JP2015161335A - 外輪回転形転がり軸受及び圧延機 - Google Patents

外輪回転形転がり軸受及び圧延機 Download PDF

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Yoshinari Kagota
吉就 籠田
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紳一 綱島
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Abstract

【課題】内輪に取り付けられた第1シール部材を手動で着脱が容易な構成であるとともに、第1シール部材が外輪に取り付けられた第2シール部材(外輪)と共回りしてしまうことを防止可能な外輪回転形転がり軸受及び圧延機を提供する。【解決手段】環状部材25は、肩部12cの軸方向外端部における外周面に固定される。環状部材25は、第1シール部材21が締め代を有して外嵌する円筒部25aと、該円筒部25aよりも軸方向外側で、該円筒部25aよりも径方向外側に延出する鍔部25bと、を有する。第1C形止め輪24は、肩部12cに形成された段差部12dと、円筒部25の軸方向内端面とで形成される装着用環状溝12fに取り付けられる。第1シール部材21と円筒部25aとの締め代を、第1シール部材21の内径で除した値は、0.00026〜0.00127である。【選択図】図3

Description

本発明は、外輪が回転し内輪が軸と共に回転を行わない外輪回転形転がり軸受、及び圧延機に関し、より詳細には、鉄鋼材製作のための圧延設備である多段式圧延機のバッキングロールに使用される外輪回転形転がり軸受及び圧延機に関する。
例えば、鉄鋼材による板材を製造する圧延機は、圧延時に鉄鋼材を圧迫挟持して圧延するワークロールと、該ワークロールの軸方向の撓みを防止して均一な厚みの板材を得るため、ワークロールの外周面を転動自在に支える一または複数段の中間ロールと、該中間ロールをその外側で支えてワークロールの撓みを防止するバッキングロールからなる多段式の圧延機が多く用いられる。
センジマ圧延機は、主に電磁鋼板やステンレス鋼板など、硬く延びにくい鋼材を圧延するため、圧延するワークロールに過大な圧延力がかかり、ワークロールに掛かる過大な圧延力をサポートするため、複数のバッキングロールを必要とする。
バッキングロールを構成する軸受の外輪外周面は、定期的にリグラインドされるため、該軸受は圧延機から取り外される。そして、該軸受を圧延機から取り外した際には、軸受の分解洗浄も同時に行われる。
外輪回転形転がり軸受には、外部からの異物進入を防止するためにシール装置が設置されている。シール装置としては、内輪の外周面にシールド板を圧入して設置し、回転する外輪の内周面にV形シールを嵌め合わせて止め輪で固定し、V形シールとシールド板を摺動させて、軸受外部からの圧延油や異物などの進入を防止している(特許文献1参照。)。
また、特許文献2に記載の外輪回転形転がり軸受では、外輪の内周面に一方のシール部材が止め輪によって固定されるとともに、内輪の外周面に他方のシール部材が圧入固定され、いずれかのシール部材にシールリップを設け、さらに、他方のシール部材の外径部分に弾性部材を設けて、リグラインド時において内輪が分解された際の、他方のシール部材の損傷を抑制している。
また、特許文献3に記載の軸受装置は、ロール体に固定されたダストシールと、内輪に設けられ、潤滑部を有するスリンガーと、を備えており、ダストシールが潤滑部に対して摺動するシールリップを有することにより、温度上昇によってシールリップが劣化することを抑制している。
また、特許文献4に記載の転がり軸受は、内輪に固定される第1のシール部材と、外輪に固定され、第1のシール部材と対向する第2のシール部材とで構成された密封機構を有している。第2のシール部材は第1のシール部材に摺接するシールリップを備え、第2のシール部材は、外輪に形成された止め輪溝に嵌め合わされる円環状の止め輪によって固定される。ここで、止め輪の軸受外部側の面が、止め輪の外周に向けてテーパー状に形成されている。これにより、止め輪を周溝に嵌め合わせる際に、止め輪のテーパー状に厚みが薄くなった外周側が周溝に嵌まり易く、スラスト方向に大きな力を加える必要がなくなり、作業性が向上する。
特開2005−140147号公報 特開2009−63098号公報 特開2010−144780号公報 特開2009−63118号公報
ところで、特許文献1及び2に記載の外輪回転形転がり軸受では、シールド板やシール部材は圧入によって内輪の外周面に設置されているため、シールド板やシール部材の着脱が困難である。
また、特許文献3に記載の軸受装置では、スリンガーが内輪に締まり嵌めにより固定されており、特許文献4に記載の転がり軸受では、第1のシール部材が内輪に圧入されて固定されているので、これらスリンガーや第1のシール部材の着脱が困難であった。
このように、シール部材等の着脱が困難な場合は、内輪にシール部材等が設置された状態で洗浄を行う必要があった。
また、シール部材等の着脱を容易とするために、シール部材等と内輪との締め代を小さくすることが考えられる。しかしながら、この場合、当該シール部材に、外輪に設けられた他のシール部材のシールリップ等から摺動トルクが負荷された際に、内輪に設けられたシール部材と内輪とが滑ってしまい、当該シール部材が外輪と共回りしてしまう虞があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内輪に取り付けられた第1シール部材を手動で着脱が容易な構成であるとともに、第1シール部材が外輪に取り付けられた第2シール部材と共回りしてしまうことを防止可能な外輪回転形転がり軸受及び圧延機を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明は下記の構成によって達成される。
