JP2015163493A - 自走式車両及び自走式車両シリーズ - Google Patents
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Abstract
【課題】柔軟に車幅を変更できる自走式車両及び自走式車両シリーズを提供すること。
【解決手段】駆動力発生部と、前記駆動力発生部によって駆動される駆動輪とを支持する支持部を一対備え、一対の前記支持部のそれぞれが固定される基部を有し、一対の前記支持部のそれぞれと前記基部は分離可能である。そして、自走式車両を複数備えた自走式車両シリーズのうち、第1の自走式車両と第2の自走式車両は一対の前記支持部が共通であって、一対の前記支持部が固定されている前記基部の固定位置間の距離がそれぞれ異なる。
【選択図】図2
【解決手段】駆動力発生部と、前記駆動力発生部によって駆動される駆動輪とを支持する支持部を一対備え、一対の前記支持部のそれぞれが固定される基部を有し、一対の前記支持部のそれぞれと前記基部は分離可能である。そして、自走式車両を複数備えた自走式車両シリーズのうち、第1の自走式車両と第2の自走式車両は一対の前記支持部が共通であって、一対の前記支持部が固定されている前記基部の固定位置間の距離がそれぞれ異なる。
【選択図】図2
Description
本開示は、自走式車両及び自走式車両シリーズに関する。
円滑な床面清掃が可能なサイドブラシ装置を備えた自走式ロボットが知られている(特許文献1)。この種の自走式ロボットは、駆動用モータと、該駆動用モータに連結される駆動輪と、ロボット本体から構成されている。ロボット本体の下部には、縦フレームと横フレームによって格子状に形成されたフレームが配置されており、該フレームに駆動用モータ、駆動輪等が搭載或いは支持されている。そして、駆動用モータにより駆動輪を回転駆動させることによって所定経路を走行できる。
近年、このような自走式ロボットは様々な分野で導入されており、使用状況や環境に応じて要求される自走式ロボットは多様化している。
しかしながら、この種の自走式ロボットは各要求仕様に応じて最適な設計をされるのが通常である。そのため、様々な要求仕様(車幅サイズ)に対応しつつ、コストを低減できる自走式車両及び自走式車両シリーズを提供することが望ましい。
本開示の一局面によれば、
駆動力発生部と、前記駆動力発生部によって駆動される駆動輪とを支持する支持部を一対備え、
一対の前記支持部のそれぞれが固定される基部を有し、
一対の前記支持部のそれぞれと前記基部は分離可能である、
自走式車両が提供される。
駆動力発生部と、前記駆動力発生部によって駆動される駆動輪とを支持する支持部を一対備え、
一対の前記支持部のそれぞれが固定される基部を有し、
一対の前記支持部のそれぞれと前記基部は分離可能である、
自走式車両が提供される。
また、上述の自走式車両を複数備えた自走式車両シリーズであって、
前記自走式車両シリーズのうち、
第1の自走式車両と第2の自走式車両は一対の前記支持部が共通であって、一対の前記支持部が固定されている前記基部の固定位置間の距離がそれぞれ異なる、
自走式車両シリーズが提供される。
前記自走式車両シリーズのうち、
第1の自走式車両と第2の自走式車両は一対の前記支持部が共通であって、一対の前記支持部が固定されている前記基部の固定位置間の距離がそれぞれ異なる、
自走式車両シリーズが提供される。
本開示によれば、柔軟に車幅を変更できる自走式車両及び自走式車両シリーズを提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら実施例について詳細に説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
まず、一実施例に係る自走式車両の全体構成について、図面を参照して説明する。図1は、一実施例による自走式車両1の全体構成を示す概略図である。ここで、自走式車両1とは、左右一対の駆動輪13R、13Lを駆動させることにより走行を行う車両のことをいう。例えば、駅構内の清掃を行う自走式の清掃車両、ビル監視用の無人車両等を含む。また、2輪以上の車両を含む。以下では、一例として、3輪を備える自走式車両について説明する。なお、以下では、参照符号の末尾「R」は左右一対の部材のうちの右側の部材であることを意味し、参照符号の末尾「L」は左右一対の部材のうちの左側の部材であることを意味する。
