JP2015161611A - 環境試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 結露水の外部への水漏れを防止し、かつ、結露水を有効利用できる環境試験装置を提供することを目的とする。【解決手段】内側筐体の中に被試験物を配置する試験室3があり、試験室3の内部が温度調節されて所望の環境が作られ、内側筐体41の外面又は冷却装置25の一部の少なくともいずれかに結露水が生じるものであり、この結露水を回収する試験用回収部46又は冷却用回収部32を有し、試験用回収部46又は冷却用回収部32内に回収された結露水を環境試験装置で利用する構成とする。これにより、不要物であった結露水を利用できるとともに、水漏れ等を防止することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、試験室内に所望の環境を形成する環境試験装置に関するものである。特に本発明は、冷却装置を内蔵した環境試験装置に関するものである。
従来から、電気機器等の製品や部品の性能や耐久性を調べる装置として、環境試験装置が知られている(例えば、特許文献1,2)。この環境試験装置は、試験室を内蔵しており、例えば、温度環境(例えば、高温や低温)や湿度環境(例えば、高湿度や低湿度)等の所定の環境をこの試験室内に人工的に作り出すものである。
代表的な環境試験装置としては、図15に示されるような環境試験装置200がある。
図15に示される環境試験装置200は、恒温恒湿槽201を有している。
恒温恒湿槽201は、断熱壁202によって覆われた空間である。断熱壁202は、内壁203と外壁204の2重構造となっており、内壁203と外壁204の間にグラスウール等の断熱材205が充填されている。すなわち、この2重構造によって、恒温恒湿槽201の内部環境を外部の環境から隔離しており、恒温恒湿槽201の内部環境を適切に形成及び維持することが可能となっている。
また、恒温恒湿槽201は、図15に示されるように、試験室206と連通する空気流路207がある。この空気流路207には、空気の流れ方向上流側から下流側にかけて、加湿装置210、冷凍機208の蒸発器211、加熱装置212、及び送風機213が配されている。そして、空気流路207の出口側(空気の流れ方向下流側)には、温度センサー215と湿度センサー216が設けられている。
ここで、冷凍機208について説明すると、冷凍機208は、冷媒が状態変化を起こしながら循環することで、冷却機能を発揮するものである。冷凍機208は、冷媒の流れ方向に、圧縮機217、凝縮器218、膨張弁219、及び蒸発器211が配されたものであり、それぞれの部材が配管220によって環状に接続されている。
このように、環境試験装置200では、空気流路207内に設けられた部材と、温度センサー215及び湿度センサー216によって、試験室206内の雰囲気を調整する空気調和装置が構成されている。
環境試験装置200は、この空気調和装置によって、試験室206に所望の温度・湿度環境を作ることが可能となっている。
環境試験装置200のレイアウトについて説明すると、環境試験装置200は、図15に示されるように恒温恒湿槽201に隣接する部位であって、その背面側(図15では右側)に配管配置部221を有している。また、環境試験装置200は、恒温恒湿槽201に隣接する部位であって、その下部に機械室222を有している。
機械室222は、主に冷凍機208の残部(圧縮機217、凝縮器218、及び膨張弁219)を配置する空間であり、配管配置部221は、主にこれら冷凍機208の残部と蒸発器211を接続する配管220を配置する空間である。
特開2013−72812号公報 特開2013−72680号公報
環境試験装置は、低温環境における被試験物の性能試験を実施するにあたって使用される場合がある。例えば、性能試験の一つとして、低温耐久性試験がある。低温耐久性試験は、低温雰囲気下における被試験物の耐久性を測定するものである。
この低温耐久性試験の一例を挙げると、試験室206内を所定の雰囲気(例えば、25℃程度)にして被試験物の特性を測定する。その後、試験室206内を低温雰囲気(例えば、−5℃から−20℃程度)にして、被試験物を長時間低温下に晒す(以下、低温試験ともいう)。そして、再び試験室206内を所定の雰囲気(例えば、25℃程度)に戻して被試験物の特性を測定することによって、長時間低温下での被試験物の耐久性についての知見を得る。
この低温耐久性試験を行うにあたって、低温試験中は、試験室206内が長時間低温雰囲気となる。そのため、試験室206の内壁203の外面には、試験室206の内外の温度差によって、空気中の水蒸気が結露して結露水(水滴)が生じる。
また、低温試験中の温度が氷点下である場合には、内壁203の外面の結露水が結氷して霜が形成される。そして、長時間の低温試験が終わって通常の雰囲気に戻したときに、前記した霜は、温められて液化し、まとまった量の水(以下、本明細書においては、霜が溶けたものも結露水という)が発生する。
このように、低温耐久性試験においては、内壁203の外面に結露水が発生し、内壁203を伝わって、自重により外壁204で覆われた領域の底部に溜まる。そのため、外壁204の繋ぎ目等から、機械室222や環境試験装置200の外部に結露水が漏れ、あたかも故障による水漏れが発生したかのような誤解を与えるおそれがあった。
この問題に対する解決策として、外壁204側の気密性を確保して、内壁203と外壁204の隙間にある空気と、外気との置換を防止し、外気を内壁203と外壁204の隙間に進入させない方策が考えられる。
しかしながら、試験時等の温度変化によって内壁203と外壁204の隙間の空気が膨張・収縮を繰り返すため、気密性を確保することは容易ではない。また環境試験装置200の製造工程が複雑となるという問題もあった。
上記した低温耐久性試験において、試験室206内の正確な環境(湿度や温度)を維持するために、冷凍機208は、適宜駆動しており、冷媒が循環している。
そのため、冷凍機208では、空気流路207上の蒸発器211を経由して、膨張弁219と圧縮機217を繋ぐ配管220の表面、及び、圧縮機217の表面は、周囲に比べて低温となり、これらの表面にも空気中の水分が凍結して霜が形成されることがある。なお、一般に配管220には、断熱材が巻き付けられるが、継ぎ手等の部分は、断熱材から露出することが多いので継ぎ手部分には結露が生じ、霜が形成されることが多い。
そして、低温耐久性試験が終了し、環境試験装置200の動作が停止すると、上記した配管220及び圧縮機217の表面に生じた霜は、外気によって温められて融解し結露水が形成される。
