JP2015161705A - 冷却装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】記録材Pの熱を奪いながら挟持搬送する表側ベルト56及び裏側ベルト59と、摺動する各ベルト56,59の熱を、それぞれ吸熱する表側冷却部材33b及び裏側冷却部材33a,cとを冷却装置9に備えた。そして、各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cとの摺動抵抗を検知する摺動抵抗検知手段として、駆動モータ61に流れる電流値(I)を検出する電流センサを備えた。
【選択図】図5
Description
記録材を搬送ベルトとで挟持搬送する冷却ベルトの、定着されて軟化した記録材上のトナー像に接触する部分の内周面(裏面)に、冷却面が接触するように略平板状の冷却部材(冷却プレート)を設けている。
熱交換効率低下を引き起こす冷却ベルトと冷却部材の接触状態を改善するための、冷却ベルトと冷却部材の少なくとも1つのメンテナンス時期を適切に判断可能な冷却装置である。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置である複合機500の概略構成図、図2は、冷却装置9の側面説明図、図3は、図2に示す冷却装置9の装置奥側から見た斜視説明図である。
表示・操作部300は、感圧式のタッチパネルを有した液晶パネルとスピーカ(不図示)を備えており、本体制御部110により制御されて、操作画面や設定画面を表示すし、各画面を表示しているときに、選択(入力)された情報を本体制御部110に送信する。また、本体制御部110の制御により、各部の動作状況や、利用者への用紙補給や、トナー補給、及び警告等の各メッセージや情報を液晶パネルに表示したり、スピーカから音声として発したりする。
具体的には、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkは、潜像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ3と、感光体2の表面にトナー像を形成する現像手段としての現像装置4を備えている。また、感光体2の表面を清掃するクリーニング手段としてのクリーニングブレード5も備えている。なお、図1では、イエローのプロセスユニット1Yが備える感光体2、帯電ローラ3、現像装置4、クリーニングブレード5のみに符号を付しており、その他のプロセスユニット1C,1M,1Bkにおいては符号を省略している。
また、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの下方には、転写装置7が配設されている。転写装置7は、転写体としての無端状のベルトから構成される中間転写ベルト10を有している。中間転写ベルト10は、複数の張架ローラ21,22,23,24に張架されており、これら張架ローラ21,22,23,24の内の1つが駆動ローラとして回転して、中間転写ベルト10は図の矢印に示す方向に周回走行(回転)するように構成されている。
定着装置8は、例えば、内部に図示しないヒータを有する定着部材としての定着ローラ17と、定着ローラ17を加圧する加圧部材としての加圧ローラ18を備えている。そして、定着ローラ17と加圧ローラ18とが接触した箇所には、定着ニップが形成される。
スキャナー200のコンタクトガラス上に原稿が載置され、表示・操作部300のコピーボタン(スタートボタン)がおされると、スキャナー200により原稿の読み取りが開始される。これと同時に、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの感光体2が図の反時計回りに回転駆動され、帯電ローラ3によって各感光体2の表面が所定の極性に一様に帯電される。
すなわち、表側ベルト56の記録材Pを挟持する展張面の内周側には、表側ベルト56を介して記録材Pの熱を吸熱する表側冷却部材33bが配置されている。一方、裏側ベルト59の記録材Pを挟持する展張面の内周側には、裏側ベルト59を介して記録材Pの熱を吸熱する裏側冷却部材33a,cが配置されている。そして、各冷却部材33は、記録材搬送方向上流側から、裏側冷却部材33a、表側冷却部材33b、裏側冷却部材33cの順で記録材Pの搬送方向に沿ってずれるように、表側ベルト56と裏側ベルト59の上記展張面の内周側に接触するように配置されている。
