JP2015161045A - フィブリル形成性複合繊維および繊維集合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】紡糸性が良好であり、かつフィブリル形成能の高いフィブリル形成性複合繊維を提供する。
【解決手段】芯鞘型複合繊維の鞘成分を、熱可塑性樹脂(A)50質量%以上と酸変性ポリオレフィン(B)とを含むように構成し、芯成分を、熱可塑性樹脂(C)を50質量%以上含むように構成し、かつ熱可塑性樹脂(A)および酸変性ポリオレフィン(B)を、それらが互いに非相溶となるように選択し、かつ熱可塑性樹脂(C)を、熱可塑性樹脂(A)と非相溶となるように選択して、芯鞘型複合繊維を構成する。
【選択図】図1B

Description

本発明は紡糸性が良好であり、かつフィブリル形成能の高いフィブリル形成性複合繊維、および当該繊維を含む繊維集合物に関する。
繊維の一部が分割して、より細い繊度の繊維(フィブリル)を与えるフィブリル形成性複合繊維として、2以上の成分からなる分割型複合繊維が広く用いられている。分割型複合繊維は、繊維断面において構成成分のうち少なくとも1成分が2個以上に区分されてなり、構成成分の少なくとも一部が繊維表面に露出し、その露出部分が繊維の長さ方向に連続的に形成されている繊維断面構造を有する。分割型複合繊維は、例えば、楔形のセクションが菊花状に並べられた繊維断面構造を有する。
また、フィブリル形成性複合繊維として、特許文献1には、芯部が低融点のエチレン共重合体であり、鞘部が脂肪族ポリエステルとポリオレフィンからなる芯鞘型複合繊維であり、鞘部がフィブリル化する複合繊維が開示されている。さらに、特許文献2および3には、特許文献1に類似する構成の複合繊維が開示されている。具体的には、特許文献2には、芯成分がポリプロピレン、鞘成分がポリエステルである芯鞘型複合繊維が開示されている。特許文献3には、芯成分がポリエステル、鞘成分が酸変性ポリオレフィンを混合分散させたポリエステルである芯鞘型複合繊維が開示されている(実施例6)。
特開2010−275676号公報 特開2012−193483号公報 特開2007−070798号公報
公知の分割型複合繊維により形成されるフィブリルは、分割型複合繊維が各セクションに分割することにより形成されるものであり、その繊度は1つのセクションの寸法によって決定される。そのため、分割型複合繊維から得られるフィブリルの繊度を小さくすることには限界がある。セクションの寸法を小さくして、複合紡糸することが困難であることによる。
特許文献1に記載された複合繊維は、芯鞘型複合繊維の鞘部を脂肪族ポリエステルとポリオレフィンで構成し、二種類の樹脂を分割(剥離)させて、各樹脂からなるフィブリルを得ようとするものである。脂肪族ポリエステルとポリオレフィンとの間の相溶性が小さいために、特許文献1に記載の繊維は紡糸性が悪く、紡糸中に糸切れが発生することがある。また、各樹脂から成るフィブリルを形成するためには、二種類の異なる樹脂はそれぞれ所定量以上となるように用いる必要がある。その結果、鞘部を構成する各樹脂が繊維全体の物性に及ぼす影響を無視できないことがあり、製品の用途が限定されることがあった。特許文献2および3は、フィブリル形成を目的とするものではなく、実際にいずれもフィブリルを形成しない、または形成しにくいものである。
本発明は、比較的小さい繊度のフィブリル繊維を与えることができ、かつ紡糸性の良好なフィブリル形成性複合繊維を提供することを目的とする。
本発明は、
鞘成分と芯成分とからなる、フィブリル形成性を有する芯鞘型複合繊維であって、
鞘成分は、熱可塑性樹脂(A)50質量%以上と、酸変性ポリオレフィン(B)とを含み、
芯成分は、熱可塑性樹脂(C)を50質量%以上含み、
前記熱可塑性樹脂(A)と前記酸変性ポリオレフィン(B)とは非相溶であり、
前記熱可塑性樹脂(A)と前記熱可塑性樹脂(C)とは非相溶である
芯鞘型複合繊維を提供する。
本発明はまた、前記本発明の芯鞘型複合繊維を20質量%以上含み、芯鞘型複合繊維の鞘成分が分割して形成されたフィブリルを有する、繊維集合物を提供する。