この形成された結露水は、ある程度蓄積されると機械室222の底部に滴下し、環境試験装置200の外部への水漏れが発生するおそれがあった。
この問題に対する解決策としては、圧縮機217や配管220の表面に隙間ができないように断熱施工を行い、外気が圧縮機217や配管220に接触しないようにする方策が考えられる。すなわち、配管220の継ぎ手等の表面においても外部に剥き出し部位が生じないようにする方策が考えられる。
しかしながら、この方策では、断熱施工に精度が要求され手間がかかる。また、圧縮機217の表面に断熱施工を行うことは困難である。
このように、従来の環境試験装置では、結露水によってもたらされる現象を防止することは困難であった。
そこで、本発明は、結露水による外部への水漏れを防止し、かつ、結露水を有効利用できる環境試験装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記した問題を解決するにあたって、結露水の処理について検討した。すなわち、上記したような低温耐久性試験を行う場合、結露水が発生する可能性があり、この結露水の発生を完全に防ぐことは困難である。また結露水は、試験室内の環境形成に不要であり、機器へ悪影響しか与えない。結露水は、いわば不要物である。
そこで、結露水が発生することを前提とした上で、適宜、この不要物である結露水を利用して内部で消費することができれば、水漏れの防止とともに、コストの低減にも繋がると考えた。
すなわち、請求項1に記載の発明は、冷却装置と、内側筐体と外側筐体を有し、内側筐体の中に被試験物を配置する試験室があり、試験室の内部が温度調節されて所望の環境が作られる環境試験装置において、内側筐体の外面又は冷却装置の一部の少なくともいずれかに生じた結露水を回収する回収部を有し、回収部内に回収された結露水を環境試験装置で利用することを特徴とする環境試験装置である。
ここでいう「結露水」とは、空気中の水蒸気が結露して水滴となったものに加えて、結露水が凍結して形成される霜や氷が溶けて水滴となったものも含む。すなわち、大気中の水蒸気が結露することによって形成される水滴を総称して結露水という。
本発明の構成によれば、回収部内に回収された結露水を環境試験装置内で消費するため、結露水が内部に溜まらず、環境試験装置から外部に水漏れすることを防止することができる。また、不要物たる結露水を有効利用できるので、運転時に使用する給水源からの水の量を削減することができる。
本発明者は、結露水を環境試験装置に利用するにあたって、運転時に水を消費していく機器について検討し、以下の観点から、一般的な環境試験装置の構成部材である加湿装置及び湿度センサーに着目した。
すなわち、加湿装置は、蒸発容器に水を入れ、ヒーターで水を加熱することによって、水を蒸発させて加湿するが多い。この蒸発容器内の水は、加湿動作によって消費されるため、蒸発容器内の水位が一定未満になれば、蒸発容器内に水が追加供給される構成とされている。つまり、加湿装置は、長時間の環境試験時には、多量の水が必要となり、適宜、蒸発容器内に水を供給することが必要となる。また他の方式の加湿装置も同様のことが生じる。
また、環境試験装置は、試験室内を所望の湿度環境に維持するために湿度センサーを用いて湿度を監視している。この湿度センサーは、試験室内の湿球温度を検知するものであり、いわゆる乾湿球式の湿度計が採用される場合が多い。
具体的には、この湿度センサーは、水を含ませた布(以下、ウィックという)で検温部位を覆い、その状態での試験室内の温度を検知するものである。すなわち、この湿度センサーは、ウィックを常に湿らせた状態に維持する必要があり、常時正確な湿度を計測するには、ウィックに水を供給する必要がある。
上記した背景から導き出された請求項2に記載の発明は、加湿装置又は乾湿球式の湿度計を有し、前記結露水を前記加湿装置又は乾湿球式の湿度計で使用することを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置である。
本発明の構成によれば、結露水を加湿装置又は乾湿球式の湿度計で使用するため、従来に比べて加湿装置や乾湿球式の湿度計への給水源からの給水量を低減させることができる。
請求項3に記載の発明は、前記回収部が、内側筐体の下方に設けられた受け皿部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の環境試験装置である。
上記したように、結露水は、所定量蓄積されると、重力によって内側筐体の外面等を伝わり、天地方向の下方に向けて滴下される。
そこで、本発明の構成によれば、結露水の発生源の一つである内側筐体の下方に、回収部たる受け皿部材が設けられているから、自然法則を利用して結露水を回収することが可能である。
請求項4に記載の発明は、回収された結露水を浄化する浄化手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の環境試験装置である。
本発明の構成によれば、浄化手段で結露水を浄化することによって、環境試験装置で発生した結露水を上水と同様に使用することができる。
請求項5に記載の発明は、内側筐体の外面で凍結した結露水を溶かす融氷手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の環境試験装置である。
前記したように、内側筐体の外面に生じた結露水が凍結する場合がある。結露水が凍結すると、試験室内と凍結した結露水との間で熱交換が行われ、試験室内の温度を正確に制御できないおそれがある。
そこで本発明の構成によれば、融氷手段を備えているから、融氷手段によって凍結した結露水を溶かすことが可能である。そのため、内側筐体の外面に結露水が霜や氷などの固体として留まることを防止することができる。また、凍結した結露水も溶かすことによってまとまった量の水を得ることができるため、結露水をより有効利用することができる。
ここで、圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び蒸発装置からなる冷凍サイクルを備えた冷却装置に着目すると、この冷凍サイクルにおいて、外気(例えば25度)よりも低温になるのは、膨張弁から蒸発装置を経由して圧縮機に至るまでの間である。すなわち、結露が生じやすいのも、膨張弁から蒸発装置を挟んで圧縮機までの間の範囲であると言える。
そこで、請求項6に記載の発明は、前記冷却装置が、蒸発装置、圧縮機、凝縮器、及び膨張弁を、それぞれ配管を介して環状に接続した冷凍サイクルを備えており、前記回収部は、冷却用受け皿部材を有し、当該冷却用受け皿部材は、膨張弁と蒸発装置を繋ぐ配管、蒸発装置と圧縮機を繋ぐ配管、及び圧縮機のうち、少なくとも1つの下方に配されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の環境試験装置である。
