JP2015164716A - 鋼板製消化槽 - Google Patents

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【課題】長期間にわたって本来の有効容積を維持可能であるとともに、容易に設置可能な鋼板製消化槽を提供する。【解決手段】鋼板製消化槽100は、汚泥が投入される鋼板製の消化槽本体1と、消化槽本体1の内部に設けられる攪拌機2と、消化槽本体1の底面11に堆積した汚泥を消化槽本体1の外部に引き抜くための引抜管41と、を備える。そして、消化槽本体1の底面11は、攪拌機2の直下に形成され且つ下向きに突出する凹部12と、凹部12の周囲に形成された平坦部13とを有し、引抜管41は凹部12に接続される。【選択図】図1

Description

本発明は、下水汚泥、食品廃棄物等の有機性廃棄物を処理するための消化槽であって、特に消化槽本体が鋼板からなる鋼板製消化槽に関する。
例えば下水汚泥を嫌気性発酵処理するための消化槽として、特許文献1、2に記載されたものが知られている。このような消化槽においては、汚泥の発酵処理を促進するために、消化槽本体に投入された汚泥を適切に攪拌する必要がある。特許文献1の消化槽では、ドラフトチューブの本管より水平方向に分岐された分岐管から汚泥を上向きに吐出することにより、循環流を形成して攪拌を促している。また、特許文献2の消化槽では、消化槽本体に下向き凸の半球状底壁が形成されており、この底壁に沿って中心から周縁へ向かう上昇流により攪拌流の形成が図られている。
特開平8−33900号公報 特許第4368171号公報
ところで、この種の消化槽においては、消化されずに残留した砂や髪の毛等を含む汚泥が、消化槽本体の底面に堆積する。特に、攪拌機で汚泥を攪拌している場合には、攪拌機の直下で淀みが生じやすく、汚泥の堆積が進むことがあった。このような汚泥の堆積物は、汚泥の発酵処理に利用可能な容積(以下、「有効容積」と称する)を減少させる要因となるため、適宜除去してやることが必要である。しかしながら、特許文献1、2では、そのための解決手段について特に言及されておらず、本来の有効容積を長期間維持することができないおそれがあった。
また、消化槽を鋼板製とした場合、消化槽本体の底面を地面に載置する形態で設置を行うことができるので、コンクリート製の消化槽に比べて、大がかりな基礎工事が不要であるというメリットがある。しかしながら、特許文献1のソロバン玉型や特許文献2の底部半球状型の消化槽では、底面が不安定な形状となっているため、安定的に設置するためには結局大がかりな基礎工事が必要となり、上記メリットを享受できないという問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、長期間にわたって本来の有効容積を維持可能であるとともに、容易に設置可能な鋼板製消化槽を提供することである。
本発明は、汚泥が投入される鋼板製の消化槽本体と、前記消化槽本体の内部に設けられる攪拌機と、前記消化槽本体の底面に堆積した汚泥を前記消化槽本体の外部に引き抜くための引抜管と、を備え、前記消化槽本体の底面は、前記攪拌機の直下に形成され且つ下向きに突出する凹部と、前記凹部の周囲に形成された平坦部とを有し、前記引抜管は前記凹部に接続されることを特徴とする。
本発明では、消化槽本体の底面のうち、汚泥が堆積しやすい攪拌機の直下に、下向きに突出する凹部が形成される。このため、攪拌機の直下で堆積する汚泥は、凹部内で堆積することになり、本来の有効容積を維持することができる。しかも、凹部に接続された引抜管によって、凹部に堆積した汚泥を消化槽本体の外部に適宜引き抜くことができるので、本来の有効容積を長期間にわたって維持することができる。また、凹部の周囲は平坦部となっているので、当該平坦部を地面に載置するように設置することで、消化槽を容易に設置することができる。以上のように、本発明によれば、長期間にわたって本来の有効容積を維持可能であるとともに、容易に設置可能な鋼板製消化槽を提供することができる。
本発明にかかる鋼板製消化槽の実施形態を模式的に示す縦断面図である。 椀形状の凹部を示す断面図である。 円柱形状の凹部を示す断面図である。 逆円錐形状の凹部を示す断面図である。
以下、本発明にかかる鋼板製消化槽(以下、単に「消化槽」と称する)の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1に示す消化槽100は、汚泥(下水汚泥、食品廃棄物等の有機性廃棄物)を嫌気性発酵処理するものであり、主に、汚泥が投入される消化槽本体1と、汚泥を攪拌する攪拌機2と、汚泥を加温する加温装置3と、堆積した汚泥を引き抜くための引抜装置4と、を具備して構成される。
