JP2010527762A - ポンプ注入可能な有機材料からバイオガスを生成するための発酵槽 - Google Patents

ポンプ注入可能な有機材料からバイオガスを生成するための発酵槽 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 本発明は、有機乾物(oTS)の含有量が低いポンプ注入可能な有機材料からバイオガスを生成するための発酵槽であって、ポンプ注入可能な有機材料のための少なくとも1つの注入口と、ポンプ注入可能な有機材料のために設けられ、少なくとも1つの第1の部分および1つの第2の部分を有する、少なくとも1つの固定床反応器と、発酵残留物用の少なくとも1つの注出口とを備える発酵槽に関する。さらに、当該発酵槽は、ポンプ注入可能な有機材料のために、第1の部分と第2の部分との間に配置されている少なくとも1つの堆積チャンバと、堆積チャンバに接続され、ポンプ注入可能な有機材料の特定の比較的軽い画分が、回収可能であって、固定床反応器の上昇(第1の)部分、または、先行もしくは後続の従来の発酵槽に再供給可能であるように設計されている、少なくとも1つの再利用部分とを、任意で備えるとしてよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、請求項1に係る、有機乾物(oTS)の含有量が低いポンプ注入可能な有機材料からバイオガスを生成するための発酵槽に関する。
再生可能エネルギーおよびその生成に関する議論は益々世間の注目を集めるようになっており、バイオガス生成用の発酵槽に対する関心が高まっている。このような発酵槽は、農業事業体および公共下水処理場で利用されていることが知られている。発酵槽の動作原理を説明すると、有機材料が密閉容器に保存され、微生物の活動によって、有機材料中に含まれる有機炭素化合物がメタンガスに変換され、このメタンガスを抽出して発熱および/または発電に利用する。このようにして得られるエネルギーは、燃焼中に放出される二酸化炭素が既に植物の光合成によって大気から取り込まれているので、COの生成に関して略プラスマイナスゼロである。
続いて、まずバイオガスを生成するための発酵プロセスに注目して議論を進めると、この発酵プロセスは酸素なしで実行される。発酵プロセス全体は、複数の段階に分割され得る。第1番目の段階では、発酵対象である基質に含まれる、たんぱく質、脂肪、および任意および偏性の微生物からの炭水化物が、低分子炭化水素化合物(C1−C5)に分解される。このプロセスでは、炭水化物は連続的にプロピオン酸または酪酸またはブタノールに分解され、脂肪酸は徐々に、β酸化によって、酢酸として放出されるCユニットに分解され、アミノ酸は、スティックランド反応によって、酢酸、アンモニアおよび二酸化炭素に分解される。
これらの中間生成物は、メタン生成基質である酢酸(CHCOOH)、水素(H)、炭酸(HCO)、ギ酸(HCOOH)およびメタノール(CHOH)に分解される。これらのメタン生成気質は再度、偏性の嫌気性且つメタン生成の性質を持つ細菌、methanobacterium属、methanosarcina属、および、methanospirillum属によって、以下に示す反応で、メタン、二酸化炭素および水に分解される。
(1)CHCOO+H+ ――――――>CH+CO
(2)HCO +H+4H――>CH+3H
(3)HCOO+H+3H ――>CH+2H
(4)CHOH+H――――――>CH+H
反応(2)のHCOは、以下の式に従って、水から溶解されることによって生成される。
(5)HO+CO――――――>HCO +H
メタンの70%以上は、酢酸の分割、つまり、反応(1)から生成される。バイオガスの発酵は、複数の異なる微生物がさまざまな状態で活性となる混合プロセスを含むので、収率を可能な限り高くするためには、すべての微生物についての複数の異なる要件を考慮しなければならない。しかし、決定的な要因となるのは、メタン生成細菌の活動に必要な条件である。このような細菌は、偏性で嫌気性の性質を持つので、厳密な無酸素環境を必要とする。また、このような細菌は、わずかにアルカリ性のpH値を好む。
独国特許文献197 564 85号では、農業用バイオガス工場および公共下水処理場で使用される撹拌部を備える消化槽が開示されている。このタンクは、円形底面と、充填ノズルと、撹拌部とを備え、撹拌部は、駆動軸を有し、タンクの円周上に配設されている。撹拌部は、充填ノズルの下方に配設されているパイプ内に収容されている。尚、このパイプは垂直方向に延伸しているのが好ましい。発酵タンク内の内容物は、壁面加熱により調整される。発酵の対象となる基質は、タンクの比較的高い位置に配置されている充填ノズルを介して、発酵タンク内へと注ぎ込まれる。底面近くに配置されている注出口によって、タンクの比較的低位の領域にある発酵済みの材料は、排出されて、発酵槽に保存される。
このような発酵槽で利用され得る基質は、有機乾物(oTS)の割合が比較的高くなければならない。例えば、とうもろこしや小麦等のエネルギー作物は、oTS割合が、60重量%を超える。このようなエネルギー作物は、最大容積負荷を実現できるので、比較的小さい体積の発酵槽でバイオガスの収率を高くすることができる。
「容積負荷」というパラメータは、発酵槽の生物学的負荷の測定基準である。従来のバイオガス工場で利用されるのは、1日当たりの容積負荷が2−5kg oTS/mのものとされている。1日当たり2kg oTS/mという容積負荷は、負荷が軽いと見なされる。1日当たりの容積負荷が5kg oTS/mを超えると、負荷が高いとされる。
しかし、従来のバイオガス発酵槽が適しているのは、oTS割合が高い基質、つまり、特に再生可能資源の基質(NaWaRo)、特に穀物、サイレージ用トウモロコシまたはマンゴルト(Mangold)等のエネルギー作物に限定されてしまう。
oTS割合が低い基質、例えば、液肥、発酵残留物、醸造かす(アルコール発酵、特に、バイオエタノール生成の残留物)、下水汚泥、または、食品加工産業の非常に汚染された下水等は、これのみを上記のような発酵槽で利用することには適していない。消化槽1mにつき生成可能なバイオガスの量が非常に少なく、発酵槽を動作させるために必要なエネルギー(熱エネルギー、撹拌部を駆動するための電力)を埋め合わせることが略不可能であるので、せいぜいが、シード基質としての利用、または、エネルギー作物基質との混合物の一部(つまり、共発酵を目的として)としての利用に適しているのみである。
これは、oTS割合が低いために、メタン細菌を大量に流出させる危険を冒すことなくこのような基質で高い容積負荷を実現することは不可能であるためである。
また、従来の発酵槽は永久的に、特定の濃度から静菌性作用および静真菌性作用が始まるプロピオン酸を濃縮しなければならないという問題から逃れられない。この問題は、容積負荷が高い間に、揮発性脂肪酸、例えば、酢酸の形成の方が、メタン細菌による分解よりも遅くなると発生する。従来の発酵槽では、流出させることによってプロピオン酸の濃度を永久的に低減させており、メタン生成細菌の倍加には10日間から14日間かかり、0.5時間から2時間かかる酸性化に比べると、非常に遅いペースである。このため、従来の発酵槽システムの内容物は、非常に早く酸性化してしまい(メタン生成を止めてしまう)、プロピオン酸が形成されてしまう。
液肥は、比較的pH値が高い無酸素システムを形成する。このため、バイオガス発酵槽内でメタン生成細菌に必要な条件を提供するのに非常に適している。しかし、微生物が液肥の有機乾物を代謝することは、微生物がエネルギー作物の有機乾物を代謝することより、長い時間がかかってしまう。このため、液肥の場合は、より長い時間にわたって発酵槽内に留めておく必要がある。
例えば、400LU(家畜単位、1LUは生体重500kgに対応する)の畜産農場が、1日当たり約20mの処理すべき液肥を生成する場合を考える。保存期間が50日で設計をカスタマイズする場合、タンク容量が1000mの発酵槽が必要となる。
家畜の液肥は、oTS割合の平均値が約6重量%である。1トンのoTSにつき500mのバイオガスと収率が予想される場合、以下の式に従って、
20mの液肥×0.6重量%=1.2トンのoTS (式1)
1.2トンのoTS×500=600m (式2)
上記の例の場合、バイオガスの収率は1日当たり600mとなると思われる。
しかし、同じ寸法の発酵槽にエネルギー作物を投入する場合には、oTS割合がより高いので、より高い容積負荷で動作させることが可能である。このため、反応器−比バイオガスの収率が大幅に改善される。