本発明の構成によれば、結露が生じ易い箇所たる、膨張弁と蒸発装置を繋ぐ配管、蒸発装置と圧縮機を繋ぐ配管、及び圧縮機のうち、少なくとも1つの下方位置に冷却用受け皿部材が配されているので、効率良く結露水を回収できる。
請求項7に記載の発明は、少なくとも前記圧縮機、前記蒸発装置と圧縮機を接続する配管、及び前記膨張弁と蒸発装置をつなぐ配管の少なくとも一つに融氷手段が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の環境試験装置である。
本発明の構成によれば、圧縮機、蒸発装置と圧縮機を接続する配管、及び前記膨張弁と蒸発装置をつなぐ配管の少なくとも一つの表面に結露水が凍結し霜が形成している場合でも、融氷手段によって霜を溶かし結露水として回収することができる。そのため、より結露水を有効利用することができる。
本発明の環境試験装置によれば、結露水による外部への水漏れを防止し、かつ、結露水を有効利用できる。
本発明の第1実施形態に係る環境試験装置の斜視図である。 図1の環境試験装置のA−A断面図である。 図2の室内湿球温度検知装置の斜視図である。 図3の室内湿球温度検知装置の分解斜視図である。 図3の室内湿球温度検知装置のB−B断面図である。 図2の試験用回収部の斜視図である。 図2の冷却用回収部の斜視図である。 図2の浄化手段を模式的に示した斜視図である。 図2の試験用回収系統の説明図であり、試験用回収系統を黒塗りで表している。 図2の冷却用回収系統の説明図であり、冷却用回収系統を黒塗りで表している。 図2の給水源供給系統の説明図であり、給水源供給系統を黒塗りで表している。 本発明の他の実施形態に係る環境試験装置の概念図である。 本発明の他の実施形態に係る環境試験装置の概念図である。 本発明の他の実施形態に係る環境試験装置の概念図である。 従来の環境試験装置を示す概念図である。
以下に、本発明の第1実施形態に係る環境試験装置1について詳細に説明する。
なお、以下の説明において、特に断りがない限り、上下の位置関係は、通常の設置位置(図1)を基準に説明する。
本実施形態の環境試験装置1は、いわゆる恒温恒湿装置であり、図1,図2に示されるように、恒温恒湿槽2を有する。
恒温恒湿槽2は、図2のように、内部に仕切壁6がある。そして、恒温恒湿槽2は、仕切壁6によって前後に試験室3と空気流路5に区分されており、その仕切壁6の上下のそれぞれに、試験室3と空気流路5とを連通する開口7,8が設けられている。
試験室3は、環境試験を行う際に、試料となる機器や部品等の被試験物を配置し、所望の試験環境が形成される空間である。
試験室3には、当該空間の温度を検知する室内温度検知装置10と、当該空間の湿球温度を検知する室内湿球温度検知装置11が設けられている。
なお、本実施形態では、室内温度検知装置10及び室内湿球温度検知装置11は、図2のように試験室3の上部側(開口7の近傍)に配されている。
室内温度検知装置10は、従来公知の熱電対やサーミスタ等の温度センサーであり、所謂乾球温度を検知するものである。
室内湿球温度検知装置11は、所謂湿球温度を検知するものであり、乾湿球式の湿度センサーである。
室内湿球温度検知装置11は、図3,図4のように、温度検知センサー100と、その温度検知センサー100の検知部を覆うウィック101と、水を溜めおく検知用貯留部102とを備えている。
環境試験装置1は、室内温度検知装置10によって検知される乾球温度と、室内湿球温度検知装置11によって検知される湿球温度とによって試験室3の湿度を算出することが可能となっている。
温度検知センサー100は、公知の温度センサーである。
ウィック101は、水分を保持できる布やガーゼであり、雰囲気温度や雰囲気湿度等の環境に応じて、その保持された水分を気化し得るものであればその他のいかなるものでも構わない。
また、本実施形態に採用されたウィック101は、図3に示されるように、設置姿勢において、下端部に切欠き部105が形成された構成とされている。なお、切欠き部105は、後述する検知用貯留部102の堰部106をかわせる程度切り込んだ欠落部である。
さらに室内湿球温度検知装置11は、水を溜めおく機能と、水を通過させる機能の双方を兼ね備えている。
すなわち、室内湿球温度検知装置11は、図2,図3,図4から読み取れるように、温度検知センサー100と、ウィック101の他に、後述する検知用供給配管73から供給された水を溜めおく検知用貯留部102と、その検知用貯留部102から流出した水を加湿器16側に案内する外郭部103と、を備えている。
検知用貯留部102は、図4に示すように、円筒状の管路の上部を開放した断面形状が半円状の開水路を有し、その開水路には水を溜めおく貯留空間107が設けられている。
より詳細には、検知用貯留部102は、給水方向下流側に給水された水を堰き止める堰部106が設けられており、その堰部106よりも上流側に貯留空間107が設けられている。すなわち、貯留空間107は、半円状の管路壁と堰部106とで囲まれ、上部が開放された空間である。
また、検知用貯留部102には、堰部106よりも下流側の位置において、下方に向けて開口した通過孔108が設けられている。すなわち、検知用貯留部102では、給水された水が勢い余って堰部106を越えた場合であっても、通過孔108から下方に向けて流すことができる。つまり、通過孔108は、通過した水を、後述する外郭部103側に流す孔である。
外郭部103は、図4に示すように、検知用貯留部102からオーバーフローした水を集水して下方に流す機能が備えられている。外郭部103は、検知用貯留部102から溢れた水を集水する集水部110を備えた構成である。
集水部110は、底面壁112とその底面壁112の縁端を囲むように立設した4つの側面壁113a〜113dにより形成された直方体状の部分であり、それらの壁112、113a〜113dに囲繞された内部空間115を有する。内部空間115は、上部が開放され、且つ、集水部110の長手方向一方の端部に向かって高さ方向に広がった空間である。
具体的には、集水部110は、図5に示されるように、底面壁112が側面壁113dから側面壁113bに向かって下り勾配で傾斜しており、それにより内部空間115が拡張されている。
また、集水部110には、図5に示されるように、検知用貯留部102が挿着される挿着口116と、下方に向けて水を排出する排出管路117が設けられている。
挿着口116は、図5に示されるように、前記外郭部103の長手方向一方の端部、具体的には側面壁113bに形成された長手方向に向けて開口した孔である。