図1に示すように、自走式車両1は、車両を構成する車両本体2を備える。そして、該車両本体2の底部には、駆動輪13R、13Lと、従動輪14を備える。さらに、車両本体2の内部には、車両全体の制御を行なう制御装置3と、車両に電力を供給するバッテリ4が、内蔵されている。
自走式車両1は、制御装置3の指令信号に基づき、左右の駆動輪13R、13Lを含んで構成される駆動機構5を駆動させることによって、所定経路の走行を行う。
次に、駆動機構5の全体構成について、図面を参照して説明する。図2は、駆動機構5の全体斜視図である。なお、以下の説明において、駆動機構5を構成する右側の駆動輪13R回りの構成について説明する。左側の駆動輪13L回りの構成については、基本的に、右側の駆動輪13R回りの構成と同じであるため説明を省略する。
図2に示すように、駆動機構5は、駆動力発生部12Rと、駆動力発生部12Rによって駆動される駆動輪13Rと、平板状の支持部30Rを備える。そして、駆動力発生部12R及び駆動輪13Rは、支持部30Rにそれぞれ取り付けられている。左側の駆動輪13L回りも同様にして支持部30Lに取り付けられる。そして、図1に示すように、支持部30R、30Lを所定の固定位置で基部10に固定する。該固定位置は、自走式車両1の左右の駆動輪13R、13Lの間隔が所定の距離になるように、車幅方向に所定距離隔てて基部10に形成される固定部の位置である。そして、所定距離隔てた固定位置で、支持部30R、30Lが基部10に固定される。基部10に形成される固定部は、例えば、貫通穴である。支持部30R、30Lには、固定部としての貫通穴に対応する位置にねじ穴が形成されており、例えば、基部10の裏面(床面と対向する側)からボルト等によって、支持部30R、30Lを基部10に対し固定する。なお、ボルト等を取り外すことによって、基部10から一対の支持部30R、30Lを分離することができる。
駆動力発生部12Rは、駆動モータ121Rと、エンコーダ122Rと、モータドライバ(不図示)とを有する。左側の駆動輪13L回りの駆動力発生部12Lも、基本的に、構成は同様であるため説明を省略する。
駆動モータ121Rは、駆動輪13Rを駆動させるために使用される。駆動輪は上述したように、左右の駆動輪13R、13Lを有し、該左右の駆動輪13R、13Lは、それぞれ別の駆動モータ121R、121Lによって駆動される。また、この駆動モータ121R、121Lは、異なる回転速度で回転できるため、微妙な進路変更を行いながらの走行や、折り返し動作等が可能となる。さらに、駆動モータ121R、121Lの回転状態は、エンコーダ122R、122Lで検出されるようになっている。駆動モータ121R、121Lは、例えば、ブラシ付きDCサーボモータが使用される。
駆動モータ121Rは、支持部30Rの+z側の端部(基部10に支持部30Rが固定されている側の反対側)に設けられている挿通穴(不図示)にモータ軸(不図示)を挿通させた状態で、支持部30Rに支持される。
そして、駆動モータ121Rのモータ軸はプーリ16Rと一体回転可能に連結される。より詳細には、支持部30Rを貫通したモータ軸の軸端にプーリ16Rを一体回転可能に連結する。この連結は、例えばキー結合によって行われる。
なお、支持部30Rには、モータ軸及びプーリ16Rを覆うように保護カバー20Rが設けられており、駆動モータ121R内やプーリ16R等に埃、粉塵等が侵入したり付着したりするのを効果的に防止している。保護カバー20Rは、支持部30Rにボルト等によって締結される。
さらに、図3に示すように、プーリ16Rを、駆動モータ121Rの反対側からも支持する構成としてもよい。これにより、プーリ16Rが両側から支持されるため、プーリ16Rの支持強度のさらなる向上につながる。より詳細には、保護カバー20Rに、軸受25Rが組み込まれているベアリングホルダ24Rを取り付けて、モータ軸とシャフト26Rを介して、駆動モータ121Rに内蔵されている軸受(不図示)と軸受25Rにより確実に支持されるような構成にしてもよい。以上のような構成にすることにより、モータ軸に過渡な負荷が生じる場合であっても、駆動モータ121Rの駆動力をプーリ16Rに円滑に伝達させることができる。