バイオガス発酵槽にかかる消費電力は非常に大きいので(特に、撹拌部および加熱システムの消費電力)、液肥のように有機乾物(oTS)の含有量が低い材料のみまたはそのような材料を主に含む材料を、従来のバイオガス発酵槽で利用するのは非効率である。
しかしながら、農業事業体では農場で生成される肥料(家畜排泄物および糞便)、特に液肥を生物学的に処理することに対する需要が非常に大きい。
農地での液肥の利用は、法で定められた厳しい要件に従って行われている。例えば、乳牛の牧草地に利用され得るのは消毒された液肥のみである。消毒は、化学処理(NaOHを用いる)または熱処理を用いて実行され、どちらの場合でも多額の費用がかかる。
この消毒を好血性の範囲(>摂氏55度)で動作するバイオガス発酵槽において実行することは、確かに一考に価する。しかし、上述したように、従来の発酵槽は、液肥を大規模に効率的に処理することには適さない。
また、消毒済み且つ未処理の液肥を野原、牧草地、牧場に利用すると、気候に悪影響を及ぼすガスの発生が促進されてしまう。二酸化炭素(CO)の生成が促進されるだけでなく、特に大気に漏れ出していくメタンガス(CH)、アンモニア(NH)、亜酸化窒素(NO)の生成が促進され、温室効果が進んでしまう。
上記を鑑みて、本発明は、有機乾物(oTS)の含有量が低い有機材料を経済的に発酵させることができるバイオガス生成用発酵槽およびバイオガス生成方法を提供することを目的とする。
しかし、この発酵槽はさらに、高い容積負荷(>5kg oTS/m 消化槽×d)で、高濃度の基質混合物を持つメタンを高効率且つ安定的に生成することができなければならない。特に、これが可能なのは、混合領域において回収および植菌を目的として固定バイオマスおよび活性バイオマス(メタン生成微生物が好ましい)の回収を行うためである。
本発明はさらに、液肥を経済的に処理および消毒するための発酵槽および方法を提供することも目的とする。
上記の目的は、請求項1に記載の特徴によって実現される。従属請求項は、好ましい実施形態を示す。本明細書において面積を指定する場合はいずれも上限/下限値を含むものと考慮されたい。
従って、有機乾物(oTS)の含有量が低いポンプ注入可能な有機材料からバイオガスを生成するための発酵槽が設計される。当該発酵槽は、以下の構成要素を備える。
(a)ポンプ注入可能な有機材料のための少なくとも1つの注入口
(b)ポンプ注入可能な有機材料のために設けられ、少なくとも1つの第1の部分および1つの第2の部分を有する、少なくとも1つの固定床反応器
(c)発酵残留物用の少なくとも1つの注出口
「有機乾物の含有量が低い有機材料」という定義は基本的に、oTS割合が50重量%未満、好ましくは25重量%未満、特に好ましくは10重量%未満である材料を含むものとする。
そのような材料には、例えば、液肥、つまり農場で生成される肥料(大抵の場合、oTS割合は10重量%未満である)があり、家畜排泄物、尿、家畜用の寝床の材料、飼料の残り、水飲み用樋の水漏れを含む。
一例を挙げると、適した材料には、従来の撹拌タンクバイオガス工場から得られる発酵残留物もあるが、さらに、醸造産業の醸造かす(アルコール発酵、特に、バイオエタノール生成の場合の残留物)、下水汚泥、または、食品加工産業の非常に汚染された下水等の材料もある。上記の定義はまた、再生可能資源の基質と混合させられた液肥または発酵残留物(NaWaRO)を含む。
固定床反応器を用いることによって数多くの利点を得ることができる。例えば、固定床反応器は、反応器内の材料の流れの方向を決めることができるので、撹拌部を備える必要がない。これは、平行に並べられた腸管と同等とすることができる。腸管は、内面および外面が腸繊毛で覆われており、微生物生息面として大きな表面が得られるので、処理段階に応じて上向きまたは下向きに基質の流れが方向付けられる。
これに代えて、エネルギー効率が高いポンプ、特にダブルピストンポンプを用いることも可能である。従来用いられている撹拌部は、規定値として、消費電力が約18kWとなっている。ダブルピストンポンプを用いることによって、最高90%までエネルギーを節約することができる。このため、本発明に基づく発酵槽の効率が大幅に向上する。
材料の流れが方向付けられると(強制流路)、撹拌部を備える発酵槽では発生が不回避な短絡流が特に防止される。このような短絡流は、発酵中の材料の消毒および理想的な発酵を阻害してしまう。これらの点に関しては、より詳細に後述する。
固定床反応器はさらに、メタン生成微生物に対して定着基質を提供する。このようにして、撹拌部を備える発酵槽とは異なり、微生物群集を多層状に形成することが可能となる。
このため、メタン生成の第2の代謝経路を大規模に発生させることが可能となり、最適化することが可能となる。この目的を達成するべく、微生物は小さい空間で非常に高効率で相互に作用して、HおよびCO(HCOとして存在)は、CH(反応(2))に合成され得る。この結果、バイオガス中のCO含有量が減り、CH含有量が大きくなる。このため、質が改善されると共に効率が高まる。
これは、バイオガス生成に必要な特定の細菌および微生物は、発酵対象の基質と接触することが禁止されているので、非常に重要な点である。撹拌部を備える発酵槽では、微生物に対して定着基質が与えられておらず、上述したような多層構造を得ることができないので、バイオガス収率が非常に低くなってしまう。
バイオガス合成において、異なる微生物によって発生する酢酸産生とメタン生成の段階に関して特に差異が見られる。酢酸産生プロセスでは、より低位の脂肪酸およびカルボン酸、および、より低位のアルコールが、酢酸を産生する微生物によって、主に酢酸、またはその溶解塩であるアセテートに変換される。絶対嫌気性であるメタン生成プロセスでは、酢酸が酢酸分解式メタン発酵によって、メタンおよび二酸化炭素、そして水素に変換される。微生物はそれぞれ、共生関係、つまり、反応剤である基質として、他の微生物の代謝産物を利用する微生物の一群を形成する。
特に、以下の代謝経路
(2)HCO +H+4H――>CH+3H
は、Hイオン透過が1ナノ秒の範囲内で発生しなければならないので、従来の発酵槽ではとても実現し得ない。このことは、必要とされる近接性を保証するべく共生関係にある微生物の不動化を含む。
また、微生物は固定床反応器内でより早く適応し、発酵槽は、活性(メタン生成)バイオマスを回収することで、(永久的な再接種のために)より速く「動作を開始する」。この結果、微生物は、上述したプロピオン酸をより良好且つ高速に分解することができるか、または、プロピオン酸の生成が行われない場合もある。
本発明によると、発酵槽はさらに以下の構成要素を備えているのが好ましい。
(a)ポンプ注入可能な有機材料のために、固定床反応器の第1の部分と第2の部分との間に配置されている少なくとも1つの堆積チャンバ、および
(b)堆積チャンバに接続され、ポンプ注入可能な有機材料の特定の比較的軽い画分が、回収可能であって、必要であれば、固定床反応器の上昇(第1の)部分に再供給可能であるように設計されている、少なくとも1つの再利用部分
2つの別個の処理部分が設けられる場合、堆積チャンバは、それぞれのヘッド部分に配設され得る。再利用部分をこのように設置することによって、ポンプ注入可能な有機材料の特定の比較的軽い画分が回収され、固定床反応器の上昇(第1の)部分に再度供給され得る。
他方、この特定の比較的軽い画分は、例えば、揮発性脂肪酸または繊維状バイオマス等の特定の比較的軽い有機画分を含む。特定の比較的軽い有機画分では、メタンおよび二酸化炭素の放出のために、メタン生成微生物およびそれらが発生させたガスが捕獲されて上昇し始める。撹拌部を備える従来の発酵槽では、このような画分は浮遊層を形成し、発酵プロセスを回避してしまう。この浮遊層は、例えば撹拌部が故障した場合等に微生物のガスの気泡が浮遊層から溶解され得なくなると、過度の圧力が基質内で形成されるという危険性も含み得る。
尚、揮発性脂肪酸の中には容易に気相状態に転換するものがあり、これらは永久的に発酵プロセスから除外されてしまう。
特定の比較的軽い有機画分は、固定床反応器の基質から溶解された微生物(いわゆる、「活性バイオマス」)をも含み、これらは、再利用部分がなければ、発酵槽から発酵残留物と共に放出されてしまう。これには、撹拌部を備える従来の発酵槽では増補されなければならない微量養素が継続的に失われることも含まれる。こうすると、費用がさらに大きくなり、さらに重金属を導入することになる。このため、従来のバイオガス発酵槽では、バイオガス生成微生物の密度が継続的に低減して、このような発酵槽の動作中は基本的に、微生物の密度が低すぎて理想的なバイオガス収率を実現できない状態となる。本発明に係る再利用部分によれば、このような微生物を回収して発酵槽に再度供給することができる。この結果、本発明に係る発酵槽では、従来の発酵槽に比べて、微生物の密度を大幅に高くなり、活性バイオマスによって循環させられる微量養素の供給が大幅に改善される。