(1) 外周面に内輪軌道面を有する内輪と、
内周面に外輪軌道面を有する外輪と、
前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配置された複数の転動体と、
前記内輪に取り付けられる第1シール部材、及び前記外輪に取り付けられる第2シール部材を有し、前記第1シール部材に設けられた弾性シール部材が、前記第2シール部材と摺接するシール装置と、
を備え、外輪回転で使用される外輪回転形転がり軸受であって、
前記内輪の肩部には、
該肩部の軸方向外端部に形成される環状部分と、
前記環状部分よりも軸方向内側で、前記肩部に取り外し可能に取り付けられ、前記環状部分と協働して前記第1シール部材を挟持して固定可能な第1シール部材固定用部材と、
が設けられ、
前記環状部分は、前記肩部の軸方向外端部における外周面に形成され、
前記環状部分は、前記第1シール部材が締め代を有して外嵌する円筒部と、該円筒部よりも軸方向外側で、該円筒部よりも径方向外側に延出する鍔部と、を有し、
前記第1シール部材固定用部材は、前記肩部に形成された段差部と、前記円筒部の軸方向内端面とで形成される装着用環状溝に取り付けられ、
前記第1シール部材と前記円筒部との締め代を、前記第1シール部材の内径で除した値が、0.00026〜0.00127であることを特徴とする外輪回転形転がり軸受。
(2) 前記第1シール部材と前記円筒部の締め代との締め代は、0.07〜0.27mmであり、
前記第1シール部材の内径は、213〜262mmであることを特徴とする(1)に記載の外輪回転形転がり軸受。
(3) 前記環状部分は、前記内輪とは別体に形成された環状部材であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の外輪回転形転がり軸受。
(4) 前記第1シール部材は、環状の金属部材の内周面に前記弾性シール部材を被覆して構成されており、
前記金属部分と前記環状部材の鍔部とは、径方向に3mm以上オーバーラップすることを特徴とする(1)〜(3)の何れか1つに記載の外輪回転形転がり軸受。
(5) 外周面に内輪軌道面を有する内輪と、
内周面に外輪軌道面を有する外輪と、
前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配置された複数の転動体と、
前記内輪に取り付けられる第1シール部材、及び前記外輪に取り付けられる第2シール部材を有し、前記第1シール部材に設けられた弾性シール部材が、前記第2シール部材と摺接するシール装置と、
を備え、外輪回転で使用される外輪回転形転がり軸受であって、
前記内輪の肩部には、
該肩部の軸方向外端部に形成される環状部分と、
前記環状部分よりも軸方向内側で、前記肩部に取り外し可能に取り付けられ、前記環状部分と協働して前記第1シール部材を挟持して固定可能な第1シール部材固定用部材と、
が設けられ、
前記環状部分は、前記肩部の軸方向外端部における外周面に形成され、
前記環状部分は、前記第1シール部材が締め代を有して外嵌する円筒部と、該円筒部よりも軸方向外側で、該円筒部よりも径方向外側に延出する鍔部と、を有し、
前記第1シール部材固定用部材は、前記肩部に形成された段差部と、前記円筒部の軸方向内端面とで形成される装着用環状溝に取り付けられ、
前記第1シール部材は、環状の金属部材の内周面に前記弾性シール部材を被覆して構成されており、
前記弾性シール部材が前記円筒部にスプライン嵌合することを特徴とする外輪回転形転がり軸受。
(6) 外周面に内輪軌道面を有する内輪と、
内周面に外輪軌道面を有する外輪と、
前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配置された複数の転動体と、
前記内輪に取り付けられる第1シール部材、及び前記外輪に取り付けられる第2シール部材を有し、前記第1シール部材に設けられた弾性シール部材が、前記第2シール部材と摺接するシール装置と、
を備え、外輪回転で使用される外輪回転形転がり軸受であって、
前記内輪の肩部には、
該肩部の軸方向外端部に固定されるナット部材と、
前記ナット部材よりも軸方向内側で、前記肩部に取り付けられ、前記ナット部材と協働して前記第1シール部材を挟持して固定可能な第1シール部材固定用部材と、
が設けられ、
前記ナット部材及び前記第1シール部材は、前記肩部の軸方向外端部における外周面に螺合され、
前記第1シール部材固定用部材は、環状の金属部材と、前記環状の金属部材の軸方向外端面を覆い、前記第1シール部材と当接する弾性シール部材と、を有することを特徴とする外輪回転形転がり軸受。
(7) 外周面に内輪軌道面を有する内輪と、
内周面に外輪軌道面を有する外輪と、
前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配置された複数の転動体と、
前記内輪に取り付けられる第1シール部材、及び前記外輪に取り付けられる第2シール部材を有し、前記第1シール部材に設けられた弾性シール部材が、前記第2シール部材と摺接するシール装置と、
を備え、外輪回転で使用される外輪回転形転がり軸受であって、
前記外輪の内周面は、前記外輪軌道面より軸方向外側を拡径することで形成された段差部と、前記段差部の内周面に形成された環状溝と、を有し、
前記第2シール部材を前記段差部の内周面の軸方向内側端部に、締め代を有して内嵌し、前記環状溝に第2シール部材固定用部材を装着することで、前記第2シール部材は前記外輪に固定され、
前記第2シール部材と前記段差部の内周面との締め代を、前記第2シール部材の外径で除した値が、0.00020〜0.00097であることを特徴とする外輪回転形転がり軸受。
(8) 前記第2シール部材と前記段差部の内周面との締め代は、0.07〜0.27mmであり、