本発明の芯鞘型複合繊維は、特定の熱可塑性樹脂の組み合わせを鞘成分として用い、当該鞘成分に含まれる主成分と相溶しない熱可塑性樹脂を芯成分として用いることにより、紡糸性が良好であるにも拘わらず、繊維集合物においてフィブリルを容易に形成できる。したがって、本発明の芯鞘型複合繊維は、例えば、布団および防寒ジャケットなどの中綿、セメント補強用繊維、起毛シート、ならびに不織布などの用途に好適に利用できる。また、本発明の芯鞘型複合繊維は、芯成分が太い繊度の繊維を与え、鞘成分が様々な太さのフィブリルを与えて、あたかも羽毛のような形態を有することができるので、布団および防寒ジャケットなどの中綿として、特に有用である。
実施例1の不織布表面を100倍で撮影した電子顕微鏡写真である。 実施例1の不織布表面を200倍で撮影した電子顕微鏡写真である。 比較例1の不織布表面を100倍で撮影した電子顕微鏡写真である。 比較例1の不織布表面を200倍で撮影した電子顕微鏡写真である。
本発明のフィブリル形成性芯鞘型複合繊維(本明細書において、単に「複合繊維」とも呼ぶ)は、鞘成分が、熱可塑性樹脂(A)50質量%以上と、酸変性ポリオレフィン(B)とを含み、芯成分が、熱可塑性樹脂(C)を50質量%以上含み、熱可塑性樹脂(A)と酸変性ポリオレフィン(B)とは非相溶であり、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(C)とは非相溶である芯鞘型複合繊維である。以下に鞘成分および芯成分を構成する各熱可塑性樹脂について説明する。
[熱可塑性樹脂(A)]
熱可塑性樹脂(A)は、鞘成分の50質量%以上を構成する、鞘成分の主成分である。本発明の複合繊維において、鞘成分はフィブリルを形成する部分となるので、熱可塑性樹脂(A)は、用途等に応じてフィブリルにしたい樹脂となるように選択され、酸変性ポリオレフィン(B)および熱可塑性樹脂(C)と非相溶である限りにおいて、特に限定されない。後述するように、本発明においては、熱可塑性樹脂(A)と酸変性ポリオレフィン(B)とが非相溶であり、かつ熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(C)とが非相溶であることによって、良好なフィブリル形成能が得られる。
2つの樹脂が非相溶であるとは、2つの樹脂のヒルデブランドの溶解度パラメータの値の差(絶対値)が1.5を超えることを指す。2つの樹脂のヒルデブランドの溶解度パラメータの差が小さい程、樹脂同士は互いに対して溶解しやすい傾向にある。
下記表1に一部の樹脂のヒルデブランドの溶解度パラメータの値を示す。
例えば、熱可塑性樹脂(A)は、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の芳香族ポリエステル樹脂;ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル樹脂;ナイロン6、ナイロン12およびナイロン66等のポリアミド系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリオキシメチレン(ポリアセタール)樹脂;ポリケトン樹脂;ポリスチレン樹脂ならびにアクリル系樹脂から、1または複数の樹脂を選択して使用してよい。これらの樹脂を用いる場合には、ヒルデブランドの溶解度パラメータ値によらず、後で例示する酸変性ポリオレフィン(B)と組み合わされたときに、フィブリル形成能の高い繊維を与えやすい。
熱可塑性樹脂(A)は、好ましくは芳香族ポリエステル樹脂である。芳香族ポリエステル樹脂は、酸変性ポリオレフィン(B)と組み合わされることにより、良好なフィブリル形成性を複合繊維に与えるからである。芳香族ポリエステル樹脂は変性されたものであってよく、例えば染色性を向上させるためにスルホン基等の官能基が導入されたものが好ましい。スルホン基等の官能基が導入された芳香族ポリエステル樹脂は、樹脂の結晶配向に影響を及ぼすことがあり、一般に樹脂の結晶配向を阻害しやすい。そのため、スルホン基等を導入した芳香族ポリエステル樹脂を用いると、酸変性ポリオレフィン(B)を添加することによって鞘成分がより脆くなり、鞘成分のフィブリル化がより促進されることがある。