このため、活性バイオマス(先行技術にかかる設備では、発酵済み材料と共に発酵残留物保存タンクに保存され、そのまま未使用である)を回収して、発酵プロセスに再度供給することができるようになる。こうすることで、従来の発酵槽の収率が大幅に高くなる。また、消化槽に活性バイオマスを再度供給することによって、最初の動作において工場を最適化するための期間が大幅に短くなる。基本的に、バイオガス工場の動作を最適化するためにはある程度の時間がかかる。これは、安定した微生物叢をまず工場で構築しなければならないためである。消化槽から抽出された発酵済み材料にまだ存在する微生物を回収することができるので、安定的且つ高効率の微生物叢を構築する期間が大幅に短縮される。この結果、最大収率が大幅に短縮された期間で実現される。
活性バイオマスを回収できることについては、別の利点もある。消化槽内での活性微生物の密度を非常に高い値に維持することができるので、発酵プロセスが加速される。このため、発酵槽の生産能力が高まる。この結果として、本発明に係る発酵槽は非常に高い容積負荷に耐えることができる。
この効果は、本発明に係る発酵槽が従来の撹拌タンク発酵槽と組み合わせられて利用された場合も、回収された活性バイオマスが撹拌タンク発酵槽に再度供給されれば(いわゆる「動力再供給」、後述する)、達成される。
さらに、本発明に係る発酵槽によれば、微量養素を含む活性バイオマスを再供給するので、従来の撹拌タンク発酵槽では必要となることが多いが、微量養素の追加を不要とすることができる。
従来の撹拌タンク発酵槽では、発酵槽の中身を十分に混合させる必要もある。撹拌プロセスによって、複数の異なる微生物、特に、メタン細菌の共生関係が継続的に分裂してしまう。このように、高い技術レベルでより長期間にわたってプロセス安定性を実現することができない。ここで、腐敗している基質は微生物に対して同時に、滋養基質として、および、共生定着用面として機能しなければならない。このため、基質はある程度最低限の構造を提供しなければならない。しかし、本発明に係る発酵槽では、永久的に構築されたメタン細菌の非常に安定した共生関係が形成されている。この結果、構造が弱い基質が容易に生物分解可能であったとしても、メタン形成が理想的に行われ得る。
自由水素を生成する細菌および水素を利用する細菌は、理想的な共生のためには永久的に構築されなければならない。本発明に係る発酵槽では、固定床反応器の生息領域はメタンガス生成の理想的な条件を提供している。
本発明に係る発酵槽の残りの領域は、特に撹拌プロセスによって分断されない理想的な生物学的プロセスの進行について理想的な条件を提供する。
微生物は、最適な発酵のために、有機酸だけではなくCOも必要とする。
有機材料の供給領域では、固定床反応器のより高位の上昇部分を通る最適な方法で流動してCOの量が増える。このため、メタン細菌には、メタン生成のために十分な量のCOが与えられる。この結果、最適な生物学的安定性が得られる。
従って、本発明に係る発酵槽内のバイオガスの収率は、oTS割合が低い材料に関して特に、改善される。このような収率の改善は、工場で生成される酢酸の同等物の分解が改善されたこと、および、回収された細菌を再利用することによって特に、oTSの分解が増加したことに起因している。これは、代謝活動、および/または、死亡していれば、バイオマスを用いることによって実現される。
概して、本発明に係る発酵槽は、以下に示す利点をさらに持つ。
基質(特に液肥)の保存期間が、50日から10日へと短縮されるので、生産能力が向上する。
算出される熱需要が、20%まで低減される(実際には、内在的なプロセスによる熱で大抵の場合十分であるので、外部からの熱の供給は必要ない)。
従来の撹拌タンク発酵槽と比較して、本発酵槽の容量は1000mから200mへと縮小することができるので、建物および投資のコストが抑制される。
本発明に係る発酵槽の好ましい実施形態によると、固定床反応器の第1の部分は、上昇部分であって、固定床反応器の第2の部分は、下降部分であると設計されている。
このような構成とすることによって、メタン生成の第2の代謝経路を大規模に実現および最適化することが始めて可能となる。このために、微生物は非常に高効率で相互に作用して、HとHCOが合成されてCHが生成され得る(反応(2)を参照のこと)。この結果、バイオガス内のCO含有量が低減されて、CH含有量がこれに対応して増加する。これは、質を改善して効率を高めるという目的に適っている。COの気泡が細かく分配され、比表面積が大きいので、上昇部分では、メタン生成微生物が集中して接触しながらメタン生成のこの第2経路に入り得る可能性がある。これは、実現がはるかに困難である。
しかし、本発明に係る発酵槽はさらに、容積負荷が高い場合でも(>5kg oTS/m 消化槽×d)、高濃縮の基質混合物で、高効率且つ安定的にバイオガスを生成することができる。これは、混合領域における再供給および植菌のための活性バイオマス(メタン生成微生物が好ましい)の回収および固定バイオマスによって可能である。発酵における別個の部分の上昇流および下降流を組み合わせることによって、小腸および大腸の機能と同等の機能が得られるので、生体工学の原則が化学工学へと応用される。
この例えによると、上流の長期の加水分解、または混合領域は、胃の機能を引き受けて、言うなれば、投入された基質を効率的に酸性化する。
また、上昇部分での反応を強化するべくCOが外部から供給され得る。後者は、外部、特に上流の長期加水分解反応器から供給されるとしてよい。
また、固定床反応器が微生物に対して大きな生息面を提供する材料を含むことが好ましい。
例えば、構造化面および/または内面を持つ材料を含む。このような材料には、例えば、構造化プラスチック面を持つ材料が含まれ得るが、溶岩粒、セラミックペレット、布地、金属、または、木製構造物等も含まれ得る。
このような構成とすることによって、大きな生息面を得ることができ、そのため共生関係にあるバイオガス生成微生物のコロニーが高密度で安定的に形成される。
固定床反応器は基本的に縦チャネルを形成することができる材料で形成することが特に好ましい。
「基本的に縦チャネル」という用語は、一貫した流れの方向で発酵槽の上昇(第1の)部分および/または下降(第2の)部分において発酵されるように基質を提供するのに適している材料を含む。これは、短絡流を防ぐという点でも利点となる。この点についてはより詳細に後述する。このような目的のために使用され得る材料には、例えば、セラミック、粘土、土器、金属、木材、または、プラスチック材料から成る垂直なパイプ、または、垂直な棒、ボード、ハニカム構造、ロープ、コードまたは糸が含まれる。
固定床反応器が、微生物定着用に大きな面を提供し、基本的に縦のチャネルを形成することができる材料を含むことが特に好ましい。
ここでは、例えば、直径が50mmから400mmの地下建設で利用される公知の可撓排水パイプのような、表面が大きいプラスチックパイプの利用が特に考慮される。このようなプラスチックパイプは、微生物がパイプの内面と同様に外面にも生息できるように、波型の壁面構造を持つ。
上述したパイプは、特に固定床反応器の上昇部分において、上昇する気泡(特にCO)が特定のサイズを超えないことを確実にするので、特に有効である。従来の発酵槽では、上昇する気泡は静水圧の低減およびさらなる気泡の吸気によって、過度に増加する。一方で、この結果、相対的な面は低減する。他方で、上昇速度は大幅に早くなる。どちらの状況によっても、上昇しているCOはもはや代謝することができず、反応(2)に従ってメタンガスに変換され得ないことになる。パイプまたは同様の中空部材を備える設備では、気泡のサイズの増加が制限される。基質の流れを区分化することによって、上昇するCOが並行してさらに代謝される結果、安定化した構造が得られる。
固定床反応器の上端および下端にはそれぞれ、パイプ間の最適な長さを決定し、パイプの流路を制限せず、むしろそのような制限を防ぐ、プラスチックパイプ用の保持デバイスが設けられていることが好ましい。
例えば、このような保持デバイスは、ステンレススチールパイプ部材(「スリーブ」)から形成されるとしてよく、表面領域に配置されて、溶接、挿入、螺入、または、角ブラケットを用いてリベット留めされる。
使用されるプラスチックパイプは内径が100mm−300mmであり、パイプ間の距離は50mm−300mmであるのが好ましい。内径が200mmで、パイプ間の距離が100mmであるのが特に好ましい。
