JP2015163557A - 炭素質耐火物およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶融炉内張材の溶損を抑制し溶融炉の高寿命化を図ることができると共に、熱損失(放散熱量)を抑制してエネルギー損失を抑えることができ、さらに、製造が容易で低廉に作製することができる炭素質耐火物およびその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の炭素質耐火物1は、一方側に配された高熱伝導部2と、他方側に配され前記高熱伝導部2に比して低い熱伝導率を示す低熱伝導部3とを有した炭素質耐火物であって、高熱伝導部2はカーボン源として人造黒鉛を主材とする高熱伝導材にて形成され、低熱伝導部3はカーボン源として無煙炭を主材とする低熱伝導材にて形成され、炭素質耐火物1は、高熱伝導材と低熱伝導材とが一体成形され焼成されて形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、特に溶融炉(主として高炉、キュポラ、還元雰囲気下の溶融炉)の内張材として使用して好適な炭素質耐火物(カーボンブロック)およびその製造方法に関する。
従来、例えば溶融炉内張材(炭素質耐火物)としては、図6に示すように、同一材質(高熱伝導材あるいは低熱伝導材)にて一体成形された溶融炉内張材20が使用されている。
また、溶融炉の外部から炉体シェルに向かって散水し溶融炉内張材を冷却することで溶融炉内張材の溶損を抑制し溶融炉の高寿命化を図る場合により適した溶融炉内張材として、図7に示すような、一方側(炉外側)を熱損失(放散熱量)が大きい高熱伝導材31で形成し、他方側(炉内側)を熱損失(放散熱量)が小さい低熱伝導材32で形成した溶融炉内張材30が提案されている(特開平5−71880号公報)。
しかし、前者のもの(溶融炉内張材20)のうち、高熱伝導材にて一体成形されたものは、耐火物の溶損は抑制できるが、熱損失(放散熱量)が大きいためエネルギー損失が大きいという問題があった。また、低熱伝導材にて一体成形されたものは、耐火物の溶損を抑制できず、溶融炉の寿命が短くなるという問題があった。
さらに、後者のもの(溶融炉内張材30)は、耐火物の溶損を抑制し溶融炉の高寿命化を図ることができると共に、熱損失(放散熱量)を抑制してエネルギー損失を抑えることができるが、高熱伝導材31による耐火物と低熱伝導材32による耐火物を別々に焼成し、溶融炉内への施工時に両者の間にモルタルまたはカーボンスタンプ材33を介在させて接合しなければならず、製造および施工が煩雑でコスト高となるという問題があった。特に、溶融炉は大型のものになるほど、一体成形物の方が施工上容易であり、また、高炉は一度操業を開始すると吹き止めまで操業を継続しなければならず、このような長期使用にはスタンプ材やモルタルによる施工(接合)では安定性に欠け、炉の寿命に影響を及ぼすため一体成形物であることが望まれた。
特開平5−71880号公報
そこで、本発明の課題は、溶融炉内張材の溶損を抑制し溶融炉の高寿命化を図ることができると共に、熱損失(放散熱量)を抑制してエネルギー損失を抑えることができ、さらに、製造および施工が容易で低廉に作製することができる炭素質耐火物およびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するものは、一方側に配された高熱伝導部と、他方側に配され前記高熱伝導部に比して低い熱伝導率を示す低熱伝導部とを有した炭素質耐火物であって、前記高熱伝導部はカーボン源として人造黒鉛を主材とする高熱伝導材にて形成され、前記低熱伝導部はカーボン源として無煙炭を主材とする低熱伝導材にて形成され、前記炭素質耐火物は、前記高熱伝導材と前記低熱伝導材とが一体成形され焼成されて形成されていることを特徴とする炭素質耐火物である。