熱可塑性樹脂(A)は、主成分として鞘成分の50質量%以上、好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上を占める。熱可塑性樹脂(A)の割合が50質量%未満であると、酸変性ポリオレフィン(B)が鞘成分に占める割合が大きくなり、繊維化の際に鞘成分が結晶化しにくくなる。また、熱可塑性樹脂(A)は、芯成分の主成分である熱可塑性樹脂(C)との非相溶を確保するものであるから、これの占める割合が小さくなると、芯成分と鞘成分とが強く接着されて、良好なフィブリル形成性を確保できないことがある。この割合で熱可塑性樹脂(A)が含まれる限りにおいて、鞘成分は他の熱可塑性樹脂、例えば、熱可塑性樹脂(C)と相溶する樹脂を含んでよい。また、鞘成分は、必要に応じて、公知の添加剤、例えば親水化剤、帯電防止剤等を含んでよい。
後述するように、本発明の複合繊維においては、酸変性ポリオレフィン(B)の割合を小さくしても、鞘成分のフィブリル形成能を高くできるため、鞘成分のほとんど(例えば95質量%〜99質量%)を熱可塑性樹脂(A)とすることもできる。それにより、本発明によれば、熱可塑性樹脂(A)の占める割合が極めて大きいフィブリルを形成することができる
[酸変性ポリオレフィン(B)]
酸変性ポリオレフィン(B)は、熱可塑性樹脂(A)の結晶化を阻害して、鞘成分に力が加わったときに鞘成分が分割しやすくなり、フィブリルが形成されやすくなるようにすると推察される。より具体的には、酸変性ポリオレフィン(B)は、熱可塑性樹脂(A)の結晶が一方向に配向することを阻害して、鞘成分を脆くし、それによりフィブリル形成能を向上させていると考えられる。
酸変性ポリオレフィン(B)は、交互共重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体、又はグラフト共重合体であってよく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン化合物共重合体(EPDMなど)、エチレン−芳香族モノビニル化合物−共役ジエン化合物共重合ゴムなどのポリオレフィンを、例えば、マレイン酸または無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸を用いてグラフト共重合し、変性したものである。変性のため使用される不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基及び必要に応じてヒドロキシル基やアミノ基などの官能基が導入された重合性二重結合を有する化合物が挙げられる。
不飽和カルボン酸の誘導体としては、これらの酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩などがあり、その具体例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸モノアミド、マレイミド、N−ブチルマレイミド、メタクリル酸ナトリウムなどを挙げることができる。好ましくは無水マレイン酸である。
酸変性ポリオレフィン(B)は、酸変性ポリオレフィン系樹脂と酸変性されていないポリオレフィン系樹脂とを含む組成物として、鞘成分に含まれていることが好ましい。そのような組成物は一般に組成物の形態でない酸変性ポリオレフィン系樹脂と比較して、熱可塑性樹脂(A)と混合させやすい。また、そのような組成物を用いる場合には、酸変性ポリオレフィン系樹脂が鞘成分中に均一に分散しやすい。すなわち、酸変性ポリオレフィンは、組成物でない形態、酸変性ポリオレフィン系樹脂と酸変性されていないポリオレフィン系樹脂とを含む組成物の形態、または酸変性ポリオレフィン系樹脂と他の樹脂または成分とを含む組成物のうち、いずれの形態で鞘成分に含まれてもよい。
酸変性ポリオレフィン(B)が酸変性ポリオレフィン系樹脂と酸変性されていないポリオレフィン系樹脂とを含む組成物である場合、酸変性ポリオレフィン(B)は、酸変性ポリオレフィン系樹脂を0.1質量%〜80質量%含む組成物であることが好ましく、酸変性ポリオレフィン系樹脂を0.3質量%〜50質量%含む組成物であることがより好ましく、0.5質量%〜10質量%含む組成物であることがさらに好ましい。
酸変性ポリオレフィン(B)が酸変性ポリオレフィン系樹脂と酸変性されていないポリオレフィン系樹脂とを含む組成物である場合、酸変性されていないポリオレフィン系樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体等、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、およびエチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等である。酸変性ポリオレフィン系樹脂のポリオレフィン系樹脂(酸変性の対象となるポリオレフィン系樹脂と、酸変性されていないポリオレフィン系樹脂は同じであってよい。例えば、酸変性ポリプロピレンと酸変性されていないポリプロピレンを含む組成物を酸変性ポリオレフィン(B)として用いてよい。あるいは、酸変性されたポリオレフィン系樹脂と、酸変性されていないポリオレフィン系樹脂とは異なっていてよい。