少なくとも1つの上昇(第1の)部分および1つの下降(第2の)部分を有する固定床反応器を少なくとも1つ配置することによって、特に短絡流の形成を防ぐ。これは、このような強制的な流路のみが、材料が最適な方法で発酵(つまり、鉱化)されること、および、発酵中の材料が完全に消毒されたことを保証し得るので、特に重要である。
法規制によって、家畜排泄物を含む材料または家畜排泄物によって生成される材料に対しては、特定の農地、例えば乳牛用牧草地等に利用する前に、消毒が必要である。同様の要件は、保護流域での利用についてもあてはまる。
本発明に係る装置によると、発酵の対象となる材料全てが必ず固定床反応器全体を通過する。好熱性の範囲内では(つまり、摂氏55度よりも高い温度では)、適切な消毒を実現するには保存期間は24時間で十分である。
消毒によって、中等温度好性細菌(病原性、任意病原性、非病原性)例えば、大腸菌細菌、サルモネラ菌、ブルセラ菌等が不活性化される。バイオガス合成に必要な微生物は、一貫して好熱性である。このため、特定の温度下では破壊されることなく生き残る。同時に、最大限の活動性を発現させる。また、良好な定着性を持つ基質のために、発酵槽内に留まり、発酵残留物と共に排出されることはない。つまり、乳牛用牧草地に利用されることはない。
一定の条件下で、バイオガス合成中に発生する熱は、発酵槽内の好熱性条件を調整するのに十分である。つまり、過度に熱を加える必要はなく、エネルギーが大幅に節約される。
特に好ましい実施形態によると、本発明に係る再利用部分は、オーバーフロー端部を介して、堆積チャンバに接続されている。この再利用部分は、ポンプ注入可能な有機材料のうち特定の比較的軽い画分が、回収されて、固定床反応器の上昇(第1の)部分に再度供給されるように設計されている。この特定の比較的軽い画分は特に、再利用部分がなければ発酵槽の外に排出されてしまって発酵されない、メタン生成微生物の大部分を含む。
この効果は、メタン生成微生物が固定床の表面に定着することに後押しされる。このように、メタン生成微生物が排出されないようにすることができる。
これに代えて、回収された活性材料は、「動力再供給プロセス」に関連して、従来の発酵槽へと濃縮のために再度供給され得る。従来の発酵槽では、メタン生成微生物の濃度を高めて、生産能力または性能を改善する。
再利用部分は、周縁孔またはスクリーニングデバイスによって、堆積チャンバに接続されるように配設され得る。しかし、専門家であれば、進歩性を必要とすることなく、この情報に基づいて、再利用部分と堆積チャンバとの間の接続をどのように形成するか、他の可能性に想到し得る。
また、孔またはスクリーニングデバイスが設けられているオーバーフロー端部にスクレーパーが設けられるとしてよい。このスクレーパーによって、孔またはスクリーニングデバイスが詰まらないようにし、浮遊層がオーバーフロー端部において形成されるのを回避する。回収された材料は、本発明の一部の実施形態では「シード汚泥」と表現されているが、発酵させるべく有機材料に与えられ、発酵槽に再度供給される。この目的のために測定部を設けることが好ましく、当該測定部は、マイクロプロセッサによって電子的に制御されるのが好ましい。このようにして、メタン生成微生物の濃度は永久的に増加し、このことはバイオガスの収率および質に対して有益と証明されている。
原則的に、再利用部分の設計によって、発酵槽に再度供給された材料と再利用部分に留められる材料との間の体積比を調整することが可能である。例えば、固定床反応器の上昇部分の上側端縁に対してオーバーフロー端縁の高さを選択することによって実現可能である。また、周縁孔のサイズおよび/または密度を選択することによっても実現可能である。しかし、専門家であれば、進歩性を必要とすることなく、この情報に基づいて、上記の体積比の調整をどのように実行するかについて、他の可能性に想到し得る。
発酵槽に再度供給された材料と再利用部分に留められる材料との間の体積比は、1:0.9から2:0.1の範囲内にあるのが好ましい。当該体積比が2:1となるのが特に好ましい。留められた材料による再接種は、発酵が問題なく確実に実行され、部分的酸性化が発生しないように、大量に実行されるべきである。専門家であれば、このようなプロセスを適切な方法(pH計、NIRS、GCサンプリング)によって再現するのは容易である。
再利用部分が、1つ、必要であれば、複数の基本的に垂直な管状部材によって形成されることも好ましい。
また、再利用部分は、少なくとも1つの固定床反応器の上昇(第1の)部分と下降(第2の)部分との間に配置されることが好ましい。
本実施形態には、数多くの利点がある。例えば、再利用部分でも生成されるバイオガスは、1または複数の固定床反応器の部分で生成されたガスを収集するガス収集デバイスによって収集され得る。また、このような構成とすることによって、再利用部分と固定床反応器とを同一温度にすることが容易となる。このようにすることで、再利用部分の位置も、再利用部分の上側端縁がオーバーフロー端縁を形成する場合は特に、堆積チャンバの中央に配置されているので、特定の比較的軽い画分を回収する上で理想的となる。尚、当該設備は製造に関しても利点を持ち、これについてはさらに詳細に後述する。
しかしながら、再利用部分を少なくとも1つの固定床反応器の上昇(第1の)部分と下降(第2の)部分との間に配置せず、その代わりに、例えば、発酵槽の側面または外部に配置することもまた可能であり、本願特許請求項の保護範囲内に含まれる。
特に好ましい実施形態によると、追加の再利用部分を固定床反応器の下降(第2の)部分の後方に配置する。このようにすることで、基質および微生物の回収がさらに改善される。
発酵槽は、1つまたは2つの垂直に配置される円筒の外形を持つのが好ましい。この目的を実現するべく、発酵槽、または1もしくは2の円筒は、製造会社で生産され、現場で発酵槽へと組み立てられ得る複数の部品から成るとしてよい。
例えば、2つの円筒半分部分または複数の円筒分割部分が提供され、これらを現場で組み立てて、取付用ブラケットを用いて互いに螺合または溶接するとしてよい。円筒半分部分または円筒分割部分のうち1つに既に、再利用部分が設けられているのが理想的である。このようにすることで、生産および設置が容易になり、コスト削減が実現される。
本発明者達は、体積が200から250mの既製発酵槽は、1日または2日以内で現場で組み立てられ得ると計算した。このように、組み立てコスト(労働時間、設備、可動クレーン)および関連費用は大幅に低減され得る。さらに、現場(例えば、農場)での作業活動には、ほとんど邪魔が入らない。このため、発酵槽が規格に従って製造され、その結果高品質を持つようになることが確実となる。
また、発酵槽は、固定床反応器および/または回収デバイスに対して少なくとも一部分が上方に配置されているガス収集デバイスを備えるとしてよい。
例えば、このガス収集デバイスは、気密性ダイヤフラムがその下方に配置されているドーム構造または屋根構造を有するとしてよい。このような実施形態によると、ガス収集デバイスはガス保存システムの機能も持つように特に構成するとしてよい。この場合、気密性ダイヤフラムは、生成された気体の量が少量のみである限り、消化槽の上方に緩く吊り下がっている。しかし、生成されたガスがダイヤフラムを上向きに押し上げると、緊張状態になる。そして生成されたガスは、公知の方法および公知の抽出デバイスを用いて抽出することができる。
本発明に係る発酵槽は基本的に、生成されたバイオガスをガスパイプラインネットワークに与えるデバイスをさらに備えることもできる。しかし、本発明に係る発酵槽は、生成されたバイオガスを電気に変換するデバイスに接続されていることが好ましい。
生成されたバイオガスに含まれる化学エネルギーを電気エネルギーに変換するためには、例えば、ガスエンジンまたはダブル燃料エンジンを有するコジェネレーション部(BHKW)においてバイオガスを電気に変換する。経済的に稼動させるには、燃焼させるガスを、約100mbarの初期圧力で、ガスエンジンに供給しなければならない。従来のバイオガス工場では、保存されているガスを上述した初期圧力にするためには、別個にガス圧力送風機が必要となる。一方で、この送風機は大量のエネルギーを消費する。しかし、この送風機によって、メンテナンス要件および獲得コストが増加すると共に、バイオガス工場の制御努力も増えてしまう。
発酵槽が静水圧ガス保存システムを備えていることが特に好ましい。