前記高熱伝導部と前記低熱伝導部との間に、前記高熱伝導部に比して熱伝導率が低く前記低熱伝導部に比して熱伝導率が高い中熱伝導部が設けられ、前記中熱伝導部は、カーボン源として人造黒鉛と無煙炭を主材とすると共に、前記高熱伝導部より人造黒鉛の含有率が低く、かつ、前記低熱伝導部より無煙炭の含有率が低い中熱伝導材にて形成され、前記炭素質耐火物は、前記高熱伝導材と前記中熱伝導材と前記低熱伝導材とが一体成形され焼成されて形成されたものであってもよい。前記高熱伝導材、前記中熱伝導材または前記低熱伝導材にはアルミナが添加されていることが好ましい。
また、上記課題を解決するものは、一方側に配された高熱伝導部と他方側に配され前記高熱伝導部に比して低い熱伝導率を示す低熱伝導部とを有した炭素質耐火物の製造方法であって、カーボン源として人造黒鉛を主材として形成された高熱伝導材とカーボン源として無煙炭を主材として形成された低熱伝導材とを作製する混練工程と、一方側に前記高熱伝導材を配し他方側に前記低熱伝導材を配して一体成形するプレス工程と、前記高熱伝導材と前記低熱伝導材との一体成形物を焼成し、一方側に配された前記高熱伝導部と他方側に配された前記低熱伝導部とを有した炭素質耐火物を作製する焼成工程とをしていることを特徴とする炭素質耐火物の製造方法である。
前記混練工程は、カーボン源として人造黒鉛と無煙炭を主材とすると共に、前記高熱伝導材より人造黒鉛の含有率が低く、かつ、前記低熱伝導材より無煙炭の含有率が低い中熱伝導材を作製する工程を有し、前記プレス工程は、前記高熱伝導材と前記低熱伝導材との間に前記中熱伝導材を配する工程を有していてもよい。前記混練工程は、前記高熱伝導材、前記中熱伝導材または前記低熱伝導材にアルミナを添加する工程を有していることが好ましい。
請求項1に記載した炭素質耐火物によれば、溶融炉内張材の溶損を抑制し溶融炉の高寿命化を図ることができると共に、熱損失(放散熱量)を抑制してエネルギー損失を抑えることができる炭素質耐火物を容易かつ低廉に作製できる。
請求項2に記載した炭素質耐火物によれば、上記請求項1の効果に加え、より耐食性が高く溶損を抑制できる炭素質耐火物を構成できる。
請求項3に記載した炭素質耐火物によれば、上記請求項1の効果に加え、他方側に向かって徐々に熱伝導率が低減する炭素質耐火物を構成できる。
請求項4に記載した炭素質耐火物によれば、上記請求項3の効果に加え、より耐食性が高く溶損を抑制できる炭素質耐火物を構成できる。
請求項5に記載した炭素質耐火物の製造方法によれば、溶融炉内張材の溶損を抑制し溶融炉の高寿命化を図ることができると共に、熱損失(放散熱量)を抑制してエネルギー損失を抑えることができる炭素質耐火物を容易かつ低廉に作製できる。
請求項6に記載した炭素質耐火物の製造方法によれば、上記請求項5の効果に加え、より耐食性が高く溶損を抑制できる炭素質耐火物を作製できる。
請求項7に記載した炭素質耐火物の製造方法によれば、上記請求項5の効果に加え、他方側に向かって徐々に熱伝導率が低減する炭素質耐火物を作製できる。
請求項8に記載した炭素質耐火物の製造方法によれば、上記請求項7の効果に加え、より耐食性が高く溶損を抑制できる炭素質耐火物を作製できる。
本発明の炭素質耐火物の一実施例の縦断面図である。 図1に示した炭素質耐火物の使用例を説明するための部分縦断面図である。 本発明の炭素質耐火物の他の実施例の縦断面図である。 図3に示した炭素質耐火物の使用例を説明するための部分縦断面図である。 本発明の炭素質耐火物の他の実施例の使用例を説明するための部分縦断面概略図である。 従来の炭素質耐火物およびその使用例を説明するための部分縦断面図である。 従来の炭素質耐火物およびその使用例を説明するための部分縦断面図である。