次に、駆動輪回りの構成についてより詳細に説明する。図4は、図1の駆動機構の正面図である。また、図5は、図2の右側面図である。また、図6は、図2の底面図である。なお、図5及び図6においては、駆動輪13Rを省略して図示している。また、図6においては、基部10を省略して図示している。なお、以下の説明において、駆動輪13R回りの構成について説明する。左側の駆動輪13L回りの構成については、基本的に、右側の駆動輪13R回りの構成と同じであるため説明を省略する。
図4、5に示すように、駆動軸15Rと駆動輪13Rの間には円板形状のフランジ21が備えられており、駆動軸15Rの回転に連動して駆動輪13Rが一体的に回転するように連結される。
また、支持部30Rの−z側の端部に設けられている挿通孔(不図示)にはベアリングホルダ19Rが取り付けられている。そして、ベアリングホルダ19Rに組み込まれている軸受(不図示)によって、駆動軸15Rの−x側の端部を支持する。そのため、駆動軸15Rは、過渡な負荷を受けることなく、駆動輪13Rを円滑に回転させることができる。このようにして、駆動輪13Rは、駆動軸15Rを介して、支持部30Rに支持される。
そして、駆動軸15Rはプーリ17Rと一体回転可能に連結される。より詳細には、駆動軸15Rの+x側の端部にフランジ21Rを介して連結された駆動輪13Rと、基部10に固定された支持部30Rとの間で、プーリ17Rは、駆動軸15Rに対して一体回転可能に連結される。この連結は、例えばキー結合によって行われる。
そして、プーリ16Rとプーリ17Rには、伝達ベルト18Rが掛け渡される。
なお、駆動輪13R及び駆動軸15Rが車両走行中に抜けてしまうのを防止するため、駆動軸15Rの両端には、抜け防止ナット22R、23Rが取り付けられる。左側の駆動輪13L回りも同様にして、駆動軸15Lの両端には、抜け防止ナット22L、23Lが取り付けられる。
以上のように構成されているため、駆動軸15R、15Lに対し車幅外方に力が作用したとしても、駆動輪13R、13Lが、駆動軸15R、15Lとともに、車体から離脱することはない。
さらに、基部10に固定された支持部30R、30Lの+Z側の端部には、押さえ板40が設けられている。そのため、自走式車両1の走行時に、支持部30R、30Lが、車幅外方に対して過渡な負荷を受けることはない。これによって、駆動モータ121R、121Lによる駆動力が円滑に駆動輪13R、13Lに伝達される。押さえ板40は、左右一対の支持部30R、30Lにそれぞれボルト等によって締結される。
なお、本実施例に係る駆動機構5は、図6に示すように、左右の駆動モータ121R、121Lのモータ軸の軸心をずらして配置している。
自走式車両1の種類によっては車幅に制限が設けられている場合がある。例えば、駅構内を清掃する自走式の清掃車両の場合、自動改札機を通過することのできる大きさの車両であることが望ましい。そのため、車両の種類や使用環境等に応じて、支持部30Rと支持部30Lとの間の距離、すなわち、車幅の間隔を柔軟に変更することができる自走式車両1が有効に利用され得る。ところが、上述のように車幅に制限のある車両の場合、左右の駆動輪13R、13Lに対応する駆動モータ121R、121Lを同一軸心上に配置すると、駆動モータ121R、121Lが互いに干渉してしまい、車幅を制限内の間隔に狭めることができない。
そこで、本実施形態に係る駆動機構5は、左右の駆動モータ121R、121Lが干渉しない位置までモータ軸の軸心をずらして配置する。これにより、車幅をさらに狭めることが可能になるため、自走式車両1のより一層の小型化を実現することが可能となる。
続いて、車幅が互いに異なる自走式車両1を構成する駆動機構5を組み立てる方法について説明する。
車幅の異なる自走式車両1を複数台製造するに際して、組立作業者は、駆動力発生部12R(又は12L)と駆動輪13R(又は13L)とを支持する支持部30R(又は30L)を含んで構成される駆動機構5を、複数台組み立てる。駆動機構5を構成する右側の駆動輪13R回りの駆動部分の組み立て方法と、駆動機構5を構成する左側の駆動輪13L回りの駆動部分を組み立て方法は基本的に同じである。
