)を満たすことがより好ましく、条件式(3−2)を満たすことがよりさらに好ましい。
1.6<f・P34<4 (3−1)
2.4<f・P34<3 (3−2)
また、全系の焦点距離fと第4レンズL4の像側の面と第5レンズL5の物体側の面とにより形成される空気レンズの屈折力P45は、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
−2<f・P45<1.1 (4)
ここで、P45は、第4レンズL4のd線に対する屈折率Nd4、第5レンズL5のd線に対する屈折率Nd5、第4レンズL4の像側の面の近軸曲率半径L4r、第5レンズL5の物体側の面の近軸曲率半径L5f、第4レンズL4と第5レンズL5の光軸上の空気間隔D9を用いて以下の式(P2)で求められるものである。
屈折力は焦点距離の逆数であるから、第4レンズL4の像側の面と第5レンズL5の物体側の面とにより形成される空気レンズの焦点距離をf45aとすると、条件式(4)は、このf45aに対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(4)の下限以下とならないように構成することで、第4レンズL4の像側の面と第5レンズL5の物体側の面とにより形成される空気レンズの負の屈折力が強くなりすぎず、像面湾曲が補正過剰になるのを抑制することができる。条件式(4)の上限以上とならないように構成することで、球面収差の発生を抑制するために有利である。条件式(4−1)の上限以上とならないように構成することで、第4レンズL4の像側の面と第5レンズL5の物体側の面とにより形成される空気レンズの負の屈折力を確保することができ、球面収差の発生を好適に抑制することができる。この効果をより高めるために、条件式(4−1)を満たすことがより好ましく、条件式(4−2)を満たすことがよりさらに好ましい。
−1.5<f・P45<0 (4−1)
−1.2<f・P45<−0.5 (4−2)
また、第2レンズL2の物体側の面の近軸曲率半径L2fと第2レンズL2の像側の面の近軸曲率半径L2rは、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
0.08<(L2r+L2f)/(L2r−L2f)<1 (5)
条件式(5)は、第2レンズL2の物体側の面の近軸曲率半径L2fと第2レンズL2の像側の面の近軸曲率半径L2rに関する好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(5)の下限以下とならないように構成することで、第2レンズL2の物体側の面の負のパワーを第2レンズL2の像側の面の負のパワーよりも強くすることができ、中間画角から周辺画角において光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。また、条件式(5)の下限以下とならないように構成することで、正の歪曲収差と非点収差の発生を抑制することができる。条件式(5)の上限以上とならないように構成することで、第2レンズL2の像側の面の負のパワーを確保することができるため、広画角化を好適に実現でき、イメージサイズに対するレンズ全長の短縮化に有利である。この効果をより高めるために、条件式(5−1)を満たすことが好ましく、条件式(5−2)を満たすことがより好ましい。
0.09<(L2r+L2f)/(L2r−L2f)<0.99 (5−1)
0.1<(L2r+L2f)/(L2r−L2f)<0.985 (5−2)
また、全系の焦点距離f、無限遠物体に合焦した状態における最大画角の半値ω、第5レンズL5の像側の面の近軸曲率半径L5rは、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
0<f・tanω/L5r<0.7 (6)
条件式(6)は、第5レンズの像側の面の近軸曲率半径L5rに対する近軸像高(f・tanω)の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(6)の下限以下とならないように、第5レンズの像側の面の近軸曲率半径L5rに対する近軸像高(f・tanω)を設定することで、近軸像高(f・tanω)に対して撮像レンズの最も像側の面である第5レンズL5の像側の面の近軸曲率半径L5rの絶対値が大きくなりすぎず、レンズ全長の短縮化を実現しつつ、像面湾曲、球面収差、軸上色収差を良好に補正することができる。なお、各実施形態の撮像レンズLに示すように、第5レンズL5を像側に凹面を向け、少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状とし、条件式(6)の下限を満たした場合には、中心画角から周辺画角まで像面湾曲を良好に補正することができるため、広角化を実現するために好適である。また、条件式(6)の上限以上とならないように、第5レンズの像側の面の近軸曲率半径L5rに対する近軸像高(f・tanω)を設定することで、近軸像高(f・tanω)に対して撮像レンズの最も像側の面である第5レンズの像側の面の近軸曲率半径L5rの絶対値が小さくなりすぎず、特に中間画角において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができ、また、像面湾曲の補正が過剰になることを抑制することができる。