本発明では、熱伝導率が大きく異なる一方、熱膨張率が略同一の人造黒鉛と無煙炭をそれぞれカーボン源の主材として使用して高熱伝導部材と低熱伝導材とを形成し、一体成形した後、焼成することで、製造時および実使用においても両者の接合部で亀裂や変形などの異常が発生することがなく、接合部にスタンプ材なども不要で、溶融炉内張材の溶損を抑制し溶融炉の高寿命化を図ることができると共に、熱損失(放散熱量)を抑制してエネルギー損失を抑えることができ、さらに、製造容易および施工容易で低廉に作製することができる炭素質耐火物およびその製造方法を実現した。
本発明の炭素質耐火物を図1または図2に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の炭素質耐火物1は、図1に示すように、一方側に配された高熱伝導部2と、他方側に配され前記高熱伝導部2に比して低い熱伝導率を示す低熱伝導部3とを有した炭素質耐火物であって、高熱伝導部2はカーボン源として人造黒鉛を主材とする高熱伝導材にて形成され、低熱伝導部3はカーボン源として無煙炭を主材とする低熱伝導材にて形成され、炭素質耐火物1は、高熱伝導材と低熱伝導材とが一体成形され焼成されて形成されている。以下、各構成について順次詳述する。
本発明は、人造黒鉛と無煙炭の熱膨張率が略同一である一方、以下の表1に示すように、熱伝導率が大きく異なる(人造黒鉛の熱伝導率が大きく、それに対して無煙炭の熱伝導率が極めて小さい。)という両者の特性データに基づいてなしたものである。すなわち、この両者をカーボン源として熱伝導率が異なる高熱伝導部、中熱伝導部または低熱伝導部を備えた炭素質耐火物を一体的に焼成しても接合部で亀裂や変形などの異常は発生しないとの推定の下、なされた発明である。
Figure 2015163557
なお、この実施例の炭素質耐火物(カーボンブロック)1は、溶融炉内張材であり、図2に示すように、溶融炉の炉体シェル40の内側にスタンプ材41を介して高熱伝導部2側が固着されて好適に使用される。
高熱伝導部2は、溶融炉外部からの散水に対応して熱損失(放散熱量)を大きくして冷却効果を高めるために、一方側(炉外側)に配される部位である。
高熱伝導部2は、カーボン源として人造黒鉛を主材とする高熱伝導材にて形成されている。なお、本願において「カーボン源として人造黒鉛を主材とする」とは、カーボン源として人造黒鉛のみ使用したものの他、カーボン源として人造黒鉛が低熱伝導材より多く配合され、他は人造黒鉛と熱膨張率がほぼ同等の無煙炭がカーボン源として配合されているものを含む概念である。
この実施例の高熱伝導部2を形成する高熱伝導材のカーボン源は、人造黒鉛のみからなるものであり、カーボン源以外の形成材料としては、金属珪素およびSiCが配合され、バインダーとして樹脂もしくはタール及びピッチが添加されている。ただし、カーボン源以外の形成材料としては、金属珪素またはSiC以外のものが配合されたものも本発明の範疇に包含される。
他方、低熱伝導部2は、熱損失(放散熱量)が小さい低熱伝導材で形成され、他方側(炉内側)に配される部位である。
低熱伝導部3は、カーボン源として無煙炭を主材とする低熱伝導材にて形成されている。なお、本願において「カーボン源として無煙炭を主材とする」とは、カーボン源として無煙炭のみを使用したものの他、カーボン源として無煙炭が高熱伝導材より多く配合され、人造黒鉛もカーボン源として配合されたものを含む概念である。また、無煙炭としては、天然の無煙炭でも焙焼した無煙炭でもよい。
この実施例の低熱伝導部3を形成する低熱伝導材のカーボン源は、無煙炭のみからなるものであり、カーボン源以外の形成材料としては、金属珪素およびSiC、が配合され、バインダーとして樹脂もしくはタール及びピッチが添加されている。
そして、本発明の炭素質耐火物1は、高熱伝導材と低熱伝導材とが一体成形され焼成されて形成されている。上記高熱伝導材と上記低熱伝導材は熱膨張率がほぼ同等であるため、一体成形された後、焼成されても、高熱伝導部2と低熱伝導部3の接合部に亀裂や変形などの異常が発生することがなく、別々に焼成した後、スタンプ材を用いて接合する必要もなく、容易かつ低廉に、溶融炉内張材の溶損を抑制し溶融炉の高寿命化を図ることができると共に、低熱伝導部3側で熱損失(放散熱量)を抑制してエネルギー損失を抑えることができる炭素質耐火物となる。