酸変性ポリオレフィン(組成物の場合は、組成物全体)の酸価度は、特に限定されないが、好ましくは1〜200であり、より好ましくは5〜40であり、さらに好ましくは6〜25である。酸価度が5以上であると、上記フィブリル形成能を向上させる効果を得やすい。酸価度が40以下であると、酸変性官能基に起因して、樹脂が吸湿しやすくなることがないので、酸変性ポリオレフィン系樹脂を紡糸前に乾燥させる工程が必要になることがなく、或いは、紡糸時に水分が蒸発して発泡したりすることがない。
鞘成分の酸価度は、特に限定されないが、好ましくは0.3〜1.5であり、より好ましくは0.4〜1.0である。鞘成分の酸価度が0.3以上であると、芯成分との接着性が向上することに起因して、紡糸中に芯鞘剥離することが少なく又はなく、紡糸しやすい。鞘成分の酸価度が1.5以下であると、鞘成分と芯成分との接着性が向上しすぎることがなく、フィブリルを発現しやすい繊維が得られる。
本発明において、酸変性ポリオレフィン(B)は、マレイン酸変性ポリプロピレンであることが好ましい。特に、マレイン酸変性ポリプロピレンは、熱可塑性樹脂(A)が芳香族ポリエステル樹脂(特にポリエチレンテレフタレート)であるときに、鞘成分のフィブリル化を促進する。
酸変性ポリオレフィン(B)は、鞘成分の50質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%未満を占める。なお、下限は0.01質量%である。酸変性ポリオレフィン(B)の割合が大きすぎると、繊維化に際して、鞘成分が結晶化しにくく、紡糸性が低下する。また、熱可塑性樹脂成分(A)の割合が小さくなると、芯成分と鞘成分とが強く接着されて、良好なフィブリル形成性を確保できないことがある。本発明の複合繊維においては、酸変性ポリオレフィン(B)の割合が小さくても鞘成分のフィブリル形成能を高くでき、酸変性ポリオレフィン(B)の割合は、例えば1質量%以上7質量%以下であってよい。酸変性ポリオレフィン(B)として組成物でない酸変性ポリオレフィン系樹脂を用いる場合には、酸変性ポリオレフィン(B)の割合を、1質量%以下とすることもでき、例えば、0.05質量%以上0.5質量%以下とすることもできる。
[熱可塑性樹脂(C)]
熱可塑性樹脂(C)は、芯成分の50質量%以上を構成する、芯成分の主成分である。本発明の複合繊維において、芯成分は、鞘成分の分割によりフィブリルが形成された後、太繊度の繊維を構成するものとなる。熱可塑性樹脂(C)は、用途等に応じて選択され、熱可塑性樹脂(A)と非相溶である限りにおいて、特に限定されない。非相溶の意味は熱可塑性樹脂(A)に関連して説明したとおりである。
例えば、熱可塑性樹脂(C)は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体等、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、およびエチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の芳香族ポリエステル樹脂;ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル樹脂;ナイロン6およびナイロン66等のポリアミド系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリオキシメチレン(ポリアセタール)樹脂;ポリケトン樹脂;ポリスチレン樹脂ならびにアクリル系樹脂から、1または複数の樹脂を選択して使用してよい。