すなわち、挿着口116は、図4,図5のように、集水部110の内外を、外郭部103の長手方向に向けて水平方向に連通している。
排出管路117は、図5に示されるように、前記外郭部103の長手方向一方の端部寄り、具体的には側面壁113b寄りの位置に配され、底面壁112から下方に向けて突出するように設けられた通水路である。すなわち、排出管路117は、集水部110の内外を鉛直方向に連通している。
そして、室内湿球温度検知装置11は、各部材同士が以下に示す位置関係で配されている。
すなわち、検知用貯留部102が、図3,図4,図5のように、貯留空間107の開放側を上に向けた状態で、外郭部103の挿着口116に挿着されている。そして、ウィック101の下端側が、その状態の検知用貯留部102の開放側から貯留空間107内に位置するように配されている。すなわち、ウィック101は、貯留空間107内に溜められた水を給水できる配置である。そして、温度検知センサー100は、その検知部が、ウィック101に覆われるように配されている。
試験室3と仕切壁6を介して対向する空気流路5は、所望の温度や湿度の空気を生成する部分である。
空気流路5は、図2に示されるように、下部側(空気の流れ方向上流側)から順番に、加湿器16(加湿装置)、冷却装置25の蒸発器17(蒸発装置)、加熱ヒーター18、及び送風機20が配されている。
加湿器16は、図2に示されるように、所定の深さを有した蒸発皿21と、従来公知の電気ヒーター22を有し、電気ヒーター22によって蒸発皿21内に貯留された水を加熱して蒸発させるものである。
加湿器16には、図示しない水位検知装置が設けられており、蒸発皿21内の水位が監視されている。
なお、この水位検知装置は、公知のフロート式の水位センサーである。
冷却装置25は、内部に相変化する冷媒が流通し、一連の冷凍サイクルを構成するものである。前記した冷媒は、蒸発器17の一次側を流れ、蒸発器17内で気化して周囲の熱を奪い、蒸発器17の表面温度を低下させる。すなわち、蒸発器17は、内部に相変化する冷媒が流通し、冷却能力と表面温度を変化させることができる。
蒸発器17は、図2のように、冷却装置25の一部であり、冷凍サイクルの一部を担うべく機能するものである。すなわち、冷却装置25は、蒸発器17の他、圧縮機26、凝縮器27、膨張弁28を有し、これらが環状に配管30で接続されている。
加熱ヒーター18は、従来公知の電気ヒーターであり、空気流路5を通過する空気を加熱するものである。
送風機20は、従来公知のファンであり、恒温恒湿槽2内に空気の循環流を形成するものである。
恒温恒湿槽2の骨格を形成する断熱壁47は、内側筐体41の外側を外側筐体42で囲んだ二重構造となっている。
すなわち、環境試験装置1は、恒温恒湿槽2の内壁を構成する内側筐体41があり、内側筐体41の扉部材31側を除く面を覆う断熱材43と、断熱材43の外側から恒温恒湿槽2を覆う外側筐体42がある。
また環境試験装置1は、内側筐体41と外側筐体42の間に、断熱材43と、第一融氷手段45と、試験用回収部46(回収部)を備えている。
内側筐体41は、扉部材31の内面と共に恒温恒湿槽2の内壁を形成するものであり、恒温恒湿槽2の内壁の五面を形成するものである。
すなわち、内側筐体41は、図1,図2から読み取れるように、天面部50と、底面部51と、背面部52と、右側面部53と、左側面部54を有している。
外側筐体42は、外郭部材24の一部を形成する部材であり、扉部材31の外面と共に恒温恒湿槽2の外壁を形成するものである。
断熱材43は、公知の断熱材であり、例えば、グラスウール等である。
第一融氷手段45は、内側筐体41の外面に形成された霜を溶かす部材であり、具体的には、加熱ヒーターである。
第一融氷手段45の加熱温度は、比較的低温であり、具体的には摂氏20度〜摂氏30度程度である。すなわち、内側筐体41の外面に結露水が凍結して形成された霜や氷をゆっくりと時間をかけて溶かすことが可能となっている。
試験用回収部46は、環境試験等によって内側筐体41の外面に発生した結露水を回収する部位である。
試験用回収部46(受け皿部材)は、具体的には上方に向けて開放した受け皿であり、図6のように、底部56と、底部56から上方に向けて立設された立壁部57,58,59,60を有している。
また、試験用回収部46の開口面積(立壁部57,58,59,60が形成する開口)は、内側筐体41の底面部51よりも大きい。
本実施形態では、試験用回収部46は、外側筐体42の底部の全面に敷設されている。
試験用回収部46の底部56には、試験用回収配管61が接続されており、試験用回収部46の底部56は、当該試験用回収配管61との接続部位に向けて下り傾斜している。すなわち、底部56には、内側筐体41の外面及び断熱材43から発生した結露水を回収する流れ勾配が形成されている。
試験用回収配管61は、図2に示されるように、試験用回収部46と、後述する機械室36内の浄化手段71を結ぶ配管であり、試験用回収配管61の中途に結露水を試験用回収部46から浄化手段71に供給するための供給ポンプ(図示しない)が設けられている。
ここで、恒温恒湿槽2の各部位の位置関係について説明する。
恒温恒湿槽2は、上記したように内側筐体41の周りを外側筐体42が覆っており、内側筐体41と外側筐体42との間には、断熱材43がある。
第一融氷手段45は、内側筐体41と所定の間隔を空けて配されている。具体的には、融氷手段の加熱温度等が試験室3に実質的に影響を与えない程度に間隔を空けて配されている。
ここでいう「実質的に影響を与えない程度」とは、融氷手段からの熱伝導によって試験室3内の温度が変化しない状況をいう。具体的には「実質的に影響を与えない程度」とは、試験室3に対して±0.5℃(プラスマイナス摂氏0.5度)以内の温度変化を許容する程度である。
第一融氷手段45は、内側筐体41の天面部50、底面部51、背面部52、右側面部53、及び左側面部54のそれぞれの面と対面するように配されている。
また、第一融氷手段45は、天面部50、底面部51、背面部52、右側面部53、及び左側面部54のそれぞれの面の全面を覆うように配されている。
試験用回収部46は、図6に示されるように、内側筐体41の下方であって、外側筐体42の底部に配されている。すなわち、試験用回収部46の底部56は、内側筐体41の底面部51と対面するように配されており、内側筐体41の天地方向の投影面上の全ての位置をカバーしている。
続いて、恒温恒湿槽2の周囲の構造について説明する。
環境試験装置1の外観形状は、従来の環境試験装置200と同様であり、全体として直方体形状をしており、図1に示されるように、ステンレススチール等で作られた外郭部材24を有している。