循環路47内には、冷却液を循環させるためのポンプ48と、冷却液を溜める液溜タンク49とが配置されている。そして、冷却部材33a、33b、33cを受熱部45として機能させる。また、放熱部46は、ラジエータや、ラジエータに風を当てて放熱効果を高める送風ファン等(不図示)を有している。
冷却液には、例えば、水を主成分とし、凍結温度を下げるためのプロピレングリコール又はエチレングリコールや、金属製の部品の錆を防止するための防錆剤(例えば、リン酸塩系物質:リン酸カリ塩、無機カリ塩等)が添加されたもの等を用いることができる。
図4(a)に示すように、裏側搬送機構32に設けた裏側駆動ローラ57aの回転軸である裏側駆動軸65の装置裏面側の端部を、ジョイント63により駆動モータ61のモータ軸62と接合し、装置表面側の端部には、裏側伝達ギア66を取り付けている。また、表側搬送機構31に設けた表側駆動ローラ55aの回転軸である表側駆動軸75の装置裏面側の端部に表側伝達ギア76を取り付けている。
なお、本実施形態では、駆動モータ61としてDCモータを用い、印加する電圧やディーティを制御することで、裏側駆動ローラ57a及び表側駆動ローラ55aの回転速度、つまり、裏側ベルト59と表側ベルト56の線速を調整している。
このように駆動モータ61の回転駆動力を、裏側駆動ローラ57a及び表側駆動ローラ55aに伝達して回転駆動することで、記録材Pを挟持搬送するときの裏側駆動ローラ57aと表側駆動ローラ55aとの線速差が発生することを抑制できる。この結果、図2に示すように、裏側駆動ローラ57aの駆動により矢印A方向に走行(無端移動)する裏側ベルト59と、表側駆動ローラ55aの駆動により矢印B方向に走行する表側ベルト56との線速差を抑制できる。このため裏側ベルト59と表側ベルト56とで挟持搬送される記録材Pは、矢印C方向に沿って、記録材搬送方向上流側から下流側へと安定した状態で搬送される。
裏側伝達ギア66及び表側伝達ギア76を設けない構成では、裏側搬送機構32の裏側ベルト59は、裏側駆動ローラ57aの駆動により矢印A方向に走行する。一方、表側搬送機構31の表側ベルト56は、走行する裏側ベルト59に接触、又は裏側ベルト59とで記録材Pを挟持することで、駆動モータ61で回転駆動力が伝達されて矢印A方向に走行することになる。そして、裏側ベルト59と表側ベルト56とで挟持搬送される記録材Pは、矢印C方向に沿って、記録材搬送方向上流側から下流側へと搬送される。
このとき、表側搬送機構31の表側ベルト56の内周面が、表側冷却部材33bの吸熱面34bを摺動し、裏側搬送機構32の裏側ベルト59の内周面が、裏側冷却部材33a,cの吸熱面34a,cを摺動する。このため、記録材Pの表面(上面)側から、表側ベルト56を介して冷却部材33bが記録材Pの熱を吸熱する。また、記録材Pの裏面(下面)側から、裏側ベルト59を介して裏側冷却部材33a,cが記録材Pの熱を吸熱する。そして、裏側冷却部材33a,c、及び表側冷却部材33bが吸熱した熱を冷却液が外部に輸送することで、裏側冷却部材33a,c、及び表側冷却部材33bは低温に保たれる。
但し、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、本体制御部110内に冷却制御部120を設けた構成にも適用可能である。
上記熱交換効率低下を是正して、冷却装置の冷却効率の低下を完全に回復させるためには、冷却ベルトと冷却部材の少なくとも1つのメンテナンスを行って、冷却ベルトと冷却部材の接触状態を改善する必要がある。しかしながら、上記した理由により、冷却ベルトや冷却部材のメンテナンス時期を適切に判断することが難しい。
以下、本発明を適用した冷却装置について、複数の実施例を挙げて説明する。
まず、本実施形態の冷却装置の実施例1について、図を用いて説明する。
図5は、本実施例に係る冷却装置9の概略説明図、図6は、本実施例に係る冷却装置9の冷却ベルトと冷却部材との摺動抵抗を、駆動モータ61に流れる電流値(I)を検出することにより検知し、メンテナンス時期を判断する制御フロー図である。
そこで、本実施例の冷却装置9では、各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cの間の摺動抵抗を検知して、その検知結果に基づいて各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cの少なくとも1つのメンテナンス時期を判断することとした。そして、各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cの間の摺動抵抗として、駆動モータ61に伝達される負荷トルク(負荷)を検知することとした。