熱可塑性樹脂(C)は、好ましくはポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系樹脂は、熱可塑性樹脂(A)が芳香族ポリエステル樹脂であるときに、熱可塑性樹脂(A)との相溶性が小さく、良好なフィブリル形成性を複合繊維に与えるからである。ポリオレフィン系樹脂を熱可塑性樹脂(C)として使用する場合は、ヒルデブランドの溶解度パラメータ値によらず、熱可塑性樹脂(A)および酸変性ポリオレフィン(B)として先に例示したものと組み合わされたときに、フィブリル形成能の高い繊維を与えやすい。また、熱可塑性樹脂(C)がポリオレフィン系樹脂であると、熱可塑性樹脂(C)と酸変性ポリオレフィン(B)との間で適度な相溶性があるために、溶融紡糸中に鞘成分が芯成分から剥離することが抑制され、複合繊維の紡糸性が良好となる。熱可塑性樹脂(C)がポリオレフィン系樹脂である場合、当該ポリオレフィン系樹脂は、酸変性ポリオレフィン(B)のポリオレフィン系樹脂(酸変性ポリオレフィン(B)が組成物である場合、酸変性ポリオレフィン系樹脂のポリオレフィン系樹脂および/または酸変性されていないポリオレフィン系樹脂)と同じであってもよく、あるいは異なっていてもよい。熱可塑性樹脂(C)と酸変性ポリオレフィンのポリオレフィン系樹脂が同じである場合には、溶融紡糸中の芯鞘剥離をより抑制できる。
熱可塑性樹脂(C)は、主成分として芯成分の50質量%以上、好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上を占める。上記のとおり、熱可塑性樹脂(C)は、鞘成分の主成分である熱可塑性樹脂(A)との非相溶を確保するものであるから、これの占める割合が小さくなると、芯成分と鞘成分とが強く接着されて、良好なフィブリル形成性を確保できないことがある。この割合で熱可塑性樹脂(C)が含まれる限りにおいて、芯成分は他の熱可塑性樹脂、例えば、熱可塑性樹脂(A)と相溶する樹脂を含んでよい。また、芯成分は、必要に応じて、公知の添加剤、例えば親水化剤、帯電防止剤等を含んでよい。
[芯鞘型複合繊維]
次に、本発明の芯鞘型複合繊維の構成等を説明する。
本発明の芯鞘型複合繊維は、熱可塑性樹脂(A)および酸変性ポリオレフィン(B)を含む鞘成分と、熱可塑性樹脂(C)を含む芯成分とからなる。鞘成分と芯成分の繊維断面における質量比は、20:80〜80:20(鞘:芯)であることが好ましく、30:70〜70:30(鞘:芯)であることがより好ましい。鞘成分の割合が小さすぎると、形成されるフィブリルの量が少なくなり、鞘成分の割合が大きすぎると、鞘成分が厚くなりすぎてフィブリルを形成しにくくなる。
芯鞘型複合繊維において、鞘成分は芯成分よりもその容積が少ないことが好ましく、例えば、容積比20:80〜49:51(鞘:芯)であることが好ましい。鞘成分の容積が芯成分の容積より少ないと、フィブリルを発現しやすい。
芯鞘型複合繊維は、繊維断面において芯成分と鞘成分とが同心に配置されたものであってよく、あるいは芯成分が繊維の中心からずれている偏心芯鞘型複合繊維であってよい。あるいは、鞘成分が繊維断面において繊維表面の80%以上を占める限りにおいて、芯成分の一部が繊維表面に露出していてよい。偏心芯鞘型複合繊維の場合、または芯成分の一部が繊維表面に露出した繊維の場合、繊維断面において、鞘成分の薄い部分から芯鞘剥離が生じやすく、フィブリル化がより促進されることもある。
繊維化は、公知の溶融紡糸装置を用いて実施できる。紡糸温度は用いる熱可塑性樹脂(A)および(C)ならびに酸変性ポリオレフィン(B)の種類等に応じて、適宜選択される。紡糸フィラメントの繊度(紡直繊度)もまた、繊維を構成する樹脂の種類および最終的に得ようとする繊度等に応じて適宜選択される。
紡糸フィラメントは、必要に応じて、延伸処理に付してよい。延伸は繊維を構成している熱可塑性樹脂の種類に応じて、適切な温度を設定して、乾式延伸法または湿式延伸法により実施する。延伸倍率も、紡糸フィラメントの繊度および所望の最終繊度に応じて適宜選定される。
得られた延伸フィラメントには、所定量の繊維処理剤を付着してよい。さらに、好ましくはクリンパー(捲縮付与装置)で機械捲縮が与えられる。機械捲縮を付与して複合繊維に「曲げ」を生じさせることにより、芯成分と鞘成分との間に力が加わり、芯成分と鞘成分との間で剥離が生じる、または剥離が生じやすい状態になり、フィブリル化が促進されるからである。捲縮数は、例えば、2個/25mm以上30個/25mm以下、好ましくは、10個/25mm以上20個/25mm以下の範囲内であるが、これに限定されない。複合繊維は、繊維長が10mmを超え、100mm以下である、捲縮を有しない又は捲縮を有するステープル繊維の形態で提供してよい。あるいは、本発明の繊維は、繊維長が2〜10mm程度である、捲縮を有しない短繊維の形態としてよく、あるいは捲縮を有しない又は捲縮を有する、長繊維の形態で使用してよい。