第1レンズL1の焦点距離f1および全系の焦点距離fは、以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
1<f/f1<3 (7)
条件式(7)は第1レンズL1の焦点距離f1に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(7)の下限以下とならないように、第1レンズL1の屈折力を確保することにより、主たる集光機能を担う第1レンズL1の正の屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、レンズ全長の短縮化を好適に実現することができ、小さなFナンバーを実現するために有利である。条件式(7)の上限以上とならないように、第1レンズL1の屈折力を抑制することにより、第1レンズL1の正の屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、球面収差と非点収差の発生を抑制することができる。この効果をより高めるために、条件式(7−1)を満たすことが好ましく、条件式(7−2)を満たすことがより好ましい。
1.5<f/f1<2 (7−1)
1.6<f/f1<1.75 (7−2)
本発明の実施の形態に係る撮像レンズは、適宜、上記の好ましい条件を満足することで、より高い結像性能を実現できる。また、本実施の形態に係る撮像装置によれば、本実施の形態に係る高性能の撮像レンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するようにしたので、装置サイズの短縮化を図りながら、高解像の撮影画像を得ることができる。
また、例えば第1〜第6の実施形態に係る撮像レンズのように無限遠物体に合焦した状態における最大画角が75度以上となるように、上記撮像レンズLの第1レンズL1乃至第5レンズL5の各レンズ構成を設定した場合には、イメージサイズに対するレンズ全長の短縮化を実現しやすく、携帯電話などの高解像化の要求を満たす大きさの撮像素子に撮像レンズLを好適に適用することができる。
次に、本発明の実施の形態に係る撮像レンズの具体的な数値実施例について説明する。以下では、複数の数値実施例をまとめて説明する。
後掲の表1および表2は、図1に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを示している。特に表1にはその基本的なレンズデータを示し、表2には非球面に関するデータを示す。表1に示したレンズデータにおける面番号Siの欄には、実施例1に係る撮像レンズについて、最も物体側の光学要素の物体側の面を1番目として、像側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の番号を示している。曲率半径Riの欄には、図1において付した符号Riに対応させて、物体側からi番目の面の曲率半径の値(mm)を示す。面間隔Diの欄についても、同様に物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸上の間隔(mm)を示す。Ndjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線(波長587.6nm)に対する屈折率の値を示す。νdjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線に対するアッベ数の値を示す。
表1には開口絞りStと光学部材CGも含めて示している。表1では開口絞りStに相当する面の面番号の欄には面番号と(St)という語句を記載しており、像面に相当する面の面番号の欄には面番号と(IMG)という語句を記載している。曲率半径の符号は、物体側に凸面を向けた面形状のものを正とし、像側に凸面を向けた面形状のものを負としている。また、各レンズデータの枠外上部には、諸データとして、全系の焦点距離f(mm)と、バックフォーカスBf(mm)と、FナンバーFno.と、無限遠物体に合焦した状態における最大画角2ω(°)の値をそれぞれ示す。なお、このバックフォーカスBfは空気換算した値を表している。
表1の基本レンズデータでは、非球面は面番号に*印を付している。この実施例1に係る撮像レンズは、第1レンズL1乃至第5レンズL5の両面がすべて非球面形状となっている。表1の基本レンズデータには、これらの非球面の曲率半径として、光軸近傍の曲率半径(近軸曲率半径)の数値を示している。
表2には実施例1の撮像レンズにおける非球面データを示す。非球面データとして示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数”であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10-2」であることを示す。