そして、電流センサにより検出された電流値(I)に基づいて、各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cの少なくとも1つのメンテナンス時期を判断するメンテナンス時期判断手段として、次のようなものを備えた。電流センサで検出した電流値(I)に基づいて、各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cの少なくとも1つのメンテナンス時期を判断するメンテナンス時期判断プログラムを、ROM内に格納した(有した)冷却制御部120である。
具体的な通知方法としては、メッセージや情報を表示・操作部300の液晶パネルに表示したり、スピーカから音声として発したりする。また、本体制御部110から、プリントジョブ等を送信している利用者のパソコン等の端末にメッセージや情報を表示させるように構成しても良い。
各冷却部材33a,b,cの吸熱面34a,b,cと各ベルト56,59との間に各ベルト56,59の磨耗粉等の異物が介在したり、各冷却部材33a,b,cがずれたりして各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cの接触状態が変化する場合がある。このように変化すると、各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cとの摩擦状態が変化して、これらの摺動抵抗も変化する。そして、十分な熱交換率が得られる正常な接触状態の場合の摺動抵抗の範囲と、熱交換効率が許容できない程に低下した場合の摺動抵抗の範囲とは異なる。このような関係があるため、実際の摺動抵抗が接触状態が正常な場合の摺動抵抗の範囲内にあるか否かにより、実際の接触状態が正常であるか、許容できない程に熱交換効率が低下した状態にあるかを判断できる。
このような冷却制御部120を備えることで、次のような効果を奏することができる。
各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cの間に各ベルト56,59の磨耗粉等の異物が溜まったり、各冷却部材33a,b,cがずれたりすることに起因した、冷却効率の低下を抑制可能な冷却装置9を提供できる。
このように、負荷検出手段として、駆動モータ61に流れる電流値を検出する電流センサを有することで、容易に各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cの摺動抵抗を検知することができる。
また、本実施例の冷却装置9を備えることで、複合機500は、本実施例の冷却装置9と同様な効果を奏することができる。
図6に示すように、プリント開始後、電流センサで駆動モータ61に流れる電流値(I)を検出する(S101)。次に、予め実験などで求めた各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cの間に異物のない状態での駆動モータ61の電流値の最小値:Imin以上、最大値:Imax未満の範囲内に、検出した電流値(I)があるか否かを判断する(S102)。
一方、上記範囲内に検出した電流値(I)がない場合(S102のNo)、メンテナンスの必要があると判断し、本体制御部を介して表示・操作部300等にメンテナンス通知(S103)を行った後、プリントが終了したか否かの判断(S104)に移行する。
一方、プリントが終了していない場合には(S104のNo)、駆動モータ61に流れる電流値(I)を電流センサで検出するステップ(S101)に戻り、プリントが終了するまで繰り返す。
このように制御することで、次のような効果を奏することができる。
各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cとの間の熱交換効率、及び冷却装置9の冷却効率が、それぞれ所定の値より低下したときにメンテナンスが必要と判断することができる。
本実施形態の冷却装置9の実施例2について、図を用いて説明する。