高熱伝導材と低熱伝導材との一体成形は、上記高熱伝導材と上記低熱伝導材とをそれぞれ混練した後、混練した高熱伝導材をカーボンブロック成形用の金型の一方側に配し、低熱伝導材を他方側に配し、メカニカルプレス(油圧プレス、フリクションプレス、振動プレス、CIP=Cold Isostatic Press)で加圧成形することによって行うことができる。また、焼成は一体成形物を800〜1500℃で還元焼成することにより行うことができる。
つぎに、図3または図4に示した本発明の炭素質耐火物の他の実施例について説明する。
この実施例の炭素質耐火物10は、図3または図4に示すように、高熱伝導部2と低熱伝導部3との間に、高熱伝導部2に比して熱伝導率が低く低熱伝導部3に比して熱伝導率が高い中熱伝導部11が設けられ、中熱伝導部11は、カーボン源として人造黒鉛および無煙炭を主材とすると共に、高熱伝導部2より人造黒鉛の含有率が低く、かつ、低熱伝導部3より無煙炭の含有率が低い中熱伝導材にて形成され、炭素質耐火物10は、高熱伝導材と中熱伝導材と低熱伝導材とが一体成形され焼成されて形成されている。以下、各構成について順次詳述するが、前述した炭素質耐火物1と同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
この実施例の炭素質耐火物10と前述した炭素質耐火物1との相違は、高熱伝導部2と低熱伝導部3との間に中熱伝導部11が設けられている点のみであり他は同じである。
中熱伝導部11は、カーボン源として人造黒鉛と無煙炭を主材とすると共に、高熱伝導部2より人造黒鉛の含有率が低く、かつ、低熱伝導部3より無煙炭の含有率が低い中熱伝導材にて形成されている。カーボン源として人造黒鉛と無煙炭を主材とすることにより、高熱伝導部2や低熱伝導部3と熱膨張率が略同等の中熱伝導部11を一体に形成することができるため、高熱伝導部2、中熱伝導部11または低熱伝導部3との接合部に亀裂や変形などの異常が発生することがなく、三者を別々に焼成して製造し、施工時にスタンプ材やモルタルを用いて接合する必要もなく、容易かつ低廉に、溶融炉内張材の溶損を抑制し溶融炉の高寿命化を図ることができると共に、熱損失(放散熱量)を抑制してエネルギー損失を抑えることができる炭素質耐火物が作製される。また、高熱伝導部2より人造黒鉛の含有率が低く、かつ、低熱伝導部3より無煙炭の含有率が低い中熱伝導材にて中熱伝導部11が形成されることにより、高熱伝導部2に比して熱伝導率が低く低熱伝導部3に比して熱伝導率が高い中熱伝導部11を形成することができる。この実施例の中熱伝導部11は、カーボン源として人造黒鉛および無煙炭が同一含有率となる中熱伝導材にて形成されている。
そして、この実施例の炭素質耐火物10のように、高熱伝導部2と低熱伝導部3との間に中熱伝導部11を設けることにより、他方側に向かって徐々に熱伝導率が低減する炭素質耐火物を構成することができる。
なお、炭素質耐火物10は、中熱伝導部を一つの中熱伝導部11で構成したものであるが、これに限定されるものではなく、中熱伝導部が複数の中熱伝導部からなるものも本発明の炭素質耐火物に包含される。この場合、複数の中熱伝導部は、一方側から他方側に向かって、徐々に人造黒鉛の含有率が低く、かつ、無煙炭の含有率が高い中熱伝導材を順次配することにより形成することができる。
さらに、高熱伝導材、中熱伝導材または低熱伝導材にはアルミナが添加されていることが好ましい。これにより、より耐食性が高く溶損を抑制できる炭素質耐火物を構成することができる。アルミナが配合率としては、1〜20重量%が好適である。1重量%未満であると、耐食性を向上させる効果が少なく、20重量%を越えると、耐アルカリ性が低下してアルカリが炭素質耐火物内に浸透し、アルミナと反応することで体積膨張が発生して耐火物組織に亀裂が発生するおそれがあるからである。