例えば、熱可塑性樹脂(A)がポリエチレンテレフタレート、酸変性樹脂(B)がマレイン酸変性ポリプロピレン、熱可塑性樹脂(C)がポリプロピレンである場合には下記の繊維化条件を採用することができる。
紡糸温度:芯230℃〜350℃、鞘280℃〜350℃
紡糸フィラメントの繊度:2dtex〜50dtex、より好ましくは3dtex〜10dtex
延伸処理:延伸倍率1.5倍〜4.0倍、延伸温度50℃〜100℃の湿式延伸処理。
捲縮数:2個/25mm以上30個/25mm以下
本発明の複合繊維の繊度は、用途等に応じて適宜選択され、その繊度が得られるように紡糸条件および延伸条件等が選択される。一般に、本発明の複合繊維の繊度は、0.5dtex〜200dtexであり、好ましくは0.8dtex〜50dtexである。本発明の複合繊維の繊度は、例えば、布団および衣料の中綿として用いられる場合には、一般には0.6dtex〜20dtexであり、好ましくは4.0dtex〜10dtexである。
[フィブリル形成]
次に、本発明の芯鞘型複合繊維のフィブリル形成について説明する。
本発明の複合繊維は、芯成分の主成分と鞘成分の主成分とが非相溶であるため、繊維にした後で、芯成分−鞘成分間の剥離が生じやすい。剥離は、機械捲縮を付与して繊維に曲げを生じさせることによって、あるいは外から強い力を加えることによって生じる。芯−鞘剥離が生じると、鞘成分は芯成分から独立した厚みの小さい膜となるため、これに力が加わると、ひびや割れが生じやすくなる。そのひびや割れが繊維の長手方向において繋がると、鞘成分の一部が裂けることとなり、裂けた部分が繊度の小さなフィブリルを形成する。鞘成分の裂けは、剥離した芯成分が変形する(例えば、曲げが生じている部分がさらに曲げられる)ときに、芯成分が鞘成分を押す力によっても生じる。
したがって、本発明の芯鞘型複合繊維において、芯成分と鞘成分との間の接着は、複合紡糸中には剥離が生じない限度において強くないものであり、そのような接着性を確保するために、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(C)とを非相溶としている。特許文献3に記載された複合繊維においては、芯成分と鞘成分が同じポリエステル系の樹脂であるために、芯−鞘剥離が生じず、フィブリルが形成されない。
本発明の複合繊維においては、鞘成分が酸変性ポリオレフィン(B)を含み、当該樹脂が熱可塑性樹脂(A)のフィブリル化を促進するものとして機能する。したがって、このような成分を含まない特許文献2に記載の繊維は、フィブリルを形成し得ない。酸変性ポリオレフィン(B)は、熱可塑性樹脂(A)の結晶化に影響を及ぼすことにより、フィブリル形成性を鞘成分に付与する役割をし、種々の繊度のフィブリルを形成することを可能にする。酸変性ポリオレフィン(B)は、特許文献1に記載の複合繊維の鞘部を構成するポリオレフィンがそれ自体フィブリルを形成するのに対して、それのみからなるフィブリルを形成しない。本発明の複合繊維において、酸変性ポリオレフィン(B)は、熱可塑性樹脂(A)中にミクロに分散して、熱可塑性樹脂(A)それ自体の機械的物性を変化させ、熱可塑性樹脂(A)とともにフィブリルを形成し、または場合によっては熱可塑性樹脂(A)のみからなるフィブリルを形成する。そのため、本発明の複合繊維は、鞘成分の容積比を特許文献1の実施例1(鞘部:10体積%)のように小さくして鞘成分の膜厚を薄くしなくても、フィブリルを形成できる。
フィブリルは、本発明の複合繊維に力を加えて、鞘成分に裂けを生じさせることにより形成する。力は、例えば、洗濯機等による撹拌、叩解、機械的に揉みを加える等の操作により加えてよい。高圧水流の噴射(例えば水流交絡処理)、繰り返しのニードル接触(例えばニードルパンチによる交絡処理)等の操作によりフィブリルが形成される場合もある。本発明の複合繊維を、布団および衣料の中綿として用いる場合、ローラ間を通過させることによりフィブリルを形成してよい。また、フィブリルは、染色処理により形成される場合があり、あるいは染色処理を施すによって、上記の処理によるフィブリル形成がより進行しやすくなる場合もある。
[繊維集合物]