前記第2シール部材の外径は、279〜341mmであることを特徴とする(7)に記載の外輪回転形転がり軸受。
(9) (1)〜(8)のいずれか1つに記載の外輪回転形転がり軸受を有するバッキングロールを備えることを特徴とする圧延機。
本発明に係る外輪回転形転がり軸受によれば、第1シール部材と円筒部との締め代を第1シール部材の内径で除した値が0.00026〜0.00127とされているので、第1シール部材を手動で着脱することが容易であると共に、第1シール部材と環状部材(内輪)とが滑ってしまい、第1シール部材が第2シール部材(外輪)と共回りしてしまうことを防止することが可能である。
本発明の第1実施形態の外輪回転形転がり軸受が適用される多段式圧延機の斜視図である。 圧延機のバッキングロールを示す断面図である。 (a)は、本発明の外輪回転形転がり軸受の断面図であり、(b)は、(a)のシール装置を示す要部拡大図である。 (a)は、本発明の第1シール部材を固定する第1C形止め輪の側面図であり、(b)は、(a)の端部を矢印IV方向から見た図であり、(c)は、IV´部斜視図である。 (a)は、本発明の第2シール部材を固定する第2C形止め輪の側面図であり、(b)は、(a)の端部を矢印V方向から見た図であり、(c)は、V´部斜視図である。 (a)〜(c)は、本発明の外輪回転形転がり軸受を分解する過程を示す図である。 内輪から工具を使ってC形止め輪を取り外す状態を示す斜視図である。 外輪から工具を使ってC形止め輪を取り外す状態を示す斜視図である。 共回り判定試験を説明するための図である。 共回り判定試験を説明するための図である。 着脱性判定試験を説明するための図である。 変形例に係る環状部材及び弾性シール部材示す断面図である。 第2実施形態に係る外輪回転形転がり軸受の要部断面図である。
以下、本発明の外輪回転形転がり軸受に係る実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の外輪回転形転がり軸受が適用される多段式圧延機の斜視図であり、図2は、圧延機のバッキングロールを示す断面図である。
多段式圧延機は、ハウジング1内に複数種の圧延ロール群が設けられており、搬送される鉄鋼材Pを、圧延ロール群によって均一な厚みに圧延する。圧延ロール群は、鉄鋼材Pを圧延する一対のワークロール2と、一対のワークロール2を回転自在に支持する複数の第1中間ロール3と、これら第1中間ロール3を回転自在に支持する複数の第2中間ロール4とを備えており、各第2中間ロール4は、複数のバッキングロール軸5(図2参照。)に組み付けられた、バッキングロールを構成する複数の転がり軸受10によって回転自在に支持されている。なお、各バッキングロール軸5は、常時静止した状態(非回転状態)に維持されている。
転がり軸受10は、図2及び図3に示すように、バッキングロール軸5に嵌合固定され、外周面に内輪軌道面12a,12aをそれぞれ有する一対の内輪部材12,12からなる内輪(静止輪)11と、内輪11に対向して回転可能に配置され、内周面に一対の外輪軌道面14a,14aを有する単一の外輪(回転輪)14と、外輪軌道面14a,14aと内輪軌道面12a,12aとの間に転動自在に複列で配置された複数の円筒ころ(転動体)16と、各円筒ころ16を1つずつ等間隔に保持する保持器18,18と、外部からの異物進入を防止するために軸方向両側に設けられた一対のシール装置20,20と、を備え、外輪回転で使用される複列円筒ころ軸受である。ここで、なお、本実施形態では、軸方向中央部で2分割された保持器18,18が使用されているが、円環部の軸方向両端面に柱部がそれぞれ突設されている一体型の保持器であってもよい。
このような多段式圧延機において、転がり軸受10の外輪14は、複数の第2中間ロール4に圧接しており、当該第2中間ロール4と共に回転可能に位置決めされている。この場合、各外輪14からの圧力が第2中間ロール4から第1中間ロール3を介して一対のワークロール2に作用することで、当該ワークロール2の撓みが防止されている。これにより、搬送される鉄鋼材Pは、一対のワークロール2によって均一な厚みに圧延される。
また、軸受潤滑機構は、転がり軸受10がバッキングロール軸5に対し、その軸方向へ所定間隔で複数個組み付けられた多段式圧延機において、これらの軸受内部へ圧縮エアとともに潤滑剤を供給して潤滑を行っている。この際、潤滑方式としては、潤滑剤に潤滑油を使用し、当該潤滑油を空気の圧力差(差圧)を利用してミスト化させ、圧縮エアと混合させるとともに当該圧縮エアによって搬送させることで、当該ミスト化された潤滑油(オイルミスト)を転がり軸受10に対して供給するオイルミスト方式が採用されている。なお、バッキングロール軸5に対して組み付けられる転がり軸受10の数は、多段式圧延機の大きさなどに応じて任意に設定すればよいため、ここでは特に限定しない。
この場合、潤滑剤(潤滑油)は、図示しない潤滑剤供給源(潤滑油供給源)から圧縮エアとともに送出され、当該潤滑油供給源から軸受内部まで連通する潤滑油供給路を圧縮エアによって搬送されることで、転がり軸受10に対して供給されている。
潤滑油供給路は、バッキングロール軸5に設けられ、潤滑油供給源(図示せず)と連通する軸経路5a,5bと、転がり軸受10の内輪部材12に設けられ、軸受内部と軸経路5a,5bとを連通させる軸受経路(軸受溝)12b,12bから構成されている。
具体的に、図2に示すように、バッキングロール軸5には、その軸心に沿って内部を貫通する軸経路としての主孔5aが形成されているとともに、当該主孔5aから径方向に沿ってバッキングロール軸5を放射状に貫通し、転がり軸受10へ向けて分岐する軸経路としての分岐孔5bが形成されている。さらに、図3に示すように、転がり軸受10には、2つの内輪部材12,12相互間を内径側から外径側まで径方向に沿って放射状に貫通し、分岐孔5bと連通するとともに、軸受内部に開口する軸受経路としての軸受溝12b,12bが形成されている。