(具体的実施例)
下記の表2に示すように、組成が異なる5種類の熱伝導材(耐火物A〜Eをそれぞれ形成する熱伝導材)を作製し、これらを1000℃で焼成した耐火物A〜Eについて、それぞれ気孔率、嵩比重、圧縮強度、熱伝導率、熱膨張率および耐溶銑性を測定した。
Figure 2015163557
耐火物Aはカーボン源として無煙炭を84重量%配合し人造黒鉛を配合しないもの、耐火物Bはカーボン源として無煙炭を64重量%配合し人造黒鉛を20重量%配合したもの、耐火物Cはカーボン源として無煙炭を42重量%配合し人造黒鉛を42重量%配合したもの、耐火物Dはカーボン源として無煙炭を24重量%配合し人造黒鉛を60重量%配合したもの、耐火物Eはカーボン源として無煙炭を配合せず人造黒鉛を84重量%配合したものである。
表2に示すように、耐火物Aは熱膨張率が0.340%で熱伝導率が5w/mKであり、耐火物Bは熱膨張率が0.337%で熱伝導率が12w/mKであり、耐火物Cは熱膨張率が0.334%で熱伝導率が20w/mKであり、耐火物Dは熱膨張率が0.330%で熱伝導率が28w/mKであり、耐火物Eは熱膨張率が0.328%で熱伝導率が43w/mKであり、耐火物A〜Eは熱膨張率が略同等であり、これら組成が異なる5種類の熱伝導材のいずれかを他と一体成形して焼成しても接合部で亀裂等が発生しなかった。また、表2に示すように、熱伝導率は人造黒鉛の含有率が高くなればなるほど高くなることが確認された。
さらに、耐火物Aの組成の熱伝導材を前述した炭素質耐火物1の低熱伝導部3を形成する低熱伝導材として使用し、耐火物Eの組成の熱伝導材を前述した炭素質耐火物1の高熱伝導部2を形成する高熱伝導材として使用した炭素質耐火物1を作製したところ、熱膨張率が略同等であり、これらを一体成形して焼成しても接合部で亀裂等が発生せず、高熱伝導部2の熱伝導率が低熱伝導部3の8.6倍(43/5)の炭素質耐火物1が作製された。
なお、炭素質耐火物1の高熱伝導材として耐火物Dの組成の熱伝導材を使用してもよく、炭素質耐火物1の低熱伝導材として耐火物Bの組成の熱伝導材を使用してもよい。また、前述した炭素質耐火物10の高熱伝導材として耐火物Dまたは耐火物Eの組成の熱伝導材を使用することができ、炭素質耐火物10の低熱伝導材として耐火物AまたはBの組成の熱伝導材を使用することができ、炭素質耐火物10の中熱伝導材として耐火物B、CまたはDの組成の熱伝導材を使用するなどして組み合わせ、炭素質耐火物1または炭素質耐火物10を作製することも可能である。
さらに、下記の表3に示すように、カーボン源の配合量を減少させ、その分アルミナを配合した熱伝導材にて形成された耐火物(F,G,H,I)を作製した。
Figure 2015163557
上記表3に示すように、耐火物Fの耐溶銑性は耐火物Aの耐溶銑性を100とすると250であり、アルミナの添加により耐溶銑性(耐食性)が著しく向上することが確認された。耐火物(G,H,I)の耐溶銑性もそれぞれ熱伝導材Aの耐溶銑性を100とすると238、365、500であり、アルミナの添加により耐溶銑性(耐食性)が著しく向上したことが確認された。
さらに、本発明の炭素質耐火物を溶融炉内張材として高炉に使用した場合の実使用試験および放散熱量測定試験を行った。具体的には、図5に示すように、溶銑側から1層目ないし4層目を以下の表4に示した前述の耐火物(A,B,C,D,Eを形成する熱伝導材のいずれかで一体成形した後、焼成した本発明の炭素質耐火物(実施例1ないし実施例4)と比較例1ないし比較例5(以下表5参照)をスタンプ材を介して高炉の鉄皮内面にそれぞれ内張りした。