(消化槽本体)
消化槽本体1は、汚泥を嫌気性発酵処理するための槽であり、本実施形態では縦型円筒形状としている。ただし、消化槽本体1の形状はこれに限られるものではない。消化槽本体1に投入された汚泥は、加温装置3により加温されるとともに、攪拌機2により攪拌される。嫌気性発酵により発生した消化ガスは、消化槽本体1の頂部から出ていくようにされている。なお、消化槽本体1への汚泥投入手段、および消化槽本体1からの消化ガス取出手段の図示は省略している。また、消化ガスは、メタンが約60容量%、二酸化炭素が約40容量%のガス(バイオガス)である。
ここで、消化槽本体1は鋼板製である。鋼板はその加工が容易であるので、消化槽本体1をコンクリート製とする場合と比べて、製作期間を短縮することができ、且つ製作費用も抑えることができる。また、コンクリート製の場合には、地盤を掘削し、大がかりな基礎工事が行われるのが一般的であるが、鋼板製の場合には、消化槽本体1の底面11を地面Gに載置する形態で設置を行うことができるので、その設置が容易である。なお、消化槽本体1を地面Gに直接載置することは必須ではなく、簡易基礎や保護シート等の上に消化槽本体1を載置してもよい。
消化槽本体1の底面11は、攪拌機2の直下に形成され且つ下向きに突出する凹部12と、凹部12の周囲に形成された平坦部13とを有する。鉛直断面における凹部12の輪郭は円弧状となっており、全体として凹部12は、開口面12aを有する椀形状となっている。ここで、「円弧状」とは、真円の一部を構成する厳密な円弧に限定されず、楕円の一部等の円弧に類似する湾曲した曲線を含むものである。
底面11のうち、凹部12の開口面12aを除く部分が、水平に形成された平坦部13となっている。ここで、平坦部13は厳密に水平である必要はなく、地面Gに消化槽100を安定的に載置できるのであれば、水平面に対して若干傾斜するものであってもよい。
底面11の凹部12以外の部分が水平に形成された平坦部13となっていることで、攪拌機2の直下の流れが弱い場所以外では、側面への横流れが強く(流速が速く)なる。つまり、下方向の流れを側面方向に供給しやすくなり、その結果、攪拌効果が向上し、側面に汚泥が堆積しにくくなる。これに対し、ソロバン玉型や底部全体が凹型の消化槽では、攪拌機2による流れ方向が下向きから横方向ではなく、斜め上向きの流れに変換されるので流速が低下し、攪拌効率が悪くなる。
本実施形態の消化槽本体1は、概ねその高さが10〜25m、直径が10〜25mである。また、消化槽本体1の底面11および凹部12の開口面12aがともに平面視で円形であり、底面11の径に対して、開口面12aの径を5%以上45%以下、より好ましくは、5%以上20%以下としている。こうすることで、底面11の面積に対して、開口面12aの面積が0.25%以上21%以下、より好ましくは0.25%以上4%以下となり、有効容積の維持と設置の容易性とのバランスをより好適なものとしている。また、凹部12の深さは、開口面12aの径に対して5%以上30%以下の割合で設定し、実用的な観点から10%以上15%以下とすることがより好ましい。これらの点については、後で詳細に説明する。
(攪拌機)
消化槽本体1に取り付けられた攪拌機2は、消化槽本体1に投入された汚泥を攪拌するためのものである。攪拌機2は、平面視において消化槽本体1の中央に設けられており、シャフト2aと、シャフト2aに2段配置されたインペラ2bとを有する。シャフト2aの上端部は、消化槽本体1の外部に設けられたモータ21に連結されている。なお、攪拌機2を平面視において消化槽本体1の中央から偏心させて設けてもよいし、インペラ2bは2段配置に限定されず、1段でも3段以上であってもよい。
攪拌機2を図1の符号f1の方向に回転させることで、符号f2で示すように、消化槽本体1の中央部では上から下への流れ、消化槽本体1の周縁部では下から上への流れとなる攪拌流が形成される。なお、攪拌機2の回転方向はこれに限定されず、攪拌機2を符号f1の反対向きに回転させて、符号f2の反対向きの攪拌流を形成してもよい。
また、本実施形態では、攪拌機2をインペラ2bで汚泥を攪拌する機械式攪拌機としているが、ドラフトチューブ式の機械式攪拌機であってもよいし、スクリュー羽根式の機械式攪拌機であってもよい。