「静水圧ガス保存システム」という用語は、供給されたガスがその前に設けられていた液体(特に、水)を重力で(および、このため、静水圧または水柱の形成に対して)置換するガス保存システム(より詳細に後述する)を含む。この実施形態に関しては、図面を参照しつつ説明する。
システム内に設けられている液体を置換すると、ガス流入によって最大2000mmの水柱が形成されるようにガス保存システムが構成されている場合、静水圧200mbarに対応する。同時に、保存されているガスの圧力は、静水圧に対応するレベルで維持されて、ガス圧力送風機を利用することなくBHKWのガスエンジンに供給され得る。この目的のためには、圧力勾配が強力な場合でもバイオガス生成微生物がバイオガスを生成し続けることができることが不可欠である。文献では、160barまでの圧力勾配が説明されている。このため、上述した200mbarという累積圧力勾配によってバイオガス合成が影響を受けることはなく、発酵槽まで維持され得る。
静水圧ガス保存システムにつながるパイプラインは、ガス安全デバイス(高圧および低圧)の要件を満たすように寸法が決められていることが好ましい。例えば、ガスの過剰生成分は、静水圧ガス保存システムを介して周囲環境に漏れ出していき得る。同時に、ガス保存システムの液体は、フラッシュバックに対するプロテクタとして機能して、発酵槽内での爆発または火災の危険性を除外する。従来のガス保存システムにこのような機能はない。また、特定の寸法を持たせることで、パイプラインは、発酵槽に対して過剰に与えられた発酵基質のオーバーフロー安全装置としても利用され得る。この発酵基質は、パイプラインを介して外部に排出され、静水圧ガス保存システムに収集される。
発酵槽のガス収集デバイスは、円錐状もしくは円錐台形状、または、放物面状もしくは半球状のドーム構造を有するのが好ましい。
このドーム構造は、上向きに方向付けられているテーパー領域、再利用部分の始点がオーバーフロー端縁の下方に来るように、発酵槽に対して設けられるのが特に好ましい。この点については、図面を参照しつつ説明する。この結果、活性バイオマスの回収が大きく改善される。
さらに、消化槽、ガス保存システム、および/または、沈下チャンバの領域には電気デバイスが何も配設されていないことが好ましい。消化槽、ガス保存システム、および/または、沈下チャンバは、ファラデー箱として設計されるとしてよい。どちらの方法も共に、火災および爆発に対する予防策である。この目的のために、発酵槽全体の筐体は、導電性金属(特に、VAスチールまたは耐食コーティングスチール)から形成され得るか、または、例えば筐体材料を取り囲む金網の形状を持つ、金属導体網を持つ非金属材料から形成され得る。
別の好ましい実施形態によると、本発明に係る発酵槽は、消化槽の基面に配置される沈下チャネルを備える。この沈下チャネルに、砂、石灰、石等の有機材料が沈下して、コンベヤスクリューによって発酵槽から取り除かれる。約1−3パーセントの割合で日常的に、発酵中の材料がこのように取り除かれることが多い。そして、排出された材料から固体物質を分離して、液体成分を消化槽に再度供給することが可能である。
別の好ましい実施形態によると、発酵槽の注出口の領域に熱交換器が配設されている。この熱交換器によって、発酵対象となる未処理の有機材料を予熱することができる。
このようにすることで、発酵槽内で中等温度好性条件または好熱性条件を調整することがはるかに容易となる。同時に、このような構成とすることで、必要な消費エネルギーが低減される。理想的なケースでは、上述の条件を調整するために十分な熱は、発酵プロセス中に必ず発生する反応で生成される。このため、外部から熱を追加で供給する必要はない。
一部のケースでは、つまり、発酵プロセス中に必ず発生する反応で生成される熱が十分でない場合、本発明に係る発酵槽には調整が必要となる。発酵槽に配設されるいくつかの加熱デバイス、例えば、熱交換器は、表面温度が微生物には高温過ぎる。このため、加熱デバイスと接触する発酵中の材料は当初、好ましい温度範囲よりも高い温度まで加熱され、周囲材料に連続的にその温度を放出する。このようにして、消化槽全体を所望の温度に調整することができる。しかし、加熱デバイスの領域に定着する、または、加熱デバイスと接触する微生物(特に、メタン生成細菌)は、上昇した温度によって、死滅してしまう。このため収率が下がってしまう。
発酵槽は、注入口から消化槽内に投入される発酵中の材料の温度が、発酵対象となる有機材料を加熱することによってのみ調整されるように設定される、発酵対象となる有機材料用の温度制御デバイスを備えることも好ましい。
このためには、発酵対象となる基質用の加熱デバイスに加えて、消化槽に少なくとも1つの温度プローブおよび制御回路を備えることが必要となる。このような温度制御は、消化槽に投入された調整済みの材料が即座に分配されて周囲の領域に熱エネルギーを素早く放出するので、特に効果的である。周囲の材料との間で迅速に熱を交換するので、発酵槽内でのメタン生成細菌の生命プロセスは影響を受けない。また、熱伝導性が良好で混合作業が効果的であるので、発酵槽内の温度を効果的に制御するために十分な発酵対象の基質の温度の上昇はわずかにすぎない。このため、発酵槽内のメタン生成細菌が破壊されるのではと恐れる必要はない。要するに、発酵中の材料をより均一且つ高速に加熱することが可能であり、この特徴はプロセス安定性に対してプラスの効果を持つ。この目的を実現するために、充填デバイスは2つの撹拌部の間に設けられるのが好ましい。このようにすることで、発酵対象となる調整済みの基質は、非常に効果的な方法で消化槽に投入され、発酵中の材料と素早く混ぜ合わせられ、周囲の領域に非常に迅速に温度を放出する。このことによってさらに、消化槽に投入される前に、発酵対象の基質を殺菌または消毒することが可能となる。このようにすることで、発酵対象の基質には、消化槽に投入された後、非常に短時間でメタン生成細菌が定着することができ、発酵が強化されるので収率が高くなる。このような温度制御によれば、消化槽に追加で加熱デバイスまたは熱交換器を設ける必要がなくなり、上述したような欠点が発生しない。さらに、このような温度制御によれば、爆発および火災の危険性をはらむ電気回路を消化槽に設ける必要がなくなる。
また、本発明は、前述した請求項のうち一項による発酵槽において、有機乾物(oTS)の含有量が低いポンプ注入可能な有機材料からバイオガスを生成する方法を提供する。当該方法は以下の段階を備える。
a)注入口を介して発酵槽にポンプ注入可能な有機材料を投入する段階、
b)嫌気性環境、少なくとも7のpH値、および中等温度好性から好熱性の範囲内の温度を生成および維持する段階、
c)発酵槽の堆積チャンバおよび固定床反応器によって、ポンプ注入可能な有機材料の流れを形成する段階、
d)再利用部分においてポンプ注入可能な有機材料の特定の比較的軽い画分を回収する段階、
e)可能であれば、回収されたポンプ注入可能な有機材料を発酵槽に再度供給する段階、
f)生成されたガスの収集および発酵した発酵残留物の抽出を連続的に何回かで行う段階
同時に、pH値は、専門家に公知の通常の方法で調整され得る。
特に、固定床反応器による材料の流れは、連続的またはパルス式に形成されるとしてよい。どちらの種類も、特に利用される基質に関して、利点および欠点を持つ。例えば、パルス式の材料の流れは、発酵対象となる基質と微生物との接触時間をより長くするためには、利点となり得る。専門家であれば、通常の試験手順を用いて進歩性を必要とすることなく、流れについて適切な条件(特に利用される各基質に関して、速度、パルス間隔等)を容易に知り得ることができる。
本発明によると、発酵対象となる未処理の材料を発酵槽に投入する前に、当該未処理の材料で回収された材料を事前培養する。
完全利用を目的として、再生可能資源、特にエネルギー作物から、有機乾物(oTS)の割合が低い、発酵対象となる有機材料に、さらにバイオマスを供給することが特に好ましい。
本発明に係る発酵槽または方法によって生成される発酵残留物は、鉱化された栄養分(N、P、K)の割合が高く、肥料に非常に適している。発酵中の基質と比較すると、発酵残留物は通常、残留有機物の割合がより低いので、粘度が低い。このため、発酵残留物は、例えば、液肥よりも、容易に広がって植物生産に利用され得る。有機物質の割合が減っているので、発酵残留物の排出後、二酸化炭素(CO)、メタンガス(CH)および亜酸化窒素(NO)等の温室効果ガスの形成が非常に低くなる恐れがある。さらに、液肥に含まれ得る植物の種子、特に、雑草の種子および真菌胞子は、発酵によって不活性化されてしまう。このため、これらの種子および胞子は、排出された後は、もはや成長することができない。このようにして得られる発酵残留物のさらなる利点を挙げると、特定のプロセス条件が維持されれば消毒されるという点にある。このため、さらに化学処理または熱処理を行わなくても、重要な領域、例えば、流域保護領域または乳牛用牧草地等に利用され得る。