外郭部材24の内部は、仕切り壁があり、大きく5つの領域に分かれている。すなわち、環境試験装置1の内部は、実質的に5区画に仕切られており、試験室配置部35、機械室36、操作機器設置部37、電装品配置部38及び配管配置部40に分かれている。
各区画の配置レイアウトは、図1の通りであり、試験室配置部35の下に機械室36がある。
試験室配置部35及び機械室36を一塊と考え、その向かって右側面に操作機器設置部37と電装品配置部38がある。操作機器設置部37と電装品配置部38は、前後(手前・奥)に並んだ位置にあり、操作機器設置部37は正面側(手前)、電装品配置部38は奥側に位置している。配管配置部40は、全体の裏面側にある。
試験室配置部35は、図2に示されるように、恒温恒湿槽2が配される部位であり、正面側に向けて開放した内側筐体41を内蔵し、かつその正面側に内側筐体41の内部空間を塞ぐように扉部材31が設けられたものである。すなわち、試験室配置部35の正面には扉部材31が設けられている。
機械室36は、試験室3を所定の高さに保持する機能を持つものである。また、本実施形態では、機械室36には、図2に示されるように、前記した冷却装置25の圧縮機26等が内蔵されている。
具体的には、機械室36には、圧縮機26、凝縮器27、及び膨張弁28と、これらを接続する配管30などが配されている。
蒸発器17と圧縮機26は、配管30aによって接続されており、圧縮機26と凝縮器27は、配管30bによって接続されている。また、凝縮器27と膨張弁28は、配管30cによって接続されており、膨張弁28と蒸発器17は、配管30dによって接続されている。
蒸発器17と圧縮機26を繋ぐ配管30aの表面及び圧縮機26の表面には、第二融氷手段29が設けられている。
第二融氷手段29は、配管30a及び圧縮機26の表面に形成された霜を溶かす部材であり、具体的には、加熱ヒーターである。
第二融氷手段29の加熱温度は、比較的低温であり、具体的には摂氏20度〜摂氏30度程度である。すなわち、配管30a及び圧縮機26の表面に形成された霜をゆっくりと時間をかけて溶かすことが可能となっている。
また、機械室36は、これらの冷却装置25の下方に冷却用回収部32(回収部)を備えている。さらに機械室36は、試験用回収部46や冷却用回収部32から回収した結露水を浄化する浄化手段71を備えている。
冷却用回収部32は、冷却装置25の冷凍サイクルにおいて、配管30の外面等に発生した結露を回収する部位である。
冷却用回収部32(受け皿部材)は、具体的には試験用回収部46と同様の形状をした受け皿であり、図7に示されているように、底部65と、底部65から上方に向けて立設された立壁部66,67,68,69を有している。
また、冷却用回収部32の開口面積(立壁部66,67,68,69が形成する開口)は、図2に示されるように、冷却装置25の残部(圧縮機26、凝縮器27、膨張弁28、及びこれらを結ぶ配管30a〜30d)の下方を全て覆う程度の大きさとなっている。
冷却用回収部32の底部65には、図7に示されるように、冷却用回収配管70が接続されており、冷却用回収部32の底部65は、当該冷却用回収配管70との接続部位に向けて下り傾斜している。すなわち、底部65には、冷却装置25から発生した結露水を回収する流れ勾配が形成されている。
冷却用回収配管70は、冷却用回収部32と浄化手段71を結ぶ配管である。本実施形態では、冷却用回収配管70は、その中途に冷却用回収部32から浄化手段71に結露水を流すために図示しない供給ポンプが設けられている。
浄化手段71は、冷却用回収部32や試験用回収部46で回収された結露水から不純物等を除去し、浄化する部材である。
浄化手段71は、図8のように、回収した結露水を貯留する浄化容器74と、浄化容器74内の結露水を浄化する浄化フィルター75を備えている。
浄化容器74は、図8の矢印のように結露水が上方から下方に向けて流れる浄化流路76を備えている。
また、浄化容器74は、底部77を有しており、底部77には、加湿用供給配管72及び検知用供給配管73が配されている。
浄化フィルター75は、公知のイオン交換膜等によって形成されており、浄化流路76を塞ぐように設けられている。
また、本実施形態の浄化手段71は、図2に示されるように外部の給水源78と給水配管79によって接続されている。すなわち、浄化手段71は、給水源78から供給される水を貯留する貯留手段でもある。
ここで、浄化手段71と配管61,70,72,73,79との位置関係について説明する。
配管61,70,79は、浄化フィルター75に対して水の流れ方向上流側で浄化容器74と接続されている。配管72,73は、浄化フィルター75を通過して水の流れ方向下流側で浄化容器74と接続されている。
具体的には、配管61,70,79は、浄化容器74の浄化フィルター75よりも上部に接続されている。配管72,73は浄化容器74の天面から下方に延びており、その先端部位は、浄化フィルター75よりも下部であって浄化容器74の底部77の近傍に位置している。
試験室配置部35の背面側に位置する配管配置部40には、図2に示されるように、試験室配置部35内の蒸発器17と冷却装置25の他の部材を接続する配管等が配されている。
また、配管配置部40には、浄化手段71から加湿器16の蒸発皿21に水を供給する加湿用供給配管72や、浄化手段71から室内湿球温度検知装置11の検知用貯留部102に水を供給する検知用供給配管73が配されている。
図1のように試験室配置部35の右側に位置する操作機器設置部37は、操作盤や表示画面が取り付けられる部位である。
操作機器設置部37の奥側に位置する電装品配置部38は、内部に電源回路や制御回路、リレー等の電装品が配されている。
本実施形態の環境試験装置1は、図2のように室内湿球温度検知装置11から加湿器16に水を導く湿球温度検知装置側配管90を有している。
湿球温度検知装置側配管90は、室内湿球温度検知装置11の排出管路117と接続される配管である。湿球温度検知装置側配管90は、加湿器16の蒸発皿21の上方に延びており、湿球温度検知装置側配管90の端部から蒸発皿21に水を供給することが可能となっている。
すなわち、環境試験装置1は、過剰に室内湿球温度検知装置11に水が供給された場合に、水を室内湿球温度検知装置11から流出させ、湿球温度検知装置側配管90に通水させることで、加湿器16への給水を行うことができる。なお、加湿器16に給水された水は、蒸発皿21に貯留される。
また、上記したように環境試験装置1は、加湿用供給配管72と、検知用供給配管73を有している。
加湿用供給配管72は、浄化手段71と加湿器16の蒸発皿21を接続する配管であり、浄化手段71から加湿器16の蒸発皿21に水を供給することが可能である。