(加温装置)
加温装置3は、消化槽本体1に投入された汚泥を加温するためのものである。加温装置3は、加温器(熱交換器)31と、加温器31と消化槽本体1の上下部とを接続する配管32と、配管32に配設されるポンプ33とを有する。加温器31には、ボイラー(不図示)などの温水源から温水が供給される。消化槽本体1の下部から吸引された汚泥は、加温器31にて加温された後、消化槽本体1の上部から消化槽本体1内に戻される。なお、加温装置3は、消化槽本体1内の汚泥の攪拌にも寄与する。
(引抜装置)
引抜装置4は、消化槽本体1の底面11に堆積した汚泥を、消化槽本体1の外部に引き抜くためのものである。引抜装置4は、凹部12の最下部に接続される引抜管41と、引抜管41に配設されるポンプ42とを有する。引抜管41の少なくとも一部は、凹部12とともに地中に埋め込む態様で配設される。
(汚泥の堆積)
以上のように構成された消化槽100においては、攪拌機2の直下で淀みが生じやすく、消化されずに残留した砂や髪の毛等を含む汚泥が堆積しやすい。仮に消化槽本体1の底面11に凹部12が形成されていないとすると、図1に点線で示すように汚泥が堆積する。このような汚泥の堆積物は、消化槽100の有効容積を減少させる要因となる。そこで、かかる問題を解消するため、本実施形態の消化槽100では、上述のように消化槽本体1の底面11に凹部12を設けている。
(効果)
消化槽本体1の底面11に形成された凹部12は、汚泥が堆積しやすい攪拌機2の直下に形成されているため、攪拌機2の直下で堆積する汚泥は、凹部12内で堆積することになり、本来の有効容積を維持することができる。また、汚泥が凹部12から溢れるほどに堆積したとしても、少なくとも凹部12の容積分は有効容積の減少を抑えることができる。しかも、凹部12に接続された引抜管41によって、凹部12に堆積した汚泥を消化槽本体1の外部に適宜引き抜くことができるので、本来の有効容積を長期間にわたって維持することができる。また、底面11に堆積する汚泥をはじめから凹部12へ集めることで、有効容積を確保できるだけなく、底面11上に汚泥の堆積物が形成されることで攪拌流が阻害されることを抑制し、攪拌効率を維持することが可能となる。
また、凹部12の周囲は平坦部13となっているので、当該平坦部13を地面Gに載置するように設置することで、消化槽100を容易に設置することができる。このとき、凹部12を地中に埋め込むため多少の掘削が必要となるが、凹部12は底面11の一部に形成されているに過ぎないので、そのための工事は大がかりなものとはならない。
なお、従来のソロバン玉型や底部全体が凹型の消化槽では、既述のように攪拌効率があまり優れず、また汚泥の堆積物を集めるために攪拌機の直下に凹部を設けるというものではない。つまり、攪拌効率が低いことから汚泥が底面に堆積しやすく、そして凹部がないことから底面に堆積した汚泥の堆積物により攪拌流が阻害され、一層攪拌効率が悪化するという悪循環をもたらすおそれがあった。
一方、本消化槽100では、底面11を水平にすることで攪拌効率を高めるとともに、凹部12を設けることで汚泥の堆積物が攪拌流を阻害することを抑制できるので、これらの効果が相まって、有効容積をより確実に長期間確保できるものとなっている点で非常に有利である。
また、鉛直断面における凹部12の輪郭を円弧状とし、凹部12を全体として椀形状とすることで、汚泥が凹部12の湾曲面に沿って沈殿し、凹部12の最下部から集中的に堆積するため、汚泥の引き抜きを効率的に行いやすくなる。
また、引抜管41を、椀形状の凹部12の最下部に接続することで、凹部12内に堆積した汚泥をより確実に引き抜くことができる。
また、消化槽本体1の底面11の面積に対して、凹部12の開口面12aの面積を0.25%以上21%以下、より好ましくは0.25%以上4%以下とすることで得られる効果を以下に説明する。凹部12の形成範囲が広いほど(凹部12の開口面12aの面積が大きいほど)、凹部12の容積は大きくなり、有効容積を維持する観点では有利である。一方、凹部12の形成範囲が広くなると、攪拌機2による横流れが側面まで伝わりにくくなることで攪拌効率が低下したり、凹部12を地中に埋め込むための掘削量が増大し、消化槽100の設置が大がかりになる傾向となる。そこで、凹部12の開口面12aの面積の割合を上記範囲とすることで、凹部12の形成範囲を適切なものとし、有効容積の維持と設置の容易性とのバランスをより好適に実現できる。