非球面データとしては、以下の式(A)によって表される非球面形状の式における各係数An、KAの値を記す。Zは、より詳しくは、光軸から高さhの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)を示す。
ただし、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
An:第n次(nは3以上の整数)の非球面係数
KA:非球面係数
以上の実施例1の撮像レンズと同様にして、図2〜図6に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例2乃至実施例6として、表3〜表12に示す。これらの実施例1〜6に係る撮像レンズでは、第1レンズL1乃至第5レンズL5の両面がすべて非球面形状となっている。
図8は、左から順に実施例1の撮像レンズにおける球面収差、非点収差、ディストーション(歪曲収差)、倍率色収差(倍率の色収差)を表す収差図をそれぞれ示している。球面収差、非点収差(像面湾曲)、ディストーション(歪曲収差)を表す各収差図には、d線(波長587.6nm)を基準波長とした収差を示すが、球面収差図にはF線(波長486.1nm)、C線(波長656.3nm)、g線(波長435.8nm)についての収差も示し、倍率色収差図には、F線、C線、g線についての収差を示す。非点収差図において、実線はサジタル方向(S)、破線はタンジェンシャル方向(T)の収差を示す。また、Fno.はFナンバーを、ωは無限遠物体に合焦した状態における最大画角の半値をそれぞれ示す。
同様に、実施例2乃至実施例6の撮像レンズについての諸収差を図9乃至図13に示す。図9乃至図13に示す収差図は全て物体距離が無限遠の場合のものである。
また、表13には、上述した各条件式(1)〜(7)の対応値を各実施例1〜6についてそれぞれまとめたものを示す。
なお、各表には所定の桁でまるめた数値を記載している。各数値の単位としては、角度については「°」を用い、長さについては「mm」を用いている。しかし、これは一例であり、光学系は比例拡大または比例縮小しても使用可能なため他の適当な単位を用いることもできる。
各数値データおよび各収差図からわかるように、実施例1〜6の撮像レンズは、無限遠物体に合焦した状態における最大画角が75°以上あり広角化が図られており、レンズ全長が短縮化を達成しつつ、諸収差が良好に補正されて中心画角から周辺画角まで高い結像性能が実現されている。
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明の撮像レンズは、上記実施形態および上記実施例に限定されず種々の変形が可能である。例えば、各レンズの曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、非球面係数の値などは、各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
また、各実施例では、すべて固定焦点で使用する前提での記載とされているが、フォーカス調整可能な構成とすることも可能である。例えばレンズ系全体を繰り出したり、一部のレンズを光軸上で動かしてオートフォーカス可能な構成とすることも可能である。
なお、上述した近軸曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数はいずれも光学測定に係わる専門家が以下の方法により測定して求めたものである。
近軸曲率半径は、超高精度三次元測定機UA3P(パナソニックファクトリーソリューションズ株式会社製)を用いてレンズを測定し、以下の手順により求める。近軸曲率半径R(mは自然数)と円錐係数Kを仮に設定してUA3Pに入力し、これらと測定データからUA3P付属のフィッティング機能を用いて非球面形状の式の第n次の非球面係数Anを算出する。上述した非球面形状の式(A)において、C=1/R、KA=K−1と考える。R、K、Anと非球面形状の式から、光軸からの高さhに応じた光軸方向の非球面の深さZを算出する。光軸からの各高さhにおいて、算出された深さZと実測値の深さZ’との差分を求め、この差分が所定範囲内であるか否かを判別し、所定範囲内の場合は設定したRmを近軸曲率半径とする。一方、差分が所定範囲外の場合は、光軸からの各高さhにおいて算出された深さZと実測値の深さZ’との差分が所定範囲内になるまで、その差分の算出に用いられたRおよびKの少なくとも一方の値を変更してRm+1とKm+1として設定してUA3Pに入力し、上記同様の処理を行い、光軸からの各高さhにおいて算出された深さZと実測値の深さZ’との差分が所定範囲内であるかを判別する処理を繰り返す。なお、ここで言う所定範囲内は、200nm以内とする。また、hの範囲としてはレンズ最大外径の0〜1/5以内に対応する範囲とする。