これにより、潤滑油供給源を始点として、主孔5aを通り、当該主孔5aから分岐孔5bへ分岐し、軸受溝12b,12bを経由して軸受内部へ至る潤滑油供給路が形成される。なお、オイルミスト方式で潤滑油を飛散させるために必要な空気圧は約5kPaである。
転がり軸受10の各シール装置20は、第1C形止め輪24(第1シール部材固定用部材)によって内輪部材12の肩部12cに取り付け固定される第1シール部材21と、第2C形止め輪33(第2シール部材固定用部材)によって外輪軌道面14aの軸方向外側で外輪14に取り付けられる第2シール部材30と、を備える。
第1シール部材21は、環状の芯金22(金属部材)にゴム等の弾性材料からなる弾性シール部材23を被覆して構成されるV形シール部材である。芯金22はSPCC(冷間圧延鋼板)等からなり、弾性シール部材23はアクリルゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム等の弾性材料からなる。なお、第1シール部材21の着脱を考慮すると、弾性シール部材23の材料としては、高強度でヘタリに強いフッ素ゴムが好適である。芯金22は、環状の円板部22aと、円板部22aの径方向内端部から軸方向内側へ屈曲して、さらに径方向内方へ延びる位置決め端部22bと、を備える。また、弾性シール部材23は、芯金22の軸方向内側面を覆うと共に、円板部22aの外周面及び位置決め端部22bの内周面を覆うように形成され、弾性シール部材23のリップ23aは、第2シール部材30と摺接する。第1シール部材21の外径は、外輪14の内周面との間に潤滑油を外部に放出させるすきまを形成するように設計される。また、リップ23aは、オイルミスト方式で使用される空気圧によって開くことで、外部へ潤滑油を放出する。
第2シール部材30は、第1シール部材21よりも軸方向内側に配置され、環状の芯金31にゴム等の弾性材料からなる弾性シール部材32を被覆して構成されるシールド板である。芯金31はSPCC等の冷間圧延鋼板からなり、弾性シール部材32はアクリルゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム等の弾性材料からなる。芯金31は、弾性シール部材32によってその軸方向内側面と外周面を覆われており、芯金31の軸方向外側面に第1シール部材21のリップ23aが摺接する。第2シール部材30の内径は、内輪部材12の肩部12cの外周面との間に潤滑油を外部に放出させるすきまを形成するように設計される。
内輪部材12の肩部12cは、外周面が軸方向外側に向かって2段階で縮径するように段差状に形成されている。そして、肩部12cの軸方向外端部における外周面には、肩部12cの軸方向内側の外周面よりも径方向外側に延出する環状部材25(環状部分)が圧入固定される。環状部材25は、第1シール部材21が締め代を有して外嵌する円筒部25aと、円筒部25aよりも軸方向外側で、円筒部25aよりも径方向外側に延出する鍔部25bと、を有し、内輪部材12より硬さの低い低炭素鋼や生材等の材料から形成される。
また、第1C形止め輪24は、肩部12cに形成された段差部12dと、肩部12cに固定された環状部材25の円筒部25aの軸方向内端面とで形成される装着用環状溝12fに取り付けられる。
環状部材25が圧入固定される肩部12cの外周面は、第1C形止め輪24が取り付けられる肩部12cの外周面よりも小径に形成されているので、環状部材25が、肩部12cの段差部分に突き当たるまで圧入されることで、所定の軸方向幅の装着用環状溝12fが形成される。
従って、第1シール部材21を環状部材25の円筒部25aに外嵌した状態で、装着用環状溝12fに第1C形止め輪24を装着することで、第1シール部材21が第1C形止め輪24と環状部材25の鍔部25bの軸方向壁面との間に挟持されて固定される。また、第1シール部材21には、環状部材25の外周面と接触する接触面が弾性シール部材23の内周部分23cによって構成されるので、第1シール部材21と環状部材25との接触面でのシール性が向上している。
なお、装着用環状溝12fより軸方向内側の肩部12cの外周面は、第1シール部材21を取り外すことができるように、環状部材25の円筒部25aの外周面の外径寸法以下に設定されている。
装着用環状溝12fに装着された内輪側の第1C形止め輪24は、該止め輪24に空気圧が作用して第1シール部材21が傾かない程度の外径を有していればよく、本実施形態では、鍔部25bの外周面と略同一外径を有している。これは、第1シール部材21が傾いてしまうと、圧延水が軸受内部に浸入し、潤滑不良を引き起こす。この結果、転がり軸受10に剥離やロック状態が発生し、圧延機を停止させてしまう可能性があるためである。
図4に示すように、第1C形止め輪24は、両端部24a,24aの間に開口部24bを有し、両端部24a,24aに軸方向に突出した突出部24c,24cを有する。また、両端部24a,24aは、残りの円弧部分24dの内径より大きな内径を有して、円弧部分24dの径方向厚さに対して薄肉に形成されている。
このため、第1C形止め輪24が装着用環状溝12fに装着された状態では、両端部24a,24aは、環状溝12fの外径側開口に嵌まることなく、該開口よりも径方向外側に位置し、突出部24c,24cは、環状溝12fに対して軸方向内側にずれて配置されている。
また、図3に戻って、外輪14の内周面には、外輪軌道面14aより軸方向外側を拡径することで形成された段差部14bと、段差部14bの内周面14cよりさらに大径で、第2C形止め輪33が装着される装着用環状溝14dとが形成されている。従って、第2シール部材30を段差部14bの内周面14cの軸方向内側端部に、締め代を有して内嵌することによって位置決めした状態で、装着用環状溝14dに第2C形止め輪33を装着することで、第2シール部材30が外輪14に固定される。第2シール部材30においても、外輪14の内周面と接触する接触面が弾性シール部材32の外周部分32aによって構成されるので、第2シール部材30と外輪14の内周面との接触面でのシール性が向上している。