また、凹部12の深さを、開口面12aの径に対して5%以上30%以下、より好ましくは10%以上15%以下とすることで、消化槽本体1を地面Gに載置するように設置することが容易となる。また、凹部12の深さが限定されていることで、凹部12のいずれの箇所に対しても容易に引抜管41を接続することができる。逆に30%以上になると、凹部12を地中に埋め込むための掘削が必要となり設置工事が大がかりとなる。
(変形例)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上記実施形態の要素を適宜組み合わせまたは種々の変更を加えることが可能である。
例えば、凹部12の形状は、上記実施形態のように椀形状のものが望ましいと考えられるが、凹部12は椀形状のものに限らず、他の形状とすることも可能である。一例としては、円柱形状の凹部12(図2B参照)や、逆円錐形状の凹部12(図2C参照)にすることも可能である。なお、椀形状が望ましい理由については、後で詳細に説明する。
また、凹部12を、攪拌機2の直下の領域(例えば底面11にインペラ2bを鉛直上方から投影したときの投影範囲)を超える範囲にまで形成しても構わない。
また、底面11のうち、凹部12を除く部分をすべて平坦部13とすることは必須ではなく、消化槽100の安定的な設置が可能であれば、凹部12を除く部分の一部のみを平坦部13としてもよい。
また、引抜管41を凹部12の最下部以外の箇所に接続することも可能である。
(凹部の形状検討)
上述のごとく、凹部12の形状は椀形状に限定されず、種々の形状とすることができるが、本出願人が鋭意検討した結果によれば、椀形状が最も望ましいとの見解に至っている。その理由について、図2A〜図2Cを参照しつつ詳細に説明する。
図2Aは、上記実施形態と同様に、凹部12を椀形状とした場合の断面図である。一方、図2Bは、凹部12を円柱形状(鉛直断面における輪郭が矩形)とした場合の断面図であり、図2Cは、凹部12を逆円錐形状(鉛直断面における輪郭が逆三角形)とした場合の断面図である。なお、図2A〜図2Cでは、比較を容易にするため、開口面12aの面積および凹部12の深さを同じとしている。
(汚泥の引抜効率について)
まず、汚泥の引抜効率の点において、椀形状の凹部12は他形状のものよりも優れていると考えられる。例えば、図2Bに示す円柱形状の凹部12では、凹部12の底面が傾斜していないため、汚泥が1ヶ所に集まらず、分散した状態で堆積しやすい。この点、椀形状の凹部12であれば、汚泥が凹部12の湾曲面に沿って中央部に移動しやすく、汚泥を凹部12の中央部に堆積させやすい。よって、凹部12の最下部に設けた引抜管41により、汚泥を効率的に引き抜くことができる。
一方、汚泥の引抜効率を向上させるために、図2Cに示すように、凹部12を逆円錐形状とすることも考えられる。なお、図2Cでは、椀形状の場合を破線で示している。椀形状の凹部12の輪郭は円弧状であるので、凹部12の底面の傾きは周縁部から中央部にわたって変化する。一方、逆円錐形状の凹部12の輪郭は逆三角形であるので、底面の傾きは周縁部から中央部にわたって一定である。
ここで、椀形状の凹部12の底面の傾き、すなわち湾曲面となっている底面の接線Lの傾きが、逆円錐形状の凹部12の底面の傾きと等しくなる点をPとする。このとき、点Pよりも外側の周縁領域Eでは、椀形状のほうが逆円錐形状よりも凹部12の底面の傾きが大きくなり、点Pよりも内側の中央領域Cでは、逆円錐形状のほうが椀形状よりも凹部12の底面の傾きが大きくなる。
つまり、周縁領域Eに堆積した汚泥は、底面の傾きがより大きな椀形状の凹部12では中央部に移動しやすく、椀形状のほうが汚泥をより効率的に中央部に集めることができ、引抜効率を向上させることができる。なお、中央領域Cにおける底面の傾きは、椀形状の凹部12のほうが逆円錐形状のものよりも小さくなるが、ある程度汚泥を中央部に集めることができれば、引抜管41による引き抜きが十分可能となるので、中央領域Cの傾きが小さいことはそれほど問題とならない。また、図2Cから明らかなように、椀形状と逆円錐形状とで開口面積と深さを同じとした場合、椀形状のほうが逆円錐形状よりも凹部12の容積を大きくすることができ、本来の有効容積を維持できる効果がより大きいという点でも椀形状の凹部12が有利である。
(凹部の強度について)
凹部12は、地盤やコンクリート製の簡易基礎等に埋め込む態様で配設される。このため、地震等の外圧が凹部12に作用した場合に、これに耐え得るだけの強度を有している必要がある。また、鋼板製の消化槽本体1やコンクリート製基礎には温度変化による膨張・収縮が発生するところ、消化槽100の施工後から運転まで数十度の温度変化が生じることがあるため、この温度変化にも対応できる強度が求められる。