さらに、液肥は非常に多くの鉱物を含む。つまり、液肥を肥料として与えられる植物は、含まれる栄養素の恩恵を遥かに多く享受する。しかし、発酵されていない液肥が肥料として用いられると、有機的に結合した栄養素が数え切れないほど土壌中に発生し得る。このような事態は、自然の鉱化段階では、栄養素としての鉱化物を植物が吸収できない場合に地下水に多大な影響を及ぼし得る。
本発明に係る発酵槽の別の実施形態によると、発酵槽が従来のバイオガス発酵槽の下流に接続されて(いわゆる、「動力再供給」)、ポンプ注入可能な有機材料用の注入口を用いて発酵残留物が従来のバイオガス発酵槽から供給され得る。
以下では、本実施形態をポスト発酵槽と呼ぶ。「従来のバイオガス発酵槽」という用語は、本明細書の最初の部分で言及した現行技術水準に係るバイオガス発酵槽を含む。これらのバイオガス発酵槽は、再生可能資源を発酵するべく用いられる。このようなバイオガス発酵槽は基本的に、ガス保存ドーム構造または栓流デバイス(水平方向の円筒)を有する大型撹拌タンクから成る。従来のバイオガス発酵槽は、原材料に対して不完全な発酵しか行うことができず、同時に、メタン生成微生物が継続して失われていく。また、従来のバイオガス発酵槽は、消毒が不適切で(短絡流、上記を参照のこと)、温室効果ガス(メタン、亜酸化窒素、二酸化炭素、上記を参照のこと)を放出する発酵残留物を生成してしまう。このため、このような発酵槽の発酵残留物を、この場合は一種のポスト発酵槽として機能する本発明に係る発酵槽に与えることは非常に効果的である。このようにすることで、従来のバイオガス発酵槽の運営者は、投資を比較的少なく抑えつつ、工場の効率および環境適合性を改善する効果を得ることができる。
この特別な実施形態によると、ポスト発酵槽で生成されるバイオガスはメイン工場のガス保存システムに供給され得る。
特に好ましい実施形態によると、再利用部分は、ポンプ注入可能な有機材料のうち回収された特定の比較的軽い画分が、上流のバイオガス発酵槽に再度供給され得るように設計されている。
これは、活性バイオマスを回収して発酵プロセスに再度供給する可能性を含んでおり、活性バイオマスは、発酵済み材料と共に、現行技術水準に係る設備によって発酵槽に投入され、利用されないまま発酵槽に放置される。このようにすることで、収率を大幅に増加させることができる。さらに、活性バイオマスを消化槽に再度供給することによって、工場を最適化させるための最初の作業に係る時間が、大幅に短縮される。バイオガス工場は基本的に、最適化のために一定の時間を必要とする。これは、安定した微生物叢が工場内に構築されなければならないためである。消化槽から抽出した発酵済みの材料に存在する微生物を回収することができるので、安定且つ高効率な微生物叢を構築する期間が大幅に短縮される。この結果、最大収率が非常に短期間で達成される。
活性バイオマスを回収することができるために得られる利点として、次の点も挙げられる。発酵プロセスが、消化槽内の活性な微生物の密度を大幅に高い水準に維持することができるので、加速される。このようにして、発酵槽の生産能力を増加させることができる。この結果、本発明に係る発酵槽は、大幅に高い容積負荷に耐えることが可能である。
本発明に係る発酵槽(前述した実施形態に代えて、または、前述した実施形態に加えて)は、長期加水分解反応器(基質の液体保存)の下流に接続されるとしてよい。このような長期加水分解反応器は、「LIGAVATOR」または「BETAVATOR」という名称で知られている。例えば、このような反応器の容量は1500mである。発酵対象となる生産物がこのような反応器で保存されている間に、嫌気性の発酵プロセスが発生し(特に、サイロ貯蔵(ensiling)プロセス、つまり、乳酸/酢酸発酵)、その結果、短鎖代謝体(特に、乳酸塩、つまり、乳酸、および酢酸塩、つまり、酢酸)が生成され、pH値が小さくなって、COが形成される。特に、乳酸および酢酸は、本発明に係る発酵槽で良好に代謝され得る。放出されたCOもまた、本発明に係る発酵槽に供給され得る。
ポンプ注入可能な有機材料からバイオガスを生成するための、本発明の一実施形態に係る発酵槽10を例示する長手方向の図である。
固定床反応器の上昇(第1の)部分22aおよび下降(第2の)部分22bと、再利用部分15とを示す。
再利用部分の上側端縁と共にオーバーフロー端縁を示す上面図である
基本的に縦のチャネルを形成することができるので固体反応器の材料として利用されるのが好ましい、プラスチックパイプ31の一例を示す図である。
プラスチックパイプ用の保持デバイス33の一例を示す図である。
2つの円筒半分部分41aおよび41bから成る、本発明に係る発酵槽の一部分40の分解図である。
本発明に係る発酵槽の一部分50を示す分解図である。
発酵中の材料の流れパターンと共に、本発明に係る発酵槽の一部分60を示す断面図である。
注出口73の領域に配置されている熱交換器74を示す図である。
固定床反応器72の下降(第2の)部分の後方に配置されている追加の再利用部分75を示す図である。
中間底面82を持つ容器81から形成される静水圧ガス保存システム80を示す図である。
図1に示した実施形態と大半の点において対応している、本発明の別の実施形態に係る発酵槽90を示す図である。
図1に示した実施形態と大半の点において対応している、本発明の別の実施形態に係る発酵槽100を示す図である。
本発明の別の実施形態に係る発酵槽を示す図である。
本発明を以下では、図面および例を用いてより詳細に説明する。図面および例は、説明のために用いられるのみであることを考慮されたい。図面および例は決して、本発明を限定するものではない。
図1は、ポンプ注入可能な有機材料からバイオガスを生成するための、本発明の一実施形態に係る発酵槽10を例示する長手方向の図である。当該発酵槽は、ポンプ注入可能有機材料のための注入口11と、少なくとも1つの第1の(上昇)部分12aおよび第2の(下降)部分12bを有するポンプ注入可能有機材料用の固定床反応器12と、生成される発酵残留物用の少なくとも1つの注出口13とを備える。
発酵槽はさらに、固定床反応器の第1の部分12aと第2の部分12bとの間に配置される、ポンプ注入可能有機材料用の堆積チャンバ14を備える。発酵槽はさらに再利用部分15を備える。再利用部分15は、堆積チャンバ14に接続され、ポンプ注入可能有機材料の特定の比較的軽い画分を回収することができて、必要であれば、固定床反応器の上昇(第1の)部分に再度供給するように設計されている。
固定床反応器12は、基本的に縦のチャネルを形成することができる材料から成っている(互いに平行な腸管と同様の意味)。
これらの特徴を持つ固定床反応器を利用することによって、多くの利点が得られる。例えば、このような固定床反応器によれば、反応器の内部で材料の流れを方向付けることができるので、撹拌タンク型発酵槽では利用される撹拌部を必要としない。このように材料の流れを方向付けることによって、撹拌タンク型発酵槽では不可避であり、発酵中の材料の効果的な消毒および理想的な発酵に影響を及ぼし得る短絡流の発生を特に防ぐ。このような固定床反応器はさらに、メタン生成微生物に対する定着基質を提供する。このようにして、撹拌部を備える発酵槽とは対照的に、微生物を多層状に形成することができる。
再利用部分15は、垂直な管状部材から成り、固定床反応器の上昇(第1の)部分12aと下降(第2の)部分12bとの間に配置される。
再利用部分15は、オーバーフロー端縁を介して堆積チャンバ14に接続されており、ポンプ注入可能有機材料の特定の比較的軽い画分19を回収することができて、注出口16を介して固定床反応器の上昇(第1の)部分に再度供給するように設計されている。一方で、これらの特定の比較的軽い画分は、特定の比較的軽い有機画分、例えば、揮発性脂肪酸を含む。従来の撹拌タンク型発酵槽では、この画分は、浮遊層を形成して、発酵プロセスから外れていた。尚、揮発性脂肪酸の一部は、容易に気相状態に変換されるので永久的に発酵プロセスから除外されてしまう。