図7は、本実施例に係る冷却装置9の冷却ベルトと冷却部材との摺動抵抗を、各駆動ローラ55a,57aの駆動軸65,75に設けたトルクセンサで検出する負荷トルクにより検知する駆動系の説明図である。そして、図7(a)が伝達ギアを設け、裏側ベルト59を回転駆動する裏側駆動ローラ57aの裏側駆動軸65から、表側ベルト56を回転駆動する表側駆動ローラ55aの表側駆動軸75に駆動モータ61の回転駆動力を伝達する駆動系の説明図である。図7(b)が図7(a)に示す裏側伝達ギア66と表側伝達ギア76の噛み合いの側面説明図である。図7(c)が伝達ギアを設けず、駆動モータ61の回転駆動力が伝達された裏側ベルト59に接触、又は裏側ベルト59ととで記録材Pを挟持することで伝達する駆動系の説明図である。
本実施例の冷却装置9は、実施例1の冷却装置と、摺動抵抗検知手段に係る点のみが異なる。具体的には、摺動抵抗検知手段に有した負荷検出手段が、実施例1では電流センサであったのに対し、本実施例では少なくともいずれかの駆動ローラの駆動軸で伝達される負荷トルクを検出するトルクセンサを用いている点である。したがって、実施例1の冷却装置と同様な構成、及びその作用・効果については、適宜、省略して説明する。また、同一の構成部材、又は同様な機能を果す構成部材については、特に区別する必要がない限り、同一の符号を付して説明する。
したがって、各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cの少なくとも1つのメンテナンス時期を判断する実施例1の冷却装置とは異なり、表側搬送機構31と裏側搬送機構32のいずれで、メンテナンスが必要になっているかも判断可能である。
図8に示すように、プリント開始後、各トルクセンサ64,74で、各駆動軸65,75に掛かる負荷トルク(T1,T2)を検出する(S201)。
次に、裏側搬送機構32で、次のようなメンテナンス判断を行う(S202)。予め実験などで求めた裏側ベルト59と裏側冷却部材33a,cの間に異物のない状態での裏側駆動軸65に掛かる負荷トルクの最小値:T1min以上、最大値:T1max未満の範囲内に、検出した負荷トルク(T1)があるか否かを判断する(S202)。
一方、上記範囲内に検出した負荷トルク(T1)がない場合(S202のNo)、メンテナンスの必要があると判断する。そして、本体制御部110を介して表示・操作部300等にメンテナンス通知(S203)を行った後、次の表側搬送機構31でのメンテナンス判断(S204)に移行する。
一方、上記範囲内に検出した負荷トルク(T2)がない場合(S204のNo)、メンテナンスの必要があると判断する。そして、本体制御部を介して表示・操作部300等にメンテナンス通知(S205)を行った後、プリントが終了したか否かの判断(S206)に移行する。
一方、プリントが終了していない場合には(S206のNo)、各トルクセンサ64,74で、各駆動軸65,75に掛かる負荷トルク(T1,T2)を検出するステップ(S201)に戻り、プリントが終了するまで繰り返す。
このように制御することで、次のような効果を奏することができる。
各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cとの間の熱交換効率、及び冷却装置9の冷却効率が、それぞれ所定の値より低下したときにメンテナンスが必要と判断することができる。加えて、表側搬送機構31と裏側搬送機構32のいずれでメンテナンスが必要になっているかも区別して判断できる。
本実施形態の冷却装置9の実施例3について、図を用いて説明する。
図9は、冷却ベルトと冷却部材との摺動抵抗が正常範囲にある場合の、冷却する記録材Pの種類と駆動モータ61に流れる電流値(I)の範囲との関係を示すグラフである。図10は、本実施例に係る冷却装置9の冷却ベルトと冷却部材との摺動抵抗を、駆動モータ61に流れる電流値(I)を検出することにより検知し、メンテナンス時期を判断する制御フロー図である。
なお、本実施例では、上記した駆動モータ61の電流値(I)をメンテナンス時期判断手段で摺動抵抗の値として用いる実施例1の構成で、電流値(I)の正常時の範囲を記録材Pの種類毎に規定した例について説明する。
そして、画像形成を行う記録材Pの種類が異なると、各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cとの間に異物のない状態での、駆動モータ61に流れる電流値(I)の範囲が、図9に示すように異なってくる。これは、用紙の種別、厚さ、坪量が異なると、各冷却部材33a,b,cと、各冷却部材33a,b,cに摺動する各ベルト56,59との間に作用する圧力が変化し、摺動するときの摩擦抵抗が変化してしまうためである。