この点、椀形状の凹部12では、鉛直断面における輪郭が円形や楕円形の一部となっており、平面部が存在しない連続的な曲面となっている。このため、平面部を有する円柱形状や逆円錐形状のものと比べて、椀形状の凹部12ではその形状剛性を高めることができ、外圧や温度変化による膨張・収縮にも、確実に耐え得るものとすることができる。特に、消化槽100が大型となり、槽内の汚泥重量による負荷が大きくなるケースでは、椀形状の優位性はより顕著なものとなる。また、椀形状の凹部12では、円柱形状や逆円錐形状のもののように角がないため、応力集中が発生しにくいという点においても有利である。
(横流れに対する影響)
本発明の前提として、消化槽本体1の底面11をほぼ水平な平坦面とすることで、底面11に沿って側面へ向かう横流れが強くなるため、消化槽本体1の側面下部には汚泥が堆積しにくく、攪拌機2の直下に汚泥が堆積しやすいという状況がある。しかしながら、凹部12を設けることで、攪拌機2による攪拌流が影響を受け、側面への横流れが弱くなってしまうと、消化槽本体1の側面下部にも汚泥が堆積しやすくなり、攪拌機2の直下に設けた凹部12に汚泥を効率的に集めることができなくなってしまう。したがって、凹部12を設けた場合においても、凹部12を設けないときと比べて、底面11の近傍における横流れへの影響が小さいことが望まれる。
この点においても、椀形状の凹部12が、円柱形状や逆円錐形状のものよりも有利である。というのも、図2Bに示すように、円柱形状の凹部12の場合には、凹部12の側壁が垂直となっており、凹部12に入り込んだ流れ(図中矢印参照)が側面への横流れとはなりにくいことは明らかである。一方、椀形状と逆円錐形状との比較では、椀形状のほうが角が存在しない滑らかな形状となっており、凹部12内に入り込んだ流れに及ぼす影響が小さいと考えられる。しかも、同じ開口面積で同じ容積を確保しようとした場合、椀形状の凹部12は逆円錐形状のものよりも浅くすることが可能であるため、椀形状の凹部12が横流れに及ぼす影響を一層低減することができる。
以上のように、汚泥の引抜効率、凹部12の強度、横流れに対する影響といった各観点において、凹部12の形状を椀形状とするのがよい。ただし、上記各観点における性能を満足するものであれば、凹部12を他形状とすることももちろん可能である。
1:消化槽本体
2:攪拌機
11:底面
12:凹部
12a:開口面
13:平坦部
41:引抜管
100:鋼板製消化槽
本発明は、汚泥が投入される鋼板製の消化槽本体と、前記消化槽本体の内部に設けられる攪拌機と、前記消化槽本体の底面に堆積した汚泥を前記消化槽本体の外部に引き抜くための引抜管と、を備え、前記消化槽本体の底面は、前記攪拌機の直下に形成され且つ下向きに突出する凹部と、前記凹部の周囲に形成された平坦部とを有し、前記引抜管は前記凹部に接続され、鉛直断面における前記凹部の輪郭が円弧状であり、前記凹部の深さが、前記凹部の開口面の径に対して5%以上30%以下であることを特徴とする。

Claims (5)

  1. 汚泥が投入される鋼板製の消化槽本体と、
    前記消化槽本体の内部に設けられる攪拌機と、
    前記消化槽本体の底面に堆積した汚泥を前記消化槽本体の外部に引き抜くための引抜管と、
    を備え、
    前記消化槽本体の底面は、前記攪拌機の直下に形成され且つ下向きに突出する凹部と、前記凹部の周囲に形成された平坦部とを有し、
    前記引抜管は前記凹部に接続されることを特徴とする鋼板製消化槽。
  2. 鉛直断面における前記凹部の輪郭が円弧状である請求項1に記載の鋼板製消化槽。
  3. 前記引抜管は前記凹部の最下部に接続される請求項2に記載の鋼板製消化槽。
  4. 前記消化槽本体の底面の面積に対して、前記凹部の開口面の面積が0.25%以上21%以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の鋼板製消化槽。
  5. 前記凹部の深さが、前記凹部の開口面の径に対して5%以上30%以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の鋼板製消化槽。
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