面間隔は、組レンズ測長用の中心厚・面間隔測定装置OptiSurf(Trioptics製)を用いて測定して求める。
屈折率は、精密屈折計KPR-2000(株式会社島津製作所製)を用いて、被検物の温度を25°Cの状態にして測定して求める。d線(波長587.6nm)で測定したときの屈折率をNdとする。同様に、e線(波長546.1nm)で測定したときの屈折率をNe、F線(波長486.1nm)で測定したときの屈折率をNF、C線(波長656.3nm)で測定したときの屈折率をNC、g線(波長435.8nm)で測定したときの屈折率をNgとする。d線に対するアッベ数νdは、上記の測定により得られたNd、NF、NCをνd=(Nd−1)/(NF−NC)の式に代入して算出することにより求める。
1、501 撮像装置
100 撮像素子
541 カメラ部
CG 光学部材
L 撮像レンズ
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
St 開口絞り
Ri 物体側から第i番目の面の曲率半径
Di 物体側から第i番目と第i+1番目の面との光軸上の間隔
Z1 光軸

Claims (20)

  1. 物体側から順に、
    正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第1レンズと、
    両凹形状である第2レンズと、
    正の屈折力を有し、物体側に凹面を向けたメニスカス形状である第3レンズと、
    負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けた第4レンズと、
    負の屈折力を有し、像側に凹面を向けた第5レンズとから構成される実質的に5個のレンズからなり、下記条件式を満足することを特徴とする撮像レンズ。
    −1.2<f/f4<−0.2 (1)
    −1.18<f/f5<−0.35 (2)
    ただし、
    f:全系の焦点距離
    f4:前記第4レンズの焦点距離
    f5:前記第5レンズの焦点距離
  2. 前記第5レンズが両凹形状である請求項1に記載の撮像レンズ。
  3. 前記第1レンズが両凸形状である請求項1または2に記載の撮像レンズ。
  4. 前記第4レンズが両凹形状である請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
  5. さらに以下の条件式を満足する請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    1.5<f・P34<5 (3)
    ただし、
    P34:前記第3レンズの像側の面と前記第4レンズの物体側の面とにより形成される空気レンズの屈折力であり、該空気レンズの屈折力は以下の式(P1)で求められる。

    ここで、
    Nd3:前記第3レンズのd線に対する屈折率
    Nd4:前記第4レンズのd線に対する屈折率
    L3r:前記第3レンズの像側の面の近軸曲率半径
    L4f:前記第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
    D7:前記第3レンズと前記第4レンズの光軸上の空気間隔
  6. さらに以下の条件式を満足する請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    −2<f・P45<1.1 (4)
    ただし、
    P45:前記第4レンズの像側の面と前記第5レンズの物体側の面とにより形成される空気レンズの屈折力であり、該空気レンズの屈折力は以下の式(P2)で求められる。

    ここで、
    Nd4:前記第4レンズのd線に対する屈折率
    Nd5:前記第5レンズのd線に対する屈折率
    L4r:前記第4レンズの像側の面の近軸曲率半径
    L5f:前記第5レンズの物体側の面の近軸曲率半径
    D9:前記第4レンズと前記第5レンズの光軸上の空気間隔
  7. さらに以下の条件式を満足する請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    0.08<(L2r+L2f)/(L2r−L2f)<1 (5)
    ただし、
    L2r:前記第2レンズの像側の面の近軸曲率半径
    L2f:前記第2レンズの物体側の面の近軸曲率半径
  8. さらに以下の条件式を満足する請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    0<f・tanω/L5r<0.7 (6)
    ただし、
    L5r:前記第5レンズの像側の面の近軸曲率半径
    ω:無限遠物体に合焦した状態における最大画角の半値
  9. さらに以下の条件式を満足する請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    1<f/f1<3 (7)
    ただし、