検知用供給配管73は、浄化手段71と室内湿球温度検知装置11の検知用貯留部102を接続する配管であり、浄化手段71から室内湿球温度検知装置11の検知用貯留部102に水を供給することが可能である。
本実施形態の環境試験装置1は、試験用回収部46から内側筐体41の外面で発生した結露水を回収し再利用する試験用回収系統80と、冷却用回収部32から冷却装置25の一部で発生した結露水を回収し再利用する冷却用回収系統81と、給水源78から供給される水を利用する給水源供給系統92を構成している。
試験用回収系統80は、図9の黒塗りで示されるように、試験用回収部46と、試験用回収配管61と、浄化手段71と、加湿用供給配管72と、検知用供給配管73とによって構成されている。
すなわち、試験用回収系統80は、試験用回収部46で回収した結露水を、試験用回収配管61を介して浄化手段71に導入する。そして、浄化手段71によって浄化された結露水を、必要に応じて加湿用供給配管72を介して加湿器16に供給したり、検知用供給配管73を介して室内湿球温度検知装置11に供給したりするものである。
試験用回収系統80は、加湿用供給配管72の中途に電磁弁84及び供給ポンプ85を備え、検知用供給配管73の中途に電磁弁88及び供給ポンプ89を備えている。すなわち、環境試験装置1は、電磁弁84,88及び供給ポンプ85,89によって浄化手段71によって浄化された結露水を加湿器16と室内湿球温度検知装置11に供給することが可能となっている。
冷却用回収系統81は、図10の黒塗りに示されるように、冷却用回収部32と、冷却用回収配管70と、浄化手段71と、加湿用供給配管72と、検知用供給配管73とによって構成されている。すなわち、冷却用回収系統81は、試験用回収系統80に比べて、冷却用回収部32及び冷却用回収配管70が異なり、浄化手段71及び浄化手段71より下流側の配管は共通である。
冷却用回収系統81は、冷却用回収部32で回収した結露水を、冷却用回収配管70を介して浄化手段71に導入する。そして、浄化手段71によって浄化された結露水を、必要に応じて加湿用供給配管72を介して加湿器16に供給したり、検知用供給配管73を介して室内湿球温度検知装置11に供給したりするものである。
給水源供給系統92は、図11の黒塗りに示されるように、給水源78と、給水配管79と、浄化手段71と、加湿用供給配管72と、検知用供給配管73とによって構成されている。
すなわち、給水源供給系統92は、試験用回収系統80及び冷却用回収系統81に比べて、浄化手段71の上流側が給水源78及び給水配管79である点で異なり、浄化手段71及び浄化手段71より下流側の配管が共通である。つまり、浄化手段71及び浄化手段71より下流側の配管は、試験用回収系統80、冷却用回収系統81、及び給水源供給系統92のいずれも共通のものを使用している。
給水源供給系統92は、給水源78から供給された水を、給水配管79を介して浄化手段71に導入する。そして、浄化手段71によって浄化された水を、必要に応じて加湿用供給配管72を介して加湿器16に供給したり、検知用供給配管73を介して室内湿球温度検知装置11に供給したりするものである。
以上のように本実施形態の環境試験装置1は、通常時に加湿器16や室内湿球温度検知装置11に水を供給する給水源供給系統92に加えて、発生した結露水を回収し利用するための試験用回収系統80及び冷却用回収系統81を補助的に備えている。
続いて、本実施形態の環境試験装置1の基本動作について説明する。
本実施形態の環境試験装置1では、送風機20によって恒温恒湿槽2内の空気を循環して、試験室3内に所望の環境が作られる。すなわち、恒温恒湿槽2内の空気は、送風機20によって仕切壁6の下部側の開口8から空気流路5側に吸入され、空気流路5を鉛直上方に向けて通過して、仕切壁6の上部側の開口7から試験室3側に吐出される。
より詳細に説明すると、送風機20が起動されると、当該送風機20から空気が吐出され、試験室3側に送風される。これにより、試験室3内の壁面に沿うように空気の流れが形成される。そして、仕切壁6の下部側の開口8に到達した空気が、再び空気流路5内に導入される。空気流路5には、上述したように、空気の流れ方向に沿って順番に加湿器16、蒸発器17、加熱ヒーター18が配置されている。そのため、空気流路5に導入された空気は、加湿器16で必要に応じて加湿され、蒸発器17を通過してから、加熱ヒーター18側に流れる。そして、試験室3内の雰囲気が、所望の温度や湿度となるように温度調節や湿度調節がされる。
なお、環境試験装置1は、室内温度検知装置10と室内湿球温度検知装置11によって、試験室3内の現状の温度(現状気温)と現状の相対湿度(現状相対湿度)が監視され、所定の設定条件に基づいて、各機器(加湿器16、蒸発器17、加熱ヒーター18、送風機20等)が制御される。
以上が、環境試験装置1の基本動作の説明である。
ところで、本実施形態の環境試験装置1は、試験室3内を外気よりも低温環境を形成する環境試験を行った場合、試験室3内の温度と外気との温度差により、内側筐体41の外面に結露が生じることがある。この結露より生じる結露水が内側筐体41の外面(具体的には、天面部50、背面部52、右側面部53、及び左側面部54)や断熱材43を伝って、自重により下方に流れる。
そこで、本実施形態では、内側筐体41の底面部51の上下方向の投影面上全体に試験用回収部46の底部56が位置している。そのため、内側筐体41の外面から滴下した結露水は試験用回収部46で回収される。
また、上記した環境よりもさらに低温(氷点下以下)の環境を形成する環境試験を行った場合、試験室3内の温度と外気との温度差により、外気の水蒸気が内側筐体41の外面で結露し、結露水が凍結して霜が生じることがある。この霜が成長していくと、試験室3内と霜との間で熱交換がなされる場合があり、試験室3内の温度雰囲気が正確に制御できなくなるおそれがある。
そこで、本実施形態の環境試験装置1には、内側筐体41の各面に対面するように第一融氷手段45が設けられている。そのため、第一融氷手段45の熱により、霜の発生を防止したり、霜が形成されてもゆっくりと融氷し、水(上記したようにこれも含めて結露水という)とする。そして、霜が溶ける等して形成された結露水は、上記と同様、内側筐体41の外面や断熱材43を伝って、自重により下方に流れ、試験用回収部46で回収される。
以上のように、本実施形態の環境試験装置1は、内側筐体41と外側筐体42との間の空気に含まれる水分が内側筐体41の表面で結露することによって生じる結露水が内側筐体41と外側筐体42との間の空間内にほとんど留まらない。そのため、環境試験装置1から結露水が水漏れすることを防止することができる。また、本実施形態の環境試験装置1は、内側筐体41の外面に霜が形成されにくいため、試験室3内の雰囲気を制御しやすい。