図5に示すように、第2C形止め輪33は、両端部33a,33aの間に開口部33bを有し、両端部33a,33aに軸方向に突出した突出部33c,33cを有する。また、両端部33a,33aは、残りの円弧部分33dの外径より小さな外径を有して、円弧部分33dの径方向厚さに対して薄肉に形成されている。
このため、第2C形止め輪33が装着用環状溝14dに装着された状態では、両端部33a,33aは、環状溝14dの内径側開口に嵌まることなく、該開口よりも径方向内側に位置し、突出部33c,33cは、環状溝14dに対して軸方向外側にずれて配置されている。
ここで、バッキングロールを圧延機から取り外して、外輪14の外周面をリグラインドする際に、転がり軸受10を洗浄するため分割する工程について説明する。
図6(a)に示すように、まず、バッキングロール軸5から取り外された転がり軸受10は、一対の内輪部材12,12を第1シール部材21及び第1C形止め輪24が取り付けられた状態のまま軸方向に分解する。そして、図6(b)に示すように、分解した内輪部材12は、第1C形止め輪24の軸方向に突出する突出部24cにマイナスドライバー等の工具Tを引っ掛ける(図7参照。)ことで、内輪部材12の装着用環状溝12fから第1C形止め輪24を取り外す。その後、第1シール部材21は、内輪部材12から取り外される。
また、図6(c)に示すように、円筒ころ16及び保持器18が取り付けられた状態の外輪14では、第2C形止め輪33の軸方向に突出する突出部33cに工具Tを引っ掛ける(図8参照。)ことで、外輪14の装着用環状溝14dから第2C形止め輪33を取り外す。その後、第2シール部材30が外輪14から取り外される。また、外輪14から円筒ころ16及び保持器18を順に外す。
その後、外輪14のリグラインドや、転がり軸受10の各構成部品の洗浄が行われた後は、上記工程と逆の順番で組み立てていけばよい。即ち、第2シール部材30は、第2C形止め輪33を環状溝14dに嵌めることで再度取り付け固定することができ、第1シール部材21は第1C形止め輪24を環状溝12fに嵌めることで再度取り付け固定することができる。
ここで、内輪部材12では、圧入固定された環状部材25が肩部12cの外周面から径方向外側に突出しており、洗浄のための搬送中などに他の部品と衝突する可能性があるが、環状部材25は内輪部材12とは別体の部品であり、また、硬さも低いことから、衝撃が加わった場合でも、損傷を抑制することができる。
ここで、本実施形態では、第1シール部材21と環状部材25の円筒部25aとの締め代を、第1シール部材21の内径で除した値は、0.00026〜0.00127となるように設定されている。このように設定することにより、第1シール部材21を手動で着脱することが容易となる。さらに、第1シール部材21のリップ23aが第2シール部材30と摺接することによって、第1シール部材21にトルクが生じた場合であっても、第1シール部材21と環状部材25(内輪11)とが滑ってしまい、第1シール部材21が第2シール部材30(外輪14)と共回りしてしまうことを防止することが可能である。
例えば、第1シール部材21と円筒部25aとの締め代を0.07〜0.27mmとし、第1シール部材21の内径を213〜262mmとすることが望ましい。
また、第2シール部材30と段差部14bの内周面14cとの締め代を、前記第2シール部材の外径で除した値が、0.00020〜0.00097となるように設定されている。このように設定することにより、第2シール部材30を手動で着脱することが容易となる。
例えば、第2シール部材30と段差部14bの内周面14cとの締め代を0.07〜0.27mmとし、第2シール部材30の外径を279〜341mmとすることが望ましい。
(着脱性判定試験)
次に、第1シール部材21と環状部材25の円筒部25aとの締め代を変更して、第1シール部材21の着脱性を確認した。第1シール部材21を環状部材25の円筒部25aに手動で装着することにより、着脱性を判定した結果を以下の表1に示す。なお、当該試験における第1シール部材21の内径は237.75mmであった。
Figure 2015161335
このように、第1シール部材21と環状部材25の円筒部25aとの締め代が0.27mm以下であれば、第1シール部材を手動で着脱することが可能であることが明らかとなった。
(共回り判定試験)
続いて、第1シール部材21と環状部材25の円筒部25aとの締め代を変更して、当該締め代がどのような範囲であれば、第1シール部材21が第2シール部材30(外輪14)と共回りしてしまうことを防止することが可能であるか試験した。
先ず、図9に示すように、内周面の軸方向外側端部に凹部41が形成されたスリーブ40を第1シール部材21の外周側に配置し、第1シール部材21の外周部をスリーブ40の凹部41に位置決めする。その後、径方向幅がスリーブ40と略等しい環状の押圧板42を、スリーブ40の軸方向外端面に押圧することにより、第1シール部材21をスリーブ40と押圧板42との間に挟持し、当該第1シール部材21が回転しないようにする。
内輪11には、荷重測定装置43が接続されており、内輪11の回転方向へのトルクが測定可能とされている。図10に示すように、荷重測定装置43は、内輪11の軸方向外側面に取付けられ、径方向に延びる六角レンチ44と、六角レンチ44の一端に接続して、引張力Fを付加可能であるとともに、引張力Fの大きさを測定可能なプッシュプルゲージ45と、を有している。
表2に、第1シール部材21と環状部材25の円筒部25aとの締め代を変更して、内輪11及び環状部材25と、第1シール部材21とが滑り出すときの、引張力F(共回りトルク)を示した。