次に、本発明の芯鞘型複合繊維を含む繊維集合物について説明する。
本発明の複合繊維は、公知の繊維集合物、例えば、紡績糸、中綿、織編物、ネット状物、不織布などに加工されて使用される。繊維集合物は、本発明の複合繊維を20質量%以上含む。本発明の親水性繊維の含有量が20質量%未満であると、繊維集合物においてフィブリルを十分に得られない。本発明の複合繊維は、特に、不織布を作製するのに好ましく用いられる。不織布は、繊維ウェブを作製した後、繊維を接着させる及び/または交絡させて一体化させることにより製造される。繊維ウェブの形態は特に限定されず、ステープル繊維からなるパラレルウェブ、セミランダムウェブ、およびクロスウェブ、短繊維からなる湿式抄紙ウェブ、およびエアレイウェブ、ならびに長繊維からなるスパンボンドウェブのいずれであってよい。
不織布の製造において、繊維ウェブの繊維を一体化させる方法は特に限定されない。例えば、繊維の一体化は、ニードルパンチ法および水流交絡処理法等の機械的交絡法によって行ってよい。あるいは、鞘成分が熱接着性を有する場合には、繊維同士を鞘成分により熱接着させて、繊維を一体化させてよい。
繊維集合物は、本発明の複合繊維以外の他の繊維を含んでよい。他の繊維は特に限定されず、例えば、コットン、シルクおよびウールなどの天然繊維、ビスコースレーヨン、キュプラ、および溶剤紡糸セルロース繊維(例えば、レンチングリヨセル(登録商標)およびテンセル(登録商標))等の再生繊維、先に熱可塑性樹脂(A)および(C)に関連して説明した樹脂からなる、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル繊維およびポリアミド系繊維、アクリルニトリルからなる(ポリ)アクリルの単一繊維、ならびにポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスチレン、環状ポリオレフィンなどのエンジニアリング・プラスチックからなる繊維等であってよい。また、他の繊維としては、一種類のポリマー成分からなる単一繊維だけではなく、二種以上のポリマー成分を含む複合繊維を用いることもできる。
[用途等]
本発明の複合繊維は上記のとおり、繊維集合物に加工されて、衛生用品(おむつ、生理用品など)などの液体吸収材、衣料用布帛、産業資材(例えば、電池セパレータ)、および起毛シート等として提供される。
あるいは、本発明の複合繊維は、繊維集合物の形態ではなく、繊維のままで、セメント補強用繊維、布団および衣料等の中綿として用いることもできる。特に、本発明の複合繊維は、芯成分が太い繊度の繊維を与え、鞘成分が様々な太さのフィブリルを与えて、あたかも羽毛のような形態を有することができるので、布団および防寒ジャケットなどの中綿として、特に有用である。
(実施例1)
熱可塑性樹脂(A)として、スルホン基を導入した、カチオン染色性ポリエチレンテレフタレート(商品名A2802、Woongjin Chemical Co.,Ltd.製、融点241℃)、酸変性ポリオレフィン(B)としてマレイン酸変性ポリプロピレンとポリプロピレンとを含む組成物(商品名:モディック P908、三菱化学株式会社製、融点150℃、酸価度12.8)、熱可塑性樹脂(C)としてポリプロピレン(商品名PLA00A、サンアロマー株式会社製、融点166℃)を用意した。カチオン染色性ポリエチレンテレフタレートの割合を95質量%、マレイン酸変性ポリプロピレンを含む組成物の割合を5質量%として混合したものを鞘成分、ポリプロピレンを芯成分とし、鞘成分の紡糸温度295℃、芯成分の紡糸温度295℃として、鞘成分と芯成分が同心に配置された芯鞘型複合繊維(容積比33:67(鞘:芯))を紡糸した。紡糸フィラメントの繊度は、3.8dtexとした。
紡糸フィラメントを、60℃にて、湿式延伸処理に付した。延伸倍率は2.8倍であった。さらに95℃にて、湿式延伸処理に付した。延伸倍率は1.0倍であった。延伸後、フィラメントにクリンパーで機械捲縮を、17個/25mmで付与し、38mmにカットした。得られた繊維のみを用いて目付100g/m2のカードウェブを作製し、ニードルパンチと水流交絡により繊維同士を交絡させて不織布を得た。
(比較例1)
鞘成分として、カチオン染色性ポリエチレンテレフタレートのみを用いたこと以外は、実施例1で用いた手順と同様の手順に従って複合繊維を得、さらに不織布を作製した。