そして、本実施例の冷却装置9の冷却制御部120では、各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cの少なくとも1つのメンテナンス時期を判断するときの制御フローを、次のように行うこととした。
図10に示すように、プリント開始後、本体制御部110から冷却する記録材Pの用紙種類情報を取得する(S301)。
次に、取得した用紙種類の各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cの間に異物のない状態での駆動モータ61の電流値の範囲である最小値:Iminと最大値:Imaxをメンテナンス時期判断プログラムで用いるものに設定する(S302)。ここで、用紙種類毎の各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cの間に異物のない状態での駆動モータ61の電流値の最小値:Iminと最大値:Imaxの範囲は、予め実験などで求めておく。
上記のように本実施例の冷却装置9では、メンテナンス時期判断プログラムを有した冷却制御部120が、冷却する記録材Pの種類に基づいて、各ベルト56,59及び各冷却部材33a,b,cの少なくとも1つのメンテナンス時期を判断する。
このように判断することで、冷却する記録材Pの種類毎にメンテナンス時期を判断する摺動抵抗の閾値としての駆動モータ61に流れる電流値(I)の範囲を設定することができる。よって、より適切にメンテナンス時期を判断することができる。
本実施形態の冷却装置9の実施例4について、図を用いて説明する。
図11は、冷却ベルトと冷却部材との摺動抵抗が正常範囲にある場合の、画像形成装置の生産性と駆動モータ61に流れる電流値(I)の範囲との関係を示すグラフである。図12は、本実施例に係る冷却装置9の冷却ベルトと冷却部材との摺動抵抗を、駆動モータ61に流れる電流値(I)を検出することにより検知し、メンテナンス時期を判断する制御フロー図である。
なお、本実施例では、上記した駆動モータ61の電流値(I)をメンテナンス時期判断手段で摺動抵抗の値として用いる実施例1の構成で、電流値(I)の正常時の範囲を記録材Pの種類毎に規定した例について説明する。
そして、記録材Pに画像形成を行うときの生産性が異なると、各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cとの間に異物のない状態での、駆動モータ61に流れる電流値(I)の範囲が、図11に示すように異なってくる。これは、記録材Pに画像形成を行うときの生産性が異なる場合には、記録材Pを挟持搬送する各ベルト56,59の線速や、連続して冷却(画像形成)する場合の各記録材Pの間隔が異なってくる。そして、各ベルト56,59の線速や、連続して冷却する場合の各記録材Pの間隔が異なると、駆動モータ61に流れる電流値(I)も変化するためである。
そして、本実施例の冷却装置9の冷却制御部120では、各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cの少なくとも1つのメンテナンス時期を判断するときの制御フローを、次のように行うこととした。
図11に示すように、プリント開始後、本体制御部110から記録材Pに画像形成する複合機500の生産性情報を取得する(S401)。
次に、取得した生産性情報の各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cの間に異物のない状態での駆動モータ61の電流値の範囲である最小値:Iminと最大値:Imaxをメンテナンス時期判断プログラムで用いるものに設定する(S402)。ここで、生産性毎の各ベルト56,59と各冷却部材33a,b,cの間に異物のない状態での駆動モータ61の電流値の最小値:Iminと最大値:Imaxの範囲は、予め実験などで求めておく。
上記のように本実施例の冷却装置9は、メンテナンス時期判断プログラムを有した冷却制御部120が、記録材Pに画像形成する複合機500の生産性に基づいて、各ベルト56,59及び各冷却部材33a,b,cの少なくとも1つのメンテナンス時期を判断する。
このように判断することで、記録材Pに画像形成する複合機500の生産性毎にメンテナンス時期を判断する摺動抵抗の閾値である駆動モータ61に流れる電流値(I)の範囲を設定することができる。よって、より適切にメンテナンス時期を判断することができる。
(態様A)