さらに、本実施形態の環境試験装置1では、上記したように、冷却装置25に冷凍サイクルを有し、冷却装置25が通常駆動している状態においては、膨張弁28から蒸発器17を介して圧縮機26までの間の範囲では、外気よりも低温となる。そのため、外気と配管30a,30d内や圧縮機26内との温度差により、配管30a,30dの表面や圧縮機26の表面に霜が形成される。この霜は、従来の環境試験装置では、通常の運転時において、配管30a,30dの表面や圧縮機26の表面に形成したまま維持される。
そして、環境試験の終了等により、環境試験装置1が停止されると、外気によって、配管30a,30dの表面や圧縮機26の表面に形成された霜が温められて溶け出し、結露水が発生する。
そこで、本実施形態の環境試験装置1では、このような結露水に対応するべく、冷却装置25の配管30a,30dや圧縮機26の上下方向の投影面上全体に冷却用回収部32の底部65が位置している。そのため、配管30a,30dの表面や圧縮機26の表面で発生した結露水は冷却用回収部32で回収される。
また、本実施形態の環境試験装置1では、配管30aの表面と圧縮機26の表面に第二融氷手段29が設けられている。すなわち、蒸発器17の下流側の部位であって圧縮機26までの配管30aの表面と、圧縮機26の表面に第二融氷手段29が設けられている。
そのため、通常の運転時において、配管30aの表面や圧縮機26の表面に形成された霜を第二融氷手段29によって融氷することが可能である。配管30aの表面や圧縮機26の表面に霜が長時間留まらず、配管30aの表面や圧縮機26の表面に形成される結露水が冷却用回収部32で回収される。
なお、第二融氷手段29により生じる熱は、蒸発器17による空気流路5内の空気との熱交換に影響しにくいので、冷却装置25が駆動中であっても、第二融氷手段29を使用して霜を溶かして結露水として回収することができる。
以上のように、本実施形態の環境試験装置1では、結露により発生する結露水が冷却用回収部32や試験用回収部46によって回収される。そして、本実施形態の環境試験装置1では、この「回収された結露水」を環境試験装置1の一部で利用する。
具体的には、環境試験装置1は、試験用回収系統80及び冷却用回収系統81を利用する。すなわち、冷却用回収部32や試験用回収部46で回収した結露水を浄化手段71に導入し、浄化フィルター75を通過させて、不純物を取り除く。そして、不純物を取り除いた結露水を、状況に合わせて、加湿器16や室内湿球温度検知装置11として使用する。
例えば、図示しない水位検知装置が加湿器16の蒸発皿21内の水位が所定の水位を下回ることを検知すると、電磁弁84が開状態となり、供給ポンプ85によって、浄化手段71内の不純物を取り除いた結露水が蒸発皿21に導入される。
また、検知用貯留部102の貯留空間107内の水位が減少している場合には、電磁弁88が開状態となり、供給ポンプ89によって、浄化手段71内の不純物を取り除いた結露水が検知用貯留部102の貯留空間107に導入される。
このように、本実施形態の環境試験装置1であれば、不要物である結露水を回収するとともに、この不要物である結露水を利用することができるので、結露水の発生による水漏れを解消できるとともに、給水源78からの水の使用量を低減することができる。
本実施形態の環境試験装置1によれば、第二融氷手段29や第一融氷手段45によって加熱される温度は比較的低い温度であるため、試験室3内の雰囲気制御を行うにあたって、影響が少ない。
さらに本実施形態の環境試験装置1では、上記したように、検知用貯留部102には、堰部106よりも下流側の位置において、下方に向けて開口した通過孔108が設けられている。すなわち、検知用貯留部102では、給水された水が勢い余って堰部106を越えた場合や堰部106から溢れた場合であっても、水を通過孔108から下方に向けて流し、排出管路117から湿球温度検知装置側配管90を介して加湿器16に供給することができる。
堰部106から溢れた場合についてより詳細に説明すると、室内湿球温度検知装置11の検知用貯留部102に既に十分な水量がある場合、給水によって水量が過剰となる。すなわち、検知用貯留部102における水位が一定水位を超える。これにより、検知用貯留部102に導入された水は、貯留空間107内に留まりきれず、通過孔108側に溢れる。
より詳細には、貯留空間107において一定水位を超えて導入された水は、貯留空間107から溢れる。そして、貯留空間107から溢れた水は、集水部110を介して、排出管路117に導入されて下方に向けて流れる。そして、排出管路117を通過した水は、湿球温度検知装置側配管90を通じて加湿器16に導入される。
本実施形態の環境試験装置1では、上記したように通常時の給水に使用される給水源供給系統92は、給水源78から浄化手段71の浄化フィルター75を通過して加湿用供給配管72及び検知用供給配管73に流れるため、給水源78から給水される水が上水でなくても使用することができる。
また、環境試験装置1は、試験用回収系統80、冷却用回収系統81、及び給水源供給系統92のいずれの系統も共通の加湿用供給配管72及び検知用供給配管73を利用して加湿器16及び室内湿球温度検知装置11に水を供給するため、環境試験装置1のコンパクト化が可能である。
上記した実施形態では、蒸発器17と圧縮機26を繋ぐ配管30aの表面及び圧縮機26の表面に第二融氷手段29を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図12に示されるように膨張弁28と蒸発器17を繋ぐ配管30dに第二融氷手段29を設けてもよい。また、蒸発器17と圧縮機26を繋ぐ配管30aの表面及び圧縮機26の表面の双方に第二融氷手段29を設ける必要はなく、片方のみでもよい。
要するに、膨張弁28から圧縮機26を繋ぐ配管30a,30dの表面及び圧縮機26の表面のうち、いずれに第二融氷手段29を設けてもよい。
また上記した実施形態では、蒸発器17と圧縮機26を繋ぐ配管30a,30dのうち、配管配置部40内及び機械室36内にある部分の表面の全部に第二融氷手段29を設けていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、膨張弁28から圧縮機26を繋ぐ配管30a,30dの表面や圧縮機26の表面の一部に第二融氷手段29を設けてもよい。
さらに、上記した実施形態では、蒸発器17と圧縮機26を繋ぐ配管30aの表面及び圧縮機26の表面に第二融氷手段29を設けていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第二融氷手段29は、配管等の表面ではなく、配管等の表面に対して間を空けて設けられていてもよい。