そして、溶銑温度1550℃で、水温40℃、熱伝達率α=2,000Kcal/mh℃の条件下で鉄皮の外側から強制水冷を行い、実施例1ないし実施例4と比較例1ないし比較例5のそれぞれについて実使用における亀裂や変形の有無を確認すると共に、実施例1ないし実施例4と比較例1ないし比較例5のそれぞれについて各境界部における温度と放散熱量を測定した。その結果、以下の表6に示した測定結果を得た。
Figure 2015163557
Figure 2015163557
Figure 2015163557
上記のような実使用においても、実施例1ないし実施例4の炭素質耐火物は、いずれも亀裂や変形などの異常が発生することはなかった。
また、放散熱量については、人造黒鉛の含有量が多い熱伝導材(耐火物Eの熱伝導材が最も人造黒鉛の含有量が多い)程、放散熱量が多く、人造黒鉛を含有しない耐火物Aの熱伝導材のみからなる比較例1と耐火物Eの熱伝導材のみからなる比較例5との対比では、比較例5が比較例1より約8倍(25,741/3,217)放散熱量が多く、それに伴い、実施例1ないし実施例4において、人造黒鉛の含有量がより少ない熱伝導材(例えば耐火物Aの熱伝導材)を多く使用した実施例1(5,117)または実施例2(5,720)の方が、人造黒鉛の含有量がより多い熱伝導材(例えば耐火物Eの熱伝導材)を多く使用した実施例3(16,826)に比して放散熱量を減少させることができた。
さらに、本発明の炭素質耐火物1の製造方法を、図1または図2に示した炭素質耐火物1の製造方法を用いて説明する。
この実施例の炭素質耐火物1の製造方法は、一方側に配された高熱伝導部2と他方側に配され高熱伝導部2に比して低い熱伝導率を示す低熱伝導部3とを有した炭素質耐火物1の製造方法であって、カーボン源として人造黒鉛を主材として形成された高熱伝導材とカーボン源として無煙炭を主材として形成された低熱伝導材とをそれぞれ作製する混練工程と、一方側に高熱伝導材を配し他方側に低熱伝導材を配して一体成形するプレス工程と、高熱伝導材と低熱伝導材との一体成形物を焼成し、一方側に配された高熱伝導部2と他方側に配された低熱伝導部3とを有した炭素質耐火物1を作製する焼成工程とをしている。以下、各工程について詳述するが、炭素質耐火物1については前述した通りであり詳述を省略する。
カーボン源として人造黒鉛を主材として形成された高熱伝導材とカーボン源として無煙炭を主材として形成された低熱伝導材とをそれぞれ作製する混練工程は、まず、高熱伝導材として、人造黒鉛、金属珪素およびSiC(配合比は表1の熱伝導材E)を配合し、バインダーとして樹脂もしくはタール及びピッチを添加した後、混練して作製することにより行われる。また、低熱伝導材の作製は、無煙炭、金属珪素およびSiC(配合比は表1の熱伝導材A)を配合し、バインダーとして樹脂もしくはタール及びピッチを添加した後、混練することにより行われる。
一方側に高熱伝導材を配し他方側に低熱伝導材を配して一体成形するプレス工程は、高熱伝導材をカーボンブロック成形用の金型の一方側に配し、低熱伝導材を他方側に配し、メカニカルプレス(油圧プレス、フリクションプレス、振動プレス、CIP=Cold Isostatic Press)で加圧成形することによって行われる。
高熱伝導材と低熱伝導材との一体成形物を焼成し、一方側に配された高熱伝導部2と他方側に配された低熱伝導部3とを有した炭素質耐火物1を作製する焼成工程は、一体成形物を800〜1500℃で還元焼成することにより行われる。
さらに、図3または図4に示した本発明の炭素質耐火物10の製造方法について説明する。
この実施例の炭素質耐火物10の製造方法は、混練工程において、高熱伝導材より人造黒鉛の含有率が低く、かつ、低熱伝導材より無煙炭の含有率が低い中熱伝導材を作製する工程を有し、プレス工程において、高熱伝導材と低熱伝導材との間に中熱伝導材を配する工程を有する点のみ、前述した炭素質耐火物10の製造方法と異なる。以下、上記工程について説明するが、炭素質耐火物1の製造方法と同様の事項について説明を省略する。