記録材Pなどの記録材の熱を奪いながら搬送する表側ベルト56や裏側ベルト59などの冷却ベルトと、摺動する前記冷却ベルトの熱を吸熱する表側冷却部材33bや裏側冷却部材33a,cなどの冷却部材とを備えた冷却装置9などの冷却装置において、前記冷却ベルトと前記冷却部材との摺動抵抗を検知する駆動モータ61に流れる電流値を検出する電流センサなどの摺動抵抗検知手段を備えたことを特徴とするものである。
冷却部材の吸熱面34a,b,cなどの冷却面と冷却ベルトとの間に冷却ベルトの磨耗粉等の異物が介在したり、冷却部材がずれたりして冷却ベルトと冷却部材の接触状態が変化すると、冷却ベルトと冷却部材との摩擦状態が変化して、これらの摺動抵抗も変化する。そして、十分な熱交換率が得られる正常な接触状態の場合の摺動抵抗の範囲と、熱交換効率が許容できない程に低下した場合の摺動抵抗の範囲とは異なる。このような関係があるため、実際の摺動抵抗が接触状態が正常な場合の摺動抵抗の範囲内にあるか否かにより、実際の接触状態が正常であるか、許容できない程に熱交換効率が低下した状態にあるかを判断できる。
よって、摺動抵抗検知手段によって検知した摺動抵抗を用い、熱交換効率低下を引き起こす冷却ベルトと冷却部材の接触状態を改善するための、冷却ベルトと冷却部材の少なくとも1つのメンテナンス時期を適切に判断可能な冷却装置を提供できる。
(態様A)おいて、駆動モータ61に流れる電流値を検出する電流センサなどの前記摺動抵抗検知手段の検知結果に基づいて、表側ベルト56や裏側ベルト59などの前記冷却ベルトと、表側冷却部材33bや裏側冷却部材33a,cなどの前記冷却部材の少なくとも1つのメンテナンス時期を判断するメンテナンス時期判断プログラムを有した冷却制御部120などのメンテナンス時期判断手段を備えることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(乃至4)について説明したように、冷却ベルトと冷却部材の間に冷却ベルトの磨耗粉等の異物が溜まったり、冷却部材がずれたりすることに起因した、冷却効率の低下を抑制可能な冷却装置9などの冷却装置を提供できる。
(態様B)において、メンテナンス時期判断プログラムを有した冷却制御部120などの前記メンテナンス時期判断手段は、駆動モータ61に流れる電流値を検出する電流センサなどの前記摺動抵抗検知手段の検知結果が所定の範囲から外れたときに、表側ベルト56や裏側ベルト59などの前記冷却ベルトと、表側冷却部材33bや裏側冷却部材33a,cなどの前記冷却部材の少なくとも1つのメンテナンスが必要であると判断することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(乃至4)について説明したように、次のような効果を奏することができる。
冷却ベルトと冷却部材との摺動抵抗が所定の範囲から外れたときにメンテナンスが必要と判断することで、冷却ベルトと冷却部材との間の熱交換効率、及び冷却装置の冷却効率が、それぞれ所定の値より低下したときにメンテナンスが必要と判断することができる。
(態様A)乃至(態様C)のいずれかにおいて、前記摺動抵抗検知手段は、表側ベルト56や裏側ベルト59などの前記冷却ベルトを駆動する駆動モータ61などの駆動源に伝達される負荷を検出する駆動モータ61に流れる電流値を検出する電流センサなどの負荷検出手段を有することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(乃至4)について説明したように、冷却ベルトを駆動する軸の負荷を検出する負荷検出手段を有することで、容易に冷却ベルトと冷却部材の摺動抵抗を検知することができる。
(態様B)乃至(態様D)のいずれかにおいて、メンテナンス時期判断プログラムを有した冷却制御部120などの前記メンテナンス時期判断手段は、冷却する記録材Pなどの記録材の種類に基づいて、表側ベルト56や裏側ベルト59などの前記冷却ベルト及び表側冷却部材33bや裏側冷却部材33a,cなどの前記冷却部材の少なくとも1つのメンテナンス時期を判断することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例3について説明したように、次のような効果を奏することができる。
冷却する記録材の種類毎にメンテナンス時期を判断する摺動抵抗の閾値としての駆動モータ61などの駆動源に流れる電流値(I)の範囲などを設定することができる。よって、より適切にメンテナンス時期を判断することができる。