上記した実施形態では、内側筐体41の下方に試験用回収部46を配置し、冷却装置25の下方に冷却用回収部32を配置したが、本発明はこれに限定されるものではなく、冷却用回収部32と試験用回収部46のうち一方だけ備えていてもよい。
すなわち、図13に示されるような試験用回収部46のみを設けた構成としてもよいし、図14に示されるような冷却用回収部32のみを設けた構成としてもよい。
上記した実施形態では、凍結した結露水を溶かすために、第二融氷手段29や第一融氷手段45を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第二融氷手段29及び第一融氷手段45を設けなくてもよいし、第二融氷手段29及び第一融氷手段45のうち、片方のみを設けてもよい。
上記した実施形態では、浄化した結露水を加湿器16及び室内湿球温度検知装置11のそれぞれに独立して供給することができる構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、浄化した結露水を加湿器16及び室内湿球温度検知装置11に同時に供給できる構成としてもよい。
また、浄化した結露水を必ずしも加湿器16及び室内湿球温度検知装置11の両方に利用できる構成である必要はなく、加湿器16及び室内湿球温度検知装置11のうち片方のみに供給できる構成としてもよい。
上記した実施形態では、浄化した結露水を加湿器16及び室内湿球温度検知装置11の水として利用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、浄化した結露水を環境試験装置の他の構成部材に用いる水として使用してもよい。
上記実施形態では、環境試験装置の中でも、恒温恒湿装置を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、加湿器及び/又は室内湿球温度検知装置を備えた冷熱衝撃試験装置等の別の環境試験装置であっても構わない。
上記した実施形態では、第一融氷手段45は、内側筐体41の天面部50、底面部51、背面部52、右側面部53、及び左側面部54の全ての面と対面するように配されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら全ての面と対面する必要はない。例えば、第一融氷手段45は、底面部51のみに対面するように配されていてもよい。
上記した実施形態では、第一融氷手段45は、内側筐体41の天面部50等の全面を覆うように配されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、内側筐体41の天面部50等の一部のみに配されていてもよい。
上記した実施形態では、室内湿球温度検知装置11から加湿器16に水を供給する湿球温度検知装置側配管90を有していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、湿球温度検知装置側配管90を設けなくてもよい。
上記した実施形態では、浄化手段71に給水源78から供給される水を貯留する構造であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、別途貯留タンクを設けて給水源78から供給される水を当該貯留タンクに貯留する構造であってもよい。
また、この貯留タンクは、浄化手段71の上流側に設けても、下流側に設けてもよい。
上記した実施形態では、融氷手段29,45として、加熱ヒーターにより融氷する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、超音波振動子等によって融氷してもよい。
上記した実施形態では、第一融氷手段45は、内側筐体41に対して所定の間隔を空けて配されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第一融氷手段45は、内側筐体の表面に接触するように設けられていてもよい。
1 環境試験装置
3 試験室
11 室内湿球温度検知装置(乾湿球式湿度計)
16 加湿器(加湿装置)
17 蒸発器(蒸発装置)
25 冷却装置
26 圧縮機
27 凝縮器
28 膨張弁
29 第二融氷手段(融氷手段)
30 配管
32 冷却用回収部(回収部,受け皿部材,冷却用受け皿部材)
41 内側筐体
42 外側筐体
45 第一融氷手段(融氷手段)
46 試験用回収部(回収部,受け皿部材)
71 浄化手段

Claims (7)

  1. 冷却装置と、内側筐体と外側筐体を有し、内側筐体の中に被試験物を配置する試験室があり、試験室の内部が温度調節されて所望の環境が作られる環境試験装置において、
    内側筐体の外面又は冷却装置の一部の少なくともいずれかに生じた結露水を回収する回収部を有し、回収部内に回収された結露水を環境試験装置で利用することを特徴とする環境試験装置。
  2. 加湿装置又は乾湿球式の湿度計を有し、
    前記結露水を前記加湿装置又は乾湿球式の湿度計で使用することを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
  3. 前記回収部は、内側筐体の下方に設けられた受け皿部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の環境試験装置。
  4. 回収された結露水を浄化する浄化手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の環境試験装置。
  5. 内側筐体の外面で凍結した結露水を溶かす融氷手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の環境試験装置。
  6. 前記冷却装置は、蒸発装置、圧縮機、凝縮器、及び膨張弁を、それぞれ配管を介して環状に接続した冷凍サイクルを備えており、
    前記回収部は、冷却用受け皿部材を有し、
    当該冷却用受け皿部材は、膨張弁と蒸発装置を繋ぐ配管、蒸発装置と圧縮機を繋ぐ配管、及び圧縮機のうち、少なくとも1つの下方に配されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の環境試験装置。
  7. 少なくとも前記圧縮機、前記蒸発装置と圧縮機を接続する配管、及び前記膨張弁と蒸発装置をつなぐ配管の少なくとも一つに融氷手段が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の環境試験装置。
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