これらの特定の比較的軽い有機画分はさらに、固定床反応器の基質から分解された微生物(いわゆる、「活性バイオマス」)であって、再利用部分が設けられていなければ、発酵残留物と共に発酵槽から排出され得る微生物を含む。これによって、撹拌部を備える従来の発酵槽では補充されなければならない微量栄養素が継続的に失われてしまう。この結果、費用が大きくなり、重金属を追加で導入することになる。この結果、従来のバイオガス発酵槽では、バイオガス生成微生物の密度が継続的に低下して、これらの発酵槽での稼動中の微生物の密度は基本的に低すぎて理想的なバイオガス収率を達成できない。本発明に係る再利用部分によると、これらの微生物が回収され発酵槽に再度供給される。この結果、本発明に係る発酵槽は、従来の発酵槽に比べて、微生物の密度が遥かに高く、活性バイオマスによって循環させられる微量栄養素の供給量が大きく改善される。尚、揮発性脂肪酸の一部は、容易に気相状態に変換されるので、永久的に発酵プロセスから除外されてしまう。
これらの特定の比較的軽い有機画分はさらに、固定床反応器の基質から分解された微生物(いわゆる、「活性バイオマス」)であって、再利用部分が設けられていなければ、発酵残留物と共に発酵槽から排出され得る微生物を含む。この結果、従来のバイオガス発酵槽では、バイオガス生成微生物の密度が継続的に低下して、これらの発酵槽での稼動中の微生物の密度は基本的に低すぎて理想的なバイオガス収率を達成できない。本発明に係る再利用部分によると、これらの微生物が回収され発酵槽に再度供給される。この結果、本発明に係る発酵槽は、従来の発酵槽に比べて、微生物の密度が遥かに高くなる。
また、当該発酵槽は、注入口11の領域および堆積チャンバ14の領域において、比較的小さい2つの撹拌部17aおよび17bを備える。これらの撹拌部は一定間隔で作動させられて、必要であれば、固体粒子が沈下しないようにする。従来の撹拌タンク型発酵槽で公知の撹拌部と比較すると、図示されている撹拌部は寸法が遥かに小さく電力消費も遥かに少ない。
さらに、発酵槽は、固定床反応器を介して発酵中の材料を出し入れするためのポンプ18を備える。従来の撹拌タンク型発酵槽で公知の撹拌部と比較すると、このポンプも非常に電力消費が小さい。特にダブルピストンポンプを含むとしてよい。さらに、図1では、生成されたバイオガスを抽出するためのガス排出デバイス20を示す。
実線の矢印は、発酵槽における材料の流れの方向を示している。点線の矢印は、生成されているバイオガスの方向を示している。
図1ではさらに、本発明に係る発酵槽においては、消化槽の容量が大きいために非常に大きい表面領域を必要とする従来の撹拌タンク型発酵槽に比べて、必要な表面領域が大幅に減っていることを明確に図示している。好ましい実施形態によると、本発明に係る発酵槽は、底面積が29mに過ぎないので、普通の農地に容易に組み込まれ得る。
図2Aおよび図2Bは、本発明に係る発酵槽のラインA−A´(図2A)またはB−B´(図2B)に沿った断面図である。上側の図2Aは、固定床反応器の上昇(第1の)部分22aおよび下降(第2の)部分22bと、再利用部分15とを示す。図2Bは、再利用部分の上側端縁と共にオーバーフロー端縁を示す上面図である。図3Aは、基本的に縦のチャネルを形成することができるので固体反応器の材料として利用されるのが好ましい、プラスチックパイプ31の一例を示す図である。このパイプは、外面および内面において、面積が大きくなっており、微生物定着に対して大きな表面を提供する。このプラスチックパイプは、直径が50mmから400mmの範囲内にあり地下工事で利用される公知の可撓性排水パイプと同様の特徴を持つパイプを含む。この種類の排水パイプは、軽量でコスト効率が良いので、特に好ましい。このようなパイプを多数発酵槽内に吊り下げて、固定床反応器を形成することが好ましい。この目的のために、発酵槽は、上側部分および下側部分にそれぞれ、上述したプラスチックパイプを吊り下げるための吊り下げデバイスを備えるとしてよい。
固定床反応器を形成するためのその他の材料には、例えば、セラミック、粘土、土器、金属、木材、もしくは、プラスチック材料から成る垂直なパイプもしくはハニカム形状の中空部材、または、垂直な棒、ロープ、コードもしくは糸が含まれる。
図3Bは、上述したプラスチックパイプ用の保持デバイス33の一例を示す図である。保持デバイス33は、固定床反応器の上側端部および下側端部に取り付けられ、パイプ間の距離について最良の距離を決定し、パイプの流路を制限せず、むしろそのような制限を防ぐ。保持デバイスは、表面領域に配置されており、溶接されているかまたは角ブラケットを用いて互いに接続されているステンレススチールパイプ部材(「スリーブ」)から形成されている。プラスチックパイプの端部は、保持デバイスに完璧に係合する。
図4は、2つの円筒半分部分41aおよび41bから成る、本発明に係る発酵槽の一部分40の分解図である。図4は、固定床反応器の上昇(第1の)部分42を示す上面図である。下降部分は、図4では、セグメント41bの壁面によって覆われているので、見えない。これらのセグメントは、取り付けブラケット43を用いて現場で互いに螺合される。セグメントのうち一方(ここでは、41a)が既に、再利用部分45を有していることが理想的で、このことにより生産および設置が容易になるので、コストが削減される。
図5は、本発明に係る発酵槽の一部分50を示す分解図である。図4に示した発酵槽とは対照的に、図5の発酵槽は4つのセグメント51a−51dから形成される。このため、固定床反応器の上昇(第1の)部分は、2つのセグメント52aおよび52bから形成されている。下降部分は、図5では、セグメント51cおよび51dの壁面に覆われているので、見えない。図5ではさらに、再利用部分55を図示している。
図6は、発酵中の材料の流れパターンと共に、本発明に係る発酵槽の一部分60を示す断面図である。発酵中の材料は、固定床反応器の上昇(第1の)部分62から堆積チャンバ64へと移される。特定の比較的軽い画分69は、上部にとどまり、オーバーフロー端縁によって再利用部分65へと移される。しかし、特定の比較的重い画分(例えば、気体ではない死んだバイオマス)は、固定床反応器の下降(第2の)部分(不図示)へと移される。
図7Aおよび図7Bは、本発明に係る発酵槽の補完的実施形態を示す図である。例えば、図7Aは、注出口73の領域に配置されている熱交換器74を示す図である。発酵対象となる未処理の有機材料は、この熱交換器によって加熱され得る。この目的のために、熱交換器は注出口71に接続されている。
このような構成とすることによって、発酵槽内での中等温度好性または好熱性の条件が大きく促進される。同時に、必要となるエネルギー消費も低減される。発酵プロセス中に必ず発生する反応によって生成される熱が上述した条件を調整するのに十分であるのが理想的である。このため、外部から追加で熱を与える必要がなくなる。
図7Bは、固定床反応器72の下降(第2の)部分の後方に配置されている追加の再利用部分75を示す図である。このようにすることで、上述したような基質および微生物の回収がさらに改善される。
図8は、中間底面82を持つ容器81から形成される静水圧ガス保存システム80を示す図である。容器の下側部分は、バッファ液83で充填されている。ガス保存システムは、発酵槽(不図示)のガス排出デバイス84に接続されている。容器の下側部分に流入する過程を説明すると、供給されたガスが重力で(および、このため、静水圧または水柱の形成に対して)液体(特に、水)を置換している。水は、上昇管85を介して上昇して、容器の上側部分に流入する。例えば、ガス保存システム内で用いられている液体を置換するとガス流入が最大2000mmの水柱を形成するようにガス保存システムが構成されている場合、200mbarの静水圧に対応する。同時に、保存されているガスの圧力は、静水圧に対応するレベルで維持されて、ガス圧力送風機を利用することなくBHKWのガスエンジンに供給され得る。この目的のためには、圧力勾配が強力な場合でもバイオガス生成微生物がバイオガスを生成し続けることができることが不可欠である。このため、上述した200mbarという累積圧力勾配によってバイオガス合成が影響を受けることはなく、発酵槽まで維持され得る。
図9は、図1に示した実施形態と大半の点において対応している、本発明の別の実施形態に係る発酵槽90を示す図である。しかし、図1に示す実施形態とは対照的に、堆積チャンバ95は、オーバーフロー端縁によってではなく、周縁孔96またはスクリーニングデバイスによって、再利用部分94に接続されている。
図10は、図1に示した実施形態と大半の点において対応している、本発明の別の実施形態に係る発酵槽100を示す図である。しかし、図1に示す実施形態とは対照的に、堆積チャンバ105が外部に配設されており、再利用部分104に接続されている。再循環流量は、バルブ106によって調整され得る。このような設計によると、メンテナンスのために発酵槽から堆積チャンバを取り外すことが容易となる。