炭素質耐火物10の製造方法では、混練工程において、高熱伝導材および低熱伝導材の他に、高熱伝導材より人造黒鉛の含有率が低く、かつ、低熱伝導材より無煙炭の含有率が低い中熱伝導材を作製する。中熱伝導材の作製は、人造黒鉛、無煙炭、金属珪素およびSiC(配合比は表1の熱伝導材C)を配合し、バインダーとして樹脂もしくはタール及びピッチを添加した後、混練することにより行われる。
また、プレス工程において、高熱伝導材と低熱伝導材との間に中熱伝導材を配した後、一体成形が行われる。このように、炭素質耐火物10の製造方法では、混練工程およびプレス工程において、中熱伝導材の作製および中熱伝導材の配設が行われることにより、他方側に向かって徐々に熱伝導率が低減する炭素質耐火物を製造することができる。
さらに、混練工程では、高熱伝導材、中熱伝導材または低熱伝導材へのアルミナ添加が行われることが好ましい。これによって、より耐食性が高く溶損を抑制できる炭素質耐火物を製造できる。
1 炭素質耐火物
2 高熱伝導部
3 低熱伝導部

Claims (8)

  1. 一方側に配された高熱伝導部と、他方側に配され前記高熱伝導部に比して低い熱伝導率を示す低熱伝導部とを有した炭素質耐火物であって、前記高熱伝導部はカーボン源として人造黒鉛を主材とする高熱伝導材にて形成され、前記低熱伝導部はカーボン源として無煙炭を主材とする低熱伝導材にて形成され、前記炭素質耐火物は、前記高熱伝導材と前記低熱伝導材とが一体成形され焼成されて形成されていることを特徴とする炭素質耐火物。
  2. 前記高熱伝導材、または/および前記低熱伝導材にはアルミナが添加されている請求項1に記載の炭素質耐火物。
  3. 前記高熱伝導部と前記低熱伝導部との間に、前記高熱伝導部に比して熱伝導率が低く前記低熱伝導部に比して熱伝導率が高い中熱伝導部が設けられ、前記中熱伝導部は、カーボン源として人造黒鉛と無煙炭を主材とすると共に、前記高熱伝導部より人造黒鉛の含有率が低く、かつ、前記低熱伝導部より無煙炭の含有率が低い中熱伝導材にて形成され、前記炭素質耐火物は、前記高熱伝導材と前記中熱伝導材と前記低熱伝導材とが一体成形され焼成されて形成されている請求項1に記載の炭素質耐火物。
  4. 前記高熱伝導材、前記中熱伝導材または前記低熱伝導材にはアルミナが添加されている請求項3に記載の炭素質耐火物。
  5. 一方側に配された高熱伝導部と他方側に配され前記高熱伝導部に比して低い熱伝導率を示す低熱伝導部とを有した炭素質耐火物の製造方法であって、カーボン源として人造黒鉛を主材として形成された高熱伝導材とカーボン源として無煙炭を主材として形成された低熱伝導材とをそれぞれ作製する混練工程と、一方側に前記高熱伝導材を配し他方側に前記低熱伝導材を配して一体成形するプレス工程と、前記高熱伝導材と前記低熱伝導材との一体成形物を焼成し、一方側に配された前記高熱伝導部と他方側に配された前記低熱伝導部とを有した炭素質耐火物を作製する焼成工程とをしていることを特徴とする炭素質耐火物の製造方法。
  6. 前記混練工程は、前記高熱伝導材、または/および前記低熱伝導材にアルミナを添加する工程を有している請求項5に記載の炭素質耐火物の製造方法。
  7. 前記混練工程は、カーボン源として人造黒鉛と無煙炭を主材とすると共に、前記高熱伝導材より人造黒鉛の含有率が低く、かつ、前記低熱伝導材より無煙炭の含有率が低い中熱伝導材を作製する工程を有し、前記プレス工程は、前記高熱伝導材と前記低熱伝導材との間に前記中熱伝導材を配する工程を有している請求項5に記載の炭素質耐火物の製造方法。
  8. 前記混練工程は、前記高熱伝導材、前記中熱伝導材または前記低熱伝導材にアルミナを添加する工程を有している請求項7に記載の炭素質耐火物の製造方法。
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