Figure 2015161335
この結果より、第1シール部材21と環状部材25の円筒部25aとの締め代が0.07mmである場合、内輪11に10N・m以上のトルクが生じたときに、締め代が0.15mmである場合、内輪11に13N・m以上のトルクが生じたときに、内輪11及び環状部材25と、第1シール部材21とが滑り出し、第1シール部材21が第2シール部材30(外輪14)と共回りしてしまうことがわかる。
次に、図11に示すように、他のスリーブ46を第1シール部材21の軸方向内側に配置し、第1シール部材21のリップ23aをスリーブ46の軸方向外側面に当接させる。このとき、リップ23aとスリーブ46の接触状態は、リップ23aと第2シール部材30との接触状態(図3参照。)と略等しくなるように設定される。
表3に、スリーブ46を回転させ、スリーブ46と、内輪11、環状部材25及び第1シール部材21とが、滑り出すときの、内輪11に生じる引張力F(外部トルク)を示した。なお、この外部トルクは、第1シール部材21のリップ23aが、スリーブ46と摺動することに起因して生じるものである。
Figure 2015161335
第1シール部材21と環状部材25の円筒部25aとの締め代を変更した場合であっても、外部トルクは2.5N・mで変わらなかった。したがって、表2の結果も考慮すると、上記締め代が0.07mmの場合であっても、共回りトルクが外部トルクよりも大きいので、第1シール部材21が第2シール部材30(外輪14)と共回りしないことが明らかとなった。
以上の結果より、第1シール部材21の手動での着脱と、第1シール部材21の共回りを防止するためには、第1シール部材21と円筒部25aとの締め代を0.07〜0.27mmとすることが望ましいことが明らかとなった。
なお、実機相当の使用条件において、第1シール部材21と円筒部25aとの締め代を0.07〜0.27mmとして、第1シール部材21の着脱を繰り返し、弾性シール部材23のヘタリにより共回りがないかについても検証し、問題ないことを確認した。
なお、当該試験における第1シール部材21の内径は237.75mmであったが、10%程度の差異、すなわち、213〜262mmの範囲で第1シール部材21の内径を設定すれば、同様の効果を奏するものと考えられる。
また、第1シール部材21と円筒部25aとの締め代と、第1シール部材21の内径の好適な範囲は、上記範囲に限定されず、同等の比率であれば、同様の効果を奏するものと考えられる。すなわち、第1シール部材21と環状部材25の円筒部25aとの締め代を、第1シール部材21の内径で除した値を、0.00026〜0.00127となるように設定すればよい。
また、第1シール部材21についての上記試験結果は、第2シール部材30に対しても適用可能であると考えられ、第2シール部材30と段差部14bの内周面14cとの締め代を0.07〜0.27mmとすることが望ましい。
なお、実機相当の使用条件において、第2シール部材30と段差部14bの内周面14cとの締め代を0.07〜0.27mmとして、第2シール部材30の着脱を繰り返し、着脱を確実に行うことが可能であり、問題ないことを確認した。このときの第2シール部材30の外径は310mmであったが、10%程度の差異、すなわち、279〜341mmの範囲で第2シール部材30の外径を設定すれば、同様の効果を奏するものと考えられる。
また、第2シール部材30と段差部14bの内周面14cとの締め代と、第2シール部材30の外径の好適な範囲は、上記範囲に限定されず、同等の比率であれば、同様の効果を奏するものと考えられる。すなわち、第1シール部材21と環状部材25の円筒部25aとの締め代を、第1シール部材21の内径で除した値を、0.00026〜0.00127となるように設定すればよい。また、第2シール部材30と段差部14bの内周面14cとの締め代を、第2シール部材30の外径で除した値を、0.00020〜0.00097となるように設定すればよい。
また、第1シール部材21の芯金22の位置決め端部22bと、環状部材25の鍔部25bとは、径方向に3mm以上オーバーラップすることが望ましい。芯金22と環状部材25の鍔部25bとが最低でも径方向に3mm以上オーバーラップしていれば、第1シール部材21の固定をより安定させることができる。
なお、本実施形態では、環状部材25が内輪部材12の肩部12cの外周面に圧入固定された際に、内輪部材12の内径が縮小する虞がある。したがって、内輪部材12の内径寸法精度を確保するため、環状部材25を内輪部材12に圧入した後に、内輪部材12の内周面に対して研磨仕上げを行うことが望ましい。このような、環状部材25の圧入固定は、軸受幅が比較的狭い場合に好適である。
また、上述の実施形態においては、内輪部材12とは別体に形成された環状部材25が、内輪部材12の肩部12cの外周面に圧入固定される構成であったが、環状部材25に相当する部分(環状部分)を、内輪部材12と一体として形成しても構わない。特に、軸受幅が比較的広い場合には、環状部分の軸方向幅を広く取れるため、熱処理後の割れや欠けの発生が防止でき、内輪部材12に上記のような環状部分を容易に形成することが可能である。この場合、当該環状部分や装着用環状溝12fは、内輪部材12を直接加工することにより形成される。
(変形例)
また、図12に示すように、環状部材25の円筒部25aの外周面に、複数の外周スプライン歯25cを形成し、第1シール部材21の弾性シール部材23の内周面に、複数の内周スプライン歯23dを形成してもよい。この場合、複数の外周スプライン歯25c及び内周スプライン歯23dが噛合し、弾性シール部材23が円筒部25aにスプライン嵌合する。