まず、組立作業者は、ベアリングホルダ19R及び駆動モータ121Rを支持部30Rの所定位置に取り付ける。次いで、ベアリングホルダ19Rに組み込まれている軸受に駆動軸15Rが支持されるように、該駆動軸15Rを挿通する。具体的には、駆動軸15Rは、支持部30Rの中央の−z側の端部寄りに挿通される。次いで、駆動軸15Rの+x側の端部からプーリ17Rを挿入し、プーリ17Rを駆動軸15Rに対してキー結合により一体回転可能に連結する。次いで、プーリ16Rの−x側で、駆動モータ121Rのモータ軸の軸端とプーリ16Rをキー結合により一体回転可能に連結する。次いで、プーリ16Rとプーリ17Rに伝達ベルト18Rを掛け渡す。
なお、プーリ16Rの支持強度の観点から、プーリ16Rの+x側は、シャフト26Rの軸端とプーリ16Rをキー結合により一体回転可能に連結してもよい。この場合において、駆動モータ121Rのモータ軸とシャフト26Rの軸は、同一直線上に配置される。これによって、プーリ16Rは該シャフト26Rを介して、ベアリングホルダ24Rに組み込まれている軸受25Rに支持されることになる。次いで、ベアリングホルダ24Rが取り付けられた保護カバー20Rを支持部30Rにボルト等によって締結する。次いで、フランジ21Rによって、駆動軸15Rと駆動輪13Rを一体回転可能に連結する。該連結は、駆動輪13Rとフランジ21Rの回転中心位置に形成されている挿通穴に、駆動軸15Rを挿通することによって行う。次いで、抜け防止ナット22R、23Rを駆動軸15Rの両端に、それぞれ取り付ける。
右側の駆動輪13R回りの部分と、左側の駆動輪13L回りの部分の構成は、基本的に同じである。そのため、駆動モータと、駆動輪とを支持する支持部を含んで構成される駆動部分は、右側の駆動輪13R回りの駆動部分としても左側の駆動輪13L回りの駆動部分としても使用され得る。その結果、部材のコストを低減することができる。
これにより、一対の支持部30R、30Lの固定位置間の距離がそれぞれ異なる基部10を用意するだけで、車幅が異なる自走式車両1(第1の自走式車両、第2の自走式車両等)を複数台備えた自走式車両シリーズ100を、容易に製造することができる。
また、駆動機構5は、駆動モータ121R、駆動輪13Rが取り付けられる支持部30Rと、駆動モータ121L、駆動輪13Lが取り付けられる支持部30Lを、基部10から容易に脱着することができる分離構造となっている。そのため、一対の支持部30R、30Lの固定位置間の距離がそれぞれ異なる基部10を用意するだけで、様々な車幅の自走式車両1に対応した駆動機構5を容易に組み立てることができる。
すなわち、駆動機構5は以上のような分離構造となっているため、特許文献1に開示された従来技術とは異なり、車幅の異なる車両を製造する毎に、再設計を行う必要はなく、車幅を変更した車両を容易に製造することができる。そのため、設計工数を削減することが可能となる。そして、左側の駆動輪13Lを含む駆動部分と、右側の駆動輪13Rを含む駆動部分は、基本的に、同一部品を用いているため、部材のコストを低減することができる。
なお、一対の支持部30R、30L間の固定位置の距離が異なる固定部を複数個所形成した共通の基部10を用いることによって、幅が異なる駆動機構5を複数種類組み立ててもよい。車種や使用環境等に応じて固定位置間の距離が所望の間隔になるように、支持部30R、30Lを基部10に対し固定する。
駆動機構5は以上のような構成を有するため、柔軟に車幅を変更できる自走式車両及び自走式車両シリーズを提供することができる。
次に、自走式車両1が備える駆動機構5の動作について説明する。
自走式車両1は、予め記憶されているマップと、エンコーダ122R、122Lからの検出信号とに基づいて、所定の走行パターンで走行できるように、モータドライバ(不図示)を介して、左右一対の駆動モータ121R、121Lの駆動を制御する。そして、駆動モータ121R、121Lの回転によって、プーリ16R、16Lが回転し、プーリ16R、16Lの回転力が伝達ベルト18R、18Lを介してプーリ17R、17Lに伝達される。以上により、駆動モータ121R、121Lの回転に応じた駆動輪13R、13Lの回転駆動が行われる。なお、以下の説明において、右側の駆動輪13R回りの動作について説明する。