図11は、本発明の別の実施形態に係る発酵槽を示す図である。当該発酵槽は、注入口111と、第1の(上昇)部分112aおよび第2の(下降)部分112bを有する、ポンプ注入可能有機材料用の固定床反応器112と、注出口113とを備える。尚、第1の(上昇)部分112aおよび第2の(下降)部分112bは、互いに独立している(いわゆる、部分的発酵槽である)。費用を抑えるべく、部分112aおよび112bは、中古の液化ガスタンクまたは中心でカットされているガスタンクから構成され得る。部分的発酵槽のヘッド部分には、堆積チャンバ115が設けられており、ポンプ注入可能な材料のうち回収された特定の比較的軽い画分が、堆積チャンバ115によって、上流のバイオガス発酵槽116に再度供給される。材料は、発酵槽の上昇部分で特に生成される気圧によって、輸送される。
図11ではさらに、任意で設けられる従来のバイオガス発酵槽116を示す。従来のバイオガス発酵槽116は、本発明に係る発酵槽110の下流に接続されており、発酵残留物が注入口から供給され得るように、本発明に係る発酵槽に対してポスト発酵槽(いわゆる「動力再供給」)として機能する。
本発明のさらに別の実施形態では、発酵槽が、発酵残留物が従来のバイオガス発酵槽から、ポンプ注入可能有機材料用の注入口によって、供給され得るように、従来のバイオガス発酵槽の下流に接続される(いわゆる、「動力再供給」)。
バイオガス発酵槽116は基本的に、ガス保存ドーム構造を持つ大型撹拌タンクから成る。バイオガス発酵槽116では、原材料の発酵は不完全であり(つまり、発酵残留物の残留ガスの可能性が高い)、同時に、メタン生成微生物が継続的に失われる。さらに、バイオガス発酵槽116が生成する発酵残留物は、消毒および鉱化(発酵)が不適切で(短絡流、上記を参照のこと)、何よりも、温室効果ガス(メタン、亜酸化窒素、CO、上記を参照のこと)を排出する。このため、このような発酵槽116の発酵残留物を本発明に係る発酵槽112に供給するのは非常に効果的である。このようにして、従来のバイオガス発酵槽の運営者は、投資を比較的少なく抑えつつ、工場の効率および環境適合性を改善する効果を得ることができる。
発酵槽112が生成するバイオガスは、バイオガス発酵槽116のガス保存システムに供給される。特に好ましい実施形態によると、堆積チャンバ115は、ポンプ注入可能有機材料のうち回収された特定の比較的軽い画分は、上流のバイオガス発酵槽116に再度供給されるように、設計されている。

Claims (22)

  1. 有機乾物(oTS)の含有量が低いポンプ注入可能な有機材料からバイオガスを生成するための発酵槽であって、
    a)前記ポンプ注入可能な有機材料のための少なくとも1つの注入口と、
    b)前記ポンプ注入可能な有機材料のために設けられ、少なくとも1つの第1の部分および1つの第2の部分を有する、少なくとも1つの固定床反応器と、
    c)発酵残留物用の少なくとも1つの注出口と
    を備える発酵槽。
  2. a)前記ポンプ注入可能な有機材料のために、前記固定床反応器の前記第1の部分と前記第2の部分との間に配置されている少なくとも1つの再利用部分と、
    b)前記再利用部分に接続され、前記ポンプ注入可能な有機材料の特定の比較的軽い画分が、回収可能であって、必要であれば、前記固定床反応器の前記上昇(第1の)部分に再供給可能であるように設計されている、少なくとも1つの堆積チャンバと
    を備える、請求項1に記載の発酵槽。
  3. 前記固定床反応器の前記第1の部分は、上昇部分であって、前記固定床反応器の前記第2の部分は、下降部分である
    請求項1または請求項2に記載の発酵槽。
  4. 前記固定床反応器は、微生物に対して大きな定着面積を提供する材料から形成される
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の発酵槽。
  5. 前記固定床反応器は、基本的に縦チャネルの形成を可能とする材料から形成される
    請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の発酵槽。
  6. 前記堆積チャンバは基本的に、可能であれば複数の部分を含む垂直な管状部材から形成される
    請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の発酵槽。
  7. 前記堆積チャンバは、前記固定床反応器の前記上昇(第1の)部分と前記下降(第2の)部分との間に配置されている
    請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の発酵槽。
  8. 別の堆積チャンバが、前記固定床反応器の前記下降(第2の)部分から下流に配置されている
    請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の発酵槽。
  9. 垂直な円筒の外形を持つ
    請求項1から請求項8のうちいずれか一項に記載の発酵槽。
  10. 製造会社で生産可能であり、現場で発酵槽へと組み立てられる複数の部品から形成されている
    請求項1から請求項9のうちいずれか一項に記載の発酵槽。
  11. 前記固定床反応器および/または前記回収デバイスの上方に少なくとも一部分が配置されているガス収集デバイスを有する
    請求項1から請求項10のうちいずれか一項に記載の発酵槽。
  12. 静水圧ガス保存システムを備える
    請求項1から請求項11のうちいずれか一項に記載の発酵槽。
  13. 前記ガス収集デバイスは、円錐形状または円錐台形状、放物面状または半球形状のドーム構造を持つ
    請求項1から請求項12のうちいずれか一項に記載の発酵槽。
  14. 熱交換器は、前記発酵槽の前記注出口の領域に配置されており、前記熱交換器によって、発酵対象となる未処理の前記有機材料は予熱され得る
    請求項1から請求項13のうちいずれか一項に記載の発酵槽。
  15. 発酵対象となる前記有機材料について温度制御デバイスを備え、前記温度制御デバイスは、前記注入口から前記消化槽へと投入された発酵中の前記材料の温度を発酵対象の前記有機材料を加熱するのみで調整可能であるように設定されている
    請求項1から請求項14のうちいずれか一項に記載の発酵槽。
  16. 請求項1から請求項15のうちいずれか一項に記載の発酵槽において、有機乾物(oTS)の含有量が低いポンプ注入可能な有機材料からバイオガスを生成する方法であって、
    a)前記発酵槽の注入口を介して前記ポンプ注入可能な有機材料を投入する段階と、
    b)嫌気性環境、少なくとも7のpH値、および中等温度好性から好熱性の範囲内の温度を生成および維持する段階と、
    c)前記発酵槽の堆積チャンバおよび固定床反応器によって、ポンプ注入可能な有機材料の流れを形成する段階と、
    d)再利用部分において前記ポンプ注入可能な有機材料の特定の比較的軽い画分を回収する段階と、
    e)可能であれば、回収された前記材料を前記発酵槽に再度供給する段階と、
    f)生成されたガスの収集および発酵した発酵残留物の抽出を連続的に何回かで行う段階と
    を備える方法。
  17. 回収された前記材料は、発酵対象の未処理の材料が前記発酵槽に投入される前に、前記未処理の材料によって事前に培養されている
    請求項16に記載の方法。
  18. 完全な利用を目的として、例えば再生可能資源、特にエネルギー作物からより多くのバイオマスを、発酵対象の前記有機材料に供給する
    請求項16または請求項17に記載の方法。
  19. プロセス条件は、プロピオン酸の形成が低減されるように、または、プロピオン酸の低減が促進されるように、調整される
    請求項16から請求項18の何れか1項に記載の方法。
  20. 前記発酵槽は、従来のバイオガス発酵槽の下流に接続されており、発酵残留物が前記従来のバイオガス発酵槽から、前記ポンプ注入可能な有機材料のための前記注入口によって、供給され得る
    請求項1から請求項15に記載の発酵槽。
  21. 前記堆積チャンバは、前記ポンプ注入可能な有機材料のうち回収された前記特定の比較的軽い画分が、上流の前記バイオガス発酵槽に再度供給され得るように、設計されている
    請求項20に記載の発酵槽。
  22. 長期加水分解反応器の下流に接続されている
    請求項20または請求項21に記載の発酵槽。
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