このような構成によれば、弾性シール部材23と円筒部25aとの締め代を、比較的小さくして、第1シール部材21の着脱を容易とした場合であっても、共回りトルクを増加させて、第1シール部材21と環状部材25(内輪11)とが滑ることを抑制可能であるため、第1シール部材21が第2シール部材30(外輪14)と共回りしてしまうことを防止することが可能である。すなわち、上述の実施形態のように、必ずしも、第1シール部材21と環状部材25の円筒部25aとの締め代を、第1シール部材21の内径で除した値を、0.00026〜0.00127となるように設定しなくても構わない。
(第2実施形態)
図13は、本発明の第2実施形態に係る外輪回転形転がり軸受10aを示している。なお、本実施形態は、第1シール部材21の構成や、環状部材25及び第1C形止め輪24が設けられない点、ロックナット26及びスリンガー27が設けられる点において、第1実施形態のものと異なる。
本実施形態の第1シール部材21は、弾性シール部材23が、芯金22の軸方向内側面を覆うと共に、円板部22aの外周面を覆うように形成される。なお、第1実施形態と異なり、位置決め端部22bの軸方向内側面及び内周面は、弾性シール部材23によって覆われない。
内輪部材12の肩部12cは、軸方向内側から順に第1凸部12g、第1凹部12h、第2凸部12i、第2凹部12jが形成された凹凸形状とされている。ここで、外径は、第1凸部12g、第2凸部12i、第1凹部12h、第2凹部12jの順に小さくなるように設定されている。
第1凹部12hには、第1シール部材固定用部材としてのスリンガー27が取付けられている。スリンガー27は、環状の芯金27a(金属部材)と、芯金27aの軸方向外端面及び外周面を覆う弾性シール部材27bと、を有する。
第2凸部12iの外周面には、雄ネジ部が設けられており、第1シール部材21の芯金22の内周面に設けられた雌ネジ部が螺合する。したがって、第1シール部材21は、スリンガー27の弾性シール部材27bと当接するまで、第2凸部12iに螺合することによって、位置決めが行われる。
また、第2凹部12jの外周面にも、同様に雄ネジ部が設けられており、ロックナット26(ナット部材)の内周面に設けられた雌ねじ部が螺合する。
従って、第1シール部材21を第2凸部12iに螺合した状態で、ロックナット26を第2凹部12jに螺合することで、第1シール部材21がスリンガー27とロックナット26との間に挟持されて固定される。また、スリンガー27には、第1シール部材21や第2凸部12i、及び第1シール部材21と第2凸部12iとの螺合部との接触面が弾性シール部材23の内周部分23cによって構成されるので、シール性が向上している。
このように、ロックナット26及び第1シール部材21が、内輪11の肩部12cの外周面に螺合しているので、ロックナット26及び第1シール部材21の着脱を容易に行うことが可能である。さらに、第1シール部材21と内輪11とが螺合するので、第1シール部材21と内輪11とが滑り難くなり、第1シール部材21が第2シール部材30(外輪14)と共回りしてしまうことを防止することが可能である。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。また、上述した各実施形態は、実施可能な範囲において組み合わせて適用可能である。
本発明の外輪回転形転がり軸受は、本実施形態では、複列の転がり軸受としたが、単列や軸方向に3列または4列の多列の転がり軸受であってもよい。また、本実施形態では、転動体を円筒ころとした円筒ころ軸受を用いて説明したが、転動体を円錐ころとした円錐ころ軸受や玉とした玉軸受等、任意の転がり軸受に適用できる。
また、本発明の転がり軸受は、本実施形態では、外輪が回転、内輪が静止状態で、外輪が直接ロールとして使用される多段圧延機のバッキングロール部に適用されているが、鉄鋼設備・多段圧延機に使用される各種の転がり軸受に適用できる。本発明は、他に一般産業(製紙工場、発電プラント(風力、火力)等や、車両(鉄道、建設機械、運搬機械)などに使用される全ての転がり軸受に対して適用可能である。
10 外輪回転形転がり軸受
11 内輪
12 内輪部材
12a 内輪軌道面
12b 軸受溝
12c 肩部
12d 段差部
12f 装着用環状溝
12g 第1凸部
12h 第1凹部
12i 第2凸部
12j 第2凹部
14 外輪
14a 外輪軌道面
14b 段差部
14c 内周面
14d 装着用環状溝(環状溝)
16 転動体
18 保持器
20 シール装置
21 第1シール部材
22 芯金(金属部材)
22a 円板部
22b 位置決め端部
23 弾性シール部材
23a リップ
23c 内周部分
23d 内周スプライン歯
24 第1C形止め輪(第1シール部材固定用部材)
25 環状部材(環状部分)
25a 円筒部
25b 鍔部
25c 外周スプライン歯
26 ロックナット(ナット部材)
27 スリンガー(第1シール部材固定用部材)
27a 芯金(金属部材)
27b 弾性シール部材
30 第2シール部材
31 芯金
32 弾性シール部材
33 第2C形止め輪(第2シール部材固定用部材)

Claims (9)

  1. 外周面に内輪軌道面を有する内輪と、
    内周面に外輪軌道面を有する外輪と、
    前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配置された複数の転動体と、
    前記内輪に取り付けられる第1シール部材、及び前記外輪に取り付けられる第2シール部材を有し、前記第1シール部材に設けられた弾性シール部材が、前記第2シール部材と摺接するシール装置と、
    を備え、外輪回転で使用される外輪回転形転がり軸受であって、
    前記内輪の肩部には、
    該肩部の軸方向外端部に形成される環状部分と、
    前記環状部分よりも軸方向内側で、前記肩部に取り外し可能に取り付けられ、前記環状部分と協働して前記第1シール部材を挟持して固定可能な第1シール部材固定用部材と、