上述したように、駆動輪13Rには、プーリ16R、17Rに掛け渡されれた伝達ベルト18Rを介して駆動モータ121Rの動力が伝達されている。そして、プーリ16Rとプーリ17Rの径を異径にすることによって、駆動モータ121Rの回転速度を減速させている。駆動機構5は、以上のような機構を有するため、駆動モータ121Rは駆動輪13Rに対し、使用状況や環境等に応じて、適切なトルクや回転速度を伝達させることができる。左側の駆動輪13L回りの動作は、右側の駆動輪13R回りの動作と基本的に同じであるため説明を省略する。
また、自走式車両1の微妙な進路変更や、折り返し動作等は、左右一対の駆動輪13R、13Lの回転数に差を設けることによって行われる。また、制御装置3から駆動モータ121R、121Lを逆回転させる駆動指令信号をモータドライバに送信することによって、駆動輪13R、13Lは逆方向に回転する。そのため、自走式車両1を逆方向に走行させることもできる。さらに、駆動機構5の左右の駆動部分がバランスよく配置されるため、旋回、折り返し運転、逆走行駆動等、自走式車両1の急な方向転換にも対応することができる。そのため、自走式車両1は、車両安定性に優れる。
自走式車両1は、以上のように走行制御が行われるため、例えば、狭い通路を簡単に走行できる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳説したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、本実施例においては、プーリ間を伝達ベルトで掛け渡したベルト伝達方式について説明したが、これに限定されない。プーリの代わりにスプロケットを用いたチェーンによる伝達方式を採用してもよい。スプロケットとチェーン間にすべりが発生し難いため、一定の回転比を保持することが可能となる。
また、本実施例では、駆動モータ側のプーリ16R、16Lを両側から支持する両端支持構造について例示して説明したが、これに限定されない。プーリ16R、16Lの支持強度に問題がない場合は、駆動モータ121R、121Lに内蔵されている軸受のみで支持する片持ち支持構造であってもよい。このように、駆動モータ121R、121Lのモータ軸長やモータ軸径、プーリ16R、16Lの重量等を勘案し、プーリ16Rの支持方法を決定してもよい。これにより、駆動機構5の部品点数が削減されるとともに、自走式車両1のさらなる軽量化にもつながる。
また、本実施例においては、駆動軸側及び駆動モータ側の2つのプーリの径を異径にすることにより、駆動モータの回転速度を減速する構成を例示して説明したが、これに限定されない。例えば、駆動モータ121Rとプーリ16Rの間にギアヘッド(不図示)を配設することによって、駆動モータの回転速度の減速を行ってもよい。これにより、駆動軸側及び駆動モータ側において同径のプーリを使用した場合でも同様の減速効果を生じさせることができる。さらに、駆動軸側及び駆動モータ側において異径のプーリを用いるとともに、駆動モータとプーリとの間にギアヘッドを設けて2段階の減速を行う構成としてもよいし、2段階以上の減速を行う構成としてもよい。
また、本実施例では、自走式車両1の車幅を狭くするため、左右の駆動モータ121R、121Lをずらして配置したが、これに限定されない。車幅に制限がなかったり、大型の車両である場合、左右の駆動モータ121R、121Lのモータ軸の軸心を同心軸上に配置することができるのはいうまでもない。
また、本実施形態において、車幅が異なる複数の自走式車両1を製造するに際して、共通の基部10を用いてもよいし、異なった大きさの基部10を用いてもよい。左右一対の支持部30R、30Lの固定位置間の距離が異なっていればよい。
例えば、第1の自走式車両と第2の自走式車両は共通の基部10であってもよく、この共通の基部10において、一対の支持部30R、30Lの固定位置間の距離を任意に変更することができるように、固定部が形成されていてもよい。