実施例1および比較例1で得られた不織布を洗濯機で洗濯した。JIS L 0217の103法に準じて10回洗濯した。ただし、洗濯機はパナソニック株式会社製、FOAM WASH 5.0 NA−F50B2Cを用い、洗濯は洗剤を使用せずに行った。その後、タンブラー乾燥機を用いて、60℃にて30分乾燥させた。洗濯後の不織布表面を電子顕微鏡で観察した。観察結果を図1A、図1B、図2Aおよび図2Bに示す。
図1Aおよび図1Bに示すように、実施例1の繊維からなる不織布においては、鞘成分が裂けて形成されたフィブリルが観察された。これに対し、比較例1の繊維からなる不織布においては、図2Aおよび図2Bに示すように、フィブリルはほとんど形成されておらず、鞘成分の裂けもほとんど見られなかった。
本発明には以下の態様のものが含まれる。
(態様1)
鞘成分と芯成分とからなる、フィブリル形成性を有する芯鞘型複合繊維であって、
鞘成分は、熱可塑性樹脂(A)50質量%以上と、酸変性ポリオレフィン(B)とを含み、
芯成分は、熱可塑性樹脂(C)を50質量%以上含み、
前記熱可塑性樹脂(A)と前記酸変性ポリオレフィン(B)とは非相溶であり、
前記熱可塑性樹脂(A)と前記熱可塑性樹脂(C)とは非相溶である
芯鞘型複合繊維。
(態様2)
鞘成分と芯成分とからなる、フィブリル形成性を有する芯鞘型複合繊維であって、
鞘成分は、熱可塑性樹脂(A)として芳香族ポリエステル樹脂を50質量%以上と、酸変性ポリオレフィン(B)とを含み、
芯成分は、熱可塑性樹脂(C)としてポリオレフィン系樹脂を50質量%以上含む芯鞘型複合繊維。
(態様3)
酸変性ポリオレフィン(B)が、酸変性ポリオレフィン系樹脂と酸変性されていないポリオレフィン系樹脂とを含む、態様1または2の芯鞘型複合繊維。
(態様4)
熱可塑性樹脂(A)と酸変性ポリオレフィン(B)を含むフィブリル、および/または熱可塑性樹脂(A)のみからなるフィブリルを形成することができる、態様1〜3のいずれかの芯鞘型複合繊維。
(態様5)
態様1〜4のいずれかの芯鞘型複合繊維を20質量%以上含む繊維集合物であって、熱可塑性樹脂(A)と酸変性ポリオレフィン(B)を含むフィブリル、および/または熱可塑性樹脂(A)のみからなるフィブリルが形成されている、繊維集合物。
本発明の芯鞘型複合繊維は、鞘成分がフィブリルを与えるので、セメント補強用繊維、起毛シート、衣料用布帛等として用いることができる。特に、本発明の複合繊維は、芯成分が太い繊度の繊維を与え、鞘成分が様々な太さのフィブリルを与えるので、布団および防寒ジャケットなどの中綿として用いるのに適している。

Claims (5)

  1. 鞘成分と芯成分とからなる、フィブリル形成性を有する芯鞘型複合繊維であって、
    鞘成分は、熱可塑性樹脂(A)50質量%以上と、酸変性ポリオレフィン(B)とを含み、
    芯成分は、熱可塑性樹脂(C)を50質量%以上含み、
    前記熱可塑性樹脂(A)と前記酸変性ポリオレフィン(B)とは非相溶であり、
    前記熱可塑性樹脂(A)と前記熱可塑性樹脂(C)とは非相溶である
    芯鞘型複合繊維。
  2. 鞘成分と芯成分とからなる、フィブリル形成性を有する芯鞘型複合繊維であって、
    鞘成分は、熱可塑性樹脂(A)として芳香族ポリエステル樹脂を50質量%以上と、酸変性ポリオレフィン(B)とを含み、
    芯成分は、熱可塑性樹脂(C)としてポリオレフィン系樹脂を50質量%以上含む芯鞘型複合繊維。
  3. 酸変性ポリオレフィン(B)が酸変性ポリオレフィン系樹脂と酸変性されていないポリオレフィン系樹脂とを含む、請求項1または2に記載の芯鞘型複合繊維。
  4. 熱可塑性樹脂(A)と酸変性ポリオレフィン(B)を含むフィブリル、および/または熱可塑性樹脂(A)のみからなるフィブリルを形成することができる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の芯鞘型複合繊維。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の芯鞘型複合繊維を20質量%以上含む繊維集合物であって、熱可塑性樹脂(A)と酸変性ポリオレフィン(B)を含むフィブリル、および/または熱可塑性樹脂(A)のみからなるフィブリルが形成されている、繊維集合物。
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