    が設けられ、
    前記環状部分は、前記肩部の軸方向外端部における外周面に形成され、
    前記環状部分は、前記第1シール部材が締め代を有して外嵌する円筒部と、該円筒部よりも軸方向外側で、該円筒部よりも径方向外側に延出する鍔部と、を有し、
    前記第1シール部材固定用部材は、前記肩部に形成された段差部と、前記円筒部の軸方向内端面とで形成される装着用環状溝に取り付けられ、
    前記第1シール部材と前記円筒部との締め代を、前記第1シール部材の内径で除した値が、0.00026〜0.00127であることを特徴とする外輪回転形転がり軸受。
  2. 前記第1シール部材と前記円筒部の締め代との締め代は、0.07〜0.27mmであり、
    前記第1シール部材の内径は、213〜262mmであることを特徴とする請求項1に記載の外輪回転形転がり軸受。
  3. 前記環状部分は、前記内輪とは別体に形成された環状部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の外輪回転形転がり軸受。
  4. 前記第1シール部材は、環状の金属部材の内周面に前記弾性シール部材を被覆して構成されており、
    前記金属部材と前記環状部分の鍔部とは、径方向に3mm以上オーバーラップすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の外輪回転形転がり軸受。
  5. 外周面に内輪軌道面を有する内輪と、
    内周面に外輪軌道面を有する外輪と、
    前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配置された複数の転動体と、
    前記内輪に取り付けられる第1シール部材、及び前記外輪に取り付けられる第2シール部材を有し、前記第1シール部材に設けられた弾性シール部材が、前記第2シール部材と摺接するシール装置と、
    を備え、外輪回転で使用される外輪回転形転がり軸受であって、
    前記内輪の肩部には、
    該肩部の軸方向外端部に形成される環状部分と、
    前記環状部分よりも軸方向内側で、前記肩部に取り外し可能に取り付けられ、前記環状部分と協働して前記第1シール部材を挟持して固定可能な第1シール部材固定用部材と、
    が設けられ、
    前記環状部分は、前記肩部の軸方向外端部における外周面に形成され、
    前記環状部分は、前記第1シール部材が締め代を有して外嵌する円筒部と、該円筒部よりも軸方向外側で、該円筒部よりも径方向外側に延出する鍔部と、を有し、
    前記第1シール部材固定用部材は、前記肩部に形成された段差部と、前記円筒部の軸方向内端面とで形成される装着用環状溝に取り付けられ、
    前記第1シール部材は、環状の金属部材の内周面に前記弾性シール部材を被覆して構成されており、
    前記弾性シール部材が前記円筒部にスプライン嵌合することを特徴とする外輪回転形転がり軸受。
  6. 外周面に内輪軌道面を有する内輪と、
    内周面に外輪軌道面を有する外輪と、
    前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配置された複数の転動体と、
    前記内輪に取り付けられる第1シール部材、及び前記外輪に取り付けられる第2シール部材を有し、前記第1シール部材に設けられた弾性シール部材が、前記第2シール部材と摺接するシール装置と、
    を備え、外輪回転で使用される外輪回転形転がり軸受であって、
    前記内輪の肩部には、
    該肩部の軸方向外端部に固定されるナット部材と、
    前記ナット部材よりも軸方向内側で、前記肩部に取り付けられ、前記ナット部材と協働して前記第1シール部材を挟持して固定可能な第1シール部材固定用部材と、
    が設けられ、
    前記ナット部材及び前記第1シール部材は、前記肩部の軸方向外端部における外周面に螺合され、
    前記第1シール部材固定用部材は、環状の金属部材と、前記環状の金属部材の軸方向外端面を覆い、前記第1シール部材と当接する弾性シール部材と、を有することを特徴とする外輪回転形転がり軸受。
  7. 外周面に内輪軌道面を有する内輪と、
    内周面に外輪軌道面を有する外輪と、
    前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配置された複数の転動体と、
    前記内輪に取り付けられる第1シール部材、及び前記外輪に取り付けられる第2シール部材を有し、前記第1シール部材に設けられた弾性シール部材が、前記第2シール部材と摺接するシール装置と、
    を備え、外輪回転で使用される外輪回転形転がり軸受であって、
    前記外輪の内周面は、前記外輪軌道面より軸方向外側を拡径することで形成された段差部と、前記段差部の内周面に形成された環状溝と、を有し、
    前記第2シール部材を前記段差部の内周面の軸方向内側端部に、締め代を有して内嵌し、前記環状溝に第2シール部材固定用部材を装着することで、前記第2シール部材は前記外輪に固定され、
    前記第2シール部材と前記段差部の内周面との締め代を、前記第2シール部材の外径で除した値が、0.00020〜0.00097であることを特徴とする外輪回転形転がり軸受。
  8. 前記第2シール部材と前記段差部の内周面との締め代は、0.07〜0.27mmであり、
    前記第2シール部材の外径は、279〜341mmであることを特徴とする請求項7に記載の外輪回転形転がり軸受。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の外輪回転形転がり軸受を有するバッキングロールを備えることを特徴とする圧延機。
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