(態様B)乃至(態様E)のいずれかにおいて、メンテナンス時期判断プログラムを有した冷却制御部120などの前記メンテナンス時期判断手段は、冷却装置9などの当該冷却装置を用いる複合機500などの装置の生産性に基づいて、前記冷却ベルト及び前記冷却部材の少なくとも1つのメンテナンス時期を判断することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例4について説明したように、次のような効果を奏することができる。
冷却装置を用いる装置の生産性に合わせてメンテナンスが必要と判断する摺動抵抗の閾値としての駆動モータ61などの駆動源に流れる電流値(I)の範囲などを設定することができる。よって、より適切にメンテナンス時期を判断することができる。
記録材を冷却する冷却装置を備えた複合機500などの画像形成装置において、前記冷却装置として、(態様A)乃至(態様F)のいずれかの冷却装置9などの冷却装置を備えたことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(乃至4)について説明したように、(態様A)乃至(態様F)のいずれかの冷却装置と同様な効果を奏することができる画像形成装置を提供できる。
2 感光体
3 帯電ローラ
4 現像装置
5 クリーニングブレード
6 露光装置
7 転写装置
8 定着装置
9 冷却装置
10 中間転写ベルト
11 一次転写ローラ
12 二次転写ローラ
13 給紙カセット
14 給紙ローラ
15 レジストローラ
16 排出ローラ
17 定着ローラ
18 加圧ローラ
20 排紙トレイ
21,22,23,24 張架ローラ
30 ベルト搬送手段
31 表側搬送機構
32 裏側搬送機構
33(a,b,c) 冷却部材
33a,c 裏側冷却部材
33b 表側冷却部材
34(a,b,c) 吸熱面
44 冷却液循環回路
45 受熱部
46 放熱部
47 循環路
48 ポンプ
49 液溜タンク
50,51a,51b,52,53,54 配管
55a 表側駆動ローラ
55b,c,d 表側従動ローラ
56 表側ベルト
57a 裏側駆動ローラ
57b,c,d 裏側従動ローラ
59 裏側ベルト
60 駆動ローラ駆動機構
61 駆動モータ
62 モータ軸
63 ジョイント
64 裏側トルクセンサ
65 裏側駆動軸
66 裏側伝達ギア
73 表側伝達ギア軸
74 表側トルクセンサ
75 表側駆動軸
76 表側伝達ギア
100 装置本体
110 本体制御部
120 冷却制御部
200 スキャナー
300 表示・操作部
500 複合機
P 記録材
R 搬送路
Claims (7)
- 記録材の熱を奪いながら搬送する冷却ベルトと、摺動する前記冷却ベルトの熱を吸熱する冷却部材とを備えた冷却装置において、
前記冷却ベルトと前記冷却部材との摺動抵抗を検知する摺動抵抗検知手段を備えたことを特徴とする冷却装置。 - 請求項1に記載の冷却装置において、
前記摺動抵抗検知手段の検知結果に基づいて、前記冷却ベルトと、前記冷却部材の少なくとも1つのメンテナンス時期を判断するメンテナンス時期判断手段を備えることを特徴とする冷却装置。 - 請求項2に記載の冷却装置において、
前記メンテナンス時期判断手段は、前記摺動抵抗検知手段の検知結果が所定の範囲から外れたときに、前記冷却ベルトと、前記冷却部材の少なくとも1つのメンテナンスが必要であると判断することを特徴とする冷却装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一に記載の冷却装置において、
前記摺動抵抗検知手段は、前記冷却ベルトを駆動する駆動源に伝達される負荷を検出する負荷検出手段を有することを特徴とする冷却装置。 - 請求項2乃至4のいずれか一に記載の冷却装置において、
前記メンテナンス時期判断手段は、冷却する記録材の種類に基づいて、前記冷却ベルト及び前記冷却部材の少なくとも1つのメンテナンス時期を判断することを特徴とする冷却装置。 - 請求項2乃至5のいずれか一に記載の冷却装置において、
前記メンテナンス時期判断手段は、当該冷却装置を用いる装置の生産性に基づいて、前記冷却ベルト及び前記冷却部材の少なくとも1つのメンテナンス時期を判断することを特徴とする冷却装置。 - 記録材を冷却する冷却装置を備えた画像形成装置において、
前記冷却装置として、請求項1乃至6のいずれか一に記載の冷却装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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