図7(A)に示すように、共通の基部10に車幅方向に所定の長さを有する長穴を形成してもよい。また、図7(B)に示すように、車幅方向の所定間隔毎に、複数の貫通孔を形成してもよい。これにより、任意の位置に支持部30R、30Lを固定することができ、車幅に合わせた基部10を別途用意することなく、様々な要求仕様(車幅サイズ)に対応した自走式車両1を複数種類製造することができる。
また、第1の自走式車両の基部10に形成される一対の支持部30R、30Lの固定位置間の距離は、第2の自走式車両の基部10に形成される一対の支持部30R、30Lの固定位置間の距離と、が異なっていればよく、上述の構成のように必ずしも共通の基部10を用いる必要はない。
例えば、図7(C)に示すように、車幅に合わせて長手方向の幅を変更した複数個の基部10を用意し、それぞれの基部10に、一対の支持部30R、30Lの固定位置間の距離がそれぞれ異なる固定部を形成してもよい。これにより、要求仕様(車幅サイズ)毎に再設計をする必要はなく、様々な車幅に対応した基部10を用意するだけで、適正サイズの自走式車両1を複数種類製造することができる。
駆動機構5を以上のような構成にすることにより、車幅の異なる自走式車両1が欲しいという要望があった場合でも、設計の構想段階から始める必要はない。したがって、本実施例によれば、様々な要求仕様(車幅サイズ)に対応しつつ、コストを低減できる自走式車両1を複数種類備える自走式車両シリーズを簡易な方法で提供することができる。
なお、本実施形態においては、図7(D)に示すように、長手方向の幅が広い基部10と、長手方向の幅が短い基部10に形成されている固定部間の距離を等しくする場合を除外するものではない。
以上のように、様々な種類の基部10を用意することによって、簡単に、車幅が異なる複数種類の自走式車両1を製造することができる。
また、本実施形態では、駆動軸とモータ軸とを平行に配置した場合について説明したが、これに限定されない。駆動軸とモータ軸とが非平行である場合、例えば、90度ずれている場合についても適用可能である。
また、上述の実施形態では、ブラシ付きDCサーボモータにエンコーダ122R、122Lを組み合わせたものが駆動モータ121R、121Lとして使用されるが、ステッピングモータ、ブラシレスDCサーボモータ等を使用できることはいうまでもない。
なお、本実施形態に係る自走式車両1は、個別の駆動モータによって個別に駆動される左右の駆動輪を有する車両であれば、車種に限定はない。例えば、自走式車両1は、自走式の清掃車両や無人監視車両等、でもよい。
1 自走式車両
5 駆動機構
10 基部
12R、12L 駆動力発生部
13R、13L 駆動輪
15R、15L 駆動軸
30R、30L 支持部
100 自走式車両シリーズ
5 駆動機構
10 基部
12R、12L 駆動力発生部
13R、13L 駆動輪
15R、15L 駆動軸
30R、30L 支持部
100 自走式車両シリーズ
Claims (4)
- 駆動力発生部と、前記駆動力発生部によって駆動される駆動輪とを支持する支持部を一対備え、
一対の前記支持部のそれぞれが固定される基部を有し、
一対の前記支持部のそれぞれと前記基部は分離可能である、
自走式車両。 - 請求項1に記載の自走式車両を複数備えた自走式車両シリーズであって、
前記自走式車両シリーズのうち、
第1の自走式車両と第2の自走式車両は一対の前記支持部が共通であって、それぞれの一対の前記支持部が固定されている前記基部の固定位置間の距離がそれぞれ異なる、
自走式車両シリーズ。 - 前記第1の自走式車両の前記基部に形成される一対の前記支持部の固定位置間の距離は、前記第2の自走式車両の前記基部に形成される一対の前記支持部の固定位置間の距離と、異なる、
請求項2に記載の自走式車両シリーズ。 - 前記第1の自走式車両と前記第2の自走式車両は共通の基部を有し、
前記共通の基部は、一対の前記支持部の固定位置間の距離を任意に変更可能である、
請求項2に記載の自走式車両シリーズ。
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