    f1:前記第1レンズの焦点距離
  10. さらに以下の条件式を満足する請求項1から9のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    −1<f/f4<−0.25 (1−1)
  11. さらに以下の条件式を満足する請求項1から10のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    −1.17<f/f5<−0.44 (2−1)
  12. さらに以下の条件式を満足する請求項1から11のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    1.6<f・P34<4 (3−1)
    ただし、
    P34:前記第3レンズの像側の面と前記第4レンズの物体側の面とにより形成される空気レンズの屈折力であり、該空気レンズの屈折力は以下の式(P1)で求められる。

    ここで、
    Nd3:前記第3レンズのd線に対する屈折率
    Nd4:前記第4レンズのd線に対する屈折率
    L3r:前記第3レンズの像側の面の近軸曲率半径
    L4f:前記第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
    D7:前記第3レンズと前記第4レンズの光軸上の空気間隔
  13. さらに以下の条件式を満足する請求項1から12のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    −1.5<f・P45<0 (4−1)
    ただし、
    P45:前記第4レンズの像側の面と前記第5レンズの物体側の面とにより形成される空気レンズの屈折力であり、該空気レンズの屈折力は以下の式(P2)で求められる。

    ここで、
    Nd4:前記第4レンズのd線に対する屈折率
    Nd5:前記第5レンズのd線に対する屈折率
    L4r:前記第4レンズの像側の面の近軸曲率半径
    L5f:前記第5レンズの物体側の面の近軸曲率半径
    D9:前記第4レンズと前記第5レンズの光軸上の空気間隔
  14. さらに以下の条件式を満足する請求項1から13のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    0.09<(L2r+L2f)/(L2r−L2f)<0.99 (5−1)
    ただし、
    L2r:前記第2レンズの像側の面の近軸曲率半径
    L2f:前記第2レンズの物体側の面の近軸曲率半径
  15. さらに以下の条件式を満足する請求項1から14のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    −0.85<f/f4<−0.3 (1−2)
  16. さらに以下の条件式を満足する請求項15に記載の撮像レンズ。
    −1.1<f/f5<−0.7 (2−2)
  17. さらに以下の条件式を満足する請求項16に記載の撮像レンズ。
    2.4<f・P34<3 (3−2)
    ただし、
    P34:前記第3レンズの像側の面と前記第4レンズの物体側の面とにより形成される空気レンズの屈折力であり、該空気レンズの屈折力は以下の式(P1)で求められる。

    ここで、
    Nd3:前記第3レンズのd線に対する屈折率
    Nd4:前記第4レンズのd線に対する屈折率
    L3r:前記第3レンズの像側の面の近軸曲率半径
    L4f:前記第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
    D7:前記第3レンズと前記第4レンズの光軸上の空気間隔
  18. さらに以下の条件式を満足する請求項1から17のいずれか1項に記載の撮像レンズ
    −1.2<f・P45<−0.5 (4−2)
    ただし、
    P45:前記第4レンズの像側の面と前記第5レンズの物体側の面とにより形成される空気レンズの屈折力であり、該空気レンズの屈折力は以下の式(P2)で求められる。

    ここで、
    Nd4:前記第4レンズのd線に対する屈折率
    Nd5:前記第5レンズのd線に対する屈折率
    L4r:前記第4レンズの像側の面の近軸曲率半径
    L5f:前記第5レンズの物体側の面の近軸曲率半径
    D9:前記第4レンズと前記第5レンズの光軸上の空気間隔
  19. さらに以下の条件式を満足する請求項18に記載の撮像レンズ
    0.1<(L2r+L2f)/(L2r−L2f)<0.985 (5−2)
    ただし、
    L2r:前記第2レンズの像側の面の近軸曲率半径
    L2f:前記第2レンズの物体側の面の近軸曲率半径
  20. 請求項1から19のいずれか1項に記載された撮像レンズを備えた撮像装置。
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